説明

重合体を含有する酸性かつ水性の防食剤中のポリビニルアミンによる塗料密着性

本発明は、金属表面への第一の被覆用の水性非クロム硬化性防食剤に関し、前記防食剤は、金属表面かつ追加の有機被覆に対する硬化された第一の被覆の密着性を向上させるために、少なくとも部分的にアシル化されたビニルアミンの少なくとも一種類の有機重合体又は共重合体を含有する。本発明はまた、本発明に係る前記防食剤を含んでなる第一の被覆の製法に関し、追加的有機被覆、特にポリウレタン樹脂系及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系の追加的有機被覆を塗布する方法、及びこの方法で製造された金属ストリップ又はそれから切り取られた任意に成形可能な金属シートに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面への第一の被覆用の水性非クロム硬化性防食剤に関する。その防食剤は、金属表面かつ追加の有機被覆に対する硬化された第一の被覆の密着性を向上させるために、少なくとも部分的にアシル化されたビニルアミンからなる少なくとも一種類の有機重合体又は共重合体を含有する。本発明はまた、本発明に係る前記防食剤を含んでなる第一の被覆の製法に関し、追加の有機被覆、特にポリウレタン樹脂系及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系の有機被覆、を塗布する方法に関する。また、上記方法で製造される金属ストリップ又はその金属ストリップから切り取られた任意に成形可能な金属シートに関する。
【背景技術】
【0002】
金属表面に厚さ数マイクロメートルの防食被覆を形成するために好適な、多くの非クロム硬化性の第一の被覆剤が従来技術から公知である。このような第一の被覆剤は、従来、金属表面の無機化成、及び第一の被覆剤と接触させた後に硬化される有機結合剤による被覆、を生じさせる酸性水性溶液である。こうした方法で、薄い無機/有機ハイブリッド被覆が得られ、既にかなりの防食効果を上げている。
【0003】
例えば、ドイツ特許出願公開第10,2006,039,633号には、金属基板への第一の被覆用の水性硬化性防食剤が開示され、その防食剤は1〜3のpH範囲を有し、水と、
a)チタン及び/又はジルコニウムのフルオロ錯イオンと、
b)少なくとも一種類の防食顔料と、
c)前記特定のpH範囲で水溶性又は水分散性であり、それ自体は50重量%の濃度の水溶液において1〜3のpH範囲を有する少なくとも一種類の有機重合体とを含有する。
【0004】
ドイツ特許出願公開第10,2006,039,633号の開示によれば、金属ストリップ上での硬化状態において、そのような防食剤は、すでに十分に適正な防食被覆として既に使用することが可能である。それにもかかわらず、腐食性媒体に対する最適なバリア効果や、さらに被覆された金属ストリップの所望の機械的・光学的特性を提供するためには、硬化性有機結合剤系による追加の被覆、すなわち追加的な塗料系の適用も必要である。ドイツ特許出願公開第10,2006,039,633号には、任意の第二の被覆についても言及されているが、従来のトップコートに対する密着性は理想的ではなく、第二の被覆は下に浸透し易く、その機能性は不完全である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第10,2006,039,633号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、硬化型防食性でありながら非クロムであって有機結合剤を含有する第一の被覆剤を用いて、金属表面、特に亜鉛及び亜鉛合金表面に対する有機トップコート系の密着性を向上させると共に、塗料系、特にポリウレタン樹脂系の塗料系に対する十分な密着性を確立することである。
【0007】
ここで、前記「第一の被覆」という用語は、金属基板には、本発明に係る防食剤との接触前にいかなる他の防食処理も施さないということを意味する。本発明に係る防食剤は、新たに製造された、又は新たに清浄された金属表面に塗布されるべきである。この処理は、金属基板用の第一の防食手段を意味する。ここで、例えば、従来の浸漬塗料、噴霧塗料若しくは粉末被覆等の追加的な装飾及び/又は防食被覆を、本発明に係る防食剤の塗布後に金属基板に塗布することが全面的に望ましい。
【0008】
欧州特許出願第0,672,467号では、リン酸塩処理された金属表面への浸漬塗料の密着性を向上させるため、電着塗装に先立って、リン酸塩処理された金属表面へのアシル化ポリビニルアミン溶液による中間水洗が開示されている。第一の被覆のために、有機結合剤を含有する非クロム水性防食剤にアシル化ポリビニルアミンを使用することについてはここには記載されておらず、また、特定の有機結合剤系のための接着促進剤としてのアシル化ポリビニルアミンの適合性も記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くことに、本発明の根底をなす目的は、金属基板の第一の被覆のための非クロム硬化性防食剤により達成される。本防食剤は、1〜3のpH範囲を有し、水と、
