部品整列装置
【課題】所定の方向でかつ所定のピッチで配列された部品を異なる方向でかつ異なるピッチで整列させることができる部品整列装置を提供する。
【解決手段】プレス成形機の金型100から複数の部品Wを第1の配列形状でかつピッチP1で吸引取出装置110により取り出し、そのままの配列形状で各部品を個別に搬送ブロック7上に載置する。搬送ブロック7は始端位置において磁石5を持つストッパブロック3によって予め第1の配列形状でかつピッチP1で仮保持され、これら搬送ブロック7を押圧面14を持つプッシュブロック13によって一括して終端位置まで押し、終端位置において搬送ブロックを一列に並ぶ第2の配列形状D2に整列させる。押圧面14には磁石15が設けられ、プッシュブロック13を後退させる時に搬送ブロック7も連動して後退する。
【解決手段】プレス成形機の金型100から複数の部品Wを第1の配列形状でかつピッチP1で吸引取出装置110により取り出し、そのままの配列形状で各部品を個別に搬送ブロック7上に載置する。搬送ブロック7は始端位置において磁石5を持つストッパブロック3によって予め第1の配列形状でかつピッチP1で仮保持され、これら搬送ブロック7を押圧面14を持つプッシュブロック13によって一括して終端位置まで押し、終端位置において搬送ブロックを一列に並ぶ第2の配列形状D2に整列させる。押圧面14には磁石15が設けられ、プッシュブロック13を後退させる時に搬送ブロック7も連動して後退する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部品を所望のピッチで一列に整列させることができる部品整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1枚の金属板から多数の部品(例えば金属キャップ)をプレス成形する場合、材料の歩留りを向上させるために、千鳥状配置のレイアウトとすることが一般に行われている。この場合、プレス後の部品は金型内にばら状態で残るため、これら部品を金型から取り出し、次工程(例えば洗浄,組立,梱包など)に搬送して取り扱う場合、千鳥配置に対応した機構が必要になり、次工程での取り扱い難度が上がるという欠点がある。
【0003】
図13,図14はプレス成形機の金型100と部品を取り出すための吸引取出装置110とを示す。図14に示すように、材料となる金属板120がプレス成形機の金型100へ一定ピッチずつ送り込まれ、破線で示すように斜め方向に一列ずつ並ぶ配列形状で打ち抜きプレスされる。打ち抜きプレスを繰り返すことにより、金属板120には全体として千鳥状のブランク121が形成される。吸引取出装置110には、各部品Wの位置に応じて複数の吸引ノズル111が斜め方向D1に配列されている。
【0004】
また、図15に示すように、プレス成形機の金型100a内で、打ち抜きプレスの配列形状を、斜め方向に一列ではなくジグザグに配列するようにし、吸引取出装置110aには、各部品Wの位置に応じて複数の吸引ノズル111がジグザグに配列されることもある。
【0005】
上記のように金型100,100a内から複数の部品W(図14,図15に破線で示す)を吸引取出装置110,110aで取り出し、次工程へ搬送する場合、金型100,100aの四隅部にはガイドポスト102が立っているため、吸引取出装置110,110aは材料進行方向又はそれと直交方向のいずれかの方向から挿入する必要があり、部品Wを斜めの状態もしくはジグザグの状態でしか取り出せない。図14,図15では、吸引取出装置110,110aの取出方向Fが材料進行方向Sに対して直交方向の例を示している。このような斜めもしくはジグザグの状態に配列された部品Wを、次工程での部品の取り扱いを簡単にするために、横一列又は縦一列に整列することが望ましい。
【0006】
整列方法として、図16のように、金型100内に斜め状態に配列されている部品Wを吸引取出装置112で1個ずつ取り出し、コンベア130の上に載せて整列させる方法がある。しかし、この方法では部品Wを1個ずつ取り出すために時間がかかり、コスト上昇を招く結果となる。
【0007】
図17のように、金型100内に斜め状態に配列されている部品Wを一括して吸引取出装置110で取り出し、これら部品Wをコンベア140上に載せ、案内レール141に沿って部品Wを摺動させることにより、案内レール141の終端のストッパ142に当てて整列させる方法がある。この方法では、複数の部品Wを同時に取り出すことが可能であるが、部品Wが案内レール141やストッパ142に当たり、擦れ傷などができる可能性がある。また、部品Wが案内レール141の途中で停止してスムーズに流れないことがあり、ストッパ142で部品Wを確実に整列させることができない場合がある。これは、図15のように部品Wがジグザグの状態に配列された場合も、同様である。
【0008】
特許文献1には、モータで駆動されるステンレスベルトによりICを搬送し、センサが搬送中のICの通過を検出すると、制御回路が吸着ユニットの互いに所定のピッチで配列された複数の吸着ノズルを制御して、ステンレスベルト上のICを吸着保持する部品整列装置が提案されている。この場合は、ステンレスベルト上のICを検出するセンサが必要であり、吸着ノズルも個々に動作する必要があるため、構造が複雑であり、成形装置からばら状態の部品を取り出して整列させる作業には適していない。
【0009】
特許文献2には、搬送コンベア上にランダムに載って搬送される部品を幅方向に一列に並んだ状態で整列させる装置が提案されている。すなわち、搬送コンベア上を1個ずつ搬送されてくる部品を、第1,第2の振り分け手段を用いて搬送コンベアの幅方向に強制的に押し滑らせることによって、振り分け、最終的に部品を横一列(コンベア幅方向に一列)に並べるものである。しかし、この方法では、部品に第1,第2の振り分け手段による強制力が作用し、コンベアとの間で摺接するため、傷や汚れを嫌う精密部品の整列装置としては望ましくない。
【特許文献1】特開平7−86376号公報
【特許文献2】特開平6−247535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、所定の方向でかつ所定のピッチで配列された部品を異なる方向でかつ異なるピッチで整列させることができる部品整列装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を、一列に並ぶ第2の配列形状でかつ第1のピッチと異なる第2のピッチP2に変更して整列させる部品整列装置において、上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を個別に載置し、始端位置と終端位置との間を第2の配列形状の方向と直交する方向に独立して移動可能な複数の搬送ブロックと、始端位置に設けられ、上記各搬送ブロックを上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された各部品に対応した位置で仮保持するストッパ手段と、上記第2の配列形状の方向を向く押圧面を持ち、上記ストッパ手段によって始端位置で仮保持された複数の搬送ブロックを上記押圧面によって一括して終端位置まで押し、終端位置において上記搬送ブロックを第2の配列形状の方向に整列させるプッシュブロックと、上記プッシュブロックを始端位置と終端位置との間で直進往復駆動させる直動機構と、上記プッシュブロックの後退に連動して上記搬送ブロックを始端位置へ後退させる後退手段と、を備えたことを特徴とする部品整列装置を提供する。
【0012】
本発明では、例えば千鳥状配列で成形されたばら状態のプレス成形品のように、所定の配列形状でかつ所定のピッチP1で配列された複数の部品を、複数の吸引ノズルを持つ吸引取出装置によってそのままの姿勢で一括して取り出す。部品の配列形状は、吸引取出装置の取出方向に対して斜めやジグザグであり、吸引ノズルは所定の配列形状と同じに配列されている。吸引取出装置の取出方向は第2の方向D2と同一方向でもよいし、これと直交する方向でもよい。吸引取出装置で取り出された部品は、各搬送ブロックの上に1個ずつ載せられる。搬送ブロックは、始端位置において、ストッパ手段によって予め吸引取出装置により取り出された各部品に対応した位置、つまり吸引取出装置の各吸引ノズルと対応した位置に仮保持されている。このように各搬送ブロックは始端位置においてストッパ手段によって各部品と対応した位置に仮保持されているので、吸引取出装置の各吸引ノズルと正確に位置を合わせることができ、吸引取出装置から部品を搬送ブロック上に正確に移載できる。
