酸素発生器及び同酸素発生器用カートリッジ
【課題】 取扱が簡単で、環境破壊の問題が起きず、低コスト酸素吸入が可能な酸素発生器を提供する。上記酸素発生器用カートリッジを提供する。
【解決手段】 シールで密閉され、過酸化水素水を封入したカートリッジを交換可能に収容できる本体と、この本体のカートリッジ収容空間の開口面を密閉するように着脱自在に結合され、装着される際にカートリッジ収容空間に収容されているカートリッジの前記シールを破断するとともに前記過酸化水素水に浸入し、かつ、その過酸化水素水と接触して酸素を発生する金属触媒を保持する破断部を備え、前記カートリッジ上部に集合する酸素を噴出させるノズルを有する蓋部とからなる。カートリッジは、過酸化水素水が封入され、上面開口が蓋部の破断部により破断可能なシールで密閉されている。
【解決手段】 シールで密閉され、過酸化水素水を封入したカートリッジを交換可能に収容できる本体と、この本体のカートリッジ収容空間の開口面を密閉するように着脱自在に結合され、装着される際にカートリッジ収容空間に収容されているカートリッジの前記シールを破断するとともに前記過酸化水素水に浸入し、かつ、その過酸化水素水と接触して酸素を発生する金属触媒を保持する破断部を備え、前記カートリッジ上部に集合する酸素を噴出させるノズルを有する蓋部とからなる。カートリッジは、過酸化水素水が封入され、上面開口が蓋部の破断部により破断可能なシールで密閉されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康増進、運動後の疲労回復、病気回復等のために酸素を吸入するために使用する酸素発生器、特に密閉された反応室内で過酸化水素水に触媒を作用させて酸素をノズルから噴出させるもの、及び同酸素発生器用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素水(過酸化水素付加物を含む。本明細書において、同じ。)に金属触媒(本明細書では、単に触媒という。)を作用させて酸素を発生させる酸素発生方法は、過酸化水素水が消防法の危険物に該当せず、毒物劇物取締法の規制対象物にも該当せず、酸素発生器と触媒があれば、簡単に酸素を発生させて吸入できるという大きな利点があることから、密閉された反応室内で過酸化水素水に触媒を作用させて酸素をノズルから噴出させる酸素発生器は、各種のものが提案されている。
【0003】
このような酸素発生器は、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開平8−253302公報
【特許文献2】特開2000−325789公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記いずれの酸素発生器も、過酸化水素水を酸素発生器本体の中に直接充填し、その酸素発生器本体の中に触媒を非拘束状態で注入して、両者を接触させ、酸素発生器本体に上蓋を閉めることにより、酸素排出口から酸素を排出させる構造のものである。
従って、過酸化水素水に触媒を接触させた後、蓋を密閉するまでには多少の時間がかかるので、その間に発生した酸素が放散してしまい、有効利用率が低くなる問題がある。また、急いで密閉する余り、酸素発生器を転倒させて、過酸化水素水と触媒を周辺に流出させる恐れがある。さらに、1回の酸素発生反応が終了する度に、反応により生じた水と残存した触媒を酸素発生器本体から排出し、処分するため、煩雑で手間がかかるという問題があった。
【0005】
この点に鑑み、酸素発生器を本体と、その本体に着脱自在のカートリッジとに分割し、カートリッジには過酸化水素水とコロイド状の触媒とを分離して備えるとともに、本体の底部には破断部材を設けて、カートリッジを本体の底部に結合する際に破断部材により触媒を収容している袋等を破断して、その触媒を過酸化水素水に注入させるように構成した酸素発生器が特許文献3,4,5に開示された。
【特許文献3】特開2003−34507公報
【特許文献4】特開2004−35363公報
【特許文献5】特開2004−51403公報
【0006】
しかしながら、これらの先行技術も、1回の酸素発生反応が行われる度に触媒が過酸化水素水に注入混合され、反応終了後は触媒が水中に被拘束状態で存在するので、使用後カートリッジを廃棄処分する際は、触媒が環境に影響を与える問題がある。そして、触媒は高価であり、反復使用が可能であるので、これを回収してリサイクルすることが望ましいが、カートリッジの水と混在しているので、酸素発生器使用者が触媒の回収を行うことは事実上不可能であり、廃棄される触媒による環境破壊の問題は解決されていない。さらに、触媒のリサイクル使用が実現されていないので、酸素吸入コスト低減の阻害要因となっていた。
そのため、廃棄処分による環境破壊の問題がなく、誰でも低コストで気軽に安全に使用できる酸素発生器の出現が待望されていた。
【0007】
本発明は、上記の待望に応えるためになされたものである。すなわち、本発明の第1の課題は、過酸化水素水と触媒の取扱が面倒でなく、また、触媒の環境への影響の問題が起きず、低コスト酸素吸入が可能な酸素発生器を提供することにある。第2の課題は、触媒が満遍なく、高効率的に使用されて、酸素発生量が増大される酸素発生器を提供することにある。第3の課題は、使用中に誤って倒されても過酸化水素水が酸素とともに噴き出さないようにすることにある。第4の課題は、ノズルから噴出される酸素に未反応過酸化水素水が混入しないようにすることにある。第5の課題は、第1及び第2の課題の解決に好適な上記酸素発生器用カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の課題を解決するため、本発明に係る酸素発生器は、上面がシールで密閉され、過酸化水素水を封入したカートリッジを交換可能に収容できる、上面に開口するカートリッジ収容空間を有する本体と、この本体に前記カートリッジ収容空間の開口面を密閉するように着脱自在に結合される蓋部と、その蓋部の底面に突設され、その蓋部が前記本体に結合される際に前記カートリッジ収容空間に収容されている前記カートリッジの前記シールを破断開口するシール破断部と、そのシール破断部のエッジの上側に設けられ、前記エッジによる前記シールの破断開口に引き続き、前記過酸化水素水に浸入し接触して酸素ガスを発生させる触媒を保持する触媒保持部とを備え、前記蓋部には前記過酸化水素水と前記触媒の反応により発生する酸素ガスを噴出させるノズルが設けられていることを特徴としている(請求項1)。
上記の構成により、本体に過酸化水素水が封入されているカートリッジを収容した状態で、蓋部を持ってシール破断部でカートリッジのシールを破断すると同時に触媒保持部を過酸化水素水の中に浸入させ、その蓋部を本体に装着して本体の開口面を密閉すると、過酸化水素水が触媒に接触して反応により酸素ガスが発生し、ノズルから噴出する。酸素発生が終了したときは、カートリッジ内には溶媒である水以外に酸素発生時に副生した水が残存する。蓋部を本体から分離した後、カートリッジを取出してその水を廃棄することができる。触媒は、触媒保持部に保持されている。
【0009】
触媒保持部は網製とし、その中に顆粒状又は塊状の触媒を収容することが望ましい(請求項2)。
触媒保持部を網製とし、その中に顆粒状又は塊状の触媒を保持することにより、触媒と過酸化水素水との接触効率が高まる。
【0010】
触媒保持部は、シール破断部の上側に備えられたケース保持部に触媒を離散的に保持する複数個の網製ケースを着脱自在に保持してなるものであることが望ましい(請求項3)。
複数個の網製ケースを用いることにより、触媒と過酸化水素水との接触反応が促進される。また、触媒が効能を失った場合は、網製ケースを交換することができる。
【0011】
網製ケースは、それぞれ多数のスリットを有する二つの殻体の開口を突き合わせ、スナップ式に結合してなり、中に粒状の触媒を前記各スリットに整列されて保持するものであることが望ましい(請求項4)。
スリットに粒状の触媒を整列させるので、すべての触媒が満遍なく均等に過酸化水素水に接触し反応する。
【0012】
請求項3又は4に記載の酸素発生器は、シール破断部が蓋部に分離可能に結合される上部部材と、下端部にシールを破断し易いように形成されたエッジを有する下部部材とに分割して構成され、前記上部部材と下部部材の一方にはねじ軸が、他方にはそのねじ軸をねじ込んで結合可能なねじ孔が形成してあり、ケース保持部は前記シール破断部の下部部材に放射状に張り出して上向きに開口する溝を有する下部保持部と、中心の孔から前記破断部の下部部材の各溝に対応して放射状に延びて下向きに開口する溝を有する上部保持部とからなり、前記上部保持部はその中心の孔に前記ねじ軸を貫通しかつ前記ねじ孔にねじ込んで前記上部部材と前記下部部材とを結合すると同時に固定され、かつ、前記上部保持部と前記下部保持部の対向する溝の中に触媒保持用網製ケースが固定される構成とすることができる(請求項5)。
上記構成により、シール破断部の下部部材と上部部材を分離しなくとも、両部材を相対的に回転すると、ケース保持部の上部保持部と下部保持部が離間するので、その間に保持されている触媒保持用網製ケースを交換し、再び固定することができる。
【0013】
第3の課題を解決するため、本発明に係る酸素発生器は、シール破断部が直管の下端部に先端を有する円錐面に沿って放射状に設けられた鋸歯状のエッジを有し、触媒保持部は前記エッジよりも上側において前記直管の外側面に設けられ、前記触媒保持部よりも上側において前記直管にその軸心から本体の内壁面に近づく方向に延び、酸素発生器が横転した場合の過酸化水素水の水面よりも上側に位置する吸入口を有する酸素吸入管が設けられ、かつ、前記直管には、その軸心に関して前記酸素吸入管と反対側に重りが備えられ、前記直管の上端部は、蓋部の底面に固定された連結部に前記直管の軸心回りに回転可能に連結されている(請求項6)。
上記の構成により、酸素発生器が横転すると、破断部と触媒保持部が重りのモーメントにより重りが垂直下方に位置するように直管の軸心回りに回転して、酸素吸入管の吸入口が常に過酸化水素水の喫水線よりも上側に位置する。
【0014】
酸素吸入管と重りは、直管の上部に設けられていることが望ましい(請求項7)。
【0015】
酸素発生器の破断部と触媒保持部には、一端が酸素吸入管の吸入口に連通し、その吸入口から前記酸素吸入管の中を通り、直管の中の下部で折り返されて前記直管の上端部を経て、蓋部の底面からその蓋部の内側まで延長されている酸素誘導チューブが設けられていることが望ましい(請求項8)
上記構成により、カートリッジ内に発生した酸素は、酸素吸入管の吸入口から酸素誘導チューブに入り、その酸素吸入管の中を通り直管の下部付近でUターンして前記直管の上端部において蓋部の連結部の中に誘導されるので、酸素ガスはこれに過酸化水素水を混入されずに蓋部に送られる。
【0016】
重りは、下面及び上面が側面に傾斜状又は円弧状に連続する重り保持部に保持され、前記重り保持部の下面及び上面には、鋸歯状のエッジが形成されていることことが望ましい(請求項9)。
重り保持部の下面及び上面を側面に傾斜状又は円弧状に連続させ、その下面及び上面に鋸歯状のエッジを形成した場合は、シール破断部がカートリッジのシールを破断して進入した後、重りがシールに到達した場合に、そのシールが容易に破断される。
【0017】
請求項6の発明において、触媒保持部、シール破断部のエッジ、直管、酸素吸入管及び連結部が一体にユニットとして構成され、前記連結部が、蓋部の底面に設けられた連結部着脱自在に連結されることが望ましい(請求項10)。
上記構成により、触媒保持部、シール破断部、直管、酸素吸入管及び連結部が単一の部品として、蓋部の底壁に着脱自在に連結されている。
【0018】
以上の酸素発生器は、蓋部の中に二次触媒保持部を設け、本体から蓋部の中に供給された酸素に含まれる未反応過酸化水素水を前記二次触媒保持部に保持された触媒に接触させることが望ましい(請求項11)。
ノズルに二次触媒保持部を設けた場合は、本体から蓋部の中に供給された酸素がノズルから放出される前に、その酸素に含まれる未反応過酸化水素水は再び触媒に接触させられる。
【0019】
また、二次触媒保持部を設けた場合は、二次触媒保持部から排出される水を受け入れる貯水室をノズルに一体に設け、その貯水室付きノズルを蓋部に対して着脱可能に結合することが望ましい(請求項12)。
