酸素供給装置付きコンピュータ
【課題】音の静かな酸素供給装置のついたコンピュータを実現する。
【解決手段】酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段4を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体3内に収納した酸素供給装置付きコンピュータで、高濃度の酸素の発生に音が静かで、かつコンピュータ入力による疲労を、高濃度の酸素放出によって低減する。
【解決手段】酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段4を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体3内に収納した酸素供給装置付きコンピュータで、高濃度の酸素の発生に音が静かで、かつコンピュータ入力による疲労を、高濃度の酸素放出によって低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酸素を供給する酸素供給装置を備えたコンピュータの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の酸素供給装置(例えば特許文献1参照)は図11に示すように酸素富化膜101と呼ばれる厚さ0.1マイクロメートル程度のシリコン製膜の両側に1/4気圧程度の気圧差を与える構成としている。その原理は、大気中の酸素102ならびに窒素分子103は酸素富化膜101に溶解し、酸素富化膜101膜内を拡散、減圧側から再び析出する。ここで酸素分子の酸素富化膜101に溶解するスピードは窒素分子の2.5倍もあるために減圧側には酸素濃度が高まった空気が得られるというものであった。しかしながら、上記のシリコン製膜の両側に気圧差を与えるのはコンプッサーやポンプ(図示せず)であり、その動作時に発生する騒音は、静音化を図っているもののコンピュータ作業時には耳障りなものであった。
【特許文献1】特開昭62−125823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のシリコン製膜の両側に気圧差を与えるのはコンプッサーやポンプであり、その動作時に発生する騒音は、コンピュータ自体の静音化も求められている昨今にあっては耳障りなものであった。
【0004】
上記従来の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、酸素供給装置ついておっても音の静かなコンピュータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の酸素供給装置付きコンピュータは、酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体内に収納したものであり、静音化を図ることができ、かつコンピュータ作業時に酸素発生器を併用することにより、疲れの速やかな改善を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の酸素供給装置付きコンピュータは、音の静かな酸素供給装置をコンピュータに設置し、高濃度酸素を供給してコンピュータ作業時の疲れを癒し、さらにコンピュータ作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体内に収納したものであり、静音化を図ったものである。
第2の発明は、特に第1の発明の酸素発生手段を、コンピュータの筐体から取り出し可能としたものであり、酸素発生手段の単独での使用が可能となる。
【0008】
第3の発明は、特に第1の発明または第2の発明の酸素発生手段を、コンピュータの音声入力手段であるマイク部に酸素放出穴を有するようにしたものであり、音声入力手段に
酸素放出穴を設けることによってより高濃度の酸素を使用者に供給することが可能になる。
【0009】
第4の発明は、特に第1の発明または第2の発明の酸素発生手段を、コンピュータの表示手段としてのディスプレイ部に酸素放出穴を有するようにしたものであり、ディスプレイを長時間見て疲れた眼の疲労回復に効果がある。
【0010】
第5の発明は、特に第1〜第4のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、コンピュータの入力手段であるキイボードのキイ入力操作で酸素の放出開始を操作するようにしたものであり、使い勝手を良くすることが可能である。
【0011】
第6の発明は、特に第1〜第5のいずれか1つの発明の酸素発生手段において、酸素放出開始をコンピュータのキイボードに酸素関連のキイワードを入力することによって行なうようにしたものであり、他人の操作を禁止することも可能である。
【0012】
第7の発明は、特に第1〜第6のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、コンピュータに一定時間入力操作が行なわれないと酸素放出を停止するようにしたものであり、電力の無駄を防ぐことができる。
【0013】
第8の発明は、特に第1〜第7のいずれか1つの発明の酸素発生手段において、タイマー手段を有し、一定の間隔で間欠的に酸素を放出するものであり、電力の無駄を防ぐことができる。
【0014】
第9の発明は、特に第1〜第8のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、スクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバーの動作時に酸素を放出するようにしたものであり、作業能率が下がった時に酸素を放出し、作業効率を上げることができる。
【0015】
第10の発明は、特に第1〜第9のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、スクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバーが一定時間以上動作すると酸素の放出を停止するようにしたものであり、スクリーンセイバーの動きから人がいないことを検出して酸素の放出を停止するものであり、電力の無駄を防ぐことができる。
【0016】
