説明

酸化防止剤による予防的前処置

脳卒中または他の虚血性疾患の影響を予防または改善するための、脳卒中を含む虚血を起こしやすい患者にニトロオキシドを用いて前処置をするための方法、組成物、および使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虚血の影響を予防または改善するために、虚血を起こしやすい患者にニトロオキシドによる前処置を施す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
西欧諸国では、脳卒中は、最も一般的な、身体に障害を引き起こす神経学的損傷の原因である。一般に、脳への血液および酸素の流れが阻害され、その結果脳が損傷されたときに脳卒中が発生する。脳卒中の発症は予測することができないが、種々の処置方法を含むある医学的手技が脳卒中の重大な危険性を有することはよく知られている。
【0003】
例えば、脳卒中および他の虚血性の損傷は外科手術または血管内手技を問わず、動脈瘤の処置後の患者においてしばしば発生する。外科手術の状況においては、磁気共鳴映像法(MRI)で測定したときに、患者の26%が脳卒中の痕跡を有し、虚血性の脳の損傷および一時的な動脈閉塞との明確な関連がある。Ferch等、J. Neurosurg, 97巻: 836〜42頁(2002年)を参照されたい。同様に、動脈瘤の血管内処置はかなりの割合で虚血を伴う。Cronqvist等、Neuroradiology, 43巻: 662〜671頁(2001年)およびHadjivassiliou等、Neurology 56巻: 1672〜1677頁(2001年)を参照されたい。
【特許文献1】米国特許第6516214号
【特許文献2】米国特許第5352442号
【特許文献3】米国特許第5462946号
【非特許文献1】Ferch等、J. Neurosurg, 97巻: 836〜42頁(2002年)
【非特許文献2】Cronqvist等、Neuroradiology, 43巻: 662〜671頁(2001年)
【非特許文献3】Hadjivassiliou等、Neurology 56巻: 1672〜1677頁(2001年)
【非特許文献4】Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版、1990年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念ながら、従来技術は、重大な虚血の危険性を有する医学的手技の後の虚血の処置方法に主に集中している。したがって、重大な虚血の危険性を伴う医学的手技を実施する前に、虚血を起こしやすい患者に前処置を施すことにより、虚血の影響を予防または改善することが当技術分野で求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある実施態様は、虚血を起こしやすい哺乳動物、好ましくはヒトの患者を同定し、虚血発症前に、ヒトの患者の虚血の有害な影響を予防または改善するために十分な量のニトロオキシドを投与することを含む、処置方法を含む。
【0006】
別の実施態様は、虚血発症前に、哺乳動物、好ましくはヒトの虚血の有害な影響を予防する医薬を調製するためのニトロオキシドの使用に関する。
【0007】
さらに別の実施態様は虚血の処置のためのニトロオキシドを含有する医薬を含む。ここで前記処置は虚血を起こしやすい患者を同定し、虚血発症前に、患者の虚血の有害な影響を予防するため、前記医薬の十分な量を投与することを含む。
【0008】
特定の実施態様において、本発明の方法、医薬および使用に用いるニトロオキシドは、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである。追加の実施態様において、本発明の教示は患者の虚血に対する感受性が重大な虚血の危険性を伴う医学的手技に起因する、ヒト患者を処置するのに用いることができる。ある実施態様において、これらの医学的手技は、例えば出血の処置、動脈瘤の処置、特に外科手術または血管内手技を含むことができる。具体的な実施態様において、ニトロオキシドは経口または静脈内により投与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明における教示は、一般に虚血の負の影響を予防または改善するために、虚血を起こしやすい患者をニトロオキシドで前処置する方法に関する。本明細書では、用語「虚血」は、一般に血液および酸素の流れの不足により起こる生理学的損傷に関し、脳卒中を含む。本明細書では、用語「脳卒中」は脳への血液および酸素の流れの不足により起こる生理学的損傷に関する。
【0010】
ある実施態様において、本発明の方法は、例えば虚血性脳卒中および脳出血を含む虚血の任意のタイプの負の影響を予防または改善するのに用いることができる。虚血性脳卒中においては、しばしばアテローム性動脈硬化または凝血塊が血管を塞ぐことにより脳への血液の供給が遮断される。代表的な虚血性脳卒中は血栓または栓塞のいずれかの存在に起因する。血栓は一般に血管内に形成され、形成された場所に結合して残る凝血塊に関する。それに対し、栓塞は一般に血液中を循環する異常な粒子に関する。出血性脳卒中は血管が破裂したときに起こり、典型的には正常な血流が妨げられる。