a)チタン及び/又はジルコニウムのフルオロ錯イオンと、
b)少なくとも一種類の防食顔料と、
c)前記特定のpH範囲で水溶性又は水分散性であり、それ自体は50重量%の濃度の水溶液中で1〜3のpH範囲を有する少なくとも一種類の有機重合体と、を含有し、
d)成分c)に相当する有機重合体又は共重合体ではなく、かつ一般構造式(I)の少なくとも一個の単位を有する、少なくとも一種類の水溶性若しくは水分散性のビニルアミン有機重合体又は共重合体をさらに含有する、非クロム硬化性防食剤である。下記式(I)中、残基R及びRは、互いに独立して、水素及び/又は炭素原子6個以下を有するアルキル基から選択される。
【化1】

【0010】
驚くことに、金属基板に対する硬化された第一の被覆剤の密着性、及び硬化された第一の被覆に対する有機トップコートの密着性の両方は、成分a)〜c)を含有する従来技術で公知の酸性の第一の被覆剤中における、成分d)によるビニルアミンの水溶性又は水分散性有機重合体又は共重合体の存在により顕著に上昇する。
【0011】
ビニルアミンは、本発明によれば、窒素原子が置換された全てのビニルアミン及び未置換のビニルアミン自体であると理解される。
【0012】
前記一般構造式(I)に相当する有機重合体又は共重合体において、特にホルミル化及びアシル化アミノ基の存在が、基板に対する硬化された第一の被覆の密着性に好ましい効果を持つことが分かった。したがって、本発明に係るこのような第一の被覆剤は、好ましくは、一般構造式(I)の少なくとも一個の単位を有する成分d)による少なくとも一種類の有機重合体又は共重合体を含有する。式(I)中、残基Rは水素又はメチル基から選択され、残基Rは水素原子であって、前記一般構造式(I)の全ての単位が、特に好ましくはこのように置換される。
【0013】
前記一般構造式(I)の単位に加えて、成分d)のビニルアミンの有機重合体又は共重合体は、任意の他の構造単位、例えばビニルアルコール並びにそのエステル化生成物の単位及びイミノエチレンの単位を含有することができる。その入手がより容易で塗料密着性向上の効率をさらに高くするという観点から、アミノ基が少なくとも部分的にアシル化された、好ましくは部分的にホルミル化されたポリビニルアミンが、成分d)として好ましい。
【0014】
成分d)の有機重合体又は共重合体における一般構造式(I)に係る単位の数が増えるにつれて、金属基板に対する硬化された第一の被覆剤の塗料密着性が着実に向上することがさらに分かった。結果的に、50%以上、好ましくは80%以上、特に90%以上のアシル化度を有するポリビニルアミンが、成分d)の有機重合体として好ましい。
【0015】
さらに、本発明によれば、そのアミノ基が少なくとも部分的にアシル化されたポリビニルアミンが、本発明に係る第一の被覆剤中の成分d)として使用される場合、それらポリビニルアミンの分子量が、好ましくは10,000g/モルより大きく、特に好ましくは100,000g/モルより大きく、しかし好ましくは1,000,000g/モル以下、特に好ましくは500,000g/モル以下であれば、塗料接着の観点で最適な結果が得られることが分かった。
【0016】
したがって、分子量が100,000g/モルより大きく500,000g/モル以下で、アシル化度90%以上のホルミル化ポリビニルアミンが最も好適であり、そしてそれゆえ本発明の根底をなす目的のために特に好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る非クロム硬化性防食剤の成分a)〜c)の特定の実施形態につき、以下にさらに詳細に述べる。
【0018】
本発明に係る前記防食剤の成分a)におけるチタン及び/又はジルコニウムのフルオロ錯イオンは、好ましくはヘキサフルオロ錯イオンである。これらは、遊離酸の形態で、又は防食剤に溶解可能なその塩の形態で導入することができる。酸性pHを設定するために、フルオロ錯イオンをヘキサフルオロ酸として導入することは好都合である。フルオロ錯イオンはまた、錯体分子1個当たり平均6個未満のフッ素原子を含有することができる。これは、例えば、ヘキサフルオロ錯イオンに加えて、フルオロ錯体を形成可能なチタン及び/又はジルコニウムイオンを有する化合物又は塩を更に使用することにより達成することができる。例として、オキシドカーボネート又はヒドロキシカーボネートを挙げることができる。一方、ヘキサフルオロ錯イオンの存在に加えて、当該防食剤には、遊離フッ化物イオンを過剰に含むこともできる。これらのイオンは、例えばフッ化水素酸の形態で含むことが可能である。
【0019】