第11の発明は、特に第1〜第10のいずれか1つの発明の酸素発生手段において、コンピュータのディスプレイ前の人体検出手段を有し、人体を検出しなくなった時には酸素の放出を停止するようにしたものであり、ディスプレイの前に人がいる、いないを判定して酸素の放出を停止することから、電力の無駄を防ぐことができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における酸素供給装置付きコンピュータを示す構成図である。また図2は同コンピュータに備えた酸素発生手段の断面図である。図1において、演算手段(図示せず)や記憶手段(図示せず)が収納されているコンピュータの筐体3内部に酸素発生手段4が収納されており、そこで発生した酸素はパイプ5で酸素放出穴6へ導かれ、入力手段であるキイボード7や表示手段であるディスプレイ8を使う作業者9へ酸素を供給するしくみになっている。
【0019】
ここで、酸素発生手段4を説明すると、図2に示すように固体電解質膜10の表裏に、蒸着又は印刷によって設置された電極としての白金電極11、12間に直流電源13から直流電圧が印加され、また固体電解質膜10が酸素イオン導電性を有するよう温度を400℃程度に保つためのヒータ14が設置されている。固体電解質膜10により、酸素発生手段4内は、正の電圧が印加されたカソード側隔室15と反対側のアノード側隔室16に隔てられている。カソード側隔室15では、入口17から通常、大気が送り込まれる。固体電解質膜10と電極11の境界面では、酸素分子が電子をもらって酸素イオンとなって固体電解質膜10の中に入っていく。すなわち、1/2O2+2e−→O2−の反応が起きる。
【0020】
一方、アノード側隔室16の固体電解質膜10と電極12の境界面では、固体電解質膜10を通ってきた酸素イオンが電子を放出し再び酸素分子となって、大気中にでてくる。すなわち、O2−→1/2O2+2e−の反応が起きる。
【0021】
ここで、窒素分子は固体電解質膜10内部を通過できないので、アノード側隔室16は酸素分子が多い高濃度酸素状態になる。カソード側隔室15とアノード側隔室16の間の密閉度を向上させると原理的には、アノード側隔室16は酸素濃度100%の状態を実現できる。高濃度酸素は、出口18からパイプ5へ導かれ、酸素放出穴6から作業者9に供給される。
【0022】
このような酸素発生手段4は、固体電解質膜10の両端に電圧を印加するだけで酸素発生の目的を達することができ、酸素富化膜のように減圧用のポンプやコンプレッサなどの騒音の発生源を必要としない。従って、コンピュータ作業を静かな環境で行なうことができ、コンピュータの静音化が進んでいる昨今のパーソナルコンピュータにも対応した、騒音のない、しかも高濃度の酸素を作業者9が吸引して入力作業で疲れた体をいやしリフレッシュできる環境を整えるという目的を達することができる。
【0023】
図3は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の例の構成図である。酸素発生手段4は、筐体3の前面から出し入れ自在に設置してある。従って、コンピュータ作業以外の場所にでも持ち運んで使用することができ、利用範囲を広げることができる。
【0024】
図4は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素放出穴6の他の例の構成図である。コンピュータは、その音声の入力手段であるマイク部19に酸素放出穴6を取り付け、使用者に装着できるようにしたものである。このようにマイク部19に酸素放出穴6を取り付けることによって作業者9の口や鼻に近い部分に効率的に酸素を供給することができる。また、酸素の供給が静音環境で行なわれるので、ノイズなどで音声入力に支障をきたすこともない。
【0025】
図5は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素放出穴6の他の例の構成図である。酸素発生手段4はディスプレイ8の前面に、酸素放出穴6が設置され、ディスプレイ8に眼を近づける作業者9に酸素を供給することから作業者9の眼精疲労を低減する効果がある。
【0026】
図6は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータで、酸素発生手段4の動作の制御入力をするキイボード7の他の例の構成図で、図示されていないコンピュータおよび酸素発生手段4の基本的な部分は図1に示す構成と同じなので、これを利用して説明する。コンピュータはキイボード7の「Air」キイ20を操作することにより、酸素発生手段4の動作を開始、停止を指示することができる。このようにキイボード7上に酸素発生手段4の操作キイを設定することにより、コンピュータ周辺機器として酸素発
生手段4を操作することができ、操作性も良くなる。
【0027】
図7も本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータであって、酸素発生手段4の動作の制御入力をするキイボード7の他の例の構成図で、図示されていないコンピュータおよび酸素発生手段4の基本的な部分は図1に示す構成と同じなので、これを利用して説明する。
【0028】
図7において、図6との違いは、コンピュータにおいて、酸素発生手段4の動作の制御時に酸素「Air」キイ20の他に、特定のキイの連続をキイワードとして入力して(例えば、「S」「A」「N」「S」「O」、あるいは「O」「2」など)からでないと動作しないようにした所にある。このようにキイワードを設けることによって、特定の個人にしか使えない設定とすることができ、利用者の制限が可能である。また酸素の濃度や流量の設定も同様にキイボード7上からの操作で実行することが可能である。
【0029】
また、キイボード7からの操作は、常時タイマーで監視されているので、一定時間キイ入力がなされないと停止することができ、席を離れている場合等の電力の無駄遣いを防止することができる。
【0030】
図8は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段4の他の例の構成図で、図示されていないコンピュータの基本的な部分は図1に示す構成と同じなので、これを利用して説明する。コンピュータは、タイマー手段21で間欠駆動の時間をカウントし、スイッチ22を操作することで間欠的に直流電源13を入り切りしたり、酸素発生手段4の出口18の蓋23の開閉を制御することによって酸素の放出を制御するものである。従って、酸素発生手段4の出口18より高濃度の酸素を常時供給するのでなく、蓋23を間欠的に開閉して間欠的に供給することで、作業者9に刺激を与え、吸引の効果をさらに高める効能もある。
