説明

配線検査治具及び配線検査装置

【課題】検査用のプローブに接触するバネ等の導電部をその保持部材に取り付ける際に、導電部に接続されたケーブルに手や物が触れることで導電部が保持部材から簡単に浮き上がってしまうことを防止できる配線検査治具、及びこれを含んだ配線検査装置を提供する。
【解決手段】板状部材220の収容室S1に収容された導電部221に接続されるケーブル3が、板状部材220の貫通孔P1を貫通したところで伸縮性を有するシート状部材250を突き通る。ケーブル3は、シート状部材250を突き通ることによってシート状部材250に軽く固定された状態となり、貫通孔P1から収容室S1の方向へ押されても容易にその方向へ戻らなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に形成された配線の検査に用いられる配線検査治具に係り、特に、基板の電極にプローブピンを接触させて配線の導通や短絡、絶縁等の電気的検査を行うために用いられる配線検査治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品を実装する前のプリント基板(ベアボード)の配線に生じた断線や短絡等の欠陥を検査する基板配線検査装置が知られている(下記特許文献を参照)。基板配線検査装置は、基板の配線上のパッドにプローブを接触させて電気信号を供給し、パッド間の電気抵抗や静電容量を測定することにより配線の不良を検査する。
【0003】
基板配線検査装置において基板にプローブを接触させる方式には、大きく分けて2つの方式がある。1つはフライングプローブ方式、もう1つは治具方式と呼ばれる。フライングプローブ方式は、プローブを機械的に移動させて基板の任意の位置に接触させる方式である。治具方式は、特定の基板用に作られた治具によって多数のプローブを保持し、それらを一度に基板の配線に接触させる方式である。治具方式は、特定の基板に合うように作られた専用の治具を用いるため、フライングプローブ方式のように任意の基板の検査を行うことはできないが、プローブの移動時間が存在しないので、一般にフライングプローブ方式より高速に検査を行うことができる。
【0004】
この治具方式には、更に、ユニバーサル治具を使用する方式と専用治具を使用する方式とがある。
【0005】
ユニバーサル治具を使用する方式の場合、基板配線検査装置は、ユニバーサル治具が装着される汎用の検査ヘッド部を備える。検査ヘッド部には、通常の検査で必要とされる数よりも余裕を持たせた多数の電極部が平面上に規則的に配置されている。ユニバーサル治具は、各プローブの一方の尖端を基板表面の所定位置に案内し、他方の尖端を検査ヘッド部の所定の電極部に案内するように、複数の針状のプローブを保持する。検査ヘッド部の各電極部は、プローブの尖端を受けて伸縮するバネを含んでおり、バネの端が検査信号を供給するためのポートに接続されている。検査ヘッド部にユニバーサル治具を装着し、ユニバーサル治具から突き出たプローブを基板の表面に押し当てることにより、基板上の検査対象のパッドがユニバーサル治具を介して電極部と電気的に接続される。
【0006】
他方、専用治具を使用する方式の場合、基板配線検査装置は、上述のような汎用の検査ヘッド部を備えておらず、プローブの尖端を接触させるための複数の電極部を専用治具が保持している。専用治具は、各プローブの一方の尖端を基板表面の所定位置に案内し、他方の尖端を所定の電極部に案内するように、複数の針状のプローブを保持する。各電極部は、プローブの尖端を受けて伸縮するバネを含んでおり、そのバネの端にケーブルが固定されている。各ケーブルは、検査信号を供給する所定のポートに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−058973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図5は、専用治具において電極部のバネを保持する部分を表した図である。専用治具は、プローブを保持する治具と電極部のバネを保持する治具とに分かれており、図5は後者の治具を示す。プローブを保持する治具は、図5に示す治具の上側の面に装着される。
【0009】
電極部のバネ502には、それぞれケーブル503が取り付けられている。板状部材501に形成された多数の孔504に、電極部のバネ502がそれぞれ挿入される。図5に示すように孔504へ挿入されたバネ502の上端には、図示しない治具によって案内されたプローブの尖端が接触する。
【0010】
