説明

還元剤噴射弁の異常判定装置及び異常判定方法並びに内燃機関の排気浄化装置

【課題】還元剤噴射弁の開固着状態又は閉固着状態を精度良く判別することができる還元剤噴射弁の異常判定装置及び異常判定方法並びに内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】貯蔵タンクと、還元剤を圧送するポンプと、還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、ポンプと還元剤噴射弁とを接続する還元剤通路と、還元剤通路内の圧力を検出するための圧力センサと、を備えた還元剤供給装置における還元剤噴射弁の固着異常を検出するための還元剤噴射弁の異常判定装置において、還元剤噴射弁における弁体の動作不良を検出する異常検出手段と、還元剤通路内を減圧処理する減圧処理制御手段と、減圧処理の開始後に圧力センサによって検出される圧力値を用いて弁体の動作不良が開固着によるものか又は閉固着によるものかを判別する固着判別手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気中の窒素酸化物を浄化するための還元剤を排気管内に噴射する還元剤噴射弁に生じた固着異常を検出するための還元剤噴射弁の異常判定装置及び異常判定方法並びに内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物(以下「NO」と称する。)を除去する排気浄化装置の一態様として、排気通路に配設されたNO浄化触媒と、尿素水溶液や未燃燃料等の液体の還元剤をNO浄化触媒の上流側で噴射する還元剤供給装置とを備えた装置が実用化されている。
【0003】
このような排気浄化装置に用いられる還元剤供給装置は、液体の還元剤を収容する貯蔵タンクと、貯蔵タンク内の還元剤を吸い上げて圧送するポンプと、圧送される還元剤を排気管内に噴射する還元剤噴射弁とを備えて構成されている。このうち還元剤噴射弁は、噴孔が排気管内に臨むように取り付けられ、還元剤を直接的に排気管内に噴射するようになっている。
【0004】
ここで、還元剤として尿素水溶液が用いられる場合、尿素水溶液は、寒冷地においても凍結しないように、凝固点が最も低くなる濃度(例えば32.5%濃度、凝固点≒−11℃)に調整されて用いられる。しかしながら、尿素水溶液中の溶媒が蒸発するなどして濃度が上昇した場合には、凝固点が上昇し、尿素水溶液が凝固しやすくなる。尿素水溶液の凝固は、噴孔が開いたまま閉じられなくなる開固着や、噴孔が閉じられたままとなる閉固着を生じさせるおそれがある。
【0005】
また、還元剤の種類にかかわらず、排気に含まれるスス等の微粒子が、噴孔を介して還元剤噴射弁内に侵入し、弁体の摺動部分や着座部分等に付着することにより、上述した開固着や閉固着を生じる場合もある。
【0006】
還元剤噴射弁は、内燃機関から排出されるNOの流量等に応じて演算で求められる指示噴射量に基づいて噴射制御が行われるようになっているために、還元剤噴射弁の固着異常を生じると、指示噴射量に応じて還元剤噴射弁を制御しているにもかかわらず指示噴射量相当の還元剤が噴射されなくなるおそれがある。
【0007】
その結果、例えば、還元剤噴射弁が開固着状態となっている場合には、排気管内に供給される還元剤が過剰状態となって、還元剤が触媒下流側に流出したり、還元剤が直接排気管の内面に付着したりすることになる。一方、還元剤噴射弁が閉固着状態となっている場合には、排気管内に供給される還元剤が不足し、NOの還元効率が低下することになる。
【0008】
このような還元剤噴射弁の弁体の固着を検出する診断装置として、燃料噴射の有無にかかわらず還元剤噴射弁に対して高精度な正常判定を実行し、還元剤噴射弁が開固着状態であるにもかかわらず正常判定されることを防止するようにした診断装置が提案されている。具体的には、内燃機関の排気系での還元剤の付着可能性を判定する還元剤付着可能性判定手段と、還元剤付着可能性判定手段にて還元剤の付着可能性が高いと判定されている場合には、空燃比センサにより検出される実測空燃比に基づく添加弁(還元剤噴射弁)に対する正常判定を禁止する正常判定禁止手段とを備えた内燃機関還元剤添加弁診断装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−169770号公報(全文、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、還元剤噴射弁の固着異常が生じた場合において、その固着が開固着であるか閉固着であるかによってその後にとるべき対応が異なってくる。例えば、還元剤噴射弁が閉固着状態となっている場合にはポンプの駆動を維持したままであっても還元剤が排気管内に漏れ出ることはないが、還元剤噴射弁が開固着状態となっている場合には、ポンプの駆動を維持したままでは還元剤が垂れ流し状態になるために、ポンプの駆動を停止させる必要がある。したがって、還元剤噴射弁の固着異常を検出する場合には、開固着又は閉固着を判別できるようにすることが望まれている。