【0031】
図9は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の例の構成図であって、ディスプレイ8の一実施例である。コンピュータは、ディスプレイ8上にスクリーンセイバー表示24がされた時、酸素放出穴6から高濃度の酸素が放出されるように構成している。スクリーンセイバー表示24は入力が一定期間以上中断されていることを意味するので、その時点で酸素が放出されることは使用者の疲れを癒すに大いに効果がある。
【0032】
また、コンピュータはスクリーンセイバー表示24が一定時間以上、継続動作すると使用者9がいなくなっている可能性が大きいので、酸素発生手段4を制御して酸素の放出が停止されるようにする。
【0033】
図10は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータを示す他の例の構成図であって、ディスプレイ8の一実施例である。コンピュータのディスプレイ8には、人体検出手段としてのCCDカメラ25が設置され、使用者9がディスプレイ8の前にいるかどうかを監視しており、いないと判断した時には酸素発生手段4を制御して酸素放出穴6からの酸素放出を停止する構成にしてある。従って、これにより無駄な電力の減らすことが可能である。
【0034】
以上のような酸素供給手段をコンピュータに設置することによって、コンピュータ作業での疲れを高濃度の酸素で低減することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明にかかる酸素供給装置付きコンピュータは、コンピュータに限ら
ずほかの機械装置に併設して、作業時の疲労回復などを行なう装置にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの構成図
【図2】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の断面図
【図3】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の構成図
【図4】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の酸素放出穴の他の構成図
【図5】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の酸素放出穴の他の構成図
【図6】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータのキイボードの他の構成図
【図7】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段のキイボードの構成図
【図8】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の他の構成図
【図9】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の構成図
【図10】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の構成図
【図11】従来の酸素供給装置の原理図
【符号の説明】
【0037】
3 筐体
4 酸素発生手段
6 酸素放出穴
7 キイボード(入力手段)
8 ディスプレイ(表示手段)
10 固体電解質膜
11、12 白金電極(電極)
13 直流電源(電圧印加手段)
19 マイク部(入力手段)
21 タイマー手段
25 CCDカメラ(人体検出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は酸素を供給する酸素供給装置を備えたコンピュータの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の酸素供給装置(例えば特許文献1参照)は図11に示すように酸素富化膜101と呼ばれる厚さ0.1マイクロメートル程度のシリコン製膜の両側に1/4気圧程度の気圧差を与える構成としている。その原理は、大気中の酸素102ならびに窒素分子103は酸素富化膜101に溶解し、酸素富化膜101膜内を拡散、減圧側から再び析出する。ここで酸素分子の酸素富化膜101に溶解するスピードは窒素分子の2.5倍もあるために減圧側には酸素濃度が高まった空気が得られるというものであった。しかしながら、上記のシリコン製膜の両側に気圧差を与えるのはコンプッサーやポンプ(図示せず)であり、その動作時に発生する騒音は、静音化を図っているもののコンピュータ作業時には耳障りなものであった。
【特許文献1】特開昭62−125823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のシリコン製膜の両側に気圧差を与えるのはコンプッサーやポンプであり、その動作時に発生する騒音は、コンピュータ自体の静音化も求められている昨今にあっては耳障りなものであった。
【0004】
上記従来の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、酸素供給装置ついておっても音の静かなコンピュータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の酸素供給装置付きコンピュータは、酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体内に収納したものであり、静音化を図ることができ、かつコンピュータ作業時に酸素発生器を併用することにより、疲れの速やかな改善を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の酸素供給装置付きコンピュータは、音の静かな酸素供給装置をコンピュータに設置し、高濃度酸素を供給してコンピュータ作業時の疲れを癒し、さらにコンピュータ作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体内に収納したものであり、静音化を図ったものである。
