説明

金型の冷却構造及び当該冷却構造を用いる金型の冷却方法

【課題】冷却穴の内端部よりも金型外方に位置している溶湯流入空間の溶湯を積極的に冷却することができる金型の冷却構造及び当該冷却構造を用いる金型の冷却方法の提供。
【解決手段】冷却穴12aに挿入される冷却パイプ20は、第2外パイプ23の中に外パイプ21が同芯状に配置され、外パイプ21の中に内パイプ22が同芯状に配設されている。外パイプ21と内パイプ22との間の空間が外側流路20aとされ、内パイプ22内部の空間が内側流路20bとされる。大径部12e内面と第2外パイプ23との間の空間が第2外側流路20cとされ、第2外パイプ23と外パイプ21との間の空間が第2内側流路20dとされる。内側流路20b内に供給された冷却水は、狭小部10b近傍の位置に形成された小径部12d内に流入し、第2内側流路20d内に供給された冷却水は、広大部10cの近傍の位置に形成された空間12fへ流入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の冷却構造及び当該冷却構造を用いる金型の冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より金型内には、容積の大きな広大部と、広大部よりも容積の小さな狭小部とを有する溶湯流入空間が形成されている。溶湯流入空間をランナー、ゲート、及びキャビティと考える場合には、例えばランナーが広大部に相当し、ゲート及びキャビティが狭小部に相当する場合がある。また、溶湯流入空間をキャビティと考える場合には、鋳造製品の薄肉部を成形する部分が狭小部に相当し、厚肉部を成形する部分が広大部に相当する場合がある。厚肉部及び薄肉部については、例えば、鋳造製品がシリンダブロックであるとすると、シリンダブロックのスカート部が薄肉部に相当し、スカート部以外の部分が厚肉部に相当する。
【0003】
キャビティは金型内に形成されており、キャビティ内に充填された溶湯を冷却するために、金型のキャビティ近傍の位置には略円柱形状をした冷却穴が、金型の外面から内方へ向けて形成され、冷却穴内には冷却パイプが配置され、冷却パイプを介して冷却穴内に冷却水が供給される金型の冷却構造が構成される。
【0004】
金型の冷却構造の冷却パイプとしては、例えば、実開平2−123353号公報(特許文献1)に記載されているような構成が知られている。金型に形成された冷却穴内に配置される冷却パイプは、外パイプの中に内パイプが同芯状に配設されて構成されており、外パイプと内パイプとの間の空間が外側流路とされ、内パイプ内部の空間が内側流路とされる。
【0005】
冷却パイプは、金型に形成された冷却穴の内端部に内パイプの一端が位置するように配置され、内パイプの他端から内側流路内に冷却水が供給される。冷却水は、内パイプの一端へ至り冷却穴内に流入し、冷却穴から外側流路へと流れ、外パイプの他端から排出される。従って内側流路、外側流路は、それぞれ冷却水の往路、復路をなす。
【特許文献1】実開平2−123353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冷却穴は、金型の外面から内方へ向けて形成されており、冷却穴の内端部に近い溶湯流入空間では冷却効果が高いが、金型外方に位置する溶湯冷却空間では冷却効果が低くなることがある。
【0007】
また、金型によっては、溶湯流入空間の狭小部が広大部よりも金型内方に位置している場合がある。このような場合に、広大部に対してはより高い冷却効果が要求されるが、上述の金型の冷却構造では、冷却穴の内端部よりも金型の外方に位置している溶湯流入空間に対して適切な冷却効果を発揮することは困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、冷却穴の内端部よりも金型外方に位置している溶湯流入空間内の溶湯を積極的に冷却することができる金型の冷却構造及び当該冷却構造を用いる金型の冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、外パイプ部21の中に内パイプ部22が同芯状に配設されて該外パイプ部21と該内パイプ部22との間の空間が外側流路20aとされ、該内パイプ部22内部の空間が内側流路20bとされ、該内側流路20b又は該外側流路20aが冷却水の往路又は復路をなす冷却パイプ20と、該冷却パイプ20が配置される略円柱状の冷却穴12aと鋳造時に溶湯が流入する溶湯流入空間10aとが