説明

部品振り分け装置

【課題】待機位置に停止している部品をエアシリンダで進退する押圧片で一方向に押し出すものであるから、部品の移動方向は一方向だけに限られ、所要ストロークは、部品の移動距離と同等の長さを必要とするので、装置の小型化が行いにくい。
【解決手段】部品1を待機位置WPから第1目的箇所P1と第2目的箇所P2の2箇所に到達させるもので、進退駆動手段19によって進退動作をする押圧部材21が、待機位置WPと第1目的箇所P1の間または待機位置WPと第2目的箇所P2の間のガイド通路12内に配置されているとともに、この押圧部材21の両端に待機位置WPに待機している部品1を第1目的箇所P1または第2目的箇所P2のいずれかへ移動させる押圧面S1、S2が形成されている。押圧部材21は空動作をすることなく、部品を2箇所の目的箇所へ移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導入通路からガイド通路の待機位置に入ってきた部品を、この待機位置から前記ガイド通路に沿って2つの目的箇所へ移行させる部品振り分け装置に関している。
【背景技術】
【0002】
特公平07−090893号公報には、導入通路からガイド通路の待機位置に入ってきた部品を、この待機位置から前記ガイド通路に沿って1つの目的箇所へ移行させる部品供給制御装置が記載されている。ここに記載されている技術は、待機位置に停止している部品をエアシリンダで進退する押圧片で一方向に押し出すものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平07−090893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載されている技術は、待機位置に停止している部品をエアシリンダで進退する押圧片で一方向に押し出すものであるから、部品の移動方向は一方向だけに限られ、また、エアシリンダの所要ストロークは、部品の移動距離と同等の長さを必要とするので、装置の小型化が行いにくい形式のものであった。
【0005】
本発明の部品振り分け装置は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、部品を2方向に振り分けることを確実に行い、しかも振り分け駆動手段の動作距離を最小化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、導入通路からガイド通路の待機位置に入ってきた部品をこの待機位置から前記ガイド通路に沿って目的箇所へ移行させる形式ものにおいて、前記目的箇所は、待機位置から一方向側のガイド通路の端部に配置された第1目的箇所と、前記待機位置から前記第1目的箇所とは反対側の他方向側の前記ガイド通路の端部に配置された第2目的箇所の2箇所に設けられ、進退駆動手段によって進退動作をする押圧部材が、前記待機位置と前記第1目的箇所の間または前記待機位置と前記第2目的箇所の間のガイド通路内に配置されているとともに、この押圧部材の両端に待機位置に待機している部品を第1目的箇所または第2目的箇所のいずれかへ移動させる押圧面が形成されていることを特徴とする部品振り分け装置である。
【発明の効果】
【0007】
前記第1目的箇所と前記第2目的箇所が対向した位置関係で2箇所に配置され、前記進退駆動手段によって進退動作をする押圧部材が、前記待機位置と第1目的箇所の間または待機位置と第2目的箇所の間のガイド通路内に配置されているとともに、この押圧部材の両端に待機位置に待機している部品を第1目的箇所または第2目的箇所のいずれか一方へ移動させる押圧面が形成されている。このため、押圧部材が第1目的箇所側へ移動するときに、押圧部材の片側の押圧面が待機位置に待機している部品を、第1目的箇所へ移動させる。これに引き続いてその後、押圧部材が第2目的箇所側へ移動するときに、押圧部材の他側の押圧面が待機位置に待機している次の部品を、第2目的箇所へ移動させる。
【0008】
したがって、待機位置に位置している部品を、押圧部材の両側に配置された押圧面によって交互に第1目的箇所や第2目的箇所へ移動させるので、押圧部材が移動するときには必ず部品をいずれかの目的箇所側へ移行させることとなり、押圧部材に空動きのない効率的な動作がえられる。そして、目的箇所は、待機位置から一方向側のガイド通路の端部に配置された第1目的箇所と、前記待機位置から第1目的箇所とは反対側の他方向側のガイド通路の端部に配置された第2目的箇所の2箇所とされているので、押圧部材の移動軌跡を直線的な単純なものとすることが可能となり、円滑な振り分け動作がえられる。
【0009】
さらに、押圧部材が、前記待機位置と第1目的箇所の間または待機位置と第2目的箇所の間のガイド通路内に配置されているので、押圧部材の長さ、すなわち両押圧面間の距離を長くすることにより、この長くした距離に応じて前記進退駆動手段の進退動作距離を短くすることが可能となり、進退駆動手段の小型化にとって効果的である。
【0010】