【0011】
また、還元剤噴射弁の固着異常を判別するために還元剤噴射弁に生じた詰まりや漏れの有無を診断する装置を応用することも考えられるものの、その多くは、還元剤を加圧した状態で還元剤噴射弁を開閉して還元剤の圧力変化を見ることによって、詰まり異常や漏れ異常の有無を診断するものとなっている。そのため、仮に還元剤噴射弁が開固着状態となっている場合には、診断中に還元剤が排気管内に垂れ流しとなってしまうことになる。
【0012】
本発明の発明者はこのような課題に鑑みて、還元剤通路内を減圧した状態で圧力センサによって検出される圧力値を用いて還元剤噴射弁の固着異常を検出することによりこのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明は、還元剤噴射弁の弁体の動作不良が生じている場合において、還元剤噴射弁の開固着状態又は閉固着状態を精度良く判別することができる還元剤噴射弁の異常判定装置及び異常判定方法並びに内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、液体の還元剤が収容された貯蔵タンクと、還元剤を圧送するポンプと、ポンプによって圧送された還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、ポンプと還元剤噴射弁とを接続する還元剤通路と、還元剤通路内の圧力を検出するための圧力センサと、を備えた還元剤供給装置における還元剤噴射弁の固着異常を検出するための還元剤噴射弁の異常判定装置において、還元剤噴射弁における弁体の動作不良を検出する異常検出手段と、還元剤通路内を減圧処理する減圧処理制御手段と、減圧処理の開始後に圧力センサによって検出される圧力値を用いて弁体の動作不良が開固着によるものか又は閉固着によるものかを判別する固着判別手段と、を備えることを特徴とする還元剤噴射弁の異常判定装置が提供され、上述した課題を解決することができる。
【0014】
すなわち、本発明の還元剤噴射弁の異常判定装置によれば、還元剤通路内の減圧処理の開始後に圧力センサによって検出される圧力値を用いて、還元剤噴射弁の固着状態の判別が行われる。そのため、還元剤噴射弁の開固着状態が生じている場合には、還元剤噴射弁を介して還元剤通路内に気体が吸引されている状態での圧力値が検出される。一方、還元剤噴射弁の閉固着状態が生じている場合には、還元剤通路内に気体が吸引されない状態での圧力値が検出される。これらの圧力値には顕著な差が生じるため、本発明によれば、還元剤噴射弁の固着状態を精度良く、かつ、容易に判別することができる。
【0015】
また、本発明の還元剤噴射弁の異常判定装置によれば、還元剤通路内を減圧した状態で固着状態の判別が行われるために、判別を実施している間に還元剤が排気管内に流出することを防ぐことができる。
【0016】
さらに、還元剤通路内の圧力が上昇しすぎたときに還元剤を貯蔵タンクに戻すリリーフ弁を備えたリターン通路が還元剤通路に接続されている場合においては、還元剤通路内の減圧処理時にはリリーフ弁が閉じられた状態になるため、リリーフ弁の状態によって誤判定されることが防止される。
【0017】
また、本発明の還元剤噴射弁の異常判定装置を構成するにあたり、固着判別手段は、減圧処理を開始してから所定期間経過後の圧力値が、予め規定された閾値以上のときに開固着と判別する一方、閾値未満のときに閉固着と判別することが好ましい。
【0018】
本発明において、減圧処理を開始してから所定期間経過後の圧力値を閾値と比較して固着状態の判別を行うことにより、還元剤通路内の圧力が安定した状態で検出される圧力値が判別に用いられるようになり、還元剤噴射弁の固着状態を精度良く判別することができる。
【0019】
また、本発明の還元剤噴射弁の異常判定装置を構成するにあたり、開固着又は閉固着の判別を内燃機関の停止時に行うことが好ましい。
【0020】
本発明において、還元剤噴射弁の固着状態の判別を内燃機関の停止時に行うことにより、内燃機関の停止時に実行されるパージ処理を兼ねて還元剤通路内を減圧処理しつつ、固着状態の判別を行うことができる。
【0021】
また、本発明の還元剤噴射弁の異常判定装置を構成するにあたり、ポンプは、圧力センサによって検出される圧力値と還元剤通路内の圧力の目標値との偏差を用いたフィードバック制御によって駆動制御されるものであり、異常検出手段は、還元剤噴射弁の制御パラメータとポンプの制御パラメータとを比較することによって弁体の動作不良を検出することが好ましい。
【0022】
本発明において、あらかじめ弁体の動作不良を検出する方法として、還元剤噴射弁の制御パラメータとポンプの制御パラメータとを比較する方法を採用することにより、通常の還元剤噴射制御を実行しながら弁体の動作不良の有無を判定することができる。
