説明

還元剤供給装置

【課題】還元剤の噴射に伴う還元剤の供給圧力の脈動を低減して、噴射量の制御性を向上することが可能な還元剤供給装置を提供する。
【解決手段】液体の還元剤を収容する還元剤タンクと、前記還元剤を圧送するポンプと、前記ポンプによって圧送された前記還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、を備え、前記内燃機関の停止に伴い、残留する前記還元剤を前記還元剤タンクに回収するパージ制御を実行可能に構成された還元剤供給装置において、前記ポンプから前記還元剤噴射弁までの還元剤供給経路の一部に、前記還元剤の充填後においてもエアを貯留可能なエアダンパー部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関から排出される排気を浄化するための還元剤を排気管内に噴射する還元剤供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等に搭載された内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物(以下「NOX」と称する。)を除去するための排気浄化装置の一態様として、排気通路に備えられNOXと還元剤との還元反応を促進させるNOX浄化触媒と、尿素水溶液等の液体の還元剤をNOX浄化触媒の上流側で噴射する還元剤供給装置とを備えた装置が実用化されている。
【0003】
このような排気浄化装置に用いられる還元剤供給装置は、液体の還元剤を収容する還元剤タンクと、還元剤タンク内の還元剤を吸い上げて圧送するポンプと、ポンプにより圧送される還元剤を排気管内に噴射する還元剤噴射弁とを備えて構成されている。
【0004】
ここで、還元剤として尿素水溶液が用いられる場合、尿素水溶液の濃度は凝固点が最も低くなる濃度(例えば32.5%濃度、凝固点≒−11℃)に調整されて用いられる。しかしながら、寒冷地等において、内燃機関の停止中に還元剤の温度が凝固点を下回ると、還元剤供給経路内で還元剤が凝固するおそれがある。特に、排気熱等によって水分が蒸発して還元剤の濃度が上昇し、還元剤の凝固点が上昇する場合があるため、還元剤の凝固の発生は十分に考えられる。還元剤の凝固を生じると、還元剤の体積が膨張して、配管や還元剤噴射弁が破損するおそれがある。そのため、内燃機関の停止時においては、還元剤供給経路内に残留する還元剤を還元剤タンクに回収するパージ制御が実施されるようになっている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−101564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内燃機関の停止時にパージ制御を実施した場合、次回の内燃機関の運転時において還元剤の噴射を指示噴射量に応じて適正に行うために、内燃機関の再始動時に還元剤を充填するにあたり還元剤供給経路内のエアを完全に抜くように制御が実施される。
【0007】
しかしながら、還元剤供給経路内から完全にエアを抜き取って還元剤を充填した場合には、還元剤噴射弁からの還元剤の噴射に伴い、還元剤供給経路内の圧力が大きく脈動する場合がある。すなわち、還元剤供給経路内が非圧縮性流体である還元剤で充填されているため、還元剤の噴射によって還元剤供給経路内の圧力が一旦低下するとともに、その反動によって圧力が上昇し、あらかじめ設定されているシステム圧を維持できない場合がある。
【0008】
還元剤供給経路内の圧力が安定しない場合には、還元剤噴射弁から噴射される還元剤の噴射量の制御性が損なわれ、排気中のNOXの浄化効率が低下するおそれがある。
【0009】
本発明の発明者は、このような課題に鑑みて、ポンプから還元剤噴射弁までの還元剤供給経路の一部にエアダンパー部を備えることによりこのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、還元剤の噴射に伴う還元剤の供給圧力の脈動を低減して、噴射量の制御性を向上することが可能な還元剤供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、液体の還元剤を収容する還元剤タンクと、前記還元剤を圧送するポンプと、前記ポンプによって圧送された前記還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、を備え、前記内燃機関の停止に伴い、残留する前記還元剤を前記還元剤タンクに回収するパージ制御を実行可能に構成された還元剤供給装置において、前記ポンプから前記還元剤噴射弁までの還元剤供給経路の一部に、前記還元剤の充填後においてもエアを貯留可能なエアダンパー部を備えることを特徴とする還元剤供給装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
【0011】
すなわち、本発明の還元剤供給装置は、ポンプから還元剤噴射弁までの還元剤供給経路にエアダンパー部を備えることとしているため、エアダンパー部に貯留するエアの高い圧縮性を利用して、還元剤の供給圧力の脈動を低減することができる。したがって、還元剤の噴射量の制御性を向上することが可能になる。また、本発明の還元剤供給装置においては、内燃機関の停止時に実施されるパージ制御によって、内燃機関の始動前においては還元剤供給経路内がエアで満たされていることに着目し、還元剤の充填後においてもエアを貯留させることによってダンパー機能を得るようにしていることから、比較的簡易な構成によって、還元剤の供給圧力の脈動を低減することが可能になる。