換言すると、第1目的箇所と第2目的箇所の間隔距離が長くなっても、進退駆動手段の進退動作距離はその約半分で良いこととなり小型化にとって好適である。例えば、待機位置に位置している部品をチャック機構で保持して、第1目的箇所へ移動させ、それからチャック機構が戻ってきて待機位置に待機している次の部品を再び保持して第2目的箇所へ移動させるものであると、チャック機構に付与する移動距離は第1目的箇所と第2目的箇所の間隔距離となり、進退駆動手段の進退動作距離が著しく長くなるのである。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記待機位置から前記第1目的箇所までの前記ガイド通路の長さと、前記待機位置から前記第2目的箇所までの前記ガイド通路の長さが同じ長さとされ、前記押圧部材の進退方向の長さが前記各長さよりもわずかに短く設定されている請求項1記載の部品振り分け装置である。
【0012】
前記待機位置から第1目的箇所までと第2目的箇所までのガイド通路の長さが同じで、押圧部材の進退方向の長さが前記各長さよりもわずかに短くなっている。このような長さとされた押圧部材の両押圧面が交互に第1目的箇所側に移動したり第2目的箇所側に移動したりするので、待機位置から第1目的箇所まで部品を移動させる距離と、待機位置から第2目的箇所まで部品を移動させる距離が同じ長さとなる。したがって、前記進退駆動手段の進退動作距離は、進出方向と後退方向が同じ長さとなり、しかも第1目的箇所と第2目的箇所との間隔距離の約1/2にすることができる。これにより、進退駆動手段の長さを短くできて、装置の小型化に有効なものとなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記押圧面のうち一方が、前記第1目的箇所または前記第2目的箇所に位置している部品を前記ガイド通路の端部に押し付ける位置決め用の面とされ、この位置決め用の面によって位置決めがなされている前記第1目的箇所または前記第2目的箇所とは反対側の前記第2目的箇所または前記第1目的箇所に位置している部品を前記ガイド通路の端部に押し付ける位置決め部材が、外部から前記ガイド通路内に進入するように構成した請求項1または請求項2記載の部品振り分け装置である。
【0014】
このような構成により、一方の目的箇所であるガイド通路の端部に前記位置決め用の面によって部品が押し付けられるので、この箇所における部品の停止位置が正確に設定される。また、他方の目的箇所であるガイド通路の端部に位置決め部材が外部から進入して部品の位置決めがなされる。このように、一方の目的箇所では押圧面が位置決め用の面として機能し、他方の目的箇所では外部から進入する位置決め部材が動作するので、片側だけに外部から進入する位置決め部材が使用され、他側は押圧面が位置決め機能を果たすので、構造の簡素化にとって有効である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記待機位置に待機している部品が前記押圧部材によって前記第1目的箇所または前記第2目的箇所へ移動するときに、前記導入通路から前記待機位置へ部品が進入することを防止する規制部材が前記押圧部材と一体に設けられ、この規制部材に前記導入通路から入ってくる部品を停止させる規制面が設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の部品振り分け装置である。
【0016】
このように前記押圧部材によって部品が第1目的箇所または第2目的箇所へ移動するときに、前記導入通路から待機位置へ部品が進入することを防止する規制部材が設けられているので、導入通路から進入してきた部品が押圧部材の横側面に干渉することが防止されて、押圧部材の円滑な移動動作がえられる。
【0017】
請求項5記載の発明は、前記部品は少なくとも頭部と軸部を有する軸状部品であり、前記導入通路および前記ガイド通路は頭部の下面が滑動する滑動面と軸部が通過する通過空間部を備えている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の部品振り分け装置である。
【0018】
少なくとも頭部と軸部を有する前記軸状部品が、頭部が滑動面に支持され軸部が通過空間部を通過するものであるから、部品は首吊り状態で前記導入通路やガイド通路を移動する。これによって、部品が吊り下げられた状態で円滑に第1目的箇所や第2目的箇所へ到達することが実現する。
【0019】
請求項6記載の発明は、導入通路からガイド通路の待機位置に入ってきた部品をこの待機位置から前記ガイド通路に沿って目的箇所へ移行させる形式ものにおいて、前記目的箇所は、待機位置から一方向側のガイド通路の端部に配置された第1目的箇所と、前記待機位置から前記第1目的箇所とは反対側の他方向側の前記ガイド通路の端部に配置された第2目的箇所の2箇所に設けられ、進退駆動手段によって進退動作をする押圧部材が、前記待機位置と前記第1目的箇所の間または前記待機位置と前記第2目的箇所の間のガイド通路内に配置されているとともに、この押圧部材の両端に待機位置に待機している部品を第1目的箇所または第2目的箇所のいずれかへ移動させる押圧面が形成されており、前記待機位置から前記第1目的箇所までの前記ガイド通路の長さと、前記待機位置から第2目的箇所までの前記ガイド通路の長さのうちいずれか一方が短く設定され、前記押圧部材の進退方向の長さが前記短くされた長さよりもわずかに短く設定されていることを特徴とする部品振り分け装置である。
