説明

重量検知装置

【課題】分類箱に収納された紙葉類を1通ごと取り出して分類箱の重量を検知し、検知された分類箱の重量の差から取り出した紙葉類の重量を算出するの1通ごとの重量を算出する重量検知装置を提供する。
【解決手段】紙葉類Pが収納された分類箱10を搬送する分類箱搬送部42と、搬送される分類箱の搬送位置を検知せる位置検知センサS2と、分類箱から紙葉類を1通ずつ取り出して紙葉類搬送部80に供給する紙葉類取出装置60と、当該1通取り出すごとに分類箱の重量を検知する重量検知センサ41と、検知した分類箱の重量の差から取り出した紙葉類の重量を算出する重量算出手段と、位置検知センサが分類箱を検知後、上記分類箱搬送部を駆動して当該分類箱を重量測定位置まで搬送して停止し、当該分類箱に収納されているすべての紙葉類の重量を1通ごと算出後、空になった分類箱を下流に搬送する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、重量検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、郵便物は、メールによる情報の伝達が容易に行われるようになったのに伴い、個人の出す郵便(はがき、封書)が減少し、カタログ冊子に代表されるような大型で、重量のある郵便物(これらは、フラッツと称される。)が多くなりつつある。このフラッツは、当初ビニール紐などで束ねられていることが多いが、分離されて形状の異なる分類箱に収納され、コンベア上に、自動的にあるいは手動で供給され、搬送される。
【0003】
分類箱に収納された紙葉類は1通ずつ取り出されて、当該紙葉類の住所などの区分情報に従って区分する紙葉類処理装置に供給される。紙葉類処理装置は、供給された上記紙葉類を区分情報に基づいて集積部に集積される。なお、通常郵便物の重量を差分を算出することにより求める方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−35570号公報(第3頁、図2、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したフラッツ等紙葉類処理装置では、紙葉類ごとの重量情報がないため、集積部の重量が重すぎ係員に過重な労働を強いることになりやすいという課題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、分類箱に収納されて搬送される紙葉類の重量を1通ずつ算出する重量検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の重量検知装置は、分類箱に収納された紙葉類の重量を測定する重量検知装置であって、紙葉類が収納された分類箱を搬送する分類箱搬送手段と、この分類箱搬送手段の搬送上流に配置され、搬送される分類箱の搬送位置を検知する位置センサと、前記搬送手段で搬送される分類箱の重量を検知する重量検知センサと、前記分類箱から紙葉類を1通ずつ取り出し、紙葉類を搬送する紙葉類搬送部に供給する紙葉類取出手段と、この紙葉類取出手段で1通ずつ紙葉類を取り出すごとに、取り出されずに残っている紙葉類が収納された分類箱の重量を前記重量検知センサによって検知し、検知された分類箱の重量の差から取り出した紙葉類の重量を算出する重量算出手段と、前記位置センサが分類箱を検知後、前記分類箱搬送手段を駆動して所定の重量測定位置まで当該分類箱を搬送して停止し、前記分類箱内の紙葉類を1通ごと取り出してその重量を算出し、分類箱内の紙葉類が空になったととき、当該分類箱を下流に搬送する重量検知制御手段と、を備え、前記分類箱に収納されている紙葉類の重量を1通ごとに算出することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例1に係る重量検知装置の構成を示すブロック図
【図2】図1に示す重量検知装置を説明するための概略図
【図3】分類箱搬送部の一例
【図4】重量検知部の詳細図
【図5】重量検知センサから出力される重量検知センサ出力信号
