説明

部品取付構造

【課題】回転体が傾いてガタが発生するのを防止することのできる部品取付構造を提供する。
【解決手段】回転軸20に設けられたDカット部21の平坦外面22に固定用ねじ40の先端部が係合する凹部23を設けるとともに、Dカット部21とこのDカット部21に隣位するDカット部21の形成されていない部分との間に傾斜面24を設け、固定用ねじ40を回転体30のねじ孔35に螺入してねじ込むことにより、固定用ねじ40の先端部を凹部23に係合させるとともに、回転体30に設けられた取付孔33の平坦内面34の一端を傾斜面24に当接させて、回転軸20の軸端部における回転体30の軸方向の取付位置を凹部23と傾斜面24とで規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の機械装置において回転軸に対して回転体を着脱自在に固定するのに好適な部品取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転軸に対して回転体を着脱自在に固定する部品取付構造として、回転軸の軸端部に断面D字状のDカット部を設け、このDカット部に、歯車やプーリなどの回転体の断面D字状に形成された取付孔(内孔)を圧入する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような圧入方式の部品取付構造においては、回転軸のDカット部に回転体を圧入してしまうと抜くことが難しく、回転軸を交換する際に、回転体を再利用することが容易ではない。
【0004】
また、従来の部品取付構造として、回転軸の軸端部に断面D字状のDカット部を設け、このDカット部に歯車やプーリなどの回転体の断面D字状に形成された取付孔を挿入(すきまばめ)するとともに、回転体の抜け防止に止め輪を用いる構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このような抜け防止用の止め輪を用いる部品取付構造においては、回転軸を交換する際に、回転軸から止め輪を取り外すことにより、回転軸から回転体を容易に取り外すことができるから、回転体を再利用することができる。しかしながら、回転軸から止め輪を取り外す必要があり、取り外した止め輪を紛失し易く、作業者による作業性がよくない。
【0006】
そこで、回転軸の軸端部に設けられた断面D字状のDカット部に、歯車やプーリなどの回転体の断面D字状に形成された取付孔を挿入するとともに、回転体に設けたねじ孔に固定用ねじをねじ込んで、固定用ねじの先端をDカット部の平坦外面に当接させる構成の部品取付構造が考えられる。
【0007】
このような従来の固定用ねじを用いる部品取付構造について、プリンタのプラテンローラに用いるものを例示して説明する。
【0008】
図3に示すように、プリンタに用いる部品取付構造100は、回転軸としてのプラテンローラ110の軸端部に、断面D字状のDカット部111が設けられている。そして、Dカット部111には、回転体としての駆動プーリ120(歯付きベルトプーリ)の断面D字状に形成された取付孔121(中心孔)が、その平坦内面122をDカット部111の平坦外面112と対向するように挿入されている。また、駆動プーリ120は、そのボス部123を駆動プーリ120の挿入方向末尾側(図3(a)の右側:軸端側)に向くようにしてDカット部111に挿入されている。さらに、ボス部123には、ねじ孔124が設けられている。このねじ孔124は、取付孔121に連通するとともに、平坦内面122を垂直に貫通するように形成されている。このねじ孔124には、六角穴付き止めねじ(いもねじ)などの固定用ねじ130が予め設定された締め付けトルクによりねじ込まれており、固定用ねじ130の先端は、平坦外面112に当接されている。また、Dカット部111の平坦外面112と取付孔121に設けられた平坦内面122との相互間には、例えば0.2mm程度のクリアランス(図3において誇張して示す)が設けられている。
【0009】
ここで、プラテンローラ110は、円柱状あるいは円筒状の胴部、および胴部の両端に一体に設けられた胴部の外径よりも径の小さな小径部とを具備する金属製のシャフトと、胴部の外周に一体に設けられた円筒状のゴム体とを有しており、シャフトの一方の小径部の軸端部に、Dカット部111が設けられている。
【0010】
