説明

部分曲面状車載バックミラー

中央の主な部分(1)は平面ながら外側部分(2)は外側に向かって緩やかな凸曲面をなし、下方部分(4)も下方に向かって緩やかな凸曲面をなし、内側部分(3)も内側に向かって凸曲面をなし、視野が各方向に安全に効率的に拡大されている車載バックミラーである。中央の主な部分(1)が平面である事により、視覚的安定性を十分確保しながら、後方視野を側方まで十分拡げ、下方への視野も拡げ、自動車、バイク等の運転の安全性を十分に高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、平面と曲面を併用し、視野が拡大された車載バックミラーに関する。
【背景技術】
従来の自動車用バックミラーは、平面またはごく軽微な凸曲面であるが、後側方の視野角は35〜40°程度である。しかしこの視野角は十分とは言えず、走行中、後側方でも真横に近い車の認識が十分出来ず、車線変更の際、衝突しそうになる事はしばしばあり、衝突の危険性が常にあった。また、よく自転車に用いる全体が一様な凸曲面であるバックミラーは、後方視野角は十分確保できるかもしれないが、走行時の視覚的安定感を欠く。
又、従来より、曲面を利用するバックミラーの発明等の申請は散見されるが、曲面の曲率を変える案や、バックミラーの側方のみを曲面にするなどの案は見られたが、真に必要な要素と不必要な要素の峻別が出来ておらず、最良の案を欠いていたと思われる。
【発明の開示】
車載バックミラーの中央の主要部分は、平面またはごく軽微な凸曲面とし、走行時の視覚的安定性を確保する。
外側部分は、外側に向かって緩やかな凸曲面をなすものとし、後側方の視野を側方へ拡大する。内側部分は、内側に向かって穏やかな凸曲面をなすものとし、内側の視野を増し、ミラーの側方への視野角の総和を増し、余裕を持たせる。下方部分は、下方に向かって緩やかな凸曲面をなすものとし、下方の視野を拡大する。
本発明は、以上の構成よりなる部分曲面状車載バックミラーであり、走行時の視覚的安定性を確保しながら、十分な後側方の視野角を持ち、下方にも余裕のある視野角を持つ車載バックミラーを開発し、自動車、バイク等の走行時の安全性を高めようとするものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、請求の範囲第4項記載の、部分曲面状車載バックミラーのうち、右側用のバックミラーを運転者の視点より見た斜視図である。表面にマス目を引いていると仮定した。第2図は、第1図の右側用バックミラーの中心部を通る水平断図である。第3図は、第1図の右側用バックミラーの中心部を通る垂直断図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明で、自動車やバイクなどの乗物のバックミラーに賦与する形態の造作について説明する。
第1図のように、車載バックミラーの中央の主要部分1は平面もしくは平面としか感じられない程度の極軽微な凸曲面とする。鏡面側は5の方面である。
バックミラーの全横径の1〜4割程度の外側部分2を外側にむかって緩やかな凸曲面をなすようにする。中央部分と外側端の面のなす変化の度合いは7〜15°程度とする。
バックミラーの全横径の1割程度もしくは1割以下の内側部分3を内側にむかって緩やかな凸曲面をなすようにする。中央部分と内側端の面のなす変化の度合いは3〜7°程度とする。
バックミラーの全縦径の1割から2割程度ないし1割以下の下方部分4を下方にむかって緩やかな凸曲面をなすようにする。中央部分と下端の面のなす変化の度合いは3〜7°程度とする。
バックミラーの主材質はプラスチック、ガラス、金属、またはセラミックなどを用い、表面は鏡面加工され、裏面は平面状や、取り付け具などに対応する形として成型されるものとする。
【産業上の利用可能性】
車載バックミラーの中央の主要部分は平面またはほぼ平面ながら、外側部分が凸曲面をなすため、後側方の視野が拡大し、車線変更の際など、最も重要な真横に近い後側方の他車の存在の確認が確実に出来るようになり、また、歩行時の視覚的安定性も十分確保されるため、自動車等の運転の安全性が非常に高まる。もともと従来の平面状のバックミラーでも、外側部分に映る視野は、走行中は、速く流れるような映像であり、はっきりした空間の認識まで十分にできるものではなく、自動車などの物体の存在さえはっきりわかればよいという程度であり、本発明により外側部分に緩やかな凸曲面を設けても視覚的安定性が損なわれる事がない。
バックミラーの内側部分が凸曲面をなすと、全体として側方への視野角が増し、余裕ができる。また、従来の平面状のバックミラーでは、運転者の頭の動きで、頭が内側に動くと、車体後部に接する重要な最後方の視野がたやすく視界からはずれ死角が出来たが、ミラーの内側部分が曲面であると最後方の視野が視界からなかなかはずれなくなる。
バックミラーの下方部分が凸曲面をなすと、下方への視野角が拡がり、地上の突起物の確認が十分に出来るようになり、バックの運転などで、地上突起物への接触を容易に防ぐ事ができるようになる。
以上の事より、バックミラーの各方向への視野角が十分確保され得るため、バックミラー面のリモコン微動装置はほとんど不要となる。場合により、バックミラー面の1割程度の縮小さえ可能となる。
また、バックミラーの後側方の視野が効率的に安全に十分に拡大される事により、車を運転中の後側方の視野に対する安心感が飛躍的に高まり、車社会において、安心感を持った安全な運転が常に可能であるという感覚が醸成され、自動車などの接触事故を大きく減らす事が出来る。常に後側方視界が十分に確保されている事は重要である。何分の一秒という瞬間的にその視界に大きく入ってくる車は多いからである。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の主要部分(1)は平面もしくはごく軽微な凸面だが、外側部分(2)が外側に向かって凸曲面をなす車載バックミラー
【請求項2】
中央の主要部分(1)は平面もしくはごく軽微な凸面だが、内側部分(3)が内側に向かって凸曲面をなす車載バックミラー
【請求項3】
中央の主要部分(1)は平面もしくはごく軽微な凸面だが、下方部分(4)が下方に向かって凸曲面をなす車載バックミラー.
【請求項4】
中央の主要部分(1)は平面もしくはごく軽微な凸面だが、請求の範囲第1項、第2項、第3項の特徴を併せ持つ、外側部分(2)、内側部分(3)、下方部分(4)がそれぞれの方向に向かって凸曲面をなす車載バックミラー。
【請求項5】
中央の主要部分(1)は平面もしくはごく軽微な凸面だが、請求の範囲第1項、第3項の特徴を併せ持つ、外側部分(2)、下方部分(4)がそれぞれの方向に向かって凸曲面をなす車載バックミラー。

【国際公開番号】WO2005/070724
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【発行日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517336(P2005−517336)
【国際出願番号】PCT/JP2005/001304
【国際出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(503158394)
【Fターム(参考)】