説明

金型の冷却方法および金型の冷却装置

【課題】遠心力鋳造装置において、金型の表面温度が均一となるように金型の冷却を行い、鋳鉄管の品質を向上できる金型の冷却方法と金型の冷却装置を提供する。
【解決手段】金型11の受け口付近に重点的に冷却水22を散布する第1の給水管19と、金型11の全長にわたって冷却水26を散布する第2の給水管23と、金型11の挿し口付近に重点的に冷却水30を散布する第3の給水管27から構成される冷却装置を設け、鋳造後の鋳鉄管を引き抜いた後の金型11の表面温度の測定結果に基づき、各給水管19,23,27から金型11に散布される冷却水22,26,30の散布量をそれぞれ調節することにより、金型11の表面温度が均一となるように金型の冷却を行うことができ、鋳鉄管の品質を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心力鋳造装置における金型の冷却方法および金型の冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋳鉄管を製造するための鋳造装置の一種として、遠心力鋳造装置がある(例えば、特許文献1)。この遠心力鋳造装置は、溶湯(溶融鋳鉄)を貯留可能な鋳込取鍋を傾動させることで、この鋳込取鍋の注ぎ口から溶湯を流出させ、この流出された溶湯を、シュートを介して、回転鋳型としての水平方向の金型の内部に流し込んで供給したうえで冷却凝固するようにしたものである。金型は、回転ローラによって水平方向に支持されるとともに軸心まわりに高速で回転されることで、遠心力の作用によって鋳鉄管を鋳造することができるように構成されている。
【0003】
このような遠心力鋳造装置の詳細構造を図4に示す。
この遠心力鋳造装置は、図示のように、シュート52から溶湯が注湯され、内部に鋳鉄管が鋳造される金型11を有する。この金型11には金属製スリーブ12が外嵌めされている。この金属製スリーブ12には、その全長および全周にわたって多数の貫通孔13を有する。また金属製スリーブ12は、その全長および全周にわたる位置において、この金属製スリーブ12を貫通するようにねじ込まれている多数のセットボルト14の先端により金型11の外面を押圧することで、金型11に対して同心状に芯出しされた状態で、金型11との間に隙間15が設けられて固定されている。
【0004】
金属製スリーブ12よりも上方の位置には、金型11の長さ方向に沿って、給水管48が設けられている。この給水管48は、カバー17の外部に設けられたポンプ49から冷却水の供給を受け、金型11の長さ方向に沿って複数の位置に設けられた供給孔50…50より、下方の金属製スリーブ12の全長にわたり均一に冷却水51を散布できるように構成されている。この冷却水51が、金属性スリーブ12の貫通孔13を通過して、隙間15に入り込み、金型11に到達することで、金型11の外面を冷却できるように構成されている。
【0005】
上記構成によれば、鋳造中あるいは鋳造後に次の鋳造を行うまでの間に、金型11を回転させながら、金型11の上方から給水管48の供給孔50…50より金型11の全長にわたり冷却水51を散布して冷却することにより、簡易な構成で、溶湯の冷却凝固のほかに金型11の外面を冷却水51により均一に冷却でき、金型11の温度が高くなって金型11の曲がりが発生したり、金型11の内面のコーティングが困難になったりすることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−179511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、金型11の内部にはシュート52から次々に高温の溶湯が流し込まれるため、様々な原因で金型の温度分布にムラが生じる。このため、金型11の外面に均等に冷却水を供給するだけでは、金型11の長さ方向において、金型11の表面温度の分布が不均一になり、その結果、溶湯の凝固速度にばらつきが生じ、湯境などの鋳造欠陥が発生して、鋳鉄管の品質が低下するおそれがあるという問題があった。
【0008】
