説明

部品選別装置

【課題】選別された部品を落下させずに、部品選別部に再度供給できる部品選別装置を提供する。
【解決手段】部品選別装置は、中心軸に対して第1の所定角度を成して延在するフランジ部が形成された皿ボウルと、皿ボウルの小径部を被覆する回転板と、皿ボウルの内壁に近接して螺旋状に配設された部品移送レールと、皿ボウルおよび回転板を部品移送レールの螺旋上昇方向に回転駆動させる回転駆動部と、フランジ部の外周に近接して配設された外周シュータと、外周シュータが近接して配設されている部分を除く外周に配設された周壁と、外周シュータの出口に連続すると共にフランジ部に近接されて配設された部品選別部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を受容する容器内に無作為に投入された多数の部品を、それぞれの寸法、形状、および姿勢を条件として選別し、所望の条件を満たす部品のみを供給する部品選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図9および図10に、従来用いられている部品選別装置の一例(特許文献1)を示す。部品選別装置1cは、皿ボウル2、回転板3、部品移送レール5、部品搬送レール7、シャフト9、モータ6および部品選別部10を含む。皿ボウル2は、中心軸A2(不図示)に関して概ね回転対象な円錐管部2sと底部2bを含む中空な円錐台状に形成されている。円錐管部2sは中心軸A2に対して所定の傾斜角を成し、底部2bは円錐管部2sの小径端部から中心軸A2に向かう求心方向に延在している。
【0003】
円錐管部2sは、その小径端部が底部2bによって概ね閉ざれ、その大径端部が開口されて、いわゆる深皿状の皿ボウル2を形成している。底部2bと円錐管部2sの内壁とによって囲まれる空間を皿ボウル2の内部と呼ぶ。円錐管部2sの大径端部からは中心軸A2に対して概ね垂直な遠心方向に所定の長さで延在するフランジ部2aが設けられている。
【0004】
円錐管部2sの内壁には、複数のキー2kが所定の間隔で設けられている。キー2kは帯状に形成されており、皿ボウル2の小径端部(底部2b近傍)と大径端部(フランジ部2a近傍)との間に延在して配設されている。
【0005】
回転板3は、中心軸A3(不図示)に関して概ね回転対称な中空の円錐状に形成されて、その開放端部が皿ボウル2の底部2bを覆うように、頂点を皿ボウル2の大径部側に向けた状態で皿ボウル2の内部に載置されている。皿ボウル2と回転板3とは、中心軸A9(不図示)に関して回転対象に形成されたシャフト9によって、中心軸A2、A3、およびA9のそれぞれが軸Acと重なるようにして互いに固定されている。シャフト9は、モータ6によって軸Acに関して回転駆動される。つまり、軸Acは皿ボウル2、回転板3、およびシャフト9の回転の中心であり、それらの回転軸であるとともに中心軸である。なお、図9においては、視認性を考慮して、回転軸Acのみが図示されている。モータ6によって、皿ボウル2(含むフランジ部2aおよびキー2k)および回転板3はシャフト9と一体的に回転する。
【0006】
皿ボウル2の内部には、円錐管部2sの内壁の曲面に沿うように、螺旋状に形成された部品移送レール5が配設されている。部品移送レール5は、その小径端部および大径端部がそれぞれ回転板3の外周部および皿ボウル2のフランジ部2aの内周部近傍に位置すると共に、円錐壁2sに対して所定の間隔で位置するように、支持アーム5aによりつり下げ保持されている。皿ボウル2および回転板3は、シャフト9を介してモータ6によって、キー2kと部品移送レール5との交点が底部2bからフランジ部2aに向かって移動する方向(図9において、矢印Drで表示)に回転される。
【0007】
フランジ部2aの外周部に近接して、開口部を有するC字状に形成された周壁4が配設されている。周壁4の開口部は、シャフト9の回転方向Drから見て部品移送レール5の大径端部より下流に位置している。周壁4の開口部の2つの端部のうち上流側に連続して、フランジ部2aの外周部の接線方向に延在する部品搬送レール7が設けられている。
【0008】
