説明

重送検知装置、画像形成装置、及び重送検知プログラム

【課題】重送の検出精度を向上させる。
【解決手段】画像形成装置が、超音波を発信する発信センサ203と、超音波を受信し、受信した超音波を示した信号を出力する受信センサ204と、受信センサ204により出力された前記信号に対して複数回の増幅を行う増幅回路205と、複数回増幅された信号に基づいて、発信センサ203と受信センサ204との間で、用紙が重送されているか否かを判定する重送判定部211と、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙が存在しない時に、発信センサ203により発信された超音波を受信センサ204が受信した場合に、増幅回路205により複数回行われる増幅の途中の信号に基づいて、増幅回路205の増幅率を調整する調整部212と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重送検知装置、画像形成装置、及び重送検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷機、ATM、又は自動改札機などのシート状の物体(以下、シートと称す)を搬送する装置では、シートが複数枚重なって送られる(以下、重送と称す)と不都合が生じる場合がある。このため、これらの装置では、シートの重送を検知する機構が設けられている。重送を検知する機構としては、光の透過を用いる機構や、超音波の透過を用いる機構が知られている。特に、超音波の透過を用いた機構は、構造が単純で寿命も長いため、よく使用される傾向にある。
【0003】
ところで、従来の超音波の透過を用いた機構では、超音波を受信する受信センサそのものに感度ばらつきが存在している。このため、受信センサから出力された信号を増幅回路で増幅した後の出力信号レベルがばらつくため、重送を誤検知する可能性があった。
【0004】
このような重送の誤検知の問題を解決するために、例えば特許文献1に示す技術が提案されている。この特許文献1には、搬送しているシートを一時停止させて重送検知用の超音波を発信した場合に、当該超音波を受信した受信センサから出力され、増幅回路で増幅された後の出力信号を用いて、重送検知機構の調整を行うことが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、重送検知機構の調整のためのシートの搬送時に重送が発生した場合に、適切な調整を行うことができないという問題が生じていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、超音波で重送を検知するために適切な調整を行う重送検知装置、画像形成装置、及び重送検知プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる重送検知装置は、超音波を発信する超音波発信手段と、前記超音波を受信し、受信した前記超音波を示した信号を出力する超音波受信手段と、前記超音波受信手段により出力された前記信号に対して複数回の増幅を行う増幅手段と、前記増幅手段により前記複数回増幅された後の前記信号に基づいて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間で、記録紙が重送されているか否かを判定する重送判定手段と、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に記録紙が存在しない時に、前記超音波発信手段により発信された前記超音波を前記超音波受信手段が受信した場合に、前記増幅手段により前記複数回行われる増幅の途中の前記信号に基づいて、前記増幅手段の増幅率を調整する調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる画像形成装置は、上述した重送検知装置の構成を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる重送検知プログラムは、超音波を発信する超音波発信手段と、前記超音波を受信し、受信した前記超音波を示した信号を出力する超音波受信手段と、前記超音波受信手段により出力された前記信号に対して複数回の増幅を行う増幅手段と、を備えたコンピュータに対して、前記増幅手段により前記複数回増幅された後の前記信号に基づいて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間で、記録紙が重送されているか否かを判定する重送判定ステップと、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に記録紙が存在しない時に、前記超音波発信手段により発信された前記超音波を前記超音波受信手段が受信した場合に、前記増幅手段により前記複数回行われる増幅の途中の前記信号に基づいて、前記増幅手段の増幅率を調整する調整ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、重送の検出精度を向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態にかかる、超音波を用いた重送検知装置が組み込まれた画像形成装置の構成を示した図である。
【図2】図2は、超音波重送検知部の概略を示した図である。
