説明

部分的proANPペプチドを同定するためのサンドイッチイムノアッセイ

NT-proANPの中間領域(NT-proANPのアミノ酸53からアミノ酸83に広がる領域)の部分的な配列に特異的に結合する2つの抗体を用いた、心臓病及び敗血症の診断における、部分的なproANPペプチドを同定するための改善されたサンドイッチイムノアッセイを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
サンドイッチイムノアッセイ(両面イムノアッセイ)を用いた、医学的診断、予後診断及び治療に付随するモニターリングのための、生物学的液体中の部分的proANPペプチド又はそれから形成される部分的ペプチドを同定するための方法に関する。本出願においては、特に、いわゆるNT-proANP又はproANP(1-98)及びNT-proANPの中間領域の部分的配列を含む部分的ペプチドを、「部分的proANPペプチド」と称する。本発明による方法は、特に、心臓病の診断及び敗血症の診断において用いられる。通常は、用語「診断」を、予後診断/早期診断及び治療に付随するモニターリングも含むことを意図する一般的な用語として、単純化のために、以下で用いる。
【背景技術】
【0002】
心臓病において、特に、心不全の様々なフェーズにおいて、及び、心筋梗塞の後に、「心房性ナトリウム利尿ペプチド」(ANP、時には心房性ナトリウム利尿因子と呼ばれる)と称されるホルモンが、量を増して分泌され、そして、ナトリウム利尿、血管拡張、レニン阻害及びアルドステロン分泌のような多くの生理学的効果のために、水分平衡の恒常性及び血圧の恒常性に重要な役割を果たしている。心房膨張は、心臓病におけるANP分泌のための重要な刺激とみなされる。
【0003】
通常、128のアミノ酸を含むプロホルモン(proANP;配列番号2)のC末端断片から28のアミノ酸(99-126)を含むペプチドが、実際のホルモンANPとして定義される。プロホルモンproANPからANPが遊離する際に、proANPのC末端から2つのアミノ酸(127/128)が取り除かれるのに加えて、残りのproANPのより大きな部分的ペプチド、すなわち98のアミノ酸からなるN末端proANP(NT-proANP;proANP(1-98))もまた、等モルの量で、血流中に放出される。このNT-proANPは、実質的に、ANPよりも半減期がより長く、安定性が高いので、NT-proANPは、心臓病の診断、モニターリング及び治療コントロールのための臨床検査項目として使用することができる。更なる情報のために、Lothar Thomas (Editor), Labor und Diagnose [Laboratory and Diagnosis], 5th extended edition, subsection 2.14 of Chapter 2., Kardiale Diagnostik [Cardiac Diagnosis], pages 116-118について述べ、この文献を本願明細書に引用する。
【0004】
生物学的液体中(血清、血漿、尿)のANPそのものを同定するため、及び、NT-proANPを同定するために、過去に様々なイムノアッセイが開発され、臨床研究において及び実際に使用されている。ANP又はNT-proANP同定のためのイムノアッセイの大部分は、既知の競合イムノアッセイ方式に基づいており、最も一般的な方式はラジオイムノアッセイ(RIA)である。proANP又はANPを同定する競合イムノアッセイは、例えば、添付したリファレンスリストのリファレンス文献1から13及び22(RIA)及び15(EIA)において記載又は使用されている。
【0005】
しかしながら、RIA又はEIAタイプの競合イムノアッセイは、実際のハンドリング及び測定の正確性に関して多くの欠点を有し、特に、感度が非最適であり、耐久性が乏しく、交差反応の疑いが高く、そして、時には測定時間が長いということを含む欠点を有する。更に、ペプチドを同定するための競合イムノアッセイ(イムノアッセイにおける分析物/抗原試薬を示す)においては、分析物、及び、競合物として使用される免疫試薬に同時に存在する特定の部分的ペプチド配列を特異的に認識する(ポリクローナル又はモノクローナル)抗体を用いる手法を取るので、通常の競合アッセイでは、「免疫反応性」としては、各部分的ペプチド配列の存在のみを、原則としてこの配列がより短い又はより長いペプチドの一部であるかどうかを区別することなしに、認識する。しかしながら、より長いポリペプチドの既知配列の異なるセグメントに結合する抗体を用い、異なるこのタイプの競合イムノアッセイを使用するならば、得られた測定結果が同じ又は異なっているということから、それぞれの場合において異なる競合イムノアッセイを用いて同じペプチドが測定されたのかどうか、又は、認識されるペプチド配列が異なる分子ペプチド種の(例えば、分解産物の)一部であるかどうかを導くことができる。一方、異なる分解産物は、異なる競合する分解反応の結果であろう。しかしながら、たとえ1つの分解反応だけ生じ、そして、全ての分解産物が1つの同じペプチド前駆体に由来していても、異なる部分的ペプチド及び断片の異なる濃度を観察することができる。実際に、測定サンプルが異なる速度で形成される、又は、異なる安定性(半減期)を有するような分解産物を含むならば、たとえ、1つの同じペプチドに由来することにより、これらが主として等モル量のみ形成することができるとしても、異なる種類は、異なる濃度として求まる。