【0023】
また、本発明の別の態様は、液体の還元剤が収容された貯蔵タンクと、還元剤を圧送するポンプと、ポンプによって圧送された還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、ポンプと還元剤噴射弁とを接続する還元剤通路と、還元剤通路内の圧力を検出するための圧力センサと、を備えた還元剤供給装置における還元剤噴射弁の固着異常を検出するための還元剤噴射弁の異常判定方法において、還元剤噴射弁における弁体の動作不良を検出するステップと、還元剤通路内を減圧処理するステップと、減圧処理の開始後に圧力センサによって検出される圧力値を用いて弁体の動作不良が開固着によるものか又は閉固着によるものかを判別するステップと、を備えることを特徴とする還元剤噴射弁の異常判定方法である。
【0024】
すなわち、本発明の還元剤噴射弁の異常判定方法によれば、還元剤通路内の減圧処理の開始後に圧力センサによって検出される圧力値を用いて、還元剤噴射弁の固着状態の判別を行うようになっている。そのため、還元剤噴射弁の開固着状態が生じている場合には、還元剤噴射弁を介して還元剤通路内に気体が吸引されている状態での圧力値が検出される。一方、還元剤噴射弁の閉固着状態が生じている場合には、還元剤通路内に気体が吸引されない状態での圧力値が検出される。これらの圧力値には顕著な差が生じるため、本発明によれば、還元剤噴射弁の固着状態を精度良く、かつ、容易に判別することができる。
【0025】
また、本発明の還元剤噴射弁の異常判定方法によれば、還元剤通路内を減圧した状態で固着状態の判別を行うようになっているために、判別を実施する間に還元剤が排気管内に流出することを防ぐことができる。
【0026】
さらに、還元剤通路内の圧力が上昇しすぎたときに還元剤を貯蔵タンクに戻すリリーフ弁を備えたリターン通路が還元剤通路に接続されている場合においては、還元剤通路内の減圧処理時にはリリーフ弁が閉じられた状態になるため、リリーフ弁の状態によって誤判定されることが防止される。
【0027】
また、本発明のさらに別の態様は、上述したいずれかに記載の還元剤噴射弁の異常判定装置を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置である。
【0028】
すなわち、本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、還元剤噴射弁の固着状態を精度良く、かつ、容易に判別することができる還元剤供給装置を備えているために、還元剤噴射弁の固着状態に応じて適切に対応させることができるようになり、還元剤が過不足状態となったままで噴射制御が継続されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る排気浄化装置の構成例を示す全体図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る還元剤噴射弁の異常判定装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】還元剤の指示噴射量とポンプの出力との関係を示す図である。
【図4】減圧処理後の圧力の推移を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る還元剤噴射弁の異常判定方法を説明するためのフローチャート図である。
【図6】弁体の動作不良を判定する方法の一例を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、適宜図面を参照して、本発明の還元剤噴射弁の異常判定装置及び異常判定方法並びに内燃機関の排気浄化装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、以下の実施の形態は、本発明の一態様を示すものであって本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材が示され、適宜説明が省略されている。
【0031】
1.排気浄化装置の全体的構成
まず、本発明の実施の形態にかかる還元剤噴射弁の異常判定装置が備えられた排気浄化装置の全体的構成の概略について説明する。
図1は、排気浄化装置10の構成の一例を示している。この排気浄化装置10は、車両等に搭載された内燃機関1から排出される排気中のNOを、NO浄化触媒11上で還元剤を用いて浄化するように構成された排気浄化装置である。
【0032】
排気浄化装置10は、内燃機関1の排気系に接続された排気管3の途中に介装されたNO浄化触媒11と、NO浄化触媒11の上流側において排気管3内に還元剤を噴射供給するための還元剤供給装置20と、還元剤供給装置20の動作制御を行う制御処理装置40とを主たる構成要素として備えている。