このような構成の部品取付構造100においては、固定用ねじ130をねじ孔124に螺入してねじ込むことにより、固定用ねじ130の先端部を平坦外面112に当接させて抜け止めがなされている。また、固定用ねじ130を緩めることにより、プラテンローラ110の軸端部から固定用ねじ130とともに駆動プーリ120を容易に取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開平05−93840号公報
【特許文献2】特開2008−074501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図3に示す従来の部品取付構造100においては、駆動プーリ120の外周に掛け回されるベルト(歯付きベルト)の張力などにより、駆動プーリ120の平坦内面122の形成部分では、図3(a)の太矢印にて示す曲げモーメントMが加わり、この曲げモーメントMを受けている時間が長くなると、固定用ねじ130が緩んでしまい、図4に示すように、駆動プーリ120が傾いてガタが発生するという問題点があった。また、図4に示すように、固定ねじ130の先端部が当接している平坦外面112の座面140(当接面)が経時変化により崩れて(塑性変形して)しまい、やはり駆動プーリ120が傾いてガタが発生するという問題点があった。
【0013】
なお、駆動プーリ120にガタが発生すると、プラテンローラ110を円滑に回転駆動させることができず、記録画像にジッタが発生することになる。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、回転体が傾いてガタが発生するのを防止することのできる部品取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するため、本発明に係る部品取付構造の特徴は、平坦外面を具備する断面D字状のDカット部が設けられた回転軸と、前記Dカット部に挿入される平坦内面を具備する断面D字状の取付孔、および径方向に沿って形成され、前記取付孔に連通するとともに、前記平坦内面を垂直に貫通するねじ孔が設けられた回転体と、前記回転体を前記回転軸に着脱自在に固定するために、前記ねじ孔に螺入される固定用ねじとを有している部品取付構造であって、前記回転軸は、前記平坦外面に形成され、前記固定用ねじの先端部が係合する凹部と、前記Dカット部と、前記Dカット部に隣位する前記Dカット部の形成されていない部分との間に形成された傾斜面とを有しており、前記固定用ねじを前記ねじ孔に螺入してねじ込むことにより、前記固定用ねじの先端部を前記凹部に係合させるとともに、前記平坦内面の一端を前記傾斜面に当接させて、前記回転軸における前記回転体の軸方向の取付位置を前記凹部と前記傾斜面とで規定した点にある。
【0016】
本発明において、前記固定用ねじの先端部を前記凹部に係合させたときに、前記固定用ねじの先端部が前記凹部の反傾斜面側に当接され、前記固定用ねじの先端部と前記凹部の前記傾斜面側に位置する部分との間に隙間ができるように、前記固定用ねじの先端部を前記凹部に係合させたときの前記ねじ孔の中心線の位置を、前記凹部の中心線の位置より前記回転軸の軸端側にずらした構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、固定用ねじを増し締めすることで、固定用ねじとともに回転体が平坦外面に沿って傾斜面に押圧されるので、Dカット部と取付孔との密着力を増やすことができる。
【0017】
本発明において、前記回転体の軸方向の一端には小径のボス部が形成されており、前記ボス部に前記ねじ孔が設けられている構成とすることができる。これにより、ねじ孔を容易に形成することができる。
【0018】
本発明において、前記回転軸がプリンタのプラテンローラであり、前記回転体がプーリである構成とすることができる。これにより、プラテンローラを確実に円滑に回転駆動させることができるので、記録画像にジッタが発生するのを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る駆動力伝達機構によれば、固定用ねじの先端部を凹部に係合させるとともに、平坦内面の一端を傾斜面に当接させて、回転軸における回転体の軸方向の取付位置を凹部と傾斜面とで規定しているから、回転軸に回転体を所定の位置に確実に固定することができるとともに、回転体が傾いてガタが発生するのを確実に防止することができ、しかも、固定用ねじを緩めることにより、回転軸から固定用ねじとともに回転体を容易に取り外すことができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る部品取付構造の実施形態の要部を示す構成図
【図2】図1の部品取付構造の組立途中経過を説明する説明図