前記防食顔料b)は、好ましくは、粒子状の有機又は無機化合物であって、該化合物は、被覆を通した水及び/又は他の腐食剤の拡散を拡散抑制作用(「バリア顔料」)によって抑制し、又は防食作用を有する分子若しくはイオンを放出することができる。好ましくは、カチオン交換特性を有する化合物が前記防食顔料として使用される。アルカリ金属イオンと交換可能な二価又は多価の金属のカチオンを含有する化合物が特に好ましい。好ましい交換可能なカチオンは、Ca、Ce、Zn、Sr、La、Y、Al及びMgから選ばれるカチオンである。層状又は空間網構造を有し、そのような交換可能なカチオンを含有するケイ酸塩系の防食顔料が特に好ましい。この防食顔料としては、例えば、少なくとも一部が交換可能なカルシウムイオンを有するその塩の形態で存在する合成非結晶質ケイ酸塩がある。下記で特定される硬化された防食剤の所望の膜厚に対応するため、防食顔料の平均粒径(D50値、これは例えば光散乱法により測定されることができる。)は、0.5〜10μmの範囲、特に1〜4μmの範囲にある。
【0020】
成分c)として選択するべき有機重合体は、約50重量%の濃度の水溶液中において、pH範囲が1〜3、好ましくは1.5〜2.5、特に1.8〜2.2となる固有の特性を有する。このためには、水溶液中の当該有機重合体は、さらに酸を添加してそのpHを設定する必要無しに、当該重合体水溶液を上記記載範囲のpHにする酸反応基を有する必要がある。
【0021】
成分c)の存在により、本防食剤が硬化性になる。言い換えれば、金属表面上で本防食剤が確実に固化する。この固化は、水及び/又は溶媒の蒸発により、純粋に物理的に起こり得る(本プロセスは、「膜形成」として説明することができる。)。しかし、硬化は、少なくとも部分的に化学反応(「架橋」)に基づくことが好ましく、その化学反応の間、前記重合体又は共重合体c)のモル質量が増加する。こうした反応は、例えばC=C二重結合による重合反応、又は縮合反応による重合反応である。これらの反応は、加熱又は高エネルギー放射線(例:電子放射線、ガンマ放射線、紫外線若しくは光放射線)の影響により開始させることができる。本発明の関連において、加熱及び/又は水並びに/若しくは溶媒の蒸発によって硬化させることができる重合体又は共重合体が好ましく使用される。加熱は、熱媒体(例えば、予め加熱された基板若しくは熱風等)又は赤外線を使用して行うことができる。
【0022】
前記有機重合体又は共重合体c)は、簡単な手段でラジカル重合可能なエチレン系不飽和モノマーを含有する。
【0023】
例えば、以下のエチレン系不飽和モノマーを使用することができる。例としては、スチレン並びに[α]−メチルスチレン等のビニル芳香族モノマー、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸並びにイタコン酸におけるような好ましくは3〜6個の炭素原子を有する[α],[β]−モノエチレン系不飽和モノカルボン酸並びにジカルボン酸のエステル、及び、特にメチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル並びに2−エチルヘキシルアクリレート並びにメタクリレート、ジメチル若しくはジ−n−ブチルフマル酸塩並びにマレイン酸塩におけるような、一般に1〜12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルカノール、がある。
【0024】
さらに、複数のエチレン系不飽和二重結合を有するモノマーも使用されることができる。例としては、アルキレングリコールジアクリレート及びジメタクリレートがあり、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、さらにはジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレアート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジエニルアクリレート、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレートがある。
【0025】
前記有機重合体又は共重合体c)は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも一種類のモノマーを含有し、かつ好ましくは、エポキシド基、シラン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基及びリン酸エステル基から選択される少なくとも一種類の官能基を有する。
【0026】
特に好ましくは、それが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも二種類のモノマーを含有するように合成され、その場合アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも一種類のモノマーが含まれ、かつ該重合体は、エポキシド基、シラン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基及びリン酸エステル基から選択される少なくとも一種類の官能基を有する。