【0011】
ある実施態様において、患者は限定的でない以下の診断法のリスト:例えばコンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI、DWIおよびPWIを含む)、頸動脈超音波検査/ドップラースキャン、磁気共鳴血管造影(MRA)、頸動脈造影、胸部X線、心電図(ECGまたはEKG)、心エコー検査、ホルターモニタまたは遠隔測定等を含む利用可能な方法を用いて脳卒中を含む虚血を起こしやすいと同定されたヒトであってよい。
【0012】
別の実施態様において、虚血を起こしやすい患者は光学的トモグラフィ(optical tomography)、Boasあてに発行された米国特許第6516214号(参照文献の形態により全体として本明細書に援用される)において開示されたいくつかの方法を用いて同定することができる。
【0013】
さらに別の実施態様において、虚血を起こしやすい患者は1つまたは複数の入手可能な危険因子、例えば患者の年齢、性別、人種、体重、コレステロールレベル、血圧、アテローム性動脈硬化、家族歴、遺伝的傾向、心臓病、喫煙習慣、アルコール消費量、体脂肪の割合、食事、糖尿病、運動、生活様式、膠原病、脳卒中を含む虚血の病歴等の評価に基づいて同定することができる。
【0014】
より具体的な実施態様において、脳卒中を含む個々の患者の虚血に対する感受性は、例えば閉塞または患者の血管閉塞を含む動脈瘤、冠状動脈疾患の検出を含む、より具体的な危険因子を用いて評価することができる。閉塞は一部または完全な血管の遮断であってよい。血管中の障害は、例えば血栓、閉塞、攣縮、アテローム性動脈硬化等の結果として起こるものであってよい。アテローム性動脈硬化は、一般に動脈壁が厚くなり弾性が低下する、いくつかの疾患に関する。これらの疾患の最も代表的なものは、脂肪物質が動脈壁の内層の下に蓄積するアテローム性動脈硬化である。上記のどの条件も、脳卒中を含む個々の患者の虚血の起きやすさを測定するのに用いることができる。
【0015】
本発明の具体的な実施態様は、脳卒中または虚血の原因となる重大な危険性を有する医学的手技を受ける前の患者にニトロオキシドを投与する方法を含む。重大な危険性は、例えば約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%および100%の可能性を含みうる。
【0016】
別の実施態様において、重大な危険性は例えば約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%および100%より大きい虚血の可能性のある医学的手技を含み得る。
【0017】
ある実施態様において、以下の限定されない医学的手技のリスト:例えばバイパス手術および僧帽弁手術を含む心臓手術、頸動脈の動脈内膜切除、血管形成、開頭術、頸部椎間板切除および椎体切除、頸部椎弓切除、喉頭切除、副甲状腺切除、甲状腺切除、気管切開、子宮切除、前立腺切除、尿路膀胱切除、膝、肩、腰、足首、手首等を含む関節置換術(関節形成術)に先立ってニトロオキシドを投与することができる。さらに別の実施態様において、医学的手技の前に投与するのに加え、医学的手技の後にもニトロオキシドを投与することができる。
【0018】
別の具体的な実施態様において、本発明の方法は、任意のタイプの出血、例えば脳出血等を処置するための手術を受ける前の患者にニトロオキシドを投与することを含む。用語「出血」は、代表的には血管からの血液の漏出に関する。本明細書では、用語「脳出血」は、限定されないが、例えば大脳内出血、くも膜下出血、硬膜下出血、硬膜外出血等を含む。さらに別の実施態様においては、出血を処置する手術の前に投与するのに加え、出血を処置するための手術の後にニトロオキシドを投与することもできる。
【0019】
個々の出血の位置により、典型的には、医師が出血の処置をするのに用いる具体的な医学的手技が決まる。例えば脳出血に対する処置は、圧力を解放するための脳内への排液チューブの設置、または弱体化した動脈壁等を分離、遮断もしくは支持する手術を含む。手術の時期が多少問題となるが、大部分の神経外科医は徴候が始まってから3日以内に手術することを勧める。主として10日またはそれ以上の手術の遅れは手術の危険性を減少させるが、それまでの間に再出血の可能性が増大する。本明細書において示されるある実施態様は、出血に対する上記の治療を実施する前にニトロオキシドを投与することを含む。
【0020】
ある実施態様において、本発明の方法は任意のタイプの動脈瘤に対する任意の処置を受ける前に、患者にニトロオキシドを投与することを含むことができる。一般に、手術および血管内といった、動脈瘤を処置する2つの基本的な手法があり、それらの両方とも当技術分野においてよく知られている。手術の手技は一般に開放手技に関し、しばしば動脈瘤の頚部を横切って設置される小さな血管クリップを含み、このクリップは循環から除外される。それに対し、血管内手技は一般に閉鎖手技であり、しばしば鼠径部の大腿動脈から小さなマイクロカテーテルを血管内に誘導し、特別に設計されたコイルを動脈瘤の半球体内に設置する。一般的には、これらのコイルは動脈瘤内に詰められ、その容積を満たし、血液の流入を阻止する。したがって、ある実施態様は、例えば動脈瘤を処置する手術または血管内手技の前に任意の利用可能なニトロオキシドを使用する方法を含む。具体的な実施態様は、動脈瘤のくも膜下出血に対する処置、例えば手術または血管内の処置を受ける前に患者にニトロオキシドを投与することを含む。さらに別の実施態様は、動脈瘤を処置する手術の前に投与するのに加え、動脈瘤を処置する手術の後にもニトロオキシドを投与することができる。