【図6】分類箱の特徴的な形状
【図7】紙葉類取出装置の動作を説明する図(その1)
【図8】紙葉類取出装置の動作を説明する図(その2)
【図9】紙葉類取出装置の動作を説明する図(その3)
【図10】紙葉類取出装置の動作を説明する図(その4)
【図11】重量検知処理を示すフローチャート
【図12】図11に示す重量検知処理を説明する図
【図13】本発明の実施例2に係る重量検知部の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0009】
紙葉類が分類箱に入れられて重量検知部まで搬送されると、当該重量検知部は、搬送されてきた分類箱の重量を測定する。当該分類箱に収納された紙葉類の最上面の紙葉類から1通ごと取り出してその分類箱の重量を測定すると共に、取り出した紙葉類を搬送路に載置する。この際、分類箱から紙葉類を取り出す前後の重量の差から紙葉類の重量が算出される。以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1に係る重量検知装置1の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す重量検知装置1を説明するための概略図である。図3は、分類箱搬送部20の一例である。図4は、重量検知部40の詳細図である。図5は、重量検知センサ41から出力される重量検知センサ出力信号である。以下、これらの図を参照して重量検知装置1を説明する。
【0011】
本実施例1に係る重量検知装置1は、フラッツのような重量があり、かつ、大型の紙葉類Pの重量を検知する装置である。
【0012】
雑誌等定期刊行物は、重量があり、かつ、大きいため、同様サイズの紙葉類に分類したのち(図1(1)、図2(1)参照)、収納に適した分類箱10に係員によって収納される(図1(2)、図2(2)参照)。
【0013】
紙葉類Pを収納した分類箱10は、分類箱搬送部20上に載置されて搬送され(図1(3)、図2(3)参照)、次の分類箱搬送部(バッファ部)30に渡される(図1(4)、図2(4)参照)。分類箱搬送部30には、搬送される分類箱10を一時的に複数個載置可能である。
【0014】
分類箱搬送部30の下流には、重量検知部40が配置されている。紙葉類Pが収納された分類箱10が搬送され、重量検知部40の搬送ベルト45上の所定の位置に到達すると、重量検知制御部50は、搬送ベルト45を止め、分類箱10全体の重量を測定する(図1(5)、図2(5)参照)。
【0015】
紙葉類取出装置60は、当該分類箱10に収納されている紙葉類Pを最上部から1通取り出し、紙葉類搬送部80に供給する(図1(8)、図2(8)参照)。この際、1通取り出すごとに分類箱10の重量を測定する。このようにして測定することにより、取り出した紙葉類Pの重量を測定することができる。なお、紙葉類Pの重量を検知する重量検知方法及び重量検知処理の詳細は後述する。
【0016】
このようにして、分類箱10が空になるまで紙葉類Pが順に取り出される。空になった分類箱10は、空箱搬送部70上に送られる(図1(7)、図2(7)参照)。
【0017】
紙葉類搬送部80は、処理する紙葉類の量、種類、搬送先に応じて複数配置される場合があるが、図2に示した例は、紙葉類搬送部80が1個配置された場合を示す(図1(8)、図2(8))。
【0018】
重量検知部40上に分類箱10がなくなると、上記分類箱搬送部30から紙葉類Pが収納された分類箱10が1個当該重量検知部40に送られる。このようにして新たに供給された分類箱10内の紙葉類Pは、紙葉類取出装置60によって分類箱10内の最上面の紙葉類から順に取り出されて、紙葉類搬送部80上に供給されるのは上述した通りである。
【0019】