上記の構成により、未反応過酸化水素水が二次触媒と反応した時に発生する水は、貯水室に貯水される。
【0020】
請求項1又は請求項12の酸素発生器4は、蓋部の底壁とノズル又は二次触媒保持部との間に外部から透視可能な酸素ガス洗浄部を設け、その酸素ガス洗浄部に透明な洗浄液を満たしてあることが望ましい(請求項13)。
上記構成により、カートリッジ内に発生した酸素ガスは、蓋部の酸素ガス洗浄部に進入したとき浄化され、かつ、その洗浄される状態が見える。
【0021】
上記酸素発生器の本体に交換可能に収容して固定される本発明に係る酸素発生器用カートリッジは、上面開口の有底筒体を有し、その中に過酸化水素水が封入され、前記上面開口が前記酸素発生器のシール破断部により破断され得るシールで密閉されていることを特徴としている(請求項14)。
上記構成により、本体に容易に着脱できる。蓋部を持ってシール破断部のエッジをシールに押し込んで破断し、そのまま蓋部でカートリッジの上面を密閉することができる。
【0022】
カートリッジのシールは、過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性があるフィルムで作られていることが望ましい(請求項15)。
このフィルムでシールされている場合は、未使用のカートリッジ保存中に内部に発生する微量の酸素がシールから逃げる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、使用するときは、酸素発生器の本体に新しいカートリッジを収容し、蓋部の破断部でカートリッジのシールを破断し、そのまま蓋部を本体に嵌合固定するとノズルから酸素が噴出するので、使用開始時の面倒な作業が不要であり、敏速な酸素吸入が必要になった場合にも対応することができる。また、酸素発生終了後は、蓋部を取り外すと触媒も一緒に取り出されるので、本体の中に入っているカートリッジを容易に取り出して中の水を容易に廃棄することができ、新カートリッジを装填して再び酸素発生をさせることができる。しかも、触媒は触媒保持部に保持されているので、何の手間も掛けずにリサイクル使用が可能である。従って、簡単かつ低コストの酸素吸入が可能である。
【0024】
請求項2の発明によれば、触媒保持部を網製とすることにより、触媒と過酸化水素水との接触効率が高まるので、安定した確実な酸素発生に寄与することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、複数個の網製ケースを用いることにより、触媒と過酸化水素水との反応が促進され、酸素発生速度を速くすることができ、また、触媒が効能を失った場合は、ケースを交換することにより、敏速に酸素吸入を続けることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、網製ケースは、それぞれ多数のスリットを有する二つの殻体の開口を突き合わせ、スナップ式に結合してなり、スリットに粒状の触媒を整列させるので、すべての触媒が満遍なく均等に過酸化水素水と反応するから非常に高い効率で酸素が発生され、計算通りの酸素発生量又は発生時間を得ることができる。また、ケースはスナップ式に開閉することができるので、効能を失った触媒を廃棄し、新品の触媒を装填することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、シール破断部が蓋部に分離可能に結合される上部部材と、下端部にエッジを有する下部部材とに分割して構成されている。前記上部部材と下部部材の一方にはねじ軸が、他方にはそのねじ軸をねじ込んで結合可能なねじ孔が形成してある。ケース保持部は前記シール破断部の下部部材に放射状に張り出して上向き開口の溝を有する下部保持部と、中心の孔から前記シール破断部の下部部材の各溝に対応して放射状に延びて下向き開口の溝を有する上部保持部とからなる。上部保持部はその中心の孔に前記ねじ軸を貫通しかつ前記ねじ孔にねじ込んで前記上部部材と前記下部部材とを結合すると同時に固定され、かつ、上部保持部と下部保持部の対向する溝の中に触媒保持用網製ケースが固定される。従って、下部部材と上部部材を分離しなくとも、両部材を相対的に回転してケース保持部の上部保持部と下部保持部を離間するだけで、その間に保持されている触媒保持用網製ケースを容易に交換し、固定することができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、酸素発生器が横転するとシール破断部の触媒保持部とシール破断用エッジを有する直管が重りのモーメントにより重りが垂直下方に位置するように直管の軸心回りに回転するため、酸素吸入管の吸入口は常に過酸化水素水の水面よりも上側に位置する。従って、横転されても、ノズルから過酸化水素水が吹き出すことがない。
【0029】
請求項7の発明によれば、酸素吸入管と重りが直管の上部に設けられているので、これらの一体成形が容易であり、生産コストの低減を図ることができるとともに、酸素発生器が正姿勢時も横転時も過酸化水素水と酸素ガスの分離が遂行される。
【0030】
請求項8の発明によれば、酸素誘導チューブが酸素吸入管の先端からその酸素吸入管の中を通り直管の下部においてUターンして前記直管の上端部を経て、蓋部の底面からその蓋部の内側まで延長されているので、カートリッジ内に発生した酸素を、これに過酸化水素水を混入させずに蓋部に送ることができる。また、酸素誘導チューブの長さに余裕があるので、横転に伴って直管が回転して、酸素誘導チューブが捩れられても、捩じれとは逆方向にチューブの復元力が働き、その捩じれが戻されるので、閉塞される懸念がない。
【0031】
請求項9の発明によれば、重りの下面及び上面は側面と円弧状又は傾斜状に連続し、鋸歯状のエッジを有するので、破断部がカートリッジのシールを破断開口した後、重りがシールの中の所要の位置まで円滑に進入することができる。また、蓋部を本体から分離する時も、重りの肩部がシールに係止されることなく、円滑に脱出することができる。
【0032】
請求項10の発明によれば、触媒保持部、シール破断部、直管、酸素吸入管及び連結部がユニットに一体的に設けられているので、シール破断部及び触媒保持部の蓋部に対する取付けが容易であり、触媒の補充や交換、あるいは摩耗したシール破断部の交換を容易に行うことができる。
【0033】
請求項11の発明によれば、蓋部の中に供給された酸素ガスは、二次触媒保持部において再び触媒に接触させられるので、その酸素ガスに未反応過酸化水素水が含まれていても、二次触媒保持部を通過するときに、完全に酸素に変化されてノズルから噴出される。従って、ノズルから有害な未反応過酸化水素水が噴出されることが防止される。
【0034】
請求項12の発明によれば、二次触媒保持部において未反応過酸化水素水が二次触媒と反応した時に発生する水は、ノズルから放出されずに貯水室に溜められる。従って、酸素発生器の使用中に室内湿度が不要に高くなったり、室内に水滴が落下することもない。そして、酸素発生中は発生する水を貯水室に貯めておき、酸素を発生していないときにノズルを蓋部から外して廃棄することができる。
【0035】
請求項13の発明によれば、本体から蓋部に供給された酸素は、外部から透視可能な酸素ガス洗浄部の洗浄液の中を通過するの見えるので、酸素がノズルに供給されているか否かを容易に確認することができる。そして、酸素が洗浄されている様子が視認できるから、使用者に安心感と信頼感を与える。
【0036】
請求項14の発明によれば、酸素発生器用カートリッジは、上面開口の有底筒体を有し、その中に過酸化水素水が封入され、上面開口が酸素発生器のシール破断部により破断され得るシールで密閉されているので、原料である過酸化水素水の安全な取り扱いに便利であり、本体に容易に着脱でき、蓋部を持ってシール破断部のエッジをシールに押し込んで破断開口し、そのまま蓋部を密閉することができるから、最小限の手間で酸素を発生させることができる。
【0037】
そして、請求項15の発明によれば、カートリッジのシールは、過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性があるフィルムで作られているので、未使用のカートリッジの保存中に内部に発生する微量酸素による破裂等の事故を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
続いて、本発明の最良の実施態様について、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0039】
図1は、本発明の第1実施例に係る酸素発生器の斜視図、図2は同じく縦断面図、図3は同じく分解斜視図である。
【0040】
本発明に係る酸素発生器Aは、本体100と、この本体100の上部に分離可能に結合された蓋部200と、その蓋部の底面から下方に突設されたシール破断部300と、そのシール破断部に設けられた触媒保持部400とを有している。
【0041】
本体100は有底筒状に形成されて、上方に開口するカートリッジ収容空間101を有し、上部の外周面に蓋部200の下部周辺を一例として嵌合回転又は逆回転により分離可能に結合される結合手段102を有している。好ましくは、本体100の上端部周縁に、カートリッジ収容空間101の開口面に沿って数mm程度の幅を有するカートリッジ載置部103が形成されている。
【0042】
そして、カートリッジ収容空間101には上面の開口から次のようなカートリッジ500を交換可能に収容することができる。すなわち、カートリッジ500はカートリッジ収容空間101とほぼ等しい形状を有する有底筒状に形成され、中に過酸化水素水H2 O2 が封入されており、そのカートリッジの開口面はシール501で密閉されている(図3参照)。カートリッジ500の上端部には開口面と同一面に外向きフランジ502が形成され、そのフランジ502の上面にシール501の周辺を接合してある。
【0043】
過酸化水素水は触媒と接触しない状態でも微量の酸素を発生するので、完全に密閉されていると、カートリッジの内圧が高くなり、シール501が破裂する恐れがある。このような不都合を回避するため、シール501には過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性を有するものが使用されている。このようなシールには、PETの不織布を微多孔性ポリオレフィン径フィルムで積層した複合フィルム、例えば三菱樹脂株式会社製「エクセポール」を用いることができる。このフィルムは孔径が水蒸気(最大約1オングストローム)よりも大きく、水滴(約100μm)よりも小さい。耐水圧は160kPaで、これ以下では水分は透過しない。従って、絶えず過酸化水素水が分解して酸素ガスが発生しても、このフィルムを透過し呼吸するので、カートリッジ内は常に外圧と同程度に保たれるため、フィルムが膨れたり、破れたりすることがない。従って、搬送中のカートリッジの安全性が保証される。
【0044】
上記構成のカートリッジ500は、これを本体100のカートリッジ収容空間101にピッタリと収容することができ、フランジ502がカートリッジ載置部103に載置されて固定されるようになっている。
【0045】
蓋部200は、上部外周壁210の下部周辺に本体100の上部に一例として嵌合回転又は逆回転により結合手段102に分離可能に結合される結合手段211を備えた下部周壁212を有している。蓋部200の底壁213の下面中央には、下方開口の室214が形成され、その室の下部周辺に雌連結部215が形成されている。室214には、後述されるようにカートリッジ内で発生した酸素ガスが供給されるが、その室214の上部には酸素ガスに混合することがある水その他の異物を除去するフィルタ216が設けられ、そのフィルタを通過した酸素は、導気路217及び連結管218を介してノズル230に導かれるようになっている。ノズル230に到達した酸素は、加圧されているので、ノズルからこの酸素発生器使用者の鼻孔に到達し得る程度の勢いを持って噴出することができる。
【0046】