【0027】
リン酸基又はリン酸エステル基を含有する重合体又は共重合体が好ましく、そこでは、前記重合体においてリン酸基又はリン酸エステル基を含有するモノマーの比率は、特に、0.5〜4モル%の範囲、特に好ましくは1〜2モル%の範囲にある。
【0028】
リン酸基又はリン酸エステル基に加えて、エポキシド基、シラン基、カルボキシル基及びヒドロキシル基から選択される少なくとも一種類の追加的な基が、前記重合体又は共重合体に存在することが好ましい。前記重合体又は共重合体中のヒドロキシル基の含有量は、重合体1g当たり0.5〜3.5mgであってよい。特に好ましい重合体は、リン酸基又はリン酸エステル基、カルボキシル基及びヒドロキシル基を含有する。
【0029】
前記重合体又は共重合体は、さらに好ましくは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基又はリン酸エステル基に加えて、カルボン酸アミド基をさらに含有し、その場合、少なくとも一個のヒドロキシアルキル残基、好ましくは少なくとも一個のヒドロキシメチル残基が、前記カルボン酸アミド基のN原子に結合される。特に好ましい重合体は、リン酸基又はリン酸エステル基と共に、ヒドロキシル基並びにカルボキシル基の両方及び前述のカルボン酸アミド基とをさらに含有する。
【0030】
そのようなモノマーの例は、n−ヒドロキシエチル、n−ヒドロキシプロピル又はn−ヒドロキシブチルのアクリル酸並びにメタクリル酸等のメタクリル酸並びにアクリル酸の炭素原子数1〜8個のヒドロキシアルキルエステル及びn−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸グリシジル並びにヒドロキシアクリレート及びヒドロキシメタクリレートのリン酸エステル等の化合物である。
【0031】
前記重合体c)がシラン基を含有しない場合、キレート錯体を形成することができる有機化合物f)の添加が特に推奨される。
【0032】
本防食剤は、好ましくは、追加的成分e)としてリン酸塩イオンを含有する。これらのイオンは、リン酸の形態で及び/又はその塩の形態で含むことができる。リン酸を使用する場合、塩基性物質を添加して、本防食剤のpHを望ましい範囲に調整する必要があり得る。塩基性物質として以下に挙げる金属の酸化物又は炭酸塩を使用することができる。ただし、対応する金属イオンの存在が望ましい。リン酸塩イオンが含まれる形態に関わりなく、異なったプロトン化リン酸塩イオン種間に相応する平衡が、そのpHに応じ当該処理剤中に設定される。好ましい組成に関する下記に示す定量情報については、簡便性のために上記リン酸塩イオンがリン酸の形態で存在すると想定される。
【0033】
本発明に係る前記防食剤はさらに、追加的成分f)としてマンガンイオン及び/又はマグネシウムイオンを含有することができる。好ましくは、マンガンイオンを含有する。この場合、マンガンイオンに加えてマグネシウムイオンを含有させることができ、この方がより好ましい。これらの金属イオンは、好ましくは、これらの金属の酸化物、水酸化物又は炭酸塩とリン酸との反応によってリン酸塩として本防食剤に含まれる。したがって、リン酸が存在する場合、pHを望ましい範囲に調整するために、これらの酸化物、水酸化物又は炭酸塩を塩基性成分として作用させることができる。
【0034】
また、本発明に係る前記防食剤は、好ましくはさらに成分g)として、キレート錯体を形成することができる少なくとも一種類の有機化合物を含有する。キレート錯体を形成することができる有機化合物(分子又はイオン)は、例えばアミノアルキル類、特にアミノメチレンホスホン酸、ホスホノカルボン酸、ジェミナルジホスホン酸及びリン酸エステル並びにそれらの塩である。選択例は、ホスホノブタントリカルボン酸、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、(2−ヒドロキシエチル)アミノビス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、(2−エチルヘキシル)アミノビス(メチレンホスホン酸)、n−オクチルアミノビス(メチレンホスホン酸)、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ペンタエチレンヘキサミンオクタキス(メチレンホスホン酸)、N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミノヘキサキス(メチレンホスホン酸)である。
【0035】
より具体的な例が、ドイツ特許出願公開第10,2006,039,633号の段落[0014]に挙げられている。
【0036】
本防食剤は、さらに好ましくは、成分h)として、モリブデン酸イオン及び/又はタングステンイオンをさらに含有する。これらは、好ましくは、アンモニウム塩又はアルカリ塩として使用される。
【0037】