【0013】
部品を1個ずつ載置した各搬送ブロックは、プッシュブロックによって押され、終端位置まで一括して押される。搬送ブロックの移動方向は一列に並ぶ第2の配列形状の方向と直交しており、プッシュブロックの押圧面は第2の配列形状の方向に設定されている。終端位置に到達した時点で、各搬送ブロックは押圧面の方向に応じて一列に整列させられる。つまり、搬送ブロック上の部品も第2の配列形状の方向に整列される。例えば、搬送ブロックの移動方向が吸引取出装置の取出方向と直交方向である場合、押圧面を吸引取出装置の取出方向と平行な面とすればよい。この場合には、終端位置に到達した時点で、各搬送ブロックはその移動方向に対して直交方向(吸引取出装置の取出方向と平行)に一列に整列させられる。この場合には、整列状態の部品のピッチP2は、吸引取出装置で取り出された部品のピッチP1より狭くなる。終端位置において、搬送ブロックから部品が取り出された後、プッシュブロックは後退し、これに連動して搬送ブロックも後退し、始端位置へ戻る。プッシュブロックを往復駆動させる直動機構としては、エアーシリンダや油圧シリンダなどの流体圧シリンダのほか、モータとボールネジとを併用した機構など、いかなる機構を用いてもよい。搬送ブロックの移動方向は吸引取出装置の取出方向に対して直交方向としてもよいし、平行な方向でもよい。
【0014】
好ましい実施の形態によれば、搬送ブロックを始端位置と終端位置との間で移動自在にガイドするガイド手段と、ストッパ手段に設けられ、各搬送ブロックが第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で並ぶように、各搬送ブロックと当接する段差状のストッパ部と、各搬送ブロックおよびストッパ手段の一方に設けられた磁性体部と、各搬送ブロックおよびストッパ手段の他方に設けられ、磁性体部を吸着して搬送ブロックをストッパ部に当接保持する磁石と、を備えた構造としてもよい。この場合には、搬送ブロックを磁石の吸着力によってストッパ部に吸着保持できるので、始端位置における搬送ブロックの位置が安定するとともに、搬送ブロックを仮保持しておくために格別の駆動源を必要としないので、構造を簡素化できる。
【0015】
好ましい実施の形態によれば、各搬送ブロックおよびプッシュブロックの一方に設けられた磁性体部と、各搬送ブロックおよびプッシュブロックの他方に設けられ、磁性体部を吸着保持する後退手段としての磁石と、を備えたものとしてもよい。この場合には、搬送ブロックとプッシュブロックとの間に働く磁石の吸着力を利用して、プッシュブロックの後退に連動して搬送ブロックを後退させることができる。そのため、搬送ブロックを後退させるための格別の駆動源を必要とせず、構造を簡素化できる。特に、仮保持手段として磁石を使用し、かつ後退手段として磁石を使用した場合には、プッシュブロックを往復駆動させる1つの直動機構のみで整列・搬送が可能になるので、構造が一層簡素となり、コンパクトで低価格な整列装置を実現できる。
【0016】
好ましい実施の形態によれば、ストッパ部およびプッシュブロックを磁性体で形成し、各搬送ブロックに各搬送ブロックをストッパ部およびプッシュブロックに吸着保持させる磁石を設けてもよい。例えば、仮保持手段としてストッパ部に磁石を設け、後退手段としてプッシュブロックに磁石を設けた場合には、多数の磁石を必要とする。これに対し、搬送ブロックに磁石を設けた場合には、この磁石が搬送ブロックをストッパ部に保持するための保持手段としての機能と、搬送ブロックをプッシュブロックに連動して後退させるための後退手段としての機能を兼ねるので、磁石の個数を半分に減らすことができ、構造を簡素にできる。
【0017】
好ましい実施の形態によれば、終端位置に、プッシュブロックの駆動力より弱いばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に押し返す戻り補助用プッシャを設けてもよい。プッシュブロックが後退するとき、それに連動して搬送ブロックを後退させる必要があるが、プッシュブロックを高速で前進・後退させると、摺動抵抗や慣性により搬送ブロックとプッシュブロックとが最も離れ易くなる。そこで、終端位置に搬送ブロックを始端位置方向に押し返す戻り補助用プッシャを設けると、プッシュブロックの後退時に搬送ブロックを確実に追従させることができるので、搬送スピードを上げることができ、前進時は搬送ブロックのプッシュブロックからの離脱を防止することができる。
【0018】
なお、搬送ブロックをストッパ手段に仮保持する手段としては上記のような磁石を用いる方法に代えてスプリングを用いてもよく、後退手段としても磁石に代えてスプリングを用いることもできる。磁石やスプリングは格別の駆動源を必要としないので、構造を簡素化できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、斜めもしくはジグザグに配列された部品を各搬送ブロックの上に1個ずつ載せた後、搬送ブロックをプッシュブロックによって押して搬送ブロックの移動方向に対して直交方向に一列に整列させるようにしたので、所定の方向でかつ所定ピッチで取り出された部品を異なる方向でかつ異なるピッチに整列させることができる。そのため、次工程での部品の取り扱いを簡単にすることができる。また、部品を擦るような動作がないので、部品表面に傷を付けることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜図3は本発明にかかる部品整列装置の第1実施例を示し、図1の(a)は始端位置における平面図、(b)はその側面図であり、図2の(a)は終端位置における平面図、(b)はその側面図である。また、図3は部品整列装置の搬送ブロックと部品との斜視図である。
【0022】
本部品整列装置1は、プレス成形機の金型100の側部に隣接するテーブル2上に配置されている。図1にはプレス成形機の金型100の一部と、金型100から部品Wを取り出すための吸引取出装置110とが示されている。この吸引取出装置110は図14と同様に、その取出方向Fに対して斜め方向D1に配列された複数の吸引ノズルを備えている。テーブル2上には、搬送方向Cに対して突出量の異なる階段状の複数(ここでは4つ)のストッパ部4を持つストッパブロック3が固定されており、各ストッパ部4の先端部にはそれぞれ永久磁石5が内蔵されている。階段状のストッパ部4の向きD1とピッチP1がブランクレイアウトの向きとピッチに対応している。つまり、各ストッパ部4が後述する各搬送ブロック7の始端位置に対応している。
【0023】
テーブル2上には、吸引取出装置110の取出方向Fと直交方向(搬送方向C)に伸びる複数本(ここでは4本)のリニアガイド6が設けられており、各リニアガイド6の上に搬送ブロック7がそれぞれ独立してスライド自在に支持されている。搬送ブロック7は、図3に示すように、その上面にキャップ状の部品Wを嵌合させる凸部8を有しており、搬送ブロック7が水平方向に移動した時にその上の部品Wが位置ずれするのを防止している。この実施例の部品Wは、金属板から打ち抜かれると同時にプレス成形が行われたキャップ状部品であるが、その形状は任意である。したがって、搬送ブロック7上に設けられる部品Wを保持するための手段は、凸部8に限ることなく、例えば凹部、エアー吸引穴、磁石(部品が磁性体の場合)、機械的チャックなどであってもよい。搬送ブロック7の全体または少なくとも後面7aが磁性体で形成されている。そのため、図1に示すような始端位置において、搬送ブロック7は磁石5によってストッパブロック3及びストッパ部4に吸着保持されて停止している。つまり、磁石5は、搬送ブロック7を始端位置で保持しておく保持手段としての働きを有する。