蓋部200の雌型連結部215には、シール破断部(以下、単に破断部という。)300と触媒保持部400を一体的に備えた着脱ユニットU1が好ましくは分離可能に結合されている。着脱ユニットU1は軸301を有し、その上端部に蓋部200の雌型連結部215にねじ合わせにより着脱自在に結合可能なカップ状の雄型連結部303が形成されている。その雄型連結部303の底部には上下方向に貫通する複数個の孔303が設けられている。この孔303の大きさと数により、カートリッジ500内に発生して上部空間に集合した酸素の圧力が適度に高められて、その雄型連結部303の中に排出されるようになっている。そして、カートリッジ500内に発生し、雄型連結部303の中に排出された酸素ガスは、雌型連結部215に流入するようになっている。着脱ユニットU1 と蓋部200との結合のための構造は、雄型連結部と雌型連結部の位置関係が逆になっても良い。
【0047】
破断部300は、軸301の下端にカートリッジ500のシール501に向けて押し下げた場合にそのシール501を容易に破断できるエッジ(刃先)302を有している。
また、軸301には、エッジ302よりも上側に触媒保持部400が設けられている。触媒保持部400は、片面に開口され、他面にスリットが貫通された網製の片割れ状のケースで構成され、軸301の両側面に着脱自在に嵌着されている。そして、触媒保持部400の中に顆粒状又は塊状の触媒(不図示)が収容されている。網製ケースであるため、触媒保持部400がカートリッジ500の過酸化水素水に浸入された場合は、過酸化水素水がその触媒保持部400を流通して、中の触媒と接触し、カートリッジ500を反応室として酸素を発生するようになっている。
【0048】
触媒には、過酸化水素水と反応して酸素を発生させる既知の金属触媒、例えば、特開2000−325789号公報その他の公報に記載されたものを用いることができる。
【0049】
カートリッジ500内に発生した酸素を雌型連結部215の室214に流入させるためには、破断部300の雄連結部303の側壁と蓋部200の雌型連結部215に複数個の孔を形成し、それらの孔を合致させるようにしてもよい。この場合は、破断部の回転角度により酸素排出速度、あるいは酸素をノズル230から使用者の鼻孔に到達するように噴出させるための圧力の調整が可能である。
【0050】
過酸化水素水が触媒と反応する時は、発熱する。使用者が酸素吸入中に酸素発生器本体の本体100を把持することがあっても火傷することがないようにするため、本体100とこれに収容されたカートリッジ500の間に断熱空間を設けるか、本体100を断熱材で作るかすることが望ましい。
【0051】
上記のように構成された実施例1に係る酸素発生器Aを用いて酸素を発生させるには、図3に示すように、酸素発生器本体の蓋部200を本体100から分離し、本体100の開放されたカートリッジ収容空間101に未使用のカートリッジ500を収容し、そのフランジ502を本体100のカートリッジ載置部103に載置して固定した後、蓋部200を持って破断部300のエッジ302をカートリッジ500の上面のシール501の中央に目掛けて押し下げてそのシールを破断するとともに、蓋部200をそのまま下降して蓋部200の下部周壁212を本体100の上部周辺部に嵌合し、かつ回転して、蓋部200との本体100の結合手段211,212により固定する。この間、シール501を破断した破断部300及び触媒保持部400はカートリッジ500に収容されている過酸化水素水に浸入するため、過酸化水素水が触媒保持部400に保持されている触媒に接触して反応することにより酸素が発生し、カートリッジ500の上部空間に集合し、破断部300の上部の孔301から蓋部200の雌連結部215内に通過し、フィルタ216で浄化された後、ノズル230から加圧された酸素が噴出する。
【0052】
一具体例を説明すると、カートリッジ500には6%の過酸化水素水170cc、破断部300に保持された触媒がアルミ担体に担持させた白金又はアルミ担体に担持させたパラジウムである場合は、酸素が0.5〜0.6リットル/分の割合で5分間継続して発生した。総発生量の理論値は3.4リットルである。
使用する過酸化水素水の量、触媒の量、接触率により、酸素発生量及び継続時間を種々変更することができる。また、担体により触媒の反応速度を調整することにより、単位時間当たりの酸素発生量及び持続時間を任意調整することが可能である。
【0053】
ノズル230はその先端がやや上向きに開口しているので、噴出した酸素は使用者の鼻孔に向けて進むため、使用者はその酸素を容易にかつ確実に吸入することができる。
【0054】
酸素発生が終了した後は、蓋部200を本体100から分離しなければ、中のカートリッジ内には反応により生じた水が存在するが、カートリッジの開口は密閉されているので、この酸素発生器を仮に誤って転倒させても水漏れなどの不具合はない。また、蓋部200を本体100から分離し、中のカートリッジ500を取り出せば、カートリッジ内に生成した水を容易に廃棄することができる。さらに、新カートリッジと交換すると、次の酸素吸入を行うことができる。そして、触媒は常に蓋部に保持されているので、カートリッジの交換に関わりなく、触媒の交換又は回収等の面倒な作業は不要である。また、触媒は長期間リサイクル使用が可能であるから、酸素吸入コストの低減が可能である。
【実施例2】
【0055】
図4以下の図面に示された第2実施例は、着脱ユニットU2、とくに触媒保持部400の構造を改良した酸素発生器Bである。図4は図2に対応する縦断面図、図5は着脱ユニットのみを取り出して示す斜視図、図6は同じく分解斜視図、図7は触媒保持部のケースの分解斜視図である。
【0056】
実施例1による触媒保持部400は、触媒の保持可能な量に限界があるため、単位時間当たりの酸素発生量を多くすることができない。また、触媒と過酸化水素水との接触効率が不安定であるので、酸素発生量及び発生時間が必ずしも計算通りにならない懸念がある。
【0057】
実施例2による着脱ユニットU2は、軸301が図6に示されているように、上部部材301aと、下部部材301bとに分割して構成されている。上部部材301aは上端部に実施例1の場合と同様にカップ状の雌連結部303を有するほか、下端部の中央に下方に開口するねじ孔304が形成されている。305は補強リブであり、306はフランジである。
【0058】
下部部材301bは、下端部にカートリッジ500のシールを破断するための横断面+字形のエッジ302が形成され、その中心軸の上端部に上部部材のねじ孔304にねじ込み可能なねじ軸307が設けられている。各エッジ302の上面と中心軸の側面には、それぞれL字形に連続する溝308a,308bで形成された下部保持部308が、中心軸を中心とする放射状に設けられている。
上部部材301aの下端部と、下部部材301bの上端部の間には、次のようにして、平面+字形の上部保持部309が設けられている。すなわち、上部保持部309は、下部保持部308の横溝308aに対向して開口する溝(図示せず)を有し、中心に下部部材のねじ軸307を挿通することができる孔310を有している。こうして、上部保持部のねじ孔310にねじ軸307を挿通し、上部部材301aのねじ孔304にねじ込むことにより、上部部材301aと下部部材301bが一体的に結合されるとともに、上部保持部と下部保持部によりコ字形に連続する溝からなるケース保持部が構成されている。そして、上部部材301aと下部部材301bとを相対的に一方向に回転することにより、ケース保持部の対向する溝の間隔を広げ、反対方向に回転することにより、その溝の間隔を狭めることができる。
【0059】
図4〜図7までの410は、触媒保持部400E1を構成する触媒保持用ケースである。このケースは、図7に拡大して示すように、片面に開口し、底面に複数列の貫通されたスリット411を有する殻体410aと、同様のスリット412を有するもう一つの殻体410bからなり、開口を突き合わせ、一方(410a)に設けれた係止溝413に他方に設けられた係止突起414を嵌合することにより、スナップ式に閉め、又は開けることができるものである。そして、各列のスリット411,412には、大きさが揃えられた粒状の触媒(図示省略)を整列させることができ、その整列させた状態で二つの殻体410a、410bを結合すると、すべての触媒が相互間に等しい隙間を持って固定されるようになっている。
【0060】
このようにして触媒を保持したケース410Eは、上述したように、下部部材301bをその軸線周りに所定方向に回転して上下のケース保持部308,309の間を開け、各ケースの一辺をケース保持部308の縦溝308bに嵌合した後、その縦溝308bに沿って押し下げて、ケース保持部308の横溝308aにも嵌合させて安定化し、続いて、ケース保持部309をねじ軸307に沿って下降させて、その横溝に各ケース410Eの上辺を嵌合させる。その状態で上部部材301aを所定方向に逆回転して、ねじ軸226をねじ孔223に確実にねじ込むと、上部部材301aと下部部材301bとがしっかり接続され、かつ、ケース保持部309がフランジ306とケース保持部308の上端部の間に締め付けられて、各ケース410が固定される。
【0061】
この実施例の触媒保持ケース410E1は、触媒のそれぞれを各スリットに整列させて保持するので、カートリッジの過酸化水素水に浸漬されたときにすべての触媒が均一な状態で過酸化水素水と接触するため、満遍なく反応することができ、従って、この実施例の酸素発生器Bは、理論通りの酸素発生量及び酸素発生時間を発揮することができる。また、従って、所定耐久期間経過後に廃棄処分する際に、未反応触媒による毒物又は危険物廃棄によって環境破壊の問題を起こすことを未然に防止することができる。
【0062】
さらに、触媒保持ケースは複数個備えられるので、その数の選択により、一度の反応による酸素発生量を使用目的に応じて容易にかつ任意に多くすることができる。そして、触媒保持ケースはスナップ式に開閉可能であるから、専門家でなくとも、家庭などで簡単に触媒の交換ができる。
【実施例3】
【0063】
図8以下の図面は、本発明の第3実施例を示す。図8は酸素発生器の縦断面図、図9は着脱ユニットの側面図、図10は図9のX−X線断面図、図11は図9のY−Y線断面図、図12は破断部の底面図である。実施例1,2の酸素発生器A,Bは、その使用中に倒された場合は、カートリッジ500内の過酸化水素水がノズル230から噴出する虞がある。第3実施例は、使用中に倒されても過酸化水素水の噴出が防止されるようにさらに改善したものである。
この酸素発生器Cでは、蓋部200に連結される着脱ユニットU3 が、蓋部200の雌型連結部215に連結される雄型連結部303と、その連結部から下方に延びる直管311と、直管の下部に設けられた触媒保持部400E2 と、破断部のエッジ302と、酸素吸入管312と、重り313とを一体的に有して、着脱ユニットU3 が構成されている。215を雄型連結部、303を雌型連結部としても良いことは、先の実施例と同様である。
【0064】
雄型連結部303には、その底面中央から下方に突き出し、雄型連結部303の内部を下方に連通させる連結管314が設けてある。その連結管314に直管311の上端部が入れ子式に嵌合され、連結管314又は直管311の上部の軸方向の複数箇所に設けられたボールベアリングなどの軸受315により直管311がその軸心を中心として回転自在に連結されている。
【0065】
直管311は、真っ直ぐな1本の管で構成されている。その下部の外側に触媒保持部400E2 が備えてある。その下端部にシール破断用のエッジ302が設けてある。触媒保持部400E2 は、直管の外周面にその軸方向に隔てた位置にフランジ415を形成し、直管の外周方向に分割された複数個のカバー416を互いに隣接して装着し、スナップ式に嵌合して一つの筒体の外観を呈するように連結してある。その連結を完了する前に、直管311とフランジ415とカバー416の間に形成される室417に、顆粒状の触媒mcが収容されている。
【0066】
着脱ユニットU3 の先端に設けられたエッジ302は、図12に示すように、直管311の軸心に頂点を有する円錐面に沿って放射状、例えば十字形状に形成されている。エッジ302は、直管311の先端部分のみでなく、触媒保持部400E2 の下端面にも形成されていると、カートリッジ500のシール501を破断する時に触媒保持部400E2 までシール501を容易に貫通できるので、好ましい。また、各エッジ302は、図9に示すように、カートリッジ500のシール501に対する切れ味を良くするため、鋸歯状に形成されていることが望ましい。
【0067】