【0020】
この発明は、前記待機位置から第1目的箇所までのガイド通路の長さと、待機位置から第2目的箇所までのガイド通路の長さのうちいずれか一方が短く設定され、前記押圧部材の進退方向の長さが前記短くされた長さよりもわずかに短く設定されている点が、前記請求項2記載の発明と異なっている。前記押圧部材の進退方向の長さが待機位置からいずれかの目的箇所までの長さの短い方よりもわずかに短く設定されている。このため、待機位置から一方の目的箇所までの長さが、待機位置から他方の目的箇所までの長さよりも長い場合に、この長くなっている分だけを進退駆動手段の動作長さに追加することにより、遠い方の目的箇所へ部品を確実に到達させることが可能となる。このような動作長さを進退駆動手段に追加することは、例えばエアシリンダであればその動作長さを所要分だけ長くすればよい。また、回転運動を進退ストロークに変換する電動モータであれば、回転数とストロークとの関係を事前に設定しておくことにより、進退駆動手段に追加する長さが正確に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本装置の平面図、各部の断面図および部分的な斜視図である。
【図2】部品の移動状態を示す簡略的な動作図である。
【図3】部品が目的箇所で位置決めされる状態を示す平面図である。
【図4】規制部材の平面図と断面図である。
【図5】部品のストッパ機構を示す平面図と断面図である。
【図6】本装置とロボット装置を示す側面図である。
【図7】他の部品を振り分ける場合の側面図、断面図、斜視図である。
【図8】両振り分け距離が異なっている場合の簡略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
つぎに、本発明の部品振り分け装置を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0023】
図1〜図6は、本発明の実施例1を示す。
【0024】
まず、実施例1における部品について説明する。
【0025】
実施例1における部品は図1(C)に示すように、鉄製のボルト1である。このボルト1は、ヘッド部材2と雄ねじが切られた軸部3から構成されている。ヘッド部材2は、六角形の形をした頭部4と軸部3と同心とされた円形のフランジ部5によって構成されている。ボルト1の各部寸法は、フランジ部5の直径が22mm、六角形とされた頭部4の最大直径が14mm、軸部3の直径が8mm、軸部3の長さが22mmである。
【0026】
つぎに、導入通路とガイド通路について説明する。
【0027】
装置全体は、符号100で示されている。細長くて真っ直ぐな2本の導入部材6を平行に配置することによって、両導通部材6の間に導入通路7が構成されている。図1(A)のC−C断面が同図の(C)であり、両導入部材6は結合部材8によって溶接などで一体化されている。符号9は、溶接部を示している。同図(C)に示すように、ボルト1は導入部材6に吊り下げられた状態で移動するもので、フランジ部5の下面が導入部材6の上面に形成した滑動面10を滑動し、軸部3が通過空間部である導入通路7内を通過するようになっている。
【0028】
ボルト1は、フランジ部5の下面が導入部材6の滑動面10を滑動し、軸部3が導入通路7内を通過するようになっているので、導入通路7はヘッド部材2が通過する通過空間部と軸部3が通過する通過空間部を包括した通過空間を意味している。
【0029】
装置本体11は細長い形状とされ、ガイド通路12が設けてある。このガイド通路12は、前記導入通路7と同様な構造で構成されている。すなわち、細長い真っ直ぐな2本のガイド部材13を平行に配置することによって、両ガイド部材13の間に通過空間部であるガイド通路12が構成されている。断面コ字型の細長い形状とされたレール部材14が、上向きに開放した状態で配置され、両ガイド部材13はこのレール部材14によって溶接などで一体化されている。符号15は、溶接部を示している。ボルト1はガイド部材13に吊り下げられた状態で移動するもので、フランジ部5の下面がガイド部材13の上面に形成した滑動面20を滑動し、軸部3がガイド通路12内を通過するようになっている。レール部材14が機枠などの静止部材18に固定されることにより、装置本体11の固定がなされている。
【0030】
ボルト1は、フランジ部5の下面がガイド部材13の滑動面20を滑動し、軸部3がガイド通路12内を通過するようになっているので、ガイド通路12はヘッド部材2が通過する通過空間部と軸部3が通過する通過空間部を包括した通過空間を意味している。
【0031】
前記導入通路7の長手方向とガイド通路12の長手方向は、ほぼ直交した位置関係とされ、片側のガイド部材13に設けた入口開口16を経て導入通路7とガイド通路12が連通している。そして、導入部材6の滑動面10とガイド部材13の滑動面20は一仮想平面上に配置されており、これによってフランジ部5が導入通路7からガイド通路12へ連続的に滑らかに移行できるようになっている。
【0032】
導入通路7のボルト1をガイド通路12の方へ移動させるための方法としては、導入部材6を傾斜させたり、直進フィーダのように導入部材6に移送振動を付与したりする種々なものが採用できる。