【図3】図3は、超音波重送検知部の受信部及びCPUの構成を示した図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかる画像形成装置における、印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施の形態にかかる画像形成装置における、印刷処理中に行われる増幅率調整処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施の形態にかかる画像形成装置における、印刷処理中に行われるジョブ保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本実施の形態にかかる画像形成装置のジョブ実行時の、超音波重送検知部における重送の検知処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる重送検知装置、画像形成装置、及び重送検知プログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、実施の形態にかかる、超音波を用いた重送検知装置が組み込まれた画像形成装置の構成を示した図である。図1に示すように、画像形成装置100は、作像部101と、書込部102と、トナー補給部103と、転写搬送部104と、給紙部105と、レジスト部106と、定着部107と、反転排紙両面部108と、デカーラ部109と、トナー回収部110と、操作部111と、パージトレイ112と、を備えている。
【0014】
画像形成装置100が、印刷データを受け付けた場合に、書込部102が、作像部101に対してレーザ光を照射することで、感光体上に潜像が作られる。そして、トナー補給部103が、予め作像部101に補給されていたYMCK各色のトナーによって、作られた潜像に対する現像を行う。そして、YMCK各色のトナー像が、転写搬送部104の転写ベルトに重ねあわされて転写される。次いで、転写されたYMCK全色のトナー像が、給紙部105からフィードされた後、レジスト部106でレジスト補正され且つ搬送されてきた記録用紙へと転写される。
【0015】
そして、定着部107が、熱及び圧力により、記録用紙に対して、転写されたトナー像を定着させる。そして、反転排紙両面部108は、前記記録用紙について、画像面を上側で排紙する場合にはそのまま、画像面を下側にして排紙する場合には反転した後、デカーラ部109が記録用紙のカールを矯正する。そして、記録用紙は、画像形成装置100の機外へと排出される。一方、記録用紙に対して両面印刷を行う場合、記録用紙の第一面にトナー像を定着させた後、反転排紙両面部108を経て、記録用紙の第二面に対する作像が再び行われる。また、転写ベルト上や感光体上などで転写しきれなかったトナーは、トナー回収部110に回収される。
【0016】
ところで、給紙部105から複数枚重なった記録用紙が送られてくる可能性がある。このように、記録用紙が複数毎重なって送られてきた(以下、重送と称す)場合、上述した処理で記録用紙に対する作像が行われると、画像形成装置100から排紙された記録用紙に、意図しない白紙あるいは白いページが混在することになる。そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、レジスト部106に超音波重送検知部113を備えることとした。そして、超音波重送検知部113が、重送の発生を検出し、意図しない白紙あるいは白いページが混在して排出されることを抑止する。
【0017】
超音波重送検知部113が重送の発生を検知した場合、例えば、画像形成装置100が記録用紙の搬送を停止し、操作部111が、操作部111内の(図示しない)表示パネルに重送が発生した旨を表示し、ユーザに重送を抑止するための処理を促す。また、画像形成装置100による処理が停止することを嫌う場合、超音波重送検知部113が重送の発生を検知した時に、画像形成装置100は、ユーザに対して処理を促さずに、そのまま通紙して本来の排紙先とは別の排紙先であるパージトレイ112に排紙してもよい。
【0018】
次に、超音波重送検知部113について説明する。図2は、超音波重送検知部113の概略を示した図である。図2に示すように超音波重送検知部113は、CPU201と、駆動回路202と、発信センサ203と、受信センサ204と、増幅回路205と、増幅率調整回路206と、波形整形回路207と、を備えている。
【0019】
CPU201は、超音波重送検知部113全体を制御する。また、CPU201は、図示しないROMに格納された超音波重送検出プログラムを読み込むことで、ソフトウェア構成として、重送判定部211と、調整部212と、を実現する。
【0020】
また、CPU201は、読み込まれた超音波重送検出プログラムに従って、超音波センサの共振周波数に等しいパルスを生成し、駆動回路202を制御する。
【0021】
駆動回路202は、CPU201からの制御に従って、実駆動電圧の駆動信号を発信センサ203に印加する。これにより、発信センサ203を駆動させる。
【0022】
発信センサ203は、駆動回路202からの実駆動電圧の駆動信号に基づく超音波を発信する。
【0023】
受信センサ204は、超音波を受信し、受信した超音波の信号を、増幅回路205に出力する。
【0024】
なお、発信センサ203のように、重送検知に用いられる超音波センサは、指向性が鋭いものが多く用いられる。そして、発信センサ203は、超音波を用紙261に対してスポット状に照射する。そして、超音波が照射された用紙261上の部分は、徐々に振動し出し、ある程度時間が経つと定常振動状態262になる。その振動を介して、超音波が用紙の反対側へと副次的に放射される。この副次的に放射された超音波を、受信センサ204が、用紙261の反対側で受信する。
【0025】
しかしながら、紙は、空気に比べて超音波を伝えやすいとは言えず、受信センサ204が受信する超音波の信号レベルが大きく減衰している。用紙が2枚重なっている場合では、さらに大きく減衰している。本実施の形態にかかる超音波重送検知部113は、当該原理を用いて、用紙の重送を検知する。
【0026】