部品搬送レール7は、回転軸Acに対して概ね垂直な底板7bと回転軸Acに対して概ね平行な2つの側壁7sによってコの字状断面を有するように形成されている。部品搬送レール7bの上面とフランジ部2aの上面とは概ね同一平面上に延在し、2つの側壁7sのうち、フランジ部2aの近傍に位置するものは他方より短く形成されている。この短い方の側壁7sはフランジ部2a上に延出している。これは、後述するようにフランジ部2a上に載置された状態で運ばれてくる部品を部品搬送レール7の内部に誘導するためであり、この側壁7sを誘導板と称する。
【0009】
周壁4には、回転方向Drに関して、部品搬送レール7より上流で且つ部品移送レール5の大径端部より下流の位置に回転軸Acの方向に突きだして部品選別部10が設けられている。部品選別部10は、所定の高さ位置に所定の突出量で周壁4から回転軸Ac方向に突出する突出部材として構成されおり、選別する部品と寸法或いは形状が異なる部品を求心(回転軸Ac)方向に押し出す。
【0010】
上述の如く構成された部品選別装置1cは、好ましくは回転軸Acが鉛直線方向に平行になるように設置された状態で、所定数の部品Pが皿ボウル2に無作為に投入された後に運転が開始される。モータ6によるシャフト9の回転に応じて、皿ボウル2および回転板3が回転方向Drに回転される。すると、回転板3上に位置する部品Pは、皿ボウル2より遠心方向に移動して円錐管部2sの内周壁に当接する。この状態で、部品Pはキー2kによって押されて、皿ボウル2の回転方向Drに移動し、部品移送レール5の小径端部より部品移送レール5に乗り上がる。
【0011】
回転するキー2kにより、部品Pは部品移送レール5に沿って上昇してフランジ部2a上に移送される。フランジ部2a上に移送された部品Pは皿ボウル2の回転により、フランジ部2a上を周壁4に沿って部品移送レール5上を移動して、部品選別部10に到達する。このように、部品Pに部品移送レール5を上昇させる回転方向Drを、供給回転方向という。
【0012】
部品選別部10は、フランジ部2a上に載置されて搬送されてくる部品をその形状、寸法、および姿勢で選別して、所望の選別条件を満たすもののみを下流側に通過させる。一方、選別条件を満たさないものは、部品選別部10によって求心(回転軸Ac)方向に押し出されて皿ボウル2内に戻される。つまり、選別対象の部品Pが寸法や形状が選別条件を満たしていても、その姿勢が選別条件を満たさしていなければ、部品選別部10で押し出されて、皿ボウル2内に落下する。
【0013】
一方、寸法、形状、および姿勢が所望の選別条件を満たすものは部品選別部10を通過して、部品搬送レール7に到達する。到達した部品Pは、誘導板7aによって部品搬送レール7内に取り込まれる。このようにして、皿ボウル2に無作為に投入された複数の部品Pから、所望の寸法、形状、および姿勢であるもののみが部品選別装置より外部に供給される。
【特許文献1】特開2004−067325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上術の部品選別装置においては、選別条件を満たさない、つまり部品選別部を通過できない部品Pは、フランジ部2aから排除されて皿ボウル2の回転板3に向かって落下する。排除された部品Pが落下する際に円錐管部2sの内壁、キー2k、部品移送レール5、或いは回転板3に、さらには回転板3上の部品Pとぶつかって、騒音および部品Pの打痕の原因となる。
【0015】
また、排除された部品Pは、落下の課程において、部品移送レール5上を移送中の他の部品Pを回転板3上に叩き落としてしまう。これは、騒音および部品Pの打痕の原因であると共に、部品選別装置1cが部品Pを部品選別部10に供給する能力、つまり部品選別装置10の選別能力の低下を招く。この能力低下を補うためには、皿ボウル2の回転速度を増す必要がある。
【0016】
しかしながら、回転速度を増して、フランジ部2aへの部品Pの供給量が増せば、さらに以下に述べる事態を招く。フランジ部2aに連続して供給された部品Pが互いに干渉して、部品選別部10に至る前に、落下して上述の問題を引き起こす。さらに、部品選別部10での部品Pの詰まりが発生して、選別できなかった部品Pが落下する。同時に、詰まりにより、部品選別部10の選別能力が不安定になる。また、選別する部品Pの量の増加に対応して部品Pの排除量が増して落下量が増え、部品移送レール7から叩き落とされる量も増す。結果、騒音或いは打痕の発生も増加する。なお、回転速度の増加による電力消費が増大することは言うまでもない。