【0012】
また、本発明の還元剤供給装置において、前記エアダンパー部を、前記還元剤中の異物を捕集するためのフィルタエレメントを備えたフィルタユニット内に設けることが好ましい。
【0013】
このように構成することにより、配管の途中に新たな部品を別途設けることなく、フィルタユニットを置き換えることによって、エアダンパー部を設けることが可能になる。
【0014】
また、本発明の還元剤供給装置において、前記フィルタユニットは、前記フィルタエレメントが収容されるとともに他端が前記還元剤噴射弁に接続された還元剤通路が接続された主室を有するケーシングを備えるとともに、前記エアダンパー部として、下方側が前記主室と連通して設けられたエアダンパー室を備えることが好ましい。
【0015】
このように構成することにより、フィルタユニットにエアダンパー室を設けることを容易にすることが可能になる。
【0016】
また、本発明の還元剤供給装置において、前記エアダンパー室を前記主室の上部に設けることが好ましい。
【0017】
このように構成することにより、還元剤を充填することに伴って、エアダンパー室内にエアを確実に貯留させることが可能になる。
【0018】
また、本発明の還元剤供給装置において、前記エアダンパー部を、前記フィルタエレメントよりも前記還元剤噴射弁側の還元剤供給経路に設けることが好ましい。
【0019】
このように構成することにより、還元剤噴射弁に供給される還元剤の圧力の脈動をより低減しやすくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態に係る還元剤供給装置を備えた排気浄化装置の全体的構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る還元剤供給装置の構成について説明するために示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る還元剤供給装置に還元剤を充填する様子を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る還元剤供給装置におけるエアダンパー室内のエアの様子を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る還元剤供給装置を備えた排気浄化装置の全体的構成の一例を概略的に示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る還元剤供給装置の構成について説明するために示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る還元剤供給装置における還元剤の流れについて説明するために示す図である。
【図8】変形例1に係る還元剤供給装置の構成について説明するために示す図である。
【図9】変形例2に係る還元剤供給装置の構成について説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る還元剤供給装置に関する実施の形態を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、それぞれの図において、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aを備えた排気浄化装置10Aの全体的構成の一例を概略的に示す図である。図2は、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aの構成について説明するために示す図である。図3(a)〜(c)は、還元剤供給装置20Aに還元剤を充填する様子を示す図である。図4(a)〜(b)は、還元剤の噴射制御中のエアダンパー室59内のエアの様子を示す図である。
【0023】
1.排気浄化装置の全体的構成
図1に示すように、排気浄化装置10Aは、車両等に搭載された内燃機関1から排出される排気中のNOXを、NOX浄化触媒11上で還元剤を用いて浄化するように構成された装置である。排気浄化装置10Aは、内燃機関1の排気系に接続された排気管3の途中に配置されたNOX浄化触媒11と、NOX浄化触媒11よりも上流側において排気管3内に還元剤を噴射供給するための還元剤供給装置20Aと、還元剤供給装置20Aの動作制御を行う制御装置40とを主たる構成要素として備えている。
【0024】
NOX浄化触媒11は、排気管3内に噴射された還元剤又は当該還元剤から生成される還元成分と、排気中のNOXとの反応を促進する機能を有している。NOX浄化触媒11としては、NOX選択還元触媒やNOX吸蔵触媒が用いられる。
【0025】
