配線の形成方法
【課題】本発明は、シード層の上面に設けられた配線の形成方法に関し、不用な部分のシード層を除去するシード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることを防いで、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることのできる配線の形成方法を提供することを課題とする。
【解決手段】配線10の母材となるめっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆うように第2のレジスト膜19を形成した後、第2のレジスト膜19から露出された部分のシード層12を除去する。
【解決手段】配線10の母材となるめっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆うように第2のレジスト膜19を形成した後、第2のレジスト膜19から露出された部分のシード層12を除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線の形成方法に関し、特に、シード層の上面に設けられた配線の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微細な配線を形成する方法として、セミアディティブ法(図1〜図5参照)が用いられている。
【0003】
図1〜図5は、従来の配線の形成方法を説明するための図である。
【0004】
図1〜図5を参照して、従来の配線100の形成方法について説明する。始めに、図1に示す工程では、絶縁層101の上面101Aを覆うように、シード層102を形成する。シード層102としては、例えば、Cu層を用いることができる。
【0005】
次いで、図2に示す工程では、シード層102の上面102Aに開口部105を有したレジスト膜104を形成する。このとき、レジスト膜104の下部104Aは、開口部105を形成するための露光処理の影響により、裾引き形状(テーパー形状)となる。開口部105は、配線100の形成領域に対応する部分のシード層102の上面102Aを露出するように形成する。
【0006】
次いで、図3に示す工程では、シード層102を給電層とする電解めっき法により、開口部105に露出された部分のシード層102の上面102Aに配線100の母材となるめっき膜107を形成する。めっき膜107は、開口部105の形状に対応するように形成されるため、めっき膜107の下部は逆テーパー形状(括れた形状)となる。めっき膜107としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。
【0007】
次いで、図4に示す工程では、図3に示すレジスト膜104を除去する。次いで、図5に示す工程では、エッチングにより、めっき膜107に覆われていない部分のシード層102(不要な部分のシード層102)を除去する。これにより、シード層102の上面102Aに、配線100が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−166917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の配線100の形成方法では、図5に示す工程において、不要な部分のシード層102を除去する際、配線100の母材となるめっき膜107もエッチングされてしまうため、配線100を所定の厚さ及び幅(設計上の配線100の厚さ及び幅)となるように、配線100を形成することができないという問題があった。
【0009】
特に、めっき膜107の下部は、逆テーパー形状(図3参照)であるため、図5に示す工程において、めっき膜107の下部のエッチング量が大きくなってしまう(言い換えれば、配線100の下部の幅が狭くなってしまう)という問題があった。なお、配線100の下部の幅が狭くなりすぎた場合、配線100が倒れてしまう虞がある。
【0010】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、不要な部分のシード層を除去するシード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることを防止して、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることのできる配線の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、絶縁層に形成されたシード層の上面に設けられた配線の形成方法であって、前記絶縁層の上面を覆う前記シード層を形成するシード層形成工程と、前記シード層の上面に開口部を有した第1のレジスト膜を形成する第1のレジスト膜形成工程と、電解めっき法により、前記開口部に前記配線の母材となるめっき膜を形成するめっき膜形成工程と、前記めっき膜形成工程後に前記第1のレジスト膜を除去する第1のレジスト膜除去工程と、前記第1のレジスト膜除去工程後に、前記めっき膜の側面及び上面を覆う第2のレジスト膜を形成する第2のレジスト膜形成工程と、前記第2のレジスト膜から露出された部分の前記シード層を除去するシード層除去工程と、前記シード層除去工程後に、前記第2のレジスト膜を除去する第2のレジスト膜除去工程と、を含むことを特徴とする配線の形成方法が提供される。
【0012】
本発明によれば、絶縁層の上面を覆うシード層を形成し、次いで、シード層の上面に開口部を有した第1のレジスト膜を形成し、次いで、電解めっき法により、開口部に配線の母材となるめっき膜を形成し、その後、第1のレジスト膜を除去し、次いで、めっき膜の側面及び上面を覆う第2のレジスト膜を形成し、次いで、第2のレジスト膜から露出された部分のシード層を除去することにより、シード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることがなくなるため、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、不要な部分のシード層を除去するシード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることを防止して、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