酸素吸入管312は、その基端が直管311の触媒保持部400E2 よりも上側部分に接続され、着脱ユニットが本体100に収容された状態で、本体100の内壁面に向けて斜め上方に延び、その先端に吸入口を有している。この吸入口の直管311の軸心からの高さは、この酸素発生器Cが使用中に横転された場合に、吸入口がカートリッジ500内の過酸化水素水H2 O2 の水面よりも上側に出るように、すなわち、喫水線が吸入口よりも下側にあるように、設計されている。
【0068】
重り313は、直管311の軸線に関して酸素吸入管312と反対側に形成された重り保持部316に収容されている。重り保持部316の、触媒保持部400E2 の外周面の垂直上方延長線よりも直管311から遠ざかる側に突出する部分の下面及び上面には、傾斜面又は湾曲面316a,316bが設けられている。これにより、破断部300のエッジ302がカートリッジ500のシール501を破断したのに続いて触媒保持部400AEがそのシールを貫通してカートリッジ内に進入後、重り保持部316がシールに突き当たってそれ以上の進入を阻止されることなく、重り保持部まで円滑にシールの下方に進入することができ、また、酸素が発生し切って、蓋部200を本体100から分離する際に、重り保持部316の上面316bがシール501に係止されることなく、円滑に脱出できるようになっている。重り保持部316の下面316と上面316bにも鋸歯状エッジを設けても良い。
【0069】
図8に戻って、酸素吸入管312の吸入口にはフィルタ317が取り付けられ、そのフィルタを通過した酸素は、酸素吸入管312の中を通され、直管311の中をその下端部付近まで延ばされた後、その下端部付近で折り返されて、再び直管311の中を上方に延ばされ、連結管314を通って雄側連結部303の中まで延長された酸素誘導チューブ318により、雌側連結部215の室214内に誘導されるようになっている。酸素吸入管312の先端から雄型連結部303までの通路の気密性が高い場合は、このようなチューブの使用は不要であるが、回転部分を有するこの実施例の場合に、高度な気密性を有するように製造することはコストアップを招く。チューブ318を用いることにより、製造コストのアップを回避できる。また、チューブを折り返して長さに余裕を持たせた場合は、直管311が連結管314を中心に回転した場合にも、チューブが閉塞されて酸素ガスの流出が阻止されることを有効に防止することができる。
【0070】
上記の構成により、この酸素発生器Cの使用中は、酸素吸入管312の吸入口が過酸化水素水H2 O2 の水面よりも上側で上向きになっているので、触媒との反応により発生する酸素ガスは、その吸入口からチューブ318を経て雌型連結部215内に誘導され、フィルタ216を通過してノズル230から放出される。そして、使用中に、使用者が誤って倒したり、幼児や愛玩動物などが倒したりした場合は、横倒しになり、場合によっては回転した後、静止するときまでのノズルの向きの如何に関わりなく、重り250が重力により常に下側となるように、敏速に直管の軸心周りに回転し、重り313が真下になったときその回転が止まる。そして、重りが真下に存在すると、酸素吸入管312の吸入口が真上に向き、過酸化水素水の上面よりも上側に存在する。従って、酸素発生器Cが倒されても、過酸化水素水が連結部303,215を経てノズル230から吹き出すことは有効に防止される。
【0071】
図8の600は、ノズル230の前に設けられた二次触媒保持部である。この二次触媒保持部600は、筒状に形成され、導気路217側に入口601を有し、ノズル230側に出口602を有しており、中に触媒保持部400E2 で用いられるものと同じ触媒mcが収容されている。出口602は、着脱自在の蓋603に形成されている。従って、その蓋603を外して、中の触媒mcの交換が可能である。この二次触媒保持部600をノズル230の上流側に置くことにより、導気路217から排出される酸素ガスに微量の未反応過酸化水素水が混入している場合は、その過酸化水素水が二次触媒保持部600の中を通る間に触媒mcと反応して酸素になるため、ノズル230からは酸素ガスのみが噴出され、過酸化水素水の混合した酸素が噴出されることが有効に防止される。
【0072】
そして、二次触媒保持部600において未反応過酸化水素水が触媒と反応して酸素を発生するときは、同時に少量の水も生じる。この水もノズル230から排出させないため、二次触媒保持部600とノズル230の間にその水を受け止める貯水室700が設けられている。この貯水室700をノズル230と一体に形成し、貯水室700の端部をパッキン701を介して蓋部200の本体210の端部に着脱自在に嵌合することにより、一定の使用期間の経過時に、その貯水室付きノズル230を取り外して、貯水室700の中に貯まった水を廃棄することができるようにしてある。
【0073】
なお、二次触媒保持部700の出口602をノズル230の軸線から偏倚させてあるのは、二次触媒保持部700の出口から流出する微量の水を、ノズル230に向かう酸素ガスからできるだけ分離するためである。
【0074】
図8における導気路217と二次触媒保持部600の入口601との間は、図2に示されているように、連結管218により連結されても良い。しかし、連結管218を備えずに、蓋部200の底壁213と本体210との間に形成される室内に水などの洗浄液を充填して、導気路217から排出される酸素ガスに含まれる不純物を除去する洗浄室219を設けるとともに、蓋部200の本体210の一部を透明にして、その洗浄室の中を透視できるようにすると、酸素ガスが浄化され、衛生的であることを使用者に訴求することができる。また、使用者は酸素が発生しているか否かを、ノズルの近くまで顔や手を寄せて風圧の有無を判断しなくとも、窓の中に移動している気泡が見るか否かで、視覚的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施例に係る酸素発生器の斜視図。
【図2】同じく縦断面図。
【図3】同じく分解斜視図。
【図4】本発明の第2実施例に係る酸素発生器の図2に対応する縦断面図。
【図5】着脱ユニットのみを取り出して示す斜視図。
【図6】同じく分解斜視図。
【図7】触媒保持部のケースの分解拡大斜視図。
【図8】本発明の第3実施例に係る酸素発生器の図2に対応する縦断面図。
【図9】着脱ユニットのみを取り出して示す側面図。
【図10】図9のX−X線断面図。
【図11】図9のY−Y線断面図。
【図12】図9の破断部の底面図。
【符号の説明】
【0076】
A 酸素発生器
100 本体
101 カートリッジ収容空間
200 蓋部
230 ノズル
300 破断部
302 エッジ
400 触媒保持部
500 カートリッジ
501 シール
B 酸素発生器
301a 上部部材
301b 下部部材
302 エッジ
308 ケース保持部
309 ケース保持部
400E1 金属触媒保持用ケース
C 酸素発生器
302 エッジ
303 雄型連結部
215 雌型連結部
311 直管
312 酸素吸入管
313 重り
314 連結管
410E2 触媒保持部
318 酸素誘導チューブ
600 二次触媒保持部
700 貯水室
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康増進、運動後の疲労回復、病気回復等のために酸素を吸入するために使用する酸素発生器、特に密閉された反応室内で過酸化水素水に触媒を作用させて酸素をノズルから噴出させるもの、及び同酸素発生器用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素水(過酸化水素付加物を含む。本明細書において、同じ。)に金属触媒(本明細書では、単に触媒という。)を作用させて酸素を発生させる酸素発生方法は、過酸化水素水が消防法の危険物に該当せず、毒物劇物取締法の規制対象物にも該当せず、酸素発生器と触媒があれば、簡単に酸素を発生させて吸入できるという大きな利点があることから、密閉された反応室内で過酸化水素水に触媒を作用させて酸素をノズルから噴出させる酸素発生器は、各種のものが提案されている。
【0003】
このような酸素発生器は、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開平8−253302公報
【特許文献2】特開2000−325789公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記いずれの酸素発生器も、過酸化水素水を酸素発生器本体の中に直接充填し、その酸素発生器本体の中に触媒を非拘束状態で注入して、両者を接触させ、酸素発生器本体に上蓋を閉めることにより、酸素排出口から酸素を排出させる構造のものである。
従って、過酸化水素水に触媒を接触させた後、蓋を密閉するまでには多少の時間がかかるので、その間に発生した酸素が放散してしまい、有効利用率が低くなる問題がある。また、急いで密閉する余り、酸素発生器を転倒させて、過酸化水素水と触媒を周辺に流出させる恐れがある。さらに、1回の酸素発生反応が終了する度に、反応により生じた水と残存した触媒を酸素発生器本体から排出し、処分するため、煩雑で手間がかかるという問題があった。
【0005】
この点に鑑み、酸素発生器を本体と、その本体に着脱自在のカートリッジとに分割し、カートリッジには過酸化水素水とコロイド状の触媒とを分離して備えるとともに、本体の底部には破断部材を設けて、カートリッジを本体の底部に結合する際に破断部材により触媒を収容している袋等を破断して、その触媒を過酸化水素水に注入させるように構成した酸素発生器が特許文献3,4,5に開示された。
【特許文献3】特開2003−34507公報
【特許文献4】特開2004−35363公報
【特許文献5】特開2004−51403公報
【0006】
しかしながら、これらの先行技術も、1回の酸素発生反応が行われる度に触媒が過酸化水素水に注入混合され、反応終了後は触媒が水中に被拘束状態で存在するので、使用後カートリッジを廃棄処分する際は、触媒が環境に影響を与える問題がある。そして、触媒は高価であり、反復使用が可能であるので、これを回収してリサイクルすることが望ましいが、カートリッジの水と混在しているので、酸素発生器使用者が触媒の回収を行うことは事実上不可能であり、廃棄される触媒による環境破壊の問題は解決されていない。さらに、触媒のリサイクル使用が実現されていないので、酸素吸入コスト低減の阻害要因となっていた。
そのため、廃棄処分による環境破壊の問題がなく、誰でも低コストで気軽に安全に使用できる酸素発生器の出現が待望されていた。
【0007】
本発明は、上記の待望に応えるためになされたものである。すなわち、本発明の第1の課題は、過酸化水素水と触媒の取扱が面倒でなく、また、触媒の環境への影響の問題が起きず、低コスト酸素吸入が可能な酸素発生器を提供することにある。第2の課題は、触媒が満遍なく、高効率的に使用されて、酸素発生量が増大される酸素発生器を提供することにある。第3の課題は、使用中に誤って倒されても過酸化水素水が酸素とともに噴き出さないようにすることにある。第4の課題は、ノズルから噴出される酸素に未反応過酸化水素水が混入しないようにすることにある。第5の課題は、第1及び第2の課題の解決に好適な上記酸素発生器用カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の課題を解決するため、本発明に係る酸素発生器は、上面がシールで密閉され、過酸化水素水を封入したカートリッジを交換可能に収容できる、上面に開口するカートリッジ収容空間を有する本体と、この本体に前記カートリッジ収容空間の開口面を密閉するように着脱自在に結合される蓋部と、その蓋部の底面に突設され、その蓋部が前記本体に結合される際に前記カートリッジ収容空間に収容されている前記カートリッジの前記シールを破断開口するシール破断部と、そのシール破断部のエッジの上側に設けられ、前記エッジによる前記シールの破断開口に引き続き、前記過酸化水素水に浸入し接触して酸素ガスを発生させる触媒を保持する触媒保持部とを備え、前記蓋部には前記過酸化水素水と前記触媒の反応により発生する酸素ガスを噴出させるノズルが設けられていることを特徴としている(請求項1)。