【図3】従来の部品取付構造の一例を示す構成図であり、(a)は縦断面、(b)は(a)のA−A線沿った断面
【図4】従来の部品取付構造によるガタの発生状態を示す拡大説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0022】
本実施形態の部品取付構造は、回転軸としてのプラテンローラの軸端部に回転体としての駆動プーリを固定するものを例示している。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の部品取付構造10は、回転軸としてのプラテンローラ20と、回転体としての駆動プーリ30(歯付きベルトプーリ)と、プラテンローラ20に駆動プーリ30を固定するための固定用ねじ40とを有している。
【0024】
前記プラテンローラ20の軸端部には、断面D字状のDカット部21が設けられており、このDカット部21の平坦外面22の図1の右側に示す軸端近傍には、固定用ねじ40の先端部が係合される円錐状の凹部23が設けられている。この凹部23は、その中心線23aが平坦外面22に対して垂直になるように形成されている。また、凹部23の内径(円錐の底面の直径寸法)は、固定用ねじ40の外径より、例えば0.2mm程度大きく形成されている。さらに、Dカット部21とこのDカット部21に隣位するDカット部21の形成されていない部分との間には傾斜面24が設けられている。すなわち、Dカット部21とDカット部21に隣位するDカット部21の形成されていない部分との段部が傾斜面24とされている。この傾斜面24と平坦外面22を含む平面とのなす角度αとしては、25−38度の範囲、本実施形態においては30度とされている。角度αがこの範囲を超えると、駆動プーリ30の傾きを支えられない傾向があり、この範囲より小さいと、駆動プーリ30を傾斜面24に押し付けられない傾向がある。
【0025】
本実施形態のプラテンローラ20は、円柱状あるいは円筒状の胴部、および胴部の両端に一体に設けられた胴部の外径よりも径の小さな小径部とを具備する金属製のシャフトと、胴部の外周に一体に設けられた円筒状のゴム体とを有しており、シャフトの一方の小径部の軸端部に、Dカット部21が設けられている。
【0026】
前記回転軸としては、プリンタの搬送ローラ、各種機械部品の駆動軸などを挙げることができる。また、回転軸としては、Dカット部が軸方向にわたって形成されたものであってもよい。
【0027】
前記駆動プーリ30は、その外周面に図示しないベルト(歯付きベルト)が掛けられる図示しない溝(歯部)が形成された円盤状のプーリ本体31を有しており、その軸方向の一端部である図1の右端部には小径のボス部32が設けられている。そして、駆動プーリ30の軸心には、プラテンローラ20のDカット部21が所定の位相角でのみ挿入可能な断面D字状の取付孔(中心孔)33が、プーリ本体31およびボス部32の両者を軸方向に貫通するように設けられている。この取付孔33の内径寸法は、Dカット部21の外径寸法より若干大きく形成されている。また、取付孔33の平坦内面34と、Dカット部21の平坦外面22との相互間には、例えば0.2mm程度のクリアランス(図1に誇張して示す)が設けられている。
【0028】
前記ボス部32には、固定用ねじ40が螺入されるねじ孔35が設けられている。このねじ孔35は、その中心線35aがボス部32、ひいては駆動プーリ30の径方向に沿って配置されており、取付孔33に連通するとともに、平坦内面34を垂直に貫通するように形成されている。また、ねじ孔35は、ねじ孔35に螺入した固定用ねじ40をねじ込んだときに、平坦内面34の一端である左端が傾斜面24に当接する位置に形成されている。さらに、固定用ねじ40の先端が凹部23に係合したときに、固定用ねじ40の先端部が凹部23の軸端側に当接し、固定用ねじ40の先端部と凹部23の傾斜面24側に位置する部分との間に隙間ができるようになっている。すなわち、固定用ねじ40の先端部を凹部23に当接させて係合させたときのねじ孔35の中心線35aの位置を、凹部23の中心線23aの位置よりプラテンローラ20の反傾斜面24側にずらした位置に形成されている。
【0029】
本実施形態の駆動プーリ30は、亜鉛ダイカストなどの金属により形成されている。
【0030】
前記回転体としては、歯車(ボス部32有り、無し)、カムなどを挙げることができる。
【0031】
前記固定用ねじ40としては、六角穴付き止めねじ(いもねじ、キャップスクリュー、ホロセット)をはじめ、各種の止めねじやボルトを挙げることができる。本実施形態においては、六角穴付き止めねじが用いられている。