ところで、この図5に示す治具における電極部のバネ502の間隔は、配線の微細化・狭ピッチ化のためにますます狭くなってきており、バネ502のサイズも非常に小さくなってきている。また、近年、基板の検査ポイント数はますます多くなってきており、片面で数千に達する場合がある。そのため、図5に示す治具の板状部材501には、ケーブル503が付いた非常に小さなバネ502を狭い間隔で大量に取り付けることになり、その作業は非常に困難なものとなっている。
【0011】
図5に示す治具においてバネ502を孔504に挿入する場合、ケーブル503の一端を孔504の上側の開口部から下側の貫通孔505へ通し、バネ504の底が孔504の底に当接するまでケーブル503を下側に引っ張る。ところが、このとき隣接する別のケーブル503に手や物が僅かに触れると、このケーブル503につながったバネ502が浮き上がってしまい、孔504の開口部から簡単に飛び出してしまう。バネ502が孔504の開口部から飛び出した状態でプローブ用の治具を板状部材501の上側の面に装着すると、プローブの先がバネ502の上端と適切に接触しなくなったり、バネ502が上下の治具に挟まれて破損したりする場合がある。
【0012】
このような事態を防ぐため、プローブ用の治具を板状部材501に装着する際には、その装着面におけるバネ502の浮き上がりを目視で確認し、浮き上がったバネ502のケーブル503を1本ずつ引っ張って浮き上がりをなくす必要がある。従って、電極部のバネ502の取り付けには相当な時間がかかり、また、作業者に熟練が要求されるなどの問題がある。
【0013】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査用のプローブに接触するバネ等の導電部をその保持部材に取り付ける際に、導電部に接続されたケーブルに手や物が触れることで導電部が保持部材から簡単に浮き上がってしまうことを防止できる配線検査治具、及びこれを含んだ配線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の観点は、基板の配線の検査に用いる配線検査治具に関するものである。この配線検査治具は、各々の一端が前記基板の表面に接触する、導電性を有した複数の針状のプローブと、前記複数のプローブの他端に接触する複数の導電部と、前記複数の導電部に接続された複数のケーブルと、前記複数のプローブの前記一端を前記基板の表面に案内し、前記複数のプローブの前記他端を前記複数の導電部に案内する案内部と、前記複数の導電部を収容する複数の収容室と、前記複数のプローブの前記他端を前記複数の収容室へ導入する複数の開口部と、前記複数のケーブルが貫通する複数の第1貫通孔とを備えた第1板状部材と、前記第1板状部材において前記複数の第1貫通孔が開口する面に設けられた、伸縮性を有するシート状部材とを有し、前記複数の第1貫通孔から出た前記複数のケーブルがそれぞれ前記シート状部材を突き通ることを特徴とする。
【0015】
好適に、上記配線検査治具は、前記複数の第1貫通孔と対応する位置に設けられた複数の第2貫通孔を備え、前記第1板状部材の前記第1貫通孔が開口する面に前記シート状部材を介して密着する第2板状部材を有してよく、前記複数のケーブルが更に前記複数の第2貫通孔を貫通してよい。
【0016】
好適に、前記シート状部材が、伸縮性を有する繊維を織って形成された布、又は、伸縮性を有する材料で形成された膜を含んでよい。
【0017】
好適に、上記配線検査治具は、前記シート状部材を介して対面する前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが略同一の径を有してよい。
【0018】
好適に、前記導電部は、伸縮する方向に延びて形成され、当該伸縮方向の一端において前記プローブの前記他端と接触し、当該伸縮方向の他端において前記ケーブルと接続された弾性部材を含んでよく、前記第1貫通孔は、前記弾性部材の前記他端より小径に形成されてよい。
【0019】
本発明の第2の観点に係る配線検査装置は、上記第1の観点に係る配線検査治具と、前記複数のケーブルにそれぞれ供給される検査用の電気信号を発生する回路と、前記複数のケーブルのそれぞれから入力される電気信号を測定する回路とを備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、検査用のプローブに接触するバネ等の導電部をその保持部材に取り付ける際に、導電部に接続されたケーブルに手や物が触れることで導電部が保持部材から簡単に浮き上がってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】基板配線検査装置の構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示す治具の構成の一例を示す図である。
【図3】図2に示す第2治具の構成の一例を示す図である。
【図4】図2における点線枠内を拡大して示した図である。
