説明

配線回路形成用キャリア粒子及び現像剤

【課題】高帯電、かつ帯電立ち上がり性及び流動性に優れ、トナーに十分な帯電を付与することができる配線回路形成用キャリア粒子及び該キャリアを用いた現像剤を提供すること。
【解決手段】金属粉、無機化合物粉又はこれらの混合原料粉のいずれかを回路形成用トナー粉として用い、この回路形成用トナー粉をキャリア粒子の表面に静電力で付着させて絶縁層の表面に運び、該絶縁層上に回路形状を直接形成するために用いるキャリア粒子であって、前記キャリア粒子は、キャリア芯材粒子の粒子表面に、アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物を用いた樹脂被覆層を有し、該キャリア芯材粒子重量を100重量%としたとき、アクリル樹脂組成物の被覆量が0.3〜3.0重量%であり、かつ該キャリア芯材の粒子の形状係数SF−1が100〜110である電子写真現像法による配線回路形成用キャリア粒子を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高帯電性で帯電立ち上がり性及び流動性に優れ、トナーに良好な帯電を付与することができる配線回路形成用キャリア粒子及び該キャリア粒子を用いた配線回路形成用現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導体パターン等の形成にはスクリーン印刷が用いられていた。しかし、スクリーン印刷は、メッシュ状の網からなるスクリーンを用いるので、経時の使用によるスクリーンだれによる印刷精度の低下が生じたり、回路パターン毎に製版が必要なため、製造効率やコストの点で不利であった。
【0003】
このようなスクリーン印刷に代わる印刷方法としてトナーとキャリアからなる現像剤を用いた電子写真方式による印刷が一般的に普及してきている。電子写真方式による印刷は、電子写真技術を応用するもので、紙以外に印刷する用途が増えつつあり、その用途として回路基板上の導電性物質による配線パターン形成、回路パターン上における絶縁性樹脂層の形成といったものが挙げられる。
【0004】
これらの用途では通常の印刷用のトナーと比べて特殊な材料を含んでいるため帯電制御剤が使用できない、あるいは使用できたとしてもその添加量に制限がある場合が多く、トナーを摩擦帯電させにくいのが現状である。
【0005】
さらに、印刷する対象物に対してある程度の印刷層の厚みが必要となるためトナーの粒径が一般的な印刷用のトナーと比較して大きいのが特徴である。
【0006】
従来のキャリアとトナーの摩擦による帯電は、キャリア表面に対して十分トナーが小さいことを前提にしており、キャリアの表面の凹凸の存在はそれほど問題にはならなかった。しかしながら、トナーが前述の通り一般的なトナーと比較して大粒径になることで従来では問題にならなかったキャリア表面の凹凸が摩擦帯電を妨げることがある。具体的にはトナーとキャリアの粒径が近い場合にはお互いに点接触すると考えられるが、実際にはキャリア表面及びトナー表面はともに凹凸が存在し、その凹凸の度合いが同程度の場合は、トナーとキャリアの接触点が減少するため十分な帯電が行われないということである。
【0007】
さらに、トナー材料の制限により、トナーが帯電しにくく従来のキャリアでは十分な帯電をトナーに与えることが出来ないことが問題となっている。
【0008】
また、紙に印刷する従来のフルカラープリンター等と同程度の高印字率での使用が前提となるため、良好な帯電の立ち上がりが要求されている。
【0009】
このような電子写真法を用いた導体パターン等の形成には、種々の提案がなされている。特許文献1(特開平11−193402号公報)には、金属粒の表面が熱可塑性絶縁物により被覆されて絶縁化され、平均粒径が2〜20μmの範囲にある絶縁化表面処理金属粒子が記載されている。このような絶縁化表面処理金属粒子は、大きな金属粒比率と高い絶縁性の双方を実現することができ、電子写真法によりグリーンシート上に導体パターンを形成するトナーとして利用した場合には、高い絶縁性によって均一な帯電が可能となることにより大きな精度で導体パターンを印刷、形成でき、焼成後には良好な導電を有し信頼性の高い導体パターンを形成できると記載されている。また、キャリアについては、鉄粉キャリア、フェライト系キャリア等が用いられ、粒子径は40〜120μmが好ましいとされている。
【0010】
この特許文献1は、絶縁化表面処理金属粒子をトナーとして用いることによって、均一な帯電が可能とするものであり、キャリアについては一般的な記載がなされているのみである。
【0011】
特許文献2(特開2003−345206号公報)には、キャリア粉末及び回路形成用荷電性粉末からなる二成分現像剤を用いた回路パターン形成方法が開示され、キャリア粉末が、回路形成用金属、合金及び化合物の1種以上を50重量%以上含有し、表面が絶縁性被膜で覆われたものを用いることが記載されている。このようなキャリア粉末は、銅、ニッケル、クロム等からなる回路形成用金属を含み、その回路形成用金属の表面がポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等からなる絶縁性被膜で被われたものであるとされている。