増幅回路205が、受信センサ204から出力された超音波の信号を、電気回路で処理できる出力レベルにまで増幅する。本実施の形態にかかる増幅回路205は、当該超音波の信号に対して複数回の増幅を行う。これにより、増幅回路205による増幅率は、数千倍から数万倍、場合によっては数十万倍にも達する。
【0027】
増幅率調整回路206は、増幅回路205が超音波の信号の出力レベルを増幅させる増幅率を調整する回路とする。この増幅率は、調整部212によって調整される。
【0028】
波形整形回路207は、CPU201で認識しやすいよう、増幅回路205により増幅された超音波の信号の波形を整形する。波形が整形された後、超音波の信号は、CPU201に出力される。
【0029】
そして、CPU201上で実現されている重送判定部211は、波形整形回路207で波形が整形された超音波の信号に基づいて、発信センサ203と受信センサ204との間で、用紙が重送されているか否かを判定する。本実施の形態にかかる重送判定部211は、超音波の信号における出力レベルと、重送を検出するために予め定められた基準値と、を比較し、用紙の重送を検出する。
【0030】
本実施の形態においては、受信センサ204と、増幅回路205と、増幅率調整回路206と、波形整形回路207と、を含む構成を、超音波の受信を行う機構として、受信機構250とする。
【0031】
上述したように、増幅回路205の増幅率は非常に大きくなるため、用紙搬送に伴うノイズの影響が無視できないものになる。
【0032】
従来は、ノイズの影響を小さくするために、増幅率を低く抑えるか、用紙が静止している状態で測定する手法が用いられていた。この用紙を静止させて測定する手法を用いた場合、ノイズは無視できるが、測定の度に用紙を停止させる必要があるため、印刷物の生産性が低下していた。一方、増幅率を低く抑えればノイズの影響は小さくなるが、同時に超音波の信号の出力レベルも低下するという問題がある。
【0033】
ところで、重送の検知に用いる超音波センサは、感度の高いものから低いものまで、ある程度の範囲でばらつきがある。このため、感度が低いセンサが取り付けられた場合、超音波の信号の出力レベルがさらに小さくなる。超音波の信号の出力レベルがさらに小さくなると、超音波を通しやすい用紙では重送の判別ができるが、超音波を通しにくい用紙では重送かどうかの判別ができない、という問題が生じる。このため、市場で使用されるさまざまな用紙に対応するためには、受信センサの受信レベルをある一定以上確保する必要がある。
【0034】
このように、受信センサの受信レベルをある一定以上確保した場合でも、従来の超音波による重送の検出方式では、発信センサそのものに感度ばらつきが存在するため、超音波の信号の出力レベルがばらつき、重送を誤検知してしまう恐れがある。このため、印刷に使用する用紙を用いて、受信センサから出力される信号の増幅率を調節して、当該信号が目標レベルに収まるよう調整するが、ジョブ中に実際に給紙トレイから給紙しつつ調整を行うため、調整動作中の重送が発生した場合に対応できないという問題が生じていた。そこで、本実施の形態においては、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙が存在しない状態で、増幅回路205の増幅率を調整することとした。
【0035】
調整部212は、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙が存在しない時に、発信センサ203により発信された超音波を受信センサ204が受信した場合に、受信センサ204から出力された信号を、増幅回路205が複数回行う増幅の途中の、超音波の信号に基づいて、増幅回路205の増幅率を調整する。
【0036】
本実施の形態にかかる調整部212が、複数回行われる増幅のうち、いずれか1つ以上の増幅の増幅率を調整することで、用紙の重送検知を適切に行うことが可能となる。つまり、調整部212が増幅率を調整することで、重送されて用紙が2枚重なっている時の受信レベルがほぼゼロとなり、1枚では予め定められた基準値以上の受信レベルとすることができる。
【0037】
このように、本実施の形態にかかる超音波重送検知部113では、用紙がない状態で受信センサ204が出力する超音波の信号レベルを一定値になるように増幅回路205の増幅率(ゲイン)を調整することで、個々のセンサの持つ感度ばらつきを補正する。
【0038】
ところで、一般的に同じ紙種・紙厚であれば、用紙が無いときの信号レベルに対する減衰率は一定とみなせる。したがって、用紙が無い場合に出力される超音波の信号レベルが同じになるように増幅率を調整すれば、同じ紙種・紙厚の用紙が通紙された場合、CPU201に入力される信号レベルは同一となる。そして、CPU201に入力された信号レベルと、予め定められた基準値と、を比較する際、検出対象の用紙が同一であるため、信号レベルが同一となれば、予め設定しておく基準値一つでよい。これにより、重送の検出処理が単純となり、処理時間が短く済み、使用メモリも少なくできる。
【0039】
なお、用紙の厚さによって、受信センサ204が出力する超音波の信号レベルが変化するが、増幅回路205で使用する電源電圧以上の信号は取り出せないため、ある程度以上の受信レベルで各増幅器から出力される出力レベルは飽和する。デジタル的な使い方をする場合、もっとも厚い(超音波を通しにくい)用紙が1枚で基準値を上回るような出力レベルに調整した場合、最も薄い(超音波を通しやすい)用紙が2枚の場合には出力レベルがほぼゼロになる。
【0040】
このため、最も厚い用紙が1枚だけ存在する場合に出力される信号レベルが基準値を上回るように、1枚の最も厚い用紙が存在する場合の減衰率を考慮して定められた基準値を、用紙がない状態で受信センサ204から出力される信号レベルが上回るように、調整部212が増幅率の調整を行う。これにより、用紙の種類に拘わらず、重送の判定が可能となる。
