説明

酸化染毛剤用第2剤

【課題】フェナセチンを使用することなく、カチオン化ポリマーを含む系であっても過酸化水素の保存安定性を向上させて長期に亘って使用することのできる酸化染毛剤用第2剤を提供する。
【解決手段】本発明の酸化染毛剤用第2剤は、少なくともカチオン化ポリマーおよび過酸化水素を含む酸化染毛剤用第2剤において、サリチル酸を安定化剤として0.15質量%以上含有させたものであり、上記カチオン化ポリマーの含有量が0.01〜10.0質量%であり、過酸化水素の含有量は12.0質量%以下(0%を含まない)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化染毛剤用第2剤に関するものであり、とくに過酸化水素を酸化剤として含む酸化染毛剤用第2剤における過酸化水素の分解を抑制し、優れた安定性を有する酸化染毛剤用第2剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
酸化染毛剤は、従来から様々なものが使用されているが、染料中間体、カップラーおよびアルカリ剤を主成分とする第1剤と、酸化剤を主成分とする第2剤とからなる2剤式酸化染毛剤が汎用されている。こうした、2剤式酸化染毛剤は、使用時に第1剤と第2剤を混合して用いられるものである。
【0003】
上記酸化染毛剤用第2剤(以下、単に「第2剤」と呼ぶことがある)の主成分となる酸化剤としては、過酸化水素(H22)、過硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等)、過ホウ酸塩(例えば、過ホウ酸ナトリウム等)、過炭酸塩(例えば、過炭酸ナトリウム等)、臭素酸塩(例えば、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等)等が知られているが、このうち特に過酸化水素が汎用されている。
【0004】
その機能を発揮させるために、酸化剤は第2剤中に6.0質量%以下(0%を含まない)で含有されているのが通常であるが、酸化剤として特に過酸化水素を用いた場合には、過酸化水素が分解されやすく、第2剤の保存安定性が悪いという問題がある。その結果、過酸化水素の分解によって発生する酸素に起因する容器の膨張や、過酸化水素濃度の低下による酸化剤としての作用の低下等という事態が発生することになる。
【0005】
一方、毛髪にはメラニンと呼ばれる色素(主に毛皮質に存在する顆粒状の色素)が存在するが、このメラニン色素には黒褐色の「ユウメラニン」と、赤色若しくは黄色の「フェオメラニン」の2種類の存在が認められており、その存在比率が毛髪の色を決定することになる。日本人の毛髪の場合には、「フェオメラニン」に比べて「ユウメラニン」の存在比率が極めて高いことから、一般的に黒色若しくはそれに近い色になる。これに対して、「ユウメラニン」に比べて「フェオメラニン」の存在比率が高い場合は、栗色毛や赤毛のように欧米人に比較的多い髪色となる。
【0006】
近年のヘアカラーブーム以来、日本人においても明るい髪色が好まれる傾向がある。日本人のように元々黒色若しくはそれに近い色の髪色をより明るくするためには、効率良くメラニン色素を分解する必要がある。メラニン色素の分解機能を発揮する酸化剤は、第2剤中に過酸化水素を6.0質量%以下で含有されているのが通常であるが、そのメラニン分解能力には限界があり、第2剤による処理を何度も行う必要があることがある。この処理に際して、毛髪保護の観点から、若干の時間(日数)を明けることが必要になって処理に数日要する場合もある。
【0007】
いずれにしても、含有量が6.0質量%以下の過酸化水素ではメラニン分解能力に限界があり、できるだけ高い含有量で過酸化水素を含有させた第2剤も望まれるようになっている。この点、米国等では過酸化水素を12質量%程度まで配合させた第2剤が使用されており、毛髪の明色化に活用されている。このように過酸化水素の含有量を高くすることによって、短時間での処理でメラニン分解効果が達成され、ブリーチ力が増大して短時間で明るいヘアカラー施術が可能になることが期待される。しかしながら、過酸化水素の含有量を大きくすればするほど、過酸化水素の分解によって発生する上記の不都合も発生しやすくなる傾向がある。
【0008】
ところで、上記のような酸化染毛剤用第2剤では、第2剤の使用によりコンディショニング効果を付与するために、カチオン化ポリマー、シリコーン類、油剤等、様々な添加剤が使用されるが、このうち特にカチオン化ポリマーを含有した場合には、過酸化水素の安定性が更に悪くなることがある。
【0009】
過酸化水素の安定化を図るために、これまでにも様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、フェナセチンおよび1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸またはその塩を配合することによって過酸化水素の分解を抑制した毛髪処理剤について開示されている。また、特許文献2には、無機安定剤としての第1燐酸ナトリウムと、有機安定剤としてのフェナセチンおよびサリチル酸を含有させることによって、過酸化水素の分解を抑制した過酸化水素含有組成物について提案されている。
【0010】
上記のように、これまで過酸化水素の安定化を図る技術は、フェナセチンが主に用いられてきたのであるが、このフェナセチンは安全性に問題があることが指摘されている。また、これまで提案されている技術では、多量のカチオン化ポリマーを併用した系で過酸化水素の良好な安定性が発揮されていないのが実情である。
【特許文献1】特開平8−26943号公報 特許請求の範囲など
【特許文献2】特開平7−258045号公報 特許請求の範囲など
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はこうした状況の下でなされたものであり、その目的は、フェナセチンを使用することなく、カチオン化ポリマーを含む系であっても、また過酸化水素含有量をできるだけ多くした場合であっても、過酸化水素の保存安定性を向上させて長期に亘って使用することのできる酸化染毛剤用第2剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成することができた本発明の酸化染毛剤用第2剤とは、少なくともカチオン化ポリマーおよび過酸化水素を含む酸化染毛剤用第2剤において、サリチル酸を安定化剤として0.15質量%以上含有させたものである点に要旨を有するものである。
本発明の酸化染毛剤用第2剤では、特にカチオン化ポリマーの含有量が0.01〜10.0質量%であるときにその効果が発揮されやすいものとなる。
【0013】
また本発明の第2剤中に含まれる過酸化水素は、その含有量が6.0質量%以下(例えば、0.5〜6.0質量%)であるのが通常であり、この程度の過酸化水素を含むときに、上記サリチル酸を含有させることによる安定性向上効果が有効に発揮されるのであるが、過酸化水素の含有量を12.0質量%以下程度まで増加させた場合でもその効果は発揮されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、少なくともカチオン化ポリマーおよび過酸化水素を含む酸化染毛剤用第2剤に所定量のサリチル酸を含有させることによって、過酸化水素の分解を極力抑制し、保存安定性を格段に向上させた酸化染毛剤用第2剤が実現できた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第2剤中には、酸化剤としての過酸化水素およびコンディショニング効果付与剤としてのカチオン化ポリマーが含まれる。そこで、本発明者は、少なくともカチオン化ポリマーおよび過酸化水素を含む酸化染毛剤用第2剤における過酸化水素分解反応を抑制するべく、様々な角度から検討した。その結果、所定量のサリチル酸を安定化剤として混合してやれば、第2剤の安定性が格段に向上することを見出し、本発明を完成した。
【0016】
サリチル酸は主にpH調整剤や防腐剤として添加されることがあるが、本発明者が検討したところ、このサリチル酸を単独で用いるとカチオン化ポリマーおよび過酸化水素を含む酸化染毛剤用第2剤の安定化剤として極めて有効な安定化効果を発揮し得ることが判明したのである。
【0017】
サリチル酸による過酸化水素安定化効果はその含有量が多くなるにつれて大きくなり、その効果は、過酸化水素の濃度の他、併用されるカチオン化ポリマーの量によっても影響されるが、通常第2剤中には過酸化水素が0.5〜6.0質量%(必要によって12.0質量%以下まで)、カチオン化ポリマーの含有量は0.01〜10.0質量%であることを考えれば、0.15質量%以上含有させる必要がある。但し、サリチル酸の含有量が過剰になっても、その効果が飽和するばかりか、結晶が析出するので、10.0質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、4.0質量%以下である。
【0018】
本発明の第2剤に含有されるカチオン化ポリマーは、ポリマー鎖にアミノ基またはアンモニウム基を含むか、或いはジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むものであり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体または共重合体、および4級化ポリビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらのカチオン化ポリマーは、酸化染毛剤で処理した後の毛髪のコンディションを整えるために、0.01〜10.0質量%程度、好ましくは0.4〜5.0質量%程度含有されることになる。
【0019】
本発明の酸化染毛剤用第2剤は、少なくとも過酸化水素、カチオン化ポリマーおよびサリチル酸を含むものであるが、第2剤として含まれる通常の添加剤を含むものであっても良い。こうした添加剤としては、例えば保湿剤、油脂類、高級アルコール類、ラノリン類、ワセリン・ワックス類、フッ素化合物、シリコーン類、界面活性剤(陽イオン性界面活性剤・陰イオン性界面活性剤・非イオン性界面活性剤・両性界面活性剤)、増粘・ゲル化剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤・酸・アルカリ、溶剤、消炎剤、香料、色素等を配合することができる。
【0020】
これらの添加剤を例示すると、保湿剤としては、1,3−ブチレングリコ−ル、プロピレングリコール、グリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、クエン酸塩、コンドロイチン硫酸、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、トリメチルグリシン、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド等の蛋白・ペプチド類およびその誘導体、アルギニン、セリン、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸類、エラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス等の動物・植物抽出成分等が挙げられる。
【0021】
油脂類としては、流動パラフィン、スクワラン、水添ポリイソブテン等の炭化水素油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油、ゴマ油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、ティーツリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、シア脂、ホホバ油等の植物油脂類等が挙げられる。
【0022】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
【0023】
ラノリン類としては、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン等のラノリン類が挙げられる。
【0024】
ワセリン・ワックス類としては、ワセリン、固型パラフィン、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等のワックス類等が挙げられる。
【0025】
フッ素系化合物としては、パーフルオロポリエーテル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアリルアミド、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルポリエチレングリコールリン酸等のフッ素系化合物誘導体が挙げられる。
【0026】
シリコーン類としては、低粘度ジメチルポリシロキサン、高粘度ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノ変性ポリシロキサン、カチオン変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0027】
陽イオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0028】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
【0029】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルソルビタン脂肪酸部分エステル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルポリグリコシド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができる。
【0031】
増粘・ゲル化剤としては、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸、トラガントガム、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0032】
防腐剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、四級アンモニウム塩類等を挙げることができる。
【0033】
キレート剤としては、エデト酸塩、ホスホン酸類、ポリアミノ酸類等を挙げることができる。
【0034】
pH調整剤・酸・アルカリとしては、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、塩酸、硫酸、硝酸若しくはそれらの塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、アンモニア水、アミノメチルプロパノール若しくはそれらの塩類等を挙げることができる。
【0035】
溶剤類としては、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類等を例示することができる。消炎剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グアイアズレン等を例示することができる。また、過酸化水素の分解抑制に有効であることが公知の1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ヒドロキシエタンジホスホン酸)を、補助剤として0.01〜5.0質量%程度含有させることも可能である。
【0036】
本発明の酸化染毛剤用第2剤は、日常的に毛髪を処理するために用いることができ、その剤型は液状、ミスト状、クリーム状、ゲル状、泡状、エアゾール状など種々のタイプが可能で、特に限定されるものではない。また、本発明の染毛剤用第2剤は、そのpHが1.6〜4.3であるときにその安定性向上効果が顕著なものとなる。
【実施例】
【0037】
次に、実施例によって本発明をより具体的に示すが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】
[実施例1]
下記表1〜5に示す各種配合割合(No.1〜32)で各種原料を配合して、各種酸化染毛剤用第2剤を調製した(過酸化水素の全体に対する含有量は、5.95質量%)。調製直後の過酸化水素含有組成物の30gを、バイヤル瓶(容量30ml、日電理化硝子株式会社製)に充填し、40℃で3ヶ月保存し、内圧測定用圧力計(ジーエルサイエンス株式会社製)を用いて内部圧力の変化を測定することによって、第2剤の安定性を調査した。このときの、評価基準を下記に示すが、内圧が低いほど、安定性が高いこと(分解による酸素の発生が少ないこと)を意味している。この結果を、下記表1〜5に併記する。尚、リン酸水素二ナトリウムは、アルカリ剤のpH調整剤として、またリン酸は酸剤のpH調整剤として添加したものであり、これらによってpHを調整した。
【0039】
(安定性の評価基準)
◎:40℃、3ヶ月放置品で内圧が30kPa未満、
○:40℃、3ヶ月放置品で内圧が30kPa以上、35kPa未満
△:40℃、3ヶ月放置品で内圧が35kPa以上、45kPa未満
×:40℃、3ヶ月放置品で内圧が45kPa以上
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
これらの結果から次のように考察できる。過酸化水素とカチオン化ポリマーを併用した系でサリチル酸を0.15質量%以上配合することによって、過酸化水素の優れた安定性が実現できていることが分かる(表1のNo.1〜8、表2のNo.9〜16、表4のNo.24〜26)。
【0046】
これに対して、本発明で規定する要件を満足しないものでは、過酸化水素の優れた安定性が達成されていないことが分かる(表3のNo.17〜23)。
【0047】
また、表5の結果から明らかなように(表5のNo.27〜32)、第2剤のpHが1.5以下若しくは4.6以上となると保存安定性が劣化していることが分かる。
【0048】
[実施例2]
前記表1に示した酸化染毛剤用第2剤(No.1〜8)について、過酸化水素の含有量を変えて各種酸化染毛剤用第2剤を調製し(添字A〜Cを付す)、実施例1と同様にして第2剤の安定性を調査した。この結果を、原料配合と共に下記表6〜9に示すが、過酸化水素の含有量を12.0質量%程度まで高めた場合であっても、過酸化水素の良好な安定化が実現できていることが分かる。
【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
[実施例3]
前記表2に示した酸化染毛剤用第2剤(No.9〜16)について、過酸化水素の含有量を変えて各種酸化染毛剤用第2剤を調製し(添字A〜Cを付す)、実施例1と同様にして第2剤の安定性を調査した。この結果を、原料配合と共に下記表10〜13に示すが、過酸化水素の含有量を12.0質量%程度まで高めた場合であっても、過酸化水素の良好な安定化が実現できていることが分かる。
【0054】
【表10】