【0012】
この特許文献2では、前記のようなキャリア粉末を用いることにより、キャリア粉末が回路パターン上に付着しても、回路パターンの電気抵抗の増大を防ぐことができるとされている。しかし、このキャリアは、トナーに良好な帯電を付与するものではない。
【0013】
特許文献3(特許第3994154号公報)には、電子写真法による導体パターン形成用の二成分系現像剤であって、特定の金属トナーと磁性粒子が樹脂層で被覆されたキャリアとからなる現像剤が記載されている(請求項7)。このようなキャリアに用いられる樹脂としてフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂が挙げられ、その重量が磁性体粒子の0.1〜3重量%とされ、磁性体粒子はフェライト、マグネタイト、鉄からなるとされ、キャリアの平均粒径は20〜100μmであると記載されている(請求項8〜11)。
【0014】
特許文献3では、表面処理剤薄膜層で被覆された金属トナーと樹脂層で被覆されたキャリアとからなる現像剤を用いた電子写真画像形成方法により、高帯電かつ均一な帯電が可能となることにより大きな精度で導体パターンを基板もしくは薄膜シート上に印刷、形成でき、定着後にはピンホールの少ない良好な導電性を有する信頼性の高い導体パターンを形成できるとされている(段落〔0048〕)。
【0015】
この特許文献3には、キャリアは、トナーに良好な帯電を付与する旨記載されているが、磁性体粒子にフッ素樹脂等の樹脂層を単に被覆したのみのキャリアでは、トナーに十分な帯電を付与することはできず、また高帯電性及び帯電立ち上がり性も満足できるものではない。
【0016】
【特許文献1】特開平11−193402号公報
【特許文献2】特開2003−345206号公報
【特許文献3】特許第3994154号公報
【0017】
このように、配線回路形成用の現像剤において、トナーに十分な帯電を付与すると共に、高帯電で、しかも帯電立ち上がり性に優れたキャリア粒子は得られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の目的は、高帯電、かつ帯電立ち上がり性及び流動性に優れ、トナーに十分な帯電を付与することができる配線回路形成用キャリア粒子及び該キャリアを用いた現像剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、前記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、前記目的は、キャリア芯材粒子表面が特定の樹脂被覆層を有する球状のキャリア粒子によって達成し得ることを知見し、本発明に至った。
【0020】
すなわち、本発明は、金属粉、無機化合物粉又はこれらの混合原料粉のいずれかを回路形成用トナー粉として用い、この回路形成用トナー粉をキャリア粒子の表面に静電力で付着させて絶縁層の表面に運び、該絶縁層上に回路形状を直接形成するために用いるキャリア粒子であって、前記キャリア粒子は、キャリア芯材粒子の粒子表面に、アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物を用いた被覆層を有し、該キャリア芯材粒子重量を100重量%としたとき、アクリル樹脂組成物の被覆量が0.3〜3.0重量%であり、かつ該キャリア芯材の粒子の形状係数SF−1が100〜110であることを特徴とする電子写真現像法による配線回路形成用キャリア粒子を提供するものである。
【0021】
本発明に係る前記配線回路形成用キャリア粒子は、流動度が20〜60sec/50gであることが望ましい。
【0022】
本発明に係る前記配線回路形成用キャリア粒子において、前記キャリア芯材粒子は、フェライト系成分で構成したものであることが望ましい。
【0023】
本発明に係る前記配線回路形成用キャリア粒子は、平均粒径D50(c)が20〜200μmであることが望ましい。
【0024】
本発明に係る前記配線回路形成用キャリア粒子は、抵抗が1×10Ω〜1×1013Ωであることが望ましい。
【0025】
本発明に係る前記配線回路形成用キャリア粒子において、前記被覆層は、流動床コーティング装置により形成されることが望ましい。
【0026】
また、本発明は、前記キャリアと配線回路形成用トナーとからなる配線回路形成用現像剤を提供するものである。
【0027】
本発明に係る前記配線回路形成用現像剤において、前記回路形成用トナー粉の平均粒径D50(t)が3〜150μmであり、該トナー粉の平均粒径D50(t)とキャリア粒子の平均粒径D50(c)との平均粒径比[D50(t)/D50(c)]が0.1〜3.5の範囲にあることが望ましい。
【0028】
本発明に係る前記配線回路形成用現像剤において、前記回路形成用トナー粉は、金属粉として銅粉、銀粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、白金粉、金粉、錫粉、銅系合金粉、銀系合金粉、ニッケル系合金粉、アルミニウム系合金粉、白金系合金粉、金系合金粉、導電性酸化物粉から選ばれる1種以上を用いるものであることが望ましい。