【0017】
本発明は、上述の問題に鑑みて、選別された部品を落下させずに、部品選別部に再度供給できる部品選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係る部品選別装置は、中心軸に概ね回転対称な中空の円錐台形に形成され、その大径部の外周縁に当該中心軸に対して第1の所定角度を成して延在するフランジ部が形成された皿ボウルと、
中心軸に概ね回転対称な円錐形に形成され、頂点側を前記皿ボウルの大径部に向けて前記皿ボウルの小径部を被覆する回転板と、
前記皿ボウルの内壁に近接して前記回転板の外縁から前記フランジ部まで螺旋状に配設された部品移送レールと、
前記皿ボウルおよび前記回転板を前記部品移送レールの螺旋上昇方向に回転駆動させる回転駆動手段と、
前記フランジ部の外周に入口側を近接して配設された外周シュータと、
前記フランジ部の外周部であって、前記外周シュータが近接して配設されている部分を除く外周に配設された周壁と、
前記外周シュータの出口に連続すると共に前記フランジ部に近接されて配設された部品選別部とを備える。
【0019】
前記皿ボウルは内壁に、前記小径部と大径部の間に延在する少なくとも1つのキーを備えることが望ましい。
【0020】
前記キーは、さらに前記フランジ部(20a)まで延在することが望ましい。
【0021】
上記部品選別装置は、前記部品選別部に連続して、前記皿ボウルの接線方向に形成された部品搬送レールをさらに備え、
前記部品選別部は、前記外周シュータによって搬送されてきた部品を選別して、選別条件を満たす部品を前記部品搬送レールに通過させ、選別条件を満たさない部品を前記中心軸方向に排出することを特徴とする。
【0022】
前記部品選別部は近接するフランジ部より高く位置することが望ましい。
【0023】
前記中心軸が水平面に対して、所定の傾斜角度を成していることが望ましい。
【0024】
前記中心軸の水平面に成す傾斜角度は鋭角であることが望ましい。
【0025】
前記中心軸が水平面に成す傾斜角度は10°〜15°の範囲で選ばれることが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
以上の説明のとおり本発明によれば、皿ボウルの回転によりフランジ部に供給された部品はさらに、フランジ部の外周側に近接して配設された外周シュータを介して当該外周シュータに接続された部品選別部によって選別される。つまり、フランジ部の近接外周部分で部品選別部による部品の選別が行われる。このように、フランジ部上ではなくフランジ部の近接外周側で部品選別が行われることによって、選別条件を満たさなかった部品を皿ボウルに戻すことなくフランジ部に戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる部品選別装置について説明する。図1に部品選別装置1を斜め上方からみた様子を示すように、部品選別装置1は、上述の従来の部品選別装置1cと類似の構造を有している。具体的には、部品選別装置1は、部品選別装置1cにおける皿ボウル2、周壁4、および部品搬送レール7がそれぞれ皿ボウル20、周壁40、および部品搬送レール70に交換されると共に、外周シュータ80が新たに設けられている。
【0028】
皿ボウル20は、フランジ部2aがフランジ部20aに交換されると共に、キー2kがキー20kに交換されている以外は、皿ボウル2と同様に構成されている。具体的には、キー2kが円錐管部2sの小径端部と大径端部との間に延在しているのに対して、キー20kは、小径端部から大径端部を経てフランジ部20a上にまで延在している。周壁40は、周壁4と同様に開口部を有するC字状に形成されると共に、フランジ部20aの外周部に近接して設けられている。
【0029】