NOX選択還元触媒は、還元剤を吸着するとともに、この還元剤を用いて、触媒中に流入する排気中のNOXを選択的に浄化する機能を有する触媒である。NOX選択還元触媒を用いる場合においては、尿素水溶液や未燃燃料が還元剤として用いられる。還元剤として尿素水溶液を用いる場合には、尿素水溶液中の尿素が分解することによって生成されるアンモニア(NH3)がNOXと反応することにより、NOXが窒素(N2)及び水(H2O)に分解される。また、還元剤として未燃燃料を用いる場合には、未燃燃料中の炭化水素(HC)がNOXと反応することにより、NOXが窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)及び水(H2O)に分解される。
【0026】
また、NOX吸蔵触媒は、触媒中に流入する排気の空燃比がリーンの状態(燃料希薄状態)においてNOXを吸蔵する一方、空燃比がリッチの状態に切り換えられたときにNOXを放出し、排気中の炭化水素(HC)を用いてNOXを浄化する機能を有する触媒である。炭化水素(HC)と反応したNOXは窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)及び水(H2O)に分解される。NOX吸蔵触媒を用いる場合においては、排気の空燃比をリッチの状態とするために、還元剤としての未燃燃料が排気管3内に噴射供給される。
【0027】
2.還元剤供給装置
(1)構成
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aは、液体の還元剤を収容する還元剤タンク21と、還元剤を圧送するポンプ23と、ポンプ23により圧送された還元剤を排気管3内に噴射する還元剤噴射弁25と、ポンプ23により圧送される還元剤の流れ方向を切り換えるリバーティングバルブ24と、還元剤中の異物を捕集するためのフィルタエレメント51が収容されたフィルタユニット50とを備えている。
【0028】
還元剤タンク21とポンプ23とは、リバーティングバルブ24を介して第1の還元剤通路31で接続され、ポンプ23とフィルタユニット50とは、リバーティングバルブ24を介して第2の還元剤通路32で接続され、さらに、フィルタユニット50と還元剤噴射弁25とは、第3の還元剤通路33で接続されている。フィルタユニット50には、他端が還元剤タンク21に接続されたリターン通路35が接続されており、リターン通路35にはリリーフ弁37が備えられている。リリーフ弁37は、弁体とスプリングとを用いた機械式の弁として構成されている。
【0029】
第3の還元剤通路33には、第3の還元剤通路33内の圧力を検出するための圧力センサ27が備えられている。第3の還元剤通路33内の圧力は、還元剤の供給圧力Pを示す。但し、圧力センサ27は、還元剤噴射弁25に供給される還元剤の圧力を検出できるようになっていればよく、第3の還元剤通路33に直接設けられていなくても構わない。
【0030】
還元剤噴射弁25は、制御装置40によって駆動制御が行われるものであり、使用できる還元剤噴射弁25は特に限定されるものではない。例えば、通電/非通電の切り換えにより開弁/閉弁の切り換えが行われる電磁弁を用いることができる。
【0031】
ポンプ23は、制御装置40によって駆動制御が行われるものであり、使用できるポンプ23は特に限定されるものではない。例えば、単位時間当たりの通電のオン/オフのデューティ比を調整することによって吐出量が調節される電動ポンプを用いることができる。第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aにおいて、ポンプ23の出力は、圧力センサ27を用いて検出される還元剤の供給圧力Pが所定のシステム圧となるように制御される。
【0032】
リバーティングバルブ24は、制御装置40によって駆動制御が行われるものであり、還元剤の流れ方向を、還元剤タンク21側から還元剤噴射弁25側へと流れる正方向と、還元剤噴射弁25側から還元剤タンク21側へと流れる逆方向とに切り換え可能に構成されている。使用できるリバーティングバルブ24は特に限定されるものではなく、例えば、通電のオン/オフによって還元剤の流れ方向を正方向又は逆方向に切り換え可能な電磁切換弁を用いることができる。
【0033】
第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aにおいては、排気管3内への還元剤の噴射制御を行う場合には、リバーティングバルブ24への通電が停止されて、還元剤が正方向に流れるようになっている。一方、還元剤を還元剤タンク21に回収するパージ制御を行う場合には、リバーティングバルブ24への通電が行われ、還元剤が逆方向に流れるように流路が切り換えられるようになっている。
【0034】
フィルタユニット50は、図2に示すように、ケーシング本体52と、蓋体53と、ケーシング本体52内に収容されたフィルタエレメント51とを備えている。第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aにおいては、円筒状のフィルタエレメント51が用いられている。
【0035】
ケーシング本体52は、下方側に開口する第1の空間52aと、第1の空間52aに連続して設けられ、第1の空間52aの上方に位置する第2の空間52bとを有している。ケーシング本体52の下方側の開口は蓋体53によって閉じられている。この実施の形態中で述べる「上」、「下」は、重力方向の「上」、「下」を意味している。
【0036】