【0029】
本発明に係る前記配線回路形成用キャリア粒子において、前記回路形成用トナー粉は、無機化合物粉としてチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化チタン、シリカから選ばれる1種以上を用いるものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、キャリア芯材の表面がアクリル樹脂で被覆され、また真球状であることから、高い帯電性を有し、しかも帯電立ち上がり性及び流動性が良好である。そして、このキャリア粒子をトナーと共に配線回路形成用現像剤として用いたときには、トナーに十分な帯電を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子>
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、金属粉、無機化合物粉又はこれらの混合原料粉のいずれかを回路形成用トナー粉として用い、この回路形成用トナー粉を表面に静電力で付着させて絶縁層の表面に運び、当該絶縁層上に回路形状を直接形成するために用いる。
【0032】
本発明に用いられるキャリア芯材粒子は、その粒子の形状係数SF−1が100〜110であり、100〜108が望ましい。このように真球状のキャリア芯材粒子を用いることによって、表面の凹部がなくなり、表面の凹凸のあるトナーとの接触点を増加させ、摩擦帯電が起こりやすくなる。また、トナーとの接触回数が増加し、帯電の立ち上がりも改善される。形状係数SF−1が110を超えると、形状が真球状でなくなるため、トナーとの接触点が減少し、十分な帯電をトナーに付与できない。ここで形状係数SF−1は、下記によって求められる。
【0033】
(形状係数SF−1)
日本電子社製JSM−6060Aを用い、加速電圧は20kVとし、キャリアSEMを200倍視野にて、粒子が重ならないように分散させて撮影し、その画像情報を、インターフェースを介してメディアサイバネティクス社製画像解析ソフト(Image−Pro PLUS)に導入して解析を行い、Area(面積)及びフェレ径(最大)を求め、下記式より算出し得られた値である。キャリアの形状が球形に近いほど100に近い値となる。形状係数SF−1は、1粒子毎に算出し、100粒子の平均値をそのキャリアの形状係数SF−1とした。
【数1】

【0034】
このキャリア芯材粒子は、特に限定されないが、フェライト成分で構成されることが望ましい。フェライト成分としては、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが特に望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を、不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
【0035】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、キャリア芯材粒子の粒子表面に、アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物を用いて形成された樹脂被覆層を有する。このような樹脂被覆層を有することによって、キャリアの帯電付与能力が大きくなり、高帯電で帯電立ち上がり性の良好なキャリアが得られる。
【0036】
アミノ基含有ポリマーの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂として例えば三菱レイヨン社製LR−269が挙げられる。
【0037】
このような樹脂被覆層は、流動床コーティング装置を用いて形成することが望ましい。このような流動床コーティング装置を用いることにより、キャリア芯材粒子の表面に均一に樹脂被覆層が形成される。
【0038】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、キャリア芯材重量を100重量%したとき、アクリル樹脂の被覆量は0.3〜3.0重量%、好ましくは0.3〜2.5重量%である。アクリル樹脂の被覆量が0.3重量%よりも小さい場合には、キャリア芯材を一様に被覆することができず、十分な帯電をトナーに対して付与することができないおそれがある。アクリル樹脂の被覆量が3.0重量%よりも大きい場合には、流動性が悪くなり、現像機中で十分な摩擦帯電を行うことができず、十分な帯電をトナーに対して付与することができないおそれがあるだけでなく、抵抗が高くなり印字部へのキャリア付着が起こりやすくなり、白斑等の画像欠陥の原因となるため良くない。
【0039】