【0041】
なお、図2における受信機構250は、超音波重送検知部113の受信を行う構成の概略を示したものである。そこで、受信機構250の具体的な構成について説明する。
【0042】
図3は、超音波重送検知部113の受信機構250及びCPU201の構成を示した図である。図3に示すように、受信機構250は、受信センサ204と、コンデンサ301_1、301_2と、抵抗302_1、302_2と、オペアンプ303_1、303_2と、増幅率調整回路206_1、206_2と、電圧フォロア304_1、304_2と、3段目〜N段目までの増幅器310_nと、波形整形回路207_1〜207_nと、を備えている。
【0043】
ところで、増幅回路で使用される増幅器の増幅率には限度がある。しかしながら、超音波重送検知部113では、受信センサ204から出力される信号を増幅する際に、必要とされる増幅率が大きいため、複数回増幅を行う必要がある。このため、本実施の形態にかかる受信機構250では、増幅回路205が、増幅器を複数個接続した多段構成とする。増幅器の接続個数をNとする。そして、個々の増幅器の増幅率を掛け合わせたものが、最終的な増幅回路の増幅率となる。
【0044】
図3に示すように、1段目の増幅器310_1は、コンデンサ301_1と、抵抗302_1と、オペアンプ303_1と、を備えており、1段目の増幅率調整回路206_1で増幅率の調整が行われる。そして、1段目の増幅器310_1で増幅された信号は、電圧フォロア304_1及び波形整形回路207_1を介して、CPU201に出力される。
【0045】
2段目の増幅器310_2は、コンデンサ301_2と、抵抗302_2と、オペアンプ303_2と、を備えており、増幅率調整回路206_2で増幅率の調整が行われる。そして、2段目の増幅器310_2で増幅された信号は、電圧フォロア304_2及び波形整形回路207_2を介して、CPU201に出力される。
【0046】
本実施の形態では、増幅回路205の途中の段の増幅器の出力レベルを、CPU201が認識する場合、出力レベルに極力影響を与えないよう、入力インピーダンスが高い電圧フォロア304_1、304_2を間に入れてインピーダンス変換を行うこととした。そして、電圧フォロア304_1、304_2の出力を波形整形回路207_1、207_2でCPU201が認識しやすいように整形する。
【0047】
また、図3では省略するが、3段目〜N段目の増幅器310_nも、1段目の増幅器310_1及び2段目の増幅器310_2と同様の構成を備えているものとする。そして、3段目〜N段目の増幅器310_nから出力された信号は、波形整形回路207_nを介して、CPU201に出力される。ただし、3段目〜N段目の増幅器310_nは、増幅率調整回路と接続されておらず、増幅率の調整を行わない。なお、整数Nは、受信センサ204から出力される超音波の信号のレベルの増幅率にあわせて定められるものとする。
【0048】
このように、受信機構250が有する増幅回路205は、複数段に渡る増幅器310_1、310_2、310_nを有することで、受信センサ204から出力された超音波の信号が複数回(本実施の形態では‘N’回)増幅される。そして、本実施の形態においては、1段目及び2段目の増幅率調整回路206_1、206_2が、1段目及び2段目の増幅器310_1、310_2について増幅率を調整する。このように、本実施の形態にかかる受信機構250では、複数の増幅器のうち、少なくとも最後に増幅を行う増幅器以外の増幅器(例えば、1段目の増幅器310_1、2段目の増幅器310_2)から出力された信号に基づいて、増幅率を調整している。
【0049】
次に、最後に増幅を行う増幅器以外(本実施の形態の形態では1段目及び2段目の増幅器)で増幅率を調整する理由について説明する。上述したように、ある程度以上の受信レベルがあると、増幅回路205から出力される信号レベルは、電源電圧以上の信号が取り出せないために、飽和する。用紙がない状態における超音波の信号レベルは、用紙が1枚ある状態に比べて著しく高くなる。このため、増幅回路205から出力される信号レベルの出力が飽和してしまう。つまり、増幅回路205からの最終的に出力された信号レベルをみながら増幅率の調節を行うことはできない。
【0050】
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、増幅回路205の増幅途中の未飽和の信号をCPU201に出力し、増幅率の調整を行うこととした。
【0051】
このように、増幅回路205のなるべく早い段階で信号を取り出さないと飽和して調節ができなくなる。そこで、本実施の形態では1段目の増幅器310_1からの信号を、CPU201に出力している。なお、この増幅途中で出力される信号のレベルは、用紙がない状態ではCPU201で判別可能な程度の大きさはあるが、用紙が1枚ある状態ではほぼゼロとなる。
【0052】
本実施の形態では、1段目のみならず、2段目の増幅率も調節することとした。これは、増幅器がバンドパスフィルタの役割も持っており、定数を変化させると増幅率だけではなくフィルタの特性(バンド幅、遮断周波数)も変化してしまうことによる。つまり、受信機構250では、増幅器1段ごとの調整範囲をあまり広く取れず、1段のみでは調整範囲の限界まで調整しても調整しきれない場合に、1段目と2段目を組み合わせて調整することとした。
【0053】
このように、必ず複数段の調整を必要とするものに限らず、1段の増幅器の調整値に幅を持たせることができるのであれば、1段のみ増幅器の増幅率を調整してもよい。
【0054】