ケーシング本体52の第1の空間52aは主室57を構成する空間であって、内部にフィルタエレメント51が収容されるとともに、第2の還元剤通路32、第3の還元剤通路33、及びリターン通路35が接続されている。第2の還元剤通路32は円筒状のフィルタエレメント51の外側の領域に接続されており、リターン通路35及び第3の還元剤通路33は円筒状のフィルタエレメント51の内側の領域に接続されている。
【0037】
ケーシング本体52の第2の空間52bには中空部材54が挿嵌されている。中空部材54は、脱落しないように、第1の空間52a側からフィルタエレメント51によって押さえられている。中空部材54の内部の空間はエアダンパー室59を構成し、エアダンパー室59は第1の空間52a側に開口54aを有するとともに、この開口54aに連通するフィルタエレメント51の開口51aを介して主室57に連通している。中空部材54の開口54aの面積及びフィルタエレメント51の開口51aの面積は、エアダンパー室59の断面積よりも小さくされている。
【0038】
エアダンパー室59は、その容積が主室57の容積よりも小さくなっているとともに、還元剤噴射弁25から噴射される還元剤の最大流量を考慮して容積が決められている。すなわち、還元剤の噴射による圧力脈動によって、エアダンパー室59内のエアが圧縮又は膨張することで、圧力脈動を効果的に低減できるように、エアダンパー室59の容積が決められている。
【0039】
(2)作用
次に、図3及び図4を参照して、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aに設けられたエアダンパー室59の作用について説明する。
【0040】
第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aは、内燃機関1の停止時においてパージ制御が実施されるため、内燃機関1の始動時においては、フィルタユニット50を含む還元剤供給経路内はエアで満たされている。
【0041】
内燃機関1の始動時において、還元剤の流れ方向が正方向となるようにリバーティングバルブ24を保持した状態で還元剤噴射弁25を開弁しながらポンプ23の駆動を開始すると、図3(a)に示すように、フィルタユニット50のケーシング本体5の主室57内に還元剤が流れ込む。主室57内に流れ込んだ還元剤は、フィルタエレメント51を外側の領域から内側の領域に通過しつつ、徐々に液面が上昇する。第2の還元剤通路32や主室57内に存在していたエアは、圧力の上昇によってエアダンパー室59及び第3の還元剤通路33に押し込まれる。
【0042】
還元剤の液面が主室57の上面近くまで上昇し、主室57が還元剤で満たされると、図3(b)に示すように、還元剤が第3の還元剤通路33側に流れ込む。還元剤噴射弁25を閉弁した後、さらに、ポンプ23によって還元剤が圧送されて、フィルタユニット50内の圧力がリリーフ弁37の開弁圧を超えると、図3(c)に示すように、リリーフ弁37が開弁して還元剤が循環するようになる。ただし、エアダンパー室59内に押し込まれたエアは抜け道がないため、そのままエアダンパー室59内に閉じ込められる。
【0043】
その後、還元剤の噴射制御が開始されると、還元剤噴射弁25の開弁に伴って還元剤が噴射されたときには、還元剤の供給圧力Pが一旦低下する。すなわち、フィルタユニット50内の圧力が一旦低下する。このとき、圧力変化に対するエアの膨張率が還元剤の膨張率よりも著しく大きいために、図4(a)に示すように、エアダンパー室59内に貯留しているエアの体積が増大する。その結果、還元剤の供給圧力Pの低下割合が小さく抑えられる。
【0044】
また、還元剤噴射弁25の閉弁に伴って還元剤の噴射が停止すると、ポンプ23によって充填される還元剤によって、還元剤の供給圧力Pが上昇する。すなわち、フィルタユニット50内の圧力が上昇する。このとき、図4(b)に示すように、エアダンパー室59内に貯留しているエアの体積が減少するため、還元剤の供給圧力Pの増加割合が小さく抑えられる。
【0045】
このように、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aにおいては、内燃機関1の始動時に、還元剤の充填が完了した場合であっても、エアダンパー室59内にエアを貯留することが可能となっている。そして、エアダンパー室59内のエアは、還元剤の噴射制御中に、還元剤の供給圧力Pの変動に伴って体積が変化するため、還元剤の供給圧力Pの脈動が低減する。その結果、還元剤の噴射量の制御性が向上する。
【0046】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る還元剤噴射装置20Aは、ポンプ23から還元剤噴射弁25までの還元剤供給経路の一部に、還元剤の充填後においてもエアを貯留可能なエアダンパー室59を備えているため、還元剤の噴射に伴う還元剤の供給圧力Pの脈動を低減することができる。したがって、還元剤の噴射量の制御性を向上することが可能になる。
【0047】
また、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aによれば、内燃機関1の停止時に実施されるパージ制御によって、内燃機関1の始動前においては還元剤供給経路内がエアで満たされていることに着目し、還元剤の充填後においてもエアダンパー室59内にエアを貯留させることによってダンパー機能を得るようにしていることから、比較的簡易な構成によって、還元剤の供給圧力Pの脈動を低減することが可能になる。