【0024】
テーブル2上には、ストッパブロック3の背後に隣接してエアーシリンダなどの直動用シリンダ10が取付具11によって水平に固定されている。シリンダ10のピストン12にはプッシュブロック13が連結されている。プッシュブロック13は、全ての搬送ブロック7と接触しうる長さを持つ棒状または板状部材であり、搬送ブロック7を始端位置から終端位置へ移動させるべく、ストッパブロック3の上方を水平移動する。プッシュブロック13は搬送ブロック7の移動方向に対して直交する一列の押圧面14を持っており、その押圧面14には各搬送ブロック7と対応する位置に永久磁石15が内蔵されている。押圧面14は、部品Wの整列方向、つまりD2方向を向いている。なお、この実施例ではプッシュブロック13を直進往復駆動させる直動機構としてシリンダ10を使用したが、シリンダに代えてモータとボールネジ機構との組み合わせ、モータとクランク機構との組み合わせ、モータとカム機構の組み合わせのように任意の直動機構を用いることができる。
【0025】
ここで、上記構成よりなる部品整列装置1の作動について説明する。金型100のプレス後、金型100が開くと、個片の部品Wが金型100内に斜めに並ぶ第1の配列形状となる(図14参照)。部品整列装置1上に待機している吸引取出装置110は金型100内への進入、降下、吸引を行い、金型100内の斜めに並んだ部品Wをそのままの配列形状で各ノズルで吸着する。そして、再び上昇、後退して部品整列装置1上に戻る。次に、吸引取出装置110は下降し、吸引ノズルの吸引破壊をして部品Wを搬送ブロック7上に移し、上昇して待機位置に戻る。この状態が図1である。
【0026】
次に、シリンダ10を作動させてプッシュブロック13を前進させると、ストッパブロック3の磁石5によって始端位置で保持されている各搬送ブロック7の後面を押圧面14が押し、ストッパ部4から順次切り離しながら終端位置まで押す。すなわち、突出量の最も小さいストッパ部4に吸着されている搬送ブロック7から順に引き離しながら終端位置へと押す。終端位置においてプッシュブロック13を停止させると、図2に示すように、プッシュブロック13に内蔵された磁石15の吸着力により搬送ブロック7も同時に停止し、搬送ブロック7を押圧面14に沿って整列させることができる。つまり、搬送ブロック7上に載置された部品Wを移動方向Cに対して直交方向D2に一列に整列する第2の配列形状にすることができる。この実施例では、整列状態での部品Wの配列方向D2は吸引取出装置110の取出方向Fと同一方向であり、そのピッチP2はプレス成形機の金型100から取り出された時のピッチP1より狭い。
【0027】
終端位置では、各搬送ブロック7は磁石15によって押圧面14に吸着されているので、各搬送ブロック7の位置がばらつくことがない。整列状態の搬送ブロック7に載置された各部品Wは、図示しない取出装置により一括して搬送ブロック7から取り出され、次工程へ受け渡される。取出装置としては、吸引負圧を用いた取出装置のほか、いかなる手段を用いても良い。
【0028】
搬送ブロック7から部品Wが取り出された後、シリンダ10によりプッシュブロック13を後退させると、磁石15の吸着力により搬送ブロック7も一緒に始端位置へと後退する。プッシュブロック13が始端位置付近まで後退すると、一端側(図2の上端側)の搬送ブロック7がストッパブロック3の最も突出量の大きなストッパ部4に当接し、このストッパ部4に設けた磁石5によって吸着保持されるとともに、プッシュブロック13から離れる。プッシュブロック13が後退するに従い、順次搬送ブロック7が隣接するストッパ部4に当接し、プッシュブロック13から順次離れるため、最終的に図1の始端位置に戻る。その後、再び金型100から部品取出が行われる。
【0029】
上記のように複数の部品Wを同時に整列・搬送処理できるため、金型内から部品の取り出しをマルチにでき、1個ずつ金型から部品を取り出す場合より取出時間を1/部品数に短縮できる。また、1つの直動機構のみを使用し、1動作で複数の斜めに並んだ部品を整列しながら搬送することができるため、構成部品点数を減らすことができる。よって、設備価格の上昇と設備サイズの大型化を抑えることができる。さらに、部品を擦るような動きがないので、部品表面に傷や汚れを発生させる心配がない。
【0030】
図4は、図15のように金型100a内の第1の配列形状がジグザグに並ぶ場合における部品整列装置の例を示す。この場合には、ストッパ部4を一つおきに同じ突出量にして第1の配列形状(ジグザグ)に対応させれば、第1実施例と同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0031】
図5,図6は本発明にかかる部品整列装置の第2実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施例は、第1実施例の変形例であり、終端位置における各搬送ブロック7に対して始端位置方向に押し戻す戻り補助用プッシャ20を設け、プッシュブロック13が高速で移動しても常にプッシュブロック13と各搬送ブロック7とを接触状態で保持できるようにしている。第1実施例の場合、プッシュブロック13を高速で往復移動させると、搬送ブロック7とリニアガイド6との摺動抵抗又は搬送ブロック7自体の慣性により、搬送ブロック7がプッシュブロック13に内蔵された磁石15から離れる可能性があるが、上記戻り補助用プッシャ20はこのような懸念を解消するものである。この実施例のプッシャ20は、終端位置に設けられた固定壁21と、固定壁21に摺動自在に挿通されかつ鍔部22aにより抜け止めされたプッシュロッド22と、プッシュロッド22を始端方向に付勢する圧縮スプリング23とを備えている。スプリング23のばね力はプッシュブロック13の駆動力より弱い。各搬送ブロック7がプッシュブロック13によって終端位置まで押された時、各搬送ブロック7はプッシュロッド22に接触し、スプリング23によって搬送ブロック7はプッシュブロック13に押しつけられる。
【0032】
この実施例では、戻り補助用プッシャ20のスプリング23によって搬送ブロック7が始端位置方向に付勢されるので、例えばプッシュブロック13が始端位置から終端位置へ高速で移動し、終端位置で急停止した場合でも、それ以前にプッシャ20が搬送ブロック7に接触するため、搬送ブロック7がプッシュブロック13から離れるのを防止できる。また、プッシュブロック13が終端位置から始端位置へ急速に後退した時も、プッシャ20が搬送ブロック7をプッシュブロック13に押しつけているので、搬送ブロック7がプッシュブロック13から離れるのを防止できる。このようにプッシュブロック13が高速で往復移動した場合でも、搬送ブロック7をプッシュブロック13の磁石15に常に吸着させておくことができ、搬送スピードを上げることができる。
【実施例3】
【0033】
図7,図8は本発明にかかる部品整列装置の第3実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。第1実施例では、搬送ブロック7を磁性体で形成し、ストッパ部4およびプッシュブロック13にそれぞれ磁石を設けたが、この第3実施例では、搬送ブロック7の後部に磁石9を内蔵し、ストッパ部4およびプッシュブロック13を磁性体で形成したものである。第3実施例の作動は第1実施例と同様であるが、第1実施例に比べてストッパ部4およびプッシュブロック13の構造を簡素化でき、磁石9の個数を減らすことができるので、構造をより安価にできる。この実施例の場合も、終端位置に第2実施例のような戻り補助用プッシャを設けても良い。
【実施例4】
【0034】
