説明

重荷物昇降補助装置。

【課題】日常の生活空間或いは活動空間に行動用補助具を常装備し老化による気付かぬ筋力の衰えをカバーする移動用補助装置を提供する。
【解決手段】移動用補助装置は下方滑車1、情報滑車4、索道3を有し、利用者は利き手で握り棒2−1とロック機構8を握り、体重をかけながら階段を上がると、握り棒は2−1から利用者本人と共に上方向へ移動する。その間分銅5−1は引っ張り役の作用を果たし5−1の位置から下方へ楽に移動できる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
近年わが国は国家予算の半分以上を毎年借金で補填しながら既に数十年が経過した。今年は政権も変り公共の施設整備の予算も厳しくなるであろうが、高齢化社会は今や急速に迫っており、公共の場におけるバリアーフリーの整備は喫緊の問題であるにもかかわらず現状以上の大幅な改善は今後も余り期待できない時代に突入した。本提案は各家庭のみならずこれ等公共の場における階段その他において歩行の補助装置を安価で整備できる技術を提案する。
【背景技術】
【0002】
人間は老化すると歩行はもとより体全体が思った通りに敏速には動かない。無理をすればその分、体のどこかに異常や弊害が起る。過っては駆け足であがれた階段も思ったように脚が付いて来ない。若い時に比較し両脚が体重を支える力が衰えている為である。無理をすれば事故さえ招きかねない。若いときには自在に走れた屋外で、自信を持っていた参加した徒競走も足がもつれ転倒さえ招きかねない。高齢者の女性でよく乳母車や、乳幼児用の手押し車などを杖代わりにして歩行する人を見かける。これ等は疲労の予防とともに歩行の補助具として強い味方である。本考案はこれ等のように現代の環境に相応しい補助具となる技術を提案するもので、家庭のみならず公共の施設や公共の場における階段には階段向けの、或いは平地では平地向けのバリアーフリーの補助具を提案するものである。本人の意識として実感が無くても人間は老化ともに実質的に体重は次第に軽くなっていくが本人の実感では体全体が重くなり頭で考えた通りには動かない。その原因の一つに筋力の衰えがある。かっては走りながらでも上がれた二階の階段も老化すると、手すりは単なる補助具のみならず安全面でも必要不可欠の備品となる。人体では頭の部分が特に重い。それだけに老化によって筋力が衰えると通常の歩行時でも足の筋力が思った通り高さに上がらない為、突然転んで思わぬ災害を招く。これ等は屋外に限らず日常の家庭内でさえ何時も可能性のある事柄である。これらは、足や腕の筋力が若いときに比較し老化とともに衰えていることにも大きな原因がある。足は身体を支える筋力であり跳ねる筋力であるが、腕は握る力や引き寄せる筋力である。本発明はこれら衰えた筋力に替わり、他の重量物の荷重と地球が持つ天然の重力とを利用し、その分行動が楽にできる技術を提案するものである。先願を見ても例えば登録実用新案第3102530レール式手摺昇降機や登録実用新案第3096142軽量物階段昇降機などがあるがいずれも原動機など他の動力を利用したものであり、本発明とは思想を根本的に異にするものである。
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3102530レール式手摺昇降機
【特許文献2】登録実用新案第3096142軽量物階段昇降機
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昔から老化は足からという。人間が二足歩行をとり始めて以来、二本の足で人体を支えることが可能となった為、その分両手が自由となり、指の運動は発想の元である頭脳を刺激し考えるという他の動物とは大きな違いが生じたが、それでも人間は必ず老化し、老化すると筋力が衰える。衰えるだけなら良いが筋力の衰えは瞬発力をなくし、脳で考えた様には体が自在に動かない。人は一定の年齢を過ぎると筋力も判断力も次第に衰えるが、本人は何時までも若い頃の元気で瞬発力がある気でいる為、そこで間違いや錯覚による事故が発生する。いつの間にか子供の方が腕力も強くなっており、叱った心算が子供の反発により事件に発展する場合や、子供の判断が一般的に世間に通用する場合が次第に多くなってくる。そういった経過の中に老いを感じ、老化に従って社会生活では次第に子供たちの判断に任せる場合が多くなってくる。しかし日常の身辺回りの生活に限っては健常者であればやはり自分の事は自分がしなければならない。