【0048】
また、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aによれば、還元剤中の異物を捕集するためのフィルタエレメント51を備えたフィルタユニット50内にエアダンパー室59を設けることとしているため、配管の途中に新たな部品を別途設けることなく、フィルタユニット50を置き換えることによって、エアダンパー部を設けることが可能になる。
【0049】
また、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aによれば、フィルタユニット50は、フィルタエレメント51が収容されるとともに他端が還元剤噴射弁25に接続された第3の還元剤通路33が接続された主室57を有し、下方側が主室57と連通して設けられたエアダンパー室59を備える構成となっているために、還元剤の液面の上昇によってエアダンパー室59内にエアが押し込まれるようになり、エアダンパー室59を設けることを容易にすることが可能になる。
【0050】
また、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aによれば、エアダンパー室59を主室57の上部に設けることとしているため、還元剤を充填することに伴って、エアダンパー室59内にエアを確実に貯留させることが可能になる。
【0051】
また、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aによれば、エアダンパー室59が、フィルタエレメント51の濾過面よりも還元剤噴射弁25側の還元剤供給経路に設けられているため、還元剤噴射弁25に供給される還元剤の供給圧力Pの脈動をより低減しやすくすることが可能になる。
【0052】
[第2の実施の形態]
図5は、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bを備えた排気浄化装置10Bの全体的構成の一例を概略的に示す図である。図6は、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bの構成について説明するために示す図である。図7は、還元剤の流れについて説明するために示す図であって、図7(a)は還元剤の充填中の還元剤の流れを示し、図7(b)はパージ制御中の還元剤の流れを示している。
【0053】
排気浄化装置10Bの全体的構成は、基本的に第1の実施の形態の場合と同様であるが、還元剤供給装置20Bの構成が第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aの場合と異なる。以下、還元剤供給装置20Bの構成を中心に説明する。
【0054】
(1)構成
図5及び図6に示すように、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bは、液体の還元剤を収容する還元剤タンク21と、還元剤を圧送するポンプ23と、ポンプ23により圧送された還元剤を排気管3内に噴射する還元剤噴射弁25と、ポンプ23により圧送される還元剤の流れ方向を切り換えるリバーティングバルブ24と、還元剤中の異物を捕集するためのフィルタユニット80とを備えている。
【0055】
還元剤タンク21とポンプ23とは、リバーティングバルブ24を介して第1の還元剤通路31で接続され、ポンプ23とフィルタユニット80とは、リバーティングバルブ24を介して第2の還元剤通路32で接続され、さらに、フィルタユニット80と還元剤噴射弁25とは、第3の還元剤通路33で接続されている。フィルタユニット80には、他端が還元剤タンク21に接続されたリターン通路35が接続されており、リターン通路35にはリリーフ弁37が備えられている。第3の還元剤通路33には、第3の還元剤通路33内の圧力を検出するための圧力センサ27が備えられている。
【0056】
還元剤噴射弁25やポンプ23、リバーティングバルブ24、圧力センサ27、リターン通路35、リリーフ弁37は、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aの場合と同様に構成することができる。
【0057】
第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいて、ポンプ23とフィルタユニット80とを接続する第2の還元剤通路32は、途中で、第1の分岐路32aと第2の分岐路32bとに分岐している。第1の分岐路32aは、フィルタエレメント81の外側の領域において主室87に接続されている。また、第2の分岐路32bは、後述する管状部材95を介して、フィルタエレメント81の内側の領域において主室87に接続されている。
【0058】