図9,図10は本発明にかかる部品整列装置の第4実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施例では、ストッパ部4に各搬送ブロック7を保持させる保持手段として、及びプッシュブロック13の後退に連動して搬送ブロック7を始端位置へ後退させる後退手段として、プッシャ30を用いている。プッシャ30は、終端位置に設けられた固定壁31と、固定壁31に固定された複数のバネ用ガイド32と、各ガイド32に挿通された圧縮スプリング33とを備えている。ガイド32はリニアガイド6と平行に伸びており、各搬送ブロック7にはガイド32を非接触又は摺動自在に挿通するための貫通穴または溝が形成されている。圧縮スプリング33は、終端位置だけでなく始端位置においても、搬送ブロック7を始端位置方向に付勢できるばね長を有している。各スプリング33のばね係数を、終端位置において各搬送ブロック7をほぼ均等のばね力でプッシュブロック13に押しつけるように設定すれば、プッシュブロック13に加わる反力を幅方向に略均一にできるので、プッシュブロック13の傾きを抑制できる。
【実施例5】
【0035】
図11,図12は本発明にかかる部品整列装置の第5実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。第4実施例では圧縮スプリングを使用したが、この実施例では引張スプリング40〜43を使用している。スプリング40〜43の一端は固定部44に連結され、他端が各搬送ブロック7に連結されている。引張スプリング40〜43のばね力により、終端位置だけでなく始端位置においても、搬送ブロック7は始端位置方向に付勢されている。そのため、始端位置においては、搬送ブロック7はストッパ部4に接触した状態で保持され、終端位置ではプッシュブロック13に接触した状態で保持される。この場合も、各スプリング40〜43のばね係数を、終端位置において各搬送ブロック7をほぼ均等のばね力でプッシュブロック13に押しつけるように設定すれば、プッシュブロック13の傾きを抑制できる。なお、引張スプリング40〜43の配置位置は図示のような搬送ブロック7より下部に限らず、搬送ブロック7より上部に配置してもよく、さらにはストッパブロック3を貫通するように配置してもよく、任意に選択できる。
【0036】
上記実施例では、プレス成形機の金型で千鳥状配列でプレスされた部品を取り出す例について説明したが、本発明の部品整列装置は上記のような用途に限るものではなく、複数の部品を異なる方向、異なるピッチに整列・搬送するあらゆる場合に適用できる。上記実施例では、吸引取出装置の取出方向Fと搬送ブロックの搬送方向Cとが直交方向である例を示したが、両方向F,Cが同一方向であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る部品整列装置の第1実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図2】図1に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図3】図1に示す部品整列装置の搬送ブロックと部品との斜視図である。
【図4】図1に示す部品整列装置の変形例の始端位置における平面図である。
【図5】本発明に係る部品整列装置の第2実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図6】図5に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図7】本発明に係る部品整列装置の第3実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図8】図7に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図9】本発明に係る部品整列装置の第4実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図10】図9に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図11】本発明に係る部品整列装置の第5実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図12】図11に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図13】成形機の金型から部品を取り出す様子を示す側面図である。
【図14】成形機の金型内の様子を示す平面図である。
【図15】図14の変形例の平面図である。
【図16】個別に取り出された部品を整列させる従来の方法を示す断面図である。
【図17】一括して取り出された部品を整列させる従来の方法を示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 部品整列装置
2 テーブル
3 ストッパブロック
4 ストッパ部
5 磁石
6 リニアガイド
7 搬送ブロック
9 磁石
10 シリンダ(直動機構)
13 プッシュブロック
14 押圧面
15 磁石
20 戻り補助用プッシャ
30 プッシャ
100,100a プレス成形機の金型
110 吸引取出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は部品を所望のピッチで一列に整列させることができる部品整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1枚の金属板から多数の部品(例えば金属キャップ)をプレス成形する場合、材料の歩留りを向上させるために、千鳥状配置のレイアウトとすることが一般に行われている。この場合、プレス後の部品は金型内にばら状態で残るため、これら部品を金型から取り出し、次工程(例えば洗浄,組立,梱包など)に搬送して取り扱う場合、千鳥配置に対応した機構が必要になり、次工程での取り扱い難度が上がるという欠点がある。
【0003】
図13,図14はプレス成形機の金型100と部品を取り出すための吸引取出装置110とを示す。図14に示すように、材料となる金属板120がプレス成形機の金型100へ一定ピッチずつ送り込まれ、破線で示すように斜め方向に一列ずつ並ぶ配列形状で打ち抜きプレスされる。打ち抜きプレスを繰り返すことにより、金属板120には全体として千鳥状のブランク121が形成される。吸引取出装置110には、各部品Wの位置に応じて複数の吸引ノズル111が斜め方向D1に配列されている。
【0004】
また、図15に示すように、プレス成形機の金型100a内で、打ち抜きプレスの配列形状を、斜め方向に一列ではなくジグザグに配列するようにし、吸引取出装置110aには、各部品Wの位置に応じて複数の吸引ノズル111がジグザグに配列されることもある。
【0005】
上記のように金型100,100a内から複数の部品W(図14,図15に破線で示す)を吸引取出装置110,110aで取り出し、次工程へ搬送する場合、金型100,100aの四隅部にはガイドポスト102が立っているため、吸引取出装置110,110aは材料進行方向又はそれと直交方向のいずれかの方向から挿入する必要があり、部品Wを斜めの状態もしくはジグザグの状態でしか取り出せない。図14,図15では、吸引取出装置110,110aの取出方向Fが材料進行方向Sに対して直交方向の例を示している。このような斜めもしくはジグザグの状態に配列された部品Wを、次工程での部品の取り扱いを簡単にするために、横一列又は縦一列に整列することが望ましい。
【0006】
整列方法として、図16のように、金型100内に斜め状態に配列されている部品Wを吸引取出装置112で1個ずつ取り出し、コンベア130の上に載せて整列させる方法がある。しかし、この方法では部品Wを1個ずつ取り出すために時間がかかり、コスト上昇を招く結果となる。
【0007】
図17のように、金型100内に斜め状態に配列されている部品Wを一括して吸引取出装置110で取り出し、これら部品Wをコンベア140上に載せ、案内レール141に沿って部品Wを摺動させることにより、案内レール141の終端のストッパ142に当てて整列させる方法がある。この方法では、複数の部品Wを同時に取り出すことが可能であるが、部品Wが案内レール141やストッパ142に当たり、擦れ傷などができる可能性がある。また、部品Wが案内レール141の途中で停止してスムーズに流れないことがあり、ストッパ142で部品Wを確実に整列させることができない場合がある。これは、図15のように部品Wがジグザグの状態に配列された場合も、同様である。