【0033】
NO浄化触媒11は、排気管3内に噴射された還元剤(あるいは当該還元剤から生成される還元成分)と、排気中のNOとの反応を促進させる機能を有している。NO浄化触媒11としては、NO選択還元触媒やNO吸蔵触媒が用いられる。
【0034】
NO選択還元触媒は、還元剤を吸着するとともに、この還元剤を用いて、触媒中に流入する排気中のNOを選択的に浄化する機能を有する触媒である。NO選択還元触媒を用いる場合においては、尿素水溶液や未燃燃料が還元剤として用いられる。還元剤として尿素水溶液を用いる場合には、尿素水溶液中の尿素の分解によって生成されるアンモニア(NH)がNOと反応することにより、NOが窒素(N)及び水(HO)に分解される。また、還元剤として未燃燃料を用いる場合には、未燃燃料中の炭化水素(HC)がNOと反応することにより、NOが窒素(N)、二酸化炭素(CO)及び水(HO)に分解される。
【0035】
また、NO吸蔵触媒は、触媒中に流入する排気の空燃比がリーンの状態(燃料希薄状態)においてNOを吸蔵する一方、空燃比がリッチの状態に切り替えられたときにNOを放出し、排気中の炭化水素(HC)を用いてNOを浄化する機能を有する触媒である。炭化水素(HC)と反応したNOは窒素(N)、二酸化炭素(CO)及び水(HO)に分解される。NO吸蔵触媒を用いる場合においては、排気の空燃比をリッチの状態とするために、還元剤としての未燃燃料が排気管3内に噴射供給される。
【0036】
2.還元剤供給装置
還元剤供給装置20は、液体の還元剤を収容する貯蔵タンク21と、還元剤を圧送するポンプ23を有するポンプユニット22と、ポンプ23により圧送された還元剤を排気管3内に噴射する還元剤噴射弁25とを備えている。このうち、ポンプ23及び還元剤噴射弁25は、制御処理装置40によって駆動制御が実行されるものとなっている。
【0037】
また、貯蔵タンク21とポンプ23とは第1の還元剤通路31で接続され、ポンプ23と還元剤噴射弁25とは第2の還元剤通路33で接続されている。第2の還元剤通路33には、他端が貯蔵タンク21に接続されたリターン通路35が接続されており、リターン通路35にはリリーフ弁37及びオリフィス38が第2の還元剤通路23側から順に備えられている。さらに、第2の還元剤通路33には、第2の還元剤通路33内の圧力Puを検出するための圧力センサ27が備えられている。
【0038】
このうち、還元剤噴射弁25は、例えば、通電/非通電の切り替えにより開弁/閉弁の切り替えが行われる電磁弁が用いられる。本実施形態において、還元剤噴射弁25は、排気管3内に直接的に還元剤を噴射するものであり、噴孔が排気管3内に臨むように排気管3の外周部に取り付けられている。
【0039】
ポンプ23は、例えば、通電量によって出力Vpumpを調節可能な電動ポンプが用いられる。本実施形態において、ポンプ23の出力Vpumpは、第2の還元剤通路33内の圧力Puが目標値Ptgtに維持されるように、圧力センサ27によって検出される圧力Puと目標値Ptgtとの偏差ΔPに基づいてフィードバック制御されるようになっている。
【0040】
また、ポンプユニット22には、ポンプ23によって圧送される還元剤の流れる向きを切り替えるためのリバーティングバルブ24が備えられている。リバーティングバルブ24は、例えば電磁切替弁によって構成され、制御処理装置40によって駆動されるようになっている。本実施形態において、リバーティングバルブ24は、ポンプ23の入口側と第1の還元剤通路31、及び、ポンプ23の出口側と第2の還元剤通路33をそれぞれ接続する第1の状態と、ポンプ23の出口側と第1の還元剤通路31、及び、ポンプ23の入口側と第2の還元剤通路33をそれぞれ接続する第2の状態とを切り替え可能になっている。
【0041】
そして、排気管3内への還元剤の噴射制御を行う場合には、リバーティングバルブ24によって、還元剤が貯蔵タンク21側から還元剤噴射弁25側へ流れるように切り替えられる。また、還元剤を貯蔵タンク21に回収するパージ処理を行う場合には、リバーティングバルブ24によって、還元剤が還元剤噴射弁25側から貯蔵タンク21側へと流れるように切り替えられる。なお、リバーティングバルブ24を用いないで、ポンプ23を逆回転させることでパージ処理を実施できるように構成されていてもよい。
【0042】
リリーフ弁37は貯蔵タンク21側から第2の還元剤通路33側への還元剤の流れを遮断する一方向弁として構成され、第2の還元剤通路33内の圧力Puがリリーフ弁37の開弁圧を上回ったときに開弁するようになっている。また、リリーフ弁37は、第2の還元剤通路33内から還元剤を回収するパージ処理時においては、第2の還元剤通路33内が減圧されることによって閉弁状態となる。リリーフ弁37の下流側に備えられたオリフィス38は、リリーフ弁37の開閉に合わせて第2の還元剤通路33内の圧力を必要以上に脈動させないようにする機能を有している。