また、鋳造後の鋳鉄管を金型11から引き抜いた後、次の鋳造を行う前に金型11の内面にコーティングを施すが、鋳鉄管の引き抜き後の金型11の表面温度にばらつきがあると、コーティングの塗膜の厚さを均一にすることが難しくなる。コーティングの塗膜の厚さが不均一な状態で鋳造を行うと、鋳肌に鋳造欠陥が生じるため、鋳鉄管の品質が低下するおそれがあるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、遠心力鋳造装置において、金型の表面温度が均一となるように金型の冷却を行い、鋳造管の品質を向上できる金型の冷却方法と金型の冷却装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の金型の冷却方法は、鋳鉄管を遠心力鋳造するための金型に冷却水を散布して金型の冷却を行う金型の冷却方法であって、鋳造後の鋳鉄管を金型より引き抜いた後、金型の表面温度を測定し、測定した金型の表面温度分布に基づいて、金型の長さ方向に沿った冷却水の散布量を変化させることを特徴とするものである。
なお、「冷却水の散布量を変化させる」のは、自動であっても手動であってもよい。
【0011】
また、本発明の金型の冷却装置は、鋳鉄管を遠心力鋳造するための金型に冷却水を散布して金型の冷却を行う金型の冷却装置であって、金型の受け口付近に重点的に冷却水を散布する第1の給水管と、金型の全長にわたって冷却水を散布する第2の給水管と、金型の挿し口付近に重点的に冷却水を散布する第3の給水管と、金型の表面温度を測定する温度測定手段と、第1の給水管と第2の給水管と第3の給水管から金型に散布される冷却水の散布量を調節可能な調節手段とを備え、温度測定手段による金型の表面温度の測定結果に基づき、調節手段によって、第1の給水管と第2の給水管と第3の給水管から金型に散布される冷却水の散布量を変化可能としたことを特徴とするものである。
【0012】
なお、上記「重点的に冷却水を散布する」とは、金型の所定部分のみに冷却水を散布してその他の部分には冷却水の散布を全く行わない場合と、金型の所定部分に多量の冷却水を散布しながら、他の部分にも少量の冷却水を散布する場合の両方の場合を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明の金型の冷却方法を用いれば、鋳造後の鋳鉄管を金型より引き抜いた後、金型の表面温度を測定し、測定した金型の表面温度分布に基づいて、金型の長さ方向に沿った冷却水の散布量を変化させることで、金型の長さ方向に沿った表面温度のばらつきを解消して金型の表面温度が均一となるように金型の冷却を行うことができるようになり、湯境等の鋳造欠陥が生じる可能性を低減でき、さらに、鋳造後の鋳鉄管を引き抜いた後の金型の内面のコーティングも良好に行うことができ、鋳鉄管の品質および生産性を向上することができる。
【0014】
本発明の金型の冷却装置を用いれば、鋳造後の鋳鉄管を金型より引き抜いた後に温度測定手段により測定された金型の表面温度に基づき、調整手段によって、金型の挿し口付近に重点的に冷却水を散布する第1の給水管と、金型の全長にわたって冷却水を散布する第2の給水管と、金型の受け口付近に重点的に冷却水を散布する第3の給水管から金型に散布される冷却水の散布量を変化可能としたことにより、金型の長さ方向に沿った表面温度のばらつきを解消して金型の表面温度が均一となるように金型の冷却を行うことができるようになり、湯境等の鋳造欠陥が生じる可能性を低減でき、さらに、鋳造後の鋳鉄管を引き抜いた後の金型の内面のコーティングも良好に行うことができ、鋳鉄管の品質および生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す縦断面図である。
【図3】図2のX−X断面を示す横断面図である。
【図4】従来の遠心力鋳造装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜図3において、11は金型、12は金属製スリーブで、これらは図4に示したものと同様の構成である。すなわち金属製スリーブ12は、多数の貫通孔13を有するとともに、多数のセットボルト14によって金型11の外周に芯出しされた状態で固定されている。
これら金型11および金属製スリーブ12は、水平方向を向いて配置され、長さ方向の全長にわたって、カバー17で覆われている。
【0017】