【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
[比較例1]
前記表3に示した酸化染毛剤用第2剤(No.17〜23)について、過酸化水素の含有量を変えて各種酸化染毛剤用第2剤を調製し(添字A〜Cを付す)、実施例1と同様にして第2剤の安定性を調査した。この結果を、原料配合と共に下記表14〜17に示すが、これらのものは本発明で規定する要件を満足しないものであり、過酸化水素の含有量を低めにした場合には、良好な結果が得られるときもあるが、概ね過酸化水素の良好な安定化が実現できていないことが分かる。
【0059】
【表14】

【0060】
【表15】

【0061】
【表16】

【0062】
【表17】

【0063】
[実施例4]
前記表4に示した酸化染毛剤用第2剤(No.24〜26)について、過酸化水素の含有量を変えて各種酸化染毛剤用第2剤を調製し(添字A〜Cを付す)、実施例1と同様にして第2剤の安定性を調査した。この結果を、原料配合と共に下記表18〜19に示すが、過酸化水素の含有量を12.0質量%程度まで高めた場合であっても、過酸化水素の良好な安定化が実現できていることが分かる。
【0064】
【表18】

【0065】
【表19】

[実施例5]
前記表5に示した酸化染毛剤用第2剤(No.27〜32)について、過酸化水素の含有量を変えて各種酸化染毛剤用第2剤を調製し(添字A〜Cを付す)、実施例1と同様にして第2剤の安定性を調査した。この結果を、原料配合と共に下記表20〜23に示すが、本発明で規定する要件を満足するものでは(表20、21)、過酸化水素の含有量を多くすると一部ではその効果が低下する傾向を示すが、概ね過酸化水素の含有量を多くした場合であっても、過酸化水素の良好な安定化が実現できていることが分かる。これに対し、本発明で規定する要件を満足しないものでは(表22、23)、過酸化水素の含有量を低めにした場合であっても、過酸化水素の良好な安定化が実現できていないことが分かる。
【0066】
【表20】

【0067】
【表21】

【0068】
【表22】

【0069】
【表23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともカチオン化ポリマーおよび過酸化水素を含む酸化染毛剤用第2剤において、サリチル酸を安定化剤として0.15質量%以上含有させたものであることを特徴とする酸化染毛剤用第2剤。
【請求項2】
カチオン化ポリマーは、その含有量が0.01〜10.0質量%である請求項1に記載の酸化染毛剤用第2剤。
【請求項3】
過酸化水素の含有量が12.0質量%以下(0質量%を含まない)である請求項1または2に記載の酸化染毛剤用第2剤。
【請求項4】
過酸化水素の含有量が6.0質量%以下(0質量%を含まない)である請求項3に記載の酸化染毛剤用第2剤。


【公開番号】特開2007−63264(P2007−63264A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210258(P2006−210258)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000213482)中野製薬株式会社 (57)
【Fターム(参考)】