【0043】
3.制御処理装置(異常判定装置)
図2は、本実施形態の制御処理装置40の構成のうち、還元剤供給装置20の動作制御及び還元剤噴射弁25の異常検出に関連する部分を、機能的なブロックで表したものである。この制御処理装置40が本発明の異常検出装置としての機能を有している。
【0044】
制御処理装置40は、公知のマイクロコンピュータを中心に構成されたものであり、ポンプ駆動制御手段41と、リバーティングバルブ駆動制御手段43と、還元剤噴射弁駆動制御手段45と、異常検出手段47と、固着判別手段49とを主たる構成要素として備えている。具体的に、これらの各手段は、マイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現されるものとなっている。
【0045】
この他、制御処理装置40には、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の図示しない記憶素子や、ポンプ23、リバーティングバルブ24、還元剤噴射弁25へ通電を行うための図示しない駆動回路等が備えられている。また、制御処理装置40には、圧力センサ27をはじめとして、車両や内燃機関1等に備えられた種々のセンサのセンサ信号が入力されるようになっている。
【0046】
ポンプ駆動制御手段41は、内燃機関1の運転時においては、圧力センサ27によって検出される第2の還元剤通路33内の圧力Puがあらかじめ設定された目標値Ptgtとなるように、検出される圧力Puと目標値Ptgtとの偏差ΔPを用いてポンプ23の駆動回路に指示する出力Vpumpを求め、指示を行うように構成されている。
【0047】
また、ポンプ駆動制御手段41は、内燃機関1の停止時においては、パージ処理を実行するために、イグニッションスイッチがオフにされた後、所定時間、あらかじめ定められた所定の出力Vpump0でポンプ23の駆動制御が行われるように、ポンプ23の駆動回路に対して指示を行うように構成されている。
【0048】
リバーティングバルブ駆動制御手段43は、内燃機関1の運転時においては、還元剤が貯蔵タンク21側から還元剤噴射弁25側へと流れるようにリバーティングバルブ24を切り替えるよう、リバーティングバルブ24の駆動回路に対して指示を出力するように構成されている。
【0049】
また、リバーティングバルブ駆動制御手段43は、内燃機関1の停止時においては、パージ処理を実行するために、還元剤が還元剤噴射弁25側から貯蔵タンク21側へと流れるようにリバーティングバルブ24を切り替えるよう、リバーティングバルブ24の駆動回路に対して指示を出力するように構成されている。
【0050】
本実施形態の制御処理装置40においては、ポンプ駆動制御手段41及びリバーティングバルブ駆動制御手段43が、全体として本発明における減圧処理制御手段として機能するようになっている。すなわち、還元剤が還元剤噴射弁25側から貯蔵タンク21側へと流れるようにリバーティングバルブ24を保持した状態でポンプ23を駆動させることにより、第2の還元剤通路33内が減圧状態となる。
【0051】
還元剤噴射弁駆動制御手段45は、内燃機関1の運転時においては、排気温度Tgas、触媒温度Tcat、NO浄化触媒11の下流側におけるNO濃度N、さらには内燃機関1の運転状態に関する情報等に基づいて算出される還元剤の指示噴射量Quに応じて、還元剤噴射弁25への通電量及び通電時間を決定して、還元剤噴射弁25の駆動回路に対して指示を行うように構成されている。
【0052】
また、還元剤噴射弁駆動制御手段45は、内燃機関1の停止時において、後述する異常検出手段47によって弁体の動作不良が検出されていない場合には、速やかにパージ処理を実行すべく、還元剤噴射弁25が開弁状態で維持されるように、還元剤噴射弁25の駆動回路に対して指示を出力するように構成されている。
【0053】
一方、還元剤噴射弁駆動制御手段45は、内燃機関1の停止時において、後述する異常検出手段47によって弁体の動作不良が検出されている場合には、還元剤噴射弁25の固着状態の判別を行うために還元剤噴射弁25への通電を遮断するように構成されている。
【0054】
異常検出手段47は、還元剤噴射弁25の弁体の動作不良を検出するための演算処理を実行するように構成されている。この異常検出手段47は、還元剤噴射弁25の開固着又は閉固着を判別する前提として、還元剤噴射弁25の弁体の動作不良が生じているか否かを判別するためのものであって、弁体の動作不良が生じていないにもかかわらず還元剤噴射弁25の固着状態を判別する複雑な演算処理が実行されないようになっている。
【0055】