上記の構成により、本体に過酸化水素水が封入されているカートリッジを収容した状態で、蓋部を持ってシール破断部でカートリッジのシールを破断すると同時に触媒保持部を過酸化水素水の中に浸入させ、その蓋部を本体に装着して本体の開口面を密閉すると、過酸化水素水が触媒に接触して反応により酸素ガスが発生し、ノズルから噴出する。酸素発生が終了したときは、カートリッジ内には溶媒である水以外に酸素発生時に副生した水が残存する。蓋部を本体から分離した後、カートリッジを取出してその水を廃棄することができる。触媒は、触媒保持部に保持されている。
【0009】
触媒保持部は網製とし、その中に顆粒状又は塊状の触媒を収容することが望ましい(請求項2)。
触媒保持部を網製とし、その中に顆粒状又は塊状の触媒を保持することにより、触媒と過酸化水素水との接触効率が高まる。
【0010】
触媒保持部は、シール破断部の上側に備えられたケース保持部に触媒を離散的に保持する複数個の網製ケースを着脱自在に保持してなるものであることが望ましい(請求項3)。
複数個の網製ケースを用いることにより、触媒と過酸化水素水との接触反応が促進される。また、触媒が効能を失った場合は、網製ケースを交換することができる。
【0011】
網製ケースは、それぞれ多数のスリットを有する二つの殻体の開口を突き合わせ、スナップ式に結合してなり、中に粒状の触媒を前記各スリットに整列されて保持するものであることが望ましい(請求項4)。
スリットに粒状の触媒を整列させるので、すべての触媒が満遍なく均等に過酸化水素水に接触し反応する。
【0012】
請求項3又は4に記載の酸素発生器は、シール破断部が蓋部に分離可能に結合される上部部材と、下端部にシールを破断し易いように形成されたエッジを有する下部部材とに分割して構成され、前記上部部材と下部部材の一方にはねじ軸が、他方にはそのねじ軸をねじ込んで結合可能なねじ孔が形成してあり、ケース保持部は前記シール破断部の下部部材に放射状に張り出して上向きに開口する溝を有する下部保持部と、中心の孔から前記破断部の下部部材の各溝に対応して放射状に延びて下向きに開口する溝を有する上部保持部とからなり、前記上部保持部はその中心の孔に前記ねじ軸を貫通しかつ前記ねじ孔にねじ込んで前記上部部材と前記下部部材とを結合すると同時に固定され、かつ、前記上部保持部と前記下部保持部の対向する溝の中に触媒保持用網製ケースが固定される構成とすることができる(請求項5)。
上記構成により、シール破断部の下部部材と上部部材を分離しなくとも、両部材を相対的に回転すると、ケース保持部の上部保持部と下部保持部が離間するので、その間に保持されている触媒保持用網製ケースを交換し、再び固定することができる。
【0013】
第3の課題を解決するため、本発明に係る酸素発生器は、シール破断部が直管の下端部に先端を有する円錐面に沿って放射状に設けられた鋸歯状のエッジを有し、触媒保持部は前記エッジよりも上側において前記直管の外側面に設けられ、前記触媒保持部よりも上側において前記直管にその軸心から本体の内壁面に近づく方向に延び、酸素発生器が横転した場合の過酸化水素水の水面よりも上側に位置する吸入口を有する酸素吸入管が設けられ、かつ、前記直管には、その軸心に関して前記酸素吸入管と反対側に重りが備えられ、前記直管の上端部は、蓋部の底面に固定された連結部に前記直管の軸心回りに回転可能に連結されている(請求項6)。
上記の構成により、酸素発生器が横転すると、破断部と触媒保持部が重りのモーメントにより重りが垂直下方に位置するように直管の軸心回りに回転して、酸素吸入管の吸入口が常に過酸化水素水の喫水線よりも上側に位置する。
【0014】
酸素吸入管と重りは、直管の上部に設けられていることが望ましい(請求項7)。
【0015】
酸素発生器の破断部と触媒保持部には、一端が酸素吸入管の吸入口に連通し、その吸入口から前記酸素吸入管の中を通り、直管の中の下部で折り返されて前記直管の上端部を経て、蓋部の底面からその蓋部の内側まで延長されている酸素誘導チューブが設けられていることが望ましい(請求項8)
上記構成により、カートリッジ内に発生した酸素は、酸素吸入管の吸入口から酸素誘導チューブに入り、その酸素吸入管の中を通り直管の下部付近でUターンして前記直管の上端部において蓋部の連結部の中に誘導されるので、酸素ガスはこれに過酸化水素水を混入されずに蓋部に送られる。
【0016】
重りは、下面及び上面が側面に傾斜状又は円弧状に連続する重り保持部に保持され、前記重り保持部の下面及び上面には、鋸歯状のエッジが形成されていることことが望ましい(請求項9)。
重り保持部の下面及び上面を側面に傾斜状又は円弧状に連続させ、その下面及び上面に鋸歯状のエッジを形成した場合は、シール破断部がカートリッジのシールを破断して進入した後、重りがシールに到達した場合に、そのシールが容易に破断される。
【0017】
請求項6の発明において、触媒保持部、シール破断部のエッジ、直管、酸素吸入管及び連結部が一体にユニットとして構成され、前記連結部が、蓋部の底面に設けられた連結部着脱自在に連結されることが望ましい(請求項10)。
上記構成により、触媒保持部、シール破断部、直管、酸素吸入管及び連結部が単一の部品として、蓋部の底壁に着脱自在に連結されている。
【0018】
以上の酸素発生器は、蓋部の中に二次触媒保持部を設け、本体から蓋部の中に供給された酸素に含まれる未反応過酸化水素水を前記二次触媒保持部に保持された触媒に接触させることが望ましい(請求項11)。
ノズルに二次触媒保持部を設けた場合は、本体から蓋部の中に供給された酸素がノズルから放出される前に、その酸素に含まれる未反応過酸化水素水は再び触媒に接触させられる。
【0019】
また、二次触媒保持部を設けた場合は、二次触媒保持部から排出される水を受け入れる貯水室をノズルに一体に設け、その貯水室付きノズルを蓋部に対して着脱可能に結合することが望ましい(請求項12)。
上記の構成により、未反応過酸化水素水が二次触媒と反応した時に発生する水は、貯水室に貯水される。
【0020】
請求項1又は請求項12の酸素発生器4は、蓋部の底壁とノズル又は二次触媒保持部との間に外部から透視可能な酸素ガス洗浄部を設け、その酸素ガス洗浄部に透明な洗浄液を満たしてあることが望ましい(請求項13)。
上記構成により、カートリッジ内に発生した酸素ガスは、蓋部の酸素ガス洗浄部に進入したとき浄化され、かつ、その洗浄される状態が見える。
【0021】
上記酸素発生器の本体に交換可能に収容して固定される本発明に係る酸素発生器用カートリッジは、上面開口の有底筒体を有し、その中に過酸化水素水が封入され、前記上面開口が前記酸素発生器のシール破断部により破断され得るシールで密閉されていることを特徴としている(請求項14)。
上記構成により、本体に容易に着脱できる。蓋部を持ってシール破断部のエッジをシールに押し込んで破断し、そのまま蓋部でカートリッジの上面を密閉することができる。
【0022】
カートリッジのシールは、過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性があるフィルムで作られていることが望ましい(請求項15)。
このフィルムでシールされている場合は、未使用のカートリッジ保存中に内部に発生する微量の酸素がシールから逃げる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、使用するときは、酸素発生器の本体に新しいカートリッジを収容し、蓋部の破断部でカートリッジのシールを破断し、そのまま蓋部を本体に嵌合固定するとノズルから酸素が噴出するので、使用開始時の面倒な作業が不要であり、敏速な酸素吸入が必要になった場合にも対応することができる。また、酸素発生終了後は、蓋部を取り外すと触媒も一緒に取り出されるので、本体の中に入っているカートリッジを容易に取り出して中の水を容易に廃棄することができ、新カートリッジを装填して再び酸素発生をさせることができる。しかも、触媒は触媒保持部に保持されているので、何の手間も掛けずにリサイクル使用が可能である。従って、簡単かつ低コストの酸素吸入が可能である。
【0024】
請求項2の発明によれば、触媒保持部を網製とすることにより、触媒と過酸化水素水との接触効率が高まるので、安定した確実な酸素発生に寄与することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、複数個の網製ケースを用いることにより、触媒と過酸化水素水との反応が促進され、酸素発生速度を速くすることができ、また、触媒が効能を失った場合は、ケースを交換することにより、敏速に酸素吸入を続けることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、網製ケースは、それぞれ多数のスリットを有する二つの殻体の開口を突き合わせ、スナップ式に結合してなり、スリットに粒状の触媒を整列させるので、すべての触媒が満遍なく均等に過酸化水素水と反応するから非常に高い効率で酸素が発生され、計算通りの酸素発生量又は発生時間を得ることができる。また、ケースはスナップ式に開閉することができるので、効能を失った触媒を廃棄し、新品の触媒を装填することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、シール破断部が蓋部に分離可能に結合される上部部材と、下端部にエッジを有する下部部材とに分割して構成されている。前記上部部材と下部部材の一方にはねじ軸が、他方にはそのねじ軸をねじ込んで結合可能なねじ孔が形成してある。ケース保持部は前記シール破断部の下部部材に放射状に張り出して上向き開口の溝を有する下部保持部と、中心の孔から前記シール破断部の下部部材の各溝に対応して放射状に延びて下向き開口の溝を有する上部保持部とからなる。上部保持部はその中心の孔に前記ねじ軸を貫通しかつ前記ねじ孔にねじ込んで前記上部部材と前記下部部材とを結合すると同時に固定され、かつ、上部保持部と下部保持部の対向する溝の中に触媒保持用網製ケースが固定される。従って、下部部材と上部部材を分離しなくとも、両部材を相対的に回転してケース保持部の上部保持部と下部保持部を離間するだけで、その間に保持されている触媒保持用網製ケースを容易に交換し、固定することができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、酸素発生器が横転するとシール破断部の触媒保持部とシール破断用エッジを有する直管が重りのモーメントにより重りが垂直下方に位置するように直管の軸心回りに回転するため、酸素吸入管の吸入口は常に過酸化水素水の水面よりも上側に位置する。従って、横転されても、ノズルから過酸化水素水が吹き出すことがない。
【0029】
請求項7の発明によれば、酸素吸入管と重りが直管の上部に設けられているので、これらの一体成形が容易であり、生産コストの低減を図ることができるとともに、酸素発生器が正姿勢時も横転時も過酸化水素水と酸素ガスの分離が遂行される。
【0030】
請求項8の発明によれば、酸素誘導チューブが酸素吸入管の先端からその酸素吸入管の中を通り直管の下部においてUターンして前記直管の上端部を経て、蓋部の底面からその蓋部の内側まで延長されているので、カートリッジ内に発生した酸素を、これに過酸化水素水を混入させずに蓋部に送ることができる。また、酸素誘導チューブの長さに余裕があるので、横転に伴って直管が回転して、酸素誘導チューブが捩れられても、捩じれとは逆方向にチューブの復元力が働き、その捩じれが戻されるので、閉塞される懸念がない。
【0031】
請求項9の発明によれば、重りの下面及び上面は側面と円弧状又は傾斜状に連続し、鋸歯状のエッジを有するので、破断部がカートリッジのシールを破断開口した後、重りがシールの中の所要の位置まで円滑に進入することができる。また、蓋部を本体から分離する時も、重りの肩部がシールに係止されることなく、円滑に脱出することができる。
【0032】
請求項10の発明によれば、触媒保持部、シール破断部、直管、酸素吸入管及び連結部がユニットに一体的に設けられているので、シール破断部及び触媒保持部の蓋部に対する取付けが容易であり、触媒の補充や交換、あるいは摩耗したシール破断部の交換を容易に行うことができる。
【0033】
請求項11の発明によれば、蓋部の中に供給された酸素ガスは、二次触媒保持部において再び触媒に接触させられるので、その酸素ガスに未反応過酸化水素水が含まれていても、二次触媒保持部を通過するときに、完全に酸素に変化されてノズルから噴出される。従って、ノズルから有害な未反応過酸化水素水が噴出されることが防止される。
【0034】