【0032】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0033】
本実施形態の部品取付構造10によれば、プラテンローラ20の軸端部に駆動プーリ30を固定する組付け時には、プラテンローラ20のDカット部21に駆動プーリ30の取付孔33をプーリ本体31側を先頭にして挿入する。このとき、平坦内面34の左端が傾斜面24に当接するまで挿入すると、ねじ孔35の中心線が凹部23の内部に配置されるので、ねじ孔35と凹部23との位置合わせを容易に行うことができる。
【0034】
ついで、ねじ孔35に固定用ねじ40を螺入してねじ込む、あるいは予めねじ孔35に螺入されて仮止めされている固定用ねじ40をねじ込む。なお、ねじ孔35に固定用ねじ40を仮止めする場合には、固定用ねじ40の先端部が取付孔33の内部に入り込まないようにする。そして、固定用ねじ40をねじ込むと、図2に示すように、固定用ねじ40の先端部の反傾斜面24側である軸端部側が凹部23の内面に当接する。これにより、固定用ねじ40の先端部が凹部23に係合する。このとき、平坦内面34の一端である左端と傾斜面24との間には、隙間ができる。
【0035】
ついで、固定用ねじ40を予め設定されたトルクでねじ込んで、固定用ねじ40の先端部で凹部23の内面を押圧する(締め込む)と、固定用ねじ40の先端部が凹部23の内部に入り込むことで、図1に矢印にて示す方向に力が働き、駆動プーリ30を傾斜面24側に押し付けて、平坦内面34の一端である左端が傾斜面24に当接して押圧する。そして、平坦内面34の一端である左端が傾斜面24に当接して押圧することにより、図2に示す平坦内面34の一端である左端と傾斜面24との間の隙間がなくなる。また、取付孔33の平坦内面34の反対側に位置する内面がDカット部21の平坦外面22の反対側に位置する周面に密着し、図2に示す取付孔33の平坦内面34の反対側に位置する内面と、Dカット部21の平坦外面22の反対側に位置する周面との相互間の隙間がなくなる。これにより、駆動プーリ30の取付孔33は、その平坦内面34の部分が固定用ねじ40と傾斜面24とで支持され、平坦内面34と反対側の部分がDカット部21の外周によって支持されることになり、プラテンローラ20の軸端部における駆動プーリ30の軸方向の取付位置が規定される。なお、固定用ねじ40による凹部23の締付け力(固定用ねじ40に付加するトルク)を増加すると、図1に矢印して示す方向に働く力が増加することになる。
【0036】
このように本実施形態の部品取付構造10によれば、固定用ねじ40の先端部を凹部23に係合させるとともに、平坦内面34の一端を傾斜面24に当接させて、回転軸としてのプラテンローラ20の軸端部における回転体としての駆動プーリ30の軸方向の取付位置を凹部23と傾斜面24とで規定しているから、プラテンローラ20の軸端部に駆動プーリ30を所定の位置に確実に位置決めして固定することができる。
【0037】
さらに、本実施形態の部品取付構造10によれば、固定用ねじ40の先端部を凹部23に係合させるとともに、平坦内面34の一端を傾斜面24に当接させて、プラテンローラ20の軸端部における駆動プーリ30の軸方向の取付位置を凹部23と傾斜面24とで規定しているから、駆動プーリ30が曲げモーメントM(図1参照)を受けた場合であっても、駆動プーリ30が傾いてガタが発生するのを確実に防止することができる。その結果、駆動プーリ30にガタが発生することに起因してプリンタによる記録画像にジッタが発生するのを防止することができる。
【0038】
また、本実施形態の部品取付構造10によれば、固定用ねじ40の緩みあるいは凹部23の内面のうちの固定用ねじ40の先端部が当接される座面の崩れに対するマージンを、従来の部品取付構造100に比べて大きくすることができる。すなわち、安全率を高くすることができる。
【0039】
このことは、固定用ねじ40を、M4、そのねじのピッチを0.7mmとした場合、本実施形態の部品取付構造10においては、駆動プーリ30にガタが発生する固定用ねじ40の緩め角度(予め設定したトルクで固定用ねじ40をねじ込んだ状態を基準回転位置とし、基準回転位置に対する固定用ねじ40の緩み方向の回転角度)が、30−60度であるのに対し、従来の部品取付構造100においては、15度程度であるという比較実験結果により確認することができた。なお、駆動プーリ30は、同一形状、同一サイズのものを使用した。また、安全率は2倍以上となる。
【0040】
