説明

酸化触媒

【課題】一酸化炭素に対して選択的に炭化水素を酸化するための触媒を提供する。
【解決手段】本発明による触媒は化合物Ce0.1-0.5Ti0.2-0.8Cr0.1-0.5Me0.0-0.2xをベースとする混合酸化物である。該混合酸化物は特に被覆として成形体上に固定されているか、または混合酸化物に0.5質量%未満の貴金属が添加されている。本発明によれば、特に一酸化炭素または窒素酸化物に対して炭化水素が優先的に酸化される。本願発明による酸化触媒を製造する際には、前記混合酸化物および場合によりその他の金属酸化物が、金属もしくは酸化物もしくは窒化物の高温安定性成形体または酸化物セラミック上に固定される。本発明による混合酸化物は、酸化触媒として、燃焼室および該燃焼室に接続する排ガス管または排ガス返送管を有する装置内に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、200〜1000℃の温度で排ガス成分を酸化するための触媒であって、一酸化炭素よりも優先的に炭化水素を酸化する触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物担体材料に対して貴金属を0.1〜5質量%含有する貴金属触媒は、200℃以降、特に300℃以降の温度で良好な、ないしは極めて良好な酸化作用を示す。高温、特に850℃を超える温度に対するこのような系の安定性は、高い貴金属使用量によって改善される。
【0003】
貴金属を全く添加しない混合酸化物触媒は、低い空間速度で十分な酸化活性を有するしうる。一般に、該触媒の有効性に関する開始温度は部分的には貴金属触媒の開始温度を明らかに上回る。高温に対する安定性は一般に貴金属触媒の場合よりも劣っている。さらに非貴金属触媒はしばしば選択的に一酸化炭素と反応し、炭化水素の燃焼にはあまり適切ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、貴金属を含有していないか、またはわずかに含有するのみであり、高温安定性で、炭化水素を選択的に酸化する触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明による課題を解決するために、セリウム、チタンおよびクロムの元素の酸化物をベースとする、特にセラミック担体上の混合酸化物を提供する。有利には混合酸化物を、セラミック担体、特に酸化アルミニウム上に析出させる。本発明の実施態様では、貴金属、特にパラジウムを、0.05質量%未満、特に0.02質量%未満の量で後から添加する。本発明によれば、パラジウムによるドープの際に、従来技術では1〜5質量%の貴金属使用量でのみ達成可能であるような触媒効果を達成することができる。
【0006】
本発明の課題は、独立請求項の特徴により解決される。従属請求項は有利な実施態様を記載している。
【0007】
本発明によれば、元素のセリウム、チタンおよびクロムの混合酸化物を用いて、400℃を超える温度、特に500℃を越える温度で炭化水素を酸化する。この触媒作用を有する混合酸化物は、担体、たとえば慣用の金属ハニカム上に固定することができる。有利には混合酸化物を、セラミック担体、たとえば酸化アルミニウム上に固定し、かつ混合酸化物とセラミック担体材料とからなる該複合材をウォッシュコートとして慣用の担体、たとえば金属ハニカム上に固定する。
【0008】
有利には酸化チタンが、特に40〜60質量%の含有率で混合酸化物触媒の主成分となる。混合酸化物触媒の3つの金属酸化物成分のそれぞれは、少なくとも10質量%、特に15質量%含有され、その際、セリウムの含有率は有利には10〜30質量%、特に15〜25質量%であり、かつ酸化クロムの割合は有利には20〜40質量%、特に25〜35質量%である。特に、Ce:Ti:Crの比率は、2:5:3であり、その許容差は20%、特に10%である。
【0009】
酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化クロムからなる混合酸化物は、その金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)、ランタニド(Pmを除く)からなる群から選択される別の金属酸化物と相容性である。混合酸化物のための一般式は、Ce0.1-0.5Ti0.2-0.8Cr0.1-0.5Me0.0-0.2x、特にCe0.2-0.5Ti0.3-0.7Cr0.2-0.5Me0.0-0.1xである。