【0021】
虚血および脳卒中の影響
本発明による方法は、虚血の発症を予防するか、虚血のいずれかの影響を改善するためのニトロオキシドの使用を含む。一般的には、脳卒中を含む虚血はフリーラジカルの生成を来たし、これは、細胞死に関係する。これらの生成したフリーラジカルは、例えば活性酸素種(ROS)、スーパーオキサイド、ペルヒドロキシル、過酸化水素、ヒドロキシル等を含む。特定のメカニズムの操作に限定されるものではないが、本発明による方法は酸化防止剤またはROSスカベンジャーとして作用するニトロオキシドを用いる。したがって、本発明による方法は血液および酸素の欠乏に起因する脳細胞および組織の損傷を予防することができる。さらに、本発明による方法は、例えば運動神経能力の損失、神経学的機能不全、梗塞、浮腫の形成、細胞小器官ならびにDNAおよびRNA等の分子の損傷を含む細胞および細胞内の損傷等を含むがそれらに限定されない脳細胞および組織の損傷に伴う影響を予防または改善するニトロオキシドの使用を含む。
【0022】
本発明により提供される方法が、患者の体内の特定の位置にかかわらず任意のタイプの虚血の予防または改善に使用できることに注意することは重要である。例えば、本発明による方法は心虚血、心筋虚血、筋肉組織内の虚血、脳卒中等の影響を予防または改善するのに用いることができる。さらに別の実施態様は、脳卒中を含む重大な虚血の危険性を伴う医学的手技を受ける前の患者に十分な量のニトロオキシドを投与することを含む。
【0023】
ニトロオキシド
本明細書に記載の方法は、患者の脳卒中を含む虚血の負の影響を予防または改善するためのニトロオキシドの使用を対象とする。ある実施態様においては、脳卒中を含む虚血を起こしやすい患者にニトロオキシドを投与することができる。具体的な実施態様において、虚血に対する患者の感受性は、例えば脳出血または動脈瘤の処置方法等を含む医学的手技によって生じ得る。したがって、具体的な実施態様は、例えば動脈瘤のくも膜下出血の処置のための手技等の重大な虚血の危険性を含む特定の医学的手技に先立って予防量のニトロオキシドを投与することを含む。別の実施態様は、重大な虚血の危険性を含む特定の医学的手技の前に予防量のニトロオキシドを投与し、次いで該医学的手技の後に治療または予防量のニトロオキシドを投与することを含む。
【0024】
本明細書では、用語「ニトロオキシド」は広く解釈され、一般に、例えばオキシラジカルを含むフリーラジカル等の種々の生物学的関連化合物と反応することのできる安定なフリーラジカル化合物に関する。より具体的な実施態様において、本明細書に記載のニトロオキシドはフリーラジカルスカベンジャーまたは酸化防止剤である。
【0025】
一般に、ニトロオキシドは患者の虚血の影響を予防または改善することができる。これらの影響は限定されないが、壊死およびアポトーシスを含む、フリーラジカルの生成による健常細胞に対する酸化的ストレスおよび損傷を含む。さらにニトロオキシドは、限定されないが、例えば運動神経の能力損失、神経学的機能不全、梗塞、浮腫の形成、細胞小器官およびDNAおよびRNA等の分子の損傷を含む細胞および細胞内損傷等を含む、虚血性の脳細胞または組織損傷に伴う影響を予防または改善するのに用いることができる。
【0026】
ある実施態様によれば、本明細書に記載の方法において使用されるニトロオキシドは下記式から選択することができる:
【0027】
【化1】

(ここで、XはO・およびOHから選択され、RはCOOH、CONH、CNおよびCH2NH2から選択される)、
【0028】
【化2】

(ここで、XはO・およびOHから選択され、R1はCH3およびスピロシクロヘキシルから選択され、R2はC2H5およびスピロシクロヘキシルから選択される)、
【0029】
【化3】

(ここで、XはO・およびOHから選択され、RはCONHから選択される)、
【0030】
【化4】

(ここで、XはO・およびOHから選択され、RはH、OH、およびNH2から選択され、ならびにTはOから選択される)、
【0031】
本発明の方法に用いることのできる他の適切なニトロオキシドは、Proctorの、米国特許第5352442号およびMitchell等の、米国特許第5462946号に見られ、両者は参照文献の形態により全体として本明細書に援用される。
【0032】
本明細書に記載の方法に用いることのできるニトロオキシドのこれに限定されないリストには、2-エチル-2,5,5-トリメチル-3-オキザゾリジン-1-オキシル(OXANO)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPOL)、4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(Tempamine)、3-アミノメチル-PROXYL、3-シアノ-PROXYL、3-カルバモイル-PROXYL、3-カルボキシ-PROXYL、および4-オキソ-TEMPOも含まれる。