【図5】基板配線検査用の専用治具において電極部のバネを保持する部分を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、基板配線検査装置の構成の一例を示す図である。
図1に示す基板配線検査装置は、検査対象の基板10に接触する複数の針状のプローブ2を保持する治具20と、治具20の内部で複数のプローブ2と電気的につながれた複数のケーブル3と、複数のケーブル3が接続される複数の端子を備えた端子部30と、検査用の電気信号の供給や測定を行う検査部40と有する。
【0023】
治具20,複数のケーブル3,及び端子部30は、検査対象の基板10に検査用の電気信号を供給するための信号経路を形成するブロックである。図1の例において、基板配線検査装置は、このブロック(治具20,複数のケーブル3,端子部30)を2系統備えており、2系統の信号経路によって基板10の両面(上側と下側)の検査を同時に行う。
【0024】
検査部40は、治具20の複数のプローブ2へ検査信号を供給する複数のポートを備える。検査部40は、任意のポートから検査用の電気信号を供給し、2つのプローブ2に生じる電圧や電流、プローブ2の抵抗、プローブ2と基準電位との間の静電容量などを測定する。
【0025】
例えば検査部40は、図1に示すように、信号発生回路41と、測定回路42と、スキャナ回路43と、制御装置44を有する。
信号発生回路41は、複数のケーブル3にそれぞれ供給される検査用の電気信号を発生する。
測定回路42は、複数のケーブル3からそれぞれ入力した電気信号を測定する。例えば、測定回路42は、2つのケーブル3に接続された2つのポートの電圧値や電流値、交流信号の振幅等を測定する。
スキャナ回路43は、信号発生回路41及び測定回路42につながる信号ラインと、端子部30を介して複数のケーブル3につながる複数のポートとの接続を切り替える。
制御装置44は、検査部40の上述した各回路の動作を制御する装置であり、例えばコンピュータを含んで構成される。
【0026】
図2は、治具20の構成の一例を示す図であり、検査対象の基板10が装着される平面(基板装着面)に対して垂直な断面を表す。図2の例において、治具20は、複数のプローブ2(2A,2B)を保持する第1治具21と、この第1治具21に重ねて配置される第2治具22とを有する。
【0027】
第1治具21は、複数のプローブ2(2A,2B)の一端を検査対象の基板10の表面に案内し、複数のプローブ2(2A,2B)の他端を第2治具21の複数の導電部221に案内する。第1治具21に保持されたプローブ2は、検査対象の基板10が装着される基板装着面(図の上側の面)において一方の尖端が突き出し、第2治具22に向き合う面(図の下側の面)において他方の尖端が突き出す。
【0028】
基板装着面において上側に突き出したプローブ2の尖端は、基板10の配線形成面に接触する。図2の例には、接触相手の電極のサイズが異なる2種類のプローブ2A,2Bが示されている。尖端が細いプローブ2Aは表面実装部品のパッドに使用され、尖端が太いプローブ2Bはスルーホール実装部品のランドに使用される。
第2治具22と向き合う面において下側に突き出したプローブ2の尖端は、第2治具22に設けられた導電部221と接触する。
【0029】
また、第1治具21は、図2に示すように、一部のプローブ2を基板装着面に対して斜めに傾けて保持している。これは、基板10の微細でピッチが狭い配線領域に密集したパッド群から、これより広い間隔で配置された導電部221に向かってプローブ2同士の間隔が広がるようにするためである。
【0030】
第1治具21は、例えば図2に示すように、各プローブ2を案内する貫通孔(H11〜H14)がそれぞれ形成された複数枚の板状部材(211〜214)を有する。板状部材211が基板10と最も近い側に配置され、板状部材211から第2治具22の側に向かって順に板状部材212,213,214が配置されている。板状部材(211〜214)は、少なくとも貫通孔(H11〜H14)において絶縁性を有しており、プローブ2同士の短絡を防止する。
【0031】
板状部材211,212,213,214には、プローブ2をそれぞれ1本ずつ通す複数の貫通孔H11,H12,H13,H14が形成されている。各プローブ2は、4枚の板状部材(212〜214)に形成された4つの貫通孔(H11〜H14)を通ることによって、第1治具21の両側から突出する尖端の位置が決められている。
【0032】
板状部材211と212は直接重ねて固定され、板状部材212と213は支柱215によって間隙を設けて固定され、板状部材213と214は支柱216によって間隙を設けて固定される。
【0033】
板状部材213と214の間には、伸縮性のあるシート状部材217(例えばゴムシート)が介挿されており、これを各プローブ2が突き通っている。第1治具21を組み立てる際には、例えば上側の貫通孔H11から貫通孔H12,H13,H14の順にプローブ2を挿入し、その途中でシート状部材217にプローブ2を突き通す。これにより、個々のプローブ2がシート状部材217に固定された状態となり、貫通孔(H11〜H14)から容易に抜け落ちなくなるため、プローブ2が第1治具21から外れて落下することを防止できる。例えば図2の上下を逆さまにして第1治具21を使用しても、プローブ2が下に落ちることはない。
【0034】
図3は、第2治具22の構成の一例を示す図である。
第2治具22は、第1治具21から突き出た複数のプローブ2の尖端と接触する複数の導電部221と、この複数の導電部221を収容するための複数の収容室S1が形成された板状部材220と、板状部材220の下面に接して設けられたシート状部材250及び板状部材251を有する。
なお、板状部材220は、本発明における第1板状部材の一例である。
シート状部材250は、本発明におけるシート状部材の一例である。
板状部材251は、本発明における第2板状部材の一例である。
【0035】
導電部221は、導電性の材料で形成された弾性部材であり、例えば図2,図3に示すように、伸縮方向に延びて形成された棒状のバネを含んで構成される。導電部221のバネの一端は、プローブ2の尖端が適切に受け止められるように加工される。図2の例では、バネの尖端近くに細く巻かれた小径の部分があり、小径部分から尖端に向かって巻き径が徐々に広がっている。このお椀状の尖端部にプローブ2の尖端が当たると、導電部221のバネはプローブ2を基板10に向かって押し返す方向に付勢する。この付勢力によってプローブ2の両端の接点に適当な接触圧が生じ、安定的な導通が確保される。プローブ2と接触しないバネの他端には、ケーブル3が固定される。
【0036】
板状部材220の治具21が装着される面(図の上側の面)には、複数の開口部H1が形成される。開口部H1は、治具21によって案内されたプローブ2の尖端を収容室S1の中へ導入する。
板状部材220の反対側の面(図の下側の面)には、複数の貫通孔P1が形成される。貫通孔P1は、収容室S1に収容される導電部221に接続されたケーブル3が通る孔である。貫通孔P1は、導電部221のバネが通らないようにするため、バネの端部(プローブ2に接触する端部に対して反対側の端部)より小さな径に形成される。
【0037】
板状部材220は、少なくとも収容室S1,開口部H1,貫通孔P1において絶縁性を有しており、プローブ2同士や導電部221同士の短絡を防止する。
【0038】
図4は、図2における点線枠Aの枠内を拡大して示した図である。
図2〜4において示すように、板状部材220において複数の貫通孔P1が開口する面には、シート状部材250と板状部材251が設けられている。
【0039】
シート状部材250は、伸縮性を有するシート状の部材であり、例えば伸縮性を有する繊維(ナイロン等)を織って形成された布や、伸縮性を有する材料(ゴム等)で形成された膜である。
【0040】
板状部材251は、板状部材220の複数の貫通孔P1と対応する位置に複数の貫通孔P2が形成される。板状部材220の貫通孔P1と板状部材251の貫通孔P2は、ほぼ同一の径を有する。板状部材251は、板状部材220の貫通孔P1が開口する面にシート状部材250を介して密着する。
【0041】
シート状部材250は、板状部材220と板状部材251の間に挟まれて固定される。このシート状部材250を介して、板状部材220の貫通孔P1と板状部材251の貫通孔P2とが重なり合っている。従って、図4に示すように、収容室S1の中の導電部221に接続されたケーブル3は、板状部材220の貫通孔P1を貫通し、シート状部材250を突き通り、更に板状部材251の貫通孔P2を貫通して、収容室S1の外に出る。
【0042】
収容室S1に導電部221のバネを収容する場合には、図3において示すように、まず、導電部221のバネに固定されたケーブル3が開口部H1から反対側の貫通孔P1,P2に挿通される。その際、ケーブル3はシート状部材250に突き通る。そして、ケーブル3は、導電部221のバネが収容室S1の底部にあたるまで、貫通孔P1,P2から外側に引き出される。
【0043】
このように、本実施形態に係る基板配線検査装置によれば、板状部材220の収容室S1に収容された導電部221に接続されるケーブル3が、板状部材220の貫通孔P1を貫通したところで伸縮性を有するシート状部材250を突き通る。ケーブル3は、シート状部材250を突き通ることによってシート状部材250に軽く固定された状態となり、貫通孔P1から収容室S1の方向へ押されても容易にその方向へ戻らなくなる。
従って、板状部材220の多数の収容室S1に導電部221を取り付ける作業において、取り付けが済んだ別の導電部221のケーブル3に手や物が触れても、ケーブル3が貫通孔P1から収容室S1の方向に戻って導電部221が浮き上がり、開口部H1から出てしまうことがほとんど無くなる。
このように、導電部221が浮き上がりが殆どなくなるため、ケーブル3を外側に引っ張って導電部221の浮き上がりをなくす煩雑な作業が削減され、作業効率を大幅に向上することができる。
また、導電部221が浮き上がりが減ることによって、第1治具21を第2治具22に装着する際に浮き上がった導電部221がこれらの治具の間に挟まれたり、プローブ2と導電部221とが適切に接触しなくなる不具合を生じ難くすることができる。
【0044】
更に、本実施形態に係る基板配線検査装置によれば、板状部材220と板状部材251の間にシート状部材250が挟まれて固定されてる。これにより、シート状部材250のずれが生じ難くなるため、ケーブル3をシート状部材250に突き通し易くすることができる。
【0045】
また、本実施形態に係る基板配線検査装置によれば、シート状部材250を介してほぼ同一径の貫通孔P1と貫通孔P2とが重なり合っている。これにより、貫通孔P1の縁と貫通孔P2の縁とによってシート状部材250がコンパクトに固定され、伸縮性のあるシート状部材250の延びしろが小さくなるため、ケーブル3をシート状部材250により一層突き通し易くすることができる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0047】
図2において示す第1治具21,第2治具22の構成(板状部材の枚数、シート状部材有無や挿入する位置、プローブの種類や本数など)は一例であり、本発明はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0048】
2,2A,2B…プローブ、3…ケーブル、10…検査用の基板、20…治具、21…第1治具、22…第2治具、30…端子部、40…検査部、211〜214,220,251…板状部材、215…支柱、217,250…シート状部材、221…導電部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の配線の検査に用いる配線検査治具であって、
各々の一端が前記基板の表面に接触する、導電性を有した複数の針状のプローブと、
前記複数のプローブの他端に接触する複数の導電部と、
前記複数の導電部に接続された複数のケーブルと、
前記複数のプローブの前記一端を前記基板の表面に案内し、前記複数のプローブの前記他端を前記複数の導電部に案内する案内部と、
前記複数の導電部を収容する複数の収容室と、前記複数のプローブの前記他端を前記複数の収容室へ導入する複数の開口部と、前記複数のケーブルが貫通する複数の第1貫通孔とを備えた第1板状部材と、
前記第1板状部材において前記複数の第1貫通孔が開口する面に設けられた、伸縮性を有するシート状部材と、
を有し、
前記複数の第1貫通孔から出た前記複数のケーブルがそれぞれ前記シート状部材を突き通る、
配線検査治具
【請求項2】
前記複数の第1貫通孔と対応する位置に設けられた複数の第2貫通孔を備え、前記第1板状部材の前記第1貫通孔が開口する面に前記シート状部材を介して密着する第2板状部材を有し、
前記複数のケーブルが更に前記複数の第2貫通孔を貫通する、
請求項1に記載の配線検査治具。
【請求項3】
前記シート状部材が、伸縮性を有する繊維を織って形成された布、又は、伸縮性を有する材料で形成された膜を含む、
請求項2に記載の配線検査治具。
【請求項4】
前記シート状部材を介して対面する前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが略同一の径を有する、
請求項2又は3に記載の配線検査治具。
【請求項5】
前記導電部は、伸縮する方向に延びて形成され、当該伸縮方向の一端において前記プローブの前記他端と接触し、当該伸縮方向の他端において前記ケーブルと接続された弾性部材を含み、
前記第1貫通孔は、前記弾性部材の前記他端より小径に形成される、
請求項2乃至4の何れか一項に記載の配線検査治具。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の配線検査治具と、
前記複数のケーブルにそれぞれ供給される検査用の電気信号を発生する回路と、
前記複数のケーブルのそれぞれから入力される電気信号を測定する回路と、
を備える配線検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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