皿ボウル20の回転軸Acに沿った断面を示す図2を参照して、フランジ部20aと周壁40について説明する。なお、図2においては、視認性を考慮して、皿ボウル20と周壁40の一部のみが示されている。フランジ部20aは回転軸Acに対して所定の鋭角θ1(0<θ1<π/2)を成すように、つまり、回転軸Acに対して垂直な面PHに対して鋭角θ2(π/2−θ1)を成すように延在している。周壁40は皿ボウル20の円錐管部2sと同様に、回転軸Acに対して所定の角度θ3(0<θ3<π)を成して傾斜している。なお、フランジ部20aの長さL、周壁40の高さH、さらに角度θ1(θ2)およびθ3は、後述するように、フランジ部20aが部品Pを載置した状態で搬送できるように、周壁40は搬送されてくる部品Pがフランジ部20aから円周方向に落下しないように適宜決定される。
【0030】
部品選別装置1の平面を示す図3を参照して、外周シュータ80および部品搬送レール70について説明する。なお、図3においては、視認性を考慮して、フランジ部20a、周壁40、外周シュータ80、および部品搬送レール70が主に表されている。外周シュータ80は、周壁40の2つの開口端のうち下流側に連続して設けられている。
【0031】
図4に示すように、外周シュータ80は、中央部が凹んだV字状断面を有する円弧状の底板80bと、好ましくは同心状に形成された2つの側壁80sとにより、フランジ部20aの外周に沿うように構成されている。また、外周シュータ80の2つの側壁80sのうち、フランジ部20aに近接する側壁80sは、その上流端部がフランジ部20aの上面の接線方向に連続するように位置されている。その上端部には、フランジ部20aの上面に載置された状態で運ばれてくる部品Pを外周シュータ80の内部に誘導する誘導板80a(図B)が設けられている。
【0032】
部品搬送レール70は、外周シュータ80の下流端部に連続して、フランジ部20aから離反する方向に設けられている。部品搬送レール70のフランジ部20aの近接側には、部品選別部10がフランジ部20aの上部より外周側の位置に設けられている。
【0033】
次に、図3において矢印Aの方向から見た部品選別装置1を示す図5を参照して、上述のごとく構成された部品選別装置1の設置例について説明する。なお、視認性を考慮して、図5においては主に説明に必要な主な部材以外は省略されている。部品選別装置1は、部品搬送レール70に平行な方向に対して、回転軸Acが鉛直線VLに対して所定の角度θ4(0<θ4<π/2)を成すように設置される。
【0034】
つまり、フランジ部20aは、部品選別部10に対してほぼ90°上流側に位置する部分PPを最高位点として鉛直線VLに対して垂直な水平面HPに対して角度θ5(π/2−θ4)を成して傾くように設置される。なお、この最高位点PPは、上述の誘導板80aによって、フランジ部20a上から部品Pが外周シュータ80に誘導される部分である。
【0035】
これにより、最高位点PPでフランジ部20aから外周シュータ80に取り込まれた最高位点PPは、鉛直線VLに対して角度θ4(水平面HPに対して角度θ5)で傾いた外周シュータ80のV溝で案内されて部品選別部10に至る。部品選別部10は、搬送されてきた部品Pをその形状、寸法、および姿勢が所望の条件を満たすもののみを下流の部品搬送レール70側に通過させ、満たさないものを求心(回転軸Ac)方向に排除する。
【0036】
角度θ4(θ5)は、後述するように、最高位点PPで誘導板80aによって取り込まれた部品Pが、特に振動やベルトドライブのような搬送手段を必要とせずに外周シュータ80を下降移動することと、部品選別部10から排除された部品Pがフランジ部20aに安定的に載置されるように考慮して決定される。この意味において、θ4およびθ5(θ5=π/2−θ4)はそれぞれ鋭角である。なお、角度θ4は約80°〜15°(θ5は10°〜15°)の範囲で選択されることが好ましく、本実施形態においては10°に設定されている。
【0037】
図6、図7、および図8を参照して、上述のように構成され、設置された部品選別装置1に部品Pの選別動作について説明する。回転軸Acが鉛直線VLに対して80°(水平面HPに対して10°)傾いて設置された状態で、所定数の部品Pが皿ボウル2に無作為に投入された後に運転が開始される。
【0038】
