説明

配線保持器

【課題】この発明は、配線の破損を防止して、配置しても配線の周囲の作業環境や配線が属する回線に与える影響を相対的に小さくし、長期において用いることが可能な配線保持器を提供することを課題とする。
【解決手段】この発明に係る配線保持器1は、上記課題を解決するために、ホルダー本体2と、ホルダー本体2を貫通することにより両側に開口部4を有して形成されると共に、その内径寸法を配線20の外径寸法より大きくすることにより配線20を保持することが可能な配線通過部位3と、配線通過部位3の径方向側とホルダー部2の外部とを連通するもので、配線通過部位3の径方向に沿って延びた後に配線通過部位3の径方向と交差する方向に曲折することによりホルダー部2に対し配線通過部位3の開口部4とは異なる開口部9を設けたL字状スリッドの配線着脱部位8とを有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光コード等の通信線、電力線、その他の配線の途中箇所を一時的又は常時に保持するための器具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の局内光配線等に用いられるコードとして例えば特許文献1に示されるような両端に光コネクタを有する光コードが知られている。そして、このような光コードを架又はラックと測定器とを接続する測定用光コードとして用いる場合には、特に固定することなく床に這わせる等して床に直置きしたり、ビニルテープ等で架やラックに仮固定したりするのが通常である。また、上記のような光コードを架同士又はラック同士を接続する接続用光コードとして用いる場合には、架やラック内の専用コードホルダーに通過させたり、収束具で束にして固定したりするのが通常である。
【0003】
一方で、光ファイバーコードを着脱自在に取り付けられるようにして当該光ファイバーコードを整理するための器具としては、例えば特許文献2に示されるようなコードホルダーが既に公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−276412号公報
【特許文献2】特開2002−156532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光コードを床に直置きしたりテープ止めしたりしたのでは、光コード自体や光コードの先端に設けられた光コネクタが破損する等の不具合があり、スペースを取るので周囲の作業環境に与える悪影響も大きくなるという不都合も有する。また、光コードを架内、ラック内の専用のコードホルダーに通過させると、光コードの設置時、撤去時に運用中の光コードへ不用意にテンションがかかったり、取り外すコードの選択の誤認を生したりするおそれがあり、光コードが属する回線全体に悪影響を及ぼす可能性が大きいという不都合もある。
【0006】
また、特許文献2に示されるコードホルダーでは、溝の両側部位により挟むかたちで光コードを保持する構造であるため、光コードに対する保持をコードホルダーの素材が有する弾性に委ねる必要があり、経年劣化によりその保持力が弱くなることが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、配線の破損を防止して、配置しても配線の周囲の作業環境や配線が属する回線に与える影響を相対的に小さくし、長期において用いることが可能な配線保持器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る配線保持器は、通信用又は電力供給用として用いられる配線を保持するためのもので、前記配線の外径寸法と略同じかそれ以上の内径寸法を有して、前記配線を収納することが可能である配線通過部位と、この配線通過部位の全域に亘って外部と連通するように形成されると共に、前記配線通過部位内に前記配線が収納された場合に、この配線が外部に抜けることを防止した配線抜け防止機能を備えた配線着脱部位とを有することを特徴としている(請求項1)。ここでいう配線には、例えば測定用光コネクタコードや接続用光コネクタコードと言った光コード等が挙げられる。これは、以下においても同様である。
【0009】
この発明に係る配線保持器は、より具体的には、通信用又は電力供給用として用いられる配線を保持するためのもので、ブロック状のホルダー本体と、このホルダー本体を貫通することにより両側に開口部を有して形成されると共に、その内径寸法を前記配線の外径寸法と略同じかそれ以上にすることにより前記配線を収納することが可能である配線通過部位と、この配線通過部位の全域に亘って前記ホルダー部の外部と連通するようにスリット状に形成されるもので、前記配線通過部位の径方向に沿って延びた後に前記配線通過部位の径方向と交差する方向に曲折することにより前記ホルダー部に対し前記配線通過部位の開口部とは異なる開口部を設けた配線着脱部位とを有することを特徴としている(請求項2)。すなわち、配線着脱部位は、配線通過部位の軸方向側から見て例えば略L字型のスリッド状の形態をなしている。