【0033】
本明細書に記載の方法に用いることのできる好ましいニトロオキシドの1つはTempolであり、化学式4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルにより示される。Tempolは、患者の脳卒中を含む虚血の有害な影響を予防または改善するためのフリーラジカルスカベンジャーとして作用する安定なニトロオキシドラジカルである。
【0034】
ある実施態様において、上に挙げたニトロオキシドは、虚血を起こしやすい患者の虚血の影響を予防または改善する単独の活性成分として用いることができる。別の実施態様において、上記のニトロオキシドは、虚血の発症により生成する有害なフリーラジカルを中和することが可能な、他のニトロオキシドを含む他の酸化防止剤と併用することができる。本明細書に記載の方法と併用することのできる他の安定な酸化防止剤は限定されないが、ビタミンA、B、CおよびE、セレニウム、イソフラボン、ポリフェノール、カロテノイド、カルノシン、クエン酸、フェノール化合物、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、没食子酸プロピル、TBHQ(tert-ブチルハイドロキノン)、レシチン、ガムまたはグアヤク脂、THBP(トリヒドロキシブチロフェノン)、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、コエンザイムQ10、α-リポ酸、アントシアニン、βカロテン、カテキン、銀杏、ビルボア(bilboa)、ルテイン、リコペン、グルタチオンおよびプロアントシアニジンを含む。
【0035】
組成物の使用方法
方法の実施態様は、虚血に起因する患者に対する負の影響を予防または改善するための本明細書に記載の任意のニトロオキシドの使用を含む。本明細書では、用語「患者」は、通常ヒトに関する。一般に、用語「予防する」は通常、虚血発生の危険性の低減に関し、虚血の発生を完全に予防するか、および/または脳卒中を含む虚血の負の影響を予防する。一般に、用語「改善する」は虚血に起因する損傷を処置するか、および/または最小限にすることに関する。別の実施態様において、用語「予防する」および「改善する」は、本明細書に記載の方法を用いない場合に予想されるまたは得られる結果と比較したときの、改善された結果および/または虚血の遅延に関する。
【0036】
用語「負の影響」および「影響」は広く解釈されるべきであり、および直接的または間接的に虚血に起因する患者の任意の損傷事象に関する。これらの影響は、例えば酸化的ストレス、壊死、アポトーシス、運動神経の能力損失、神経学的機能不全、梗塞、浮腫の形成、細胞小器官およびDNAおよびRNA等の分子の損傷を含む細胞および細胞内損傷等を含む。ある実施態様において、本発明の方法は、虚血の原因となる重大な危険性を有する、今日利用可能な医学的手技に先立って用いることができる。別の実施態様において、本発明の方法は将来に開発されるであろう重大な虚血の危険性を有する医学的手技と併用して用いることができる。
【0037】
方法の実施態様は、任意のニトロオキシド、例えば本明細書に明示されたニトロオキシドを脳卒中を含む虚血を起こしやすい患者、例えば脳卒中を含む重大な虚血の危険性を有する医学的手技を受ける患者に使用することを含む。いくつかの実施態様において、ニトロオキシドは、患者が脳卒中を含む重大な虚血の危険性を伴う医学的手技を受ける約24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2時間前に患者に適用することができる。別の実施態様において、ニトロオキシドは、患者が脳卒中を含む重大な虚血の危険性を伴う医学的手技を受ける約119、118、117、116、115、110、105、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2分前に患者に適用することができる。別の実施態様において、ニトロオキシドは、患者が脳卒中を含む重大な虚血の危険性を伴う医学的手技を受ける約119、118、117、116、115、110、105、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2秒前に患者に適用することができる。
【0038】
別の実施態様において、本明細書において示されるニトロオキシドは、例えば1つまたは複数の関連する危険因子を評価することを含む適用可能な識別方法に基づいて、脳卒中を含む虚血を起こしやすいと同定された患者に定期的に適用することができる。
【0039】
ニトロオキシドは、経口、局所、非経口、例えば注射を含む利用可能な任意の方法によって患者に投与することができる。経口投与は例えば錠剤、液剤、シロップ、ゲルカプセル等の形態とすることができる。注射は例えば皮下、静脈内、または筋肉内注射等によることができる。
【0040】