形成された金型10とを備え、該冷却穴12aには該冷却穴12aの内端部12bに外パイプ部21の一端が位置するように配置される金型の冷却構造1において、該内端部12bは該外パイプ部21の一端の外径と略同一の内径を有する小径部12dを備え、該外パイプ部21の該一端は該小径部12dまで延出して該小径部12d内面に固定され、該冷却穴12aの外端12c寄りの部分は該外パイプ部21の他端寄りの部分の外径よりも大きい大径部12eをなし、該外パイプ部21の該外端12c寄りの部分の外周面と該大径部12e内面との間には該外パイプ部21と同芯状に第2外パイプ部23が配置され、該第2外パイプ部23の内周面と該外パイプ部21の外周面との間に第2内側流路20dが画成され、該第2外パイプ部23の外周面と該大径部12e内面との間には第2外側流路20cが画成され、該第2内側流路20d又は該第2外側流路20cが冷却水の往路又は復路をなす金型の冷却構造1を提供している。
【0010】
該溶湯流入空間10aは、所定の容積の広大部10cと該広大部10cよりも容積の小さい狭小部10bとを有し、該狭小部10bは該広大部10cよりも該金型10内方に位置しており、該大径部12eは該広大部10cの近傍に位置し、該小径部12dは該狭小部10bの近傍に位置していることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、請求項1又は請求項2記載の金型の冷却構造1を用いて金型10の冷却を行う金型の冷却方法を提供している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の金型の冷却構造、請求項3記載の金型の冷却方法によれば、外パイプ部の外端寄りの部分の外周面と大径部内面との間には外パイプ部と同芯状に第2外パイプ部が配置され、第2外パイプ部の内周面と外パイプ部の外端寄りの部分の外周面との間に第2内側流路が画成され、第2外パイプ部の外周面と大径部内面との間には第2外側流路が画成され、第2内側流路又は第2外側流路が冷却水の往路又は復路をなしているため、内側流路及び外側流路とは別個独立の別系統の冷却流路として第2内側流路及び第2外側流路を確保することができ、冷却穴の内端部よりも外方に位置している溶湯流入空間に対して最適な冷却を行うことができる。更に必要に応じて一時的に、内側流路及び外側流路と、第2内側流路及び第2外側流路とのどちらか一方のみ流したり、冷却水を流すタイミングを変えたり、流す冷却水の量を変えたり、流す冷却水の温度等を変えたりすることも可能であり、このようにして、金型の溶湯流入空間の形状に合わせたきめ細かな冷却の調整を可能とすることができる。
【0013】
また、本発明の請求項2記載の金型の冷却構造、請求項3記載の金型の冷却方法によれば、溶湯流入空間は、所定の容積の広大部と広大部よりも容積の小さい狭小部とを有し、狭小部は広大部よりも金型内方に位置しており、大径部は広大部の近傍に位置し、小径部は狭小部の近傍に位置しているため、広大部を狭小部よりも積極的に冷却して広大部における冷却効果を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態による金型の冷却構造について図1に基づき説明する。図1に示されるように、金型の冷却構造1は金型10と冷却パイプ20を備えている。金型10は固定型11と可動型12とを備えている。鋳造時に固定型11と可動型12とが図示せぬ鋳造機にセットされ型が閉じられたときに、固定型11と可動型12とによって溶湯流入空間10aが画成される。
【0015】
溶湯流入空間10aは、ランナー10c−1をなし所定の容積を有する広大部10cと、鋳造製品を成形するキャビティ10b−1、及びゲート10b−2をなし広大部10cよりも容積の小さな狭小部10bとを備えている。所定の容積とは、図1において例えば上下方向又は左右方向に幅が広い空間をなし、当該広大部10c内で凝固する溶湯2が厚肉となるような容積であり、空間の幅が狭く凝固する溶湯2が薄肉となる狭小部10b内の容積と比較して大きな容積となっている。広大部10cを構成するランナー10c−1から流入したアルミニウム合金等からなる溶湯2は、狭小部10bを構成するキャビティ10b−1内にゲート10b−2を介して充填される。広大部10cは狭小部10bよりも金型10外方に位置している。
【0016】