第1の分岐路32aと第2の分岐路32bとの分岐部分には第1の切換制御弁91が備えられている。第1の切換制御弁91は、制御装置40よって制御されるものであり、第2の還元剤通路32を第1の分岐路32aに接続するか、又は第2の分岐路32bに接続するかを切り換えることができるようになっている。第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいては、第1の切換制御弁91への通電が停止している間、第2の還元剤通路32と第1の分岐路32aとを接続する一方、第1の切換制御弁91に通電している間、第2の還元剤通路32と第2の分岐路32bとを接続する電磁制御弁が用いられている。但し、使用できる第1の切換制御弁91は特に限定されない。
【0059】
フィルタユニット80と還元剤噴射弁25とを接続する第3の還元剤通路33は、途中で、第3の分岐路33aと第4の分岐路33bとに分岐している。第3の分岐路33aは、フィルタエレメント81の内側の領域において主室87に接続されている。第4の分岐路33bは、フィルタエレメント81の外側の領域において主室87に接続されている。
【0060】
第3の分岐路33aと第4の分岐路33bとの分岐部分には第2の切換制御弁93が備えられている。第2の切換制御弁93は、制御装置40によって制御されるものであり、第3の還元剤通路33を第3の分岐路33aに接続するか、又は第4の分岐路33bに接続するかを切り換えることができるようになっている。第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいては、第2の切換制御弁93への通電が停止している間、第3の還元剤通路33と第3の分岐路33aとを接続する一方、第2の切換制御弁93に通電している間、第3の還元剤通路33と第4の分岐路33bとを接続する電磁制御弁が用いられている。但し、使用できる第2の切換制御弁93は特に限定されない。
【0061】
本実施形態に係る還元剤供給装置20Bにおいて、還元剤の噴射制御中には第1の切換制御弁91及び第2の切換制御弁93への通電はともに停止され、第2の還元剤通路32と第1の分岐路32a、及び、第3の分岐路33aと第3の還元剤通路33がそれぞれ接続される。一方、パージ制御中には第1の切換制御弁91及び第2の切換制御弁93にともに通電され、第2の還元剤通路32と第2の分岐路32b、及び、第4の分岐路33bと第3の還元剤通路33がそれぞれ接続される。
【0062】
フィルタユニット80は、ケーシング本体82と、蓋体83と、ケーシング本体82内に収容されたフィルタエレメント81とを備えている。第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいても、円筒状のフィルタエレメント81が用いられている。
【0063】
ケーシング本体82は、下方側に開口する第1の空間82aと、第1の空間82aに連続して設けられ、第1の空間82aの上方に位置する第2の空間82bとを有している。ケーシング本体82の下方側の開口は蓋体83によって閉じられて、第1の空間82aが主室87として構成されている。この実施の形態においても、「上」、「下」は、重力方向の「上」、「下」を意味している。
【0064】
ケーシング本体82の第2の空間82bには中空部材84が挿嵌されている。中空部材84は、脱落しないように、第1の空間82a側からフィルタエレメント81によって押さえられている。中空部材84の内部の空間はエアダンパー室89を構成し、エアダンパー室89は第1の空間82a側に開口する。
【0065】
エアダンパー室89は、その容積が主室87の容積よりも小さくなっているとともに、還元剤噴射弁25から噴射される還元剤の最大流量を考慮して容積が決められている。すなわち、還元剤の噴射による圧力脈動によって、エアダンパー室89内のエアが圧縮又は膨張することで、圧力脈動を効果的に低減できるように、エアダンパー室89の容積が決められている。
【0066】
また、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいて、フィルタユニット80の主室87内には管状部材95が備えられている。管状部材95は、蓋体83の下方側から挿入され、フィルタエレメント81内を貫通するとともに上端がエアダンパー室89内に位置している。また、管状部材95の下端は、蓋体83の外部に突出している。
【0067】
管状部材95は、内部に還元剤の流通路95aを有するとともに、流通路95aに連通して設けられた複数の開口部95b,95cを有している。開口部95aは主室87内に位置するとともに、開口部95bは外部に突出した部分に位置している。外部に突出した管状部材95の周囲には、開口部95cを包囲するようにギャラリー部97が設けられ、ギャラリー部97には第2の分岐路32bが接続されている。
【0068】
(2)作用
第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいて、内燃機関1の始動時に還元剤を充填する場合には、リバーティングバルブ24、第1の切換制御弁91及び第2の切換制御弁93への通電を停止し、還元剤噴射弁25を開弁した状態でポンプ23を駆動する。ポンプ23によって圧送される還元剤は、図7(a)に示すように、第2の還元剤通路32及び第1の分岐路32aを介して主室87内に流れ込む。主室87に流入した還元剤は、フィルタエレメント81を外側の領域から内側の領域に通過しつつ、徐々に液面が上昇する。このとき、開口部95bを介して管状部材95内にも還元剤が流入する。