本防食剤は、さらに好ましくは、成分i)として、亜鉛イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、バナジウムイオン及び鉄イオンから選択された少なくとも一種類のカチオンをさらに含有する。ここでは本防食剤に溶解されるイオンを意味しているが、これらのイオンは、交換可能なカチオンとして防食顔料b)中で結合するイオンではない。上記で挙げられたマンガンイオン及び/又はマグネシウムイオンと同様に、これらのカチオンも、好ましくはリン酸塩として含まれる。この場合もまた、これらのイオンの酸化物、水酸化物又は炭酸塩とリン酸とを反応させて行うことができる。本防食剤は、好ましくは、特に亜鉛イオンを含有する。
【0038】
本防食剤は、さらに好ましくは、追加的成分j)として、鉄(II)イオン及びヒドロキシルアミン、ヒドロキシアンモニウム塩又はヒドロキシルアミン切断化合物から選択される少なくとも一種類の還元剤をさらに含有する。これは、本防食剤がマンガン(II)イオンを含有する場合、特に当てはまる。
【0039】
上記の定義によれば、本防食剤は、少なくとも成分a)、b)、c)及びd)を含有する。追加的任意の成分e)〜j)の各々が、本発明に係る当該防食剤の特性の範囲において、特定の特性を向上させる。したがって、特に好ましくは、本防食剤は、該任意成分e)〜j)の少なくとも一つ、好ましくは少なくとも二つ、特に少なくとも3つを含有する。例えば、本防食剤は、特に好ましくは、リン酸塩イオン及びマンガンイオン及び/又はマグネシウムイオンの両方を含有する。本防食剤は、さらに好ましくは、リン酸塩イオン及びキレート錯体を形成することができる少なくとも一種類の有機化合物を同時に含有する。一つのさらに好ましい実施形態では、本防食剤は、マンガンイオン並びに/又はマグネシウムイオン、及び亜鉛イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、バナジウムイオン並びに鉄イオンから選択された少なくとも一種類のカチオンをさらに含有する。もしマンガン(II)イオンが存在すれば、本防食剤は、好ましくは、還元剤i)をさらに含有する。
【0040】
一つのさらに好ましい実施形態において、本防食剤は、モリブデン酸イオン及び/又はタングステンイオンと共に、成分e)、f)、g)及びi)の少なくとも一つを含有する。
【0041】
一つの特に好ましい防食剤は、成分e)、f)、g)、h)及びi)の各々から少なくとも一つの代表的なものを含有する。
【0042】
本防食剤は、例えば塗料製造用の顔料ペーストの細砕のために知られているような、分散作用を有する添加剤をさらに含有することができる。
【0043】
本防食剤は、すぐに使用可能な状態で、好ましくは、防食剤全体に対して下記重量%の比率で前記成分を含有する。
水:25〜69.6重量%、
a)ヘキサフルオロチタン酸又はヘキサフルオロジルコン酸として計算されるチタン及び/又はジルコニウムのフルオロ錯イオン:合計で0.3〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%、
b)防食顔料:合計で5〜25重量%、好ましくは合計で10〜20重量%、
c)前記特定pH範囲で水溶性又は水分散性であり、それ自体は50重量%の含有量の水溶液中において1〜3のpH範囲を有する有機重合体:25〜50重量%、好ましくは30〜40重量%、
d)アシル化ポリビニルアミン:合計で0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%、
e)リン酸として計算されるリン酸塩イオン:0〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%、
f)マンガンイオン及び/又はマグネシウムイオン:合計で0〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、
g)キレート錯体を形成することができる有機化合物:合計で0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、
h)アンモニウム塩として計算されるモリブデン酸イオン及び/又はタングステンイオン:合計で0〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、
i)亜鉛イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、バナジウムイオン及び鉄イオンから選択されたカチオン:合計で0〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、
j)鉄(II)イオン及びヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアンモニウム塩又はヒドロキシルアミン切断化合物から選択される還元剤:合計で0〜0.1重量%、好ましくは0.005〜0.05重量%。
【0044】
