部品収納用トレー
【課題】切り欠き位置が異なるトレーを用意して交互に重ねることで深く重ならないようにした従来では2種類の電子部品収納用トレーが必要であるので、設計費が高くなり、またトレー重ね合わせ時の煩わしさがある。
【解決手段】電子部品収納用トレー11は、隣り合う部品収納部12の端部の間に貫通する空気抜け用の穴13が全部で8箇所、穿設されている点に特徴がある。これにより、電子部品収納トレー11を複数段重ねたときでも、最上段から最下段までの電子部品収納用トレー11の空気抜け用穴13が連通して空気が通り抜けることが可能になるため、数段に重なった電子部品収納用トレー13を容易に取り外すことができる。また、電子部品収納用トレー11の1種類のみで取り外しの容易なトレーを実現できる。
【解決手段】電子部品収納用トレー11は、隣り合う部品収納部12の端部の間に貫通する空気抜け用の穴13が全部で8箇所、穿設されている点に特徴がある。これにより、電子部品収納トレー11を複数段重ねたときでも、最上段から最下段までの電子部品収納用トレー11の空気抜け用穴13が連通して空気が通り抜けることが可能になるため、数段に重なった電子部品収納用トレー13を容易に取り外すことができる。また、電子部品収納用トレー11の1種類のみで取り外しの容易なトレーを実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部品収納用トレーに係り、特に電子部品を収納する部品収納用トレーに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来の部品収納用トレーの一例の上面図、図9は図8のA−A’線に沿う断面図を示す。図8及び図9に示すように、この従来の部品収納用トレー1は、トレー本体に下側に凸(凹部)の部品収納部2が水平方向に5列配設された構造であり、各部品収納部2には、例えば携帯電話用電池パックの保護回路基板が10個ずつ収納される。勿論、部品収納部2に収納される電子部品は、保護回路基板以外の各種の電子部品を収納できる。
【0003】
この部品収納用トレー1は通常は、部品収納後に数段に重ねられた状態で納入される。図10は図8の部品収納用トレー1を3段重ねた時の図8のB−B’線に沿う断面図、図11は図8の部品収納用トレー1を3段重ねた時の図8のA−A’線に沿う断面図を示す。しかし、図8に示すような何の細工も施されていない電子部品収納用トレー1を、数段(図10や図11の例では3段)重ねられた状態から、素早くトレーを外すことは容易ではない。
【0004】
何故なら、重なった部品収納用トレー1を素早く外そうとすると、重ねられた上の部品収納用トレー1に下の部品収納用トレー1が一瞬引っ張られるような状態となる。それは、部品収納用トレー1を素早く外そうとすると、重なっている上側の部品収納用トレー1と、下側の部品収納用トレー1との間の空間に瞬間的に空気が入り込めなくなるからである。このため、数段に重なった状態からは外しにくく、作業者が急いで外そうとすると、収納されている小型軽量の電子部品は誤って部品をバラバラにしてしまう等のミスを起こす可能性がある。
【0005】
そこで、従来、図12に上面図、図13に図12のF−F’線に沿う断面図を示す第1の電子部品収納用トレー3と、図14に上面図、図15に図14のG−G’線に沿う断面図を示す第2の電子部品収納用トレー6とを用意している。図12及び図13に示すように、電子部品収納用トレー3は、部品収納部4が水平方向に5列配設されると共に、部品収納部4とトレー本体の周縁部との間の所定位置に下側に凸の切り欠き部5が形成された構造である。
【0006】
もう一方の電子部品収納用トレー6も、図14及び図15に示すように、部品収納部7が水平方向に5列配設されると共に、部品収納部7とトレー本体の周縁部との間の所定位置に下側に凸の切り欠き部8が形成された構造であるが、上記の電子部品収納用トレー3の切り欠き部5とは、切り欠き部8の位置が異なっている。
【0007】
部品収納用トレーを重ねるときには、図16の断面図に示すように、図12及び図13に示す電子部品収納用トレー3と、図14及び図15に示す電子部品収納用トレー6とを交互に重ねる。これにより、切り欠き部5及び8により、図16に示すように、電子部品収納用トレー3と6との重なり具合が深くならず、電子部品収納用トレー3、6を外し易くすることができる。
【0008】
また、従来の電子部品収納用トレーとして、半導体装置収納用凹部の中央に半導体装置の底面を支持する半導体装置支持用凸部と、その周辺の半導体装置の外部リードと対応する位置の四辺に外部リードとの接触を回避する外部リード回避用溝と、この外部リード回避用溝の四隅に半導体装置収納用凹部を補強する補強用コーナリブとを備え、更に、半導体装置支持用凸部の中央に、半導体装置支持用凸部を貫通する半導体装置突き上げ穴を備えた半導体装置用トレーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平8−11977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図12〜図15に示した従来の電子部品収納用トレーでは、電子部品収納用トレー3と6の2種類の電子部品収納用トレーを作製しなければならず、コストが掛かってしまうという問題があり、しかも2種類の電子部品収納用トレー3と6を交互に重ねなければならないという煩わしさもある。