【0069】
その後、主室87が還元剤で満たされたときに、還元剤が第3の分岐路33a及び第3の還元剤通路33を介して還元剤噴射弁25側に流れ込むとともに、還元剤噴射弁25を閉弁した後、主室87内の圧力がリリーフ弁37の開弁圧を超えたときにリリーフ弁37が開弁して還元剤が循環するようになる。
【0070】
主室87や管状部材95等の内部に存在していたエアは、流入する還元剤によって押し出されて、エアダンパー室89や第3の還元剤通路33側に押し込まれるが、エアダンパー室89内に押し込まれたエアは抜け道がないため、そのままエアダンパー室89内に閉じ込められる。特に、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bの場合には、複数の開口部95b,95cを有する管状部材95を備えているために、エアダンパー室89内のエアがより抜けにくくなっている。
【0071】
このように、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいては、内燃機関1の始動時に、還元剤の充填が完了した場合であっても、エアダンパー室89内にエアを確実に貯留することが可能となっている。そして、エアダンパー室89内のエアは、還元剤の噴射制御中に、還元剤の供給圧力Pの変動に伴って体積が変化するため、還元剤の供給圧力Pの脈動が低減する。その結果、還元剤の噴射量の制御性が向上する。
【0072】
さらに、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bにおいて、内燃機関1の停止時にパージ制御を実行する場合には、リバーティングバルブ24、第1の切換制御弁91及び第2の切換制御弁93に対して通電した状態でポンプ23を駆動し、還元剤噴射弁25を開弁する。そうすると、図7(b)に示すように、フィルタユニット80内の還元剤が、第2の分岐路32b及び第2の還元剤通路32を介して還元剤タンク21に吸い戻される。第3の還元剤通路33や還元剤噴射弁25内に残留する還元剤についても、第4の分岐路33b及び主室87を経由して吸い戻される。
【0073】
このとき、主室87内の還元剤は、管状部材95の開口部95bから管状部材95内に流入し、内部の流通路95aを流れて、開口部95cからギャラリー室97に流出する。管状部材95の開口部95bの一部が主室97の底面に位置して設けられているため、還元剤が主室87内に残留しにくくなっている。
【0074】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る還元剤噴射装置20Bは、第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aによって得られる効果と同様の効果を得ることが可能となっている。
【0075】
特に、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bによれば、複数の開口部95b,95cを有する管状部材95を介して、主室87とエアダンパー室89とを連通する構成としているために、エアダンパー室89にエアを貯留することが容易になっている。
【0076】
また、第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20Bによれば、管状部材95が下方側から主室87内に挿入されるとともに、開口部95bの一部が、主室87の底面に位置して設けられているために、パージ制御を実行したときに、主室87内の還元剤の回収が容易になっている。
【0077】
[他の実施の形態]
以上説明した第1及び第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20A,20Bは、本発明の一態様を示すものであって本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。例えば、第1及び第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20A,20Bは、以下のように変更することができる。
【0078】
(1)上述した第1及び第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20A,20Bにおいて説明した各構成要素の構成や形態はあくまでも一例であって、任意に変更することが可能である。例えば、フィルタエレメント51は円筒状のものに限定されない。また。第1及び第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20A,20Bにおいては、フィルタユニット50,80のケーシング本体52,82の第2の空間52b,82bに中空部材54,84を挿嵌して、エアダンパー室59,89を形成しているが、係る中空部材54,84を省略することもできる。
【0079】
(2)上述した第1の実施の形態に係る還元剤供給装置20Aにおいては、フィルタユニット50における主室57の上部にエアダンパー室59を設けることとしているが、エアダンパー室59を設ける位置は主室57の上部に限定されない。
【0080】