【0008】
特許文献1には、モータで駆動されるステンレスベルトによりICを搬送し、センサが搬送中のICの通過を検出すると、制御回路が吸着ユニットの互いに所定のピッチで配列された複数の吸着ノズルを制御して、ステンレスベルト上のICを吸着保持する部品整列装置が提案されている。この場合は、ステンレスベルト上のICを検出するセンサが必要であり、吸着ノズルも個々に動作する必要があるため、構造が複雑であり、成形装置からばら状態の部品を取り出して整列させる作業には適していない。
【0009】
特許文献2には、搬送コンベア上にランダムに載って搬送される部品を幅方向に一列に並んだ状態で整列させる装置が提案されている。すなわち、搬送コンベア上を1個ずつ搬送されてくる部品を、第1,第2の振り分け手段を用いて搬送コンベアの幅方向に強制的に押し滑らせることによって、振り分け、最終的に部品を横一列(コンベア幅方向に一列)に並べるものである。しかし、この方法では、部品に第1,第2の振り分け手段による強制力が作用し、コンベアとの間で摺接するため、傷や汚れを嫌う精密部品の整列装置としては望ましくない。
【特許文献1】特開平7−86376号公報
【特許文献2】特開平6−247535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、所定の方向でかつ所定のピッチで配列された部品を異なる方向でかつ異なるピッチで整列させることができる部品整列装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を、一列に並ぶ第2の配列形状でかつ第1のピッチと異なる第2のピッチP2に変更して整列させる部品整列装置において、上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を個別に載置し、始端位置と終端位置との間を第2の配列形状の方向と直交する方向に独立して移動可能な複数の搬送ブロックと、始端位置に設けられ、上記各搬送ブロックを上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された各部品に対応した位置で仮保持するストッパ手段と、上記第2の配列形状の方向を向く押圧面を持ち、上記ストッパ手段によって始端位置で仮保持された複数の搬送ブロックを上記押圧面によって一括して終端位置まで押し、終端位置において上記搬送ブロックを第2の配列形状の方向に整列させるプッシュブロックと、上記プッシュブロックを始端位置と終端位置との間で直進往復駆動させる直動機構と、上記プッシュブロックの後退に連動して上記搬送ブロックを始端位置へ後退させる後退手段と、を備えたことを特徴とする部品整列装置を提供する。
【0012】
本発明では、例えば千鳥状配列で成形されたばら状態のプレス成形品のように、所定の配列形状でかつ所定のピッチP1で配列された複数の部品を、複数の吸引ノズルを持つ吸引取出装置によってそのままの姿勢で一括して取り出す。部品の配列形状は、吸引取出装置の取出方向に対して斜めやジグザグであり、吸引ノズルは所定の配列形状と同じに配列されている。吸引取出装置の取出方向は第2の方向D2と同一方向でもよいし、これと直交する方向でもよい。吸引取出装置で取り出された部品は、各搬送ブロックの上に1個ずつ載せられる。搬送ブロックは、始端位置において、ストッパ手段によって予め吸引取出装置により取り出された各部品に対応した位置、つまり吸引取出装置の各吸引ノズルと対応した位置に仮保持されている。このように各搬送ブロックは始端位置においてストッパ手段によって各部品と対応した位置に仮保持されているので、吸引取出装置の各吸引ノズルと正確に位置を合わせることができ、吸引取出装置から部品を搬送ブロック上に正確に移載できる。
【0013】
部品を1個ずつ載置した各搬送ブロックは、プッシュブロックによって押され、終端位置まで一括して押される。搬送ブロックの移動方向は一列に並ぶ第2の配列形状の方向と直交しており、プッシュブロックの押圧面は第2の配列形状の方向に設定されている。終端位置に到達した時点で、各搬送ブロックは押圧面の方向に応じて一列に整列させられる。つまり、搬送ブロック上の部品も第2の配列形状の方向に整列される。例えば、搬送ブロックの移動方向が吸引取出装置の取出方向と直交方向である場合、押圧面を吸引取出装置の取出方向と平行な面とすればよい。この場合には、終端位置に到達した時点で、各搬送ブロックはその移動方向に対して直交方向(吸引取出装置の取出方向と平行)に一列に整列させられる。この場合には、整列状態の部品のピッチP2は、吸引取出装置で取り出された部品のピッチP1より狭くなる。終端位置において、搬送ブロックから部品が取り出された後、プッシュブロックは後退し、これに連動して搬送ブロックも後退し、始端位置へ戻る。プッシュブロックを往復駆動させる直動機構としては、エアーシリンダや油圧シリンダなどの流体圧シリンダのほか、モータとボールネジとを併用した機構など、いかなる機構を用いてもよい。搬送ブロックの移動方向は吸引取出装置の取出方向に対して直交方向としてもよいし、平行な方向でもよい。
【0014】
好ましい実施の形態によれば、搬送ブロックを始端位置と終端位置との間で移動自在にガイドするガイド手段と、ストッパ手段に設けられ、各搬送ブロックが第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で並ぶように、各搬送ブロックと当接する段差状のストッパ部と、各搬送ブロックおよびストッパ手段の一方に設けられた磁性体部と、各搬送ブロックおよびストッパ手段の他方に設けられ、磁性体部を吸着して搬送ブロックをストッパ部に当接保持する磁石と、を備えた構造としてもよい。この場合には、搬送ブロックを磁石の吸着力によってストッパ部に吸着保持できるので、始端位置における搬送ブロックの位置が安定するとともに、搬送ブロックを仮保持しておくために格別の駆動源を必要としないので、構造を簡素化できる。
【0015】
好ましい実施の形態によれば、各搬送ブロックおよびプッシュブロックの一方に設けられた磁性体部と、各搬送ブロックおよびプッシュブロックの他方に設けられ、磁性体部を吸着保持する後退手段としての磁石と、を備えたものとしてもよい。この場合には、搬送ブロックとプッシュブロックとの間に働く磁石の吸着力を利用して、プッシュブロックの後退に連動して搬送ブロックを後退させることができる。そのため、搬送ブロックを後退させるための格別の駆動源を必要とせず、構造を簡素化できる。特に、仮保持手段として磁石を使用し、かつ後退手段として磁石を使用した場合には、プッシュブロックを往復駆動させる1つの直動機構のみで整列・搬送が可能になるので、構造が一層簡素となり、コンパクトで低価格な整列装置を実現できる。
【0016】
好ましい実施の形態によれば、ストッパ部およびプッシュブロックを磁性体で形成し、各搬送ブロックに各搬送ブロックをストッパ部およびプッシュブロックに吸着保持させる磁石を設けてもよい。例えば、仮保持手段としてストッパ部に磁石を設け、後退手段としてプッシュブロックに磁石を設けた場合には、多数の磁石を必要とする。これに対し、搬送ブロックに磁石を設けた場合には、この磁石が搬送ブロックをストッパ部に保持するための保持手段としての機能と、搬送ブロックをプッシュブロックに連動して後退させるための後退手段としての機能を兼ねるので、磁石の個数を半分に減らすことができ、構造を簡素にできる。
【0017】
好ましい実施の形態によれば、終端位置に、プッシュブロックの駆動力より弱いばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に押し返す戻り補助用プッシャを設けてもよい。プッシュブロックが後退するとき、それに連動して搬送ブロックを後退させる必要があるが、プッシュブロックを高速で前進・後退させると、摺動抵抗や慣性により搬送ブロックとプッシュブロックとが最も離れ易くなる。そこで、終端位置に搬送ブロックを始端位置方向に押し返す戻り補助用プッシャを設けると、プッシュブロックの後退時に搬送ブロックを確実に追従させることができるので、搬送スピードを上げることができ、前進時は搬送ブロックのプッシュブロックからの離脱を防止することができる。