また、キャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、樹脂被覆層中に導電性剤を添加することができる。導電性剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、添加量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、添加量としては、樹脂被覆層の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電性剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
【0040】
また、前記樹脂被覆層中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。これは被覆層形成によって芯材露出面積を比較的小さくなるように制御した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
【0041】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、流動度が20〜60sec/50gであることが望ましく、21〜55sec/50gがより望ましい。流動度が20sec/50gよりも小さい場合には、流動性が高くなりすぎ現像剤として使用した際に現像剤が現像機中で偏り磁気ブラシを回転させるモーターの負荷が大きくなりすぎる可能性があり、60sec/50gよりも大きい場合には、流動性が悪く、現像機中で十分な摩擦帯電を行うことができず、十分な帯電をトナーに対して付与することができないおそれがある。この流動度は、下記によって測定される。
【0042】
(流動度)
JIS Z2502(金属粉の流動性試験法)によって測定される。
【0043】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、平均粒径D50(c)が20〜200μmであることが望ましく、30〜150μmがより望ましい。平均粒径D50(c)が20μmよりも小さい場合はキャリア1粒子当たりの磁力が小さくなりすぎキャリア付着が発生しやすいので好ましくない。また、平均粒径D50(c)が200μmよりも大きい場合は比表面積が小さくなりすぎ、トナーと接触する面積が小さくなりすぎるため帯電量を維持できなくなる恐れがある。なお、トナーの平均粒径とキャリアの平均粒径については後述する。また、このトナー及びキャリアの平均粒径D50(t)及びD50(c)は下記により測定される。
【0044】
(平均粒径(体積平均粒径))
平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した。装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いた。屈折率は2.42とし、25±5℃、湿度55±15%の環境下で測定を行った。ここで言う平均粒径(メジアン径)とは、体積分布モード、ふるい下表示での累積50%粒子径である。キャリアサンプルの分散は、分散液として0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、超音波工業社製ウルトラソニックホモジナイザー(UH−3C)にて1分間の超音波処理とした。
【0045】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、抵抗が5×10Ω〜1×1013Ωであることが望ましく、1×10Ω〜5×1012Ωがより望ましい。抵抗が5×10Ωよりも小さい場合には、樹脂被覆が十分ではなくキャリア芯材が露出していることを意味しており、十分な帯電をトナーに対して付与できないおそれがある。抵抗が1×1013Ωよりも大きい場合には、印字部にキャリアが付着する可能性があるのでよくない。この抵抗は、下記によって測定される。
【0046】
(抵抗)
電極間間隔1mmにてN極及びS極を対向させ、非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)間に、試料200mgを秤量して挿入する。磁石(表面磁束密度:1500ガウス、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、測定電圧100Vを電極間に印加し、10sec後の抵抗をケースレー社製6517A型絶縁抵抗計にて測定した。
【0047】
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアの3K・1000/4π・A/mにおける磁化が50〜96Am/gであることが望ましく、より望ましくは55〜96Am/gであり、最も望ましくは60〜96Am/gである。上記3K・1000/4π・A/mにおける磁化が50Am/g未満であると、飛散物磁化が悪化しキャリア付着による画像欠陥の原因となる可能性がある。また96Am/gを超えた場合、磁気ブラシ上の穂立ちが疎になるため印字部の厚みにむらができやすくなり、後工程で導通不良等の不具合の発生原因となる可能性がある。
【0048】
(磁化)