請求項12の発明によれば、二次触媒保持部において未反応過酸化水素水が二次触媒と反応した時に発生する水は、ノズルから放出されずに貯水室に溜められる。従って、酸素発生器の使用中に室内湿度が不要に高くなったり、室内に水滴が落下することもない。そして、酸素発生中は発生する水を貯水室に貯めておき、酸素を発生していないときにノズルを蓋部から外して廃棄することができる。
【0035】
請求項13の発明によれば、本体から蓋部に供給された酸素は、外部から透視可能な酸素ガス洗浄部の洗浄液の中を通過するの見えるので、酸素がノズルに供給されているか否かを容易に確認することができる。そして、酸素が洗浄されている様子が視認できるから、使用者に安心感と信頼感を与える。
【0036】
請求項14の発明によれば、酸素発生器用カートリッジは、上面開口の有底筒体を有し、その中に過酸化水素水が封入され、上面開口が酸素発生器のシール破断部により破断され得るシールで密閉されているので、原料である過酸化水素水の安全な取り扱いに便利であり、本体に容易に着脱でき、蓋部を持ってシール破断部のエッジをシールに押し込んで破断開口し、そのまま蓋部を密閉することができるから、最小限の手間で酸素を発生させることができる。
【0037】
そして、請求項15の発明によれば、カートリッジのシールは、過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性があるフィルムで作られているので、未使用のカートリッジの保存中に内部に発生する微量酸素による破裂等の事故を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
続いて、本発明の最良の実施態様について、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0039】
図1は、本発明の第1実施例に係る酸素発生器の斜視図、図2は同じく縦断面図、図3は同じく分解斜視図である。
【0040】
本発明に係る酸素発生器Aは、本体100と、この本体100の上部に分離可能に結合された蓋部200と、その蓋部の底面から下方に突設されたシール破断部300と、そのシール破断部に設けられた触媒保持部400とを有している。
【0041】
本体100は有底筒状に形成されて、上方に開口するカートリッジ収容空間101を有し、上部の外周面に蓋部200の下部周辺を一例として嵌合回転又は逆回転により分離可能に結合される結合手段102を有している。好ましくは、本体100の上端部周縁に、カートリッジ収容空間101の開口面に沿って数mm程度の幅を有するカートリッジ載置部103が形成されている。
【0042】
そして、カートリッジ収容空間101には上面の開口から次のようなカートリッジ500を交換可能に収容することができる。すなわち、カートリッジ500はカートリッジ収容空間101とほぼ等しい形状を有する有底筒状に形成され、中に過酸化水素水H2 O2 が封入されており、そのカートリッジの開口面はシール501で密閉されている(図3参照)。カートリッジ500の上端部には開口面と同一面に外向きフランジ502が形成され、そのフランジ502の上面にシール501の周辺を接合してある。
【0043】
過酸化水素水は触媒と接触しない状態でも微量の酸素を発生するので、完全に密閉されていると、カートリッジの内圧が高くなり、シール501が破裂する恐れがある。このような不都合を回避するため、シール501には過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性を有するものが使用されている。このようなシールには、PETの不織布を微多孔性ポリオレフィン径フィルムで積層した複合フィルム、例えば三菱樹脂株式会社製「エクセポール」を用いることができる。このフィルムは孔径が水蒸気(最大約1オングストローム)よりも大きく、水滴(約100μm)よりも小さい。耐水圧は160kPaで、これ以下では水分は透過しない。従って、絶えず過酸化水素水が分解して酸素ガスが発生しても、このフィルムを透過し呼吸するので、カートリッジ内は常に外圧と同程度に保たれるため、フィルムが膨れたり、破れたりすることがない。従って、搬送中のカートリッジの安全性が保証される。
【0044】
上記構成のカートリッジ500は、これを本体100のカートリッジ収容空間101にピッタリと収容することができ、フランジ502がカートリッジ載置部103に載置されて固定されるようになっている。
【0045】
蓋部200は、上部外周壁210の下部周辺に本体100の上部に一例として嵌合回転又は逆回転により結合手段102に分離可能に結合される結合手段211を備えた下部周壁212を有している。蓋部200の底壁213の下面中央には、下方開口の室214が形成され、その室の下部周辺に雌連結部215が形成されている。室214には、後述されるようにカートリッジ内で発生した酸素ガスが供給されるが、その室214の上部には酸素ガスに混合することがある水その他の異物を除去するフィルタ216が設けられ、そのフィルタを通過した酸素は、導気路217及び連結管218を介してノズル230に導かれるようになっている。ノズル230に到達した酸素は、加圧されているので、ノズルからこの酸素発生器使用者の鼻孔に到達し得る程度の勢いを持って噴出することができる。
【0046】
蓋部200の雌型連結部215には、シール破断部(以下、単に破断部という。)300と触媒保持部400を一体的に備えた着脱ユニットU1が好ましくは分離可能に結合されている。着脱ユニットU1は軸301を有し、その上端部に蓋部200の雌型連結部215にねじ合わせにより着脱自在に結合可能なカップ状の雄型連結部303が形成されている。その雄型連結部303の底部には上下方向に貫通する複数個の孔303が設けられている。この孔303の大きさと数により、カートリッジ500内に発生して上部空間に集合した酸素の圧力が適度に高められて、その雄型連結部303の中に排出されるようになっている。そして、カートリッジ500内に発生し、雄型連結部303の中に排出された酸素ガスは、雌型連結部215に流入するようになっている。着脱ユニットU1 と蓋部200との結合のための構造は、雄型連結部と雌型連結部の位置関係が逆になっても良い。
【0047】
破断部300は、軸301の下端にカートリッジ500のシール501に向けて押し下げた場合にそのシール501を容易に破断できるエッジ(刃先)302を有している。
また、軸301には、エッジ302よりも上側に触媒保持部400が設けられている。触媒保持部400は、片面に開口され、他面にスリットが貫通された網製の片割れ状のケースで構成され、軸301の両側面に着脱自在に嵌着されている。そして、触媒保持部400の中に顆粒状又は塊状の触媒(不図示)が収容されている。網製ケースであるため、触媒保持部400がカートリッジ500の過酸化水素水に浸入された場合は、過酸化水素水がその触媒保持部400を流通して、中の触媒と接触し、カートリッジ500を反応室として酸素を発生するようになっている。
【0048】
触媒には、過酸化水素水と反応して酸素を発生させる既知の金属触媒、例えば、特開2000−325789号公報その他の公報に記載されたものを用いることができる。
【0049】
カートリッジ500内に発生した酸素を雌型連結部215の室214に流入させるためには、破断部300の雄連結部303の側壁と蓋部200の雌型連結部215に複数個の孔を形成し、それらの孔を合致させるようにしてもよい。この場合は、破断部の回転角度により酸素排出速度、あるいは酸素をノズル230から使用者の鼻孔に到達するように噴出させるための圧力の調整が可能である。
【0050】
過酸化水素水が触媒と反応する時は、発熱する。使用者が酸素吸入中に酸素発生器本体の本体100を把持することがあっても火傷することがないようにするため、本体100とこれに収容されたカートリッジ500の間に断熱空間を設けるか、本体100を断熱材で作るかすることが望ましい。
【0051】
上記のように構成された実施例1に係る酸素発生器Aを用いて酸素を発生させるには、図3に示すように、酸素発生器本体の蓋部200を本体100から分離し、本体100の開放されたカートリッジ収容空間101に未使用のカートリッジ500を収容し、そのフランジ502を本体100のカートリッジ載置部103に載置して固定した後、蓋部200を持って破断部300のエッジ302をカートリッジ500の上面のシール501の中央に目掛けて押し下げてそのシールを破断するとともに、蓋部200をそのまま下降して蓋部200の下部周壁212を本体100の上部周辺部に嵌合し、かつ回転して、蓋部200との本体100の結合手段211,212により固定する。この間、シール501を破断した破断部300及び触媒保持部400はカートリッジ500に収容されている過酸化水素水に浸入するため、過酸化水素水が触媒保持部400に保持されている触媒に接触して反応することにより酸素が発生し、カートリッジ500の上部空間に集合し、破断部300の上部の孔301から蓋部200の雌連結部215内に通過し、フィルタ216で浄化された後、ノズル230から加圧された酸素が噴出する。
【0052】
一具体例を説明すると、カートリッジ500には6%の過酸化水素水170cc、破断部300に保持された触媒がアルミ担体に担持させた白金又はアルミ担体に担持させたパラジウムである場合は、酸素が0.5〜0.6リットル/分の割合で5分間継続して発生した。総発生量の理論値は3.4リットルである。
使用する過酸化水素水の量、触媒の量、接触率により、酸素発生量及び継続時間を種々変更することができる。また、担体により触媒の反応速度を調整することにより、単位時間当たりの酸素発生量及び持続時間を任意調整することが可能である。
【0053】
ノズル230はその先端がやや上向きに開口しているので、噴出した酸素は使用者の鼻孔に向けて進むため、使用者はその酸素を容易にかつ確実に吸入することができる。
【0054】
酸素発生が終了した後は、蓋部200を本体100から分離しなければ、中のカートリッジ内には反応により生じた水が存在するが、カートリッジの開口は密閉されているので、この酸素発生器を仮に誤って転倒させても水漏れなどの不具合はない。また、蓋部200を本体100から分離し、中のカートリッジ500を取り出せば、カートリッジ内に生成した水を容易に廃棄することができる。さらに、新カートリッジと交換すると、次の酸素吸入を行うことができる。そして、触媒は常に蓋部に保持されているので、カートリッジの交換に関わりなく、触媒の交換又は回収等の面倒な作業は不要である。また、触媒は長期間リサイクル使用が可能であるから、酸素吸入コストの低減が可能である。
【実施例2】
【0055】
図4以下の図面に示された第2実施例は、着脱ユニットU2、とくに触媒保持部400の構造を改良した酸素発生器Bである。図4は図2に対応する縦断面図、図5は着脱ユニットのみを取り出して示す斜視図、図6は同じく分解斜視図、図7は触媒保持部のケースの分解斜視図である。
【0056】
実施例1による触媒保持部400は、触媒の保持可能な量に限界があるため、単位時間当たりの酸素発生量を多くすることができない。また、触媒と過酸化水素水との接触効率が不安定であるので、酸素発生量及び発生時間が必ずしも計算通りにならない懸念がある。
【0057】
実施例2による着脱ユニットU2は、軸301が図6に示されているように、上部部材301aと、下部部材301bとに分割して構成されている。上部部材301aは上端部に実施例1の場合と同様にカップ状の雌連結部303を有するほか、下端部の中央に下方に開口するねじ孔304が形成されている。305は補強リブであり、306はフランジである。
【0058】
下部部材301bは、下端部にカートリッジ500のシールを破断するための横断面+字形のエッジ302が形成され、その中心軸の上端部に上部部材のねじ孔304にねじ込み可能なねじ軸307が設けられている。各エッジ302の上面と中心軸の側面には、それぞれL字形に連続する溝308a,308bで形成された下部保持部308が、中心軸を中心とする放射状に設けられている。