【0018】
なお、搬送ブロックをストッパ手段に仮保持する手段としては上記のような磁石を用いる方法に代えてスプリングを用いてもよく、後退手段としても磁石に代えてスプリングを用いることもできる。磁石やスプリングは格別の駆動源を必要としないので、構造を簡素化できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、斜めもしくはジグザグに配列された部品を各搬送ブロックの上に1個ずつ載せた後、搬送ブロックをプッシュブロックによって押して搬送ブロックの移動方向に対して直交方向に一列に整列させるようにしたので、所定の方向でかつ所定ピッチで取り出された部品を異なる方向でかつ異なるピッチに整列させることができる。そのため、次工程での部品の取り扱いを簡単にすることができる。また、部品を擦るような動作がないので、部品表面に傷を付けることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜図3は本発明にかかる部品整列装置の第1実施例を示し、図1の(a)は始端位置における平面図、(b)はその側面図であり、図2の(a)は終端位置における平面図、(b)はその側面図である。また、図3は部品整列装置の搬送ブロックと部品との斜視図である。
【0022】
本部品整列装置1は、プレス成形機の金型100の側部に隣接するテーブル2上に配置されている。図1にはプレス成形機の金型100の一部と、金型100から部品Wを取り出すための吸引取出装置110とが示されている。この吸引取出装置110は図14と同様に、その取出方向Fに対して斜め方向D1に配列された複数の吸引ノズルを備えている。テーブル2上には、搬送方向Cに対して突出量の異なる階段状の複数(ここでは4つ)のストッパ部4を持つストッパブロック3が固定されており、各ストッパ部4の先端部にはそれぞれ永久磁石5が内蔵されている。階段状のストッパ部4の向きD1とピッチP1がブランクレイアウトの向きとピッチに対応している。つまり、各ストッパ部4が後述する各搬送ブロック7の始端位置に対応している。
【0023】
テーブル2上には、吸引取出装置110の取出方向Fと直交方向(搬送方向C)に伸びる複数本(ここでは4本)のリニアガイド6が設けられており、各リニアガイド6の上に搬送ブロック7がそれぞれ独立してスライド自在に支持されている。搬送ブロック7は、図3に示すように、その上面にキャップ状の部品Wを嵌合させる凸部8を有しており、搬送ブロック7が水平方向に移動した時にその上の部品Wが位置ずれするのを防止している。この実施例の部品Wは、金属板から打ち抜かれると同時にプレス成形が行われたキャップ状部品であるが、その形状は任意である。したがって、搬送ブロック7上に設けられる部品Wを保持するための手段は、凸部8に限ることなく、例えば凹部、エアー吸引穴、磁石(部品が磁性体の場合)、機械的チャックなどであってもよい。搬送ブロック7の全体または少なくとも後面7aが磁性体で形成されている。そのため、図1に示すような始端位置において、搬送ブロック7は磁石5によってストッパブロック3及びストッパ部4に吸着保持されて停止している。つまり、磁石5は、搬送ブロック7を始端位置で保持しておく保持手段としての働きを有する。
【0024】
テーブル2上には、ストッパブロック3の背後に隣接してエアーシリンダなどの直動用シリンダ10が取付具11によって水平に固定されている。シリンダ10のピストン12にはプッシュブロック13が連結されている。プッシュブロック13は、全ての搬送ブロック7と接触しうる長さを持つ棒状または板状部材であり、搬送ブロック7を始端位置から終端位置へ移動させるべく、ストッパブロック3の上方を水平移動する。プッシュブロック13は搬送ブロック7の移動方向に対して直交する一列の押圧面14を持っており、その押圧面14には各搬送ブロック7と対応する位置に永久磁石15が内蔵されている。押圧面14は、部品Wの整列方向、つまりD2方向を向いている。なお、この実施例ではプッシュブロック13を直進往復駆動させる直動機構としてシリンダ10を使用したが、シリンダに代えてモータとボールネジ機構との組み合わせ、モータとクランク機構との組み合わせ、モータとカム機構の組み合わせのように任意の直動機構を用いることができる。
【0025】
ここで、上記構成よりなる部品整列装置1の作動について説明する。金型100のプレス後、金型100が開くと、個片の部品Wが金型100内に斜めに並ぶ第1の配列形状となる(図14参照)。部品整列装置1上に待機している吸引取出装置110は金型100内への進入、降下、吸引を行い、金型100内の斜めに並んだ部品Wをそのままの配列形状で各ノズルで吸着する。そして、再び上昇、後退して部品整列装置1上に戻る。次に、吸引取出装置110は下降し、吸引ノズルの吸引破壊をして部品Wを搬送ブロック7上に移し、上昇して待機位置に戻る。この状態が図1である。
【0026】
次に、シリンダ10を作動させてプッシュブロック13を前進させると、ストッパブロック3の磁石5によって始端位置で保持されている各搬送ブロック7の後面を押圧面14が押し、ストッパ部4から順次切り離しながら終端位置まで押す。すなわち、突出量の最も小さいストッパ部4に吸着されている搬送ブロック7から順に引き離しながら終端位置へと押す。終端位置においてプッシュブロック13を停止させると、図2に示すように、プッシュブロック13に内蔵された磁石15の吸着力により搬送ブロック7も同時に停止し、搬送ブロック7を押圧面14に沿って整列させることができる。つまり、搬送ブロック7上に載置された部品Wを移動方向Cに対して直交方向D2に一列に整列する第2の配列形状にすることができる。この実施例では、整列状態での部品Wの配列方向D2は吸引取出装置110の取出方向Fと同一方向であり、そのピッチP2はプレス成形機の金型100から取り出された時のピッチP1より狭い。
【0027】
終端位置では、各搬送ブロック7は磁石15によって押圧面14に吸着されているので、各搬送ブロック7の位置がばらつくことがない。整列状態の搬送ブロック7に載置された各部品Wは、図示しない取出装置により一括して搬送ブロック7から取り出され、次工程へ受け渡される。取出装置としては、吸引負圧を用いた取出装置のほか、いかなる手段を用いても良い。
【0028】
搬送ブロック7から部品Wが取り出された後、シリンダ10によりプッシュブロック13を後退させると、磁石15の吸着力により搬送ブロック7も一緒に始端位置へと後退する。プッシュブロック13が始端位置付近まで後退すると、一端側(図2の上端側)の搬送ブロック7がストッパブロック3の最も突出量の大きなストッパ部4に当接し、このストッパ部4に設けた磁石5によって吸着保持されるとともに、プッシュブロック13から離れる。プッシュブロック13が後退するに従い、順次搬送ブロック7が隣接するストッパ部4に当接し、プッシュブロック13から順次離れるため、最終的に図1の始端位置に戻る。その後、再び金型100から部品取出が行われる。
【0029】
上記のように複数の部品Wを同時に整列・搬送処理できるため、金型内から部品の取り出しをマルチにでき、1個ずつ金型から部品を取り出す場合より取出時間を1/部品数に短縮できる。また、1つの直動機構のみを使用し、1動作で複数の斜めに並んだ部品を整列しながら搬送することができるため、構成部品点数を減らすことができる。よって、設備価格の上昇と設備サイズの大型化を抑えることができる。さらに、部品を擦るような動きがないので、部品表面に傷や汚れを発生させる心配がない。
【0030】
図4は、図15のように金型100a内の第1の配列形状がジグザグに並ぶ場合における部品整列装置の例を示す。この場合には、ストッパ部4を一つおきに同じ突出量にして第1の配列形状(ジグザグ)に対応させれば、第1実施例と同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0031】