図3は、分類箱搬送部20の一例である。分類箱10は、紙葉類の大きさに応じて複数種類設けられる。例えば、3種類の大きさを有する紙葉類PA、PB、PCがある場合、その大きさに応じた分類箱10A、10B、10Cが設けられている場合は好適である。係員は、当該分類箱10A、10B、10Cの大きさに応じた紙葉類PA、PB、PCを当該分類箱に収納することができる。分類箱10は、紙葉類の大きさに応じて構成されているため、大きな紙葉類(例えば、PA)を収納する分類箱(例えば、10A)の底部の形状は大きい構造になり、小さい紙葉類(例えば、PC)を収納する分類箱(例えば、10C)の底部は小さい構造になる。なお、特に分類箱の大きさを指定するとき以外は総称としての分類箱10を用い、同様に紙葉類の大きさを指定するとき以外は総称として紙葉類Pを用いて、以下説明する。
【0020】
係員はこのようにして紙葉類Pを収納した分類箱10を搬送ベルト21に載置する。本実施例では、分類箱10を搬送ベルト21の正しい位置に載置できるように、分類箱10の載置位置を搬送ベルト21の搬送方向に、搬送ベルト21の搬送方向端部と平行な帯状ラインをマーキングしてある。係員は、分類箱10を搬送ベルト21上に載置する際、当該分類箱10の端面を当該帯状ラインに合わせて載置することにより、後述する重量検知部40での重量検知精度を確保できる。また、紙葉類取出装置60で分類箱10に収納された紙葉類Pを取り出すときの取り出しエラーを防止することができる。
【0021】
図示した例では、3種類の分類箱10A、10B、10Cに合わせて3種類の帯状ライン21a・21a、21b・21b、21c・21cが搬送方向の搬送中心に対して左右に2本マーキングしてある。
【0022】
実施例では、3種類のマーキングが色又は模様により区別できるようにしてある。また、当該分類箱10の外装の色又は模様を当該帯状ラインの色又は模様と同様にすることにより、分類箱10の載置位置の誤りをさらに防止することも期待できる。
【0023】
図4は、重量検知部(重量検知装置)40の詳細図である。図4(A)は、重量検知部40の斜視図である。図4(B)は、図4(A)のA−A断面図である。
【0024】
重量検知部(重量検知装置)40は、重量検知センサ41、分類箱搬送部(分類箱搬送手段)42、重量検知機構部(移動手段)55、位置センサS2及び重量検知制御部50を有して構成される。
【0025】
重量検知センサ41は、コ文字状のひずみセンサで構成され、重量検知センサ支持台46に固定される。
【0026】
分類箱搬送部(分類箱搬送手段)42は、搬送ローラ43・44、及びこの搬送ローラ43・44に掛け回された搬送ベルト45及びこの搬送ローラ44を駆動する駆動モータ48を有して構成される。
【0027】
駆動モータ48の駆動軸に軸支され、駆動モータ48の回転軸に同期して回転するプーリ48aと搬送ローラ44のプーリ44aがタイミングベルト49によって連結される。
【0028】
重量検知機構部55は、分類箱搬送部42及び重量検知センサ支持台46が固定される重量検知機構支持台56A、56Bを分類箱10内の紙葉類Pの集積方向に進退自在に移動することができる。本実施例では、上下に移動することになる。
【0029】
重量検知機構支持台56A・56Bは、スライダ56Cに固定される。スライダ56Cは、スライダ支持台56Dに上下移動可能に組み込まれる。このような構成にすることにより、重量検知機構支持台56A・56Bは、上下移動可能になり、結果的に当該重量検知機構支持台56A・56Bに固定された分類箱搬送部42及び重量検知センサ支持台46も上下移動可能になる。
【0030】
紙葉類取出装置60は、搬送ベルト45に載置された分類箱10内の最上面の紙葉類から順番に取り出す。この結果、当該分類箱10内の紙葉類の取り出し面の高さが低くなり、紙葉類取出装置60によって、紙葉類Pの取り出しが困難になる場合がある。このような場合に、上述した重量検知機構部55が重量検知機構支持台56A・56Bを上昇移動することにより、分類箱10内の最上面の紙葉類Pの取り出し面の位置を一定にすることができる。
【0031】