異常検出手段47によって行われる、弁体の動作不良を検出するための演算処理の内容は特に限定されるものではない。例えば、本実施形態の制御処理装置40において、異常検出手段47は、内燃機関1の運転中に、還元剤噴射弁25の制御パラメータαとポンプ23の制御パラメータβとを比較することによって、弁体の動作不良の有無を判定するように構成されている。
【0056】
上述したとおり、ポンプ駆動制御手段41は、圧力センサ27によって検出される第2の還元剤通路33内の圧力Puが目標値Ptgtで維持されるように、ポンプ23の出力Vpumpをフィードバック制御するものとなっている。すなわち、還元剤噴射弁25からの還元剤の噴射量が多いほど第2の還元剤通路33内の圧力Puは低下しやすく、当該圧力Puが目標値Ptgtで維持される場合のポンプ23の出力Vpumpは大きくなる。一方、還元剤の噴射量が少ないほど、第2の還元剤通路33内の圧力Puが目標値Ptgtに維持される場合のポンプ23の出力Vpumpは小さくなる。
【0057】
ここで、図3は、還元剤噴射弁25による還元剤の指示噴射量Quと、ポンプ23の出力Vpumpとの関係を示している。この図3に示すように、本来、還元剤噴射弁25の還元剤の指示噴射量Quとポンプ23の出力Vpumpとは比例関係にあることから、還元剤噴射弁25の制御パラメータαとポンプ23の制御パラメータβとを比較することによって、弁体の動作不良を検出することができる。
【0058】
還元剤噴射弁25の制御パラメータαは、例えば、演算によって求められる指示噴射量Quや還元剤噴射弁25に供給される通電量、通電の指示値、通電のオンオフのデューティ比等、還元剤の噴射量と相関関係を有する値を用いることができる。また、ポンプ23の制御パラメータβは、例えば、ポンプ23に供給される通電量や通電の指示値、通電のオンオフのデューティ比等、ポンプ23の出力Vpumpと相関関係を有する値を用いることができる。
【0059】
そして、還元剤噴射弁25の制御パラメータαから想定されるポンプ23の制御パラメータβaと、実際のポンプ23の制御パラメータβとの差Δβが所定の誤差Δβ0の範囲内にあれば、弁体の動作不良はないものと判定することができる一方、二つの制御パラメータβa,βの差Δβが誤差Δβ0を超えていれば、弁体の動作不良が生じているものと判定することができる。言うまでもなく、ポンプ23の制御パラメータβから想定される還元剤噴射弁25の制御パラメータα0と、実際の還元剤噴射弁25の制御パラメータαとの差Δαを用いて判定することもできる。
【0060】
なお、還元剤噴射弁25の制御パラメータαとポンプ23の制御パラメータβとを比較することにより弁体の動作不良の有無を判定する場合において、制御処理装置40の処理能力や、第2の還元剤通路33等を構成する配管、ポンプ23、還元剤噴射弁25等の個体差のばらつきを考慮すると、判定用の誤差Δβ0を厳しく設定することにより誤判定を生じさせるおそれが高くなる。そのため、本実施形態においては、この判定の結果を、弁体の動作不良の有無の判定にとどめている。
【0061】
固着判別手段49は、異常検出手段47によって弁体の動作不良が検出されている場合に、この弁体の動作不良が開固着によるものか又は閉固着によるものかを判別するように構成されている。具体的に、固着判別手段49は、第2の還元剤通路33の減圧処理が実行されている状態において、圧力センサ27によって検出される第2の還元剤通路33内の圧力Puを用いて還元剤噴射弁25の固着状態を判別するように構成されている。
【0062】
減圧処理時において、還元剤噴射弁25の開固着が生じている場合には、還元剤噴射弁25の噴孔を介して排気管3内の気体(空気や排気)が第2の還元剤通路33内に吸引される一方、還元剤噴射弁25の閉固着が生じている場合には、第2の還元剤通路33内に気体は吸引されることがない。そのため、還元剤噴射弁25の閉固着が生じている場合において、減圧処理によって低下する第2の還元剤通路33内の圧力Puは、開固着が生じている場合の圧力Puよりも低くなる。
【0063】
図4に、還元剤噴射弁25の通電を停止して第2の還元剤通路33内を減圧処理した場合の圧力変化を示す。図4中の実線Aが還元剤噴射弁25の開固着状態での圧力変化を示し、点線Bが還元剤噴射弁25の閉固着状態での圧力変化を示している。
【0064】
開固着状態及び閉固着状態のいずれにおいても、減圧処理が開始されたt1の時点以降、第2の還元剤通路33内の圧力Puは低下し、t2の時点まではほぼ同様に推移している。これは、還元剤噴射弁25の噴孔は極めて小さく、気体が噴孔を介して第2の還元剤通路33内に吸引される際に抵抗となるためである。
【0065】
ただし、還元剤噴射弁25が閉固着状態にある場合には、第2の還元剤通路33内に気体が吸引されないために、t2の時点以降、還元剤噴射弁25が開固着状態にある場合と閉固着状態にある場合とで圧力Puに差が生じ始める。そして、この減圧処理時においては、ポンプ23は一定の出力Vpump0で制御されているため、t3の時点を経過すると、圧力Puは安定状態となる。