積分型B−HトレーサーBHU−60型(研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
【0049】
<本発明に係る配線回路形成用キャリアの製造方法>
次に、本発明に係る配線回路形成用キャリアの製造方法について述べる。
先ず、所定組成となるように、フェライト原料を適量秤量した後、ボールミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕、混合する。このようにして得られた粉砕物を加圧成型器等によりペレット化した後、900〜1200℃の温度で仮焼成する。仮焼成温度が900℃未満では、本焼成後のキャリア表面形状が凹凸になってしまい、1200℃を超えると、粉砕が困難となる。加圧成型器は使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化してもよい。
【0050】
仮焼成後、さらにボールミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じて分散剤、バインダー等を適量添加してスラリーとなし、粘度調整後、スプレードライヤーにて造粒し、酸素濃度を0〜21容量%に制御し、1100〜1450℃で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼成後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕してもよい。
【0051】
このように本焼成して得られた焼成物を、解砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整したキャリア芯材粒子を得る。
【0052】
真球度の高い芯材粒子を得る方法としては上記工程にて得られた芯材粒子又は焼成前の造粒品を例えば酸素とプロパンの混合ガスによるフレーム中を通過させることが挙げられる。芯材粒子上により均一な樹脂被覆層を形成するためには真球化処理を行うとより好ましい。
【0053】
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、300〜700℃で熱処理を行う。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1〜5μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生しや易くなる。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行ってもよい。
【0054】
次に、得られたキャリア芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する。アクリル樹脂の被覆方法としては、アクリル樹脂(樹脂組成物)を溶剤に希釈し、キャリア芯材粒子の表面に被覆するのが一般的である。アクリル樹脂の被覆量は、前述した通りである。ここに用いられる溶剤としては、トルエン、キシレン、セロソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール等が挙げられる。またキャリア芯材粒子に、前述のような被覆樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させ、均一な被覆層を得るためには、流動床コーティング装置による方法が好ましく、真球状のキャリア芯材粒子に流動床コーティング装置を用いて樹脂被覆することが最も好ましい。
【0055】
アクリル樹脂をキャリア芯材粒子に被覆後、焼き付けする場合は、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。
【0056】
このようにして、キャリア芯材粒子表面に樹脂が被覆、焼き付けられた後、冷却され、解砕、粒度調整を経て本発明に係るキャリア粒子が得られる。
【0057】
<本発明に係る配線回路形成用現像剤>
次に、本発明に係る配線回路形成用現像剤について説明する。
【0058】
本発明に係る配線回路形成用現像剤は、前記キャリア粒子と配線回路形成用トナー粉とからなる。
【0059】
本発明の配線回路形成用現像剤を構成するトナー粉は、平均粒径D50(t)が3〜150μmであることが望ましい。トナー粉の平均粒径D50(t)がこの範囲を外れた場合には、静電気的な制御が困難となり、地かぶり等が発生して画像レベルが低下する。また、トナー粉の平均粒径D50(t)が150μmを超えると細かい配線回路を形成することができない。
【0060】
本発明の配線回路形成用現像剤は、トナー粉の平均粒径D50(t)とキャリア粒子の平均粒径D50(c)との平均粒径比[D50(t)/D50(c)]が0.1〜3.5の範囲にあることが望ましく0.1〜0.9及び1.1〜3.5であることがさらに望ましく、0.1〜0.8及び1.2〜3.5であることが最も望ましい。前記平均粒径比が0.1より小さい場合には、1回の印字で十分な印刷厚さを得ることが出来ないため配線基板用途では使用できない。3.5より大きい場合には、トナーに対してキャリアが小さくなりすぎ、十分な帯電をトナーに対して付与出来ないおそれがある。