【0006】
競合イムノアッセイの助けを借りてNT-proANPを同定するための、NT-proANP(proANP1-98;配列番号1)の異なる配列を認識する異なる抗体を使用することによって、NT-proANP(proANP1-98)の分解産物に相当する様々なペプチドが、生物学的液体、特に血液又は尿中で生じることが見出された。特に、相対的に低い分子量を有する断片(特に、免疫反応性に基づくproANPのアミノ酸配列(1-30、31-67及び79-98)に帰属する断片)が、NT-proANPから形成されることが見出された(例えば、添付したリファレンス文献のリストのリファレンス文献3、6、7、8、9、13、14及び15を参照せよ)。
【0007】
前記配列を特異的に認識する競合イムノアッセイは、いつも同じ方法で、−異なる結合力の影響を無視するとしても−完全なNT-proANPを認識し、それゆえ、これとその各々の断片を区別しない。
【0008】
競合イムノアッセイと比較して、非競合のサンドイッチイムノアッセイ(両面イムノアッセイ)は、固相アッセイ(ヘテロジニアスアッセイ)よりもより良くデザインすることができ、より高い感度で測定結果を得ることができ、そして、オートマチック化及び連続測定により適しているという事実も含めた、多くの利点を有する。加えて、たった1つのタイプの抗体を用いて行う競合イムノアッセイと比較して、サンドイッチイムノアッセイは、用いられる抗体のための両方の結合部位が同じ分子上に存在する分子又はペプチドのみを認識するという点で、幾分異なる情報も提供することができる。結合部位が、例えば異なる部分的ペプチド(分解産物、断片)上に存在するならば、このような断片に対する抗体の結合により、完全な「サンドイッチ」の典型的な測定シグナルが導かれない。
【0009】
一般的なサンドイッチイムノアッセイの既知の利点のため、そして、分解産物及び断片による影響を測定が受けることなく完全なNT-proANPのみを選択的に測定できるために、NT-proANPを同定するためのサンドイッチイムノアッセイは、すでに臨床的研究において及び実際に使用され、開示されている。それゆえ、EP 721105 B1には、proANPを同定するための、特に、心臓病の診断及び慢性腎不全の診断における、サンドイッチイムノアッセイが開示されており、このアッセイにおいては、2つのモノクローナル抗体(1つはproANPのアミノ酸1-25に結合し(EP 350218 B1)、もう1つはproANPのアミノ酸43-66に結合する)を使用している。このようなサンドイッチイムノアッセイを用いると、proANP配列の最初の25アミノ酸を含む部分的proANPペプチドのみを検出し、又は、proANP(1-98)とともに検出する。
【0010】
この点においては類似の更なるサンドイッチイムノアッセイが、添付のリファレンス文献のリストにおいてNo.18として記載されている出版物(Stridsberg)において開示されている。このサンドイッチイムノアッセイは、また、2つのモノクローナル抗体(1つはproANPのアミノ酸1-30に結合するが、もう1つはアミノ酸79-98に結合する)を用いて行われている。proANP(1-98)の末端における結合部位を選択することにより、このサンドイッチイムノアッセイにより、インタクトなproANP(1-98)のみが検出されると推測される。
【0011】
更にその上、WO 00/19207には、proANP(1-98)の配列のアミノ酸配列8-27、31-64及び79-98に結合する3つのポリクローナル抗体からの2つを使用する、proANP1-98を同定する方法が開示されている。WO 00/19207の出願人により商品として提供されているproANP(1-98)を同定するためのアッセイは、アフィニティ精製したポリクローナルヒツジ抗体のペアを用いた酵素イムノアッセイであり、このアッセイにおいては、固定された形態で使用される抗体がproANPのアミノ酸10-19を認識し、アミノ酸(85-90)を認識する第二のポリクローナル抗体を検出するために用いている(BIOMEDICA; A-1210 ViennaによるproANP(1-98)サンドイッチアッセイのための使用説明書を参照せよ)。このアッセイは、また、それゆえ、完全なproANP(1-98)、すなわち、完全なNT-proANPの末端断片を含むペプチド種のみを検出する。
【0012】
競合的に行う周知技術又はサンドイッチを原理とする周知技術の全てのアッセイは、心臓病の診断を意図したアッセイ又は心臓病で使用されるアッセイとして開発され、慢性腎不全もまた診断用途のための更なる機能として開示されている(EP 721105 B1及び添付のリファレンス文献のリストのリファレンス文献29を参照せよ)。
【0013】