【0010】
また、この発明に係る配線保持器は、通信用又は電力供給用として用いられる配線を保持するためのもので、プレート状の台座と、この台座から弧状に延出した2つの挟持用部材によりその内周側に画成され、且つ前記配線を収納することが可能である配線通過部位と、この配線通過部位の全域に亘って外部と連通するように形成されるもので、前記挟持用部材の延出方向側の端部間に配されると共にその幅を前記挟持用部材の延出方向側の端部から相互に離れる方向に延びる羽根部の操作で調整可能な配線着脱部位とを有することを特徴としている(請求項3)。
【0011】
このような構成の配線保持器によれば、既に配置された状態の配線であっても或いは頭部にコネクタ等を有する配線であっても、配線着脱部位から配線通過部位内にまで簡易に導くことが可能である。すなわち、ホルダー部材を有する配線保持器においては、配線を配線着脱部位の開口部から当該配線着脱部位に沿って道なりに移動させる動作により配線通過部位内にまで簡易に導くことが可能である。また、延出方向の端部に羽根部を備えた2つの挟持部を有する配線保持器においては、両方の羽根部を台座側に押すことで挟持用部材の延出方向側の端部間の配線着脱部位が配線の径方向寸法よりも広がり、この状態の配線着脱部位に配線を通す動作により配線を配線通過部位内にまで簡易に導くことが可能である。
【0012】
一方で、このような構成の配線保持器によれば、配線着脱部位に配線抜け防止機能を与えているので、人為的に操作しない限り、配線通過部位から配線着脱部位を経て外部に配線が抜けることがない。すなわち、ホルダー部材を有する配線保持器においては、配線通過部から外部に抜けるには途中で折れ曲がった状態の配線着脱部を通らなければならないので、配線が自然に配線着脱部位を通過して開口部まで至る可能性は著しく低いものとなる。また、延出方向の端部に羽根部を備えた2つの挟持部を有する配線保持器においては、両方の羽根部を台座側に押す動作があって初めて配線着脱部位が配線の径方向寸法よりも広がるので、配線が自然に配線着脱部位を通過してしまう可能性は著しく低いものとなる。
【0013】
そして、これらの構成の配線保持器を複数において配線に装着し、配線をラックや架の外面等に沿うように配置することで、配線を床上に這わせたり、ビニルテープ等の粘着部材で架やラックに仮固定したりする必要がなくなる。また、架内やラック内の専用コードホルダーに配線を通過させる必要性もなくなる。
【0014】
更に、この発明に係る配線保持器は、前記ホルダー部材、台座又は羽根部に1又は2以上の平らな外面を設け、この外面に接着手段を備えるものとしても良い(請求項4)。この接着手段としては、マグネット、両面テープ等が挙げられる。このように配線保持器に接着手段を備えさせることにより、配線をラックや架の外面等に沿うように確実に配置することが可能となる。
【0015】
しかも、ホルダー部材を有する配線保持器にあっては、配線通過部の軸方向に沿った面の全てに接着手段を備えさせることが考えられ、これにより、ホルダー部材のどの面でも配線をラックや架の外部の立設した壁面等に接着することができる。このため、配線通過部位に配線を通過させた状態とした後に、隣り合う配線保持器間では配線着脱部位の開口の位置が異なるように配線保持器について配線を中心として回転させて壁面等に接着させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、請求項1から請求項4に記載の発明によれば、既に配置された状態の配線であっても或いは頭部にコネクタ等を有する配線であっても、配線保持器の配線着脱部位から配線通過部位内にまで配線を簡易に導いて、配線保持器で配線を保持することが可能である。特に請求項2に記載の発明においては、配線を配線着脱部の開口部から当該配線着脱部に沿って移動させる動作により配線通過部位内にまで簡易に導いて、配線保持器で配線を保持することが可能である。また、特に請求項3に記載の発明においては、両方の羽根部を台座側に押すことで挟持用部材の延出方向側の端部間を配線の径方向寸法よりも広げて、この間に配線を通す動作により配線を配線通過部位内にまで簡易に導いて、配線保持器で配線を保持することが可能である。よって、配線に対する配線保持器の保持のための作業を簡易なものとすることができる。
【0017】