図6に示すように、フランジ部20a上に移送された部品Pは皿ボウル2の回転により、キー20kに押されながらフランジ部20a上を周壁40に沿って移動して部品搬送レール70に直前に到着する。そして、フランジ部20aの最高位点PP付近に設けられた誘導板80aによって、部品Pは外周シュータ80に誘導される。部品Pは最高位点PPから暫時下降している外周シュータ80を移動して、部品選別部10に到着する。
【0039】
図7に示すように、フランジ部20aがθ5だけ水平面HPに対して傾斜して設置されている結果、部品選別部10の近傍下部にフランジ部20aが位置している。外周シュータ80によって搬送されてきた部品Pは、部品選別部10の直前に設けられた段差Sによって、その姿勢が変えられたのちに部品選別部10に供給される。部品選別部10は、選別条件を満たさない部品Pを求心(回転軸Ac)方向に押し出す。
【0040】
図8に示すように、部品選別部10から求心方向に押し出された部品Pは、部品選別部10の近傍でフランジ部20aと周壁40との間に部品Pを保持できる空間で保持される。このように、フランジ部20aと周壁40との間に形成されて、部品Pを保持できる空間をポケットと呼ぶ。
【0041】
つまり、フランジ部20aを水平面HPに対して角度θ5だけ傾斜させて設置しているおかげで、部品選別部10から排除された部品Pは皿ボウル20に落下させることなく、ポケットに押し出し保持できる。なお、皿ボウル20の回転に応じてフランジ部20aの水平面HPに対する傾斜角度θはより大きくなるが、それにつれて部品Pはより周壁40側に移動するので、周壁40とフランジ部20aとの間の空間によって確実に受け止められる。
【0042】
ポケットにおいては、皿ボウル20の回転に応じて部品Pの重心はフランジ部20a側から周壁40側へ徐々に移動した後にまたフランジ部20a側に徐々に移動する。そして、最高位点PPにおいて、部品Pは、部品移送レール5によって皿ボウル20から供給されてきた部品Pと一緒に外周シュータ80に取り込まれて上述の動作が繰り返される。
【0043】
なお、キー20kによって、皿ボウル20の回転によるポケット内での部品Pの重心移動に関わらず、部品Pを搬送して、再度外周シュータ80に供給できる。ただし、部品Pがフランジ部20aと周壁40と摩擦力だけで十分に保持できる場合にはキー20kはキー2kに取って変えることができるばかりでなく、廃止することも可能である。また、部品選別部10の上流側に、部品Pの姿勢を変えるための手段として段差Sが設けられているが、選別する部品Pの形状などによっては必須ではない。また、深皿状の皿ボウル20の代わりに、平坦なディスク状の部材を、部品の受容体として用いてよい。
【0044】
本実施の形態においては、θ4(θ5)の傾斜により、外周シュータ80には部品Pを部品選別部10に向けて移動させるための駆動装置が不要であり。部品搬送レール70はに、部品選別部10をパスした部品Pを次行程に供給するためにベルトドライブなどの適当な駆動手段が設けられている。しかしながら、部品搬送レール70はベルトドライブの変わりに、モータと変心カム等を用いた打振駆動装置を用いることができる。さらに、部品搬送レール70を外周シュータ80と一体的に構成して、共に打振駆動措置を用いてもよい。また、打振駆動措置の振動生成には、モータと変心カム等の機械的部材の変わりに圧電素子などの電気的部材を用いることもできる。
【0045】
上述のように、本発明の実施形態にかかる部品選別装置においては、部品選別部で排除された部品を、皿ボウルに落下させるのではなく、部品選別部の近傍に設置されたフランジ部に戻す。そして、戻された部品はフランジ上に載置された状態で搬送されて、部品移送レールを移動して皿ボウルから上昇してきた部品と一緒に再び部品選別部による選別が行われる。このように、部品選別部で排除された部品を皿ボウルに落下させて皿ボウルに戻すことなく、部品選別部を含有する搬送ルートであるポケットに戻すことにより、排除された部品の落下に起因する上述の問題を解消することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明にかかる部品選別装置は、同一の部品を大量かつ迅速に供給する必要がある部品供給装置等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る部品選別装置の構成を示す斜視図