WO 00/224939の出願人が、最初に、敗血症患者の血清及び血漿において、proANPの濃度の有意な増加が生じることを記載している。proANPは、抗体への結合が競合的な測定原理に従って求められる市販のRIAキット(抗体は、N末端でのproANPと比較して、25アミノ酸を含むシグナルペプチドによってより長い、いわゆるpreproANPのアミノ酸26-55を認識する)を用いることによって記載された予備的な実験において同定された。WO 00/22439において開示された測定において検出されたペプチド種は、より詳細に特徴付けられていない。特に、検出されたペプチド種がproANPのN末端のより短い部分的ペプチドであるかどうか、検出されたペプチド種が完全なNT-proANPであるかどうか、又は、完全なproANP(1-128)又は少なくともその実施的な部分を含む、より長いペプチド種が測定されるかどうか(これは、特に、健康なヒトの血液の循環においては検出されないが敗血症のヒトにおいて観察されるプロカルシトニン発生の増大と類似する)を求めるための実験は行われていなかった。
【0014】
プロカルシトニン(しばらくの間、敗血症及び炎症マーカーとして定着していた)の発生に対する研究から(EP 656121 B1又はUS 5639615又は、例えば、W. Karzai et al., in Infection, Vol. 25 (1997), pages 329-334;DE 10119804 A1及び敗血症の診断を対象とするその出願人の多くの更なる特許出願(本特許出願の出願時においてはまだ開示されていない)を参照せよ)、全身感染症又は全身の炎症プロセスとみなすことができる敗血症においては、多くの生理学的プロセス、特に多くの酵素活性が、非常に変化した形式として生じることが知られている。その結果、敗血症の血液循環においては、健康なヒトには検出されず、他の生理学的プロセスにおいては形成されない又はこの形式では形成されない、多くの生体分子が発見された。上述したように、例えば、プロカルシトニンは、通常、血液循環を行わない、カルシトニンホルモンの前駆体である。しかしながら、敗血症の場合、同時にカルシトニン濃度が増すことが観察されることなく、プロカルシトニンの血清及び血漿濃度が非常に増すことが見出される。敗血症の場合、検出方法は、他のコンテクストからそれ自身すでに知られているバイオマーカーに応答する時、類似性に基づいた研究における医学的知見の迅速な解釈は除外される。敗血症の場合、他の病気、特に、非感染症の病気及び非炎症性の病気と比較して、他の分子種が血液循環に表れ、他のタンパク質分解メカニズムが活性化されることを、いつも予期しなければならない。
【0015】
最近、敗血症においてproANPの検出が確認されたという幾つかの更なる論文が発表された(添付のリファレンス文献のリストのリファレンス文献24及び25を参照せよ)。proANPの発生は、主に、敗血症の間の心臓血管に負担のかかる運動の結果と解釈されている。しかしながら、他のより最近の論文(添付のリファレンス文献のリストのリファレンス文献26及び28を参照せよ)では、ホルモンANPが免疫システムにおいても重要な機能を果たすと考えられ、ANPが炎症プロセスの反応カスケードにおいて調節機能を行っていることが報告されていることは興味深い。
【0016】
信頼できる測定データに基づいて、敗血症においてproANP又はNT-proANPの濃度が増すことの臨床的関連性を、より徹底的に研究することができるために、出願人は、競合アッセイ方法の既知の欠点を有さず、患者の体液において検出されたペプチド種が完全なNT-proANPか、或いは、NT-proANPの完全なN末端を含んでいるかどうかについて、既知のサンドイッチイムノアッセイほど依存しない免疫臨床的アッセイ方法を利用することが、望ましいと考えた。
【特許文献1】EP 721105 B1
【特許文献2】EP 350218 B1
【特許文献3】WO 00/19207
【特許文献4】WO 00/224939
【特許文献5】EP 656121 B1
【特許文献6】US 5639615
【特許文献7】DE 10119804 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
それゆえ、出願人は、proANP又はそれに由来する部分的なペプチドを同定するための新規のサンドイッチイムノアッセイを供給することを決心した。本方法においては、現在知られているイムノアッセイとは対照的に、NT-proANPの末端を認識する抗体ではなく、NT-proANPの中間領域において両方認識する抗体を用いてイムノアッセイを行う。驚くべきことに、得られたサンドイッチイムノアッセイは、敗血症の診断におけるproANP同定に関して以前から既知の市販のサンドイッチイムノアッセイに比べて、実質的により感度が良いことが証明されただけでなく、心臓病の診断領域においても実質的に改善した感度を示すことが証明された。本出願においては、−通常のように−、感度について、測定における100%の感度を有するとは、病気に罹患した全てのヒトが正確にポジティブと同定されるように定義され、特異性の定義について、100%の特異性を有するとは、全ての健康なヒトが正確にネガティブとして同定され、健康なヒトが誤ってポジティブとして同定されないことである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