重量検知制御部(重量検知制御手段)50は、分類箱10の先端が図示矢印B方向に搬送され、搬送ベルト45上の所定の位置に到達するまで駆動モータ48を駆動して、搬送ベルト45を移動させる。所定の位置に到達したかどうかは、重量検知部40の搬送上流である入口に配置された位置センサS2によって分類箱10の搬送位置を検知してから、当該駆動モータ48を所定のステップ回転させることにより達成可能である。このようにして、分類箱10が所定の位置に到達する。
【0032】
重量検知制御部50は、分類箱10が所定の位置に到達すると、分類箱10の重量を測定する。
【0033】
紙葉類取出装置60によって分類箱10に収納された最上面の紙葉類Pを1通取り出した後、再度重量を測定する。詳細は後述するが、最初の重量Wnと紙葉類Pを1通取り出した後に測定した重量W(n−1)の差は取り出した紙葉類Pの重量PWnになる。
【0034】
PWn=Wn−W(n−1)・・・・・・・(1)
以上の操作を繰り返すことにより全ての紙葉類Pの重量を測定することができる。
【0035】
図5は、重量検知センサ41から出力される重量検知センサ出力信号である。図5(1)は、上記Wnを測定したときの重量測定データであり、図5(2)は、上記W(n−1)を測定したときの重量測定データである。当該重量検知センサ41は上述したようにひずみセンサで構成されているため、当該センサに荷重が加えられた瞬間は、図示したようなダンピングが発生するため、図示した安定区間に重量測定データを読み取る必要がある。本実施例には図示していないが、当該重量測定データは、アナログ信号であるため、当該アナログ信号をA/D変換(Analog to Digital 変換)を行って重量を検知することになるが、当該技術は公知技術であり、ここでは、詳細な説明を行わない。
【0036】
分類箱10内の紙葉類Pが全て取り出されて空になったら、搬送ベルト45上の分類箱10の搬送面の位置をホームポジションに戻す。
【0037】
次に、重量検知制御部50は、駆動モータ48を駆動して搬送ベルト45を回転させ、当該搬送ベルト45上に載置された空の分類箱10を図示矢印B方向に搬送して搬送ベルト45から排出し、空箱搬送部70に渡すと共に、分類箱搬送部30から紙葉類が収納された分類箱10を受け取る。
【0038】
図6は、分類箱10の特徴的な構造である。図6(1)は分類箱10の斜視図であり、図6(2)は、分類箱10の平面図である。分類箱10は底部10bに対して開口部10aが大きい構造をしている。いわゆるすり鉢状に構成されていることにより、係員によって紙葉類が分類箱10に集積される際、当該紙葉類が整位されて集積される。
【0039】
図7は、紙葉類取出装置60の動作を説明する図(その1)である。紙葉類取出装置60は、重量検知部40の搬送ベルト45上に載置された分類箱10に収納された紙葉類Pを1通ずつ取り出して紙葉類搬送部80に供給する装置である。
【0040】
紙葉類取出装置60は、2個のピックアップ部60A、60B、このピックアップ部60A、60Bを回動可能に支持する支柱61及びこの支柱を支持する支持台62で構成される。
【0041】
ピックアップ部60Aは、アーム63及びハンド部64で構成される。ハンド部64は、吸引部64A、64B、64Cを有して構成される。
【0042】
ピックアップ部60Bは、アーム65及びハンド部66で構成される。ハンド部66は、吸引部66A、66B、66Cを有して構成される。
【0043】
このような構成において、図7は、重量検知部40に載置された分類箱10に収納された紙葉類Pの上にアーム63のハンド部64(ハンド部64A、64B及び64Cの総称)が位置している状態である。
【0044】
図8は、紙葉類取出装置60の動作を説明する図(その2)で、図7の状態から、アーム63を紙葉類Pに接触する位置まで下降すると共に吸引部で吸引することにより、当該紙葉類Pを吸着する。
【0045】
