説明

醸造用酵母の有用タンパク質同定方法

本発明は、醸造用酵母由来の有用タンパク質の同定方法に関する。具体的には、酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、 (a)酵母を所定の培養条件下で培養する工程、(b)該酵母の培養物からタンパク質試料を抽出する工程、(c)該タンパク質試料をタンパク質分離手段により分離し、標的ピークまたはスポットを選択し、該ピークまたはスポットに含まれる標的タンパク質またはその断片を回収する工程、(d)該標的タンパク質のアミノ酸配列を決定する工程、(e)工程(d)において決定されたアミノ酸配列と、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部に基づいて、予め決定しておいたアミノ酸配列とを比較する工程、(f)該比較結果に基づいて、該標的タンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および(g)該同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性を同定する工程を包含する方法などに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、
(a)酵母を所定の培養条件下で培養する工程、
(b)該酵母の培養物からタンパク質試料を抽出する工程、
(c)該タンパク質試料をタンパク質分離手段により分離し、標的ピークまたはスポットを選択し、該ピークまたはスポットに含まれる標的タンパク質またはその断片を回収する工程、
(d)該標的タンパク質のアミノ酸配列を決定する工程、
(e)工程(d)において決定されたアミノ酸配列と、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部に基づいて、予め決定しておいたアミノ酸配列とを比較する工程、
(f)該比較結果に基づいて、該標的タンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および
(g)該同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性
を同定する工程
を包含する方法。
【請求項2】
酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、
(1)酵母の標的タンパク質のアミノ酸配列をもとに、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部を含むデータベースに対して参照を行う工程、
(2)該参照結果に基づいて、該タンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および
(3)同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性を同定する工程
を包含する方法。
【請求項3】
酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、
(1)酵母由来のタンパク質抽出物から1以上のタンパク質を分離して、該1以上のタンパク質のアミノ酸配列を決定する工程、
(2)該1以上のタンパク質のアミノ酸配列をもとに、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部を含むデータベースに対して参照を行う工程、
(3)該参照結果に基づいて、該1以上のタンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および
(4)同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性を同定する工程
を包含する方法。
【請求項4】
酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、
(1)酵母を所定の培養条件下で培養する工程、
(2)該酵母の培養物からタンパク質試料を抽出する工程、
(3)該タンパク質試料に含まれる1以上のタンパク質のアミノ酸配列を決定する工程、
(4)工程(3)において決定されたアミノ酸配列と、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部に基づいて、予め決定しておいたアミノ酸配列とを比較する工程、
(5)該比較結果に基づいて、標的タンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および
(6)該同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性を同定する工程
を包含する方法。
【請求項5】
酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、
(1)同一の酵母の菌株を、異なる培養条件下で培養する工程、
(2)工程(1)で得られる各培養物からタンパク質試料を抽出する工程、
(3)該タンパク質試料を分析し、各培養条件下で高発現または低発現のタンパク質を特定する工程、
(4) 工程(3)で特定されたタンパク質のアミノ酸配列を決定する工程、
(5)工程(4)において決定されたアミノ酸配列と、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部に基づいて、予め決定しておいたアミノ酸配列とを比較する工程、
(6)該比較結果に基づいて、標的タンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および
(7)該同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性を同定する工程
を包含する方法。
【請求項6】
酵母の標的タンパク質またはそれをコードする遺伝子を同定する方法であって、
(1)異なる酵母の菌株を、同一培養条件下で培養する工程、
(2)工程(1)で得られる各培養物からタンパク質試料を抽出する工程、
(3)該タンパク質試料を分析し、各培養物で発現量が異なるタンパク質を特定する工程、
(4)工程(3)で特定されたタンパク質のアミノ酸配列を決定する工程、
(5)工程(4)において決定されたアミノ酸配列と、下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部に基づいて、予め決定しておいたアミノ酸配列とを比較する工程、
(6)該比較結果に基づいて、該標的タンパク質をコードする遺伝子を同定する工程、および
(7)該同定された遺伝子の機能解析を行うことによって該遺伝子が酵母に付与する特性を同定する工程
を包含する方法。
【請求項7】
前記下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部が、
配列番号33〜6236、
配列番号75337〜82784、
配列番号166154〜166181、
配列番号166490〜167042、および
配列番号173125〜174603の塩基配列を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部が、
配列番号33〜6236、
配列番号75337〜82784、
配列番号166154〜166181、
配列番号166490〜167042、および
配列番号173125〜174603から選ばれる2以上の塩基配列を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部が、
配列番号33〜6236の塩基配列を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部が、
配列番号33〜6236から選ばれる2以上の塩基配列を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部が、
配列番号166154〜166181の塩基配列を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記下面発酵酵母のゲノム配列情報の全部または一部が、
配列番号166154〜166181から選ばれる2以上の塩基配列を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−528046(P2009−528046A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556875(P2008−556875)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【国際出願番号】PCT/IB2007/000551
【国際公開番号】WO2007/099451
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(309007911)サントリーホールディングス株式会社 (307)
【Fターム(参考)】