図5,図6は本発明にかかる部品整列装置の第2実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施例は、第1実施例の変形例であり、終端位置における各搬送ブロック7に対して始端位置方向に押し戻す戻り補助用プッシャ20を設け、プッシュブロック13が高速で移動しても常にプッシュブロック13と各搬送ブロック7とを接触状態で保持できるようにしている。第1実施例の場合、プッシュブロック13を高速で往復移動させると、搬送ブロック7とリニアガイド6との摺動抵抗又は搬送ブロック7自体の慣性により、搬送ブロック7がプッシュブロック13に内蔵された磁石15から離れる可能性があるが、上記戻り補助用プッシャ20はこのような懸念を解消するものである。この実施例のプッシャ20は、終端位置に設けられた固定壁21と、固定壁21に摺動自在に挿通されかつ鍔部22aにより抜け止めされたプッシュロッド22と、プッシュロッド22を始端方向に付勢する圧縮スプリング23とを備えている。スプリング23のばね力はプッシュブロック13の駆動力より弱い。各搬送ブロック7がプッシュブロック13によって終端位置まで押された時、各搬送ブロック7はプッシュロッド22に接触し、スプリング23によって搬送ブロック7はプッシュブロック13に押しつけられる。
【0032】
この実施例では、戻り補助用プッシャ20のスプリング23によって搬送ブロック7が始端位置方向に付勢されるので、例えばプッシュブロック13が始端位置から終端位置へ高速で移動し、終端位置で急停止した場合でも、それ以前にプッシャ20が搬送ブロック7に接触するため、搬送ブロック7がプッシュブロック13から離れるのを防止できる。また、プッシュブロック13が終端位置から始端位置へ急速に後退した時も、プッシャ20が搬送ブロック7をプッシュブロック13に押しつけているので、搬送ブロック7がプッシュブロック13から離れるのを防止できる。このようにプッシュブロック13が高速で往復移動した場合でも、搬送ブロック7をプッシュブロック13の磁石15に常に吸着させておくことができ、搬送スピードを上げることができる。
【実施例3】
【0033】
図7,図8は本発明にかかる部品整列装置の第3実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。第1実施例では、搬送ブロック7を磁性体で形成し、ストッパ部4およびプッシュブロック13にそれぞれ磁石を設けたが、この第3実施例では、搬送ブロック7の後部に磁石9を内蔵し、ストッパ部4およびプッシュブロック13を磁性体で形成したものである。第3実施例の作動は第1実施例と同様であるが、第1実施例に比べてストッパ部4およびプッシュブロック13の構造を簡素化でき、磁石9の個数を減らすことができるので、構造をより安価にできる。この実施例の場合も、終端位置に第2実施例のような戻り補助用プッシャを設けても良い。
【実施例4】
【0034】
図9,図10は本発明にかかる部品整列装置の第4実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施例では、ストッパ部4に各搬送ブロック7を保持させる保持手段として、及びプッシュブロック13の後退に連動して搬送ブロック7を始端位置へ後退させる後退手段として、プッシャ30を用いている。プッシャ30は、終端位置に設けられた固定壁31と、固定壁31に固定された複数のバネ用ガイド32と、各ガイド32に挿通された圧縮スプリング33とを備えている。ガイド32はリニアガイド6と平行に伸びており、各搬送ブロック7にはガイド32を非接触又は摺動自在に挿通するための貫通穴または溝が形成されている。圧縮スプリング33は、終端位置だけでなく始端位置においても、搬送ブロック7を始端位置方向に付勢できるばね長を有している。各スプリング33のばね係数を、終端位置において各搬送ブロック7をほぼ均等のばね力でプッシュブロック13に押しつけるように設定すれば、プッシュブロック13に加わる反力を幅方向に略均一にできるので、プッシュブロック13の傾きを抑制できる。
【実施例5】
【0035】
図11,図12は本発明にかかる部品整列装置の第5実施例を示し、第1実施例と共通する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。第4実施例では圧縮スプリングを使用したが、この実施例では引張スプリング40〜43を使用している。スプリング40〜43の一端は固定部44に連結され、他端が各搬送ブロック7に連結されている。引張スプリング40〜43のばね力により、終端位置だけでなく始端位置においても、搬送ブロック7は始端位置方向に付勢されている。そのため、始端位置においては、搬送ブロック7はストッパ部4に接触した状態で保持され、終端位置ではプッシュブロック13に接触した状態で保持される。この場合も、各スプリング40〜43のばね係数を、終端位置において各搬送ブロック7をほぼ均等のばね力でプッシュブロック13に押しつけるように設定すれば、プッシュブロック13の傾きを抑制できる。なお、引張スプリング40〜43の配置位置は図示のような搬送ブロック7より下部に限らず、搬送ブロック7より上部に配置してもよく、さらにはストッパブロック3を貫通するように配置してもよく、任意に選択できる。
【0036】
上記実施例では、プレス成形機の金型で千鳥状配列でプレスされた部品を取り出す例について説明したが、本発明の部品整列装置は上記のような用途に限るものではなく、複数の部品を異なる方向、異なるピッチに整列・搬送するあらゆる場合に適用できる。上記実施例では、吸引取出装置の取出方向Fと搬送ブロックの搬送方向Cとが直交方向である例を示したが、両方向F,Cが同一方向であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る部品整列装置の第1実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図2】図1に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図3】図1に示す部品整列装置の搬送ブロックと部品との斜視図である。
【図4】図1に示す部品整列装置の変形例の始端位置における平面図である。
【図5】本発明に係る部品整列装置の第2実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図6】図5に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図7】本発明に係る部品整列装置の第3実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図8】図7に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図9】本発明に係る部品整列装置の第4実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図10】図9に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図11】本発明に係る部品整列装置の第5実施例の始端位置における平面図および側面図である。
【図12】図11に示す部品整列装置の終端位置における平面図および側面図である。
【図13】成形機の金型から部品を取り出す様子を示す側面図である。
【図14】成形機の金型内の様子を示す平面図である。
【図15】図14の変形例の平面図である。
【図16】個別に取り出された部品を整列させる従来の方法を示す断面図である。
【図17】一括して取り出された部品を整列させる従来の方法を示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 部品整列装置
2 テーブル
3 ストッパブロック
4 ストッパ部
5 磁石
6 リニアガイド
7 搬送ブロック
9 磁石
10 シリンダ(直動機構)
13 プッシュブロック
14 押圧面
15 磁石
20 戻り補助用プッシャ