図9は、紙葉類取出装置60の動作を説明する図(その3)で、吸着した紙葉類Pを所定の位置まで持ち上げた状態を示す。図10は、紙葉類取出装置60の動作を説明する図(その4)で、当該持ち上げた紙葉類Pを紙葉類搬送部80の搬送ベルト81上まで回動し、当該搬送ベルト81に載置した状態である。紙葉類搬送部80を構成する搬送ベルト81が実施例では1本の場合を示しているが、紙葉類搬送部80を複数配置し、複数搬送路により当該紙葉類を搬送して処理することができるのは当然であり、その場合、紙葉類Pをどの搬送ベルトに載置するかは重量検知制御部50によって制御される。
【0046】
図11は、重量検知処理を示すフローチャートである。以下、この図を参照して説明する。なお、以下に示す処理は、重量検知制御部50によって処理される。
【0047】
分類箱10を重量検知部40の搬送ベルト45の所定の位置まで搬送し停止する(S01)。
【0048】
次に、重量検知制御部50は、n通の紙葉類が収納された分類箱10の重量Wnを測定する(S02)。
【0049】
この結果、n通の紙葉類が収納された分類箱10の重量Wnと事前に測定された風袋の重量Woを比較し、一致している場合は(S03のY)、すでに分類箱10には紙葉類Pが収納されていないのでステップS09に移行して分類箱10を回収するために搬送する。
【0050】
一致していない場合(S03のN)、紙葉類取出装置60でn通目の紙葉類を取り出して紙葉類搬送部80に載置する(S04)。
【0051】
次に、分類箱全体の重量W(n−1)を測定する(S05)。このときの重量はn通目の紙葉類が取り出されているので(n−1)通の紙葉類が収納された分類箱10の重量W(n−1)を測定することになる。
【0052】
WnとW(n−1)の差を算出すことによりn通目の紙葉類の重量PWnが下式(2)によって算出される(S06)。
【0053】
PWn=Wn−W(n−1)・・・・・・(2)
PWn:n通目の紙葉類の重量
Wn :n通の紙葉類が収納された分類箱の重量
W(n−1):(n−1)通の紙葉類が収納された分類箱全体の重量
(n−1)通目の紙葉類の重量PW(n−1)を測定するためにnを(n−1)にする(S07)。nの値が0でなければ(S08の≠0)ステップS02に戻ってn=0になるまで繰り返すことにより、全ての紙葉類の重量が算出される。
【0054】
なお、分類箱10に収納した紙葉類の通数nが分かっている場合はステップS07→S08以降の処理が可能だが、紙葉類の通数が分かっていない場合は、分類箱が空になるまで、ステップS06の後ステップS02以降の処理を行うことにより全ての紙葉類の重量を算出することができる。
【0055】
上述した処理により、空になった分類箱10は重量検知部40の搬送ベルト45から空箱搬送部70に送られる(S09)。
【0056】
図12は、図11に示す重量検知処理を説明する図である。図12(1)は、分類箱10にn通の紙葉類Pが収納されており、その時の重量をWnとすると、Wnは下記「数1」で示される。
【数1】

【0057】
図12(2)は、図12(1)の状態からn通目の紙葉類を紙葉類取出装置60で取り出した状態である。その時の重量をW(n−1)とすると、W(n−1)は下記「数2」で示される。この結果得られたWnとW(n−1)の差から、n通目の紙葉類の重量PWnが下記「数3」で算出される。
【数2】

【数3】

【0058】
以上の処理を繰り返すことにより(n−1)通目の重量PW(n−1)から2通目の重量PW2まで順に算出される。
【0059】
図12(3)は、上述した重量検知処理を繰り返すことにより、分類箱10に収納されている紙葉類が1通になった場合を示す。この時の重量W1は下記「数4」で示される。また、そのときの紙葉類の重量PW2は下記「数5」で示される。
【数4】

【数5】

【0060】
図12(4)は、分類箱10に収納されている紙葉類がなくなった場合を示す。このときの重量は風袋Woとなり、上記「数4」で算出されたW1から風袋Woを差し引くことにより、1通目の重量PW1が「数6」で算出される。
【数6】

【0061】