【0061】
前記回路形成用トナー粉は、金属粉、無機化合物粉又はこれらの混合原料粉のいずれかである。前記回路形成用トナー粉として用いられる金属粉は、銅粉、銀粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、白金粉、金粉、錫粉、銅系合金粉、銀系合金粉、ニッケル系合金粉、アルミニウム系合金粉、白金系合金粉、金系合金粉、導電性酸化物粉から選ばれる1種以上である。これら金属粉の表面をポリエチレン等の絶縁性樹脂や飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及び、各種シランカップリング剤等の表面処理剤で被覆したものを用いても良い。
【0062】
前記回路形成用トナー粉として用いられる無機化合物粉としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化チタン、シリカから得らばれる1種以上である。これら無機化合物粉の表面をポリエチレン等の絶縁性樹脂や飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及び、各種シランカップリング剤等の表面処理剤で被覆したものを用いても良い。
【0063】
トナーの製造方法については粉砕法、重合法のどちらでも良く、バインダー樹脂については対象物への印刷後の処理の方法及び印刷物の用途によって各種バインダー樹脂を選ぶことが出来る。トナーに含有させる帯電制御剤をはじめ各種添加剤についても対象物への印刷後の処理の方法及び印刷物の用途によって各種添加剤を選ぶことが出来るが、最終的に添加物及びバインダーが結果物に対して性能をはじめ安全性等を含めて悪影響を与えないことは言うまでもない。
【0064】
本発明の配線回路形成用現像剤において、キャリア粒子とトナー粉の混合比、即ちトナー濃度は、5〜30重量%に設定することが好ましい。5重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、30重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
【0065】
本発明に係る回路形成用現像剤は、各種電子機器基板の配線パターン、フラットパネルディスプレイ基板上の各種配線パターン及び/又は積層セラミックコンデンサ等の積層電子部品における内層電極等の回路形成に用いられる。
【0066】
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0067】
MnO換算で39.7mol%、MgO換算で9.9mol%、Fe換算で49.6mol%、SrO換算で0.8mol%になるように各原材料を適量配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合し、乾燥させ、950℃で4時間保持した後、湿式ボールミルで24時間粉砕を行ったスラリーを造粒乾燥し、酸素濃度0%雰囲気の中で1270℃、6時間保持した後、解砕、粒度調整を行い、Mn−Mg−Srフェライト粒子(キャリア芯材粒子)を得た。
【0068】
得られたフェライト粒子を40kg/hrの供給速度でプロパン5Nm/hr、酸素25Nm/hrが供給されるフレームを通過させて真球化処理を行った。得られたフェライト粒子は表1に示されるように真球状で平均粒径D50(c)が80μm、形状係数SF−1は108であった。
【0069】
次に、アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物(商品名:LR−269、三菱レイヨン社製)を水で希釈し、被覆層形成液を調製し、た。この被覆層形成液を用い、前記キャリア芯材粒子10kgと共に流動床被覆装置に投入して樹脂被覆層を形成した。その後、145℃で1時間、焼付けを行い、樹脂被覆量0.5重量%の配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【実施例2】
【0070】
アクリル樹脂被覆量を0.3重量%とした以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【実施例3】
【0071】
アクリル樹脂被覆量を2.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【実施例4】
【0072】
平均粒径D50(c)が35μm、形状係数SF−1が106のキャリア芯材粒子を調製した以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【実施例5】
【0073】
キャリア芯材組成をMnO換算で20mol%、Fe換算で80mol%とし、平均粒径D50(c)が120μm、形状係数SF−1が109のキャリア芯材粒子を調製した以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【実施例6】
