説明

配線長測定装置

【課題】 信号線の抵抗成分の影響を除去し、インダクタンス成分を測定することにより簡単な回路で精度良く配線長の測定を可能とする。
【解決手段】 配線長測定装置1は、所定周波数の交流信号を信号線2に送出する電流信号送出部24と、送出した交流信号に対する各々周波数に依存しない抵抗成分と周波数に依存したインダクタンス成分とを含む受信信号を信号線2から受信する電圧信号受信部28と、短絡した信号線2が形成する閉回路を集中定数回路と見なせる周波数範囲内で、各々周波数が異なる2つの交流信号を電流信号送出部24から順次送出させる制御部27と、2つの交流信号に対する受信信号から、抵抗成分の影響を除去して閉回路のインダクタンスを算出し、この算出したインダクタンスを配線長に変換する配線長変換部30とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な種類のセンサが複数接続された信号線(線路)において、所望のセンサまでの配線長を測定する配線長測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、機械警備を実施している物件では、コントローラからワンループ状に配線された信号線(線路)上に様々な種類のセンサが複数接続される。そして、上記物件に異常事態が発生した場合には、その異常を検知したセンサが発報して信号線を短絡させる。コントローラは、信号線の短絡を監視し、センサが発報した事を検出すると監視センターに通報する。監視センターでは、コントローラから通報があると、対処員の派遣等を行い、異常発生に対処する。
【0003】
ところで、上記センサを警備対象物件に設置工事を行う際には、プランニング通りに全てのセンサが設置された事を確認する必要がある。
【0004】
そこで、本件発明者等は、設置した全てのセンサがプランニング通り設置されている事を確認する為、発報したセンサまでの信号線を含んで形成される閉回路が集中定数回路と見なせる場合には、そのセンサまでの信号線の配線長がインダクタンスに比例することを利用し、インダクタンスを測定することによって配線長を求め、予め記憶された値と比較する事により正しい位置にセンサが設置されているか否かを判定する配線長測定装置を既に提案しており、その配線長測定装置が下記特許文献1、2に開示されている。
【0005】
インダクタンスを測定する方法として、特許文献1に開示された配線長測定装置を例にとって説明すると、この特許文献1には、配線長測定装置に信号線を接続して形成される閉回路が集中定数回路と見なせる所定周波数の交流信号を信号線に送出し、90°位相検波方式を用いることが記載されている。具体的には、信号線中のインピーダンスを測定した場合、インピーダンスは、抵抗成分とインダクタンス成分に分解することができる。この時、抵抗成分に対してインダクタンス成分の位相は90°ずれる。従って、抵抗成分の積分値が0になる90°の区間を正確に抽出することにより抵抗成分を無視し、インダクタンス成分だけを抽出することができる。
【0006】
号線から得たインダクタンスの値が大きいほど、測定対象となるセンサまでの配線長を高い精度で測定することができる。そして、インダクタンスの値は周波数に比例するため、信号線に送出する交流信号の周波数を高くすることによりセンサまでの配線長が短い場合でも測定精度を向上させることが可能となる。
【特許文献1】特開2002−296002号公報
【特許文献2】特開2003−263691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述した従来の測定では、周波数を高くした場合、位相検波方式によりインダクタンス成分を測定することが格段に難しくなる。これは、高周波の場合、前述の抵抗成分の積分値が0になる区間を正確に検出するには高い時間分解能が求められるからである。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、インダクタンス成分を用いて所望のセンサまでの配線長を測定するもので、周波数の異なる2つの交流信号を所定間隔で切り換えて交互に送出し、これら各々の応答信号のインピーダンスから抵抗成分の影響を除去し、インダクタンス成分を測定することにより簡単な回路で精度良く配線長を測定することができる配線長測定装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された配線長測定装置は、接続された信号線の短絡箇所までの配線長を測定する配線長測定装置において、
所定周波数の交流信号を前記信号線に送出する送出手段と、
前記送出した交流信号に対する各々周波数に依存しない抵抗成分と周波数に依存したインダクタンス成分とを含む受信信号を前記信号線から受信する受信手段と、
短絡した信号線が形成する閉回路を集中定数回路と見なせる周波数範囲内で、各々周波数が異なる2つの交流信号を前記送出手段から順次送出させる制御手段と、
前記2つの交流信号に対する受信信号から、前記抵抗成分の影響を除去して前記閉回路のインダクタンスを算出するインダクタンス抽出手段と、
前記インダクタンスを配線長に変換する変換手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載された配線長測定装置は、請求項1記載の配線長測定装置において、
前記インダクタンス抽出手段は、前記2つの受信信号における受信電圧及び周波数を用いてインダクタンスを算出することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載された配線長測定装置は、請求項1又は2記載の配線長測定装置において、
さらに、前記信号線の短絡を検出する監視手段を備え、
前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したときに前記送出手段から交流信号を送出させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載された配線長測定装置は、請求項3記載の配線長測定装置において、
さらに、前記送出手段及び受信手段と前記監視手段との間で前記信号線の接続を切り換える切換手段を備え、
前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したとき前記切換手段を制御して前記信号線と前記送出手段及び受信手段とを接続し、当該信号線の配線長を測定した後に前記信号線と前記監視手段とを接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の配線長測定装置によれば、従来のような位相情報を使用することなく、短絡した信号線が形成する閉回路を集中定数回路と見なせる周波数範囲内で異なる2つの周波数による交流信号を順次切り換えて送信し、各送信信号に対する受信信号を測定するだけで抵抗成分の影響を除去したインダクタンス成分を求めることができる。特に、順次受信される受信信号のピーク電圧から、そのピーク電圧と各周波数の関係を用いる事により、ピーク電圧におけるインピーダンスから抵抗成分を相殺してインダクタンス成分のみを抽出する事ができ、測定対象となるセンサまでの信号線の配線長を正確に測定することができる。その結果、従来のような位相差を測定するための高精度な回路が不要になり、簡素な回路構成による配線長の測定が実現しやすくなる。そして、工事検査に適用した場合には、客観的な工事検査が可能になり、検査の信頼性を向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る配線長測定装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る配線長測定装置を含む機械警備システムの全体構成を示す配線状況の模式図、図2は本発明に係る配線長測定装置の機能ブロック図、図3は本発明に係る配線長測定装置による配線長測定時のフローチャート、図4は本発明に係る配線長測定装置の測定結果の表示例を示す図、図5は本発明に係る配線長測定装置による発報センサ確認モード時のフローチャートである。
【0015】
本発明に係る配線長測定装置は、複数の各種センサが接続された信号線(線路)上に2つの異なる周波数の交流信号を所定間隔で切り換えて送出し、これら送出した交流信号の各々の受信信号を用いて信号線の抵抗成分の影響を除去することにより、測定対象となるセンサ位置までの信号線のインダクタンス成分を簡易な回路でかつ精度よく抽出し、所望のセンサまでの配線長を測定するものである。
【0016】
図1に、警備対象物件内における本発明に係る配線長測定装置1を含む機械警備システムの全体構成を示す。警備対象物件内には、平行線からなる一対の信号線(線路)2が敷設されており、警備計画に則り所定の位置に赤外線センサ、マグネットセンサなど各種センサ11(11−1,11−2,11−3,…,11−n)が設置されている。信号線2の一端(基端)には、通常コントローラ3が接続され、他端(末端)には終端抵抗4が接続され、閉回路が形成される。
【0017】
各種センサ11は、自己の設置位置で信号線2を短絡させる接点A,Bを備えたスイッチを有し、監視対象の物理的変化を検出すると発報して信号線2を短絡させる。
【0018】
設置工事の検査の際には、コントローラ3の代わりに、本例の配線長測定装置1を信号線2の一端に接続して使用する。この信号線2に対する配線長測定装置1の接続は、通常コントローラ3の端子台3aに接続されている信号線2を一旦取り外し、この取り外した信号線2の先端を配線長測定装置1の端子台1aの接点a,bに繋ぎ変えることで行われる。これにより、配線長測定装置1には、信号線2が終端抵抗4及び各種センサ11を介して閉回路を形成して接続される。
【0019】
そして、配線長測定装置1を信号線2の一端に接続した状態で、設置工事の際に、センサ設置物件内で測定対象のセンサ(例えばセンサ11−2)を試験のため発報させると、センサ11−2内部で、接点A,Bが導通して信号線2の途中を短絡し、配線長測定装置1と信号線2とセンサ11−2で閉回路が形成される。これにより、配線長測定装置1は、信号線2の一部が短絡された現象を利用し、追って詳述するセンサ位置測定モードにより、配線長測定装置1から所望のセンサ(例えばセンサ11−2)までの信号線2の長さである配線長xを求める。
【0020】
尚、警備用途では、信号線2として平行線を用いて配線することが多いため、本例では平行線を用いた例で説明する。しかし、本発明の構成及び手法は平行線への適用に限定されるものではなく、信号線2に同軸ケーブル又はツイストペア線を用いた場合であっても、同様に配線長xを求めることができる。
【0021】
また、通常、信号線2の一端に接続されるコントローラ3は、監視対象物件内に設定され、以下に説明する機能を有している。
【0022】
・警備空間の監視を行う警備モードと解除モードとを切り換える。警備モードに移行すると、各センサ11の状態の監視を開始する。
・信号線2に接続された全てのセンサ11の状態を監視する。即ち、信号線2が断線しているか、および、センサ11が発報しているか否かを監視する。発報の監視は、信号線2へ監視用の電圧を印加し、終端に接続された終端抵抗4が検出されれば正常(非発報)とし、信号線2が短絡して終端抵抗4が検出されなければ発報とすることで行う。
・警備モードにおいて、警備空間へ人が侵入するなど警備空間内の物理的変化が生じると、各センサ11が発報して信号線2を短絡させたことを検知して異常判定し、異常信号を電話回線などの通信網を介して、警備センタに送信する。
・解除モードにおいては、各センサ11が発報して信号線2を短絡させても異常と判定しない。
【0023】
次に、本例の配線長測定装置1の構成について図2を参照しながら具体的に説明する。図2に示すように、本例の配線長測定装置1は、入力部21、発振器22、送信信号切換部23、電流信号送出部24、切換I/F25、状態監視部26、制御部27、電圧信号受信部28、ピーク検出部29、配線長変換部30、表示部31、記憶部32、出力部33を備えて概略構成される。尚、本例では、発振器22と送信信号切換部23と電流信号送出部24とによって交流信号の送出手段を構成している。
【0024】
入力部21は、例えばテンキーを含む各種キー、スイッチやボタンなどからなり、監視対象物件の物件情報(例えば物件名、ブロック番号、回路番号など)、信号線2を構成する線材のパラメータ等を入力する。また、入力部21は、特定のボタン(例えばスタートボタン)などの操作により、後述するセンサ位置測定モードの開始を指示入力することもできる。尚、入力部21は、予め警備図面上に記載されているセンサ種別やコントローラ3からセンサ11までの配線長などを入力させるようにしても良い。
【0025】
発振器22は、異なる周波数ω1,ω2の送信信号を発振する2つの発振器22−1,22−2で構成される。
【0026】
ここで、周波数ω1とω2の決定方法について説明する。所望のセンサまでの配線長がインダクタンスに比例するのは、信号線を含む測定系(測定対象のセンサが短絡したときの信号線を含んで形成される閉回路)が集中定数回路と見なせる必要がある。信号線2が集中定数系と見なせる条件は、電気回路等の解説書に記載されており、理論的に求められるが、信号線2の全長に対して交流信号の波長が十分長い場合(10倍以上)であれば、信号線2を含んで形成される閉回路は集中定数回路として近似することができる。
【0027】
また、信号線2に送出する周波数は、高くすればするほどインピーダンスが大きな値で測定することができ、結果として、配線長の測定精度の良い値が得られる。従って、信号線2を含んで形成される閉回路が集中定数系と見なせる範囲で、周波数ω1とω2とをできるだけ高い値で設定するのが好ましい。
【0028】
例えば、測定対象の信号線2の全長が200mの場合、交流信号の波長は2000m以上なければ集中定数回路と見なせないことになる。このときの周波数は、f=c/λの式により求める。cは信号線2の伝播速度を表す。光速(約300Mm/s)の値を元に計算すると、fは150kHz以下とすれば良いことになる。
【0029】
従って、この場合、高周波を上限値である150kHzとして設定し、低周波は150kHz以下の値で、高い周波数とすることが望ましい。
【0030】
尚、信号線2上の伝播速度は、平行線、同軸ケーブルなど線種によって異なるため、そのことを考慮して送出する周波数を設定しても良い。
【0031】
しかし、後述するインダクタンス成分Lを示す下記式(1)から明らかなように、周波数ω1とω2をあまりに近くに設定しすぎると、ピーク電圧値の差分の値が小さくなるため、測定結果の精度が得られない。また、ピーク電圧値の差分の値を大きく得ることを目的として、一方の周波数の値を小さく設定しすぎると、得られるピーク電圧値の精度が得られなくなる。
【0032】
【数1】

【0033】
よって、測定対象となる信号線2の全長(最大測定長)と伝送速度との関係から、信号線2を含んで形成される閉回路が集中定数回路と見なせる周波数範囲を求め、その周波数範囲内で、ω1かω2の一方を一番高い周波数とする。他方は前述のようにあまり近くに設定すると測定精度が得られない事を考慮し実験的に適切な値を求める。例えばデジタル回路であれば、A/D変換器の量子化誤差などにより設定する。
【0034】
尚、ここでは、信号線2の全長から送出する交流信号の周波数を決定する方法について説明した。この場合、実際想定した信号線の配線長以上の場合は測定結果に誤差が出ることになる。そこで、発振器22の数を多く用意しておき、測定したい信号線2の全長(最大測定長)に応じてレンジを切り換えるようにしても良い。その場合は、信号線2に接続されたセンサ11までの配線長に応じた使用周波数の対応マップ(高周波と低周波の組)を信号線2の全長に関連付けて記憶部32に保持しておき、配線長を選択的に指定する(例えばレンジスイッチを切り換えるなど)ことにより、送出する2つの交流信号の周波数が変わるようにするだけで良い。
【0035】
送信信号切換部23は、後述するセンサ位置測定モードの開始が指示されたときの制御部27からの制御指令信号に基づき、2つの周波数ω1,ω2による送信信号を所定時間毎に交互に送出するように、発振器22−1と発振器22−2とをスイッチで切り換える。尚、各周波数ω1,ω2の送出時間は、ピーク検出部29によるピーク検出が十分行える程度に設定するのが好ましい。
【0036】
電流信号送出部24は、送信信号切換部23からの異なる2種類の周波数ω1,ω2による交流電流信号を、切換I/F25に接続された信号線2に所定間隔で交互に送出する。換言すれば、切換I/F25における信号線2との接続端a,b間に交流電圧を印加する。また、電流信号送出部24は、定電流源を用いて交流信号を送出する。信号線2に送出する電流を安定化することにより、後述の如く信号線2の電圧を観測するだけで信号線2のインピーダンスの変化を見ることができる。
【0037】
切換I/F25は、信号線2の一端を接続端a,bにて接続可能であるとともに、制御部27からの切換制御信号に応じて信号線2の接続を状態監視側と配線長測定側との間で切り換える。信号線2を状態監視側に接続する場合は、接続端a,bを状態監視部26に接続し、状態監視部26により信号線2に接続されたセンサ11の状態を監視可能にする。一方、信号線2を配線長測定側に接続する場合は、接続端a,bを電流信号送出部24および電圧信号受信部28に接続し、電流信号送出部24により信号線2へ交流電流を印加可能にするとともに、電圧信号受信部28により信号線2に生じる交流電圧を計測可能にする。
【0038】
状態監視部26は、信号線2に接続されたセンサ11が正常(非発報)か又は発報か、或いは信号線2が断線しているかの3つの状態を監視している。この状態監視は、図2に示すように、切換I/F25が信号線2との接続端a,bを状態監視側に接続している状態で行われる。そして、制御部27の制御により、接続端a,b間に所定の直流電圧を印加して得られる電流値を測定し、所定の電流が生じれば(即ち終端抵抗4が観測されれば)センサ11が正常状態と判定し、極大の電流が生じれば(即ち信号線2が短絡していれば)センサ11が発報状態と判定し、電流が生じなければ(即ち極大の抵抗が発生していれば)信号線2が断線していると判定し、これらの判定結果を示す情報を制御部27に送出している。尚、状態監視部26は、配線長測定時には、制御部27の制御により、状態監視を一時的に停止する。その際は、切換I/F25にて信号線2との接続が切り離される。
【0039】
制御部27は、配線長測定を含む各種処理を実行するため、配線長測定装置1の全体の動作を統括制御している。例えば、制御部27は、状態監視部26からセンサ11が発報しているという情報を受け取ると、切換I/F25に切換制御信号を送信して接続端a,bの接続を配線長測定側に切り換えるように制御する。それとともに、送信信号切換部23に制御指令信号を送信して信号線2に対して2つの発振器22−1,22−2から周波数の異なる交流電流信号を所定間隔で交互に切り換えて送出するように制御する。また、配線長変換部30から配線長の測定終了の情報を受け取ると、切換I/F25に切換制御信号を送信して接続端a,bの接続を再び状態監視側に切り換えるように制御し、状態監視部26による状態監視を再開させる。その他、記憶部32に対する各種情報の読み出しや書き込み、表示部31への各種情報の表示、出力部33からの各種情報の出力などを制御している。
【0040】
電圧信号受信部28は、電流信号送出部24から送出された交流電流信号に対応して切換I/F25に接続された信号線2に生じた交流電圧信号を受信する。換言すれば、切換I/F25における信号線2との接続端a,b間の交流電圧を測定する。電流信号送出部24からは一定の交流電流が印加されているため、各センサ11の状態に応じて異なる交流電圧が測定される。例えば、センサ11−1が発報し信号線2を短絡させている場合は、接続端a,bからセンサ11−1までの信号線2を流れる交流電流によって生じた交流電圧が計測され、センサ11−nが発報している場合は、接続端a,bからセンサ11−nまでの信号線2に流れる交流電流によって生じた交流電圧が計測される。尚、電流信号送出部24から送出された交流電流信号の周波数が変化すると、信号線2のインダクタンスによる影響も変化するため、同じセンサ11が発報した状態でも受信した交流電圧信号が異なる。
【0041】
ピーク検出部29は、電圧信号受信部28が受信した受信信号(交流電圧信号)のピーク電圧を検出している。
【0042】
配線長変換部30は、インダクタンス抽出手段と配線長変換手段として機能し、インダクタンス抽出手段がピーク検出部29で検出されたピーク値を検出し、その値を用いてインダクタンス成分Lを求める。さらに求めたインダクタンス成分Lを用いて配線長変換手段が配線長xを求める。
【0043】
ここで、異なる周波数ω1,ω2の2つの交流信号の出力から抵抗成分Rの影響を除去してインダクタンス成分Lのみを求める方法について説明する。
【0044】
信号線を含んで形成される閉回路が集中定数系と仮定できる場合の等価回路は抵抗とインダクタンスとで表される。このときのインピーダンスは、R+jωLとなる。今、ピーク検出部29が検出する周波数ω1,ω2の受信信号のピーク電圧をV1,V2とすると、ピーク電圧V1,V2、電流Iに関して下記式(2),(3)が成り立つ。
【0045】
【数2】

【0046】
【数3】

【0047】
そして、上記式(2),(3)からLについて変形し、Rを消去すると、インダクタンス成分Lを示す式(1)になる。
【0048】
このように、2つの周波数ω1,ω2の受信信号のピーク電圧は、上記式(2),(3)に示すように、抵抗成分Rとインダクタンス成分Lの関係で表すことができ、この式(2),(3)から信号線2上の周波数に依存しない抵抗成分Rの影響を除去し、式(1)から周波数に依存するインダクタンス成分Lのみを簡単に求めることが可能となる。
【0049】
したがって、インダクタンス抽出手段では、後述する記憶部32に記憶している式(1)に相当するインダクタンス算出プログラムに、予め決められている周波数ω1,ω2及びピーク検出部29にて検出した受信電圧であるピーク値V1,V2を入力し、インダクタンスLを算出する。
【0050】
そして、前記配線長変換手段は、前記インダクタンス抽出手段が算出したインダクタンスLを記憶部32に記憶している配線長x=pL…式(4)に代入して配線長xを算出する。
【0051】
尚、インダクタンス成分Lの係数部分pは下記式(5)で与えられ、式(5)中におけるμは透磁率、aは半径、dは線間間隔で、線材の定数であり、係数部分pは線材の種類が決まれば一意に決まる量である。これらのパラメータは、予め記憶部32に記憶されている。尚、各パラメータを記憶部32に記憶するのではなく、係数部分pを直接記憶部32に記憶しておいても良い。更に、インダクタンス抽出手段と配線長変換手段は別々の処理として説明しているが、式(1)と式(4)を合わせた一括の処理としても良い。
【0052】
【数4】

【0053】
表示部31は、例えば液晶表示装置などで構成され、各種測定結果を表示している。例えば、信号線2に接続されたセンサ11のうち発報したセンサの個数、発報したセンサ11までの配線長などを表示する。
【0054】
記憶部32は、配線長変換部30から得られた配線長xをセンサ11の識別番号、検査番号、物件情報(物件名、ブロック番号、回路番号など)、時刻情報などとともに記憶している。また、記憶部32は、入力部21から入力されたインダクタンス成分Lの係数部分p値の算出に必要な信号線2を構成する線材のパラメータ(線間間隔d、線の半径a、透磁率μ)、物件の情報、回路上に設置されるセンサ数、式(1)、式(4)及び式(5)の算出をするための関数などを記憶している。
【0055】
出力部33は、例えばプリンタ、パソコンなどの外部端末等を接続し、センサ11の設置時における配線毎の測定結果などを一覧形式で印刷したり、データ転送を行う。
【0056】
次に、上記のように構成される配線長測定装置1のセンサ位置測定モードにおける処理の流れについて図3を参照しながら説明する。
【0057】
センサ位置測定モードは、新規の警備対象物件に対する設置工事に際し、センサが正しい位置に設置してあるかどうかの確認のためのモードである。さらに説明すると、センサ位置測定モードは、(1)警備システムの新規導入、(2)センサの交換、(3)センサの追加の設置工事などが終了した際に、コントローラ3から各センサ11までの配線長xを測定するモードのことである。そして、センサ位置測定モードによる配線長xの測定結果から、警備計画図面上のセンサ設置数、或いは予め記憶してあるセンサ位置と比較し、設置工事が正しく行われたか否かが検査される。
【0058】
図3に示す処理を実行するには、まず初めに、コントローラ3が接続されるべき位置に、配線長測定装置1を繋ぎ変えて接続する。
【0059】
尚、インダクタンス成分Lの係数部分pの値は、前述した式(5)により計算できる。通常、センサ11の配線に用いる線材は決まっているか、あるいは数種類に限定されているので、事前に求めた値を内部に記憶しておき、ディップスイッチ等により線材に応じて選択することも可能である。
【0060】
図3に示すセンサ位置測定モードは、例えばスタートボタン、ディップスイッチの変更等により開始される。また、センサ位置測定モード時の処理は、例えばリセットボタン、出力要求等の操作で終了する。
【0061】
まず、信号線2に接続されたセンサ11をカウントするためのカウンタの値を0にリセットする(ST1)。このカウンタのリセット後、状態監視部26により信号線2が断線しているか否かを判定する(ST2)。信号線2が断線であると判定された場合は(ST2−Y)、その履歴を記録し(ST3)、ST2へ戻る。
【0062】
尚、信号線2が断線の場合(ST2−Y)、断線箇所が修復されて正常状態に復旧しない限り、配線長測定装置1は、断線信号を出力し続けることになる。このため、信号線2が断線の場合、断線した時刻情報とともにその履歴の記録は最初の1回のみ行うなどとしても良い。
【0063】
信号線2が断線でないと判定した場合には(ST2−N)、いずれかのセンサ11が発報しているか否かを判定する(ST4)。具体的には、信号線2が短絡しているかどうかによりセンサ11の発報を判定する。センサ11が発報していなければ(ST4−N)、正常と判定してST2に戻る。
【0064】
センサ11が発報していると判定された場合には(ST4−Y)、切換I/F25にて信号線2の接続を配線長測定側に切り換え(ST5)、センサ位置測定モードによる測定を開始する。本例では、測定対象となる一つのセンサ11を試験的に発報させて信号線2を短絡させることにより、そのセンサ11までの信号線2の配線長を測定する。
【0065】
次に、送信信号切換部23を発振器22−1側に接続し、電流I、周波数ω1(ω1=2πf1)の交流電流信号f1を電流信号送出部24から信号線2に送出する(ST6)。そして、送出した交流電流信号f1に対応してセンサ11により短絡された信号線2に生じた交流電圧信号f1を電圧信号受信部28で受信し、そのピーク電圧V1を検出する(ST7)。
【0066】
続いて、送信信号切換部23を発振器22−2側に切り換えて接続し、電流I、周波数ω2(ω2=2πf2)の交流電流信号f2を電流信号送出部24から信号線2に送出する(ST8)。そして、送出した交流電流信号f2に対応してセンサ11により短絡された信号線2に生じた交流電圧信号f2を電圧信号受信部28で受信し、そのピーク電圧V2を検出する(ST9)。
【0067】
次に、求められた2周波ω1,ω2のピーク電圧V1,V2からインダクタンス成分Lを算出する(ST10)。前述したように、2周波の交流信号の出力からインダクタンス成分Lを求める場合、2つの周波数ω1,ω2の受信信号は、抵抗成分Rとインダクタンス成分Lの関係で表すことができるので、2つの関係式(式(2),(3))より、信号線2上の抵抗成分Rの影響が除去されたインダクタンスLと周波数ω1,ω2とピーク電圧V1,V2の関係式(式(1))により、インダクタンス成分Lを簡単に求めることが可能となる。また、信号線2の全長に応じて送出信号の2つの周波数ω1,ω2を決定することにより、精度良く配線長xを求めることができる。
【0068】
そして、ST10において求めたインダクタンス成分Lと、予め求めた係数成分pから前述したx=pL…式(4)により発報したセンサ11までの信号線2の配線長xを求める(ST11)。尚、配線長xは、図3の処理におけるST6〜ST10のステップを複数回繰り返して行い、その平均値を求めるようにしても良い。
【0069】
次に、測定された配線長xが記憶部32に記憶されているか否かを判定する(ST12)。記憶部32には、一度測定したセンサ11に対し、ラベルを振って測定距離情報、検査番号とともに記憶してあり、配線長xに基づき比較を行う。
【0070】
測定された配線長xの値が、今まで測定した値と一致、又は所定の誤差範囲(例えば±1mなど)内であるか否か判定し、記憶部32に記憶されていなければ(ST12−N)、新たにラベルを振って配線長xの情報とともに記憶部32に記憶する(ST13)。既に記憶されていれば、何もしないが、前回測定値との平均値を求めて新たに記憶部32に記憶しても良い。
【0071】
そして、新たにセンサ11の位置を記憶した場合はカウンタを1つUPする(ST14)。その後、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に切り換え(ST15)、再び信号線2の状態を監視する。以上の処理を信号線2に接続してある全てのセンサ11を繰り返し試験的に発報させ、測定する。そして、全てのセンサ11の測定が終了すると、測定結果を紙面あるいは表示部31のモニタ画面上に出力する。
【0072】
図4は上述した測定を行ったときの出力結果の一例を示している。図4の例では、センサ11の合計数、センサ11固有の番号(No)、配線長測定装置1(コントローラ3)からの信号線2の配線長測定値が表示される。センサ11の設置工事を行った際、この配線長測定装置1の測定結果を見て、センサ11の合計数が予定数と異なっていれば、何らかの工事ミスがあったと判断できる。また、測定結果は検査番号とともに参照用テーブルとして記憶部32に記憶される。
【0073】
さらに、予め警備図面上に記載されている各センサ11の種別あるいは番号及び配線長測定装置1からの各センサ11までの配線長を入力部21からテンキー等により入力し、参照用テーブルとして記憶部32に記憶しておくようにしておき、実際の配線長xの測定結果と参照用テーブルの値とを比較して、設置工事が正しく行われたかを確認するようにしても良い。
【0074】
そして、不良センサの交換時などは、上記参照用テーブルとの比較を行い、動作確認を行う。
【0075】
ところで、上述したセンサ位置測定モードにおいて、信号線2が短絡した時に切換I/F25にて信号線2の接続を配線長測定側に切り換え、一つのセンサ11の測定が終了すると、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に再び切り換え、信号線2の状態監視に一旦復旧させる。これは、配線長xを測定するタイミングを固定にするためである。即ち、信号線2が短絡した瞬間など信号線2の状態が安定していなくても配線長xの値は得られるが、その値は不安定な値となり、実際の値とは大きく異なる。よって測定のタイミングをセンサ11が正常から発報に移行したタイミングに基づいて信号線2が安定した状態に設定することで、正確な測定を可能とする。また、測定後、再び状態監視に復旧する事により、次のセンサ11の測定を行う前に信号線2が正常が否かの確認をしてから行うことができる。
【0076】
また、上述した実施形態では、コントローラ3の設置位置に配線長測定装置1を繋ぎ変えて測定対象のセンサ11までの信号線2の長さ(配線長x)を測定する構成として説明したが、前述した機能を有する配線長測定装置1をコントローラ3に内蔵する構成としても良い。
【0077】
この場合、コントローラ3は、配線長測定装置1、信号線2を介して接続されたセンサ11の状態を監視する状態監視部、センサ11が発報した旨を監視センターへ通報する通信部、警備モードの種類、通報先などを記憶する記憶部、モード切換を入力するための入力部、センサ11の発報等の情報を表示する表示部、全体の制御を統括する制御部などで構成される。
【0078】
そして、コントローラ3に配線長測定装置1が内蔵される場合は、図2における、配線長測定装置1の状態監視部26はコントローラ3の状態監視部でその機能を代替させる。
【0079】
この場合、配線長測定装置1は、ディップスイッチなどにより稼動状態とされ、信号線2に接続されたセンサ11が発報し、コントローラ3の状態監視部がセンサ11が信号線2を短絡させたことを検出すると、短絡したことを配線長測定装置1の制御部27に伝え、該制御部27は切換I/F25にて信号線2の接続を配線長測定側に切り換え、上述のセンサ位置測定モードによる配線長測定を開始する。そして、測定結果より特定されるセンサ固有の番号(No)などの情報が出力部33からコントローラ3本体の制御部に送られる。
【0080】
また、各種表示を行う表示部31は、コントローラ3本体側のものと共通に使用することもできる。この場合には、発報したセンサ11の情報がコントローラ3本体に送られ、コントローラ3本体側の表示部に表示される。また、入力部21、記憶部32もコントローラ3と共用できる。
【0081】
さらに、配線長測定装置1をコントローラ3に内蔵した構成では、前述したセンサ位置測定モードに加え、発報センサ識別モードによる処理を実行することができる。
【0082】
発報センサ識別モードとは、前述した警備モードにおいてセンサ11が異常を感知した際に、発報したセンサ11の位置及び種類を特定し、コントローラ3に出力すると共にモニタ画面に表示するモードのことである。
【0083】
コントローラ3本体において、各センサ11の状態監視を開始する警備モードに変更されると、これと同時に発報センサ識別モードに移行する。図5は発報センサ識別モード時のフローチャートを示している。尚、図3のセンサ位置測定モード時のフローチャートと同一のステップには同一符号を付している。
【0084】
図5に示すように、この発報センサ識別モードでは、まず前述したセンサ位置識別モードのST2,ST4〜ST11と同様の処理が実行される。ST2,ST4〜ST11の処理によって配線長xが測定されると、配線長測定装置1を内蔵したコントローラ3は、発報したセンサ11に対し測定した配線長xの結果より、予め記憶部32に記憶されている参照用テーブル内に該当する配線長xのセンサ11があるか否かを判断する(ST21)。尚、参照用テーブルには、センサ11毎に個々のセンサを特定する固有の情報(例えばNo.01からの通し番号)が配線長と関連付けされて記憶されている。例えば配線長20m:センサNo.01、配線長25m:センサNo.2といったように配線長とセンサ番号とが関連付けされて参照用テーブルに記憶される。
【0085】
そして、参照用テーブル内に該当するセンサ11が存在しないと判断した場合には(ST21−N)、機器異常、又は機械警備を妨害する画策行為が行われたものと判断し、不図示の監視センターに機器異常信号を送出する(ST22)。その後、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に切り換え(ST23)、ST2の処理に戻る。これに対し、参照用テーブル内に該当するセンサ11が存在すると判断した場合には(ST21−Y)、そのセンサ11固有の情報(番号)を含んだ異常信号を監視センターに送出する(ST24)と共に、モニタ画面に表示する。その後、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に切り換え(ST23)、ST2の処理に戻る。また、断線検出時(ST2)も同様に監視センターに断線検知信号を送出する(ST25)。
【0086】
このように、本例の配線長測定装置によれば、従来のような位相情報を使用することなく、信号線を含んで形成される閉回路が集中定数回路と見なせる周波数範囲内で異なる2つの周波数による交流信号(交流電流信号)を順次切り換えて送信し、その応答信号(交流電圧信号)を測定するだけで抵抗成分の影響を除去してインダクタンス成分を求めることができ、所望のセンサまでの信号線の配線長を正確に測定することができる。その結果、従来のような位相差を測定するための高精度な回路が不要になり、簡素な回路構成による配線長の測定が実現しやすくなる。そして、工事検査に適用した場合には、客観的な工事検査が可能になり、検査の信頼性を向上させることが可能になる。
【0087】
尚、式(4)の上では抵抗成分の影響を完全に除去できるが、実際に電子回路で実現すると十分に除去できず、わずかに抵抗成分が残る。この場合でも、周波数が高ければ、抵抗値に比べ、インダクタンス値が大きくなるため、相対的に抵抗成分の影響を無視できるようになる。
【0088】
さらに、通常、信号線2に接続されたセンサ11が正常か又は発報か、或いは信号線2が断線しているかの3つの状態を監視し、センサ11が発報していると判定したときのみ信号線2上に2つの異なる周波数の交流信号を交互に送出するので、測定のタイミングを正常から発報に移行したタイミングに基づいて設定でき、常に安定した正確な測定が可能となる。
【0089】
また、特に配線長測定装置1をコントローラ3に内蔵した構成では、センサ11の発報時に、どのセンサ11が発報したかを、測定した配線長xから判断して即座に監視センターに通報することができる。
【0090】
尚、上記実施形態における電流信号送出部24と電圧信号受信部28は、電圧信号送出部と電流信号受信部に置き換えられることは自明である。この場合、電圧信号送出部は、定電圧源を用いればよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る配線長測定装置を含む機械警備システムの全体構成を示す配線状況の模式図である。
【図2】本発明に係る配線長測定装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る配線長測定装置による配線長測定時のフローチャートである。
【図4】本発明に係る配線長測定装置の測定結果の表示例を示す図である。
【図5】本発明に係る配線長測定装置による発報センサ確認モード時のフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 配線長測定装置
1a,3a 端子台
2 信号線(線路)
3 コントローラ
4 終端抵抗
11(11−1,11−2,11−3,…,11−n) センサ
21 入力部
22(22−1,22−2) 発振器
23 送信信号切換部
24 電流信号送出部
25 切換I/F
26 状態監視部
27 制御部
28 電圧信号受信部
29 ピーク検出部
30 配線長変換部
31 表示部
32 記憶部
33 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された信号線の短絡箇所までの配線長を測定する配線長測定装置において、
所定周波数の交流信号を前記信号線に送出する送出手段と、
前記送出した交流信号に対する各々周波数に依存しない抵抗成分と周波数に依存したインダクタンス成分とを含む受信信号を前記信号線から受信する受信手段と、
短絡した信号線が形成する閉回路を集中定数回路と見なせる周波数範囲内で、各々周波数が異なる2つの交流信号を前記送出手段から順次送出させる制御手段と、
前記2つの交流信号に対する受信信号から、前記抵抗成分の影響を除去して前記閉回路のインダクタンスを算出するインダクタンス抽出手段と、
前記インダクタンスを配線長に変換する変換手段と、
を備えることを特徴とする配線長測定装置。
【請求項2】
前記インダクタンス抽出手段は、前記2つの受信信号における受信電圧及び周波数を用いてインダクタンスを算出することを特徴とする請求項1記載の配線長測定装置。
【請求項3】
さらに、前記信号線の短絡を検出する監視手段を備え、
前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したときに前記送出手段から交流信号を送出させることを特徴とする請求項1又は2記載の配線長測定装置。
【請求項4】
さらに、前記送出手段及び受信手段と前記監視手段との間で前記信号線の接続を切り換える切換手段を備え、
前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したとき前記切換手段を制御して前記信号線と前記送出手段及び受信手段とを接続し、当該信号線の配線長を測定した後に前記信号線と前記監視手段とを接続することを特徴とする請求項3記載の配線長測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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