(実施の形態)
図6〜図12は、本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図である。
【0016】
図6〜図12を参照して、本実施の形態の配線10の形成方法について説明する。始めに、図6に示す工程では、絶縁層11の上面11Aを覆うように、シード層12を形成する(シード層形成工程)。絶縁層11としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂からなる樹脂層を用いることができる。シード層12は、電解めっき法により、配線10の母材となる後述するめっき膜17を形成する際の給電層となる層である。シード層12としては、例えば、Cu層を用いることができる。シード層12としてCu層を用いる場合、シード層12の厚さは、例えば、0.5μm〜1.0μmとすることができる。シード層12は、例えば、無電解めっき法やスパッタ法等の方法により形成することができる。なお、シード層12を形成する前に、絶縁層11の上面11Aの粗化処理を行う。
【0017】
次いで、図7に示す工程では、シード層12の上面12Aに開口部15を有した第1のレジスト膜14を形成する(第1のレジスト膜形成工程)。具体的には、第1のレジスト膜14は、例えば、液状レジスト又はドライフィルムレジストをシード層12の上面12Aに配置した後、液状レジスト又はドライフィルムレジストを露光・現像処理することで形成する。このとき、第1のレジスト膜14の下部は、開口部15を形成するための露光処理の影響により、裾引き形状(テーパー形状)となる。開口部15は、配線10の形成領域に対応する部分のシード層12の上面12Aを露出するように形成する。
【0018】
次いで、図8に示す工程では、シード層12を給電層とする電解めっき法により、開口部15に露出された部分のシード層12の上面12Aに配線10の母材となるめっき膜17を形成する(めっき膜形成工程)。めっき膜17としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。めっき膜17の厚さは、配線10の厚さと略等しく、例えば、15μmとすることができる。めっき膜17の幅は、配線10の幅と略等しく、例えば、10μmとすることができる。めっき膜17は、開口部15の形状に対応するように形成されるため、めっき膜17の下部は逆テーパー形状(括れた形状)となる。
【0019】
次いで、図9に示す工程では、図8に示す第1のレジスト膜14を除去する(第1のレジスト膜除去工程)。
【0020】
次いで、図10に示す工程では、めっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆うように、第2のレジスト膜19を形成する(第2のレジスト膜形成工程)。具体的には、第2のレジスト膜19は、例えば、液状レジスト又はドライフィルムレジストを図9に示す構造体の上面側に配置した後、液状レジスト又はドライフィルムレジストを露光・現像処理することで形成する。
【0021】
液状レジストを用いて第2のレジスト膜19を形成する場合、めっき膜17が押圧されることがないため、配線10の母材となるめっき膜17が損傷することを防止できる。
【0022】
また、ドライフィルムレジストを用いて第2のレジスト膜19を形成する場合、ドライフィルムレジストはシート状のレジストであるため、扱い易い。
【0023】
第2のレジスト膜19は、後述する図11に示す工程において、第2のレジスト膜19に覆われていない部分のシード層12(不要な部分のシード層12)を除去する際のエッチングにより、配線10の母材となるめっき膜17がエッチングされることを防止するための膜である。
【0024】
このように、不要な部分のシード層12を除去する前に、めっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆う第2のレジスト膜19を形成することにより、後述するシード層除去工程(図11参照)において、めっき膜17の側面17B及び上面17Aがエッチングされることがなくなるため、配線10の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線10の厚さ及び幅)にすることができる。
【0025】
また、第2のレジスト膜19は、めっき膜17の下部の逆テーパー形状とされた部分を充填するように形成されるため、めっき膜17の幅よりもシード層の幅が狭くなることを防止できる。これにより、不要な部分のシード層12を除去する際のエッチング時間を長くして、確実に不要な部分のシード層12を除去することができる。特に、粗化された絶縁層11の上面11Aの表面粗さが粗い場合に有効である。
【0026】
さらに、第2のレジスト膜19の厚さは、シード層除去工程後に、めっき膜17の側面17B及び上面17Aに第2のレジスト膜19が残るような厚さにするとよい。これにより、シード層除去工程後において、側面17B及び上面17Aに対応する部分のめっき膜17がエッチングされることを確実に防止することができる。
【0027】
次いで、図11に示す工程では、第2のレジスト膜19から露出された部分のシード層12(不要な部分のシード層12)を除去する(シード層除去工程)。具体的には、例えば、ウエットエッチングにより、不要な部分のシード層12を除去する。このとき、先に説明したように、めっき膜17の側面17B及び上面17Aには第2のレジスト膜19が形成されているため、不要な部分のシード層12を除去する際に使用するエッチング液により、めっき膜17がエッチングされることはない。
【0028】
次いで、図12に示す工程では、図11に示す第2のレジスト膜19を除去する(第2のレジスト膜除去工程)。これにより、シード層12の上面12Aに配線10が形成される。
【0029】
本実施の形態の配線の形成方法によれば、絶縁層11の上面11Aを覆うシード層12を形成し、次いで、シード層12の上面12Aに開口部15を有した第1のレジスト膜14を形成し、次いで、電解めっき法により、開口部15に配線10の母材となるめっき膜17を形成し、その後、第1のレジスト膜14を除去し、次いで、めっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆う第2のレジスト膜19を形成し、次いで、第2のレジスト膜19から露出された部分のシード層12を除去することにより、シード層除去工程において、配線10の母材となるめっき膜17がエッチングされることがなくなるため、配線10の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線10の厚さ及び幅)にすることができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、シード層の上面に設けられた配線の形成方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来の配線の形成方法を説明するための図(その1)である。
【図2】従来の配線の形成方法を説明するための図(その2)である。
【図3】従来の配線の形成方法を説明するための図(その3)である。
【図4】従来の配線の形成方法を説明するための図(その4)である。
【図5】従来の配線の形成方法を説明するための図(その5)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その1)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その2)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その3)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その4)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その5)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その6)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その7)である。
【符号の説明】
【0033】
10 配線
11 絶縁層
11A,12A,17A 上面
12 シード層
14 第1のレジスト膜
15 開口部
17 めっき膜
17B 側面
19 第2のレジスト膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線の形成方法に関し、特に、シード層の上面に設けられた配線の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微細な配線を形成する方法として、セミアディティブ法(図1〜図5参照)が用いられている。
【0003】
図1〜図5は、従来の配線の形成方法を説明するための図である。
【0004】
図1〜図5を参照して、従来の配線100の形成方法について説明する。始めに、図1に示す工程では、絶縁層101の上面101Aを覆うように、シード層102を形成する。シード層102としては、例えば、Cu層を用いることができる。
【0005】
次いで、図2に示す工程では、シード層102の上面102Aに開口部105を有したレジスト膜104を形成する。このとき、レジスト膜104の下部104Aは、開口部105を形成するための露光処理の影響により、裾引き形状(テーパー形状)となる。開口部105は、配線100の形成領域に対応する部分のシード層102の上面102Aを露出するように形成する。
【0006】
次いで、図3に示す工程では、シード層102を給電層とする電解めっき法により、開口部105に露出された部分のシード層102の上面102Aに配線100の母材となるめっき膜107を形成する。めっき膜107は、開口部105の形状に対応するように形成されるため、めっき膜107の下部は逆テーパー形状(括れた形状)となる。めっき膜107としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。
【0007】
次いで、図4に示す工程では、図3に示すレジスト膜104を除去する。次いで、図5に示す工程では、エッチングにより、めっき膜107に覆われていない部分のシード層102(不要な部分のシード層102)を除去する。これにより、シード層102の上面102Aに、配線100が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−166917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の配線100の形成方法では、図5に示す工程において、不要な部分のシード層102を除去する際、配線100の母材となるめっき膜107もエッチングされてしまうため、配線100を所定の厚さ及び幅(設計上の配線100の厚さ及び幅)となるように、配線100を形成することができないという問題があった。
【0009】
特に、めっき膜107の下部は、逆テーパー形状(図3参照)であるため、図5に示す工程において、めっき膜107の下部のエッチング量が大きくなってしまう(言い換えれば、配線100の下部の幅が狭くなってしまう)という問題があった。なお、配線100の下部の幅が狭くなりすぎた場合、配線100が倒れてしまう虞がある。
【0010】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、不要な部分のシード層を除去するシード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることを防止して、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることのできる配線の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、絶縁層に形成されたシード層の上面に設けられた配線の形成方法であって、前記絶縁層の上面を覆う前記シード層を形成するシード層形成工程と、前記シード層の上面に開口部を有した第1のレジスト膜を形成する第1のレジスト膜形成工程と、電解めっき法により、前記開口部に前記配線の母材となるめっき膜を形成するめっき膜形成工程と、前記めっき膜形成工程後に前記第1のレジスト膜を除去する第1のレジスト膜除去工程と、前記第1のレジスト膜除去工程後に、前記めっき膜の側面及び上面を覆う第2のレジスト膜を形成する第2のレジスト膜形成工程と、前記第2のレジスト膜から露出された部分の前記シード層を除去するシード層除去工程と、前記シード層除去工程後に、前記第2のレジスト膜を除去する第2のレジスト膜除去工程と、を含むことを特徴とする配線の形成方法が提供される。
【0012】
本発明によれば、絶縁層の上面を覆うシード層を形成し、次いで、シード層の上面に開口部を有した第1のレジスト膜を形成し、次いで、電解めっき法により、開口部に配線の母材となるめっき膜を形成し、その後、第1のレジスト膜を除去し、次いで、めっき膜の側面及び上面を覆う第2のレジスト膜を形成し、次いで、第2のレジスト膜から露出された部分のシード層を除去することにより、シード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることがなくなるため、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、不要な部分のシード層を除去するシード層除去工程において、配線の母材となるめっき膜がエッチングされることを防止して、配線の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線の厚さ及び幅)にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
(実施の形態)
図6〜図12は、本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図である。
【0016】
図6〜図12を参照して、本実施の形態の配線10の形成方法について説明する。始めに、図6に示す工程では、絶縁層11の上面11Aを覆うように、シード層12を形成する(シード層形成工程)。絶縁層11としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂からなる樹脂層を用いることができる。シード層12は、電解めっき法により、配線10の母材となる後述するめっき膜17を形成する際の給電層となる層である。シード層12としては、例えば、Cu層を用いることができる。シード層12としてCu層を用いる場合、シード層12の厚さは、例えば、0.5μm〜1.0μmとすることができる。シード層12は、例えば、無電解めっき法やスパッタ法等の方法により形成することができる。なお、シード層12を形成する前に、絶縁層11の上面11Aの粗化処理を行う。
【0017】
次いで、図7に示す工程では、シード層12の上面12Aに開口部15を有した第1のレジスト膜14を形成する(第1のレジスト膜形成工程)。具体的には、第1のレジスト膜14は、例えば、液状レジスト又はドライフィルムレジストをシード層12の上面12Aに配置した後、液状レジスト又はドライフィルムレジストを露光・現像処理することで形成する。このとき、第1のレジスト膜14の下部は、開口部15を形成するための露光処理の影響により、裾引き形状(テーパー形状)となる。開口部15は、配線10の形成領域に対応する部分のシード層12の上面12Aを露出するように形成する。
【0018】
次いで、図8に示す工程では、シード層12を給電層とする電解めっき法により、開口部15に露出された部分のシード層12の上面12Aに配線10の母材となるめっき膜17を形成する(めっき膜形成工程)。めっき膜17としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。めっき膜17の厚さは、配線10の厚さと略等しく、例えば、15μmとすることができる。めっき膜17の幅は、配線10の幅と略等しく、例えば、10μmとすることができる。めっき膜17は、開口部15の形状に対応するように形成されるため、めっき膜17の下部は逆テーパー形状(括れた形状)となる。
【0019】
次いで、図9に示す工程では、図8に示す第1のレジスト膜14を除去する(第1のレジスト膜除去工程)。
【0020】
次いで、図10に示す工程では、めっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆うように、第2のレジスト膜19を形成する(第2のレジスト膜形成工程)。具体的には、第2のレジスト膜19は、例えば、液状レジスト又はドライフィルムレジストを図9に示す構造体の上面側に配置した後、液状レジスト又はドライフィルムレジストを露光・現像処理することで形成する。
【0021】
液状レジストを用いて第2のレジスト膜19を形成する場合、めっき膜17が押圧されることがないため、配線10の母材となるめっき膜17が損傷することを防止できる。
【0022】
また、ドライフィルムレジストを用いて第2のレジスト膜19を形成する場合、ドライフィルムレジストはシート状のレジストであるため、扱い易い。
【0023】
第2のレジスト膜19は、後述する図11に示す工程において、第2のレジスト膜19に覆われていない部分のシード層12(不要な部分のシード層12)を除去する際のエッチングにより、配線10の母材となるめっき膜17がエッチングされることを防止するための膜である。
【0024】
このように、不要な部分のシード層12を除去する前に、めっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆う第2のレジスト膜19を形成することにより、後述するシード層除去工程(図11参照)において、めっき膜17の側面17B及び上面17Aがエッチングされることがなくなるため、配線10の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線10の厚さ及び幅)にすることができる。
【0025】
また、第2のレジスト膜19は、めっき膜17の下部の逆テーパー形状とされた部分を充填するように形成されるため、めっき膜17の幅よりもシード層の幅が狭くなることを防止できる。これにより、不要な部分のシード層12を除去する際のエッチング時間を長くして、確実に不要な部分のシード層12を除去することができる。特に、粗化された絶縁層11の上面11Aの表面粗さが粗い場合に有効である。
【0026】
