説明

部品の整列方法及び部品の整列装置

【課題】薄板の円板状の部品の機械的損傷を低減しながら部品を高速に整列させることができるようにする。
【解決手段】円板状の部品11を供給部16から搬送部15に供給して一定間隔で整列するものであり、供給部16のガイド43・44間に設けた滑落面42上で部品11を一定の滑落経路で滑落させ無端状チェーンからなるコンベア20に一定間隔に設けた支持ローラ31間に部品を収納する。支持ローラ31の移送に伴ってコンベア20の直線経路にある支持ローラ31間に部品11が供給部16から順次供給されると共に、傾斜部32の傾斜平面33で傾倒姿勢に支持された部品11の側面13を1対の支持ローラ31で受け止めながら傾斜平面33上で部品を搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板の円板状の部品を一定間隔で整列させる部品の整列方法及び部品の整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
円板状の部品を用いる電子部品にはバリスタや圧電素子、サーミスタ等があり、円板状に薄く形成されたセラミック素体の部品を有する電子部品である。
【0003】
図7は円板状の部品の斜視図であり、図7に示すように円板状の部品11は円形平面の端面12と端面12の外周に側面13とを有するものであり、両端にある端面12間の厚みが端面12の直径より小さく薄厚に設けられている。
【0004】
例えばバリスタは、酸化亜鉛を主成分とするセラミック粉末のスラリーを円板状に成形し焼成してセラミック素体を形成した後、セラミック素体の両端の端面に薄い金属電極を設けて金属電極に1対の外部リードを接合して形成される。
【0005】
この金属電極に前記外部リードを接合する工程は、金属電極を設けたセラミック素体を円板状の部品11として、この部品11を一定間隔に整列した後、複数個の部品11の端面12を吸着ピンで同時に吸着し、吸着した部品11を外部リード間に挿入して作製するものである。
【0006】
図8は従来の部品の整列装置の概略斜視図であり、円板状の部品11を一定間隔に整列する際に用いていた。
【0007】
図8に示すように従来の部品の整列装置は、凹状の部品留め部62を一方に設け一定間隔に配列されたポケット63を他方に設けて整列ボックス61を構成し、整列ボックス61の下側に揺動装置を連結したものである。
【0008】
この従来の整列装置は、部品留め部62にランダム状態で部品11を投入した後、揺動装置を用いて整列ボックス61を円弧状往復動作64とこの動作に直交する方向に水平往復動作65とを同時に行って揺動させることによって部品11をポケット63に向かって移送させ、移送された部品11をポケット63に落とし込んで収納し整列させるものであった。
【0009】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1に示すものが知られている。
【特許文献1】特開平4−266318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来の部品の整列装置は、整列速度を上げるために揺動動作を速くすると、部品11の移送速度が速く揺動振幅が大きくなるため部品11同士が激しく衝突する。その結果、部品11は薄板のセラミック素体であるため機械的損傷が生じやすく欠けや割れが生じる課題があった。また一旦収納されたポケット63から部品11が飛び出してしまい整列効率が低下したりする課題があった。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決し、円板状の部品の機械的損傷を低減しながら部品を高速に整列できる部品の整列方法及び部品の整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、円板状の部品を一定間隔で整列する部品の整列方法であって、1列で一定間隔に配設された支持ローラ間に部品を供給する工程と、部品を傾倒姿勢に支持する傾斜部上の部品の側面を前記支持ローラで受け止めた状態で前記支持ローラを移送させて前記傾斜部上で部品を搬送させる工程と、を備える部品の整列方法である。
【0013】
また本発明は、円板状の部品を一定間隔で整列する部品の整列装置であって、搬送部と前記搬送部に部品を供給する供給部とを備え、前記搬送部は、部品を傾倒姿勢に支持する傾斜部と、1列で一定間隔に配設され前記傾斜部上の部品の側面を受け止めて前記傾斜部に沿って移送する支持ローラと、前記支持ローラを移送するコンベアと、を備えた部品の整列装置である。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、部品を傾倒姿勢に支持する傾斜部上の部品の側面を支持ローラで受け止めた状態で支持ローラを移送させて傾斜部上の部品を搬送させることにより、部品を一方側に傾倒した姿勢で保持するので部品の姿勢を安定に保つことができコンベアの移送速度を上げてコンベアの振動が大きくなっても部品の傾倒姿勢が変化することなく部品を搬送することができ、整列速度を向上することができる。