【0005】
人間の健康には脚力の維持が重要である。歩けば体全体を使うし視界も聴力を始め変化する周りの環境は脳を刷新し新たな情報を入手し脳も活性化する。しかし出歩けば道路の段差は付き物であり外出してもほとんどの建造物には階段がつきものである。高層建造物ならエレベーターやエスカレーターが備わっているが、通常の買い物や会合などはほとんど低層階での所要が多い。これら日常の行動中、老化による筋力の衰えは思わぬ踏み外しを招き一寸した事故が一生寝たきりを招く事が最近特に多い。あるいは出張や里帰りには乗り物の乗り降りや駅舎階段の上り下りは必然である。これ等の場合単独行動が多く一寸した足のもつれやつまずきや、スリップが思わぬ事故を招く。高齢化社会での一人一人の健康はひいては国家財政の健全化にも繋がる。本発明は日常の生活空間或いは活動空間に行動用補助具を常装備し老化による気付かぬ筋力の衰えをカバーする治具を提供するものである。高齢化社会での日常の行動が思わぬ事故を招き場合によっては死をも招きかねない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は上記目的を達成する手段として屋外の建造物や登坂物はもとより一般建造物内での特に落差のある部分に手で簡単に頼れる安全な冶具を常設の装備として提供するものであり、その詳細は上下双方或いは進行方向前後双方に、回転軸を中心として回転する滑車を配置し、その上下両滑車間に縦方向の往復索道線を環状に張り、或いは進行方向前後双方に進行方向の往復索道線を環状に張り、上下利用の場合は一方の索道ラインは昇降用重荷物の専用とし、往復環状で連結する他方の索道ラインには重量体の分銅を固定し、その重量分銅の重心力によって他方の昇降用重荷物の上下昇降を誘導すると共に、両索道線には上下それぞれの重量物のブレ防止用ガイドを装備することにより垂れ下がりのない重力利用による昇降補助装置を提供することが出来る。一方進行方向前後双方に平行的な往復索道線を環状に張った場合、終点側滑車には引っ張り用の垂直型上下荷重物を別途に取り付ける事によりその荷重に引っ張りにより歩行者の歩行を補助する事が出来る。丁度平面上に配置された自動歩道の歩道側は自力で歩くもテスリ部のみが歩行を誘導する形状である。
【0007】
又本装置を重量物の上げ下げ或いは搬送に利用しても良い。エレベーターやエスカレーターは便利であるが設備としては高額の出費を伴う。特に後付けとなると大変であるが本考案の装置であればビルでも駅舎でも一般家屋でも自然界でも常設備として或いは部品として取り付けが容易であるばかりか、対象物が重量物であっても強度面など容易に適応可能であり、装置の商品としての見栄えには全体を美的カバーで覆えばカバー表面を広告欄に利用した場合駅舎の階段などでは多くの人の目に留まり広告価値も生まれる。又カバーを竹材などそれぞれの地域特産品を使用すれば地域お輿にもなるし地方の活性化にも役立つ。又屋外での索道線は丈夫ロープやワイヤーなどが好ましいが、素材としての材料はカーボン繊維や、ステン、アルミ材或いは植物性材など、要は強度が有り屋外或いは屋内その他装飾を必要とする場所などそれぞれ周囲の環境に合わせた仕上げにすれば良く本技術原理は登山等のアウトドアはもとより大型製品まで幅広く応用可能である。
【発明の効果】
【0008】
特に後付け可能な本考案により新建築物は勿論、駅舎の階段などにユニット部品としての安全冶具を各所に取り付けることにより、お年寄りでも一人で安心して外出できるようになり、工事そのものもほとんど経験なくても日曜大工で可能であり、既製品ユニットを仕入れれば後付け工事でも素人でも施工が容易であり、新築ブームも去って何かと不景気風の多い建築業界も、駅舎の渡り廊下の階段や各種施設などの二階建あるいは三階建ての改造も比較的容易で取り付けが可能である。尚引っ張り力用の分銅の取り付け位置は見えない位置に吊り下げてもよい。要は取り付けやメンテナンスが可能であれば見えない箇所の方がよい。
【実施例1】
【0009】
本発明を図1で説明すると、図1は本発明の重荷物昇降補助装置正面概要図であり、利用者は利き手で握り棒2−1とロック機構8を握り、体重をかけながら階段を上がると、握り棒は2−1から利用者本人と共に2−2へ移動する。その間分銅5−1は引っ張り役の作用を果たし5−1の位置から5−2へ楽に移動できる。ロック機構8と握り棒2−1を掴むとロックがはずれ分銅重力の働きで自重により5−1の位置から5−2へ移動しその分身体が引き揚げられ、老化した場合は筋力も衰えているが分銅の作用で階段上りも楽になり特に障害者の場合、介護者にとって動作の変化には初動時大変なエネルギーを必要とするが手で確り握る事さえ出来れば、手助けとなり介護者にとっては助手的機能として役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0010】
間もなくわが国は高齢者社会に突入する。高齢化社会を迎えることによって国民並びに政府が最も心配する事は医療費の問題であるが、高齢化社会を迎えても健康であれば全く心配は要らないのである。本装置を取り付け、手足を確り使うことは日常生活を元気に過ごすこととなり内蔵を刺激し肥満を防ぎ、健康な老後が維持できれば市場は限りなく期待でき本装置を基本に様々な周辺機器を生み出し市場は活性化し高齢化社会に相応しい産業が派生する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の重荷物昇降補助装置の昇る寸前の側面全体概要図の分銅一例である。
【図2】図2は本発明の重荷物昇降補助装置の昇る寸前の側面全体概要図の分銅二例である。
【図3】図3は本発明の重荷物昇降補助装置で上部に上りきった側面全体概要図である。
【図4】図4は本発明の重荷物昇降補助装置の平面歩行誘導手すりとしてスタート寸前の側面全体概要図である。
【図5】図5は本発明の重荷物昇降補助装置の平面歩行誘導手すりとして終点に到着した側面全体概要図である。この場合、」巻き戻し機構が内蔵するスプリングの張力は分銅5の引っ張り力より弱い。
【図6】図6は本発明の重荷物昇降補助装置の全体上面概要図である。
【図7】図7は本発明の重荷物昇降補助装置の横棒型握りを持ち、階段を上る状態の全体上面概要図である
【図8】図8は本発明の重荷物昇降補助装置の横棒型握りを持ち、階段を上る状態の全体側面概要図である。
【符号の説明】
【0012】
1、 下方滑車
2−1、握り棒の下部位置
2−2、握り棒の上部位置
3、 索道
4、 上方滑車
5−1、分銅の上部位置(スタート位置)
5−2、分銅の下部位置(誘導終点)
6、 バスタブ
7、 索道を平面歩行誘導手すりとした場合
8、 巻き戻し機構
9、 手動用引き綱
10、 緩衝スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の距離間隔を保つ上下或いは傾斜方向若しくは左右双方に回転軸を中心として回転する滑車若しくは類する回転体を配置し、該両滑車若しくは類する該回転体間の上面若しくは下部面に可動式索道を張り、進行方向側の該滑車若しくは該回転体側端末には荷重差を元として発生する引っ張り力を持つ分銅を取り付け、該滑車若しくは該回転体と分銅間には、上方先端若しくは進行方向先端に取り付けた滑車若しくは回転体でユーターンさせることによって、該分銅荷重の自重を引っ張り力に変換し、索道線上の重荷物移動もしくは歩行者移動を補助する重荷物移動用補助装置。
【請求項2】
浴槽内の出入用や、寝具での寝起き用や、航空機その他乗り物等への昇降用や、駅舎その他の建造物の昇降用設備や電柱などの柱類、或いはスキー場や雪山や登山道や街中の急坂等の昇降用補助具として装備された請求項1に記載の重荷物移動用補助装置。
【請求項3】
分銅の位置を定位置又は指定位置に復元する機能、若しくは復元用の引っ張り紐或いは引っ張り紐に類する機能を備えた請求項1若しくは請求項2に記載の重荷物移動用補助装置。
【請求項4】
防災や事故防止用に取り付けた該重荷物移動用補助装置の専用カバー外面を広告掲載機能付きとした請求項1及び請求項2並びに請求項3に記載の重荷物移動用補助装置。
【請求項5】
一方の滑車回転体に補助的に電動モーターを取り付けた請求項1及び請求項2並びに請求項3に記載の重荷物移動用補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−105513(P2011−105513A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276970(P2009−276970)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(591273672)株式会社テラボンド (42)
【Fターム(参考)】