【0011】
一方、特許文献1記載の従来の電子部品収納用トレーは、半導体装置支持用凸部を貫通する半導体装置突き上げ穴を備え、吸着のための高価な装置を用いることなしに収納している半導体装置を取り出すようにしているが、半導体装置突き上げ穴を通してトレーの下方から収納されている半導体装置を突き上げることにより、半導体装置を取り出す構造であるため、数段に電子部品収納用トレーを重ね合わせた場合に電子部品収納用トレーを取り外し易くすることはできない。
【0012】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、トレー本体に空気抜け用の穴を設けることにより、トレーの外し易さを実現した電子部品収納用トレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明は、電子部品を内部に収納する電子部品収納用トレーにおいて、トレー本体に複数個の空気抜け用の穴が穿設されていることを特徴とする。この発明では、空気抜け用の穴により電子部品収納用トレーが数段に重なったときでも、トレー間で空気を流通させることができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、トレー本体に設けられた部品収納部と、部品収納部以外のトレー本体の領域に穿設された、貫通孔である複数個の空気抜け用穴とを有することを特徴とする。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、部品収納部は、トレー本体に規則的に一定方向に形成された複数の凹部からなり、複数個の空気抜け用穴は、隣り合う部品収納部の間の端部間に穿設されていることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、トレー本体に設けられた複数の部品収納部と、複数の部品収納部のうち、少なくとも1つの部品収納部内に穿設された貫通孔である空気抜け用穴とを有することを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明は複数の部品収納部のそれぞれは、トレー本体に規則的に一定方向に形成された凹部からなることを特徴とする。ここで、トレー本体は、複数段重ね合わせ可能な構造とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トレーを複数段重ねたときでも、空気抜け用穴により最上段の電子部品収納用トレーから最下段の電子部品収納用トレーまでの間で空気の抜けが確保できるため、トレーの取り外しが容易となり、素早さを要求される製造現場において、電子部品収納用トレーに収納されている電子部品をばらばらにしてしまう等の作業者のミスを低減させ、製造効率を向上させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、1種類の電子部品収納用トレーのみでトレーの取り外しの容易さを実現できるため、切り欠き位置が異なる2種類のトレーを用意して交互に重ねることで深く重ならないようにした従来に比べて設計費の削減、及びトレー重ね合わせ時の煩わしさをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明になる電子部品収納用トレーの第1の実施の形態の上面図、図2は図1のC−C’線に沿う断面図、図3は図1のD−D’線に沿う断面図を示す。図1乃至図3に示すように、本実施の形態の電子部品収納用トレー11は、平面形状が大略四角形で、四隅が丸みを帯びたトレー本体に、凹部の部品収納部12が水平方向に5列配設されている点は図8に示した従来の電子部品収納トレー1と同様であるが、本実施の形態では、隣り合う部品収納部12の端部の間に貫通する空気抜け用の穴13が全部で8箇所、穿設されている点に特徴がある。
【0021】
図4は図1乃至図3に示した第1の実施の形態の電子部品収納トレー11を3段重なねたときの、図1のD−D’線に沿う断面図を示す。同図に示すように、3つの電子部品収納トレー11の各空気抜け用の穴13はそれぞれ同一位置にあるため、それらは最上段から最下段までの電子部品収納用トレー11で連通している。これにより、重ねられた電子部品収納用トレーを素早く外そうとする時に、従来の電子部品収納用トレー1では重なった上下トレーの空間への空気の通り道がなく、重なった電子部品収納用トレー1を外すのは容易ではなく、また、突き上げ穴が穿設されている特許文献1記載の電子部品収納用トレーでは、複数段重ねた時でも空気が抜けないため、電子部品収納用トレーの取り外しは容易ではないが、本実施の形態の電子部品収納用トレー11では、図4に示すように、空気抜け用の穴13により空気が通り抜けることが可能になるため、数段に重なった電子部品収納用トレー13を容易に取り外すことができる。
【0022】