そして、請求項1から請求項4に記載の発明によれば、配線着脱部位に配線抜け防止機能を与えているので、人為的に操作しない限り、配線保持器の配線通過部位から配線着脱部位を経て外部に配線が抜けるのを防止することが可能である。特に請求項2に記載の発明においては、配線が配線通過部から外部に抜けるには、途中で折れ曲がった配線着脱部を通る必要がある。請求項3に記載の発明においては、配線が配線保持器から抜けるには、両方の羽根部が台座側に押されて配線着脱部位が配線の径方向寸法よりも広がる必要がある。このため、配線が自然に配線保持器から抜けるのを防止することが可能である。しかも、配線の抜け防止を配線保持器の素材が有する弾性に委ねる必要はないので、経年劣化によりその保持力が弱くなることもない。
【0018】
また、この発明に係る配線保持器を複数用いて既に配置状態の配線を保持し、且つこの配線保持器を壁面に取り付けることにより、配線を床面に直置きしたり、ビニルテープ等の粘着部材で架やラックに仮固定したりする必要性をなくし、踏みつけにより又は取り外しの際に配線が損傷する可能性をなくすことができる。また、架内やラック内の専用コードホルダーに配線を通過させる必要性もなくすことができるので、配線の設置、撤去時に運用中の配線へのテンションがかかるのを防止し、配線の選択を誤認して取り外す不具合をなくすことができることから、配線の設置・撤去のために配線が属する回線全体に悪影響を及ぼすことを抑止することが可能である。
【0019】
特に、請求項4に記載の発明によれば、配線保持器を確実に目標物の壁面に接着させることが可能となる。しかも、ホルダー部材の配線通過部の軸方向に沿った面の全てに接着手段を備えさせることにより、配線通過部位に配線を通過させた状態とした後に、隣り合う配線保持器間では配線着脱部位の開口の位置が異なるように配線保持器について配線を中心として回転させて設置することで、配線が配線着脱部の開口部から抜けるおそれをより小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、この発明に係る配線保持器の第1の実施例の構成を示す斜視図であり、図1(a)は、かかる配線保持器を配線着脱部位がある側から見た状態の斜視図、図1(b)は、かかる配線保持器を図1(a)とは反対側から見た状態の斜視図である。
【図2】図2は、同上の配線保持器の第1の実施例の構成を示す説明図であり、図2(a)は、かかる配線保持器の平面図、図2(b)はかかる配線保持器の側面図、図2(c)はかかる配線保持器の図2(b)とは異なる方向から見た状態の側面図である。
【図3】図3は、配線を配線保持器の配線着脱部位の開口部に側方から入れて保持する過程及び保持された状態を示す説明図である。
【図4】図4は、同上の配線保持器を複数用いて配線を保持するにあたり、隣り合う配線保持器では配線着脱部位の向きを異ならせるという手法を説明するための斜視図である。
【図5】図5は、同上の配線保持器を複数用いて配線を架やラックの外面に取り付けた状態を示す説明図である。
【図6】図6は、この発明に係る配線保持器の第2の実施例の構成を示す説明図であり、図6(a)は、かかる配線保持器の斜視図、図6(b)は、かかる配線保持器の配線通過部位の軸方向側から見た状態を示す平面図である。
【図7】図7は、同上の配線保持器に配線を保持させる手法を説明した説明図であり、図7(a)は、配線保持器の羽根部を押し広げた状態を示す説明図、図7(b)は配線が配線保持器の配線通過部位に収納された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
図1から図4において、この発明に係る配線保持器1の第1の実施例が示されている。この配線保持器1は、通信用又は電力供給用として用いられる配線20を例えば図5に示すラックや架等の被保持体24、25、26の外面に仮保持若しくは常時保持するためのものであって、ブロック体状のホルダー本体2から基本的に構成されている。
【0023】
このホルダー本体2は、当該第1の実施例では、6つの平らな外面2a乃至2fを有する直方体状をなしている。そして、ホルダー本体2は、外面2aからこの外面2aと対峙する外面2bに向けて直線的に延びる貫通孔状の配線通過部位3を有しており、これに伴い、ホルダー本体2には2つの開口部4、4が形成されている。また、外面2aは、配線通過部位3の周囲の部位を配線通過部位3の軸方向に沿って窪ませることで、特に図2(a)に示されるように、配線通過部位3の開口部4側から見て、長方形状の陥没面5を有する窪み部6を有している。これにより、開口部4、4のうち外面2a側のものは、当該外面2aよりも相対的に低い陥没面5に開口したものとなっており、外面2aが上方を向いている場合には、後述する配線20のコネクタ21を窪み部6内に収納・保持することができる。更に、配線通過部位3の外面2aの開口部4は、当該第1の実施例では、配線通過部位3の他の部位よりも外面2a側に向かうに従い徐々に拡がるテーパ状をなしている。
【0024】