虚血の影響を予防または改善することのできる特定のニトロオキシドの任意の投与量を本明細書に記載の方法に用いることができる。ある実施態様において、ニトロオキシドは例えば約1、1.5、2、2.5、3、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75、5、5.25、5.5、5.75、6、6.25、6.5、6.75、7、7.25、7.5、7.75、8、8.25、8.5、8.75、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9および10mg/kgの投与量で用いることができる。別の実施態様において、ニトロオキシドの投与量は例えば約10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295および300mg/kgであってよい。
【0041】
いくつかの実施態様において、ニトロオキシドは重大な虚血の危険性を伴う医学的手技の前に1、2、3、4、5、6、7、8、9または10投与量を投与することができる。別の実施態様において、ニトロオキシドは1日当たり約1、2、3、4、5、6、7、8、9または約10回投与することができる。具体的な実施態様は、脳卒中を含む虚血を起こしやすい患者に対する定期的(例えば毎月、月2回、毎週、週2回、週3回、毎日、1日2回、1日3回)な投与を含む。別の実施態様において、ニトロオキシドは、例えばニトロオキシドの半減期の約1または2倍の後に投与することができる。
【0042】
[ニトロオキシド製剤の特徴]
本発明の方法に用いるニトロオキシドは適切な製剤中に組み込むか、または単独で用いることができる。本発明において用いる個々のニトロオキシド製剤は、目的とする投与方法、例えば投与態様が経口、注射を含む非経口、または局所等であるか否かに依存する。ある実施態様において、ニトロオキシドは、薬学的に許容される担体または賦形剤との組合せにより医薬組成物の形態で投与することができ、その比率および性質は選択したニトロオキシドの溶解性および化学的性質、選択した投与経路、および標準的な製剤慣行により決定することができる。別の実施態様において、本明細書に記載のニトロオキシドは、それ自体有効であるが、それらの薬学的に許容される塩、例えば安定性、結晶化の利便性、溶解性の増大等の目的で酸添加塩の形態で処方し、投与することができる。
【0043】
本発明の教示に従って利用することのできるニトロオキシドは、例えば経口、非経口、局所経路等のニトロオキシドを生体内で利用できるようにする任意の形態または態様によって投与できる。投与経路の限定されないリストは、例えば経口、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、経鼻、直腸、局所等を含む。製剤を調製する当業者は、関連する事情を評価した後、選択した個々のニトロオキシドの性質に応じて投与の適切な形態および態様を容易に選択することができる。
【0044】
ある実施態様において、ニトロオキシドは担体または1種または複数の賦形剤を含有することができる。より具体的な実施態様において、担体または賦形剤はニトロオキシドのビヒクルまたは媒体としての役割を果たす固体、半固体、または液体材料であってよい。適切な担体または賦形剤は、当技術分野においてよく知られている。さらに別の実施態様において、ニトロオキシドは経口、非経口、局所の使用に適用することができ、錠剤、カプセル、坐薬、液剤、懸濁液等の形態で患者に投与することができる。
【0045】
ある実施態様において、ニトロオキシドは例えば不活性な希釈剤または可食性担体とともに経口投与することができる。別の実施態様において、ニトロオキシドはゼラチンカプセルまたは圧縮して錠剤中に入れることができる。経口投与に係るある実施態様に対し、ニトロオキシドは賦形剤に組み込むことができ、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハース、チューインガム等の形態で用いることができる。
【0046】
別の実施態様において、ニトロオキシド含有錠剤、丸薬、カプセル、トローチ等はまた、主として医薬の製剤に利用される補助薬を含有することができる。例えば、それらは1種または複数の以下の補助薬:例えば微結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン等の結合剤;スターチまたはラクトース等の賦形剤;アルギン酸、コーンスターチ等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸亜鉛等の滑剤;コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤;およびシュークロースまたはサッカリン等の添加可能な甘味剤またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料等の着香料を含有することができる。投与単位の形態がカプセルの場合、上記の材料に加え、例えばポリエチレングリコールまたは脂肪油等の液体担体等を含有することができる。
【0047】