それゆえ、請求項1による本願発明は、NT-proANPの異なる部分的な配列に特異的に結合する2つの抗体を用いたサンドイッチイムノアッセイ(両面イムノアッセイ)を利用することによる、医学的診断、予後診断及び治療に付随するモニターリングのための、生物学的液体中における、proANP又はそれから形成される部分的ペプチド(C末端ANPではない)を同定するための方法に関し、両抗体が、NT-proANPの中間領域(NT-proANPの約アミノ酸50からアミノ酸90へと広がっている、特にアミノ酸53からアミノ酸83へと広がっている)の部分的な配列に結合することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
抗体は、モノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体とすることができるが、好ましくは、アフィニティ精製したポリクローナル抗体である。
【0020】
特に、好ましくは、抗体の1つは、proANPのアミノ酸53-72及びN末端に付加的なシステイン残基を有する合成ペプチド配列を含む抗原を用いて、動物、特に、ヒツジを免疫することによって得られ、これに対して、もう1つの抗体は、N末端に付加的なシステイン残基とともにproANPのアミノ酸73-90又は73-83を有する合成ペプチド配列を含む抗原を用いて得られる。ともにproANP配列の完全な中間領域セグメントである、前記合成ペプチドを用いて得られた抗体は、それゆえ、ポリクローナル抗体の形態で、NT-proANPのアミノ酸53-83領域における結合部位のみを認識し、前記領域を完全に検出することができた。
【0021】
好ましい実施態様においては、この方法は、ヘテロジニアスサンドイッチイムノアッセイとして行われ、この方法においては、抗体の1つのは任意の固相上、例えばコートされたテストチューブ(例えば、ポリスチレンのチューブ;「コートされたチューブ」;CT)の壁に固定され、又は、マイクロタイタープレート上、例えばポリスチレンのプレート上に固定され、又は、粒子上、例えばマグネティック粒子上に固定され、一方、もう1つの抗体は、形成されたサンドイッチ構造の検出のため、直接検出可能なラベルを有する残基、又は、ラベルへの選択的な結合を可能にする残基を保持する。適した固相を用いた、遅延型又は事後固定も可能である。
【0022】
原則として、開示されているタイプのアッセイにおいて使用することができる全ての標識方法を用いることができ、この方法は、放射性同位体、酵素、蛍光、化学発光又は生物発光ラベルを用いた標識、並びに、特に、いわゆるポイント・オブ・ケア(POC)又は加速試験において用いられている、任意に直接検出可能な、例えば、金原子及び色素粒子のようなカラーマーカーを用いた標識を含む。ヘテロジニアスサンドイッチイムノアッセイの場合においては、2つの抗体は、ホモジニアスアッセイに関連して、以下に記すタイプの検出システムも有することができる。
【0023】
それゆえ、加速試験として、本発明による方法をデザインすることは、また、本願発明の範囲内である。
【0024】
本発明による方法は、更にその上、2つの抗体及びproANP又は部分的proANPペプチドから形成されたサンドイッチ複合体を、液相中で保持し続けるホモジニアス方法としてデザインすることができる。このような場合、両方の抗体が1つのサンドイッチへと一体化する際に、シグナルの発生、又は、シグナルの誘引を可能にする検出システムを用いて、両方の抗体を標識することが好ましい。このような方法は、特に、蛍光増幅又は蛍光消光検出方法としてデザインすることができる。このタイプの特に好ましい方法は、例えば、US-A-4822733、EP-B1-180492又はEP-B1-539477及び本出願で引用される公知技術に記載されているように、ペアで用いられるべき検出試薬の使用に関する。この方法により、1つの免疫複合体における両方の標識コンポーネントを含む反応生成物のみを、反応混合液中で直接、選択的に求めることができる。例として、TRACE(登録商標、Time Resolved Amplified Cryptate Emission)又はKRYPTOR(登録商標)として販売されている方法を参照することができ、前記アプリケーションの手法を実施できる。
【0025】
驚くべきことに、本発明によって、中間領域(すなわち、NT-proANPの配列の約50から90のアミノ酸領域、特に、53-83)に両方結合する2つの抗体の、特に、2つのアフィニティ精製ポリクローナル抗体を用いて、サンドイッチタイプの購入可能なアッセイと比較して実質的に改善した感度を有するアッセイを得ることを見出した。この言質は、以下に示すように、敗血症の診断だけでなく、心臓病の診断領域に適用される。
【0026】
多くの出版物が、NT-proANPの更なるタンパク質分解産物として、NT-proANPのアミノ酸1-30に対応する部分的ペプチド以外に、アミノ酸31-67及び79-98に対応する2つの更なる部分的ペプチドが形成されることを開示しているので、特に、最後の知見には驚かされる。本発明による方法を用いた抗体は、既知のNT-proANP分解産物の中から、異なる分解産物に結合する。