【0010】
この非貴金属触媒は、一酸化炭素に対して炭化水素を選択的に酸化するための、30℃〜1000℃の温度を有する排ガス中の炭化水素を選択的に酸化するために適切である。700℃を超える、特に850℃を越える使用温度で、温度安定性は多くの貴金属触媒の場合よりも良好である。
【0011】
本発明によれば、一酸化炭素に対して炭化水素を選択的に酸化するための触媒は、CeO2、TiO2およびCr23をベースとする混合酸化物である。このことによって、酸化可能な排ガス成分が酸化される触媒として混合酸化物を使用して排ガスを浄化することが可能になる。特に炭化水素が一酸化炭素に対して優先的に酸化される。基本的に、CeTiCr混合酸化物をベースとする酸化触媒は、完全な酸化が必要とされる全てのプロセス、たとえば工業用排ガスの浄化またはディーゼル酸化触媒としての適用にとって好適である。CeTiCr混合酸化物をベースとする触媒調製物は、特にHC排出を低減するための小出力エンジンの適用における使用にとって適切である。
【0012】
触媒作用のための最低温度を、特に400℃より低い温度に低下させるために、前記混合酸化物触媒はさらに、貴金属、特にパラジウムまたは銀がドープされる。貴金属割合は、400℃を下回る温度範囲のための従来のPt/Rh触媒と比較して、同等の効果で劇的に低減される。その際、PtおよびRhは、その他の貴金属、特にAg、PdおよびIrによって交換可能である。この場合、特に貴金属の使用量は、従来技術と比較して少なくとも一桁低減される。公知の貴金属触媒が、貴金属、特に高価な貴金属のPtおよびRhを、担体材料に対して1〜5質量%含有している一方で、本発明によれば、貴金属は0.5質量%未満、特に0.2質量%未満で十分である。というのも、本発明によれば、従来の貴金属ベースの触媒により達成可能な結果を達成するためには貴金属はすでに0.005質量%で十分だからである。その際、本発明によれば、安価な貴金属のAu、Ru、Irおよび特にPdおよびAg0.5質量%未満、特に0.2質量%未満で十分である。
【0013】
本発明によれば、貴金属触媒と比較して実質的により低い貴金属使用量で貴金属触媒に匹敵する触媒活性が達成され、かつ高温に対する改善された安定性が達成される。さらに、炭化水素に対して高い選択率を有する混合酸化物触媒がはじめて提供される。特に、触媒作用がすでに200〜300℃で行われるべき場合には、混合酸化物に貴金属をドープする。
【0014】
本発明によればさらに、特に簡単な製造が可能となる。燃焼機関のための酸化触媒を製造するために、酸化セリウム(IV)、酸化チタン(IV)および酸化クロム(III)からなる混合酸化物が、成形体または酸化物セラミック上に固定される。このために、成形体を混合酸化物の水溶液で含浸し、かつ混合酸化物により含浸された成形体を乾燥することが有利であることが実証されている。同様に、混合酸化物を成形体上に析出させることが有利であることが実証されている。成形体は、高温安定性の材料からなっており、特に金属または酸化物または炭化物からなる。有利には成形体はハニカム構造体であるか、またはワイヤメッシュである。特に有利には、酸化物セラミック上に混合酸化物が固定されており、その際、酸化物セラミックは成形体上に固定される。このような酸化物セラミックはウォッシュコートとも呼ばれる。場合により混合酸化物は、その金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)、ランタニド(Pmを除く)からなる群から選択される別の金属酸化物を含有する。特にCeO2、TiO2およびCr23が、混合酸化物の主成分であり、別の金属酸化物は、副成分であるか、またはドープ成分である。
【0015】
混合酸化物は燃焼室、特に燃料の完全燃焼のための内燃機関中での酸化触媒として適切である。排ガス管または排ガス返送管中で、酸化触媒により炭化水素が酸化される。本発明によれば、燃焼室および該燃焼室に接続している排ガス管または排ガス返送管を有する装置も提供され、その際、該装置の内部では、酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化クロムをベースとする混合酸化物が酸化触媒として固定されている。
【0016】
特にこの装置中では、金属の原子割合は、
Ce 0.1〜0.5、有利には0.2〜0.5であり、