【図2】図1の皿ボウルの中心軸に関する断面図
【図3】図1の部品選別装置の概略平面図
【図4】図1の外周シュータの斜視図
【図5】図1の部品選別装置の概略側面図
【図6】図1の部品選別装置において部品が皿ボウルから外周シュータに共有される様子を示す部分斜視図
【図7】図1の部品選別装置において、外周シュータから共有された部品が部品選別部によって選別される様子を示す部分斜視図
【図8】図1の部品選別装置において、部品選別部によって排除された部品が周壁とフランジ部との間に形成されたポケットに保持される様子を示す部分斜視図
【図9】従来の部品選別装置の構成を示す斜視図
【図10】図9の部品選別装置の内部構造を示す部分断面図
【符号の説明】
【0048】
1、1p 部品選別装置
2、20 皿ボウル
2a フランジ部
2b 底部
2s 円錐管部
3 回転板
4、40 周壁
5 部品移送レール
5a 支持アーム
6 モータ
7、70 部品搬送レール
9 シャフト
10 部品選別部
80 外周シュータ
80a 誘導板
80s 側壁
80b 底板
Ac 中心軸
Dr 回転方向
P 部品
PP 最高位点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に概ね回転対称な中空の円錐台形に形成され、その大径部の外周縁に当該中心軸に対して第1の所定角度を成して延在するフランジ部が形成された皿ボウルと、
中心軸に概ね回転対称な円錐形に形成され、頂点側を前記皿ボウルの大径部に向けて前記皿ボウルの小径部を被覆する回転板と、
前記皿ボウルの内壁に近接して前記回転板の外縁から前記フランジ部まで螺旋状に配設された部品移送レールと、
前記皿ボウルおよび前記回転板を前記部品移送レールの螺旋上昇方向に回転駆動させる回転駆動手段と、
前記フランジ部の外周に入口側を近接して配設された外周シュータと、
前記フランジ部の外周部であって、前記外周シュータが近接して配設されている部分を除く外周に配設された周壁と、
前記外周シュータの出口に連続すると共に前記フランジ部に近接されて配設された部品選別部とを備える部品選別装置。
【請求項2】
前記皿ボウルは内壁に、前記小径部と大径部の間に延在する少なくとも1つのキーを備える、請求項1に記載の部品選別装置。
【請求項3】
前記キーは、さらに前記フランジ部まで延在する、請求項2に記載の部品選別装置。
【請求項4】
前記部品選別部に連続して、前記皿ボウルの接線方向に形成された部品搬送レールをさらに備え、
前記部品選別部は、前記外周シュータによって搬送されてきた部品を選別して、選別条件を満たす部品を前記部品搬送レールに通過させ、選別条件を満たさない部品を前記中心軸方向に排出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の部品選別装置。
【請求項5】
前記部品選別部は近接するフランジ部より高く位置することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の部品選別装置。
【請求項6】
前記中心軸が鉛直線に対して、垂直な水平面に対して所定の傾斜角度を成していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の部品選別装置。
【請求項7】
前記傾斜角度は鋭角であることを特徴とする、請求項6に記載の部品選別装置。
【請求項8】
前記傾斜角度は10°〜15°の範囲で選ばれることを特徴とする、請求項7に記載の部品選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−76873(P2010−76873A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245536(P2008−245536)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000203461)村田精工株式会社 (6)
【Fターム(参考)】