以上説明したように本実施例1では、重量郵便物等紙葉類の重量を1通ごとに測定し、当該紙葉類の属性として、他の区分情報(郵便番号、住所など)と共に区分に利用できるため、集積部に集積される紙葉類の重量を制限することができ、係員に過剰な負担をかけることがなく、効率的に処理可能な紙葉類処理装置を提供することができる。
【実施例2】
【0062】
図13は、本発明の実施例2に係る重量検知部(重量検知装置)40Aの詳細図である。この重量検知部40A以外の部分は基本的に実施例1と同様であるため、同一部分には同一符号を用い、その説明を省略し、異なる部分の説明を行う。
【0063】
図示した重量検知部40Aには、実施例1に備えられている重量検知機構支持台56A、56Bがなく、重量検知センサ支持台46がスライダ56Cに固定される。スライダ56Cは、スライダ支持台56Dに上下移動可能に組み込まれる。このような構成にすることにより、重量検知センサ41が上下移動可能になる。実施例2では、重量検知センサ41は搬送ベルト45と非接触となる位置をホームポジションとする位置で待機しており、当該分類箱10が図示矢印B方向に搬送されて所定の位置に到達すると、重量検知センサ41が、上昇し、当該分類箱10の重量を測定する。
【0064】
分類箱10内の紙葉類Pは、最上面の紙葉類Pから順番に1通ずつ取り出され、重量が測定されるのは、実施例1と同様である。このようにして、すべての紙葉類Pが取り出され、重量測定も終了すると、重量検知センサ41は、上述したホームポジションに復帰する。
【0065】
このような処理をすることにより、重量検知センサ41の測定面が常時搬送ベルト45と接触することによる摩耗と重量検知センサ41から不要な出力信号(ノイズ成分)が出力されるのを防止することができる。
【0066】
なお、実施例2では、搬送ベルト45の位置を分類箱10に収納された紙葉類Pの高さによって上昇移動することはないため、紙葉類取出装置60を構成するアーム60A・60Bを当該分類箱10内の最上面の紙葉類を吸引取り出し可能な位置まで移動させる制御が行われる必要がある。
【0067】
実施例1では、搬送部42が上下移動するため、紙葉類取出装置60の機能は簡単な構成とすることができるが、搬送部42を紙葉類Pが収納された分類箱10と共に上下移動するため、スライダ56Cを駆動する大きな駆動力を必要とするが、実施例2では、搬送部42を上下移動しないため、大きな駆動力は必要とならないが、紙葉類取出装置60のアーム制御を必要とする。何れが好適であるかは、処理する紙葉類の種類及び処理量によって選択的に適用される。
【0068】
以上説明したように、本実施例2では、搬送部42を上下移動しないため、搬送部42を上下駆動する大きな駆動力を必要としないという効果が得られる。
【符号の説明】
【0069】
1 紙葉類処理装置
10 分類箱
20 分類箱搬送部
30 分類箱搬送部(バッファ部)
40 重量検知部
41 重量検知センサ
43、44 搬送ローラ
44 搬送ベルト
46 重量検知センサ支持台
48 駆動モータ
48a 駆動モータプーリ
49 タイミングベルト
50 重量検知制御部
56C スライダ
56D スライダ支持台
60 紙葉類取出装置
60A、60B ピックアップ部
61 支柱
62 支持台
63、65 アーム
64、66 ハンド部
64A、64B、64C、66A、66B、66C 吸引部
70 空箱搬送部
80 紙葉類搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分類箱に収納された紙葉類の重量を測定する重量検知装置であって、
紙葉類が収納された分類箱を搬送する分類箱搬送手段と、
この分類箱搬送手段の搬送上流に配置され、搬送される分類箱の搬送位置を検知する位置センサと、
前記分類箱搬送手段で搬送される分類箱の重量を検知する重量検知センサと、
前記分類箱から紙葉類を1通ずつ取り出し、紙葉類を搬送する紙葉類搬送部に供給する紙葉類取出手段と、
この紙葉類取出手段で1通ずつ紙葉類を取り出すごとに、取り出されずに残っている紙葉類が収納された分類箱の重量を前記重量検知センサによって検知し、検知された分類箱の重量の差から取り出した紙葉類の重量を算出する重量算出手段と、