このカバー17の内部における金型11および金属製スリーブ12よりも上方には、金型11(金属製スリーブ12)の長さ方向に沿って、冷却水を散布して金型11の冷却を行う冷却装置が設けられており、この冷却装置は、第1の給水管19と、第2の給水管23と、第3の給水管27とを備えている。
【0018】
第1の給水管19は、管体から構成され、この管体には、金型11の受け口33付近の上方位置に金型11の軸心を向くように複数の供給孔20…20が開けられている。第1の給水管19に冷却水を供給すると、供給孔20…20から金型11の受け口33付近に重点的に冷却水22が散布される。
【0019】
第2の給水管23は、管体から構成され、この管体には、金型11の長さ方向の全長にわたる上方位置に金型11の軸心を向くように複数の供給孔24…24が開けられている。第2の給水管23に冷却水を供給すると、供給孔24…24から金型11の全長にわたって冷却水26が散布される。
【0020】
第3の給水管27は、管体から構成され、この管体には、金型11の挿し口34付近の上方位置に金型11の軸心を向くように複数の供給孔28…28が開けられている。第3の給水管27に冷却水を供給すると、供給孔28…28から金型11の挿し口34付近に重点的に冷却水30が散布される。
【0021】
第1の給水管19の供給孔20…20及び第3の給水管27の供給孔28…28は、それぞれ、第2の給水管23に開けられた供給孔24…24よりも大きな断面積とされ、冷却水の吐き出し量が多くなるようにされている。これにより、金型11の受け口33付近または金型11の挿し口34付近に冷却水を多量に散布でき、金型11の受け口33付近または金型11の挿し口34付近の重点的な冷却を行いやすくされている。
【0022】
図2,図3に示すように、これら給水管19,23,27には、冷却水を供給するためのポンプ18が接続されている。各給水管19,23,27とポンプ18の間には、第1の給水管19のバルブ(調整手段の一例)21と,第2の給水管23のバルブ(調整手段の一例)25と,第3の給水管27のバルブ(調整手段の一例)29が配置されている。
【0023】
これらのバルブ21,25,29の開度を調節することにより、ポンプ18から各給水管19,23,27に供給される冷却水の供給量を、それぞれ調節できるように構成されており、金型11の受け口33付近に散布される冷却水22の散布量と、金型11の全長にわたって散布される冷却水26の散布量と、金型11の挿し口34付近に散布される冷却水30の散布量を、それぞれ調節することができる。
【0024】
カバー17内における金属製スリーブ12よりも下方には、この金属製スリーブ12から流れ落ちた排水35を受け止める水受け部36が設けられている。37はカバー17の外部に続く排水管で、水受け部36に連通され、バルブ38を介して、排水35を外部へ送り出し可能とされている。
【0025】
また、図中の31、32は、散水された冷却水22,26,30が金型11の両端面方向へ飛散するのを防止して、金型11内に水が入り込むのを防止するための止水カバーであり、必要に応じて設けられる。
上記構成による金型の冷却方法を説明する。
【0026】
まず、金型11から鋳造後の鋳鉄管を引き抜いた直後、金型11の内面温度を測定する。金型11の内面温度を測定する箇所・測定する箇所の数は任意に設定できるが、図2に示すように、例えば、金型11の内面における、受け口付近の部分A,中央部付近の部分B,挿し口付近の部分Cの3箇所を測定するようにすれば、長さ方向における金型11の内面温度のおおまかな分布を測定できる。このような金型11の内面の各部分A〜Cの温度は、放射温度計(温度測定手段の一例)等により測定する。
【0027】
そして、金型11を溶湯の熱から保護するために金型11の内面にコーティングを施してから、金型11の内面温度の測定結果に基づいて、各給水管19,23,27のバルブ21,25,29の開度が調節される。これらバルブ21,25,29の開度の調節は、自動で行っても手動で行ってもよい。
【0028】
バルブ21,25,29の開度を調節する際には、金型11の内面温度が高温の部分がある場合、その部分に対応する給水管のバルブ21,25,29の開度を大きくして、高温の部分に散布される冷却水の散布量を増やすようにし、逆に、金型11の内面温度が低温の部分がある場合、その部分に対応する給水管のバルブ21,25,29の開度を小さくして、低温の部分に散布される冷却水の散布量を減らすようにする。