【0033】
また、導入通路7へ移送されてくるボルト1は、パーツフィーダ(図示していない)から吊り下げた姿勢で送られてくる。
【0034】
つぎに、目的箇所について説明する。
【0035】
前記入口開口16からガイド通路12に入ってきたボルト1は、入口開口16の直ぐ近くで待機位置WP(ウェイティング・ポジション)に停止する。この停止は、装置本体11に取り付けた吸引手段17によってなされている。この吸引手段17としては、空気吸引や電磁石など種々なものが採用できるが、ここでは装置本体11に埋設した永久磁石17である。したがって、導入通路7からガイド通路12に入ってきたボルト1は、一旦、待機位置WPに停止する。
【0036】
前記待機位置WPから一方向側のガイド通路12の端部に、第1目的箇所P1が配置してある。また、待機位置WPから第1目的箇所P1とは反対側の他方向側のガイド通路12の端部に第2目的箇所P2が配置されている。このように、目的箇所はガイド通路12の両端に対向した位置関係で2箇所に配置されている。
【0037】
前記待機位置WPから第1目的箇所P1までの距離L1と、待機位置WPから第2目的箇所P2までの距離L2は同じ距離に設定してある。
【0038】
つぎに、押圧部材について説明する。
【0039】
後述の進退駆動手段19によって進退動作をする押圧部材21が、前記待機位置WPと第1目的箇所P1の間または待機位置WPと第2目的箇所P2の間のガイド通路12内に配置されている。図1および図2では、待機位置WPと第2目的箇所P2との間のガイド通路12内に配置してある。前記押圧部材21は、長方形の分厚い板材で作られており、板材の厚さは8mmとされ、ガイド通路12の内壁に摺動しながら進退するか、または図1に示すように、押圧部材21とガイド通路12の内壁との間にわずかな隙間が形成されている。
【0040】
この押圧部材21の両端に、待機位置WPに待機しているボルト1を第1目的箇所P1または第2目的箇所P2のいずれか一方へ移動させる押圧面S1とS2が形成されている。これらの押圧面S1、S2は押圧部材21の端面に形成してあり、ボルト1の軸部3を押圧するようになっている。このように軸部3が押されるので、図2および図3では軸部3だけが図示され、フランジ部5や頭部4の図示は省略されている。
【0041】
前記押圧部材21の押圧面S1とS2との間隔、すなわち押圧部材21の進退方向の長さL3は、待機位置WPと第1目的箇所P1の間の距離または待機位置WPと第2目的箇所P2の間の距離よりもわずかに短く設定してある。このようにわずかに短く設定するのは、直径8mmの太さを有する軸部3が待機位置WPや第1目的箇所P1または第2目的箇所P2に停止するための空間部を確保しなければならないからである。
【0042】
前記待機位置WPと第1目的箇所P1の間の距離L1および待機位置WPと第2目的箇所P2の間の距離L2は、いずれも150mmである。そして、押圧部材21の押圧面S1とS2との間隔長さL3は、140mmである。
【0043】
前記押圧部材21に進退動作を付与するために、前述の進退駆動手段19が配置してある。装置本体11の下側に結合したレール部材14内にスライド部材22が摺動可能な状態ではめ込まれ、このスライド部材22に押圧部材21がボルトまたは溶接などで固定してある。前記進退駆動手段19がレール部材14の端部に結合され、その出力軸23がスライド部材22に結合してある。進退駆動手段19としては、エアシリンダや進退出力式の電動モータあるいはラック・ピニオン機構など種々なものが採用できる。ここでは進退出力式の電動モータ19である。電動モータ19が動作すると、その進退出力が出力軸23からスライド部材22に伝達され、これによって押圧部材21がガイド通路12内を進退する。
【0044】
つぎに、本装置の適用状態を説明する。
【0045】
図6に示すように、実施例1の装置100は、ボルト1のヘッド部材2を第1目的箇所P1と第2目的箇所P2に送り込んで待機させ、そこへねじ締めユニット24のソケット30を到達させるもので、ソケット30にボルト1のヘッド部材2を保持して他のねじ締め箇所へ供給し、そこでボルト締めを行うものである。
【0046】
前記ねじ締めユニット24は、一般的に採用されているものであり、ロボット装置26に電動モータのような回転駆動装置27が取付けられ、この回転駆動装置27の回転力を2本の回転軸28に伝える伝動装置29が設けられている。回転軸28にねじ締めソケット30が取付けられ、両ソケット30の間隔は、第1目的箇所P1と第2目的箇所P2の間隔距離L1+L2と同じに設定されている。
【0047】
ねじ締めソケット30には、下向きに開放した六角形の受入孔31が設けられており、この受入孔31に頭部4が入り込むようになっている。ロボット装置26が動作して、第1目的箇所P1と第2目的箇所P2に待機させてあるボルト1の頭部4がソケット30に保持され、他の箇所にあるねじ孔にボルト1がねじ込まれる。なお、ソケット30には永久磁石のような吸引手段が埋設され、これによってボルト1がソケット30から落下しないようになっている。
【0048】
つぎに、上記以外の装置の各部構造を説明する。