図2(a)に示される配線通過部位3のうち外面2a側の開口部4以外の内径寸法値L1は、配線20の外径寸法と同じかそれ以上の数値となっていると共に、配線通過部位33のうち外面2a側の開口部4の内径寸法値L2は、当然ながら配線通過部位3の内径寸法値L1よりも大きな数値となっている。但し、配線通過部位3の寸法値L1、L2は、配線20がその頭部に有するコネクタ21の外径寸法の数値よりも小さくなっていても良い。これにより、配線20のみが配線保持器1の配線通過部位3内に収納可能である。
【0025】
更に、配線保持器1は、ホルダー本体2のうち配線通過部位3に対しその径方向に沿って、陥没面5から外面2a側に進むように外面2fに向けて延びた後、外面2aに至った部位で今度は外面2cに向けて略直角に曲折することで、外面2側から見て直線のスリッド状に開口した配線着脱部位8を有している。この配線着脱部位8は、特に図2(a)に示されるように、配線通過部位3の開口部4側から見て略L字型の形状をなしていると共に、その開口部9は配線通過部位3の開口部4、4とは直交する方向に開口したものとなっている。また、配線着脱部位8の図2(a)に示される短手側幅寸法L3は、配線20の外径寸法と同じかそれ以上の数値となっている。
【0026】
このような配線保持器1の構成によれば、図3に示されるように、コネクタ21を頭部に有する配線20であっても、開口部9側から配線着脱部位8内に配線20を引き込み、配線着脱部位8内をその略L字型の形状に沿って道なりに移動させることにより、配線20を配線通過部位3まで案内し、配線通過部位3内に収納し、保持することができる。しかも、配線通過部位3内に収納・保持された配線20が自然に配線通過部位3を上記と逆方向に移動する可能性は極めて低いことから、配線20の配線保持器1からの抜け防止も担保することができる。
【0027】
更にまた、複数の配線保持器1を用いて配線20を保持する場合には、配線20を上記手法により配線通過部位3に収納した後に、配線保持器1について配線20を中心として回転させることにより、図4に示されるように、隣り合う配線保持器1同士では、配線着脱部位8の開口部9の向きが逆方向になるようにする。これにより、配線20の配線保持器1からの抜け防止をより確実なものとすることができる。
【0028】
そして、配線保持器1は、外面2cから外面2dについて、例えばその表面の全面においてマグネット又は両面テープ等から成る接着手段を有している。
【0029】
これにより、図5に示されるように、例えばラックや架等の被保持体24と2つ隣りのラックや架等の被保持体24とを配線20を介して接続する場合に、例えば5個の配線保持器1で配線20を保持して、これらの配線保持器1を被保持体24、25、26の外側上面に接着手段を利用して設置することにより、床に這わせる等して床に直置きしたり、ビニルテープ等で架やラックに仮固定したりする必要性がなくなる。また、図5に示されるように、ラックや架等の被保持体26と測定器27とを配線20を介して接続する場合に、例えば3個の配線保持器1で配線20を保持して、これらの配線保持器1を被保持体26の外側側面に接着手段を介して設置することにより、架やラック内の専用コードホルダーに通過させたり、収束具で束にして固定したりする必要性がなくなる。
【実施例2】
【0030】
図6及び図7において、第1の実施例とは異なる配線保持器1が第2の実施例として示されている。以下、かかる配線保持器1について図6及び図7を用いて説明する。但し、先の第1の実施例と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
この配線保持器1も、通信用又は電力供給用として用いられる配線20を例えば図5に示すラックや架等の被保持体24、25、26の外面に仮保持若しくは常時保持するためのものである。そして、この配線保持器1は、プレート状の台座11と、この台座11から弧状に且つ鏡面対象的に延出した2つの挟持用部材12、12によりその内周側に画成された配線通過部位13と、挟持用部材12と挟持用部材12との間に位置して、配線通過部位13及び外部を連通する配線着脱部位14とを有して構成されている。
【0032】
配線通過部位13は、図6(b)に示されるように通常時において略円形状に画成されており、その軸方向両側に開口したものとなっている。また、配線通過部位13の径方向における最大内径寸法値L4は、配線20の外径寸法と同じかそれ以上の数値となっている。また、配線着脱部位14は、挟持用部材12、12間の寸法値が通常状態において配線20の外径寸法よりも小さくなっている。そして、挟持用部材12、12の延出方向の先端部位には、相互に離れる方向に延びるプレート状の羽根部15、15が連接されている。
【0033】