また、1段目の増幅器310_1と2段目の増幅器310_2の増幅率の設定次第であるが、おおよそ3段目以降はレベルが飽和すると考えられる。このため、本実施の形態では、1段目の増幅器310_1と2段目の増幅器310_2に限って増幅率を調整することとしたが、各段の増幅器の増幅率がより小さい増幅回路の場合、3段目以降について増幅率の調整を行っても良い。
【0055】
本実施の形態にかかる受信機構250は、上述した構成を備えることで、受信センサ204から出力される信号のレベルが異なっていても、途中の増幅器310_1、310_2、310_nの増幅率を調整することで、最終的な出力信号レベルを同じにすることができる。
【0056】
本実施の形態にかかる受信機構250では、増幅回路205の1段目の増幅器310_1と、2段目の増幅器310_2と、に対して増幅率の調整可能な1段目の増幅率調整回路206_1、2段目の増幅率調整回路206_2を設ける例について説明したが、このような構成に制限するものではない。
【0057】
また、コンデンサ301_1と、抵抗302_1と、オペアンプ303_1と、による増幅器、及びコンデンサ301_2と、抵抗302_2と、オペアンプ303_2と、による増幅器は、従来から用いられている増幅器と同様の構成でもよいため、説明を省略する。
【0058】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置100における、印刷処理について説明する。図4は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0059】
画像形成装置100は、ユーザからのジョブの投入を受け付ける(ステップS401)。そして、ジョブの投入を受け付けた場合、画像形成装置100は、超音波重送検知部113による重送検知機能が‘ON’であるか否かを判定する(ステップS402)。画像形成装置100が‘ON’であると判定した場合(ステップS402:Yes)、超音波重送検知部113が信号レベルの増幅率調整処理を行う(ステップS403)。そして、画像形成装置100は、増幅率調整が正常に終了したか否かを判定する(ステップS404)。画像形成装置100が、増幅率調整が正常に終了したと判定した場合(ステップS404:Yes)、投入されたジョブを実行し(ステップS405)、印刷処理を終了する。
【0060】
一方、画像形成装置100は、超音波重送検知部113による重送検知機能が‘OFF’であると判定した場合(ステップS402:No)、超音波重送検知部113の故障ステータスをチェックし、故障しているか否かを判定する(ステップS406)。故障していないと判定した場合(ステップS406:No)、重送検知機能を‘ON’に設定し(ステップS407)、超音波重送検知部113が、ステップS403の増幅率調整処理を行う。それ以降は、上述した手順で処理が行われる。
【0061】
そして、画像形成装置100が、増幅率調整が正常に終了しなかったと判定した場合(ステップS404:No)、及び超音波重送検知部113が故障していると判定した場合(ステップS406:Yes)、ユーザに対して異常が生じた旨のメッセージを、操作部111を介してユーザに通知する(ステップS408)。また、この通知においては、ユーザにジョブを続行するかどうか判断してもらうメッセージを操作画面に表示する。
【0062】
その後、画像形成装置100は、ユーザからジョブ続行の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS409)。そして、画像形成装置100が、ジョブ続行の操作を受け付けたと判定した場合(ステップS409:Yes)、重送検知機能を‘OFF’にして(ステップS410)、サービスマンやサービスセンターへ故障であることをコール(サービスコール)する(ステップS411)。その後、ジョブを実行し(ステップS405)、処理を終了する。
【0063】
一方、画像形成装置100は、ユーザからジョブ中止の操作を受け付けた場合(ステップS409:No)ジョブ保存処理を実行し(ステップS412)、ジョブを中止し(ステップS413)、サービスマンやサービスセンターへ故障であることをコール(サービスコール)し(ステップS414)、処理を終了する。
【0064】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置100における、印刷処理中に行われる増幅率調整処理(図4のステップS403)について説明する。図5は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、本実施の形態の受信機構250における、増幅回路205の1段目の増幅器310_1と2段目の増幅器310_2の増幅率を調整する例とする。
【0065】
まず、超音波重送検知部113のCPU201が、図示しない記憶手段に格納されているセンサ故障ステータスを読み出し、各種センサ(例えば、発信センサ203及び受信センサ204)が故障しているか否かを判定する(ステップS501)。超音波重送検知部113が、各種センサが故障していると判定した場合(ステップS501:Yes)、特に処理を行わずに終了する。
【0066】
超音波重送検知部113のCPU201が、各種センサが故障していないと判定した場合(ステップS501:No)、駆動回路202を介して、発信センサ203から超音波を発信する(ステップS502)。このとき、まだジョブの実行が行われていないため、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙は存在していない。
【0067】
そして、受信センサ204が、超音波を受信し、1段目の増幅器310_1に超音波の信号を出力した後、CPU201が、1段目の増幅器310_1から出力された信号の入力を、電圧フォロア304_1及び波形整形回路207_1を介して受け付ける(ステップS503)。そして、CPU201の調整部212が、入力を受け付けた1段目の信号の出力レベルと、所定の目標レベルとを比較し、目標レベルに一致しているか否かを判定する(ステップS504)。目標レベルを満たしていると判定した場合(ステップS504:Yes)、調整が正常に終了した旨を示すステータスを設定し(ステップS516)、処理を終了する。
【0068】
一方、調整部212が、信号の出力レベルが目標レベルと一致していないと判定した場合(ステップS504:No)、目標レベルと一致させるための増幅率の調整が、1段目の増幅器310_1の可変範囲内で可能であるか否かを判定する(ステップS505)。そして、調整部212が、可変範囲内に含まれていると判定した場合(ステップS505:Yes)、信号の出力レベルが、目標レベルより高いか否かを判定する(ステップS506)。調整部212が、信号の出力レベルが目標レベルより高いと判定した場合(ステップS506:Yes)、1段目の増幅率調整回路206_1に対して、増幅率を下げるように指示する(ステップS507)。これにより、1段目の増幅率調整回路206_1が、1段目の増幅器310_1の増幅率を下げる。その後、再びステップS502から処理が行われる。
【0069】
一方、調整部212が、信号の出力レベルが目標レベルより低いと判定した場合(ステップS506:No)、1段目の増幅率調整回路206_1に対して、増幅率を上げるように指示する(ステップS508)。これにより、1段目の増幅率調整回路206_1が、1段目の増幅器310_1の増幅率を上げる。その後、再びステップS502から処理が行われる。
【0070】
また、ステップS505において、調整部212による目標レベルと一致させるための増幅率の調整が、1段目の増幅器310_1の可変範囲内で可能ではない、換言すれば1段目の増幅器310_1から出力される信号の出力レベルが、目的レベルに一致しないうちに、増幅率可変範囲の限界値に達した場合(ステップS505:No)、駆動回路202を介して、発信センサ203から超音波を発信する(ステップS509)。
【0071】
そして、受信センサ204が、超音波を受信した後、CPU201が、2段目の増幅器310_2から出力された信号の入力を、電圧フォロア304_2及び波形整形回路207_2を介して受け付ける(ステップS510)。
【0072】
そして、2段目についても、1段目と同様に増幅率の調整が行われる。つまり、CPU201の調整部212が、入力を受け付けた2段目の信号の出力レベルと、所定の目標レベルと比較し、目標レベルに一致しているか否かを判定する(ステップS511)。目標レベルを満たしていると判定した場合(ステップS511:Yes)、調整が正常に終了した旨を示すステータスを設定し(ステップS516)、処理を終了する。
【0073】
一方、調整部212が、2段目の増幅器310_2からの信号の出力レベルが目標レベルと一致していないと判定した場合(ステップS511:No)、目標レベルと一致させるための増幅率の調整が、2段目の増幅器310_2の可変範囲内で可能であるか否かを判定する(ステップS512)。そして、調整部212が、可変範囲内に含まれていると判定した場合(ステップS512:Yes)、信号の出力レベルが、目標レベルより高いか否かを判定する(ステップS513)。調整部212が、信号の出力レベルが目標レベルより高いと判定した場合(ステップS513:Yes)、2段目の増幅率調整回路206_2に対して、増幅率を下げるように指示する(ステップS514)。これにより、増幅率調整回路206_2が、2段目の増幅器310_2の増幅率を下げる。その後、再びステップS509から処理が行われる。
【0074】
一方、調整部212が、信号の出力レベルが目標レベルより低いと判定した場合(ステップS513:No)、2段目の増幅率調整回路206_2に対して、増幅率を上げるように指示する(ステップS515)。これにより、増幅率調整回路206_2が、2段目の増幅器310_2の増幅率を上げる。その後、再びステップS509から処理が行われる。
【0075】
また、ステップS512において、調整部212による目標レベルと一致させるための増幅率の調整が、2段目の増幅器310_2の可変範囲内で可能ではない、換言すれば2段目の増幅器310_2から出力される信号の出力レベルが、目的レベルに一致しないうちに、増幅率可変範囲の限界値に達した場合(ステップS512:No)、いずれかのセンサが故障した旨を示すステータスを設定し(ステップS517)、処理を終了する。
【0076】
本実施の形態では、各増幅器からの信号をそれぞれCPU201に出力する例について説明した。しかしながら、このような構成に制限するものではなく、増幅率を調整する対象となる増幅器よりも後段の増幅器からの出力であれば、増幅率の調整に使用できる。例えば、2段目の出力を目標値に近づけるように、1段目の増幅器の増幅率を調整する構成でもよい。
【0077】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置100における、印刷処理中に行われるジョブ保存処理(図4のステップS412)について説明する。図6は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0078】
まず、画像形成装置100は、ジョブの実行ができなくなったことを通知すると共に、当該ジョブに対する処理の選択肢を提示する(ステップS601)。この選択肢としては、他の画像形成装置で印刷を行う代替プリント、当該画像形成装置100に保存しておくジョブ保存、及び当該ジョブを破棄するジョブ破棄とする。
【0079】
そして、画像形成装置100は、操作部111を介して、代替プリントの選択をユーザから受け付けたか否かを判定する(ステップS602)。そして、代替プリントの選択を受け付けたと判定した場合(ステップS602:Yes)、ネットワークを介して接続された代替プリンタとなる他の画像形成装置に、当該ジョブを転送し(ステップS603)、処理を終了する。
【0080】
一方、画像形成装置100は、代替プリントの選択を受け付けなかったと判定した場合(ステップS602:No)、ジョブ保存の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS604)。そして、ジョブ保存の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS604:Yes)当該ジョブを画像形成装置100内の(図示しない)記憶手段(例えばHDD)に保存し(ステップS605)、処理を終了する。
【0081】
そして、画像形成装置100は、ジョブ保存の選択を受け付けなかったと判定した場合(ステップS604:No)、当該ジョブを破棄して(ステップS606)、処理を終了する。
【0082】
本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、印刷処理時にジョブ処理が行われるが、当該ジョブ処理中、給紙部105から記録用紙が送られてくる毎に、超音波重送検知部113が重送の検知処理を行う。図7は、本実施の形態にかかる画像形成装置100の超音波重送検知部113における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0083】
発信センサ203が、搬送中の用紙に対して、超音波を発信する(ステップS701)。次に、受信センサ204が、定常振動状態となった用紙から副次的に放射された超音波を受信する(ステップS702)。
【0084】
そして、増幅回路205が、上述した処理で設定された増幅率に基づいて、超音波の信号を増幅する(ステップS703)。その後、増幅された後の超音波の信号がCPU201のA/D変換ポートに入力される。これにより、超音波の信号に対するA/D変換が行われる(ステップS704)。
【0085】
そして、CPU201の重送判定部211が、信号に対してA/D変換が行われた後の値が、基準値以上であるか否かを判定する(ステップS705)。CPU201の重送判定部211が、基準値以上であると判定した場合(ステップS705:Yes)、搬送されている用紙に対する重送の検知を終了するか否かを判定する(ステップS708)。検知を終了していないと判定した場合(ステップS708:No)、次に搬送される用紙に対して、ステップS701から再び処理を行う。一方、検知を終了したと判定した場合(ステップS708:Yes)、処理を終了する。
【0086】
また、重送判定部211が、ステップS704において、基準値より小さいと判定した場合(ステップS705:No)、当該用紙に対して基準値より小さいと判定された回数が、予め定められた設定回数以上か否かを判定する(ステップS706)。設定回数以上ではないと判定した場合(ステップS706:No)、当該用紙に対して再び超音波を発信し(ステップS701)、搬送中の用紙が重送であるか否かの判定処理が継続して行われる。
【0087】
また、重送判定部211が、設定回数以上であると判定した場合(ステップS706:Yes)、搬送中の用紙で重送が生じていることを判定し(ステップS707)、画像形成装置100に重送が生じた旨を通知し、処理を終了する。これにより画像形成装置100が、重送に対応する処理を行う。
【0088】
本実施の形態にかかる画像形成装置100では、上述した構成を備えることで、超音波重送検知部113に含まれている重送検知機構を調整するために、シート搬送を行うことなく、適切に重送検知機構の調整することを可能とした。これにより重送の検出精度を向上させることができる。
【0089】
本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、超音波重送検知部113が、増幅回路205で複数回行われる増幅処理の途中の信号の出力レベルが目標レベルと一致するか否かに基づいて、増幅率を調整することとした。
【0090】
ところで、超音波重送検知部113において、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙(シート)がない状態では、増幅回路205から最終的に出力される信号の出力レベルは飽和してしまう。このため、最終的に出力される信号の出力レベルを参照して、増幅回路205の増幅率の調整を行うことはできない。
【0091】
これに対し、本実施の形態にかかる画像形成装置100の超音波重送検知部113では、複数回行われる増幅の途中の信号の出力レベルを用いることで、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙(シート)がない状態であっても信号の出力レベルを飽和させないため、用紙がない状態でも増幅回路205の増幅率の調整が可能となった。
【0092】
本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙(シート)がない状態で増幅率の調整を行うことで、従来のように調整の際に用紙の重送が生じたことで正しく調整できないという問題を解消することが可能となる。これにより、用紙の重送を確実に検知することが可能となる。
【0093】
また、従来の手法においては、高精度の検出を目的として、ノイズの低減を図るために用紙を一時停止する手法が提案されているが、搬送している用紙を一時的に停止させる以上、時間がかかるため生産性が低下するという問題が生じていた。
【0094】
これに対し、本実施の形態にかかる画像形成装置100の超音波重送検知部113では、増幅率を調整する際に、発信センサ203と受信センサ204との間に用紙(シート)がない状態で行うため、生産性を低下させることなく、ジョブ中の全ての用紙の重送を確実に検出できる。
【0095】
さらに、画像形成装置100の超音波重送検知部113では、各種センサ交換時や設置環境の変化等によるセンサの感度変化に併せて増幅率の変更が容易にできる。これにより様々な環境の変化に柔軟に対応することができる、さらに、重送検知処理にかかるコーディングの負荷、処理手段(例えばCPU)への負荷、及びメモリ消費量を抑えられることができる。
【0096】
なお、本実施の形態の画像形成装置100で実行される重送検知プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0097】
本実施の形態の画像形成装置100で実行される重送検知プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0098】
さらに、本実施の形態の画像形成装置100で実行される重送検知プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置100で実行される重送検知プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0099】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
100 画像形成装置
101 作像部
102 書込部
103 トナー補給部
104 転写搬送部
105 給紙部
106 レジスト部
107 定着部
108 反転排紙両面部
109 デカーラ部
110 トナー回収部
111 操作部
112 パージトレイ
113 超音波重送検知部
201 CPU
202 駆動回路
203 発信センサ
204 受信センサ
205 増幅回路
206、206_1、206_2 増幅率調整回路
207、207_1、207_2、207_n 波形整形回路
211 重送判定部
212 調整部
250 受信部
261 用紙
262 定常振動状態
301_1、301_2 コンデンサ
302_1、302_2 抵抗
303_1、303_2 オペアンプ
304_1、304_2 電圧フォロア
310_1、310_2、310_n 増幅器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開2006−312527号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発信する超音波発信手段と、
前記超音波を受信し、受信した前記超音波を示した信号を出力する超音波受信手段と、
前記超音波受信手段により出力された前記信号に対して複数回の増幅を行う増幅手段と、
前記増幅手段により前記複数回増幅された後の前記信号に基づいて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間で、記録紙が重送されているか否かを判定する重送判定手段と、
前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に記録紙が存在しない時に、前記超音波発信手段により発信された前記超音波を前記超音波受信手段が受信した場合に、前記増幅手段により前記複数回行われる増幅の途中の前記信号に基づいて、前記増幅手段の増幅率を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする重送検知装置。
【請求項2】
前記増幅手段は、複数の増幅部を有することで前記信号を複数回増幅し、
前記調整手段は、前記複数の増幅部のうち、少なくとも最後に増幅を行う最終増幅部以外から出力された前記信号に基づいて、前記増幅率を調整すること、
を特徴とする請求項1に記載の重送検知装置。
【請求項3】
前記調整手段は、前記複数の増幅部のうち、前記最終増幅部を除いた、いずれか複数個の増幅部に対してそれぞれ前記増幅率を調整すること、
を特徴とする請求項2に記載の重送検知装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の重送検知装置を備える画像形成装置。
【請求項5】
超音波を発信する超音波発信手段と、
前記超音波を受信し、受信した前記超音波を示した信号を出力する超音波受信手段と、
前記超音波受信手段により出力された前記信号に対して複数回の増幅を行う増幅手段と、を備えたコンピュータに対して、
前記増幅手段により前記複数回増幅された後の前記信号に基づいて、前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間で、記録紙が重送されているか否かを判定する重送判定ステップと、
前記超音波発信手段と前記超音波受信手段との間に記録紙が存在しない時に、前記超音波発信手段により発信された前記超音波を前記超音波受信手段が受信した場合に、前記増幅手段により前記複数回行われる増幅の途中の前記信号に基づいて、前記増幅手段の増幅率を調整する調整ステップと、
を実行させるための重送検知プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−188177(P2012−188177A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50566(P2011−50566)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】