【0015】
また支持ローラによって部品の側面を受け止める構成とすることによって、部品を受け止める支持ローラの側面は断面円形であるので、支持ローラ間に部品を供給させる際や支持ローラで保持して部品を搬送させる際に部品は支持ローラの側面上で回転したり滑り易くなったりするため支持ローラによる部品に対する衝撃を弱くすることができ部品の機械的損傷を低減することができる。さらに部品と支持ローラとの摩擦を小さくでき供給部から供給される部品は支持ローラ間に速やかに収納させることができ整列速度を向上することができる。
【0016】
以上のように本発明は円板状の部品の機械的損傷を低減しながら部品を高速に整列することができる。
【0017】
また傾斜部に傾斜平面を設けることが好ましく、部品の傾倒姿勢が一定となるので搬送される際の部品の姿勢をより安定にすることができ部品を高速に整列することができる。
【0018】
また部品を水平に搬送させることが好ましく、部品を搬送させる際に部品が支持ローラから転がり出て支持ローラ間に収納できなくなってしまうことを抑制でき部品を高速に整列することができる。
【0019】
また支持ローラ間に隙間を設けることが好ましく、供給部より投入されてしまった細かく砕けた部品を隙間から落下させることができ細かく砕けた部品を搬送部に整列させないようにすることができる。
【0020】
また支持ローラの端部に部品のずれを防ぐ留め部を設けることが好ましく、部品が傾斜部から離れてしまうことを防止できるので部品の姿勢を安定にでき部品を高速に整列することができる。
【0021】
また部品を一定の滑落経路に規制して滑落面上で滑落させて部品を支持ローラ間に供給することが好ましく、整列速度を上げても滑落経路で部品同士が何度も激しい衝突をすることなく支持ローラ間に部品を供給することができ、部品の機械的損傷を低減しながら整列速度を向上することができる。さらに部品は支持ローラ間に1つずつ順次供給されるので支持ローラ間に収納させる時間を短くでき整列速度を向上することができる。
【0022】
また部品を傾斜部に案内するように滑落面を設けることが好ましく、部品を支持ローラ間に供給する際に供給部の終端部での部品の姿勢が支持ローラで保持される部品の傾倒姿勢と同じになるため供給部から搬送部への部品の供給を円滑に行うことができ整列速度を向上することができる。
【0023】
また部品を供給する工程は滑落経路の終端部において部品を支持ローラの移送経路の上流に移動しないように規制し支持ローラに保持された部品のみを前記移送経路の下流方向に通過可能とすることが好ましく、部品が供給される際に滑落する勢いで前記移送経路の上流側に飛び出して整列間隔を空けて支持ローラ間に保持されてしまうことを防止でき、また部品が搬送される際に支持ローラ間に保持された部品の上部に後続の部品が重なり合って整列することを防止できる。そのため支持ローラ間に収納される部品の抜けを防止し一定間隔で部品を整列することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
まず本発明の実施の形態の部品の整列装置について図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施の形態における部品の整列装置の概略斜視図、図2は同コンベアの拡大斜視図、図3は同整列装置の拡大断面図、図4は同供給部の終端部の拡大斜視図である。
【0026】
図1に示すように整列装置は、図7に示す円板状の部品11を搬送する搬送部15と、搬送部15に部品11を供給する供給部16と、を備えている。
【0027】
まず搬送部15について説明する。搬送部15は図1に示すようにコンベア20、支持ローラ31及び傾斜部32を備えている。
【0028】
コンベア20は無端状のチェーンであり、コンベア20は水平に移動する直線経路21を上下に備え直線経路21の両側で歯車状のスプロケット26の外周に係合して設けられ、コンベア20はモータでスプロケット26を駆動することにより一方方向に回動するものである。
【0029】
図2に示すようにコンベア20は連結ピン30によってコンベアプレート23同士が連結されたものであり、両側のコンベアプレート23間には連結ピン30を貫通させた中空のコンベアローラ24が取り付けられている。