従って、本実施の形態によれば、数段に重ねられて納入された電子部品収納用トレー13を取り外す際に、収納している電子部品をバラバラにしてしまう等の作業者のミスを低減させ、製造効率を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、図12〜図15に示したような、切り欠き部5、8の位置が異なる2種類の2種類の電子部品収納用トレー3及び6を用意しなくても、1種類の電子部品収納用トレー11のみでも容易に取り外すことができるため、設計費を削減することが可能であり、また2種類の電子部品収納用トレーを交互に重ねるという煩わしさから作業者を解放できる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は本発明になる電子部品収納用トレーの第2の実施の形態の上面図、図6は図5のE−E’線に沿う断面図を示す。図5及び図6に示すように、本実施の形態の電子部品収納用トレー15は、平面形状が大略四角形で、四隅が丸みを帯びたトレー本体に、凹部の部品収納部16が水平方向に5列配設されている点は図8に示した従来の電子部品収納トレー1と同様であるが、本実施の形態では、各部品収納部16の中央部に、貫通する空気抜け用の穴17がそれぞれ穿設されている点に特徴がある。
【0024】
図7は図5及び図6に示した第2の実施の形態の電子部品収納トレー15を3段重なねたときの、図5のE−E’線に沿う断面図を示す。同図に示すように、3つの電子部品収納トレー15の各空気抜け用の穴17はそれぞれ同一位置にあるため、それらは最上段から最下段までの電子部品収納用トレー15で連通している。これにより、重ねられた電子部品収納用トレー15を素早く外そうとする時に、従来の電子部品収納用トレー1では重なった上下トレーの空間への空気の通り道がなく、重なった電子部品収納用トレー1を外すのは容易ではなく、また、突き上げ穴が穿設されている特許文献1記載の電子部品収納用トレーでは、複数段重ねた時でもにより空気が抜けないため、電子部品収納用トレーの取り外しは容易ではないが、本実施の形態の電子部品収納用トレー15では、図7に示すように、空気抜け用の穴17により空気が通り抜けることが可能になるため、数段に重なった電子部品収納用トレー15を容易に取り外すことができる。
【0025】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、空気抜け用の穴の場所は、図1の13、図5の17に以外の、収納する電子部品に支障がなく、空気抜けの効果が得られる場所であればどこでもよい。また、図5の実施の形態では部品収納部16の全部に空気抜け用の穴17を穿設しているが、少なくとも1つの部品収納部16の内部に空気抜け用の穴17を穿設することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の電子部品収納用トレーの第1の実施の形態の上面図である。
【図2】図1のC−C’線に沿う断面図である。
【図3】図1のD−D’線に沿う断面図である。
【図4】図1の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のD−D’ 線に沿う断面図である。
【図5】本発明の電子部品収納用トレーの第2の実施の形態の上面図である。
【図6】図5のC−C’線に沿う断面図である。
【図7】図5の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のE−E’ 線に沿う断面図である。
【図8】従来の電子部品収納用トレーの一例の上面図である。
【図9】図8のA−A’線に沿う断面図である。
【図10】図8の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のB−B’線に沿う断面図である。
【図11】図8の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のA−A’線に沿う断面図である。
【図12】従来の電子部品収納用トレーの他の例の上面図である。
【図13】図12のE−E’線に沿う断面図である。
【図14】従来の電子部品収納用トレーの更に他の例の上面図である。
【図15】図14のG−G’線に沿う断面図である。
【図16】図12の電子部品収納用トレーと図14の電子部品収納用トレーとを交互に重ねた時の断面の図である。
【符号の説明】
【0027】
11、15 電子部品収納用トレー
12、16 部品収納部
13、17 空気抜け用の穴
【技術分野】
【0001】
本発明は部品収納用トレーに係り、特に電子部品を収納する部品収納用トレーに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来の部品収納用トレーの一例の上面図、図9は図8のA−A’線に沿う断面図を示す。図8及び図9に示すように、この従来の部品収納用トレー1は、トレー本体に下側に凸(凹部)の部品収納部2が水平方向に5列配設された構造であり、各部品収納部2には、例えば携帯電話用電池パックの保護回路基板が10個ずつ収納される。勿論、部品収納部2に収納される電子部品は、保護回路基板以外の各種の電子部品を収納できる。
【0003】