上部部材301aの下端部と、下部部材301bの上端部の間には、次のようにして、平面+字形の上部保持部309が設けられている。すなわち、上部保持部309は、下部保持部308の横溝308aに対向して開口する溝(図示せず)を有し、中心に下部部材のねじ軸307を挿通することができる孔310を有している。こうして、上部保持部のねじ孔310にねじ軸307を挿通し、上部部材301aのねじ孔304にねじ込むことにより、上部部材301aと下部部材301bが一体的に結合されるとともに、上部保持部と下部保持部によりコ字形に連続する溝からなるケース保持部が構成されている。そして、上部部材301aと下部部材301bとを相対的に一方向に回転することにより、ケース保持部の対向する溝の間隔を広げ、反対方向に回転することにより、その溝の間隔を狭めることができる。
【0059】
図4〜図7までの410は、触媒保持部400E1を構成する触媒保持用ケースである。このケースは、図7に拡大して示すように、片面に開口し、底面に複数列の貫通されたスリット411を有する殻体410aと、同様のスリット412を有するもう一つの殻体410bからなり、開口を突き合わせ、一方(410a)に設けれた係止溝413に他方に設けられた係止突起414を嵌合することにより、スナップ式に閉め、又は開けることができるものである。そして、各列のスリット411,412には、大きさが揃えられた粒状の触媒(図示省略)を整列させることができ、その整列させた状態で二つの殻体410a、410bを結合すると、すべての触媒が相互間に等しい隙間を持って固定されるようになっている。
【0060】
このようにして触媒を保持したケース410Eは、上述したように、下部部材301bをその軸線周りに所定方向に回転して上下のケース保持部308,309の間を開け、各ケースの一辺をケース保持部308の縦溝308bに嵌合した後、その縦溝308bに沿って押し下げて、ケース保持部308の横溝308aにも嵌合させて安定化し、続いて、ケース保持部309をねじ軸307に沿って下降させて、その横溝に各ケース410Eの上辺を嵌合させる。その状態で上部部材301aを所定方向に逆回転して、ねじ軸226をねじ孔223に確実にねじ込むと、上部部材301aと下部部材301bとがしっかり接続され、かつ、ケース保持部309がフランジ306とケース保持部308の上端部の間に締め付けられて、各ケース410が固定される。
【0061】
この実施例の触媒保持ケース410E1は、触媒のそれぞれを各スリットに整列させて保持するので、カートリッジの過酸化水素水に浸漬されたときにすべての触媒が均一な状態で過酸化水素水と接触するため、満遍なく反応することができ、従って、この実施例の酸素発生器Bは、理論通りの酸素発生量及び酸素発生時間を発揮することができる。また、従って、所定耐久期間経過後に廃棄処分する際に、未反応触媒による毒物又は危険物廃棄によって環境破壊の問題を起こすことを未然に防止することができる。
【0062】
さらに、触媒保持ケースは複数個備えられるので、その数の選択により、一度の反応による酸素発生量を使用目的に応じて容易にかつ任意に多くすることができる。そして、触媒保持ケースはスナップ式に開閉可能であるから、専門家でなくとも、家庭などで簡単に触媒の交換ができる。
【実施例3】
【0063】
図8以下の図面は、本発明の第3実施例を示す。図8は酸素発生器の縦断面図、図9は着脱ユニットの側面図、図10は図9のX−X線断面図、図11は図9のY−Y線断面図、図12は破断部の底面図である。実施例1,2の酸素発生器A,Bは、その使用中に倒された場合は、カートリッジ500内の過酸化水素水がノズル230から噴出する虞がある。第3実施例は、使用中に倒されても過酸化水素水の噴出が防止されるようにさらに改善したものである。
この酸素発生器Cでは、蓋部200に連結される着脱ユニットU3 が、蓋部200の雌型連結部215に連結される雄型連結部303と、その連結部から下方に延びる直管311と、直管の下部に設けられた触媒保持部400E2 と、破断部のエッジ302と、酸素吸入管312と、重り313とを一体的に有して、着脱ユニットU3 が構成されている。215を雄型連結部、303を雌型連結部としても良いことは、先の実施例と同様である。
【0064】
雄型連結部303には、その底面中央から下方に突き出し、雄型連結部303の内部を下方に連通させる連結管314が設けてある。その連結管314に直管311の上端部が入れ子式に嵌合され、連結管314又は直管311の上部の軸方向の複数箇所に設けられたボールベアリングなどの軸受315により直管311がその軸心を中心として回転自在に連結されている。
【0065】
直管311は、真っ直ぐな1本の管で構成されている。その下部の外側に触媒保持部400E2 が備えてある。その下端部にシール破断用のエッジ302が設けてある。触媒保持部400E2 は、直管の外周面にその軸方向に隔てた位置にフランジ415を形成し、直管の外周方向に分割された複数個のカバー416を互いに隣接して装着し、スナップ式に嵌合して一つの筒体の外観を呈するように連結してある。その連結を完了する前に、直管311とフランジ415とカバー416の間に形成される室417に、顆粒状の触媒mcが収容されている。
【0066】
着脱ユニットU3 の先端に設けられたエッジ302は、図12に示すように、直管311の軸心に頂点を有する円錐面に沿って放射状、例えば十字形状に形成されている。エッジ302は、直管311の先端部分のみでなく、触媒保持部400E2 の下端面にも形成されていると、カートリッジ500のシール501を破断する時に触媒保持部400E2 までシール501を容易に貫通できるので、好ましい。また、各エッジ302は、図9に示すように、カートリッジ500のシール501に対する切れ味を良くするため、鋸歯状に形成されていることが望ましい。
【0067】
酸素吸入管312は、その基端が直管311の触媒保持部400E2 よりも上側部分に接続され、着脱ユニットが本体100に収容された状態で、本体100の内壁面に向けて斜め上方に延び、その先端に吸入口を有している。この吸入口の直管311の軸心からの高さは、この酸素発生器Cが使用中に横転された場合に、吸入口がカートリッジ500内の過酸化水素水H2 O2 の水面よりも上側に出るように、すなわち、喫水線が吸入口よりも下側にあるように、設計されている。
【0068】
重り313は、直管311の軸線に関して酸素吸入管312と反対側に形成された重り保持部316に収容されている。重り保持部316の、触媒保持部400E2 の外周面の垂直上方延長線よりも直管311から遠ざかる側に突出する部分の下面及び上面には、傾斜面又は湾曲面316a,316bが設けられている。これにより、破断部300のエッジ302がカートリッジ500のシール501を破断したのに続いて触媒保持部400AEがそのシールを貫通してカートリッジ内に進入後、重り保持部316がシールに突き当たってそれ以上の進入を阻止されることなく、重り保持部まで円滑にシールの下方に進入することができ、また、酸素が発生し切って、蓋部200を本体100から分離する際に、重り保持部316の上面316bがシール501に係止されることなく、円滑に脱出できるようになっている。重り保持部316の下面316と上面316bにも鋸歯状エッジを設けても良い。
【0069】
図8に戻って、酸素吸入管312の吸入口にはフィルタ317が取り付けられ、そのフィルタを通過した酸素は、酸素吸入管312の中を通され、直管311の中をその下端部付近まで延ばされた後、その下端部付近で折り返されて、再び直管311の中を上方に延ばされ、連結管314を通って雄側連結部303の中まで延長された酸素誘導チューブ318により、雌側連結部215の室214内に誘導されるようになっている。酸素吸入管312の先端から雄型連結部303までの通路の気密性が高い場合は、このようなチューブの使用は不要であるが、回転部分を有するこの実施例の場合に、高度な気密性を有するように製造することはコストアップを招く。チューブ318を用いることにより、製造コストのアップを回避できる。また、チューブを折り返して長さに余裕を持たせた場合は、直管311が連結管314を中心に回転した場合にも、チューブが閉塞されて酸素ガスの流出が阻止されることを有効に防止することができる。
【0070】
上記の構成により、この酸素発生器Cの使用中は、酸素吸入管312の吸入口が過酸化水素水H2 O2 の水面よりも上側で上向きになっているので、触媒との反応により発生する酸素ガスは、その吸入口からチューブ318を経て雌型連結部215内に誘導され、フィルタ216を通過してノズル230から放出される。そして、使用中に、使用者が誤って倒したり、幼児や愛玩動物などが倒したりした場合は、横倒しになり、場合によっては回転した後、静止するときまでのノズルの向きの如何に関わりなく、重り250が重力により常に下側となるように、敏速に直管の軸心周りに回転し、重り313が真下になったときその回転が止まる。そして、重りが真下に存在すると、酸素吸入管312の吸入口が真上に向き、過酸化水素水の上面よりも上側に存在する。従って、酸素発生器Cが倒されても、過酸化水素水が連結部303,215を経てノズル230から吹き出すことは有効に防止される。
【0071】
図8の600は、ノズル230の前に設けられた二次触媒保持部である。この二次触媒保持部600は、筒状に形成され、導気路217側に入口601を有し、ノズル230側に出口602を有しており、中に触媒保持部400E2 で用いられるものと同じ触媒mcが収容されている。出口602は、着脱自在の蓋603に形成されている。従って、その蓋603を外して、中の触媒mcの交換が可能である。この二次触媒保持部600をノズル230の上流側に置くことにより、導気路217から排出される酸素ガスに微量の未反応過酸化水素水が混入している場合は、その過酸化水素水が二次触媒保持部600の中を通る間に触媒mcと反応して酸素になるため、ノズル230からは酸素ガスのみが噴出され、過酸化水素水の混合した酸素が噴出されることが有効に防止される。
【0072】
そして、二次触媒保持部600において未反応過酸化水素水が触媒と反応して酸素を発生するときは、同時に少量の水も生じる。この水もノズル230から排出させないため、二次触媒保持部600とノズル230の間にその水を受け止める貯水室700が設けられている。この貯水室700をノズル230と一体に形成し、貯水室700の端部をパッキン701を介して蓋部200の本体210の端部に着脱自在に嵌合することにより、一定の使用期間の経過時に、その貯水室付きノズル230を取り外して、貯水室700の中に貯まった水を廃棄することができるようにしてある。
【0073】
なお、二次触媒保持部700の出口602をノズル230の軸線から偏倚させてあるのは、二次触媒保持部700の出口から流出する微量の水を、ノズル230に向かう酸素ガスからできるだけ分離するためである。
【0074】
図8における導気路217と二次触媒保持部600の入口601との間は、図2に示されているように、連結管218により連結されても良い。しかし、連結管218を備えずに、蓋部200の底壁213と本体210との間に形成される室内に水などの洗浄液を充填して、導気路217から排出される酸素ガスに含まれる不純物を除去する洗浄室219を設けるとともに、蓋部200の本体210の一部を透明にして、その洗浄室の中を透視できるようにすると、酸素ガスが浄化され、衛生的であることを使用者に訴求することができる。また、使用者は酸素が発生しているか否かを、ノズルの近くまで顔や手を寄せて風圧の有無を判断しなくとも、窓の中に移動している気泡が見るか否かで、視覚的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施例に係る酸素発生器の斜視図。
【図2】同じく縦断面図。
【図3】同じく分解斜視図。
【図4】本発明の第2実施例に係る酸素発生器の図2に対応する縦断面図。
【図5】着脱ユニットのみを取り出して示す斜視図。
【図6】同じく分解斜視図。
【図7】触媒保持部のケースの分解拡大斜視図。
【図8】本発明の第3実施例に係る酸素発生器の図2に対応する縦断面図。
【図9】着脱ユニットのみを取り出して示す側面図。
【図10】図9のX−X線断面図。
【図11】図9のY−Y線断面図。
【図12】図9の破断部の底面図。
【符号の説明】
【0076】
A 酸素発生器
100 本体
101 カートリッジ収容空間
200 蓋部
230 ノズル
300 破断部
302 エッジ
400 触媒保持部
500 カートリッジ
501 シール
B 酸素発生器
301a 上部部材
301b 下部部材
302 エッジ
308 ケース保持部
309 ケース保持部
400E1 金属触媒保持用ケース
C 酸素発生器