【0030】
連結ピン30は図1と図2に示すようにコンベア20の一方の側部から突出してコンベア20の一側方に直線状に延びて設けられ、さらにコンベア20の長手方向に1列に一定間隔で固定されてコンベア20の全周に亘って設けられている。
【0031】
支持ローラ31は軸方向に貫通する空洞を中央に有する薄厚の円柱体で、前記軸方向に沿う側面35は前記軸方向に直交する横断面が円形状となっている。このように支持ローラ31は側面35が断面円形であるので、部品11の側面13を支持ローラ31で受け止める際に部品11が支持ローラ31の側面35で回転したり滑り易くなったりするため部品11の機械的損傷を低減できる。また部品11と支持ローラ31との摩擦を小さくできるので部品11を支持ローラ31間に速やかに収納させることができ整列速度を向上することができる。
【0032】
さらに支持ローラ31は連結ピン30の一端に取り付けられているもので、連結ピン30を介してコンベア20の側部に連結されてコンベア20に固定されている。そのため連結ピン30を介して支持ローラ31をコンベア20に1列に一定間隔で取り付けすることが容易にできる。
【0033】
また支持ローラ31は連結ピン30が支持ローラ31の前記空洞を貫通して連結ピン30を軸として回転自在に設けられている。このように支持ローラ31を回転自在とすることにより支持ローラ31の側面35に接して部品を支持ローラ31間に収納する際に円滑に収納することができ整列速度を向上することができる。
【0034】
また支持ローラ31は連結ピン30から着脱可能に構成されている。着脱可能に設けることにより支持ローラ31の横断面の直径を変えることで直径の異なる円板状の部品11に対応可能となる。
【0035】
さらに隣り合う支持ローラ31間には一定の間隔を有する隙間が設けられている。この隙間を設けていることにより、供給部より投入されてしまった細かく砕けた部品11を隙間から落下させることができ細かく砕けた部品11を搬送部15に整列させないようにすることができる。
【0036】
次に傾斜部32は図1と図3に示すように一定の傾斜角度を有した傾斜平面33を上面に設けたプレートであり、傾斜平面33は直線状の下辺部34を有し、下辺部34側の傾斜平面33にはコンベア20の直線経路21にある支持ローラ31が並設されている。この並設された支持ローラ31の側面35は傾斜平面33に対しほぼ垂直に設けられている。
【0037】
傾斜平面33と直線経路21にある支持ローラ31とを並設させるために図3に示すようにコンベア20を支持する直線状のコンベアガイド25を傾斜部32に連設している。
【0038】
このコンベアガイド25は複数の第1〜第3ブロック25a〜25cから構成され、第1ブロック25aは傾斜部32のプレートの背面に固定されて傾斜部32の下方に延び一端がコンベアローラ24の上側に当接し、第2ブロック25bは一端がコンベアローラ24の下側に当接し、第3ブロック25cは第1ブロック25aと第2ブロック25bとを連結させ第1ブロック25aと第2ブロック25bによって上下からコンベアローラ24を挟持させている。
【0039】
さらに図3に示すように連結ピン30を支持する直線状の連結ピンガイド27をコンベアガイド25に固定し連設している。この連結ピンガイド27の上部を直線経路21の範囲において連結ピン30の下部に当接させることにより、連結ピン30を傾斜部32のプレートの下端面に沿わせ傾斜平面33に対しほぼ垂直に突出させている。
【0040】
このコンベアガイド25と連結ピンガイド27によって支持ローラ31の振動を抑制することができコンベア20の移送速度を上げることができる。
【0041】
また連結ピン30を傾斜平面33に対し垂直に設けるために図1に示すようにコンベア20全体を傾けてスプロケット26の回転軸を傾斜平面33に対し垂直に設けている。
【0042】
そして図1に示すように傾斜部32は部品11の端面12を傾斜平面33で受け止めて部品11を傾倒姿勢に支持し、1対の支持ローラ31は傾斜平面33上の部品11の側面13を支持ローラ31の側面35で受け止める。さらに支持ローラ31を傾斜部32の傾斜平面33に沿って移送することにより傾斜部32と支持ローラ31に保持された部品11を傾斜平面33上で水平に搬送させる。
【0043】
このように搬送部15の部品11を一方側に傾倒した姿勢で保持するのでコンベア20の移送速度を上げてコンベア20の振動が大きくなっても部品の姿勢が変化してしまうことがなく部品11の姿勢を安定に保って搬送することができるので整列速度を向上することができる。
【0044】
またコンベア20はチェーンの代わりにタイミングベルトを用いることができ、タイミングベルトを用いることによってコンベア20の軽量化、低振動化、低騒音化ができる。