【0074】
芯材粒子被覆用アクリル樹脂組成物をアミノ基含有ポリマー含有アクリル樹脂組成物LR−269にアミノシランカップリング剤(商品名AY43−059、東レ・ダウコーニング社製)を添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。なお、このときアミノシランカップリング剤はアクリル樹脂組成物の固形分に対して10重量%となるように添加した。
【比較例】
【0075】
(比較例1)
平均粒径D50(c)が80μm、形状係数SF−1が121の真球化処理を行っていないキャリア芯材粒子を調製した以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【0076】
(比較例2)
アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物であるLR−269に代えてアクリル樹脂(商品名:BR−52、三菱レイヨン社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【0077】
(比較例3)
アクリル樹脂被覆量を3.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【0078】
(比較例4)
アクリル樹脂被覆量を0.25重量%とした以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【0079】
(比較例5)
アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物であるLR−269に代えてシリコーン樹脂(商品名:SR2411、東レ・ダウコーニング社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして配線回路形成用キャリア粒子を製造した。
【0080】
このようにして製造された実施例1〜6及び比較例1〜5の配線回路形成用キャリア粒子のキャリア芯材粒子の特性(平均粒径、形状及び形状係数SF−1)及び樹脂被覆条件(装置、樹脂名及び被覆量)を表1に示す。また、配線回路形成用キャリア粒子の特性(平均粒径D50(c)、流動度、抵抗及び磁化)を表2に示す。現像剤特性(帯電量)を表3に示す。なお、平均粒径、流動度、抵抗及び磁化は前記の方法によって測定した。また、帯電量は下記の方法によって測定した。
【0081】
〔帯電量測定(0.1≦D50(t)/D50(c)≦1の場合)〕
平均粒径D50(t)15μmの評価用負帯電性ニッケル粉トナー5gとキャリア45gを秤量し、50ccのガラスビンに入れてボールミルでガラスビンが100回転になるように回転数を合わせて混合攪拌を行った。攪拌時間は攪拌開始から1分後、5分後及び30分後でそれぞれ現像剤を0.5gサンプリングし、磁気ブラシを用いた自社製電界分離方式の帯電量測定装置にて帯電量を測定した。このとき、磁気ブラシの回転数は200rpm、磁気ブラシと電極間の距離は4mm、印加電圧は2000V、測定時間は1分間とし、電極に移行したトナー量及びそのときの積算帯電量からトナー1g当たりの帯電量を算出し、帯電量とし、平均粒径D50(t)25μmの評価用負帯電性ニッケル粉トナーを使用する場合は評価用負帯電性ニッケル粉トナー3gとキャリア47gとした以外は前記と同様の方法で帯電量を測定した。
【0082】
〔帯電量測定(1<D50(t)/D50(c)≦3.5の場合)〕
平均粒径D50(t)120μmの評価用負帯電性ニッケル粉トナー2gとキャリア48gを秤量し、50ccのガラスビンに入れてボールミルでガラスビンが100回転になるように回転数を合わせて混合攪拌を行った。攪拌時間は攪拌開始から1分後、5分後及び30分後でそれぞれ現像剤を0.5gサンプリングし、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB−200)にて帯電量を測定した。このとき、ブローのメッシュは250メッシュを使用し、ブロー圧0.1Kg/cm、測定時間は60秒間とし、ブローしてクーロンケージから除去されたキャリア量及びそのときの測定された帯電量からトナー1g当たりの帯電量を算出し、帯電量とした。平均粒径D50(t)60μmの評価用負帯電性ニッケル粉トナーを使用する場合は評価用負帯電性ニッケル粉トナー4gとキャリア46gとした以外は前記と同様の方法で帯電量を測定した。
【0083】
(評価用トナーの作製)
評価用トナーの作製はアクリル系バインダー樹脂4Kg、フィラーとして平均粒径0.6μmの湿式還元により得られたニッケル粉にシランカップリング剤で表面を被覆したもの1Kg、負帯電性の帯電制御剤100gをヘンシェルミキサーで混合後、混合物をニーダーにて溶融混練し、得られた混練物をヘンシェルミキサー及びハンマーミルで粗粉砕したのち、さらにジェットミルで微粉砕し、得られた粉砕物を気流分級機で平均粒径D50(t)が15μmになるように分級し、0.1≦D50(t)/D50(c)≦1の時の評価用トナーとした。また、前記と同様の方法で平均粒径D50(t)25μmの評価用トナーを得た。さらに、前記と同様の方法で1<D50(t)/D50(c)≦3.5の時の評価用トナーとして平均粒径D50(t)60μm及び120μmのトナーを得た。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】