302 エッジ
303 雄型連結部
215 雌型連結部
311 直管
312 酸素吸入管
313 重り
314 連結管
410E2 触媒保持部
318 酸素誘導チューブ
600 二次触媒保持部
700 貯水室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面がシールで密閉され、過酸化水素水を封入したカートリッジを交換可能に収容できる、上面に開口するカートリッジ収容空間を有する本体と、この本体に前記カートリッジ収容空間の開口面を密閉するように着脱自在に結合される蓋部と、その蓋部の底面に突設され、その蓋部が前記本体に結合される際に前記カートリッジ収容空間に収容されている前記カートリッジの前記シールを破断開口するシール破断部と、そのシール破断部のエッジの上側に設けられ、前記エッジによる前記シールの破断開口に引き続き、前記過酸化水素水に浸入し接触して酸素ガスを発生させる触媒を保持する触媒保持部とを備え、前記蓋部には前記過酸化水素水と前記触媒の反応により発生する酸素ガスを噴出させるノズルが設けられている酸素発生器。
【請求項2】
触媒保持部は網製であり、その中に顆粒状又は塊状の触媒が保持されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素発生器。
【請求項3】
触媒保持部は、シール破断部の上側に備えられたケース保持部に触媒を離散的に保持する複数個の網製ケースを着脱自在に保持してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素発生器。
【請求項4】
網製ケースは、それぞれ多数のスリットを有する二つの殻体の開口を突き合わせ、スナップ式に結合してなり、中に粒状の触媒を前記各スリットに整列させて保持するものである請求項3に記載の酸素発生器。
【請求項5】
シール破断部は、蓋部に分離可能に結合される上部部材と、下端部にシールを破断し易いように形成されたエッジを有する下部部材とに分割して構成され、前記上部部材と下部部材の一方にはねじ軸が、他方にはそのねじ軸をねじ込んで結合可能なねじ孔が形成してあり、ケース保持部は前記シール破断部の下部に放射状に張り出して上向き開口の溝を有する下部保持部と、中心の孔から前記シール破断部の下部部材の各溝に対応して放射状に延びて下向き開口の溝を有する上部保持部とからなり、前記上部保持部はその中心の孔に前記ねじ軸を貫通しかつ前記ねじ孔にねじ込んで前記上部部材と前記下部部材とを結合すると同時に固定され、かつ、前記上部保持部と前記下部保持部の対向する溝の中に触媒保持用網製ケースが固定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の酸素発生器。
【請求項6】
シール破断部は、直管の下端部に先端を有する円錐面に沿って放射状に設けられた鋸歯状のエッジを有し、触媒保持部は前記エッジよりも上側において前記直管の外側面に設けられ、前記触媒保持部よりも上側において前記直管にその軸心から本体の内壁面に近づく方向に延び、酸素発生器が横転した場合の過酸化水素水の水面よりも上側に位置する吸入口を有する酸素吸入管が設けられ、かつ、前記直管には、その軸心に関して前記酸素吸入管と反対側に重りが備えられ、前記直管の上端部は、蓋部の底面に固定された連結部に前記直管の軸心回りに回転可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素発生器。
【請求項7】
酸素吸入管と重りは、直管の上部に一体的に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の酸素発生器。
【請求項8】
一端は酸素吸入管の吸入口に連通し、その吸入口から前記酸素吸入管の中を通り、直管の中の下部で折り返されて前記直管の上端部を経て、蓋部の底面からその蓋部の内側まで延長されている酸素誘導チューブが設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の酸素発生器。
【請求項9】
重りは、下面及び上面が側面に傾斜状又は円弧状に連続する重り保持部に保持され、前記重り保持部の下面及び上面には、鋸歯状のエッジが形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の酸素発生器。
【請求項10】
触媒保持部、シール破断部、直管、酸素吸入管、及び連結部でユニットが構成され、前記連結部が、蓋部の底面に設けられた連結部に着脱自在に連結してある請求項6〜9のいずれか1項に記載の酸素発生器。
【請求項11】
蓋部の中に、本体から蓋部の中に供給された酸素に含まれる未反応過酸化水素水を触媒に接触させる二次触媒保持部を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸素発生器。
【請求項12】
ノズルに、二次触媒保持部から排出される水を受け入れる貯水室を一体に設け、その貯水室付きノズルを蓋部に対して着脱可能に結合したことを特徴とする請求項11に記載の酸素発生器。
【請求項13】
蓋部の底面とノズル又は二次触媒保持部との間に外部から透視可能な酸素ガス洗浄部を設け、その酸素ガス洗浄部に透明な洗浄液を満たしてあることを特徴とする請求項1又は12に記載の酸素発生器。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかの酸素発生器の本体に交換可能に収容して固定される、上面開口の有底筒体を有し、その中に過酸化水素水が封入され、前記上面開口が前記酸素発生器のシール破断部により破断され得るシールで密閉されていることを特徴とする酸素発生器用カートリッジ。
【請求項15】
シールは過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性があるフィルムで作られていることを特徴とする請求項14に記載の酸素発生器用カートリッジ。
【請求項1】
上面がシールで密閉され、過酸化水素水を封入したカートリッジを交換可能に収容できる、上面に開口するカートリッジ収容空間を有する本体と、この本体に前記カートリッジ収容空間の開口面を密閉するように着脱自在に結合される蓋部と、その蓋部の底面に突設され、その蓋部が前記本体に結合される際に前記カートリッジ収容空間に収容されている前記カートリッジの前記シールを破断開口するシール破断部と、そのシール破断部のエッジの上側に設けられ、前記エッジによる前記シールの破断開口に引き続き、前記過酸化水素水に浸入し接触して酸素ガスを発生させる触媒を保持する触媒保持部とを備え、前記蓋部には前記過酸化水素水と前記触媒の反応により発生する酸素ガスを噴出させるノズルが設けられている酸素発生器。
【請求項2】
触媒保持部は網製であり、その中に顆粒状又は塊状の触媒が保持されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素発生器。
【請求項3】
触媒保持部は、シール破断部の上側に備えられたケース保持部に触媒を離散的に保持する複数個の網製ケースを着脱自在に保持してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素発生器。
【請求項4】
網製ケースは、それぞれ多数のスリットを有する二つの殻体の開口を突き合わせ、スナップ式に結合してなり、中に粒状の触媒を前記各スリットに整列させて保持するものである請求項3に記載の酸素発生器。
【請求項5】
シール破断部は、蓋部に分離可能に結合される上部部材と、下端部にシールを破断し易いように形成されたエッジを有する下部部材とに分割して構成され、前記上部部材と下部部材の一方にはねじ軸が、他方にはそのねじ軸をねじ込んで結合可能なねじ孔が形成してあり、ケース保持部は前記シール破断部の下部に放射状に張り出して上向き開口の溝を有する下部保持部と、中心の孔から前記シール破断部の下部部材の各溝に対応して放射状に延びて下向き開口の溝を有する上部保持部とからなり、前記上部保持部はその中心の孔に前記ねじ軸を貫通しかつ前記ねじ孔にねじ込んで前記上部部材と前記下部部材とを結合すると同時に固定され、かつ、前記上部保持部と前記下部保持部の対向する溝の中に触媒保持用網製ケースが固定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の酸素発生器。
【請求項6】
シール破断部は、直管の下端部に先端を有する円錐面に沿って放射状に設けられた鋸歯状のエッジを有し、触媒保持部は前記エッジよりも上側において前記直管の外側面に設けられ、前記触媒保持部よりも上側において前記直管にその軸心から本体の内壁面に近づく方向に延び、酸素発生器が横転した場合の過酸化水素水の水面よりも上側に位置する吸入口を有する酸素吸入管が設けられ、かつ、前記直管には、その軸心に関して前記酸素吸入管と反対側に重りが備えられ、前記直管の上端部は、蓋部の底面に固定された連結部に前記直管の軸心回りに回転可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素発生器。
【請求項7】
酸素吸入管と重りは、直管の上部に一体的に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の酸素発生器。
【請求項8】
一端は酸素吸入管の吸入口に連通し、その吸入口から前記酸素吸入管の中を通り、直管の中の下部で折り返されて前記直管の上端部を経て、蓋部の底面からその蓋部の内側まで延長されている酸素誘導チューブが設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の酸素発生器。
【請求項9】
重りは、下面及び上面が側面に傾斜状又は円弧状に連続する重り保持部に保持され、前記重り保持部の下面及び上面には、鋸歯状のエッジが形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の酸素発生器。
【請求項10】
触媒保持部、シール破断部、直管、酸素吸入管、及び連結部でユニットが構成され、前記連結部が、蓋部の底面に設けられた連結部に着脱自在に連結してある請求項6〜9のいずれか1項に記載の酸素発生器。
【請求項11】
蓋部の中に、本体から蓋部の中に供給された酸素に含まれる未反応過酸化水素水を触媒に接触させる二次触媒保持部を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の酸素発生器。
【請求項12】
ノズルに、二次触媒保持部から排出される水を受け入れる貯水室を一体に設け、その貯水室付きノズルを蓋部に対して着脱可能に結合したことを特徴とする請求項11に記載の酸素発生器。
【請求項13】
蓋部の底面とノズル又は二次触媒保持部との間に外部から透視可能な酸素ガス洗浄部を設け、その酸素ガス洗浄部に透明な洗浄液を満たしてあることを特徴とする請求項1又は12に記載の酸素発生器。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかの酸素発生器の本体に交換可能に収容して固定される、上面開口の有底筒体を有し、その中に過酸化水素水が封入され、前記上面開口が前記酸素発生器のシール破断部により破断され得るシールで密閉されていることを特徴とする酸素発生器用カートリッジ。
【請求項15】
シールは過酸化水素水に対しては透過性がなく、酸素に対しては透過性があるフィルムで作られていることを特徴とする請求項14に記載の酸素発生器用カートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−68499(P2006−68499A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169265(P2005−169265)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(501334073)ビーゴ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(501334073)ビーゴ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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