【0027】
本発明によって使用した抗体を用いて、NT-proANP(proANP1-98)の末端を認識する抗体を使用する他のサンドイッチ方法を越える改良が達成することができるとは決して予想できなかった。文献には、本発明による抗体のための両方の結合部位を含むが、全ての既知のサンドイッチイムノアッセイにおいて結合のために使用されているN末端を有さないNT-proANPの部分的なペプチドは、全く開示されていない。本発明により得られる、実質的に改善されたアッセイ感度の値が、現在のところ開示されていない分解スキームによって生じるNT-proANPの分解が原因であるかどうか、又は、選択された結合部位がより接近しやすいか、及び/又は、より強く選択的に結合できるか、又は、再生可能な複合標識が可能か、及び/又は、サンプル中の分解様式が結合によって影響されるかどうかは、未解決な問題として残っている。実質的に、実験的に証明された改善した測定結果は、本発明の部分ではない。
【0028】
本発明によるアッセイ方法は、また、特に有利なことに、いわゆる複合パラメーター診断、特に、心臓病の診断領域及び敗血症の診断領域の両方において実施することができると推測される。更に、これにより求まるパラメーターは、例えば、心臓病パラメーターBNP又はproANP又は敗血症パラメーター(例えば、抗ガングリオシド抗体、タンパク質プロカルシトニン、CA125、CA19-9、S100B、S100Aタンパク質、LASP-1、可溶性サイトケラチン断片、特に、CYFRA21、TPS及び/又は可溶性サイトケラチン-1断片(sCY1F)、ペプチドインフラミン及びCHP、他のペプチドプロホルモン、グリシンN-アシルトランスフェラーゼ(GNAT)、カルバモイルホスフェートシンターゼ1(CPS1)及びC-反応性タンパク質又はこれらの断片からなる群から選択される)である。前記複合パラメーターアッセイの場合においては、複数のパラメーターの測定結果が、同時に又は並行して求められ、例えば、診断上重要なパラメーター相関関係を使用するコンピュータープログラムの助けを借りて評価されるであろう。
【0029】
本発明を、アッセイコンポーネントの調製の記載、アッセイの好ましい実施態様の手順の記載、並びに、本発明によるアッセイを用いて得られた、コントロールのヒト及び心臓病の及び敗血症の患者のEDTA血漿におけるproANPアッセイの結果の記載により、より詳細に以下に説明する。
【実施例】
【0030】
(実験セクション)
(材料と方法)
最初に、proANP(配列番号2)又はヒトのNT-proANP(配列番号1)の既知のアミノ酸配列の2つのセグメント(これらの部位53-72及び73-90に対応)を、それぞれ、抗体を得るために選択した。その後で、エピトープマッピングの結果に基づき、配列73-90の代わりに、C末端で短くした配列73-83を最終的な抗体回収に用いた。N末端にシステイン残基を加えた全てのセグメントを、標準的な方法により、可溶性ペプチドとして化学的に合成して精製し、質量分析及び逆相HPLCを用いて品質管理を行って、一定分量で凍結乾燥した
(この実験は、出願人に代わって、JERINI AG, Berlin, Germanyによって行われた)。合成ペプチドのアミノ酸配列は:
ペプチド「MPCL21」(部位53-72;配列番号3):
CPEVPPWTGEVSPAQRDGGAL
ペプチド「SPCL19」(部位73-90;配列番号4):
CGRGPWDSSDRSALLKSKL
ペプチド「SPCL12」(部位73-83;配列番号5):
CGRGPWDSSDRS
である。
【0031】
(免疫)
免疫する目的のために、PIERCE, Rockford, IL, USAの取扱説明書「NIH ester maleimide crosslinkers」に従って、ペプチドMPCL21及びSPCL19を、MBS(m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)を用いて、キャリアタンパク質KLH(スカシ貝ヘモシアニン;keyhole limpet hemocyanin)に結合させた。
【0032】
得られたコンジュゲートを用いて、ヒツジを以下のスキームに従って免疫した:それぞれのヒツジに、最初に100μg(記載した質量は、コンジュゲートのペプチド画分に基づく)のコンジュゲートを与え、その後、4週間間隔で、それぞれ50μgのコンジュゲートを与えた。免疫を開始してから4ヶ月から、700mlの血液を、4週間間隔でヒツジから取り出し、遠心することにより血液から抗血清を得た。
【0033】
コンジュゲートの調製、免疫及び抗血清の回収は、出願人に代わって、MicroPharm, Carmarthenshire, UKによって行われた。
【0034】
(抗体の精製)
1つの工程の方法において、免疫後4ヶ月して得られた抗血清から、ペプチド特異的抗体を調製した。
【0035】