30 プッシャ
100,100a プレス成形機の金型
110 吸引取出装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を、一列に並ぶ第2の配列形状でかつ第1のピッチと異なる第2のピッチP2に変更して整列させる部品整列装置において、
上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を個別に載置し、始端位置と終端位置との間を第2の配列形状の方向と直交する方向に独立して移動可能な複数の搬送ブロックと、
始端位置に設けられ、上記各搬送ブロックを上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された各部品に対応した位置で仮保持するストッパ手段と、
上記第2の配列形状の方向を向く押圧面を持ち、上記ストッパ手段によって始端位置で仮保持された複数の搬送ブロックを上記押圧面によって一括して終端位置まで押し、終端位置において上記搬送ブロックを第2の配列形状の方向に整列させるプッシュブロックと、
上記プッシュブロックを始端位置と終端位置との間で直進往復駆動させる直動機構と、
上記プッシュブロックの後退に連動して上記搬送ブロックを始端位置へ後退させる後退手段と、
を備えたことを特徴とする部品整列装置。
【請求項2】
上記搬送ブロックを始端位置と終端位置との間で移動自在にガイドするガイド手段と、
上記ストッパ手段に設けられ、上記各搬送ブロックが上記第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で並ぶように、各搬送ブロックと当接する段差状のストッパ部と、
上記各搬送ブロックおよび上記ストッパ手段の一方に設けられた磁性体部と、
上記各搬送ブロックおよび上記ストッパ手段の他方に設けられ、上記磁性体部を吸着して上記搬送ブロックをストッパ部に当接保持する磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項3】
上記各搬送ブロックおよび上記プッシュブロックの一方に設けられた磁性体部と、
上記各搬送ブロックおよび上記プッシュブロックの他方に設けられ、上記磁性体部を吸着保持する上記後退手段としての磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の部品整列装置。
【請求項4】
上記ストッパ部およびプッシュブロックを磁性体で形成し、上記各搬送ブロックに各搬送ブロックを上記ストッパ部およびプッシュブロックに吸着保持させる磁石が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の部品整列装置。
【請求項5】
上記終端位置に、上記プッシュブロックの駆動力より弱いばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に押し返す戻り補助用プッシャが設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の部品整列装置。
【請求項6】
上記終端位置と上記搬送ブロックとの間に、プッシュブロックの駆動力より弱いばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に押し戻す圧縮スプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項7】
上記終端位置と上記搬送ブロックとの間に、プッシュブロックの駆動力より弱い引張りばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に引き戻す引張スプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項1】
第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を、一列に並ぶ第2の配列形状でかつ第1のピッチと異なる第2のピッチP2に変更して整列させる部品整列装置において、
上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された複数の部品を個別に載置し、始端位置と終端位置との間を第2の配列形状の方向と直交する方向に独立して移動可能な複数の搬送ブロックと、
始端位置に設けられ、上記各搬送ブロックを上記第一の配列形状でかつ第1のピッチP1で配列された各部品に対応した位置で仮保持するストッパ手段と、
上記第2の配列形状の方向を向く押圧面を持ち、上記ストッパ手段によって始端位置で仮保持された複数の搬送ブロックを上記押圧面によって一括して終端位置まで押し、終端位置において上記搬送ブロックを第2の配列形状の方向に整列させるプッシュブロックと、
上記プッシュブロックを始端位置と終端位置との間で直進往復駆動させる直動機構と、
上記プッシュブロックの後退に連動して上記搬送ブロックを始端位置へ後退させる後退手段と、
を備えたことを特徴とする部品整列装置。
【請求項2】
上記搬送ブロックを始端位置と終端位置との間で移動自在にガイドするガイド手段と、
上記ストッパ手段に設けられ、上記各搬送ブロックが上記第1の配列形状でかつ第1のピッチP1で並ぶように、各搬送ブロックと当接する段差状のストッパ部と、
上記各搬送ブロックおよび上記ストッパ手段の一方に設けられた磁性体部と、
上記各搬送ブロックおよび上記ストッパ手段の他方に設けられ、上記磁性体部を吸着して上記搬送ブロックをストッパ部に当接保持する磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項3】
上記各搬送ブロックおよび上記プッシュブロックの一方に設けられた磁性体部と、
上記各搬送ブロックおよび上記プッシュブロックの他方に設けられ、上記磁性体部を吸着保持する上記後退手段としての磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の部品整列装置。
【請求項4】
上記ストッパ部およびプッシュブロックを磁性体で形成し、上記各搬送ブロックに各搬送ブロックを上記ストッパ部およびプッシュブロックに吸着保持させる磁石が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の部品整列装置。
【請求項5】
上記終端位置に、上記プッシュブロックの駆動力より弱いばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に押し返す戻り補助用プッシャが設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の部品整列装置。
【請求項6】
上記終端位置と上記搬送ブロックとの間に、プッシュブロックの駆動力より弱いばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に押し戻す圧縮スプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項7】
上記終端位置と上記搬送ブロックとの間に、プッシュブロックの駆動力より弱い引張りばね力を有し、各搬送ブロックを始端位置方向に引き戻す引張スプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図6】
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【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−40559(P2009−40559A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208112(P2007−208112)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
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