別の実施態様において、投与単位の形態は例えば投与単位の物理的形態を修飾する他の材料を被覆剤として含有することができる。したがって、錠剤または丸薬は糖、セラック、または他の腸溶性の被覆剤によって被覆することができる。別の実施態様において、ニトロオキシド含有シロップは、例えばスクロース等の甘味剤、およびある種の防腐剤、染料および着色料および着香料等を含有することができる。
【0048】
ある実施態様において、本明細書に記載の方法に用いるニトロオキシド、は適切な溶媒に溶解した溶質である。別の実施態様において、本明細書に記載の方法に用いるニトロオキシドは例えば、分散液、懸濁液、液体、濃厚液体、ゲル、またはエマルジョンの形態であってよい。追加の実施態様において、ニトロオキシドの製剤はクリーム、ローション、軟膏等の形態である。上記の製剤の詳細な製造方法はRemington's Pharmaceutical Sciences, 18版、1990年、に示されており、これは参照文献の形態により全体として本明細書に援用される。
【0049】
さらに別の実施態様において、非経口、皮内または皮下に適用するために用いるニトロオキシドの溶液または懸濁液は、例えば無菌希釈剤(例えば注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、他の合成溶媒)、抗菌剤(例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン)、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム)、キレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸)、緩衝剤(例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩)、および等張化調整剤(例えば塩化ナトリウムまたはデキストロース)等を含有してもよい。さらに別の実施態様において、pHは酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムにより調整することができる。非経口製剤は例えばガラスまたはプラスチック製のアンプル、シリンジ、多重投与バイアルに入れることができる。
【0050】
注射に適した医薬組成物は、無菌水溶液または分散液、および用時調製の無菌注射溶液、分散液等のための無菌粉末を含む。静脈内投与のための適切な担体は例えば生理的食塩水、静菌性の水、Cremophor ELTM(BASF, Parsippany, N.J.)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等を含有する。別の実施態様において、担体は溶媒または水を含有する分散媒体、アルコール(例えばエタノール)、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物等であってよい。ある実施態様において、これらの医薬組成物は、容易な注射可能性(syringability)の存在する範囲の液体である。適当な流動性は例えばレシチン等の被覆剤の使用により、または界面活性剤の使用等により維持される。より具体的な実施態様において、注射用の医薬組成物は微生物、例えば細菌、真菌等の汚染作用から保護されている。微生物の作用の予防は種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等により達成することができる。ある実施態様において、等張剤(例えば糖)、ポリアルコール(例えばマンニトール、ソルビトール等)、塩化ナトリウムをニトロオキシド含有組成物に用いることができる。注入可能な組成物の持続的吸収は、例えばアルミニウムモノステアレート、ゼラチン等の吸収を遅らせる作用剤を含有させることにより達成することができる。
【0051】
本発明の方法に用いる注射用液剤は、当技術分野で知られている利用可能な方法により調製することができる。注射用液剤の詳細な調製方法は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版、1990年、に示されており、これは参照文献の形態により全体として本明細書に援用される。いくつかの実施態様において、注射用液剤は所望の量のニトロオキシドを適切な溶媒単独、または本明細書に列挙した、または当技術分野に知られている1種または複数の追加の添加剤と組み合わせることにより調製することができる。さらに別の実施態様において、液剤はニトロオキシドを溶解した後、無菌ろ過することができる。
【0052】
別の実施態様において、ニトロオキシド含有分散液は利用可能な方法に従って調製することができる。注射用分散剤の詳細な調製方法は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版、1990年に示されており、これは参照文献の形態により全体として本明細書に援用される。ある実施態様において、注射可能な分散剤は、例えば基本的な分散媒体を含む無菌ビヒクル中に単独で、または本明細書に示された、もしくは当技術分野に知られている1種または複数の追加の添加剤と共にニトロオキシドを組み込むことにより調製することができる。
【0053】
ニトロオキシドのための適切な溶媒