この目的のため、最初はペプチドMPCL21及びSPCL19を、そして、その後は後者に変わって、より短いペプチドであるSPCL12を、製品の取扱説明書(PIERCE, Rockford, IL, USAの「SulfoLink Kit」)に従って、SulfoLink Gelに結合させた。それぞれの場合において、結合のためのゲル5ml当り、5mgのペプチドを用いた。
【0036】
ヒツジ抗血清から得られ、2つのペプチドMPCL21及びSPCL19又はSPCL12に対して特異的な抗体のアフィニティ精製は、以下の方法で行った。
【0037】
各SulfoLink Gelを分離カラムにつめた。得られたペプチドカラムを、最初に、交互に3回、10mlの溶出バッファー(50mMクエン酸、pH2.2)及び結合バッファー(100mMリン酸ナトリウム、0.1%Tween、pH6.8)を用いて洗浄した。100mlの抗血清を、0.2μmフィルターに通し、それぞれのペプチド結合ゲルに、前記抗血清を加えた(この目的のため、洗浄を行ったカラムのゲルは、10mlの結合バッファーを用いて定量的にリンスしておいた)。ペプチド結合ゲルと抗血清の反応は、振とうしたフラスコにおいて室温で一晩行った。その後、そのバッチを、定量的に空のカラム(NAP 25, Pharmacia, emptied)へと移した。流れ出した物質は捨てた。その後、タンパク質を含まない250mlの結合バッファー(前記参照)を用いて洗浄した(洗浄の際の溶出液のタンパク質含量は、0.02より小さい280nmの吸光度を示した)。その後、溶出バッファーを洗浄したカラムに加えて、溶出液を1mlフラクションに集めた。各フラクションのタンパク質含量は、BCA方法(bicinchoninic acid;PIERCE Chemical Technical Library, www.piercenet.comを参照)によって求めた。フラクション4-7を集め、BCA方法を用いて集めたフラクションのタンパク質を求めたところ、抗-MPCL21抗体としては15.5mgの収率、及び、抗-SPCL12抗体としては20.7mgの収率が得られた。
【0038】
前記した方法により得られた抗体のエピトープマッピングにより、ペプチドSPCL19を用いて得られたアフィニティ精製抗体が、実質的に、もっぱらアミノ酸73-83の領域のエピトープ、すなわち、ペプチドSPCL12に対応するセグメントに結合することを見出した。それゆえ、アフィニティ精製において、ペプチドSPCL19をペプチドSPCL12に取り替えた。
【0039】
(標識)
検出用の抗体を調製するために、取扱説明書に従って、前記した方法で精製した500μlのポリクローナル抗MPCL21抗体を、1mlの100mMリン酸カリウムバッファー(pH8.0)を用いてNAP-5ゲルろ過カラム(Pharmacia)に供した。抗体溶液のタンパク質濃度を求めたところ、1.5mg/mlの値であった。
【0040】
化学発光マーカーを結合させた抗体を供給するために、10μlのMA70アクリジニウムNHSエステル(1mg/ml;HOECHST Behring)を132μlの抗体溶液に加えて、15分間室温で反応させた。その後、358μlの1Mグリシンを加えて、更に10分間反応させた。更にその後、取扱説明書に従って、標識反応を行ったバッチを、移動相A(1mMリン酸カリウム、10%メタノール、0.1%ルブロール、0.1%アザイド、pH6.8)を用いて、NAP-5ゲルろ過カラム(Pharmacia)に供し、低分子量成分を除いた。抗体に結合しなかった標識成分の最終的な成分を取り除くために、ヒドロキシルアパタイトを用いてHPLCを行った(カラム:Knauer, 10cm×8mmID, Ser No. LF230 Batch No.1250000A, hydroxylapatite Bio Rad 10μm)。サンプルをアプライし、移動相A/移動相Bのリニアグラジエントを用いて、流速1ml/minでクロマトグラフィーを行った。500mMリン酸カリウム、10%メタノール、0.1%ルビロール、0.1%アザイド、pH6.8の溶液を、移動相Bとして用いた。フローフォトメーターを用いて、連続的に、280nm及び368nmの波長を測定した。368nm/280nmの吸光度比は、抗体の標識された程度を反映し、ピークで0.16であった。
【0041】
約40%の移動相Bで溶出した、抗体が含まれているフラクションを、3mlの100mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、5%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%アジ化ナトリウム、pH7.4中に集めた。
【0042】
この溶液は、以下に示す測定で用いる、トレーサーコンセントレイト(tracer concentrate)である。
【0043】
(カップリング)
本発明によるアッセイ方法のための固相の調製のために、照射殺菌5mlポリスチレンチューブを、最初に、以下のように、ロバの抗ヒツジIgG抗体(Scantibodies)でコートした。
【0044】
抗体を、50mMリン酸ナトリウム、pH6.5で希釈し、濃度を16.7μg/mlとした。300μlのこの溶液を、それぞれのチューブにピペッティングした。その後、チューブを20時間、22℃で反応させた。溶液を吸引して除去した後、4.2mlの10mMリン酸ナトリウム、2%Karion FP、0.3%BSA、pH6.5で満たした。20時間後、同様に、溶液を吸引して除去した。