図2に図示した例では、測定した各部分A,B,Cの温度に対応して、以下のようにバルブ21,25,29の開度を調節する。
【0029】
部分Aの測定結果が高温の場合は、第1の給水管19のバルブ21の開度を大きくして、金型11の受け口33付近に散布される冷却水22の散布量を多くする。逆に、部分Aの測定結果が低温の場合は、第1の給水管19のバルブ21の開度を小さくして、金型11の受け口33付近に散布される冷却水22の散布量を少なくする。
【0030】
部分Bの測定結果が高温の場合は、第2の給水管23のバルブ25の開度を大きくして、金型11の全長にわたって散布される冷却水26の散布量を多くし、さらに、第1の給水管19のバルブ21および第3の給水管27のバルブ29の開度をそれぞれ小さくして、受け口33付近および挿し口34付近に散布される冷却水18,26の散布量を少なくする。逆に、部分Bの測定結果が低温の場合は、第2の給水管23のバルブ25の開度を小さくして、金型11の全長にわたって散布される冷却水26の散布量を少なくし、さらに、第1の給水管19のバルブ21および第3の給水管27のバルブ29の開度をそれぞれ大きくして、受け口33付近および挿し口34付近に散布される冷却水18,26の散布量を多くする。
【0031】
部分Cの測定結果が高温の場合は、第3の給水管27のバルブ29の開度を大きくして、金型11の挿し口34付近に散布される冷却水30の散布量を多くし、逆に、部分Cの測定結果が低温の場合は、第3の給水管27のバルブ29の開度を小さくして、金型11の挿し口34付近に散布される冷却水30の散布量を少なくする。
【0032】
このようにして、測定した内面温度に基づいてバルブ21,25,29の開度が調節された各給水管19,23,27により、下方の金属製スリーブ12および金型11に向けて冷却水22,26,30の散布が開始される。そして、各給水管19,23,27から冷却水22,26,30を散布しつつ、金型11と金属製スリーブ12とを一体としてローラ16,16により高速回転させる。そして、十分な回転数となれば、図2,図3に仮想線で示すように、シュート52より溶湯を金型11内に注湯する。
【0033】
従って、鋳造後の鋳鉄管を引き抜いた直後の金型11の内面温度の測定結果に基づいて、各給水管19,23,27から金型11に散布される冷却水22,26,30の散布量が調節されているため、金型11の長さ方向において、金型11の内面温度のばらつきが解消され金型11の内面温度が均一になるように冷却することができ、金型11の内部における、溶湯を凝固させるための条件が均一化されるため、湯境等の鋳造欠陥が生じる可能性を低減でき、鋳鉄管の品質および生産性を向上することができる。
【0034】
また、上記の作業により鋳造した鋳鉄管を金型11より引き抜いた後、金型10の内面温度を再び測定してから、次の鋳造を行うために金型11の内面にコーティングを施す際、各給水管19,23,27から散布される冷却水22,26,30の散布量を調節していたため、金型11の長さ方向に沿った内面温度のばらつきが解消され金型11の内面温度が均一化されている。このため、金型11の内面に施されるコーティングの塗膜の厚さを均一にすることができ、鋳造後の鋳鉄管を引き抜いた後の金型11の内面のコーティングを良好に行うことができる。よって、コーティング不良に起因する鋳造欠陥の発生を防止でき、鋳鉄管の品質および生産性を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態以外にも種々の実施の形態が考えられる。
【0035】
本発明では、金型11の温度の均一化を図るため、長さ方向において金型11の内面の複数箇所について、温度の測定を行うことが重要である。上記実施の形態では、金型11の内面の温度分布を測定しており、この際に、金型11の内面の各部分A〜Cを測定していたが、金型11の内面温度の測定箇所は更に増やしてもよい。金型11の内面温度の測定箇所を増やすことにより、金型11の内面温度の分布をより詳細に測定できる。
【0036】