これらの成分に加えて、さらに活性物質又は補助物質、例えば、前述した追加的重合体類及び/若しくは分散作用を有する添加剤類を含有することができる。それら個々の成分の比率は、当然ながら、それらが100%に加えるように選択されるべきである。これは、前述の成分a)〜j)に加えて追加成分が含有される場合にも当てはまる。一つの好ましい実施形態において、本防食剤は、成分a)〜d)及び成分e)〜j)の一個以上と共に水をもっぱら含有し、必要に応じて、前述の追加的重合体並びに添加剤によって補足される。ここで留意すべきことは、前記特定イオン成分に対応する対イオンが存在しなければならないことである。例えば、モリブデン酸イオン及び/又はタングステンイオンは、好ましくはアンモニウム塩若しくはアルカリ金属塩として使用される。しかし、総合的に見て、本防食剤は、好ましくは、アニオンとして存在する前記フルオロ錯体a)、前記防食顔料b)中並びに前記重合体又は共重合体c)並びにd)中のアニオン基、リン酸塩イオンe)及び、任意として、キレート錯体を形成することができる前記有機化合物g)のアニオン以外には、追加のアニオンを含有しない。この条件によれば、本防食剤を塗布して硬化後、水に溶け易く防食作用を弱める塩が、被覆中に確実に残らない。
【0045】
特に、本発明に係る当該防食剤は、加熱処理状態下で揮発性であり、揮発性有機炭素(VOC)として大気中に放出される有機溶媒等の有機化合物を、最小可能量含有すべきである。したがって、本防食剤は、大気圧下で150℃以下の沸点を有する有機化合物を5重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に0.5重量%以下含有することが好ましい。
【0046】
広範な適用性、製造速度及びエネルギー消費という理由から、本防食剤を塗布した金属基板は、150℃以下の温度で硬化させることが望ましい。したがって、好ましくは、前記有機重合体又は共重合体c)は、150℃以下、好ましくは100℃以下の温度で、60秒以内に、好ましくは30秒以内に硬化可能な特性を有する。前述の温度は、本防食剤を塗布された金属基板の基板温度である。
【0047】
更なる特徴として、本発明はまた、好ましくは可動する金属ストリップ上に未乾燥膜厚で0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmの範囲の厚さを有する層が金属ストリップの加熱による硬化で得られるように、本発明に係る硬化性防食剤で金属ストリップを被覆するための方法に関する。この目的のために、最長60秒間、好ましくは最長30秒間に最大150℃、好ましくは最大100℃のストリップ温度が推奨される。
【0048】
金属基板上における本発明に係る本防食剤の硬化により、それ自体で、密着し易く防食性のあるトップコートになる。当該トップコートは、本発明に係る本防食剤の成分d)による表面的に結合したビニルアミンの重合体又は共重合体系の有機塗料系による追加的被覆用として、特にポリウレタン樹脂及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系の塗料系にとってとりわけ好適である。
【0049】
本発明による上記方法は、したがって、本発明に係る硬化された防食剤上におけるポリウレタン樹脂及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系有機結合剤系を含有する追加的被覆剤の塗布及び当該被覆剤の硬化をも特に包含する。追加的な多量の有機トップコートの塗布は、最初、浸食性の化合物又は媒体に対するバリア効果を向上させることで、金属基板の防食性を高める働きをする。加えて、トップコートは、摩耗抵抗を向上させると共に、顔料の添加により、例えば金属基板表面の光学被覆又は着色塗料仕上げ等の装飾目的を果たす。様々な被覆剤で強化される被覆全体の永続的な安定性を得るための前提条件は、硬化された被覆剤相互の密着性及び金属基板に対する境界面への密着性が優れていることである。本発明に係る上記方法によれば、これらの特性及び前記有機トップコート並びに結合剤系相互間の適合性が満たされ、その場合、既述のようにポリウレタン樹脂系及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系の結合剤を、本発明に係る硬化された防食剤上の第二の被覆とすることが好ましい。
【0050】
本発明の金属基板に被覆するための前記方法は、好ましくは、亜鉛又は亜鉛合金のストリップ、鉄又は鉄合金のストリップ、アルミニウム又はアルミニウム合金のストリップ、及び亜鉛若しくは亜鉛合金又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金で被覆された鋼ストリップから選択される金属ストリップに使用されることができる。亜鉛又は亜鉛合金から、及び亜鉛又は亜鉛合金で被覆された鋼ストリップから選択されるストリップの第一の被覆が、金属基板への密着性が僅かにより向上するため、特に好ましい。
【0051】