Ti 0.2〜0.8、有利には0.3〜0.7であり、
Cr 0.1〜0.5、有利には0.2〜0.5であり、
その際、混合酸化物は場合により、その金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)、ランタニド(Pmを除く)からなる群から選択されている別の金属酸化物を含有しており、その際、別の金属の原子割合は合計して0〜0.2であり、有利には0〜0.1である。
【0017】
セラミック担体の選択は、金属、セラミックまたは炭化物からなる成形体上の酸化触媒の活性、温度安定性ならびに被覆性にも影響を与える。
【0018】
触媒的に不活性のAl23の使用により、特に被覆可能性および熱安定性が改善される。この場合、Al23の塩基性表面によって、成形体の酸化物表面への改善された結合が可能となり、混合酸化物のために温度安定性の支持構造が提供される。
【0019】
触媒活性な担体、たとえばCeO2を使用することにより、特に酸化活性が改善される。
【0020】
触媒的に不活性な担体、たとえばAl23、および触媒活性な担体、たとえばCeO2の使用により、被覆性、付着特性および温度安定性も、酸化性能も向上することができる。
【0021】
セラミック担体上での混合酸化物触媒の固定は、混合酸化物:担体の比5:1〜1:3で、有利には3:1〜1:1の比で行われる。特に7:3〜6:4の比率が特に活性であることが判明した。
【0022】
同様に貴金属触媒の酸化活性を支援するために、混合酸化物を貴金属触媒と一緒に物理的な混合物として適用して貴金属の適用を低減することができる。
【0023】
この点に関して炭化水素を選択的に酸化するため非貴金属触媒は、850℃を超える温度で小出力エンジンの排ガスにおいて一酸化炭素に対して炭化水素を優先的に酸化するために特に適切である。混合酸化物にわずか0.01〜0.05質量%の貴金属、特にPdをドープすることによって、すでに300℃よりも低い温度で活性な酸化触媒が提供される。
【0024】
燃焼室または排ガス管または排ガス返送管内での酸化触媒としての酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化クロムをベースとする混合酸化物の使用は、特に金属の原子割合が、
Ce 0.1〜0.5、有利には0.2〜0.4、
Ti 0.2〜0.8、有利には0.3〜0.7、
Cr 0.1〜0.5、有利には0.2〜0.4
である場合に、従来使用されていた貴金属を節約し、その際、混合酸化物は場合により、その金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)、ランタニド(Pmを除く)からなる群から選択される別の金属酸化物を含有しており、その際、別の金属の原子割合は0〜0.2である。
【0025】
以下では、図面を参照しながら実施例に基づいて本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による混合酸化物触媒の存在下での炭化水素および一酸化炭素の変換を示す。
【図2】酸化物セラミック上に固定された混合酸化物による炭化水素および一酸化炭素の、温度に依存する変換率を示す。
【図3】パラジウムでドープされた混合酸化物触媒による炭化水素および一酸化炭素の変換率を示す。
【実施例】
【0027】
CO 6体積%、CO2 8.7体積%、O2 4.5体積%、プロパン 1.1体積%および残分N2からなる排ガス組成物をそのつど空間速度100000/hで、実施例1〜3に記載の触媒により処理した。
【0028】
例1:
20:50:30の比のCe−Ti−Cr−酸化物
硝酸Cr(III) 230.9gを、脱塩水300ml中に溶解した(pH=0.94)。硝酸Ce溶液(Ce19.5%)102.4gおよび酸化チタン硫酸溶液521.6gを秤量し、酸化チタン硫酸溶液を硝酸Cr溶液に添加した。引き続き、硝酸Ce溶液を添加した。12.5%のNH3溶液600mlを容器に装入し、かつCeTiCr溶液を徐々にNH3溶液に滴下した。添加の間、追加のNH3溶液によりpH値を>7に維持した。析出したCeTiCr酸化物を濾過し、かつ硫酸塩不含になるまで洗浄した。得られた粉末を110℃で乾燥させ、かつ500℃で4時間熱処理した。引き続き、粉末を粉砕して被覆可能なウォッシュコートスラリーを形成した。触媒活性の試験のために、金属ハニカム構造体を200g/lの被覆量で被覆し、かつ合成ガス装置中で試験した。