この部品収納用トレー1は通常は、部品収納後に数段に重ねられた状態で納入される。図10は図8の部品収納用トレー1を3段重ねた時の図8のB−B’線に沿う断面図、図11は図8の部品収納用トレー1を3段重ねた時の図8のA−A’線に沿う断面図を示す。しかし、図8に示すような何の細工も施されていない電子部品収納用トレー1を、数段(図10や図11の例では3段)重ねられた状態から、素早くトレーを外すことは容易ではない。
【0004】
何故なら、重なった部品収納用トレー1を素早く外そうとすると、重ねられた上の部品収納用トレー1に下の部品収納用トレー1が一瞬引っ張られるような状態となる。それは、部品収納用トレー1を素早く外そうとすると、重なっている上側の部品収納用トレー1と、下側の部品収納用トレー1との間の空間に瞬間的に空気が入り込めなくなるからである。このため、数段に重なった状態からは外しにくく、作業者が急いで外そうとすると、収納されている小型軽量の電子部品は誤って部品をバラバラにしてしまう等のミスを起こす可能性がある。
【0005】
そこで、従来、図12に上面図、図13に図12のF−F’線に沿う断面図を示す第1の電子部品収納用トレー3と、図14に上面図、図15に図14のG−G’線に沿う断面図を示す第2の電子部品収納用トレー6とを用意している。図12及び図13に示すように、電子部品収納用トレー3は、部品収納部4が水平方向に5列配設されると共に、部品収納部4とトレー本体の周縁部との間の所定位置に下側に凸の切り欠き部5が形成された構造である。
【0006】
もう一方の電子部品収納用トレー6も、図14及び図15に示すように、部品収納部7が水平方向に5列配設されると共に、部品収納部7とトレー本体の周縁部との間の所定位置に下側に凸の切り欠き部8が形成された構造であるが、上記の電子部品収納用トレー3の切り欠き部5とは、切り欠き部8の位置が異なっている。
【0007】
部品収納用トレーを重ねるときには、図16の断面図に示すように、図12及び図13に示す電子部品収納用トレー3と、図14及び図15に示す電子部品収納用トレー6とを交互に重ねる。これにより、切り欠き部5及び8により、図16に示すように、電子部品収納用トレー3と6との重なり具合が深くならず、電子部品収納用トレー3、6を外し易くすることができる。
【0008】
また、従来の電子部品収納用トレーとして、半導体装置収納用凹部の中央に半導体装置の底面を支持する半導体装置支持用凸部と、その周辺の半導体装置の外部リードと対応する位置の四辺に外部リードとの接触を回避する外部リード回避用溝と、この外部リード回避用溝の四隅に半導体装置収納用凹部を補強する補強用コーナリブとを備え、更に、半導体装置支持用凸部の中央に、半導体装置支持用凸部を貫通する半導体装置突き上げ穴を備えた半導体装置用トレーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平8−11977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図12〜図15に示した従来の電子部品収納用トレーでは、電子部品収納用トレー3と6の2種類の電子部品収納用トレーを作製しなければならず、コストが掛かってしまうという問題があり、しかも2種類の電子部品収納用トレー3と6を交互に重ねなければならないという煩わしさもある。
【0011】
一方、特許文献1記載の従来の電子部品収納用トレーは、半導体装置支持用凸部を貫通する半導体装置突き上げ穴を備え、吸着のための高価な装置を用いることなしに収納している半導体装置を取り出すようにしているが、半導体装置突き上げ穴を通してトレーの下方から収納されている半導体装置を突き上げることにより、半導体装置を取り出す構造であるため、数段に電子部品収納用トレーを重ね合わせた場合に電子部品収納用トレーを取り外し易くすることはできない。
【0012】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、トレー本体に空気抜け用の穴を設けることにより、トレーの外し易さを実現した電子部品収納用トレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明は、電子部品を内部に収納する電子部品収納用トレーにおいて、トレー本体に複数個の空気抜け用の穴が穿設されていることを特徴とする。この発明では、空気抜け用の穴により電子部品収納用トレーが数段に重なったときでも、トレー間で空気を流通させることができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、トレー本体に設けられた部品収納部と、部品収納部以外のトレー本体の領域に穿設された、貫通孔である複数個の空気抜け用穴とを有することを特徴とする。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、部品収納部は、トレー本体に規則的に一定方向に形成された複数の凹部からなり、複数個の空気抜け用穴は、隣り合う部品収納部の間の端部間に穿設されていることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、トレー本体に設けられた複数の部品収納部と、複数の部品収納部のうち、少なくとも1つの部品収納部内に穿設された貫通孔である空気抜け用穴とを有することを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明は複数の部品収納部のそれぞれは、トレー本体に規則的に一定方向に形成された凹部からなることを特徴とする。