【0049】
ガイド通路12の端部の第1目的箇所P1および第2目的箇所P2において軸部3が正確に位置決めされなければならない。そのために図3に示すように、位置決め構造が採用されている。ガイド通路12の端部にガイド通路12の長手方向に形成した位置決め面32と、この位置決め面32に直交している位置決め面33が形成してある。この位置決め面33は、ガイド通路12の内終端面である。押圧部材21の片側の押圧面S1が傾斜したカム面34に形成してあり、このカム面34が軸部3に押し付けられると、軸部3の外周面が前記位置決め面32と33の両方に押し付けられて、軸部3すなわちボルト1の第1目的箇所P1側の停止位置が正確に設定される。
【0050】
上述のように、第1目的箇所P1側では、押圧部材21の押圧動作で位置決めがなされているが、第2目的箇所P2側では、ボルト1の位置決めのために押圧部材21の押圧動作を利用することができないので、ガイド通路12内に進入する位置決め部材35が採用されている。この位置決め部材35は、先端部に前記カム面34と同じ形態のカム面36が形成されている。このカム面36が軸部3に押し付けられると、軸部3の外周面が前記位置決め面32と33の両方に押し付けられて、軸部3すなわちボルト1の第2目的箇所P2側の停止位置が正確に設定される。位置決め部材35を進退させるためにエアシリンダや進退出力式の電動モータが採用されており、ここでは進退出力式の電動モータ37が採用され、これはブラケット49を用いて装置本体11に固定されている。
【0051】
ガイド通路12内にボルト1が導入されるときに、1つだけのボルト1がガイド通路12に導入されるように制御される。つまり、待機位置WPに待機しているボルト1が押圧部材21によって第1目的箇所P1または第2目的箇所P2へ移動するときに、前記導入通路7から待機位置WPへボルト1が進入することを防止する規制部材38が押圧部材21と一体に設けられ、この規制部材38に導入通路7から入ってくるボルト1を停止させる規制面39が設けられている。規制部材38は厚板で作られているとともに、押圧部材21とほぼ同じ長さとされ、固定ボルト40で押圧部材21に固定してある。そして、規制面39は図4(B)に示すように、押圧部材21よりも導入通路7側にずれた位置に配置してあり、ボルト1を導入通路7上で停止させるようになっている。
【0052】
押圧部材21のカム面34の押し付けによって第1目的箇所P1に固定されているボルト1が、ねじ締めソケット30に保持され、第1目的箇所P1から引き抜かれるようにして他の箇所へ移送される。このときにカム面34の押し付けを解除するために、図5(A)に示すように、カム面34が軸部3から少し離れた箇所まで移動する。この移動したときに導入通路7からボルト1がガイド通路12に進入しないようにしてある。
【0053】
そのために規制部材38にアーム部材41が結合され、導入通路7にあるボルト1を規制する規制アーム42がブリッジ部材43を介してアーム部材41に結合してある。このブリッジ部材43は図5(B)に示すように、ヘッド部材2を通過させるための通過空間部44が設けられた門型の結合部材である。
【0054】
上記規制アーム42に換えて図5(C)に示した構造とすることもできる。この構造は、導入通路7内に進入する第1ストッパ片45と第2ストッパ片46を動作させるものである。導入部材6に取り付けられたエアシリンダや進退出力式の電動モータなどからなる進退駆動手段47および47によって、第1ストッパ片45と第2ストッパ片46が交互に進退するようになっている。
【0055】
同図は、両ストッパ片45、46が導入通路7内に進入している状態である。ここで第1ストッパ片45が後退すると、最先のボルト1が待機位置WPへ移動する。その後、第1ストッパ片45が再び導入通路7内へ進入すると、今度は第2ストッパ片46が後退して2番目のボルト1を最先位置に移動させ、第1ストッパ片45で受け止められる。それから第2ストッパ片46が再び導入通路7内に進入すると、次のボルト1が2番目のものとして受け止められる。
【0056】
つぎに、振り分け動作を説明する。
【0057】
図2は、振り分け動作を簡略的に示した動作図である。同図(A)は押圧部材21が待機位置WPと第1目的箇所P1との間に位置しており、その両側には軸部3が停止する空間が設定されている。したがって、前述のように押圧部材21の長さは、この空間分に相当する長さが前記L1やL2よりも短く設定されている。
【0058】
ここで待機位置WPにボルト1が進入してきて永久磁石17の吸引で停止すると、電動モータ19が動作して押圧部材21が第2目的箇所P2の方へ移動し、待機位置WPと第2目的箇所P2の間に移動する。これにともなって軸部3は押圧面S2で第2目的箇所P2の方へ押されて、押圧部材21は待機位置WPと第2目的箇所P2との間に停止する。このときに図3に示すように、位置決め部材35が進出して、ボルト1が第2目的箇所P2で位置決めがなされる。
【0059】
図2(B)のように第2目的箇所P2にボルト1の位置決めがなされているときに、次のボルト1が待機位置WPに送り込まれる。ついで押圧部材21が電動モータ19の動作で第1目的箇所P1の方へ移動すると、今度は押圧面S1によって軸部3が押されて、図2(C)に示すように、押圧部材21は待機位置WPと第1目的箇所P1との間に停止する。このときに図3に示したカム面34による位置決めがなされる。