第2の発明は、特に第1の発明の酸素発生手段を、コンピュータの筐体から取り出し可能としたものであり、酸素発生手段の単独での使用が可能となる。
【0008】
第3の発明は、特に第1の発明または第2の発明の酸素発生手段を、コンピュータの音声入力手段であるマイク部に酸素放出穴を有するようにしたものであり、音声入力手段に
酸素放出穴を設けることによってより高濃度の酸素を使用者に供給することが可能になる。
【0009】
第4の発明は、特に第1の発明または第2の発明の酸素発生手段を、コンピュータの表示手段としてのディスプレイ部に酸素放出穴を有するようにしたものであり、ディスプレイを長時間見て疲れた眼の疲労回復に効果がある。
【0010】
第5の発明は、特に第1〜第4のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、コンピュータの入力手段であるキイボードのキイ入力操作で酸素の放出開始を操作するようにしたものであり、使い勝手を良くすることが可能である。
【0011】
第6の発明は、特に第1〜第5のいずれか1つの発明の酸素発生手段において、酸素放出開始をコンピュータのキイボードに酸素関連のキイワードを入力することによって行なうようにしたものであり、他人の操作を禁止することも可能である。
【0012】
第7の発明は、特に第1〜第6のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、コンピュータに一定時間入力操作が行なわれないと酸素放出を停止するようにしたものであり、電力の無駄を防ぐことができる。
【0013】
第8の発明は、特に第1〜第7のいずれか1つの発明の酸素発生手段において、タイマー手段を有し、一定の間隔で間欠的に酸素を放出するものであり、電力の無駄を防ぐことができる。
【0014】
第9の発明は、特に第1〜第8のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、スクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバーの動作時に酸素を放出するようにしたものであり、作業能率が下がった時に酸素を放出し、作業効率を上げることができる。
【0015】
第10の発明は、特に第1〜第9のいずれか1つの発明の酸素発生手段を、スクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバーが一定時間以上動作すると酸素の放出を停止するようにしたものであり、スクリーンセイバーの動きから人がいないことを検出して酸素の放出を停止するものであり、電力の無駄を防ぐことができる。
【0016】
第11の発明は、特に第1〜第10のいずれか1つの発明の酸素発生手段において、コンピュータのディスプレイ前の人体検出手段を有し、人体を検出しなくなった時には酸素の放出を停止するようにしたものであり、ディスプレイの前に人がいる、いないを判定して酸素の放出を停止することから、電力の無駄を防ぐことができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における酸素供給装置付きコンピュータを示す構成図である。また図2は同コンピュータに備えた酸素発生手段の断面図である。図1において、演算手段(図示せず)や記憶手段(図示せず)が収納されているコンピュータの筐体3内部に酸素発生手段4が収納されており、そこで発生した酸素はパイプ5で酸素放出穴6へ導かれ、入力手段であるキイボード7や表示手段であるディスプレイ8を使う作業者9へ酸素を供給するしくみになっている。
【0019】
ここで、酸素発生手段4を説明すると、図2に示すように固体電解質膜10の表裏に、蒸着又は印刷によって設置された電極としての白金電極11、12間に直流電源13から直流電圧が印加され、また固体電解質膜10が酸素イオン導電性を有するよう温度を400℃程度に保つためのヒータ14が設置されている。固体電解質膜10により、酸素発生手段4内は、正の電圧が印加されたカソード側隔室15と反対側のアノード側隔室16に隔てられている。カソード側隔室15では、入口17から通常、大気が送り込まれる。固体電解質膜10と電極11の境界面では、酸素分子が電子をもらって酸素イオンとなって固体電解質膜10の中に入っていく。すなわち、1/2O2+2e−→O2−の反応が起きる。
【0020】
一方、アノード側隔室16の固体電解質膜10と電極12の境界面では、固体電解質膜10を通ってきた酸素イオンが電子を放出し再び酸素分子となって、大気中にでてくる。すなわち、O2−→1/2O2+2e−の反応が起きる。
【0021】
ここで、窒素分子は固体電解質膜10内部を通過できないので、アノード側隔室16は酸素分子が多い高濃度酸素状態になる。カソード側隔室15とアノード側隔室16の間の密閉度を向上させると原理的には、アノード側隔室16は酸素濃度100%の状態を実現できる。高濃度酸素は、出口18からパイプ5へ導かれ、酸素放出穴6から作業者9に供給される。
【0022】
このような酸素発生手段4は、固体電解質膜10の両端に電圧を印加するだけで酸素発生の目的を達することができ、酸素富化膜のように減圧用のポンプやコンプレッサなどの騒音の発生源を必要としない。従って、コンピュータ作業を静かな環境で行なうことができ、コンピュータの静音化が進んでいる昨今のパーソナルコンピュータにも対応した、騒音のない、しかも高濃度の酸素を作業者9が吸引して入力作業で疲れた体をいやしリフレッシュできる環境を整えるという目的を達することができる。
【0023】
図3は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の例の構成図である。酸素発生手段4は、筐体3の前面から出し入れ自在に設置してある。従って、コンピュータ作業以外の場所にでも持ち運んで使用することができ、利用範囲を広げることができる。
【0024】
図4は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素放出穴6の他の例の構成図である。コンピュータは、その音声の入力手段であるマイク部19に酸素放出穴6を取り付け、使用者に装着できるようにしたものである。このようにマイク部19に酸素放出穴6を取り付けることによって作業者9の口や鼻に近い部分に効率的に酸素を供給することができる。また、酸素の供給が静音環境で行なわれるので、ノイズなどで音声入力に支障をきたすこともない。