ここで、トレー本体は、複数段重ね合わせ可能な構造とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トレーを複数段重ねたときでも、空気抜け用穴により最上段の電子部品収納用トレーから最下段の電子部品収納用トレーまでの間で空気の抜けが確保できるため、トレーの取り外しが容易となり、素早さを要求される製造現場において、電子部品収納用トレーに収納されている電子部品をばらばらにしてしまう等の作業者のミスを低減させ、製造効率を向上させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、1種類の電子部品収納用トレーのみでトレーの取り外しの容易さを実現できるため、切り欠き位置が異なる2種類のトレーを用意して交互に重ねることで深く重ならないようにした従来に比べて設計費の削減、及びトレー重ね合わせ時の煩わしさをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明になる電子部品収納用トレーの第1の実施の形態の上面図、図2は図1のC−C’線に沿う断面図、図3は図1のD−D’線に沿う断面図を示す。図1乃至図3に示すように、本実施の形態の電子部品収納用トレー11は、平面形状が大略四角形で、四隅が丸みを帯びたトレー本体に、凹部の部品収納部12が水平方向に5列配設されている点は図8に示した従来の電子部品収納トレー1と同様であるが、本実施の形態では、隣り合う部品収納部12の端部の間に貫通する空気抜け用の穴13が全部で8箇所、穿設されている点に特徴がある。
【0021】
図4は図1乃至図3に示した第1の実施の形態の電子部品収納トレー11を3段重なねたときの、図1のD−D’線に沿う断面図を示す。同図に示すように、3つの電子部品収納トレー11の各空気抜け用の穴13はそれぞれ同一位置にあるため、それらは最上段から最下段までの電子部品収納用トレー11で連通している。これにより、重ねられた電子部品収納用トレーを素早く外そうとする時に、従来の電子部品収納用トレー1では重なった上下トレーの空間への空気の通り道がなく、重なった電子部品収納用トレー1を外すのは容易ではなく、また、突き上げ穴が穿設されている特許文献1記載の電子部品収納用トレーでは、複数段重ねた時でも空気が抜けないため、電子部品収納用トレーの取り外しは容易ではないが、本実施の形態の電子部品収納用トレー11では、図4に示すように、空気抜け用の穴13により空気が通り抜けることが可能になるため、数段に重なった電子部品収納用トレー13を容易に取り外すことができる。
【0022】
従って、本実施の形態によれば、数段に重ねられて納入された電子部品収納用トレー13を取り外す際に、収納している電子部品をバラバラにしてしまう等の作業者のミスを低減させ、製造効率を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、図12〜図15に示したような、切り欠き部5、8の位置が異なる2種類の2種類の電子部品収納用トレー3及び6を用意しなくても、1種類の電子部品収納用トレー11のみでも容易に取り外すことができるため、設計費を削減することが可能であり、また2種類の電子部品収納用トレーを交互に重ねるという煩わしさから作業者を解放できる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は本発明になる電子部品収納用トレーの第2の実施の形態の上面図、図6は図5のE−E’線に沿う断面図を示す。図5及び図6に示すように、本実施の形態の電子部品収納用トレー15は、平面形状が大略四角形で、四隅が丸みを帯びたトレー本体に、凹部の部品収納部16が水平方向に5列配設されている点は図8に示した従来の電子部品収納トレー1と同様であるが、本実施の形態では、各部品収納部16の中央部に、貫通する空気抜け用の穴17がそれぞれ穿設されている点に特徴がある。
【0024】
図7は図5及び図6に示した第2の実施の形態の電子部品収納トレー15を3段重なねたときの、図5のE−E’線に沿う断面図を示す。同図に示すように、3つの電子部品収納トレー15の各空気抜け用の穴17はそれぞれ同一位置にあるため、それらは最上段から最下段までの電子部品収納用トレー15で連通している。これにより、重ねられた電子部品収納用トレー15を素早く外そうとする時に、従来の電子部品収納用トレー1では重なった上下トレーの空間への空気の通り道がなく、重なった電子部品収納用トレー1を外すのは容易ではなく、また、突き上げ穴が穿設されている特許文献1記載の電子部品収納用トレーでは、複数段重ねた時でもにより空気が抜けないため、電子部品収納用トレーの取り外しは容易ではないが、本実施の形態の電子部品収納用トレー15では、図7に示すように、空気抜け用の穴17により空気が通り抜けることが可能になるため、数段に重なった電子部品収納用トレー15を容易に取り外すことができる。