本発明はさらに、本発明に係る方法で製造される金属ストリップ又はそれから切り取られた任意に成形可能な金属シートを包含する。このような金属ストリップは、好ましくは、本発明に係る防食剤により硬化された被覆に加え、ポリウレタン樹脂系及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系結合剤系含有の被覆剤を用いて硬化された第二の被覆を有する。
【実施例】
【0052】
本発明に係る硬化性防食剤を、以下に例として示すと共に、ポリウレタン樹脂系又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系結合剤系含有の被覆剤を用いた第二の被覆を提供する本発明に係る方法において、それら防食剤の使用を説明する。それらの密着性に関する被覆系の性能を沸騰試験で実証し、従来技術由来の比較被覆系と比較する。
【0053】
【表1】

【0054】
表1は、ドイツ特許出願公開第10,2006,039,633号に開示されている水性防食剤を基にした基本組成を示す。本発明に係る防食剤は、対応する諸量の部分的にホルミル化されたポリビニルアミンを添加することにより、この基本組成から調製された。
【0055】
【表2】

【0056】
表2は、塗料密着性に関して試験された、様々な重合体添加物の5重量%比率を含有する表1による組成の概要を含む。
【0057】
亜鉛メッキ鋼シート(HDG、溶融亜鉛メッキ)を、先ず、アルカリクリーナー(リドリン(登録商標)1340、ヘンケル社(Henkel AG&Co.KGaA))で脱脂後、脱イオン水(κ<1μScm−1)で水洗し、次に、表2による様々な重合体添加物を含有する表1の防食剤を、5μmに規定された未乾燥膜厚にヘラ付け塗りし、70℃の温度で5分間乾燥させた。該防食剤が乾燥した時点で、ポリウレタン系塗料系(PE Outdoor BeckryPol,Becker Industrielack GmBH)を約30μmの未乾燥膜厚で、第一の被覆で被覆した金属ストリップに塗布し、232℃のストリップ温度で硬化させた。
【0058】
煮沸試験で、特に重合体添加物として高モル質量を有するポリビニルアミンを含有する防食剤(E1,E3〜E5:>10,000g/モル)が、基本処方C1と比較すると、ポリウレタン樹脂系の有機トップコートに対する密着性向上に極めて好適であり、そこで、同様に高度のアシル化(E3,E4:>70%)は特に有利であることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板への第一の被覆用の非クロム硬化性防食剤であって、
1〜3のpH範囲を有し、
水と、
a)チタン及び/又はジルコニウムのフルオロ錯イオンと、
b)少なくとも一種類の防食顔料と、
c)前記特定のpH範囲で水溶性若しくは水分散性であり、それ自体は50重量%の濃度の水溶液中で1〜3のpH範囲を有する少なくとも一種類の有機重合体又は共重合体と、を含有し、
d)成分c)に相当する有機重合体又は共重合体ではなく、かつ一般構造式(I)の少なくとも一個の単位を有する、少なくとも一種類のビニルアミン有機重合体又は共重合体をさらに含有し:
[化1]

式中、残基R及びRが、互いに独立して、水素及び/又は炭素原子6個以下を有するアルキル基から選択される、
非クロム硬化性防食剤。
【請求項2】
成分d)として、前記一般構造式(I)の少なくとも一個の単位を有する少なくとも一種類のビニルアミン有機重合体又は共重合体を含有し、前記式中、残基Rは水素又はメチル基から選択され、残基Rは水素原子であり、前記一般構造式(I)の全単位が好ましくはこのように置換される、請求項1に記載の防食剤。
【請求項3】
成分d)として、アミノ基が少なくとも部分的にアシル化された、好ましくは少なくとも部分的にホルミル化されたポリビニルアミンを含有する、前記請求項の一項又は両項に記載の防食剤。
【請求項4】
アミノ基が少なくとも部分的にアシル化された成分d)の前記ポリビニルアミンの分子量は、10,000g/モルより大きく、好ましくは100,000g/モルより大きく、しかし1,000,000g/モル以下、好ましくは500,000g/モル以下である、請求項3に記載の防食剤。
【請求項5】
成分d)の前記ポリビニルアミンのアシル化度は、50%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である、前記請求項3及び4の一項又は両項に記載の防食剤。
【請求項6】
成分c)の前記水溶性若しくは水分散性の有機重合体又は共重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのモノマーの一種類以上から合成され、かつ少なくとも一種類の官能基が、エポキシド基、シラン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基及びリン酸エステル基から選択される、前記請求項の一項以上に記載の防食剤。
【請求項7】