【0060】
このようにしてボルト1が第1目的箇所P1と第2目的箇所P2の両方に位置決めがなされると、つぎに図6に示したロボット装置26が動作して、ボルト1をソケット30で保持して他の箇所にある2つのねじ孔に2本のボルト1がねじ込まれる。なお、ここではねじ締めユニット24が動作する例であるが、本装置100によって所定位置に停止している2本のボルト1をチャックで保持して、他の目的箇所へ供給するような使い方も可能である。
【0061】
上述の動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行わせることが可能である。制御装置またはシーケンス回路からの信号で動作する進退出力式電動モータ、この進退出力式電動モータの所定出力位置で信号を発して前記制御装置に送信するセンサー等を組み合わせることによって、所定の動作を確保することができる。
【0062】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0063】
前記第1目的箇所P1と前記第2目的箇所P2が対向した位置関係で2箇所に配置され、前記進退駆動手段である電動モータ19によって進退動作をする押圧部材21が、前記待機位置WPと第1目的箇所P1の間のガイド通路12内に位置させてあるとともに、この押圧部材21に待機位置WPに待機しているボルト1を第2目的箇所P2へ移動させる押圧面S2が形成されている(図2参照)。このため、押圧部材21が第2目的箇所P2側へ移動するときに、押圧部材21の片側の押圧面S2が待機位置WPに待機しているボルト1を、第2目的箇所P2へ移動させる。これに引き続いてその後、押圧部材21が第1目的箇所P1側へ移動するときに、押圧部材21の他側の押圧面S1が待機位置WPに待機しているつぎのボルト1を、第1目的箇所P1へ移動させる。
【0064】
したがって、待機位置WPに位置しているボルト1を、押圧部材21の両側に配置された押圧面S1またはS2によって交互に第1目的箇所P1や第2目的箇所P2へ移動させるので、押圧部材21が移動するときには必ずボルト1をいずれかの目的箇所側へ移行させることとなり、押圧部材21に空動きのない効率的な動作がえられる。そして、目的箇所は、待機位置WPから一方向側のガイド通路12の端部に配置された第1目的箇所P1と、前記待機位置WPから第1目的箇所P1とは反対側の他方向側のガイド通路12の端部に配置された第2目的箇所P2の2箇所とされているので、押圧部材21の移動軌跡を直線的な単純なものとすることが可能となり、円滑な振り分け動作がえられる。
【0065】
さらに、押圧部材21が、前記待機位置WPと第1目的箇所P1の間または待機位置WPと第2目的箇所P2の間のガイド通路12内に配置されているので、押圧部材21の長さ、すなわち両押圧面S1、S2間の距離を長くすることにより、この長くした距離に応じて前記進退駆動手段19の進退動作距離を短くすることが可能となり、進退駆動手段19の小型化にとって効果的である。
【0066】
換言すると、第1目的箇所P1と第2目的箇所P2の間隔距離L1+L2が長くなっても、進退駆動手段19の進退動作距離はその約半分で良いこととなり小型化にとって好適である。例えば、待機位置WPに位置しているボルト1をチャック機構で保持して、第1目的箇所P1へ移動させ、それからチャック機構が戻ってきて待機位置WPに待機している次のボルト1を再び保持して第2目的箇所P2へ移動させるものであると、チャック機構に付与する移動距離は第1目的箇所P1と第2目的箇所P2の間隔距離L1+L2となり、進退駆動手段19の進退動作距離が著しく長くなるのである。
【0067】
前記待機位置WPから前記第1目的箇所P1までの前記ガイド通路12の長さL1と、前記待機位置WPから前記第2目的箇所P2までの前記ガイド通路12の長さL2が同じ長さとされ、前記押圧部材21の進退方向の長さが前記各長さL1、L2よりもわずかに短く設定されている
【0068】
前記待機位置WPから第1目的箇所P1までと第2目的箇所P2までのガイド通路12の長さL1、L2が同じで、押圧部材21の進退方向の長さが前記各長さL1、L2よりもわずかに短くなっている。このような長さとされた押圧部材21の両押圧面S1、S2が交互に第1目的箇所P1側に移動したり第2目的箇所P2側に移動したりするので、待機位置WPから第1目的箇所P1までボルト1を移動させる距離と、待機位置WPから第2目的箇所P2までボルト1を移動させる距離が同じ長さとなる。したがって、前記進退駆動手段19の進退動作距離は、進出方向と後退方向が同じ長さとなり、しかも第1目的箇所P1と第2目的箇所P2との間隔距離L1+L2の約1/2にすることができる。これにより、進退駆動手段19の長さを短くできて、装置100の小型化に有効なものとなる。
【0069】