前記位置センサが分類箱を検知後、前記分類箱搬送手段を駆動して所定の重量測定位置まで当該分類箱を搬送して停止し、前記分類箱内の紙葉類を1通ごと取り出してその重量を算出し、分類箱内の紙葉類が空になったととき、当該分類箱を下流に搬送する重量検知制御手段と、を備え、
前記分類箱に収納されている紙葉類の重量を1通ごとに算出することを特徴とする重量検知装置。
【請求項2】
分類箱に収納された紙葉類の重量を測定する重量検知装置であって、
紙葉類が収納された分類箱を搬送する分類箱搬送手段と、
この分類箱搬送手段の搬送上流に配置され、搬送される分類箱の搬送位置を検知する位置センサと、
前記搬送手段で搬送される分類箱の重量を検知する重量検知センサと、
前記分類箱搬送手段及び前記重量検知センサを一体にして上下移動する移動手段と、
前記分類箱から紙葉類を1通ずつ取り出し、紙葉類を搬送する紙葉類搬送部に供給する紙葉類取出手段と、
この紙葉類取出手段で1通ずつ紙葉類を取り出すごとに、取り出されずに残っている紙葉類が収納された分類箱の重量を前記重量検知センサによって検知し、検知された分類箱の重量の差から取り出した紙葉類の重量を算出する重量算出手段と、
前記位置センサが分類箱を検知後、前記分類箱搬送手段を駆動して所定の重量測定位置まで当該分類箱を搬送して停止し、当該分類箱の重量を測定し、前記紙葉類取出手段によって分類箱内の最上面の紙葉類を取り出した後、取り出されずに残っている分類箱内の最上面の紙葉類の取出位置を一定にするために前記移動手段を駆動して前記分類箱搬送手段を上昇移動させる重量検知制御手段と、
を備え、前記分類箱に収納されている紙葉類の重量を1通ごとに算出することを特徴とする重量検知装置。
【請求項3】
前記分類箱搬送手段は、
搬送ローラと、
この搬送ローラに掛け回された搬送ベルトと、
前記搬送ローラを駆動する駆動モータと、で構成され、
前記重量検知制御手段はさらに、
前記分類箱搬送手段の前記搬送ベルトに載置された前記分類箱内の紙葉類が前記紙葉類取出手段によって取り出されて空になると、前記駆動モータを駆動して搬送ベルトを回転させ当該搬送ベルト上に載置された空の分類箱を搬送して当該搬送ベルトから排出し、当該分類箱搬送手段の上流から紙葉類が収納された分類箱を受け取ることを特徴とする請求項2記載の重量検知装置。
【請求項4】
分類箱に収納された紙葉類の重量を測定する重量検知装置であって、
紙葉類が収納された分類箱を搬送する分類箱搬送手段と、
この分類箱搬送手段の搬送上流に配置され、搬送される分類箱の搬送位置を検知する位置センサと、
前記搬送手段で搬送される分類箱の重量を検知する重量検知センサと、
前記重量検知センサを上下移動する移動手段と、
前記分類箱から紙葉類を1通ずつ取り出し、紙葉類を搬送する紙葉類搬送部に供給する紙葉類取出手段と、
この紙葉類取出手段で1通ずつ紙葉類を取り出すごとに、取り出されずに残っている紙葉類が収納された分類箱の重量を前記重量検知センサによって検知し、検知された分類箱の重量の差から取り出した紙葉類の重量を算出する重量算出手段と、
前記位置センサが分類箱を検知後、前記分類箱搬送手段を駆動して所定の重量測定位置まで当該分類箱を搬送して停止し、前記移動手段を駆動して前記重量検知センサを所定の位置まで上昇して当該分類箱の重量を測定し、当該分類箱内の紙葉類が空になったときに、前記重量検知センサをホームポジションに下降する重量検知制御手段と、
を備え、前記分類箱に収納されている紙葉類の重量を1通ごとに算出することを特徴とする重量検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−36821(P2013−36821A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172411(P2011−172411)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】