【0045】
また支持ローラ31に部品11のずれを防ぐ留め部を設けてもよく、図6は本発明の実施の形態における部品の整列装置の他の支持ローラの側面図であり図6に示す他の支持ローラ36は留め部36bを設けたものであり、この留め部36bは支持ローラ36の円柱体36aの端部に円錐台形状に外方に広がるように設けられている。留め部36bを設けることによって部品11が支持ローラ36の軸方向の外側へずれて傾斜平面33から離れてしまうことを防止できるので、コンベア20の振動に対し部品11の姿勢を安定にすることができ整列速度を向上することができる。
【0046】
また傾斜部32は実質的に傾斜した平面によって部品11を傾倒姿勢で支持するものでよく、傾斜部32は傾斜平面33上に複数の凸部を設け前記凸部の先端を同一面上に配設して前記同一面を傾斜面としたプレートを用いることができる。
【0047】
次に供給部16について説明する。供給部16は図1と図4に示すように滑落面42を上面に設けた滑落プレート41と1対のガイドレールからなるガイド43・44とを備えている。
【0048】
滑落プレート41の滑落面42は平坦状であり、パーツフィーダ51から1つずつ順次投入される部品11を滑落面42上で滑落させるものである。
【0049】
滑落面42の傾斜角度は、部品11が滑落する勢いでガイド43・44から飛び出したり滑落面42から浮いて下方の部品11に重なりあったりすることが起こらないように設けることが好ましく、また整列速度を向上させるため部品11の滑落する速度をできるだけ低下させないように設けることが好ましい。
【0050】
図4に示すように供給部16の下端にある終端部16aにおいて滑落面42は傾斜部32の傾斜平面33と同一面に設けられて滑落面42の下端が傾斜平面33の上辺部の一部と連接し、滑落面42は傾斜平面33に部品11を案内するように設けられている。
【0051】
このように滑落面42を傾斜平面33に部品11を案内する構成とすることにより部品11は供給部16の終端部16aでの傾倒姿勢を変えずに傾斜平面33に供給され一定の傾倒姿勢を保った状態で傾斜平面33を滑って行き支持ローラ31間に収納される。そのため供給部16から搬送部15への部品11の供給を円滑に行うことができ整列速度を向上することができる。
【0052】
ガイド43・44は滑落面42上の部品11を一定の滑落経路に滑落するように規制するものであり、このガイド43・44は滑落面42上の両側に平行に直線状に配設されガイド43・44の間隔が1つの部品11のみが通過できるように設けられている。
【0053】
このように滑落面42上の部品11を一定の滑落経路に規制して滑落面42上で滑落させて供給部16から支持ローラ31間に部品11を供給することにより、滑落した部品11同士は供給部16で積み重なる際に衝突するだけであり整列速度を上げても滑落経路で部品11同士が何度も激しい衝突をすることなく支持ローラ31間に部品11を供給することができ部品11の機械的損傷を低減しながら整列速度を向上することができる。
【0054】
またガイド43・44を滑落プレート41にねじ止めすることによりガイド43・44の間隔を調整可能に設けている。これによって直径の異なる円板状の部品11に対応可能にできる。
【0055】
供給部16の終端部16aはコンベア20の直線経路21の上流側にあり、終端部16aで滑落してきた部品11が支持ローラ31の移送経路に上方から供給される。
【0056】
また終端部16aでガイド43・44の一方のガイド43は他方のガイド44より支持ローラ31の移送経路の上流側に配設され、ガイド43・44は支持ローラ31の移送経路と直交する方向及び前記移送経路の下流方向に開口して設けられている。
【0057】
図5は本発明の実施の形態における部品の整列装置における部品の動作を示す正面図である。
【0058】
図5(a)に示すように一方のガイド43は部品11を支持ローラ31の移送経路の上流側に移動しないように規制し前記移送経路に対し直交する方向から供給するように案内するものであり、一方のガイド43は終端部16aにおいて他方のガイド44より前記移送経路側に突き出て下方に真直ぐに延び、一方のガイド43の終端部43aが前記移送経路に近接して傾斜部32の傾斜平面33上に設けられている。
【0059】
他方のガイド44は1対の支持ローラ31に保持された部品11のみを支持ローラ31の移送経路の下流方向に通過可能とするものであり、支持ローラ31に保持された部品11の上端に接して停留している状態にある後続の部品11bの下流側に他方のガイド44の終端部44aが設けられている。
【0060】