【0045】
ペプチドSPCL12に結合する、精製したヒツジ抗体を、50mMリン酸ナトリウム、50mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、0.05%BSA、pH7.8中で希釈し、濃度を4.3μg/mlとした。300μlのこの溶液を、それぞれのチューブにピペッティングした。その後、チューブを20時間22℃で反応させ、溶液を再度吸引して除去した。その後、それぞれのチューブを、4.2mlの10mMリン酸ナトリウム、2%Karion FP、0.3%BSA、pH6.5で満たした。20時間後、溶液を吸引して除去した。その後、チューブを、真空乾燥機内で乾燥させた。
【0046】
(本発明によるイムノアッセイ手法及びイムノアッセイの評価)
以下の組成を有するアッセイバッファーを測定に用いた:
100mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、5%BSA、0.1%非特異的ヒツジIgG、0.1%アジ化ナトリウム、pH7.4。
【0047】
リコンビナントproANP(1-128)を発現する大腸菌(Invivo GmbH, Hennigsdorf, Germany)の抽出液を、標準物質として用いた。標準溶液の調製のために、この抽出液を連続してウマ標準血清(SIGMA)を用いて希釈した。使用した標準物質の希釈に対応して、任意のproANPの濃度を、調製した標準溶液とした。
【0048】
明らかに健康なヒトのEDTA血漿、敗血症の患者のEDTA血漿及び狭心症の患者のEDTA血漿を、サンプルとして測定した。
【0049】
この目的のため、測定の第一の工程において、二重測定で、200μlのアッセイバッファー、及び、20μlの標準又はサンプルをコートしたチューブにピペッティングした。その後、一晩22℃で攪拌しながら反応を行った。その後、それぞれチューブ当り、1mlの洗浄溶液(0.1%Tween20)を用いて4回洗浄を行い、洗浄液を除去した。その後、200μlの1:1000に希釈した、アッセイバッファー中の前記トレーサーコンセントレイトをそれぞれのチューブにピペッティングした。2時間22℃で攪拌しながら反応させた。その後、それぞれチューブ当り、1mlの前記洗浄溶液を用いて4回洗浄を行い、洗浄液を除去し、最終的に、チューブに結合した化学発光は、ルミノメーター(BERTHOLD, LB952T;base reagents BRAHMS AG)内で、テーラーメイドの方法で測定した。MultiCalc(spline fit)ソフトフェアを用いて、サンプルのproANP濃度を、標準曲線から求めた。
【0050】
健康なヒトのEDTA血漿(コントロールサンプル)、敗血症の患者のEDTA血漿及び狭心症の患者のEDTA血漿中の、本発明を用いたproANP測定によって得られた結果を、図1に示す。用いたカットオフ値は、健康なヒト全体に対して100%及び健康なヒト全体に対して90%が、それぞれ、ネガティブ(カットオフとして選択した閾値より低い測定値)として検出されるように選択した2つの閾値である。
【0051】
同じサンプルを、また、市販のサンドイッチアッセイ(BIOMEDICA;A-1210 Vienna)を用いて、製品の取扱説明書(proANP1-98のための取扱説明書)に従って測定した。結果を図2に示し、カットオフ値はバッファーとした。
【0052】
図3においては、敗血症の患者における測定のための前記2つのアッセイにより得られた結果をROCカーブを用いて比較したものであり、心臓疾の患者の結果については図4で比較した。それぞれの場合において、それぞれのROCカーブの直接的に最適に明らかなAUC値(図3の説明を参照せよ)を指針として使用するならば、本発明による方法が、統計的な関連性の観点で実質的に優れた測定値を与えることが直接的に示すことができる。
[参考文献]




【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明によるproANPアッセイを用いた、健康なヒトのコントロールグループ、敗血症の患者のグループ、及び、狭心症の患者のグループにおけるproANPの同定結果を示す。
【図2】図2は、proANPのアミノ酸10-19及び85-90に結合する2つの抗体を用いた、市販のproANPサンドイッチアッセイを用いて得られた、図1と同じサンプルの対応する測定結果を示す。
【図3】図3は、図1及び比較のための図2によるproANPアッセイの感度及び特異性を示す、いわゆるROCカーブ(受信者動作特性プロット;Receiver Operating Chracteristic Plots)を示す。図により、敗血症の場合において比較されたアッセイを用いて、アッセイの値を比較することができる。ROCカーブにおいては、相当するカーブと45゜の角度の直線の間の領域は、アッセイの統計的な関連性の特性として見ることができる。