可動型12には、冷却パイプ20が挿入される冷却穴12aが形成されている。冷却穴12aは略円柱形状をなし、軸芯に垂直な面で切った断面がいずれの位置においても円形をなし、金型10の外面から内方へ向けて形成されている。冷却穴12aの内端部12bは狭小部10bの近傍に位置し、冷却穴12aの外端12c寄りの部分の一部は広大部10cの近傍に位置する。冷却穴12aの径は、金型10の外面近傍から内方へ向けて所定位置に至るまで一定の径を有する大径部12eになっており、これよりも先の部分、即ち、冷却穴12aの内端部12bは、大径部12eよりも径の小さい小径部12dになっている。当該所定位置とは狭小部10bと広大部10cとの境界近傍位置10fに比較的近い冷却穴12aの位置である。
【0017】
換言すれば、大径部12eは、広大部10cの近傍の位置に形成されており、小径部12dは、狭小部10b近傍の位置に形成されている。小径部12d、大径部12eを備える冷却穴12aは、ドリル加工や放電加工により形成される。大径部12eと接続されている小径部12dの内面には、雌ネジ12Aが螺刻されている。
【0018】
大径部12eの径の大きさは、後述する冷却パイプ20の外パイプ21の外径よりも大きく、小径部12dの径の大きさは、外パイプ21の外径と略同一である。従って、広大部10c近傍の冷却穴12aの位置においては、後述する外パイプ21の外周面と大径部12e内面との間に空間12fが形成される。
【0019】
冷却穴12aに挿入される冷却パイプ20は、図1に示されるように、第2外パイプ23の中に外パイプ21が同芯状に配置され、外パイプ21の中に内パイプ22が同芯状に配設されて構成されており、外パイプ21と内パイプ22との間の空間が外側流路20aとされ、内パイプ22内部の空間が内側流路20bとされる。また、大径部12e内面と第2外パイプ23との間の空間が第2外側流路20cとされ、第2外パイプ23と外パイプ21との間の空間が第2内側流路20dとされる。
【0020】
冷却パイプ20は、冷却穴12aの内端部12bをなす小径部12dに内パイプ22の一端22Aが位置するように配置され、内パイプ22の一端22Aは小径部12d内において開口する。また、外パイプ21の一端21A近傍の外周面には雄ネジ21Cが螺刻されており、外パイプ21の一端21Aは小径部12dまで延出し、雄ネジ21Cと雌ネジ12Aとが螺合して小径部12d内面に固定される。外パイプ21の一端21Aは小径部12d内において開口する。また、第2外パイプ23は、その一端23Aが大径部12e内であって図1に示される上端近傍の位置に配置され、空間12fへ開口する。ここで、外パイプ21は外パイプ部に相当し、内パイプ22は内パイプ部に相当し、第2外パイプ23は第2外パイプ部に相当する。
【0021】
大径部12eの外端12c近傍の部分は、大径部12eよりも更に径の大きな拡径部12gとなっている。拡径部12gには、略円筒形状をなし外径が拡径部12gの内径と略同一の筒状部材24が、第2外パイプ23を環装するようにして第2外パイプ23と同芯状に配置され、その一端24A(上端)が嵌入されている。拡径部12gに位置する筒状部材24の外周には、図1に示されるように、Oリング25が3つ設けられており、この部分から冷却水が漏れ出てしまうことを防止する。筒状部材24の内径は、第2外パイプ23の外径よりも大きく、筒状部材24の内面と第2外パイプ23との間の空間は、大径部12e内面と第2外パイプ23との間の空間とともに第2外側流路20cをなす。
【0022】
筒状部材24の他端24Bの近傍部分は、第2外パイプ下端部保持部材26にろうづけにより接続されている。第2外パイプ下端部保持部材26には貫通孔26cが形成されており、貫通孔26cには内パイプ22及び外パイプ21が貫通すると共に、貫通孔26cの図1に示される上部には第2外パイプ23の下端が圧入されている。貫通孔26cの下端には、内外パイプ保持部材27の上端部が圧入されて設けられており、当該上端部の周面にはOリング27Aが2つ設けられ、この部分から水が漏れ出ることを防止するように構成されている。また、外パイプ21と内外パイプ保持部材27の間には、図1に示されるようにOリング28が設けられており、第2入水室26a内の冷却水が外パイプ21と内外パイプ保持部材27との間から図1の下方へと漏れ出ることを防止するように構成されている。また、内パイプ22の図1に示される下端(他端22B)の開口は、ろうづけにより閉塞されている。
【0023】