このようにガイド43・44は部品11が支持ローラ31の移送経路の上流側に移動しないように規制し支持ローラ31に保持された部品11のみを前記移送経路の下流方向に通過可能とすることにより、支持ローラ31間に収納される部品11の抜けを防止し部品11を一定間隔に整列することができる。
【0061】
ここで後続の部品11bは1対の支持ローラ31に保持された部品11に続いて供給部16を滑落してきたものである。
【0062】
また整列装置には図示していない部品検知センサーとシーケンサを備えている。
【0063】
部品検知センサーは供給部16にある部品11の積み重なりがガイド43・44の一定位置に達しているか否かを検知するもので、前記部品検知センサーはガイド43・44に近接して供給部16の上方と下方の2箇所に設けられ、この2箇所の部品検知センサーの位置は供給部16の部品11の上限数量、下限数量に対応し、上限数量と下限数量は1対の支持ローラ31からガイド43・44間に部品11が連続して積み重なっている数量であり、下限数量は搬送部15に整列すべき部品11の数量以上に設定することが好ましい。
【0064】
シーケンサはコンベア20とパーツフィーダ51の稼動を制御するもので、シーケンサは前記部品検知センサーの信号に基づき、供給部16の部品11が上限数量に達した場合はパーツフィーダ51の振動を停止し供給部16への部品11の供給を止め、供給部16の部品11が下限数量より少ない場合は支持ローラ31間に収納される部品11の抜けを防止するために下限数量以上となるまでコンベア20の移送を停止するものである。
【0065】
またコンベア20の移送を行うときに供給部16から搬送部15への部品11の供給を停滞させないため、整列するための一連の動作が連続して繰り返し行われる正常状態では供給部16での下限数量を維持するようにパーツフィーダ51からの部品11の供給速度が調整されている。
【0066】
またパーツフィーダ51は図1に示すように螺旋状の搬送台53を内壁面に沿って設けた有底のボウル52が振動装置の上に設けられ、搬送台53出口には部品11を供給部16の上端部16bに案内するアタッチメント54が取り付けられている。
【0067】
パーツフィーダ51における部品11は、ボウル52の底部にランダムな状態で投入され振動によって搬送台53を上って移送される。さらに搬送台53の途中で部品11が重なり合ったものが取り除かれて部品11はアタッチメント54に送られ供給部16の上端部16bに1つずつ順次投入される。
【0068】
パーツフィーダ51の振動は微小であるのでボウル52の底部や搬送台53での部品11の移送振幅が小さいため、部品11が薄板のセラミック材料で構成される場合であってもパーツフィーダ51において部品11同士が衝突することによる損傷を低減することができる。
【0069】
次に整列装置の動作と部品の整列方法について図5を用いて説明する。部品の整列は次のステップ1〜ステップ4を順次行うものであり、この一連のステップを繰り返し行う。
【0070】
(ステップ1)まず図5(a)に示すようにシーケンサはコンベア20の移送を停止させて待機状態にしている。このとき支持ローラ31を供給部16の終端部16a下方の位置に配置させ隣接した支持ローラ31を結ぶ直線の中央をガイド43・44間の中央の延長線上に重なるように設ける。
【0071】
そして供給部16より供給された先頭の部品11aを支持ローラ31間に収納させる。続いて供給される後続の部品11bを先頭の部品11aの上端の側面13と接するようにしてガイド43・44間に停留させる。さらにパーツフィーダ51から部品11を順次供給しガイド43・44間に1列に積み重ねていく。
【0072】
また一連のステップが連続して繰り返し行われる定常状態では後述するステップ4において先頭の部品11aを支持ローラ間に収納し後続の部品11bを積み重ねた状態となっている。
【0073】
(ステップ2)次に供給部16に下限数量の部品11が積み重なっている場合、シーケンサはコンベア20の移送を開始し一定速度で移送させる。図5(b)に示すようにコンベア20の移送により1対の支持ローラ31が先頭の部品11aを保持して搬送する。このとき傾斜部32の傾斜平面33によって先頭の部品11aを傾倒姿勢に保持した状態で支持ローラ31の上部側によって先頭の部品11aの下部両側を受け止めている。
【0074】
先頭の部品11aの搬送に伴い、後続の部品11bは自重又は積み重なった部品11の荷重によって滑落面42を滑落していき、続いて供給部16の終端部16aで先頭の部品11aの上部と一方のガイド43によって下方に向かって真っ直ぐに案内されて傾斜平面33上を滑落し、図5(c)に示すように先頭の部品11aを保持した支持ローラ31の上流側に隣接する支持ローラ31間に後続の部品11bが収納される。