図8は、変形例1に係る還元剤供給装置20Cを説明するために示す図である。変形例1に係る還元剤供給装置20Cにおいては、還元剤を正方向に圧送する場合、主室57に収容されたフィルタエレメント51の内側の領域から外側の領域に還元剤が通過する。すなわち、第2の還元剤通路32は円筒状のフィルタエレメント51の内側の領域に接続されており、リターン通路35及び第3の還元剤通路33は円筒状のフィルタエレメント51の外側の領域に接続されている。また、主室57の側方にはエアダンパー室59が設けられており、エアダンパー室59の下方側が連通路101を介して主室57と連通している。
【0081】
変形例1に係る還元剤供給装置20Cにおいても、フィルタユニット100内の還元剤の液面の上昇に伴い、主室57とエアダンパー室59との連通路101が還元剤によって塞がれることによって、エアダンパー室59内にエアを貯留することができる。したがって、還元剤の噴射制御中において、還元剤の噴射に伴う供給圧力の脈動を低減することができ、還元剤の噴射量の制御性を向上することが可能になる。
【0082】
(3)上述した第1及び第2の実施の形態に係る還元剤供給装置20A,20Bにおいては、エアダンパー部としてのエアダンパー室59,89を。フィルタユニット50,80内に設けることとしているが、エアダンパー部の位置はフィルタユニット50,80内に限定されない。
【0083】
図9は、変形例2に係る還元剤供給装置20Dを説明するために示す図である。変形例2に係る還元剤供給装置20Dは、フィルタユニット115と還元剤噴射弁25とをつなぐ第3の還元剤通路33の途中にエアダンパー部110を備えている。エアダンパー部110は、還元剤の流通路111に対してオリフィス通路112を介して連通するエアダンパー室113を有しており、還元剤が充填された場合であってもエアを貯留することができるようになっている。変形例2に係る還元剤供給装置110によっても、還元剤の噴射制御中において、エアダンパー室113内のエアの体積が増減し、還元剤の噴射に伴う供給圧力の脈動を低減することができ、還元剤の噴射量の制御性を向上することが可能になる。
【符号の説明】
【0084】
1:内燃機関、3:排気管、10A・10B:排気浄化装置、11:NOX浄化触媒、13:NOXセンサ、20A・20B・20C・20D:還元剤供給装置、21:還元剤タンク、23:ポンプ、24:リバーティングバルブ、25:還元剤噴射弁、27:圧力センサ、31:第1の還元剤通路、32:第2の還元剤通路、32a:第1の分岐路、32b:第2の分岐路、33:第3の還元剤通路、33a:第3の分岐路、33b:第4の分岐路、35:リターン通路、37:リリーフ弁、40:制御装置、50:フィルタユニット、51:フィルタエレメント、51a:開口、:52:ケーシング本体、52a:第1の空間、52b:第2の空間、53:蓋体、54:中空部材、54a:開口部、57:主室、59:エアダンパー室、80:フィルタユニット、81:フィルタエレメント、82:ケーシング本体、82a:第1の空間、82b:第2の空間、83:蓋体、84:中空部材、87:主室、89:エアダンパー室、91:第1の切換制御弁、93:第2の切換制御弁、95:管状部材、95a:流通路、95b・95c:開口部、97:ギャラリー部、100:フィルタユニット、101:連通路、110:エアダンパー部、111:流通路、112:オリフィス通路、113:エアダンパー室、115:フィルタユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の還元剤を収容する還元剤タンクと、前記還元剤を圧送するポンプと、前記ポンプによって圧送された前記還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、を備え、前記内燃機関の停止に伴い、残留する前記還元剤を前記還元剤タンクに回収するパージ制御を実行可能に構成された還元剤供給装置において、
前記ポンプから前記還元剤噴射弁までの還元剤供給経路の一部に、前記還元剤の充填後においてもエアを貯留可能なエアダンパー部を備えることを特徴とする還元剤供給装置。
【請求項2】
前記エアダンパー部を、前記還元剤中の異物を捕集するためのフィルタエレメントを備えたフィルタユニット内に設けることを特徴とする請求項1に記載の還元剤供給装置。
【請求項3】
前記フィルタユニットは、前記フィルタエレメントが収容されるとともに他端が前記還元剤噴射弁に接続された還元剤通路が接続された主室を有するケーシングを備えるとともに、前記エアダンパー部として、下方側が前記主室と連通して設けられたエアダンパー室を備えることを特徴とする請求項2に記載の還元剤供給装置。
【請求項4】
前記エアダンパー室を前記主室の上部に設けることを特徴とする請求項3に記載の還元剤供給装置。
【請求項5】
前記エアダンパー部を、前記フィルタエレメントよりも前記還元剤噴射弁側の還元剤供給経路に設けることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の還元剤供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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