即ち、内パイプ22の他端22B、外パイプ21の他端21B、第2外パイプ23の他端23B、筒状部材24の他端24Bは金型10の外側に延出し、それぞれ入水室27a、出水室27b、第2入水室26a、第2出水室26bに接続されている。入水室27a、出水室27bは内外パイプ保持部材27内に形成されており、第2入水室26a、第2出水室26bは第2外パイプ下端部保持部材26内に形成されている。入水室27a、出水室27b、第2入水室26a、第2出水室26bには、それぞれホース28、29、30、31が接続されており、入水室27a、第2入水室26aに接続されたホース28、30は、図示せぬ冷却水供給装置に連通し、出水室27b、第2出水室26bに接続されたホース29、31は、図示せぬ排水槽等に連通する。
【0024】
金型の冷却方法では、図示せぬ冷却水供給装置から入水室27aを介して内パイプ22の他端22Bの近傍部分から内側流路20b内に冷却水が供給され、冷却水は内パイプ22の一端22Aへ至り小径部12d内に流入し、小径部12dから外側流路20aへと流れ、外パイプ21の他端21Bから出水室27bを介して図示せぬ排水槽に排出されるように構成されている。また、図示せぬ冷却水供給装置から第2入水室26aを介して第2外パイプ23の他端23Bから第2内側流路20d内に冷却水が供給され、冷却水は第2外パイプ23の一端23Aへ至り空間12f内に流入し、空間12fから第2外側流路20cへと流れ、筒状部材24の他端から第2出水室26bを介して排出されるように構成されている。従って、内側流路20b及び第2内側流路20d、外側流路20a及び第2外側流路20cは、それぞれ冷却水の往路、復路をなす。
【0025】
小径部12dは、狭小部10b近傍の位置に形成され、冷却水が小径部12d内面に直接接触しているため、キャビティ10b−1及びゲート10b−2を構成する狭小部10b内の金属溶湯2を冷却することができる。また、大径部12eがランナー10c−1を構成する広大部10cの近傍の位置に形成され、空間12f内に冷却水が流れているため、広大部10c内の金属溶湯2を積極的に冷却することができる。更に、内側流路20b及び外側流路20aと別個独立した別系統の冷却流路として第2内側流路20d及び第2外側流路20cを確保することができ、狭小部10b、広大部10cそれぞれに対して最適な冷却を行うことができる。
【0026】
本発明による金型の冷却構造は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態による金型の冷却方法では、内側流路20bから外側流路20aへ冷却水を流すと同時に第2内側流路20dから第2外側流路20cへと冷却水を流したが、同時に流さずに、必要に応じて一時的にどちらか一方のみ流したりする等、冷却水を流すタイミングを変えたり、流す冷却水の量を変えたり、流す冷却水の温度等を変えたりしてもよい。このようにすることで、金型10の溶湯流入空間10aの形状に合わせたきめ細かな冷却の調整を可能とすることができる。
【0027】
また、本実施の形態による金型の冷却方法では、内側流路20b、外側流路20aは、それぞれ冷却水の往路、復路をなしていたが、金型10内において冷却穴12aが、鉛直上方上向きに形成されるような場合には、外側流路20a、第2外側流路20cが往路をなし、内側流路20b、第2内側流路20dが復路をなすようにして、金型の冷却方法が行われてもよい。
【0028】
この場合には、例えば内パイプ22、外パイプ21の他端22B、21Bに接続されている室がそれぞれ出水室、入水室をなし、第2外パイプ23、筒状部材24の他端23B、24Bに接続されている室がそれぞれ第2出水室、第2入水室をなす。出水室及び第2出水室、入水室及び第2入水室にそれぞれ接続されたホース28及び30、29及び31は、図示せぬ排水槽、図示せぬ冷却水供給装置にそれぞれ連通するように接続される。
【0029】
この場合の金型の冷却方法では、図示せぬ冷却水供給装置から入水室を介して、外パイプ21の他端21Bから外側流路20a内に冷却水を供給すると共に、筒状部材24の他端24Bから第2外側流路20c内に冷却水を供給する。冷却水は外パイプ21の一端21Aへ至り小径部12d内に流入し、小径部12dから内側流路20bへと流れ、内パイプ22の他端22Bから出水室を介して排出される。また、冷却水は第2外パイプ23の一端23Aへ至り空間12f内に流入し、空間12fから第2内側流路20dへと流れ、第2外パイプ23の他端23Bから出水室を介して排出される。このようにすることによって、小径部12dの内面及び空間12fを画成する大径部12eの内面に均一に冷却水を接触させることができ、金型10を安定して冷却させることができ、キャビティ10b−1で成形される製品の品質を安定させることができる。