【図4】図4は、図3に対応する図であり、狭心症の場合において比較されたアッセイを用いて、アッセイの値の比較を比較することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N末端proANP(NT-proANP;proANP1-98;配列番号1)の異なる部分的配列に特異的に結合する二つの抗体を用いた、サンドイッチイムノアッセイ(両面イムノアッセイ)を利用した、
医学的診断、予後診断及び治療に付随するモニターリングのための生物学的液体中の、proANP(配列番号2)、又は、これから形成される部分的なペプチドであってC末端ANP(99-125;「ANP」)ではないペプチドを同定するための方法であって、
両方の抗体が、NT-proANPのアミノ酸50からアミノ酸90(配列番号1;配列番号2)に広がるNT-proANPの中間領域の部分的配列に結合することを特徴とする方法。
【請求項2】
両方の抗体が、NT-proANPのアミノ酸53からアミノ酸83に広がるNT-proANPの中間領域の部分的配列に結合することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
抗体が、モノクローナル及び/又はポリクローナル抗体であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
両方の抗体が、アフィニティ精製されたポリクローナル抗体であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
抗体の1つが、proANPのアミノ酸53-72を含む合成ペプチド配列(配列番号3)を含む抗原を用いて動物を免疫することによって得られ、
もう1つの抗体が、proANPのアミノ酸73-90を含む合成ペプチド配列(配列番号4)を含む抗原を用いて免疫することによって得られることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
抗体の1つが標識され、もう1つの抗体が固相に結合し、又は、選択的に固相に結合することができる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第一及び第二抗体の両方が、液体反応混合液中で分散した形態で存在し、
蛍光又は化学発光の消光又は増幅に基づく標識システムの部分の一部である第一の標識成分が、第一抗体に結合し、
この標識システムの第二の標識成分が、検出すべきproANPに両方の抗体が結合した後に、測定溶液中で生じたサンドイッチ複合体を検出できる測定可能なシグナルが生じるように、第二の抗体に結合することを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
標識システムが、蛍光又は化学発光色素、特に、シアニン系の色素と組み合わせた、希土類クリプテート又はキレートを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
心臓病の診断領域で使用されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
心臓病の診断に関連した更なるパラメーター、特に、BNP及びproBNPを同時に求める複合パラメーターアッセイにおいて実施されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
敗血症の診断、敗血症の重篤度の決定及び予後診断、並びに、敗血症の付随する治療コントロールのために用いることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
敗血症の診断に関連する少なくとも1つの更なるパラメーターを同時に求める複合パラメーターにおいて実施されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
敗血症の診断に関連するパラメーター、又は、更なるパラメーター類が、抗ガングリオシド抗体、タンパク質プロカルシトニン、CA125、CA19-9、S100B、S100Aタンパク質、LASP-1、可溶性サイトケラチン断片、特に、CYFRA21、TPS及び/又は可溶性サイトケラチン-1断片(sCY1F)、ペプチドインフラミン及びCHP、他のペプチドプロホルモン、グリシンN-アシルトランスフェラーゼ(GNAT)、カルバモイルホスフェートシンターゼ1(CPS1)及びC-反応性タンパク質又はこれらの断片からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−523298(P2006−523298A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552484(P2004−552484)
【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011597
【国際公開番号】WO2004/046181
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(501154389)ベー・エル・アー・ハー・エム・エス・アクティエンゲゼルシャフト (29)
【Fターム(参考)】