【0066】
このように、t2の時点以降において検出される圧力Puを用いることによって、還元剤噴射弁25の固着状態を判別することができる。例えば、還元剤噴射弁25が開固着状態にある場合の圧力変化の最下点を実験等によってあらかじめ求め、この最下点を閾値Pu0として、検出される圧力Puが閾値Pu0以上である場合には還元剤噴射弁25が開固着状態にあると判定し、圧力Puが閾値Pu0未満である場合には還元剤噴射弁25が閉固着状態にあると判定する。より精度よく固着状態を判別するためには、圧力Puが安定するt3の時点以降において検出される圧力Puを用いて判別を行うことが好ましい。
【0067】
なお、固着判別手段49による判別方法に関し、例えば減圧処理の開始後、第2の還元剤通路33内の圧力Puの変化を継続的に監視して、圧力降下速度や圧力低下量を閾値と比較するようにしてもよい。
【0068】
4.還元剤噴射弁の異常判定方法
次に、本実施形態の制御処理装置40によって行われる還元剤噴射弁25の異常判定方法の一例について、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。図5は、本実施形態における還元剤噴射弁25の異常判定方法のメインフローを示している。また、図6は、図5のステップS1の具体的な一例を示すフローを示している。
【0069】
まず、図5のステップS1において、弁体の動作不良が生じているか否かを判別する。このステップS1は、例えば、図6に示すフローチャートにしたがって実施される。この図6の例では、ステップS11において還元剤噴射弁25の制御パラメータαを読み込んだ後、ステップS12において、ステップS11で読み込まれた還元剤噴射弁25の制御パラメータαから想定されるポンプ23の制御パラメータβaを、マップ等を参照して求める。
【0070】
次いで、ステップS13において実際のポンプ23の制御パラメータβを読み込んだ後、ステップS14において、想定される制御パラメータβaと実際の制御パラメータβとの差分Δβが誤差Δβ0を超えているか否かを判別する。差分Δβが誤差Δβ0を超えている場合には、ステップS15に進んで弁体動作不良フラグをセットして判定を終了する。一方、差分Δβが誤差Δβ0以下である場合には、ステップS16に進んで弁体動作不良フラグをリセットして判定を終了する。
【0071】
図5に戻り、ステップS1で弁体の動作不良が検出されなかった場合にはそのまま本ルーチンを終了してスタートに戻る一方、弁体の動作不良が検出された場合には、ステップS2に進み、第2の還元剤通路33内の減圧処理を開始する。本実施形態の例では、還元剤が還元剤噴射弁25側から貯蔵タンク21側へと流れるようにリバーティングバルブ24を切り替えるとともに、ポンプ23を所定の出力Vpump0で駆動させることで、減圧処理が行われる。
【0072】
次いで、ステップS3において、第2の還元剤通路33内の圧力Puがゼロ以下になったか否かの判別を繰り返し、圧力Puがゼロ以下になったときにステップS4に進んで、タイマTの作動を開始する。このステップS3において、圧力Puがゼロ以下になるまで待機するのは、減圧処理開始直前の圧力Puにかかわらず、近似する条件下で検出される圧力Puの値を用いて、固着状態の判別が行われるようにするためである。
【0073】
次いで、ステップS5において、タイマTの値が、あらかじめ設定された閾値T0を超えたか否かの判別を繰り返し、タイマTの値が閾値T0を超えたときにステップS6に進み、そのときの圧力Puが判定閾値Pu0以上であるか否かを判別する。圧力Puが閾値Pu0以上である場合には、ステップS7で還元剤噴射弁25が開固着状態にあるものと判定する一方、圧力Puが閾値Pu0未満となっている場合には、ステップS8で還元剤噴射弁25が閉固着状態にあるものと判定する。
【0074】
判定が終了した後は、ステップS9において、タイマTをリセットして本ルーチンを終了する。その後は、還元剤噴射弁25の開固着状態又は閉固着状態に応じて、固着異常を解消するための制御を開始させたり、運転者等に対して知らせたりする指示信号を生成する。
【0075】
なお、還元剤噴射弁25の固着状態の判別を内燃機関1の停止時に実行する場合には、図5におけるステップS2の前に、内燃機関1のイグニッションスイッチがオフになったか否かを判別するステップを設け、イグニッションスイッチがオフになったときにステップS2に進むようにする。このように実施することによって、内燃機関1の停止時のパージ処理を兼ねて第2の還元剤通路33内を減圧処理することができる。
【0076】
あるいは、還元剤噴射弁25の固着状態の判別を内燃機関1の始動時に実行するようにしてもよい。この場合には、イグニッションスイッチがオンにされた後、弁体の動作不良フラグがセットされている場合に、ステップS2以降のステップを実施する。始動時に開固着状態又は閉固着状態が判別できれば、固着状態を解消する制御等を実施して正常な噴射状態に復帰させたうえで、内燃機関1を駆動させることができる。