このような配線保持器1の構成によれば、両方の羽根部15、15を図7(a)の矢印方向に指等で押すことにより、挟持用部材12、12が当該図7(a)に示されるように、外側に拡がるように変形し、これに伴い、配線着脱部位14の挟持用部材12、12間の寸法値L5も配線20の外径寸法よりも一時的に大きくなる。そして、この配線着脱部位14から配線20をその径方向に沿って図7(a)の白抜き矢印方向に進入させることにより、配線20は配線通過部位13内に収納される。その後においては、挟持用部材12、12が元の状態に戻り、配線着脱部位14の挟持用部材12、12間の寸法値L5も配線20の外径寸法よりも小さくなるので、図7(b)に示されるように、配線20は配線保持器1の配線通過部位13で保持される。しかも、挟持用部材12、12に対し自然に図7(a)の矢印方向に力が加わる可能性は極めて低いことから、配線20の配線保持器1からの抜け防止も担保することができる。
【0034】
そして、配線保持器1は、台座11の挟持用部材12、12とは反対側の面11a及び羽根部15の台座11とは反対側の面15aについて、マグネット又は両面テープ等から成る接着手段を有している。
【0035】
これにより、図5に示される第1の実施例と同様に、例えばラックや架等の被保持体24と2つ隣りのラックや架等の被保持体24とを配線20を介して接続する場合に、例えば5個の配線保持器1で配線20を保持して、これらの配線保持器1を被保持体24、25、26の外側上面に接着手段を利用して設置することにより、床に這わせる等して床に直置きしたり、ビニルテープ等で架やラックに仮固定したりする必要性がなくなる。また、ラックや架等の被保持体26と測定器27とを配線20を介して接続する場合に、例えば3個の配線保持器1で配線20を保持して、これらの配線保持器1を被保持体26の外側側面に接着手段を介して設置することにより、架やラック内の専用コードホルダーに通過させたり、収束具で束にして固定したりする必要性がなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、光コード等の通信線、電力線、その他の配線の途中箇所を一時的又は常時に保持するのに利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 配線保持器
2 ホルダー本体
2a 面
2b 面
2c 面
2d 面
2e 面
2f 面
3 配線通過部位
4 開口部
5 陥没面
6 窪み部
8 配線着脱部位
9 開口部
11 台座
12 挟持用部材
13 配線通過部位
14 配線着脱部位
15 羽根部
20 配線
21 コネクタ
24 被保持体
25 被保持体
26 被保持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信用又は電力供給用として用いられる配線を保持するためのもので、
前記配線の外径寸法と略同じかそれ以上の内径寸法を有して、前記配線を収納することが可能である配線通過部位と、
この配線通過部位の全域に亘って外部と連通するように形成されると共に、前記配線通過部位内に前記配線が収納された場合に、この配線が外部に抜けることを防止した配線抜け防止機能を備えた配線着脱部位とを有することを特徴とした配線保持器。
【請求項2】
通信用又は電力供給用として用いられる配線を保持するためのもので、
ブロック状のホルダー本体と、
このホルダー本体を貫通することにより両側に開口部を有して形成されると共に、その内径寸法を前記配線の外径寸法と略同じかそれ以上にすることにより前記配線を収納することが可能である配線通過部位と、
この配線通過部位の全域に亘って前記ホルダー部の外部と連通するようにスリット状に形成されるもので、前記配線通過部位の径方向に沿って延びた後に前記配線通過部位の径方向と交差する方向に曲折することにより前記ホルダー部に対し前記配線通過部位の開口部とは異なる開口部を設けた配線着脱部位とを有することを特徴とした配線保持器。
【請求項3】
通信用又は電力供給用として用いられる配線を保持するためのもので、
プレート状の台座と、
この台座から弧状に延出した2つの挟持用部材によりその内周側に画成され、且つ前記配線を収納することが可能である配線通過部位と、
この配線通過部位の全域に亘って外部と連通するように形成されるもので、前記挟持用部材の延出方向側の端部間に配されると共にその幅を前記挟持用部材の延出方向側の端部から相互に離れる方向に延びる羽根部の操作で調整可能な配線着脱部位とを有することを特徴とする配線保持器。
【請求項4】
前記ホルダー部材、台座又は羽根部に1又は2以上の平らな外面を設け、この外面に接着手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の配線保持器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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