Tempol等のニトロオキシドは、水溶液中に容易に溶解する。いくつかの実施態様において、ニトロオキシドは溶媒に溶解することができ、ゲル、濃厚液体、液体等を含む形態に調製することができる。当業者は、限定されないがグリセリン、PEG、ポリソルベート等を含む、水混和性液体を適切なレベルで溶媒として使用できることを容易に理解する。
【0054】
以下はニトロオキシドに用いることのできる溶媒の限定されないリストである:水、尿素、アルコール、およびグリコール。ニトロオキシドを溶解することのできる任意のアルコールは、製剤中においておよび本明細書に記載された方法において用いることができ、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を含む。同様に、ニトロオキシドを溶解することのできるグリコールは、製剤中においておよび本明細書に記載された方法において用いることができ、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等を含む。好ましい実施態様の1つにおいて、溶媒はニトロオキシドを溶解するだけでなく、経皮的な送達をも促進する。したがって、経皮送達促進剤(特定の促進剤は角質成分を崩壊し可溶化する)が特に好ましい。別の実施態様において、ニトロオキシドの皮膚中への浸透を促進する種々のアルコールを本発明の方法に用いることができる。追加の実施態様は、患者の系統的な処置を可能にする利用可能な経皮促進剤を含む。
【0055】
本発明のある実施態様において、活性成分、ニトロオキシドの濃度は、その溶解度限度またはその付近の濃度レベルとすることができる。例えば、ニトロオキシドは溶液中飽和の約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%とすることができる。実施態様はまた、ニトロオキシドが溶媒中に十分に溶解し、処置領域への適用においてニトロオキシドを所望の速度で放出するように促進する製剤も含む。上記のすべての溶媒は、ゲル、濃厚液体、および液体等を含む本明細書に記載した溶液に用いることができる。
【0056】
虚血および脳卒中の影響を予防または改善するための他の方法
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法は、脳卒中を含む虚血の影響を予防または改善するための1種または複数の追加のタイプの処置と併用したニトロオキシドの使用を含む。追加のタイプの処置は、脳卒中を含む虚血の発症の前、最中、または後のいずれにおいても適用することができる。ニトロオキシドと併用して用いる追加の処置は限定されないが、例えば酸素、静脈内輸液、栄養、抗凝固剤、例えばへパリン、凝血塊を崩壊する薬物、例えばストレプトキナーゼまたは組織プラスミノゲン活性化因子、腫脹防止剤、例えばマンニトールまたはコルチコステロイド、抗血小板薬、例えばアスピリン、クロピドグレル重硫酸塩、およびジピリダモールを有するアスピリン、抗高血圧薬、例えばラベタロールおよびエナラプリル等の投与を含む。追加の処置はまた医学的手技、例えば閉塞の外科手術による除去(例えば動脈内膜切除)および血管形成等を含むことができる。
【0057】
以下の実施例は説明の目的としてのみ示すものであり、本発明の教示を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例1】
【0058】
本実施例は、出血したヒトの患者の動脈瘤を処置する間の脳の虚血を予防する上でのTempolの効果を判断するための臨床試験を記載する。動脈瘤のくも膜下出血に罹患した患者に、磁気共鳴映像法(MRI-DWI)を行い、梗塞の数を数え、梗塞の大きさを測定する。ヒトの患者に1〜300mg/kgのTempolまたはプラセボを経口投与する。くも膜下出血に対する処置(例えば、手術または血管内の処置)を患者に行う。手術後、患者に1〜300mg/kgのTempolまたはプラセボを経口投与する。処置1〜3日後、梗塞の数を数えかつ大きさを測定するため追跡用MRI-DWIを実施する。梗塞の数および大きさは、MRI-DWIを用いて同様に処置6週間後にも測定する。結果は、動脈瘤のくも膜下出血に対する処置の前および後にTempolを投与した患者がプラセボのみを投与された患者に比べ、梗塞の数が少なく大きさが小さいことを示す。
【0059】
均等物
以上の記載および実施例は、本発明の教示のある好ましい実施態様を詳述し、および発明者により意図された最良の形態を記載する。しかしながら、いかに本文中に詳細に記載されていようとも、脳卒中を含む虚血の影響を予防または改善するためにニトロオキシドを用いる方法は、多くの手段により実施することができ、かつ本発明の教示は添付されたクレームおよびその均等物に従って解釈されるべきである。上記の明細書は当業者が本明細書に記載された実施態様を実施することができる程度に十分に記載されていると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
虚血を起こしやすいヒトの患者を同定すること、および
虚血発症前に、ヒトの患者の虚血の有害な影響を予防するために十分な量のニトロオキシドを投与すること
を含む処置方法。
【請求項2】