成分c)の前記水溶性若しくは水分散性の有機重合体又は共重合体は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも一種類のモノマーを含有する、請求項6に記載の防食剤。
【請求項8】
成分c)の前記重合体又は共重合体におけるリン酸基若しくはリン酸エステル基を有するモノマーの比率が、0.5〜4モル%の範囲、好ましくは1〜2モル%の範囲にある、前記請求項6及び7の一項又は両項に記載の防食剤。
【請求項9】
すぐに使用可能な状態で、防食剤全体に対して以下の重量%比率で成分を含有する、前記請求項の一項以上に記載の防食剤:
水:25〜69.6重量%、
a)ヘキサフルオロチタン酸若しくはヘキサフルオロジルコン酸として計算されるチタン及び/又はジルコニウムのフルオロ錯イオン:合計で0.3〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%、
b)防食顔料:合計で5〜25重量%、好ましくは合計で10〜20重量%、
c)前記特定のpH範囲で水溶性又は水分散性であり、それ自体は50重量%の含有量の水溶液中において1〜3のpH範囲を有する有機重合体:25〜50重量%、好ましくは30〜40重量%、
d)アシル化ポリビニルアミン:合計で0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%、
e)リン酸として計算されるリン酸塩イオン:0〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%、
f)マンガンイオン及び/又はマグネシウムイオン:合計で0〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、
g)キレート錯体を形成することができる有機化合物:合計で0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、
h)アンモニウム塩として計算されるモリブデン酸イオン及び/又はタングステンイオン:合計で0〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、
i)亜鉛イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、バナジウムイオン及び鉄イオンから選択されるカチオン:合計で0〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、
j)鉄(II)イオン及びヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアンモニウム塩又はヒドロキシルアミン切断化合物から選択される還元剤:合計で0〜0.1重量%、好ましくは0.005〜0.05重量%。
【請求項10】
大気圧下で最高150℃の沸点を有する有機化合物を5重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に0.5重量%以下含有する、前記請求項の一項以上に記載の防食剤。
【請求項11】
金属ストリップの被覆方法であって、請求項1〜14の一項以上に記載の防食剤を脱脂及び洗浄した金属ストリップと接触させ、該金属ストリップ上で前記防食剤を硬化させ、0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmの範囲の膜厚が得られるようにする、被覆方法。
【請求項12】
前記防食剤の硬化後、ポリウレタン樹脂系及び/又はイソシアネート並びにジオール若しくはポリオール系の有機結合剤系を含有する追加的被覆剤を塗布して硬化させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記金属ストリップは、亜鉛又は亜鉛合金、鉄又は鉄合金、アルミニウム又はアルミニウム合金のストリップ、及び亜鉛若しくは亜鉛合金又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金で被覆された綱ストリップから選択される、請求項11及び12の一項又は両項に記載の方法。
【請求項14】
請求項11〜13の一項以上に従って作製された被覆を有する、被覆金属ストリップ又はそれから切り取られた任意に成形可能な金属シート。

【公表番号】特表2012−506953(P2012−506953A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533642(P2011−533642)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061567
【国際公開番号】WO2010/049198
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000229597)日本パーカライジング株式会社 (198)
【Fターム(参考)】