【0077】
以上説明した本実施形態の還元剤噴射弁の異常判定装置あるいは排気浄化装置によれば、判別を実施している間に還元剤を排気管内に流出させることなく、還元剤噴射弁の固着状態を精度よく、かつ、容易に判別することができる。
また、本実施形態の還元剤噴射弁の異常判定方法であれば、一方向弁37及びオリフィス38を備えたリターン通路35が第2の還元剤通路33に接続されている場合であっても、一方向弁37が遮断された状態において固着状態の判別が行われる。したがって、第2の還元剤通路33内の圧力Puが、一方向弁37やオリフィス38の状態のばらつきの影響を受けることがないため、固着状態を精度よく判別することができる。
【符号の説明】
【0078】
1:内燃機関、3:排気管、10:排気浄化装置、11:NO浄化触媒、13:NOセンサ、20:還元剤供給装置、21:貯蔵タンク、22:ポンプユニット、23:ポンプ、24:リバーティングバルブ、25:還元剤噴射弁、27:圧力センサ、31:第1の還元剤通路、33:第2の還元剤通路、35:リターン通路、37:リリーフ弁、38:オリフィス、40:制御処理装置(異常判定装置)、41:ポンプ駆動制御手段、43:リバーティングバルブ駆動制御手段、45:還元剤噴射弁駆動制御手段、47:異常検出手段、49:固着判別手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の還元剤が収容された貯蔵タンクと、前記還元剤を圧送するポンプと、前記ポンプによって圧送された前記還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、前記ポンプと前記還元剤噴射弁とを接続する還元剤通路と、前記還元剤通路内の圧力を検出するための圧力センサと、を備えた還元剤供給装置における前記還元剤噴射弁の固着異常を検出するための還元剤噴射弁の異常判定装置において、
前記還元剤噴射弁における弁体の動作不良を検出する異常検出手段と、
前記還元剤通路内を減圧処理する減圧処理制御手段と、
前記減圧処理の開始後に前記圧力センサによって検出される圧力値を用いて前記弁体の動作不良が開固着によるものか又は閉固着によるものかを判別する固着判別手段と、
を備えることを特徴とする還元剤噴射弁の異常判定装置。
【請求項2】
前記固着判別手段は、前記減圧処理を開始してから所定期間経過後の前記圧力値が、予め規定された閾値以上のときに前記開固着と判別する一方、前記閾値未満のときに前記閉固着と判別することを特徴とする請求項1に記載の還元剤噴射弁の異常判定装置。
【請求項3】
前記開固着又は前記閉固着の判別を前記内燃機関の停止時に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の還元剤噴射弁の異常判定装置。
【請求項4】
前記ポンプは、前記圧力センサによって検出される圧力値と前記還元剤通路内の圧力の目標値との偏差を用いたフィードバック制御によって駆動制御されるものであり、
前記異常検出手段は、前記還元剤噴射弁の制御パラメータと前記ポンプの制御パラメータとを比較することによって前記弁体の動作不良を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の還元剤噴射弁の異常判定装置。
【請求項5】
液体の還元剤が収容された貯蔵タンクと、前記還元剤を圧送するポンプと、前記ポンプによって圧送された前記還元剤を内燃機関の排気管内に噴射する還元剤噴射弁と、前記ポンプと前記還元剤噴射弁とを接続する還元剤通路と、前記還元剤通路内の圧力を検出するための圧力センサと、を備えた還元剤供給装置における前記還元剤噴射弁の固着異常を検出するための還元剤噴射弁の異常判定方法において、
前記還元剤噴射弁における弁体の動作不良を検出するステップと、
前記還元剤通路内を減圧処理するステップと、
前記減圧処理の開始後に前記圧力センサによって検出される圧力値を用いて前記弁体の動作不良が開固着によるものか又は閉固着によるものかを判別するステップと、
を備えることを特徴とする還元剤噴射弁の異常判定方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の還元剤噴射弁の異常判定装置を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−102637(P2012−102637A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250180(P2010−250180)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】