【0030】
また、冷却穴12aは、半径方向で切った断面が小径部12d、大径部12eのいずれの位置においても円形をなす略円柱形状であったが、大径部12eは断面が円形でなくてもよい。
【0031】
また、入水室27a、第2入水室26a、出水室27b、第2出水室26bには、ホース28、30、29、31がそれぞれ接続されていたが、これらのホースに代えてチューブや銅パイプを用いてもよい。また、固定型11に冷却穴2aを形成し、冷却穴2a内に冷却パイプ20を配置するようにしてもよい。
【0032】
また、溶湯流入空間10aの広大部10c、狭小部10bは本実施の形態の態様に限定されず、例えば、溶湯流入空間がキャビティである場合には、鋳造製品の薄肉部を成形する部分が狭小部をなし、厚肉部を成形する部分が広大部をなしてもよい。
【0033】
また、金型は上記実施例の金型10の構成に限定されない。例えば固定型が固定ダイス及び固定ホルダにより構成され、可動型が可動ダイス及び可動ホルダにより構成されている場合には、可動ダイスの外面、固定ダイスの外面が上記実施例の金型10の外面に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の金型の冷却構造及び当該冷却構造を用いる金型の冷却方法は、ダイカスト法等の鋳造の分野において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態による金型の冷却構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0036】
1 冷却構造
10 金型
10a 溶湯流入空間
10b 狭小部
10c 広大部
11 固定型
12 可動型
12a 冷却穴
12b 内端部
12c 外端
12d 小径部
12e 大径部
12g 拡径部
20 冷却パイプ
20a 外側流路
20b 内側流路
20c 第2外側流路
20d 第2内側流路
21 外パイプ
22 内パイプ
23 第2外パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外パイプ部の中に内パイプ部が同芯状に配設されて該外パイプ部と該内パイプ部との間の空間が外側流路とされ、該内パイプ部内部の空間が内側流路とされ、該内側流路又は該外側流路が冷却水の往路又は復路をなす冷却パイプと、
該冷却パイプが配置される略円柱状の冷却穴と鋳造時に溶湯が流入する溶湯流入空間とが形成された金型とを備え、
該冷却穴には該冷却穴の内端部に該内パイプ部の一端が位置するように配置される金型の冷却構造において、
該内端部は該外パイプ部の一端の外径と略同一の内径を有する小径部を備え、該外パイプ部の該一端は該小径部まで延出して該小径部内面に固定され、該冷却穴の外端寄りの部分は該外パイプ部の他端寄りの部分の外径よりも大きい大径部をなし、
該外パイプ部の該外端寄りの部分の外周面と該大径部内面との間には該外パイプ部と同芯状に第2外パイプ部が配置され、該第2外パイプ部の内周面と該外パイプ部の外周面との間に第2内側流路が画成され、該第2外パイプ部の外周面と該大径部内面との間には第2外側流路が画成され、該第2内側流路又は該第2外側流路が冷却水の往路又は復路をなすことを特徴とする金型の冷却構造。
【請求項2】
該溶湯流入空間は、所定の容積の広大部と該広大部よりも容積の小さい狭小部とを有し、該狭小部は該広大部よりも該金型内方に位置しており、該大径部は該広大部の近傍に位置し、該小径部は該狭小部の近傍に位置していることを特徴とする請求項1記載の金型の冷却構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の金型の冷却構造を用いて金型の冷却を行うことを特徴とする金型の冷却方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−101390(P2009−101390A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275919(P2007−275919)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000006943)リョービ株式会社 (471)
【Fターム(参考)】