【0025】
図5は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素放出穴6の他の例の構成図である。酸素発生手段4はディスプレイ8の前面に、酸素放出穴6が設置され、ディスプレイ8に眼を近づける作業者9に酸素を供給することから作業者9の眼精疲労を低減する効果がある。
【0026】
図6は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータで、酸素発生手段4の動作の制御入力をするキイボード7の他の例の構成図で、図示されていないコンピュータおよび酸素発生手段4の基本的な部分は図1に示す構成と同じなので、これを利用して説明する。コンピュータはキイボード7の「Air」キイ20を操作することにより、酸素発生手段4の動作を開始、停止を指示することができる。このようにキイボード7上に酸素発生手段4の操作キイを設定することにより、コンピュータ周辺機器として酸素発
生手段4を操作することができ、操作性も良くなる。
【0027】
図7も本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータであって、酸素発生手段4の動作の制御入力をするキイボード7の他の例の構成図で、図示されていないコンピュータおよび酸素発生手段4の基本的な部分は図1に示す構成と同じなので、これを利用して説明する。
【0028】
図7において、図6との違いは、コンピュータにおいて、酸素発生手段4の動作の制御時に酸素「Air」キイ20の他に、特定のキイの連続をキイワードとして入力して(例えば、「S」「A」「N」「S」「O」、あるいは「O」「2」など)からでないと動作しないようにした所にある。このようにキイワードを設けることによって、特定の個人にしか使えない設定とすることができ、利用者の制限が可能である。また酸素の濃度や流量の設定も同様にキイボード7上からの操作で実行することが可能である。
【0029】
また、キイボード7からの操作は、常時タイマーで監視されているので、一定時間キイ入力がなされないと停止することができ、席を離れている場合等の電力の無駄遣いを防止することができる。
【0030】
図8は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段4の他の例の構成図で、図示されていないコンピュータの基本的な部分は図1に示す構成と同じなので、これを利用して説明する。コンピュータは、タイマー手段21で間欠駆動の時間をカウントし、スイッチ22を操作することで間欠的に直流電源13を入り切りしたり、酸素発生手段4の出口18の蓋23の開閉を制御することによって酸素の放出を制御するものである。従って、酸素発生手段4の出口18より高濃度の酸素を常時供給するのでなく、蓋23を間欠的に開閉して間欠的に供給することで、作業者9に刺激を与え、吸引の効果をさらに高める効能もある。
【0031】
図9は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の例の構成図であって、ディスプレイ8の一実施例である。コンピュータは、ディスプレイ8上にスクリーンセイバー表示24がされた時、酸素放出穴6から高濃度の酸素が放出されるように構成している。スクリーンセイバー表示24は入力が一定期間以上中断されていることを意味するので、その時点で酸素が放出されることは使用者の疲れを癒すに大いに効果がある。
【0032】
また、コンピュータはスクリーンセイバー表示24が一定時間以上、継続動作すると使用者9がいなくなっている可能性が大きいので、酸素発生手段4を制御して酸素の放出が停止されるようにする。
【0033】
図10は本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータを示す他の例の構成図であって、ディスプレイ8の一実施例である。コンピュータのディスプレイ8には、人体検出手段としてのCCDカメラ25が設置され、使用者9がディスプレイ8の前にいるかどうかを監視しており、いないと判断した時には酸素発生手段4を制御して酸素放出穴6からの酸素放出を停止する構成にしてある。従って、これにより無駄な電力の減らすことが可能である。
【0034】
以上のような酸素供給手段をコンピュータに設置することによって、コンピュータ作業での疲れを高濃度の酸素で低減することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明にかかる酸素供給装置付きコンピュータは、コンピュータに限ら
ずほかの機械装置に併設して、作業時の疲労回復などを行なう装置にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの構成図
【図2】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の断面図
【図3】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の構成図
【図4】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の酸素放出穴の他の構成図
【図5】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の酸素放出穴の他の構成図
【図6】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータのキイボードの他の構成図
【図7】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段のキイボードの構成図
【図8】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの酸素発生手段の他の構成図
【図9】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の構成図
【図10】同実施の形態1における酸素供給装置付きコンピュータの他の構成図
【図11】従来の酸素供給装置の原理図
【符号の説明】
【0037】
3 筐体
4 酸素発生手段
6 酸素放出穴
7 キイボード(入力手段)
8 ディスプレイ(表示手段)
10 固体電解質膜
11、12 白金電極(電極)
13 直流電源(電圧印加手段)