【0025】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、空気抜け用の穴の場所は、図1の13、図5の17に以外の、収納する電子部品に支障がなく、空気抜けの効果が得られる場所であればどこでもよい。また、図5の実施の形態では部品収納部16の全部に空気抜け用の穴17を穿設しているが、少なくとも1つの部品収納部16の内部に空気抜け用の穴17を穿設することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の電子部品収納用トレーの第1の実施の形態の上面図である。
【図2】図1のC−C’線に沿う断面図である。
【図3】図1のD−D’線に沿う断面図である。
【図4】図1の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のD−D’ 線に沿う断面図である。
【図5】本発明の電子部品収納用トレーの第2の実施の形態の上面図である。
【図6】図5のC−C’線に沿う断面図である。
【図7】図5の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のE−E’ 線に沿う断面図である。
【図8】従来の電子部品収納用トレーの一例の上面図である。
【図9】図8のA−A’線に沿う断面図である。
【図10】図8の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のB−B’線に沿う断面図である。
【図11】図8の電子部品収納用トレーを3段重ねた時のA−A’線に沿う断面図である。
【図12】従来の電子部品収納用トレーの他の例の上面図である。
【図13】図12のE−E’線に沿う断面図である。
【図14】従来の電子部品収納用トレーの更に他の例の上面図である。
【図15】図14のG−G’線に沿う断面図である。
【図16】図12の電子部品収納用トレーと図14の電子部品収納用トレーとを交互に重ねた時の断面の図である。
【符号の説明】
【0027】
11、15 電子部品収納用トレー
12、16 部品収納部
13、17 空気抜け用の穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を内部に収納する電子部品収納用トレーにおいて、
トレー本体に複数個の空気抜け用の穴が穿設されていることを特徴とする電子部品収納用トレー。
【請求項2】
トレー本体に設けられた部品収納部と、
前記部品収納部以外のトレー本体の領域に穿設された、貫通孔である複数個の空気抜け用穴と
を有することを特徴とする電子部品収納用トレー。
【請求項3】
前記部品収納部は、トレー本体に規則的に一定方向に形成された複数の凹部からなり、前記複数個の空気抜け用穴は、隣り合う前記部品収納部の間の端部間に穿設されていることを特徴とする請求項2記載の電子部品収納用トレー。
【請求項4】
トレー本体に設けられた複数の部品収納部と、
複数の前記部品収納部のうち、少なくとも1つの部品収納部内に穿設された貫通孔である空気抜け用穴と
を有することを特徴とする電子部品収納用トレー。
【請求項5】
複数の前記部品収納部のそれぞれは、トレー本体に規則的に一定方向に形成された凹部からなることを特徴とする請求項4記載の電子部品収納用トレー。
【請求項6】
前記トレー本体は、複数段重ね合わせ可能な構造とされていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の電子部品収納用トレー。
【請求項1】
電子部品を内部に収納する電子部品収納用トレーにおいて、
トレー本体に複数個の空気抜け用の穴が穿設されていることを特徴とする電子部品収納用トレー。
【請求項2】
トレー本体に設けられた部品収納部と、
前記部品収納部以外のトレー本体の領域に穿設された、貫通孔である複数個の空気抜け用穴と
を有することを特徴とする電子部品収納用トレー。
【請求項3】
前記部品収納部は、トレー本体に規則的に一定方向に形成された複数の凹部からなり、前記複数個の空気抜け用穴は、隣り合う前記部品収納部の間の端部間に穿設されていることを特徴とする請求項2記載の電子部品収納用トレー。
【請求項4】
トレー本体に設けられた複数の部品収納部と、
複数の前記部品収納部のうち、少なくとも1つの部品収納部内に穿設された貫通孔である空気抜け用穴と
を有することを特徴とする電子部品収納用トレー。
【請求項5】
複数の前記部品収納部のそれぞれは、トレー本体に規則的に一定方向に形成された凹部からなることを特徴とする請求項4記載の電子部品収納用トレー。
【請求項6】
前記トレー本体は、複数段重ね合わせ可能な構造とされていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の電子部品収納用トレー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−145358(P2007−145358A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341025(P2005−341025)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]