前記ニトロオキシドが4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒトの患者の虚血に対する感受性が、重大な虚血の危険性を伴う医学的手技に起因する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記医学的手技が出血の処置である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記医学的手技が動脈瘤の処置である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記医学的手技が外科手術である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記医学的手技が血管内手技である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ニトロオキシドの投与の態様が、経口投与および静脈内投与からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
重大な虚血の危険性を有する医学的手技を受ける予定のある患者を同定すること、
医学的手技の前に患者に予防量のニトロオキシドを投与すること、
医学的手技を施すこと、および
虚血の有害な影響を改善するために患者に予防量または治療量のニトロオキシドを投与すること
を含む処置方法。
【請求項10】
ニトロオキシドが4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記医学的手技が出血の処置である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記医学的手技が動脈瘤の処置である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記医学的手技が外科手術である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記医学的手技が血管内手技である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ニトロオキシドの投与の態様が、経口投与および静脈内投与からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
虚血発症前に哺乳動物の患者に投与することにより虚血の有害な影響を予防するための医薬の調製におけるニトロオキシドの使用。
【請求項17】
ニトロオキシドが4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
患者の虚血に対する感受性が、重大な虚血の危険性を伴う医学的手技に起因する、請求項16に記載の使用。
【請求項19】
前記医学的手技が出血の処置である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記医学的手技が動脈瘤の処置である、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
前記医学的手技が外科手術である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記医学的手技が血管内手技である、請求項20に記載の使用。
【請求項23】
投与の態様が、経口投与および静脈内投与からなる群から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項24】
虚血発症前に患者に投与することにより虚血の有害な影響を予防するための医薬であって、ニトロオキシドを含有する医薬。
【請求項25】
前記ニトロオキシドが4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項24に記載の医薬。
【請求項26】
前記患者が、重大な虚血の危険性を伴う医学的手技に起因する虚血に対する感受性を有する、請求項24に記載の医薬。
【請求項27】
前記医学的手技が出血の処置である、請求項26に記載の医薬。
【請求項28】
前記医学的手技が動脈瘤の処置である、請求項26に記載の医薬。
【請求項29】
前記医学的手技が外科手術である、請求項28に記載の医薬。
【請求項30】
前記医学的手技が血管内手技である、請求項28に記載の医薬。
【請求項31】
投与の態様が、経口投与および静脈内投与からなる群から選択される、請求項24に記載の医薬。

【公表番号】特表2006−524701(P2006−524701A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513273(P2006−513273)
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/012640
【国際公開番号】WO2004/096219
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505396198)ミトス・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】