【0087】
表1、表2及び表3に示されるように、実施例1〜6記載のキャリア粒子は配線基板用現像剤として用いるのに十分な帯電能力、抵抗、流動性を備えていることが確認された。なお、現像剤の帯電量としては回路の配線を形成する際のトナー飛散を防止する点で帯電の立ち上がりが重要であり、評価条件にもよるが一般的に1minでの帯電量が4μC/g以上であることが好ましい。一方、比較例1及び4は芯材表面が露出し十分な帯電が得られなかった。比較例2はアミノ基含有ポリマーを含有しなかったため十分な帯電能力が得られなかった。比較例1及び3は流動性が悪いものとなった。比較例5は樹脂の種類が異なったため十分な帯電能力が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係る配線回路形成用キャリア粒子は、キャリア芯材の表面がアクリル樹脂で被覆され、また真球状であることから、高帯電で、帯電立ち上がり性が良好である。従って、このキャリア粒子を用いて、トナー共に現像剤としたときにトナーに十分な帯電を付与することができる。従って、本発明に係る現像剤は、配線回路形成用に好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉、無機化合物粉又はこれらの混合原料粉のいずれかを回路形成用トナー粉として用い、この回路形成用トナー粉をキャリア粒子の表面に静電力で付着させて絶縁層の表面に運び、該絶縁層上に回路形状を直接形成するために用いるキャリア粒子であって、
前記キャリア粒子は、キャリア芯材粒子の粒子表面に、アミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物を用いた被覆層を有し、該キャリア芯材粒子重量を100重量%としたとき、アクリル樹脂組成物の被覆量が0.3〜3.0重量%であり、かつ該キャリア芯材の粒子の形状係数SF−1が100〜110であることを特徴とする電子写真現像法による配線回路形成用キャリア粒子。
【請求項2】
前記キャリア粒子の流動度が20〜60sec/50gである請求項1に記載の配線回路形成用キャリア粒子。
【請求項3】
前記キャリア芯材粒子は、フェライト系成分で構成したものである請求項1又は請求項2に記載の配線回路形成用キャリア粒子。
【請求項4】
前記キャリア粒子は、平均粒径D50(c)が20〜200μmである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の配線回路形成用キャリア粒子。
【請求項5】
前記キャリア粒子は、抵抗が5×10Ω〜1×1013Ωである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の配線回路形成用キャリア粒子。
【請求項6】
前記被覆層は、流動床コーティング装置により形成される請求項1〜請求項5のいずれかに記載の配線回路形成用キャリア粒子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のキャリア粒子と回路形成用トナー粉とからなる電子写真現像法による配線回路形成用現像剤。
【請求項8】
前記回路形成用トナー粉の平均粒径D50(t)が3〜150μmであり、該トナー粉の平均粒径D50(t)と前記キャリア粒子の平均粒径D50(c)との平均粒径比[D50(t)/D50(c)]が0.1〜3.5の範囲にある請求項7記載の配線回路形成用現像剤。
【請求項9】
前記回路形成用トナー粉は、金属粉として銅粉、銀粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、白金粉、金粉、錫粉、銅系合金粉、銀系合金粉、ニッケル系合金粉、アルミニウム系合金粉、白金系合金粉、金系合金粉、導電性酸化物粉から選ばれる1種以上を用いるものである請求項7又は請求項8に記載の配線回路形成用現像剤。
【請求項10】
前記回路形成用トナー粉は、無機化合物粉としてチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化チタン、シリカから選ばれる1種以上を用いるものである請求項7又は請求項8に記載の配線回路形成用現像剤。

【公開番号】特開2009−244573(P2009−244573A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90670(P2008−90670)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000231970)パウダーテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】