19 マイク部(入力手段)
21 タイマー手段
25 CCDカメラ(人体検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体内に収納した酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項2】
酸素発生手段は、コンピュータの筐体から取り出し可能とした請求項1に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項3】
酸素発生手段は、コンピュータの音声入力手段であるマイク部に酸素放出穴を有する請求項1または2に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項4】
酸素発生手段は、コンピュータの表示手段としてのディスプレー部に酸素放出穴を有する請求項1または2に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項5】
酸素発生手段は、コンピュータの入力手段であるキイボードのキイ入力操作で酸素の放出開始を操作する請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項6】
酸素発生手段は、その酸素放出開始をコンピュータのキイボードに酸素関連のキイワードを入力することによって行なう請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項7】
酸素発生手段は、コンピュータに一定時間入力操作が行なわれないと酸素放出を停止する請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項8】
酸素発生手段は、タイマー手段を有し、一定の間隔で間欠的に酸素を放出する請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項9】
酸素発生手段は、コンピュータのスクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバー動作時に酸素を放出する請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項10】
酸素発生手段は、コンピュータのスクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバーが一定時間以上動作すると酸素の放出を停止する請求項8または9に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項11】
酸素発生手段は、コンピュータのディスプレイの前の人体検出手段を有し、人体を検出しなくなった時には酸素の放出を停止する請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項1】
酸素イオン導電性を有する温度に加熱され、かつ電極間に電圧が印加される固体電解質膜により高濃度酸素を含む空気を生成する酸素発生手段を有し、この酸素発生手段をコンピュータの筐体内に収納した酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項2】
酸素発生手段は、コンピュータの筐体から取り出し可能とした請求項1に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項3】
酸素発生手段は、コンピュータの音声入力手段であるマイク部に酸素放出穴を有する請求項1または2に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項4】
酸素発生手段は、コンピュータの表示手段としてのディスプレー部に酸素放出穴を有する請求項1または2に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項5】
酸素発生手段は、コンピュータの入力手段であるキイボードのキイ入力操作で酸素の放出開始を操作する請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項6】
酸素発生手段は、その酸素放出開始をコンピュータのキイボードに酸素関連のキイワードを入力することによって行なう請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項7】
酸素発生手段は、コンピュータに一定時間入力操作が行なわれないと酸素放出を停止する請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項8】
酸素発生手段は、タイマー手段を有し、一定の間隔で間欠的に酸素を放出する請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項9】
酸素発生手段は、コンピュータのスクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバー動作時に酸素を放出する請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項10】
酸素発生手段は、コンピュータのスクリーンセイバーと連動し、前記スクリーンセイバーが一定時間以上動作すると酸素の放出を停止する請求項8または9に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【請求項11】
酸素発生手段は、コンピュータのディスプレイの前の人体検出手段を有し、人体を検出しなくなった時には酸素の放出を停止する請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸素供給装置付きコンピュータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−34454(P2007−34454A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213667(P2005−213667)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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