【0075】
引き続き支持ローラ31を移送し、支持ローラ31間に収納された部品11の搬送に連動させて供給部16で積み重なった部品11を支持ローラ31間に連続して収納させる。同時に支持ローラ31間に収納された部品11を傾倒姿勢で傾斜平面33上を滑らせて水平方向に直線状に順次搬送させる。このように連続して支持ローラ31間に部品11を収納できるので支持ローラ31間の部品11の抜けを防ぐことができ一定間隔で部品11を搬送できる。
【0076】
(ステップ3)続いて整列すべき所定数量に対応する1対の支持ローラ31を移送した時点で部品11の整列が完了し、シーケンサはコンベア20の移送を停止し待機状態にする。そして所定数量の部品11が傾斜平面33上で直線状に一定間隔で整列する。
【0077】
(ステップ4)次にコンベア20の待機中に整列された部品11を真空チャックによって吸着して部品11を搬送部15から取り出す。
【0078】
以上のように本発明の実施の形態の部品の製造方法及び整列装置によって円板状の部品の機械的損傷を低減しながら部品を高速に整列させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の部品の整列方法及び部品の整列装置は、円板状の部品の機械的損傷を低減しながら部品を高速に整列させることができる効果を有し、部品を一定間隔で整列させる部品の整列方法及び部品の整列装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態における部品の整列装置の概略斜視図
【図2】本発明の実施の形態における部品の整列装置のコンベアの拡大斜視図
【図3】本発明の実施の形態における部品の整列装置の拡大断面図
【図4】本発明の実施の形態における部品の整列装置の供給部の終端部の拡大斜視図
【図5】本発明の実施の形態における部品の整列装置における部品の動作を示す正面図
【図6】本発明の実施の形態における部品の整列装置の他の支持ローラの側面図
【図7】円板状の部品の斜視図
【図8】従来の部品の整列装置の概略斜視図
【符号の説明】
【0081】
11 部品
12 端面
13 側面
15 搬送部
16 供給部
16a 終端部
20 コンベア
21 直線経路
30 連結ピン
31 支持ローラ
32 傾斜部
33 傾斜平面
34 下辺部
35 側面
36b 留め部
41 滑落プレート
42 滑落面
43、44 ガイド
51 パーツフィーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の部品を一定間隔で整列する部品の整列方法であって、1列で一定間隔に配設された支持ローラ間に部品を供給する工程と、部品を傾倒姿勢に支持する傾斜部上の部品の側面を前記支持ローラで受け止めた状態で前記支持ローラを移送させて前記傾斜部上で部品を搬送させる工程と、を備える部品の整列方法。
【請求項2】
前記傾斜部は傾斜平面を設けたものである請求項1に記載の部品の整列方法。
【請求項3】
前記部品を搬送させる工程は部品を水平に搬送させるものである請求項1に記載の部品の整列方法。
【請求項4】
前記支持ローラ間に隙間を設けた請求項1に記載の部品の整列方法。
【請求項5】
前記支持ローラの端部に部品のずれを防ぐ留め部を設けた請求項1に記載の部品の整列方法。
【請求項6】
前記部品を供給する工程は部品を一定の滑落経路に規制して滑落面上で滑落させるものである請求項1に記載の部品の整列方法。
【請求項7】
前記滑落面は部品を前記傾斜部に案内するものである請求項6に記載の部品の整列方法。
【請求項8】
前記部品を供給する工程は前記滑落経路の終端部において部品を前記支持ローラの移送経路の上流に移動しないように規制し前記支持ローラに保持された部品のみを前記移送経路の下流方向に通過可能とするものである請求項6に記載の部品の整列方法。
【請求項9】
円板状の部品を一定間隔で整列する部品の整列装置であって、搬送部と前記搬送部に部品を供給する供給部とを備え、前記搬送部は、部品を傾倒姿勢に支持する傾斜部と、1列で一定間隔に配設され前記傾斜部上の部品の側面を受け止めて前記傾斜部に沿って移送する支持ローラと、前記支持ローラを移送するコンベアと、を備えた部品の整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−163233(P2010−163233A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5481(P2009−5481)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】