前記押圧面S1がカム面34とされ、また、前記第1目的箇所P1に位置しているボルト1を、前記ガイド通路12の端部に設けた位置決め面32、33によって位置決めする。前記カム面34が軸部3を押圧して位置決め面32、33によって位置決めがなされている。前記第1目的箇所P1とは反対側の前記第2目的箇所P2に位置しているボルト1を、前記ガイド通路12の端部の位置決め面32、33に押し付ける位置決め部材35が、外部から前記ガイド通路12内に進入するように構成した。
【0070】
このような構成により、一方の目的箇所P1であるガイド通路12の端部に、カム面34の押圧動作で前記位置決め面32、33にボルト1が押し付けられるので、この箇所におけるボルト1の停止位置が押圧部材21によって正確に設定される。また、他方の目的箇所P2であるガイド通路12の端部に位置決め部材35が外部から進入してボルト1の位置決めがなされる。このように、一方の目的箇所では押圧面S1(カム面34)が位置決め用の押し面として機能し、他方の目的箇所では外部から進入する位置決め部材35が動作するので、片側だけに外部から進入する位置決め部材35が使用され、他側は押圧面S1が位置決め機能を果たすので、構造の簡素化にとって有効である。
【0071】
前記待機位置WPに待機しているボルト1が前記押圧部材21によって前記第1目的箇所P1または前記第2目的箇所P2へ移動するときに、前記導入通路7から前記待機位置WPへボルト1が進入することを防止する規制部材38が前記押圧部材21と一体に設けられ、この規制部材38に前記導入通路7から入ってくるボルト1を停止させる規制面39が設けられている。
【0072】
このように前記押圧部材21によってボルト1が第1目的箇所P1または第2目的箇所P2へ移動するときに、前記導入通路7から待機位置WPへボルト1が進入することを防止する規制部材38が設けられているので、導入通路7から進入してきたボルト1が押圧部材21の横側面に干渉することが防止されて、押圧部材21の円滑な移動動作がえられる。
【0073】
前記部品は少なくともヘッド部材2と軸部3を有する軸状部品であり、前記導入通路7および前記ガイド通路12はヘッド部材2の下面が滑動する滑動面10および20と軸部3が通過する通過空間部7および12を備えている。
【0074】
少なくともヘッド部材2と軸部3を有する前記軸状部品が、ヘッド部材2が滑動面10、20に支持され、軸部3が通過空間部7、12を通過するものであるから、軸状部品は首吊り状態で前記導入通路7やガイド通路12を移動する。これによって、軸状部品が吊り下げられた状態で円滑に第1目的箇所P1や第2目的箇所P2へ到達することが実現する。
【実施例2】
【0075】
図7は、本発明の実施例2を示す。
【0076】
この実施例2は、実施例1における前記ボルト1に換えて、部品の形状が同図(C)に示したものとなっている。この部品51は2段構造とされた円筒形のものであり、大径部52と小径部53によって構成されている。部品がこのような形状であるから、ガイド部材13の上部内側にガイド部材13の長手方向に延びる段部54が設けられ、大径部53がここを滑動するようになっている。
【0077】
図示していないが、導入通路7もガイド通路12と同様な構造である。
【0078】
レール部材14にガイド溝55が形成され、ここに摺動可能な状態でスライド部材22がはめ込んである。スライド部材22の下側に突起部材56が固定され、ここに進退出力式の電動モータ19の出力軸23が結合してある。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0079】
そして、本実施例2の動作は、先の実施例1の動作と同様である。このように形状の異なった部品51であっても効果的に振り分けることができる。それ以外の作用効果は、先の実施例1と同じである。
【実施例3】
【0080】
図8は、本発明の実施例3を示す。
【0081】
前記実施例1や実施例2では、前記待機位置WPから前記第1目的箇所P1までの前記ガイド通路12の長さと、前記待機位置WPから前記第2目的箇所P2までの前記ガイド通路12の長さが同じ長さL1、L2とされている。しかし、実施例3では、前記待機位置WPから前記第1目的箇所P1までの前記ガイド通路12の長さと、前記待機位置WPから第2目的箇所P2までの前記ガイド通路12の長さのうちいずれか一方が短く設定され、前記押圧部材21の進退方向の長さが前記短くされた長さよりもわずかに短く設定されている。
【0082】
図8においては、短く設定されている長さがL2で示され、それよりも長い長さがL1+L4で示されている。したがって、長さL4が延長された長さである。そのために、進退出力式の電動モータ19の出力長さがL4に相当する分だけ長くしてある。構造的に装置100を小型化するためには、このL4はできるだけ短くするべきであるが、待機位置WPから第1目的箇所P1と第2目的箇所P2までが不等距離であるときには、このような構成で対応することができる。
【0083】
待機位置WPから一方の目的箇所までの長さが、待機位置WPから他方の目的箇所までの長さよりも長い場合に、この長くなっている分L4だけを進退駆動手段19の動作長さに追加することにより、遠い方の目的箇所へボルト1を確実に到達させることが可能となる。このような動作長さL4を進退駆動手段19に追加することは、例えばエアシリンダであればその動作長さを所要分だけ長くすればよい。また、回転運動を進退ストロークに変換する電動モータであれば、回転数とストロークとの関係を事前に設定しておくことにより、進退駆動手段19に追加する長さL4が正確に設定できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