【0029】
図1には炭化水素と一酸化炭素の、温度に依存する変換率が記載されている。
【0030】
例2:
Al23 40%および20:50:30の比のCeTiCr酸化物60%の比でのAl23−Ce−Ti−Cr酸化物
例1に相応して、硝酸Ce溶液、酸化チタン硫酸溶液および硝酸Cr(III)溶液からなる沈殿反応試薬を製造した。市販のγ−Al23を水中に懸濁させ、かつNH3溶液でpH8〜9に調整した。次いでCe−Ti−Cr溶液をpH値制御下(>7)で徐々に滴加した。Al23上に析出したCe−Ti−Cr−酸化物を濾過し、硫酸塩不含になるまで洗浄し、乾燥させ、かつ熱処理した。引き続き粉末を粉砕して被覆可能なウォッシュコートスラリーを形成した。触媒活性を試験するために、金属ハニカム構造体を200g/lの被覆量で被覆し、かつ合成ガス装置中で試験した。
【0031】
図2には炭化水素および一酸化炭素の、温度に依存した変換率が記載されている。
【0032】
例3:
Al23 40%と、20:50:30の比のCeTiCr酸化物60%との比率でのPd0.018g/lを含有するAl23−Ce−Ti−Cr酸化物
例1に相応して、硝酸Ce溶液、酸化チタン硫酸溶液および硝酸Cr(III)溶液から沈殿反応試薬を製造した。市販のγ−Al23を水中に懸濁させ、かつNH3溶液でpH8〜9に調整した。次いでCe−Ti−Cr溶液をpH値制御下(>7)で、徐々に滴加した。Al23上に析出したCe−Ti−Cr−酸化物を濾過し、硫酸塩不含になるまで洗浄し、乾燥させ、かつ熱処理した。引き続き粉末を粉砕して被覆可能なウォッシュコートスラリーを形成した。pH値4で、ウォッシュコート懸濁液の固体含有率に相応して硝酸Pd溶液を滴加して、Pd0.018g/l(0.5g/ft3)の貴金属使用量が生じた。触媒活性の試験のために、金属ハニカム構造体を、200g/lの被覆量で被覆し、かつ合成ガス装置中で試験した。
【0033】
炭化水素および一酸化炭素の、温度に依存した変換率は図3に記載されている。
【0034】
その他の比率を異なった混合酸化物粉末の製造に基づいて実施したが、その際、混合酸化物粉末を管型反応器中で引き続き乾燥させ、かつか焼した粉末としてCO、プロパンおよびO2を含有する排ガス(CO5.5体積%、CO2 8体積%、O2 5体積%、プロパン1体積%および残分N2)中で試験した。この結果は第1表に記載されている。
【0035】
炭化水素およびCOに関する変換率(%)は、温度350℃および空間速度150000/hに関する。
【0036】
Ce60:Ti20:Cr20の比率での混合酸化物の製造は、炭化水素の酸化に関する活性に関して、ならびにCO変換に対するHC変換に関する選択性に関して、Ce70:Ti20:Cr10の比での混合酸化物についての結果に匹敵する結果につながった。この粉末と比較して、前記のCe20:Ti50:Cr30の調製物は、炭化水素に関して特に高い酸化活性によって際だっている。
【0037】
これに対してCeTiをベースとする混合酸化物は、炭化水素の酸化を示さない。CeCrをベースとする混合酸化物は、炭化水素の酸化に関して劣った選択率で中程度の炭化水素酸化活性を示す。TiCrをベースとする混合酸化物は確かに良好な選択率を示すが、しかし炭化水素の酸化に関する基本的な活性は、CeTiCr調製物に対して明らかに低減している。個々の成分Ce、TiおよびCrそれぞれを別々に酸化触媒として使用する場合、Ceのみが酸化活性を示すものの、その程度は低く、かつ炭化水素に関してもCOに関しても同等である。TiはCO酸化に対してごくわずかな活性を有するのみであり、かつCrは炭化水素の酸化に対してわずかな活性を示すのみである。
【0038】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一酸化炭素に対して選択的に炭化水素を酸化するための触媒において、触媒が、金属のセリウム、チタンおよびクロムをベースとする混合酸化物であることを特徴とする、一酸化炭素に対して選択的に炭化水素を酸化するための触媒。
【請求項2】
前記混合酸化物が、成形体上の被覆として固定されていることを特徴とする、請求項1記載の触媒。
【請求項3】
前記混合酸化物に、貴金属0.5質量%未満がドープされていることを特徴とする、請求項1または2記載の触媒。
【請求項4】
排ガスの浄化法において、金属のセリウム、チタンおよびクロムをベースとする混合酸化物を触媒として用いて酸化可能な排ガス成分を酸化することを特徴とする、排ガスを浄化する方法。