すなわち、本実施形態の部品取付構造10は、従来の部品取付構造100に比較して少なくとも2倍の安全率を備えている。
【0041】
また、本実施形態の部品取付構造10によれば、プラテンローラ20の軸端部に形成された平坦外面22を具備する断面D字状のDカット部21に、駆動プーリ30の平坦内面34を具備する断面D字状の取付孔33を挿入(すきまばめ)する構成とされているから、固定用ねじ40を緩めることにより、プラテンローラ20の軸端部から固定用ねじ40とともに駆動プーリ30を容易に取り外すことができるので、プラテンローラ20を交換する際に、駆動プーリ30を再利用することができる。
【0042】
また、本実施形態の部品取付構造10によれば、固定用ねじ40の先端部を凹部23に係合させたときに、固定用ねじ40の先端部が凹部23の反傾斜面24側に当接され、固定用ねじ40の先端部と凹部23の傾斜面24側に位置する部分との間に隙間ができるように、固定用ねじ40の先端部を凹部23に係合させたときのねじ孔35の中心線35aの位置を、凹部23の中心線23aの位置よりプラテンローラ20の軸端側にずらした構成とされているから、固定用ねじ40を増し締めすることで、固定用ねじ40とともに駆動プーリ30が平坦外面22に沿って傾斜面24に押圧されるので、Dカット部21と取付孔33との密着力を増やすことができる。
【0043】
また、本実施形態の部品取付構造10によれば、駆動プーリ30の方向の一端に、小径のボス部32が形成されており、このボス部32にねじ孔35が設けられているから、プーリ本体31の強度を低下させることなく、ねじ孔35を容易に形成することができる。
【0044】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 部品取付構造
20 プラテンローラ(回転軸)
21 Dカット部
22 平坦外面
23 凹部
23a 中心線(凹部)
24 傾斜面
30 駆動プーリ(回転体)
31 プーリ本体
32 ボス部
33 取付孔
34 平坦内面
35 ねじ孔
35a 中心線(ねじ孔)
40 固定用ねじ
M 曲げモーメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦外面を具備する断面D字状のDカット部が設けられた回転軸と、
前記Dカット部に挿入される平坦内面を具備する断面D字状の取付孔、および径方向に沿って形成され、前記取付孔に連通するとともに、前記平坦内面を垂直に貫通するねじ孔が設けられた回転体と、
前記回転体を前記回転軸に着脱自在に固定するために、前記ねじ孔に螺入される固定用ねじと、を有している部品取付構造であって、
前記回転軸は、
前記平坦外面に形成され、前記固定用ねじの先端部が係合する凹部と、
前記Dカット部と、前記Dカット部に隣位する前記Dカット部の形成されていない部分との間に形成された傾斜面とを有しており、
前記固定用ねじを前記ねじ孔に螺入してねじ込むことにより、前記固定用ねじの先端部を前記凹部に係合させるとともに、前記平坦内面の一端を前記傾斜面に当接させて、前記回転軸における前記回転体の軸方向の取付位置を前記凹部と前記傾斜面とで規定したことを特徴とする部品取付構造。
【請求項2】
前記固定用ねじの先端部を前記凹部に係合させたときに、前記固定用ねじの先端部が前記凹部の反傾斜面側に当接され、前記固定用ねじの先端部と前記凹部の前記傾斜面側に位置する部分との間に隙間ができるように、前記固定用ねじの先端部を前記凹部に係合させたときの前記ねじ孔の中心線の位置を、前記凹部の中心線の位置より前記回転軸の軸端側にずらしたことを特徴とする請求項1に記載の部品取付構造。
【請求項3】
前記回転体の軸方向の一端には小径のボス部が形成されており、前記ボス部に前記ねじ孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品取付構造。
【請求項4】
前記回転軸がプリンタのプラテンローラであり、
前記回転体がプーリであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の部品取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−189134(P2012−189134A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52945(P2011−52945)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】