上述のように、本発明の装置によれば、部品を2方向に振り分けることを確実に行い、しかも振り分け駆動手段の動作距離を最小化することが可能である。したがって、自動車の車体組立工程や、家庭電化製品のねじ締め工程などの広い産業分野で利用できる。
【符号の説明】
【0085】
1 ボルト
2 ヘッド部材
3 軸部
4 頭部
5 フランジ部
6 導入部材
7 導入通路、通過空間部
10 滑動面
11 装置本体
12 ガイド通路、通過空間部
13 ガイド部材
19 進退駆動手段、進退出力式電動モータ
20 滑動面
21 押圧部材
S1 押圧面
S2 押圧面
P1 第1目的箇所
P2 第2目的箇所
WP 待機位置
L1 待機位置・第1目的箇所間距離
L2 待機位置・第2目的箇所間距離
L4 長くなった部分
34 カム面
35 位置決め部材
38 規制部材
39 規制面
51 部品
54 段部
100 装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入通路からガイド通路の待機位置に入ってきた部品をこの待機位置から前記ガイド通路に沿って目的箇所へ移行させる形式ものにおいて、
前記目的箇所は、待機位置から一方向側のガイド通路の端部に配置された第1目的箇所と、前記待機位置から前記第1目的箇所とは反対側の他方向側の前記ガイド通路の端部に配置された第2目的箇所の2箇所に設けられ、
進退駆動手段によって進退動作をする押圧部材が、前記待機位置と前記第1目的箇所の間または前記待機位置と前記第2目的箇所の間のガイド通路内に配置されているとともに、この押圧部材の両端に待機位置に待機している部品を第1目的箇所または第2目的箇所のいずれかへ移動させる押圧面が形成されていることを特徴とする部品振り分け装置。
【請求項2】
前記待機位置から前記第1目的箇所までの前記ガイド通路の長さと、前記待機位置から前記第2目的箇所までの前記ガイド通路の長さが同じ長さとされ、前記押圧部材の進退方向の長さが前記各長さよりもわずかに短く設定されている請求項1記載の部品振り分け装置。
【請求項3】
前記押圧面のうち一方が、前記第1目的箇所または前記第2目的箇所に位置している部品を前記ガイド通路の端部に押し付ける位置決め用の面とされ、この位置決め用の面によって位置決めがなされている前記第1目的箇所または前記第2目的箇所とは反対側の前記第2目的箇所または前記第1目的箇所に位置している部品を前記ガイド通路の端部に押し付ける位置決め部材が、外部から前記ガイド通路内に進入するように構成した請求項1または請求項2記載の部品振り分け装置。
【請求項4】
前記待機位置に待機している部品が前記押圧部材によって前記第1目的箇所または前記第2目的箇所へ移動するときに、前記導入通路から前記待機位置へ部品が進入することを防止する規制部材が前記押圧部材と一体に設けられ、この規制部材に前記導入通路から入ってくる部品を停止させる規制面が設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の部品振り分け装置。
【請求項5】
前記部品は少なくとも頭部と軸部を有する軸状部品であり、前記導入通路および前記ガイド通路は頭部の下面が滑動する滑動面と軸部が通過する通過空間部を備えている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の部品振り分け装置。
【請求項6】
導入通路からガイド通路の待機位置に入ってきた部品をこの待機位置から前記ガイド通路に沿って目的箇所へ移行させる形式ものにおいて、
前記目的箇所は、待機位置から一方向側のガイド通路の端部に配置された第1目的箇所と、前記待機位置から前記第1目的箇所とは反対側の他方向側の前記ガイド通路の端部に配置された第2目的箇所の2箇所に設けられ、
進退駆動手段によって進退動作をする押圧部材が、前記待機位置と前記第1目的箇所の間または前記待機位置と前記第2目的箇所の間のガイド通路内に配置されているとともに、この押圧部材の両端に待機位置に待機している部品を第1目的箇所または第2目的箇所のいずれかへ移動させる押圧面が形成されており、
前記待機位置から前記第1目的箇所までの前記ガイド通路の長さと、前記待機位置から第2目的箇所までの前記ガイド通路の長さのうちいずれか一方が短く設定され、
前記押圧部材の進退方向の長さが前記短くされた長さよりもわずかに短く設定されていることを特徴とする部品振り分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−225369(P2011−225369A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110624(P2010−110624)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000196886)
【Fターム(参考)】