【請求項5】
一酸化炭素または窒素酸化物に対して炭化水素を優先的に酸化することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
燃焼機関のための酸化触媒の製造方法において、酸化セリウム、酸化チタン、酸化クロムおよび場合により、その金属がMg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)、ランタニド(Pmを除く)からなる群から選択されている別の金属酸化物からなる混合酸化物を、金属製または酸化物製または炭化物製の高温安定性成形体または酸化物セラミック上に固定し、その際、酸化物セラミックは成形体上に固定されることを特徴とする、燃焼機関のための酸化触媒の製造方法。
【請求項7】
前記成形体が、ワイヤメッシュまたはハニカム構造体であることを特徴とする、請求項6記載の酸化触媒の製造方法。
【請求項8】
混合酸化物がその上に固定されている酸化物セラミックがウォッシュコートであることを特徴とする、請求項6または7記載の酸化触媒の製造方法。
【請求項9】
燃焼室と、該燃焼室に接続している排ガス管または排ガス返送管とを有する装置において、該装置中に、酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化クロムをベースとする混合酸化物が、酸化触媒として固定されていることを特徴とする、燃焼室と、該燃焼室に接続している排ガス管または排ガス返送管とを有する装置。
【請求項10】
混合酸化物の金属のモル比が、
Ce 0.1〜0.5
Ti 0.2〜0.8
Cr 0.1〜0.5
であり、その際、混合酸化物は、その金属がMg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)からなる群から選択されている別の金属酸化物を含有していてもよく、その際、別の金属の原子割合は0〜0.2であることを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項11】
混合酸化物に、Pd0.001〜0.1質量%がドープされていることを特徴とする、請求項9または10記載の装置。
【請求項12】
一酸化炭素に対して炭化水素を優先的に酸化するための、300〜1000℃の温度を有する小出力エンジンの排ガスにおける炭化水素を選択的に酸化するための非貴金属触媒において、触媒が、金属のセリウム、チタンおよびクロムをベースとする混合酸化物触媒であることを特徴とする、小出力エンジンの排ガスにおける炭化水素を選択的に酸化するための非貴金属触媒。
【請求項13】
燃焼室または排ガス管または排ガス返送管中の酸化触媒としての、酸化セリウム、酸化チタンおよび酸化クロムをベースとする混合酸化物の使用。
【請求項14】
金属の原子割合が、
Ce 0.1〜0.5
Ti 0.2〜0.8
Cr 0.1〜0.5
であり、混合酸化物は、その金属が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Sn、原子番号79までを含む遷移元素(TcおよびCdを除く)、ランタニド(Pmを除く)からなる群から選択されている別の混合酸化物を含有していてもよく、その際、別の金属の原子割合は合計して0〜0.2であることを特徴とする、請求項13記載の混合酸化物の使用。
【請求項15】
混合酸化物を、炭化水素の酸化のために使用することを特徴とする、請求項13または14記載の混合酸化物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−17707(P2010−17707A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153268(P2009−153268)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(390023560)ヴェー ツェー ヘレーウス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (42)
【氏名又は名称原語表記】W.C.Heraeus GmbH 
【住所又は居所原語表記】Heraeusstrasse 12−14, D−63450 Hanau, Germany
【Fターム(参考)】