さらに、第2のレジスト膜19の厚さは、シード層除去工程後に、めっき膜17の側面17B及び上面17Aに第2のレジスト膜19が残るような厚さにするとよい。これにより、シード層除去工程後において、側面17B及び上面17Aに対応する部分のめっき膜17がエッチングされることを確実に防止することができる。
【0027】
次いで、図11に示す工程では、第2のレジスト膜19から露出された部分のシード層12(不要な部分のシード層12)を除去する(シード層除去工程)。具体的には、例えば、ウエットエッチングにより、不要な部分のシード層12を除去する。このとき、先に説明したように、めっき膜17の側面17B及び上面17Aには第2のレジスト膜19が形成されているため、不要な部分のシード層12を除去する際に使用するエッチング液により、めっき膜17がエッチングされることはない。
【0028】
次いで、図12に示す工程では、図11に示す第2のレジスト膜19を除去する(第2のレジスト膜除去工程)。これにより、シード層12の上面12Aに配線10が形成される。
【0029】
本実施の形態の配線の形成方法によれば、絶縁層11の上面11Aを覆うシード層12を形成し、次いで、シード層12の上面12Aに開口部15を有した第1のレジスト膜14を形成し、次いで、電解めっき法により、開口部15に配線10の母材となるめっき膜17を形成し、その後、第1のレジスト膜14を除去し、次いで、めっき膜17の側面17B及び上面17Aを覆う第2のレジスト膜19を形成し、次いで、第2のレジスト膜19から露出された部分のシード層12を除去することにより、シード層除去工程において、配線10の母材となるめっき膜17がエッチングされることがなくなるため、配線10の厚さ及び幅を略所定の厚さ及び幅(設計上の配線10の厚さ及び幅)にすることができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、シード層の上面に設けられた配線の形成方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来の配線の形成方法を説明するための図(その1)である。
【図2】従来の配線の形成方法を説明するための図(その2)である。
【図3】従来の配線の形成方法を説明するための図(その3)である。
【図4】従来の配線の形成方法を説明するための図(その4)である。
【図5】従来の配線の形成方法を説明するための図(その5)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その1)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その2)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その3)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その4)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その5)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その6)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る配線の形成方法を説明するための図(その7)である。
【符号の説明】
【0033】
10 配線
11 絶縁層
11A,12A,17A 上面
12 シード層
14 第1のレジスト膜
15 開口部
17 めっき膜
17B 側面
19 第2のレジスト膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層に形成されたシード層の上面に設けられた配線の形成方法であって、
前記絶縁層の上面を覆う前記シード層を形成するシード層形成工程と、
前記シード層の上面に開口部を有した第1のレジスト膜を形成する第1のレジスト膜形成工程と、
電解めっき法により、前記開口部に前記配線の母材となるめっき膜を形成するめっき膜形成工程と、
前記めっき膜形成工程後に前記第1のレジスト膜を除去する第1のレジスト膜除去工程と、
前記第1のレジスト膜除去工程後に、前記めっき膜の側面及び上面を覆う第2のレジスト膜を形成する第2のレジスト膜形成工程と、
前記第2のレジスト膜から露出された部分の前記シード層を除去するシード層除去工程と、
前記シード層除去工程後に、前記第2のレジスト膜を除去する第2のレジスト膜除去工程と、を含むことを特徴とする配線の形成方法。
【請求項2】
前記第2のレジスト膜の厚さは、前記シード層除去工程後において、前記めっき膜の側面及び上面に前記第2のレジスト膜が残る厚さであることを特徴とする請求項1記載の配線の形成方法。
【請求項1】
絶縁層に形成されたシード層の上面に設けられた配線の形成方法であって、
前記絶縁層の上面を覆う前記シード層を形成するシード層形成工程と、
前記シード層の上面に開口部を有した第1のレジスト膜を形成する第1のレジスト膜形成工程と、
電解めっき法により、前記開口部に前記配線の母材となるめっき膜を形成するめっき膜形成工程と、
前記めっき膜形成工程後に前記第1のレジスト膜を除去する第1のレジスト膜除去工程と、
前記第1のレジスト膜除去工程後に、前記めっき膜の側面及び上面を覆う第2のレジスト膜を形成する第2のレジスト膜形成工程と、
前記第2のレジスト膜から露出された部分の前記シード層を除去するシード層除去工程と、
前記シード層除去工程後に、前記第2のレジスト膜を除去する第2のレジスト膜除去工程と、を含むことを特徴とする配線の形成方法。
【請求項2】
前記第2のレジスト膜の厚さは、前記シード層除去工程後において、前記めっき膜の側面及び上面に前記第2のレジスト膜が残る厚さであることを特徴とする請求項1記載の配線の形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−253147(P2009−253147A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101427(P2008−101427)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
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