また本発明では、金型11の各部分に対して重点的な冷却を行うことが重要である。上記実施の形態では、金型11の受け口33付近の上方位置の部分に供給孔20…20が開けられた第1の給水管19と、金型11の長さ方向の全長にわたる上方位置に供給孔24…24が開けられた第2の給水管23と、金型11の挿し口34付近の上方位置の部分に供給孔28…28が開けられた第3の給水管27を用いていたが、これに限ることはない。すなわち、第1の給水管19と第3の給水管27に、第2の給水管23の様に金型11の長さ方向の全長にわたる上方位置に供給孔を設け、第1の給水管19は、金型11の受け口33付近の上方位置の供給孔の断面積を他の供給孔の断面積より大きくし、第3の給水管27は、金型11の挿し口34付近の上方位置の供給孔の断面積を他の供給孔の断面積より大きくするようにしてもよい。これにより、第1の給水管19からは、金型11の受け口33付近に多量の冷却水を散布しながら、他の部分にも少量の冷却水が散布される。また第3の給水管27からは、金型11の挿し口34付近に多量の冷却水を散布しながら、他の部分にも少量の冷却水が散布される。
【0037】
また本発明では、金型11に対する各給水管からの冷却水の散布量を調節することが重要である。上記実施の形態では、金型11に対する冷却水の散布量の調節は、各給水管19,23,27のバルブ21,25,29の開度を調節することにより行っていたが、これらバルブ21,25,29のオン/オフを切り換えることにより、冷却水の散布を行う給水管と冷却水の散布を行わない給水管を選択的に切り換えて、冷却水の散布量の調節を行うようにしてもよい。
【0038】
また本発明では、給水管から金型11へ冷却水が散布されることが重要である。上記実施の形態では、金型11の上方に各給水管19,23,27を配置していたが、金型11の側方や下方に給水管を配置するようにしてもよい。この場合、給水管の供給孔は、金型11の軸心に向くように開けられている。
【0039】
また本発明では、金型11の表面温度を測定する温度測定手段を備えることが重要である。なお、上記実施の形態では、放射温度計により金型の内面温度を測定していたが、放射温度計により金属製スリーブ12に開けられた複数の貫通孔13から金型11の外面温度を測定することにより、金型11の長さ方向の温度分布を測定するようにしてもよい。また上記実施の形態では、金型11の表面温度を測定する手段として、放射温度計を用いたが、赤外線カメラ等の撮像手段を用いて金型11の表面を撮像し、撮像した画像を解析することにより金型11の表面温度を測定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、特に、小口径のダクタイル鉄管(特にφ50のような製品)の製造に適し、このような鉄管の品質および生産性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0041】
11 金型
19 第1の給水管
23 第2の給水管
27 第3の給水管
33 受け口
34 挿し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳鉄管を遠心力鋳造するための金型に冷却水を散布して金型の冷却を行う金型の冷却方法であって、
鋳造後の鋳鉄管を金型より引き抜いた後、金型の表面温度を測定し、測定した金型の表面温度分布に基づいて、金型の長さ方向に沿った冷却水の散布量を変化させること
を特徴とする金型の冷却方法。
【請求項2】
鋳鉄管を遠心力鋳造するための金型に冷却水を散布して金型の冷却を行う金型の冷却装置であって、
金型の受け口付近に重点的に冷却水を散布する第1の給水管と、
金型の全長にわたって冷却水を散布する第2の給水管と、
金型の挿し口付近に重点的に冷却水を散布する第3の給水管と、
金型の表面温度を測定する温度測定手段と、
第1の給水管と第2の給水管と第3の給水管から金型に散布される冷却水の散布量を調節可能な調節手段とを備え、
温度測定手段による金型の表面温度の測定結果に基づき、調節手段によって、第1の給水管と第2の給水管と第3の給水管から金型に散布される冷却水の散布量を変化可能としたこと
を特徴とする金型の冷却装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate