説明

野生動物捕獲システム

【課題】群れ行動をとる集団性の野生動物の捕獲効率を向上させることが可能な野生動物捕獲システムを提供する。
【解決手段】この野生動物捕獲システム100は、群れ行動をとる集団性の野生動物を捕獲する野生動物捕獲システムであって、野生動物を捕獲する囲いワナ1と、捕獲現場側に設置され、囲いワナ1の捕獲領域内および捕獲領域周辺を撮影する監視カメラ2と、監視者側に設置され、監視カメラ2により撮影される映像を表示する表示装置5と、捕獲現場側および監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数のトランシーバ3および4を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて囲いワナ1で野生動物を捕獲するように作動する閉塞部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、野生動物捕獲システムに関し、特に、群れ行動をとる集団性の野生動物を捕獲する野生動物捕獲システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シカやイノシシなど、群れ行動をとる集団性の野生動物による農作物被害が深刻化しており、これに対して種々の対策が実施されている。その種々の対策の中でも対象の野生動物を捕獲して駆除する対策は、農作物被害をもたらす野生動物の生息数を直接的に減少させることができる点で有効な対策である。
【0003】
このため、従来では、野生動物を捕獲する野生動物捕獲システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1には、落とし扉を有する捕獲器(捕獲装置)と、捕獲器を監視する監視装置(撮影装置)と、野生動物が捕獲器に侵入したことを検知する赤外線センサ(検知部)とを備えた、イノシシ等の有害鳥獣を捕獲するための野生動物捕獲システムが開示されている。この野生動物捕獲システムでは、赤外線センサにより野生動物が捕獲器に侵入したことが検知されたことに基づいて自動的に落とし扉が落とされることによって、捕獲器に侵入した野生動物が捕獲される。また、この特許文献1による野生動物捕獲システムは、赤外線センサにより野生動物が捕獲器に侵入したことが検知された場合に、監視装置により撮影される映像を携帯電話に送信するように構成されている。これにより、監視者は、捕獲器により野生動物が適切に捕獲されているか否かを携帯電話の表示部で確認することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−97019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の野生動物捕獲システムでは、監視者により、野生動物が適切に捕獲されているか否かを携帯電話の表示部で確認することが可能である一方、赤外線センサにより野生動物が捕獲器に侵入したことが検知されたことに基づいて自動的に落とし扉が落とされるので、捕獲器に1頭(匹)の野生動物しか侵入していない場合でも自動的に落とし扉が落とされてしまうという不都合がある。このため、上記特許文献1の野生動物捕獲システムでは、1回の捕獲動作で複数頭(匹)の野生動物を捕獲することが困難である。特に、群れ行動をとる集団性の野生動物の場合には、捕獲器の周りに複数の野生動物が群れをなしている可能性が高いにも拘わらず、上記特許文献1の野生動物捕獲システムでは、1回の捕獲動作で1頭(匹)の野生動物しか捕獲することができず、捕獲効率が低いという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、群れ行動をとる集団性の野生動物の捕獲効率を向上させることが可能な野生動物捕獲システムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この発明の一の局面による野生動物捕獲システムは、群れ行動をとる集団性の野生動物を捕獲する野生動物捕獲システムであって、野生動物を捕獲する捕獲装置と、捕獲現場側に設置され、捕獲装置の捕獲領域内および捕獲領域周辺を撮影する撮影装置と、監視者側に設置され、撮影装置により撮影される映像を表示する表示装置と、捕獲現場側および監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数の無線通信機器を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて捕獲装置で野生動物を捕獲するように作動する捕獲装置作動部とを備える。なお、群れ行動をとる集団性の野生動物とは、たとえば、シカ、イノシシ、アライグマ、ヌートリア、サルなどである。また、基地局とは、携帯電話やPHS等における親局を含み、単に通信距離を大きくするための中継器を含まない概念である。
【0009】
この発明の一の局面による野生動物捕獲システムでは、上記のように、監視者側に設置され、撮影装置により撮影される映像を表示する表示装置と、捕獲現場側および監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数の無線通信機器を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて捕獲装置で野生動物を捕獲するように作動する捕獲装置作動部とを設けることによって、監視者は、捕獲現場の遠隔地で捕獲領域の様子を表示装置で確認しながら、無線通信による遠隔操作により監視者の望む適切なタイミングで捕獲装置作動部を作動させることができる。これにより、表示装置で捕獲領域の様子を確認しながら複数頭(匹)の野生動物が捕獲領域内に入っている状態で監視者が捕獲装置作動部を作動させれば、1回の捕獲動作で複数頭(匹)の野生動物を捕獲することができる。すなわち、群れ行動をとる集団性の野生動物が捕獲領域内に複数頭(匹)連なって侵入する場合に、監視者は表示装置で捕獲領域の様子を確認しながら適切なタイミングで捕獲装置作動部を作動させることができるので、容易に、1回の捕獲動作で複数頭(匹)の野生動物を捕獲することができる。これにより、群れ行動をとる集団性の野生動物の捕獲効率を向上させることができる。その結果、群れ行動をとる集団性の野生動物による農作物被害をより有効に抑制することができる。なお、本発明の発明者らは、本発明の野生動物捕獲システムの稼働試験において、後述の実施形態に示すような囲いワナによって1回の捕獲動作で最大15頭のシカの捕獲に成功している。
【0010】
また、捕獲装置の捕獲領域内および捕獲領域周辺を撮影するように撮影装置を構成することによって、ユーザは、表示装置で捕獲領域内の様子のみならず捕獲領域周辺の様子も確認することができるので、たとえば、現時点では捕獲領域内に入っていないがこれから捕獲領域内に侵入しそうな個体を確認した上で捕獲装置作動部を作動させるタイミングを判断することができる。これにより、ユーザは、捕獲装置内の様子だけを確認しながら判断する場合に比べて、捕獲領域内および捕獲領域周辺の両方の様子を確認しながら捕獲装置作動部を作動させる適切なタイミングをより容易に判断することができる。また、監視者は、表示装置により捕獲領域の様子を目視で確認しながら監視者の指示に基づいて捕獲装置作動部を作動させることができるので、捕獲対象の野生動物以外の動物が捕獲されてしまうのを容易に回避することができる。また、捕獲現場側および監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数の無線通信機器を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて作動するように捕獲装置作動部を構成することによって、携帯電話などを用いる場合と異なり、山間部など基地局との無線通信状態が不安定な場所においても、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な無線通信機器を用いて捕獲装置作動部を良好な無線通信状態で遠隔操作することができるので、基地局との無線通信が良好に行える場所であるか否かに拘わらず、無線通信による遠隔操作により捕獲装置作動部を確実に作動させることができる。
【0011】
上記一の局面による野生動物捕獲システムにおいて、好ましくは、野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのを検知する検知部と、検知部により野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのが検知された場合に、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数の無線通信機器を用いて監視者に対して野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入したことを報知する報知部とをさらに備える。このように構成すれば、基地局との無線通信が良好に行える場所であるか否かに拘わらず、報知部により、野生動物が捕獲領域内に侵入したことを監視者に容易に認識させることができる。これにより、監視者は、報知部による報知に基づいて監視を開始することができるので、常時監視を継続する必要がなく監視者の監視負担を軽減することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、捕獲現場側の無線通信機器は、マイク端子を含み、報知部は、マイク端子に検知部の検知に基づく信号が入力されたことに基づいて報知するように構成されている。このように構成すれば、捕獲現場側の無線通信機器のマイク端子を検知部の検知に基づく信号の入力端子として流用する簡易な構成で、容易に、報知部により、監視者に対して野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入したことを報知することができる。
【0013】
上記一の局面による野生動物捕獲システムにおいて、好ましくは、捕獲装置作動部は、監視者による監視者側の無線通信機器に対する音声による指示信号を捕獲現場側の無線通信機器が受信したことに基づいて作動するように構成されている。このように構成すれば、監視者が監視者側の無線通信機器に対して音声による指示信号を付与するだけで捕獲装置作動部を作動させることができるので、捕獲装置作動部を作動させるための複雑な操作が必要ない。その結果、監視者の操作負担を軽減することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、捕獲現場側の無線通信機器は、スピーカ端子を含み、捕獲装置作動部は、捕獲現場側の無線通信機器が監視者による監視者側の無線通信機器に対する音声による指示信号を受信した場合にスピーカ端子から出力される信号に基づいて作動するように構成されている。このように構成すれば、捕獲現場側の無線通信機器が監視者による監視者側の無線通信機器に対する音声による指示信号を受信した場合に、捕獲現場側の無線通信機器のスピーカ端子を捕獲装置作動部を作動させる信号の出力端子として流用する簡易な構成で、容易に、監視者による監視者側の無線通信機器に対する音声による指示信号を捕獲現場側の無線通信機器が受信したことに基づいて捕獲装置作動部を作動させることができる。
【0015】
上記一の局面による野生動物捕獲システムにおいて、好ましくは、野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのを検知する検知部と、検知部により野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのが検知された場合に、時刻情報を記憶して蓄積することが可能な記憶部とをさらに備える。このように構成すれば、記憶部に蓄積される時刻情報に基づいて野生動物が捕獲領域内に侵入する時刻や回数(頻度)の統計的な情報を取得することができるので、取得した統計的な情報を利用して習慣性のある野生動物を効率よく捕獲することができる。
【0016】
上記一の局面による野生動物捕獲システムにおいて、好ましくは、撮影装置は、野生動物の習慣性から見て捕獲対象の野生動物が活発に行動する時間帯以外の時間帯には動作しないように構成されている。ここで、野生動物の習慣性から見て捕獲対象の野生動物が活発に行動する時間帯以外の時間帯には、捕獲対象の野生動物が捕獲装置の捕獲領域内に侵入する可能性が低いので、そのような時間帯では撮影装置を動作させないようにしても捕獲効率は低下しないと考えられる。本発明では、この点を考慮して、野生動物が活発に行動する時間帯以外の時間帯において撮影装置を動作させないように構成することにより、捕獲効率の低下を抑制しながら、撮影装置の消費電力量を低減することができる。これにより、屋外である捕獲装置側に設置された撮影装置をバッテリにより駆動する場合に、バッテリの蓄電量の減少を抑制して撮影装置の使用可能期間を長くすることができる。なお、野生動物の習慣性とは、特に日周活動に関する野生動物の習慣性である。
【0017】
上記一の局面による野生動物捕獲システムにおいて、好ましくは、無線通信機器は、近距離無線通信に対応したトランシーバである。このように構成すれば、近距離無線通信に対応したトランシーバを用いる簡易な構成において、容易に、監視者による指示に基づいて基地局を介さない直接的な無線通信による遠隔操作により捕獲装置作動部を作動させることができる。また、近距離無線通信に対応したトランシーバとして特定小電力トランシーバを用いれば、特別な許可を受けることなく、無線通信による遠隔操作により捕獲装置作動部を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による野生動物捕獲システムの全体構成を示した概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による野生動物捕獲システムの捕獲現場側トランシーバの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による野生動物捕獲システムの監視者側トランシーバの構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による野生動物捕獲システムにおいてシカが囲いワナに侵入したことを監視者に報知する際の各部の動作について説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態による野生動物捕獲システムにおいて監視者の指示に基づいて閉塞部を作動させる際の各部の動作について説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態による野生動物捕獲システムの変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による野生動物捕獲システム100の構成について説明する。
【0021】
本発明の一実施形態による野生動物捕獲システム100は、群れ行動をとる集団性の野生動物を捕獲するためのシステムである。また、この野生動物捕獲システム100は、監視者による指示に基づいて後述の囲いワナ1で野生動物を捕獲するように構成されている。具体的には、野生動物捕獲システム100は、監視者の望む所定のタイミングで後述の閉塞部15を作動して囲いワナ1を閉塞することが可能に構成されている。以下に、本実施形態の野生動物捕獲システム100の詳細について説明する。なお、群れ行動をとる集団性の野生動物とは、たとえば、シカ、イノシシ、アライグマ、ヌートリア、サルなどである。本実施形態では、これらの集団性の野生動物のうち、特にシカを捕獲するための野生動物捕獲システム100について説明する。
【0022】
野生動物捕獲システム100は、図1に示すように、囲いワナ1と、監視カメラ2と、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な一対のトランシーバ3および4と、表示装置5とを備えている。また、囲いワナ1と、監視カメラ2と、一対のトランシーバのうちの一方のトランシーバ3とは、捕獲現場側に設けられている。また、一対のトランシーバのうちの他方のトランシーバ4と、表示装置5とは、監視者側に設けられている。また、監視者は、捕獲現場からたとえば約100m離間した場所に設置された監視室(監視小屋)などで監視を行っている。また、一対のトランシーバ3および4は、使用に関して特別な許可を必要としない特定小電力トランシーバである。なお、囲いワナ1は、本発明の「捕獲装置」の一例であり、監視カメラ2は、本発明の「撮影装置」の一例である。また、トランシーバ3および4は、本発明の「無線通信機器」の一例である。
【0023】
囲いワナ1は、図1に示すように、アルミなどの金属パイプ11を組み立てることによって形成されている。具体的には、囲いワナ1は、複数の金属パイプ11により骨格が形成されており、金属パイプ11間に網目状の金属パネル12が配置されることによって四方を取り囲む形状に構成されている。このように金属パイプ11と網目状の金属パネル12とを用いることによって、囲いワナ1の構成を簡素化することができるので、容易に、囲いワナ1の設置および解体を行うことが可能となる。野生動物の捕獲においては、ワナを設置した場所に捕獲対象の野生動物が寄り付かない場合があり、このような場合には、ワナの設置場所を変更する必要が生じてワナの設置および解体作業が必要となる。また、囲いワナ1の内側(捕獲領域内)には、シカを囲いワナ1の内側におびき寄せるためのエサが置かれている。
【0024】
また、囲いワナ1には、シカを囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入させるための1つの侵入口13と、侵入口13を開閉可能な扉部14とが設けられている。扉部14は、侵入口13の枠に沿って上下にスライド可能に構成されている。また、扉部14は、上方に持ち上げられている状態で侵入口13を開放し、下方に落とされた状態で侵入口13を閉塞するように構成されている。具体的には、扉部14は、シカを囲いワナ1に侵入させる際には、図示しないワイヤーによる引張力により上方に持ち上げられている。また、扉部14の近傍には、ワイヤーによる引張力を解除する閉塞部15が設けられており、扉部14は、閉塞部15が作動することによって扉部14の自重により下方に落下するように構成されている。すなわち、閉塞部15が作動することによって、扉部14により囲いワナ1が閉塞される。また、囲いワナ1には、シカが侵入口13から囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入するのを検知する赤外線センサ16が設けられている。なお、閉塞部15は、本発明の「捕獲装置作動部」の一例であり、赤外線センサ16は、本発明の「検知部」の一例である。
【0025】
監視カメラ2は、囲いワナ1の金属パイプ11に取り付けられている。また、監視カメラ2は、囲いワナ1の捕獲領域(内側)および捕獲領域周辺を撮影可能に構成されている。また、監視カメラ2は、赤外線カメラであり、暗闇でも撮影可能に構成されている。これにより、夜間に囲いワナ1に侵入する可能性が高い夜行性動物のシカを容易に撮影することが可能である。また、監視カメラ2は、監視者側に設置された後述の映像受信機2aに対して撮影映像を無線通信により逐次送信するように構成されている。これにより、監視者は、映像受信機2aが受信する映像によりリアルタイムで囲いワナ1の様子を監視することが可能である。また、監視カメラ2は、捕獲現場側に設置されたバッテリ6から電力が供給されるように構成されている。また、監視カメラ2には、図示しないタイマーが接続されており、タイマーにより所定の時間帯には動作しないように構成されている。具体的には、監視カメラ2は、シカの日周活動に関する習慣性から見てシカが活発に行動する夜間の時間帯(たとえば、夕5時〜朝6時の時間帯)以外の時間帯(たとえば、朝6時〜夕5時までの間)には動作しないように構成されている。ここで、野生動物の習慣性から見て捕獲対象のシカが活発に行動する時間帯以外の時間帯には、シカが囲いワナ1の捕獲領域内に侵入する可能性が低いので、そのような時間帯では監視カメラ2を動作させないようにしても捕獲効率は低下しないと考えられる。
【0026】
捕獲現場側のトランシーバ3は、図1および図2に示すように、捕獲現場側に設置されたバッテリ6から電力が供給されるように構成されている。また、トランシーバ3は、図2に示すように、近距離無線通信に対応した無線通信部31と、複数の操作ボタンからなる操作部32と、各部に電力を供給する電源部33と、マイク端子341を含むマイク部34と、スピーカ端子351を含むスピーカ部35と、各部の動作を制御する制御部36とを備えている。また、トランシーバ3は、コントロールボックス7を介して閉塞部15および赤外線センサ16に電気的に接続されている。具体的には、トランシーバ3は、マイク端子341およびスピーカ端子351を介してコントロールボックス7に接続されている。
【0027】
また、制御部36は、コントロールボックス7から送信される電気信号がマイク端子341に入力された場合に、無線通信部31を介して監視者側のトランシーバ4に対して近距離無線通信により無線信号を送信する制御を行うように構成されている。また、制御部36は、無線通信部31により監視者側のトランシーバ4から近距離無線通信により無線信号を受信した場合に、スピーカ端子351からコントロールボックス7に対して電気信号を出力する制御を行うように構成されている。
【0028】
また、捕獲現場側のコントロールボックス7は、トランシーバ3のスピーカ端子351から出力される電気信号が入力された場合に、閉塞部15に対してワイヤーによる引張力を解除させる作動信号を送信するように構成されている。また、コントロールボックス7は、赤外線センサ16によりシカが囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入するのが検知された場合に、赤外線センサ16から送信される検知信号に基づいてトランシーバ3のマイク端子341に対して電気信号を送信するように構成されている。また、コントロールボックス7は、バッテリ6から電力が供給されるように構成されている。また、コントロールボックス7は、バッテリ6の電圧が所定値以下に低下した場合に、閉塞部15との電気的な接続を解除(切断)するように構成されている。これにより、たとえば、バッテリ6の電圧低下に起因してトランシーバ3からエラー音が発せられる構成において、そのエラー音に起因してスピーカ端子351から出力される電気信号に基づいて閉塞部15が作動してしまうのを防止することが可能である。すなわち、監視者が意図しないタイミングで囲いワナ1が閉塞されてしまうのを防止することが可能である。
【0029】
監視者側のトランシーバ4は、捕獲現場側のトランシーバ3と同様の構成を有している。具体的には、トランシーバ4は、図1および図3に示すように、監視者側に設置されたバッテリ8から電力が供給されるように構成されている。また、トランシーバ4は、図3に示すように、近距離無線通信に対応した無線通信部41と、複数のボタンからなる操作部42と、各部に電力を供給する電源部43と、マイク端子441を含むマイク部44と、スピーカ端子451を含むスピーカ部45と、各部の動作を制御する制御部46とを備えている。また、トランシーバ4は、スピーカ端子451を介してコントロールボックス9に電気的に接続されている。また、制御部46は、無線通信部41により捕獲現場側のトランシーバ3から近距離無線通信により無線信号を受信した場合に、スピーカ端子451からコントロールボックス9に対して電気信号を出力する制御を行うように構成されている。また、制御部46は、マイク部44により音声が受け付けられた場合に、無線通信部41を介して捕獲現場側のトランシーバ3に対して近距離無線通信により無線信号を送信する制御を行うように構成されている。
【0030】
また、監視者側のコントロールボックス9は、フラッシュメモリからなる記憶部91と、回転灯からなる報知部92とを備えている。また、コントロールボックス9は、トランシーバ4のスピーカ端子451から出力される電気信号が入力された場合に、報知部92を動作させるように構成されている。すなわち、コントロールボックス9は、トランシーバ4のスピーカ端子451から出力される電気信号が入力された場合に、報知部92としての回転灯を点灯させるように構成されている。この際、コントロールボックス9は、記憶部91に時刻情報を記憶して蓄積するように構成されている。詳細には、コントロールボックス9は、時計機能を有しており、トランシーバ4のスピーカ端子451から出力される電気信号が入力された場合に、電気信号が入力された際の時刻情報を記憶部91に記憶して蓄積するように構成されている。これにより、監視者は、記憶部91に記憶された時刻情報の蓄積データに基づいて、シカが囲いワナ1に侵入する時刻や回数(頻度)の統計的な情報を得ることが可能である。シカは日周活動に関して習慣性があり、毎日略同じ時刻にエサを食べに現れる傾向がある。このため、監視者は、得られる統計的な情報およびシカの習慣性を利用して、シカを効率よく捕獲するための時間帯を把握して効率よく監視を行うことが可能である。また、コントロールボックス9は、バッテリ8から電力が供給されるように構成されている。
【0031】
表示装置5は、トランシーバ4とは別個に設けられた据え置き型のテレビ装置である。これにより、トランシーバ4に設けられる表示部とは異なり、容易に、監視カメラ2により撮影される映像をより大きな表示画面で表示することができるので、表示装置5により捕獲領域の様子を確認しやすくすることができる。また、表示装置5は、監視カメラ2により撮影される映像を表示するために設けられている。具体的には、表示装置5には、映像受信機2aが接続されており、表示装置5は、映像受信機2aにより受信される監視カメラ2による映像を表示するように構成されている。
【0032】
次に、図2〜図4を参照して、シカが囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入したことを監視者に対して報知部92により報知する際の各部の動作について説明する。
【0033】
まず、図4に示すように、赤外線センサ16により、シカが侵入口13から囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入するのが検知される。そして、赤外線センサ16により、捕獲現場側のコントロールボックス7に対して、シカが囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入したことを知らせる検知信号が送信される。コントロールボックス7は、検知信号を受信すると、捕獲現場側のトランシーバ3のマイク端子341(図2参照)に対して電気信号を送信する。捕獲現場側のトランシーバ3は、マイク端子341に電気信号が入力されると、無線通信部31(図2参照)を介して監視者側のトランシーバ4に近距離無線通信により無線信号を送信する。
【0034】
監視者側のトランシーバ4は、無線通信部41(図3参照)により捕獲現場側のトランシーバ3から送信される無線信号を受信すると、スピーカ端子451(図3参照)から監視者側のコントロールボックス9に対して電気信号を出力する。コントロールボックス9は、スピーカ端子451から出力される電気信号が入力されると、回転灯を点灯して報知部92を動作させる。さらに、コントロールボックス9は、トランシーバ4のスピーカ端子451から出力された電気信号が入力された際の時刻情報を記憶部91に記憶して蓄積させる。
【0035】
上記のように、報知部92は、赤外線センサ16による検知信号が捕獲現場側のトランシーバ3のマイク端子341(図2参照)に入力されたことに基づいて、シカが囲いワナ1の内側(捕獲領域内)に侵入したことを監視者に報知する。
【0036】
次に、図2、図3および図5を参照して、監視者の指示に基づいて囲いワナ1でシカを捕獲するように閉塞部15を作動させる際の各部の動作について説明する。
【0037】
まず、図5に示すように、監視者が表示装置5で捕獲領域内および捕獲領域周辺の様子を確認しながら所望のタイミングで監視者側のトランシーバ4に対して音声を発すると、トランシーバ4のマイク部44(図3参照)により音声が受信される。監視者からの音声を受信すると、トランシーバ4は、無線通信部41(図3参照)を介して捕獲現場側のトランシーバ3に近距離無線通信により無線信号を送信する。
【0038】
捕獲現場側のトランシーバ3は、無線通信部31(図2参照)により監視者側のトランシーバ4から送信される無線信号を受信すると、スピーカ端子351(図2参照)から捕獲現場側のコントロールボックス7に対して電気信号を出力する。コントロールボックス7は、スピーカ端子351から出力される電気信号が入力されると、閉塞部15に対して作動信号を送信する。閉塞部15は、作動信号に基づいてワイヤーによる引張力を解除して扉部14を落下させる。
【0039】
上記のように、閉塞部15は、監視者による監視者側のトランシーバ4に対する音声による指示信号を捕獲現場側のトランシーバ3が受信したことに基づいて遠隔操作により作動する。より詳細には、閉塞部15は、捕獲現場側のトランシーバ3が監視者による監視者側のトランシーバ4に対する音声による指示信号を無線通信を介して受信した場合にスピーカ端子351から出力される電気信号に基づいて作動する。
【0040】
本実施形態では、上記のように、監視者側に設置され、監視カメラ2により撮影される映像を表示する表示装置5と、捕獲現場側および監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能なトランシーバ3および4を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて囲いワナ1でシカを捕獲するように作動する閉塞部15とを設けることによって、監視者は、捕獲現場の遠隔地で捕獲領域の様子を表示装置5で確認しながら、無線通信による遠隔操作により監視者の望む適切なタイミングで閉塞部15を作動させることができる。これにより、表示装置5で捕獲領域の様子を確認しながら複数頭(匹)のシカが捕獲領域内に入っている状態で監視者が閉塞部15を作動させれば、1回の捕獲動作で複数頭(匹)のシカを捕獲することができる。すなわち、群れ行動をとる集団性のシカが捕獲領域内に複数頭(匹)連なって侵入する場合に、監視者は表示装置5で捕獲領域の様子を確認しながら適切なタイミングで閉塞部15を作動させることができるので、容易に、1回の捕獲動作で複数頭(匹)のシカを捕獲することができる。これにより、群れ行動をとる集団性のシカの捕獲効率を向上させることができる。その結果、群れ行動をとる集団性のシカによる農作物被害をより有効に抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、囲いワナ1の捕獲領域内および捕獲領域周辺を撮影するように監視カメラ2を構成することによって、ユーザは、表示装置5で捕獲領域内の様子のみならず捕獲領域周辺の様子も確認することができるので、たとえば、現時点では捕獲領域内に入っていないがこれから捕獲領域内に侵入しそうな個体を確認した上で閉塞部15を作動させるタイミングを判断することができる。これにより、ユーザは、囲いワナ1内の様子だけを確認しながら判断する場合に比べて、捕獲領域内および捕獲領域周辺の両方の様子を確認しながら閉塞部15を作動させる適切なタイミングを容易に判断することができる。また、監視者は、表示装置5により捕獲領域の様子を目視で確認しながら監視者の指示に基づいて閉塞部15を作動させることができるので、捕獲対象のシカ以外の動物が捕獲されてしまうのを容易に回避することができる。また、捕獲現場側および監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能なトランシーバ3および4を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて作動するように閉塞部15を構成することによって、携帯電話などを用いる場合と異なり、山間部など基地局との無線通信状態が不安定な場所においても、基地局を介さないで直接的に無線通信可能なトランシーバ3および4を用いて閉塞部15を良好な無線通信状態で遠隔操作することができるので、基地局との無線通信が良好に行える場所であるか否かに拘わらず、無線通信による遠隔操作により閉塞部15を確実に作動させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、シカが囲いワナ1の捕獲領域内に侵入するのを検知する赤外線センサ16と、赤外線センサ16によりシカが囲いワナ1の捕獲領域内に侵入するのが検知された場合に、基地局を介さないで直接的に無線通信可能なトランシーバ3および4を用いて監視者に対してシカが囲いワナ1の捕獲領域内に侵入したことを報知する報知部92とを設ける。これによって、基地局との無線通信が良好に行える場所であるか否かに拘わらず、報知部92により、シカが捕獲領域内に侵入したことを監視者に容易に認識させることができる。その結果、監視者は、報知部92による報知に基づいて監視を開始することができるので、常時監視を継続する必要がなく監視者の監視負担を軽減することができる。
【0043】
また、本実施形態では、捕獲現場側のトランシーバ3にマイク端子341を設け、マイク端子341に赤外線センサ16の検知に基づく信号が入力されたことに基づいて報知するように報知部92を構成することによって、捕獲現場側のトランシーバ3のマイク端子341を赤外線センサ16の検知に基づく信号の入力端子として流用する簡易な構成で、容易に、報知部92により、監視者に対してシカが囲いワナ1の捕獲領域内に侵入したことを報知することができる。
【0044】
また、本実施形態では、監視者による監視者側のトランシーバ4に対する音声による指示信号を捕獲現場側のトランシーバ3が受信したことに基づいて作動するように閉塞部15を構成することによって、監視者が監視者側のトランシーバ4に対して音声による指示信号を付与するだけで閉塞部15を作動させることができるので、閉塞部15を作動させるための複雑な操作が必要ない。その結果、監視者の操作負担を軽減することができる。
【0045】
また、本実施形態では、捕獲現場側のトランシーバ3にスピーカ端子351を設け、捕獲現場側のトランシーバ3が監視者による監視者側のトランシーバ4に対する音声による指示信号を受信した場合にスピーカ端子351から出力される信号に基づいて作動するように閉塞部15を構成する。これによって、捕獲現場側のトランシーバ3が監視者による監視者側のトランシーバ4に対する音声による指示信号を受信した場合に、捕獲現場側のトランシーバ3のスピーカ端子351を閉塞部15を作動させる信号の出力端子として流用する簡易な構成で、容易に、監視者による監視者側のトランシーバ4に対する音声による指示信号を捕獲現場側のトランシーバ3が受信したことに基づいて閉塞部15を作動させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、赤外線センサ16によりシカが囲いワナ1の捕獲領域内に侵入するのが検知された場合に、時刻情報を記憶して蓄積することが可能な記憶部91とを設ける。これによって、記憶部91に蓄積される時刻情報に基づいてシカが捕獲領域内に侵入する時刻や回数(頻度)の統計的な情報を取得することができるので、取得した統計的な情報を利用して習慣性のあるシカを効率よく捕獲することができる。
【0047】
また、本実施形態では、習慣性から見て捕獲対象のシカが活発に行動する時間帯以外の時間帯には動作しないように監視カメラ2を構成することによって、捕獲効率の低下を抑制しながら、監視カメラ2の消費電力量を低減することができる。これにより、捕獲装置側に設置された監視カメラ2に電力を供給するバッテリ6の蓄電量の減少を抑制して監視カメラ2の使用可能期間を長くすることができる。
【0048】
また、本実施形態では、近距離無線通信に対応したトランシーバ3および4を用いることによって、容易に、監視者による指示に基づいて基地局を介さない直接的な無線通信による遠隔操作により閉塞部15を作動させることができる。また、近距離無線通信に対応したトランシーバ3および4として特定小電力トランシーバを用いることによって、特別な許可を受けることなく、無線通信による遠隔操作により閉塞部15を作動させることができる。
【0049】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0050】
たとえば、上記実施形態では、本発明の捕獲装置の一例として、囲いワナを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、図6に示すような網ワナ201であってもよいし、檻ワナ、箱ワナ、投網式ワナなど、囲いワナおよび網ワナ以外の捕獲装置であってもよい。また、捕獲装置への野生動物の侵入口(ゲート)も1つに限定されるものではなく、複数の侵入口(ゲート)を備えた捕獲装置であってもよい。網ワナ201は、図6に示すように、4本の支柱211に支持された網212を落下させることによって、網212の下方の捕獲領域内に侵入した野生動物を捕獲するように構成されている。また、この網ワナ201は、4本の支柱211の上端部に取り付けられた4つの支持解除部215により支柱211による網212の支持が解除されることによって、網212が落下されるように構成されている。なお、この場合、4つの支持解除部215は、本発明の「捕獲装置作動部」である。
【0051】
また、上記実施形態では、群れ行動をとる集団性の野生動物のうち、特にシカを捕獲するための野生動物捕獲システムについて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、群れ行動をとる集団性の野生動物であれば、イノシシ、アライグマ、ヌートリア、サルなど、シカ以外の野生動物であってもよい。この場合、捕獲対象の動物に適した形態および捕獲対象の動物に適した大きさの捕獲装置を用いることが好ましい。
【0052】
また、上記実施形態では、本発明の無線通信機器の一例として、トランシーバを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基地局を介さないで直接的に無線通信可能であれば、アマチュア無線機などトランシーバ以外の無線通信機器であってもよい。また、中継器を用いて通信距離を大きくした(広げた)状態で、基地局を介さないで直接的に無線通信を行う無線通信機器であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、監視者側に1つのトランシーバを配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、監視者側に複数のトランシーバを配置する構成であってもよい。この場合、たとえば、複数の監視者により監視を行い、各監視者がトランシーバを携帯するように構成してもよい。これにより、複数の監視者のうちのいずれの監視者でもトランシーバを介して捕獲装置作動部を作動させることができる。
【0054】
また、上記実施形態では、本発明の検知部の一例として、赤外線センサを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、野生動物が捕獲領域内に侵入するのを検知可能であれば、赤外線センサ以外の検知部であってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、監視者側のトランシーバに対する音声による指示信号を捕獲現場側のトランシーバが受信したことに基づいて作動するように捕獲装置作動部としての閉塞部を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、監視者側のトランシーバに対する操作ボタンの押下による指示信号を捕獲現場側のトランシーバが受信したことに基づいて作動するように捕獲装置作動部を構成してもよいし、音声および操作ボタンの押下以外による指示信号を捕獲現場側のトランシーバが受信したことに基づいて作動するように捕獲装置作動部を構成してもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、記憶部の一例として、フラッシュメモリを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、時刻情報を記憶して蓄積することが可能であれば、フラッシュメモリ以外の記憶部であってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、報知部の一例として、回転灯からなる報知部を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、監視者に対して報知可能であれば、音響発生器など、回転灯以外の報知部であってもよいし、回転灯や音響発生器など複数の機器を組み合わせた報知部であってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、本発明の表示装置の一例として、テレビ装置を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、パーソナルコンピュータ(PC)に用いられるモニタなど、テレビ装置以外の表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 囲いワナ(捕獲装置)
2 監視カメラ(撮影装置)
3、4 トランシーバ(無線通信機器)
5 表示装置
15 閉塞部(捕獲装置作動部)
16 赤外線センサ(検知部)
91 記憶部
92 報知部
100 野生動物捕獲システム
201 網ワナ(捕獲装置)
341 マイク端子
351 スピーカ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
群れ行動をとる集団性の野生動物を捕獲する野生動物捕獲システムであって、
前記野生動物を捕獲する捕獲装置と、
捕獲現場側に設置され、前記捕獲装置の捕獲領域内および前記捕獲領域周辺を撮影する撮影装置と、
監視者側に設置され、前記撮影装置により撮影される映像を表示する表示装置と、
前記捕獲現場側および前記監視者側にそれぞれ設置され、基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数の無線通信機器を用いた無線通信による遠隔操作により、監視者による指示に基づいて前記捕獲装置で前記野生動物を捕獲するように作動する捕獲装置作動部とを備える、野生動物捕獲システム。
【請求項2】
前記野生動物が前記捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのを検知する検知部と、
前記検知部により前記野生動物が前記捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのが検知された場合に、前記基地局を介さないで直接的に無線通信可能な複数の無線通信機器を用いて監視者に対して前記野生動物が前記捕獲装置の捕獲領域内に侵入したことを報知する報知部とをさらに備える、請求項1に記載の野生動物捕獲システム。
【請求項3】
前記捕獲現場側の無線通信機器は、マイク端子を含み、
前記報知部は、前記マイク端子に前記検知部の検知に基づく信号が入力されたことに基づいて報知するように構成されている、請求項2に記載の野生動物捕獲システム。
【請求項4】
前記捕獲装置作動部は、前記監視者による前記監視者側の無線通信機器に対する音声による指示信号を前記捕獲現場側の無線通信機器が受信したことに基づいて作動するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の野生動物捕獲システム。
【請求項5】
前記捕獲現場側の無線通信機器は、スピーカ端子を含み、
前記捕獲装置作動部は、前記捕獲現場側の無線通信機器が前記監視者による前記監視者側の無線通信機器に対する音声による指示信号を受信した場合に前記スピーカ端子から出力される信号に基づいて作動するように構成されている、請求項4に記載の野生動物捕獲システム。
【請求項6】
前記野生動物が前記捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのを検知する検知部と、
前記検知部により前記野生動物が前記捕獲装置の捕獲領域内に侵入するのが検知された場合に、時刻情報を記憶して蓄積することが可能な記憶部とをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の野生動物捕獲システム。
【請求項7】
前記撮影装置は、前記野生動物の習慣性から見て捕獲対象の野生動物が活発に行動する時間帯以外の時間帯には動作しないように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の野生動物捕獲システム。
【請求項8】
前記無線通信機器は、近距離無線通信に対応したトランシーバである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の野生動物捕獲システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−55232(P2012−55232A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201834(P2010−201834)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(510243469)
【出願人】(510243470)
【出願人】(510202248)
【出願人】(510243481)
【Fターム(参考)】