説明

金型の微細加工方法

【課題】金型の微細加工方法に関し、例えば回折格子等の光学素子を成形する金型加工に適用して、極めて精度の高い金型を短期間で作成できるようにする。
【解決手段】非磁性材料でなる基材20A表面に、電子ビーム露光法により露光後、エッチングし、この基材20Aを直接金型に加工する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型の微細加工方法に関し、例えば回折格子等の光学素子を成形する金型の加工に適用して、非磁性材料でなる母材に非磁性材料でなる金属膜等を形成し、電子ビーム露光法による露光後、エッチングして、直接金型を作成することにより、極めて精度の高い金型を短期間で作成できるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、コンパクトディスクプレイヤーのピックアップユニット内等で使用される回折格子においては、回折格子のマスターより金型を作成し、この金型を用いた射出成形により製造されるようになされている。
【0003】すなわち図5は、コンパクトディスクプレイヤー等のピックアップユニットに適用される回折格子を示す斜視図である。この回折格子1は、アクリル等の透明樹脂を射出成形して作成され、回折格子本体3と、この回折格子3をピックアップユニットに保持する保持部2とにより構成される。このうち回折格子本体3は、符号Aにより断面を拡大して示すように、平板形状の片面に、この回折格子1が処理するレーザービームの波長、部材の屈折率等により決まる深さT(0.3〜0.4〔μm〕でなる)の溝が、所定のピッチPにより繰り返されて形成され、適用される光ピックアップに応じてこのピッチPが種々の値に選定されるようになされている。
【0004】このためこの回折格子1の金型作成工程においては、溝の繰り返しピッチPが20〔μm〕程度の回折格子については、マスクを用いたフォトエッチングによりマスターを作成し、このマスターより金型を作成する。またこの溝の繰り返しピッチPが2〔μm〕程度の回折格子については、マスクを用いたフォトエッチングに代えて、電子ビーム露光法を適用したエッチングによりマスターを作成する。
【0005】すなわち図6は、前者の、マスクを用いた金型作成方法による金型加工工程を示す工程図である。この工程では、予めフォトレジスト4を塗布したガラス基板5に対して、フォトマスク6を対向して又は密着して保持し(図6(A)及び(B))、この状態で紫外線を照射してフォトレジスト4を露光する。なおここでフォトマスク6は、ガラス基板上にクロム(Cr)をパターンニングして作成される。続いてこの工程では、フォトレジスト4を現像してフォトレジスト4の露光部分を除去した後(図6(C))、このガラス基板5上に残るフォトレジストをマスクとして使用して、ガラス基板5をフォトマスク6のパターン形状にエッチングする(図6R>6(D))。これによりこの工程では、回折格子本体3の溝形状をガラス基板5に形成し、続く工程において、表面のレジストを除去してマスター7を完成する(図6(E))。
【0006】このマスター7に対して、金型作成工程では、続いて電鋳加工法により金属材料でなる例えばニッケル(Ni)を堆積し(図6(F))、続いてこの堆積したニッケル部材よりマスター7を剥離する。これによりこの工程では、マスター7の溝形状を転写してなる基板(スタンパー)8を形成し(図6(G))、この基板8を金型の面駒に加工して回折格子1の金型を作成するようになされている(図6(H))。
【0007】これに対して図7は、後者の、電子ビーム露光法を適用した金型作成工程を示す工程図であり、この工程においては、シリコン基板10によりマスターを作成する。すなわちこの工程では、蒸着、スパッタリング等によりシリコン基板10の表面に二酸化シリコン(Si 2 )膜11を作成した後(図7(A))、このシリコン基板10の表面にフォトレジスト4を塗布する(図7(B))。続いてこの工程では、電子ビーム描画装置によりこのシリコン基板10に電子ビームEBを照射し、フォトレジスト4を回折格子1のパターン形状に露光する(図7(C))。
【0008】続いてこの工程では、フォトレジスト4を現像してフォトレジスト4の露光部分を除去した後(図7R>7(D))、このシリコン基板10上に残るフォトレジストをマスクとして使用して、二酸化シリコン膜11をエッチングする(図7(E))。これによりこの工程では、二酸化シリコン膜11に回折格子本体3の溝形状を形成し、続く工程において、表面のレジストを除去してマスター12を完成する(図7(F))。
【0009】これによりこの工程では、マスクを用いた金型作成工程と同様にして、電鋳加工法によりこのマスター12に金属材料を堆積した後(図7(G))、この堆積した金属材料よりマスター12を剥離して基板(スタンパー)13を形成し(図7(H))、この基板13を金型の面駒に加工して回折格子1の金型を作成するようになされている(図7(I))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の金型作成方法においては、金型作成に時間を要する問題がある。具体的に、電鋳加工法についてだけ見ても、従来の金型作成工程においては、1〜1.5ケ月程度の期間を必要とする。
【0011】またマスター自体については、精度良く作成できるものの、このマスターより作成される基板においては、マスター12に金属材料を堆積して作成することにより、その分マスターに比して精度が劣化する。またマスター12を剥離する際に、マスター12を正しく剥離できない場合もある。これにより従来の金型作成方法においては、極めて精度の高い金型を作成することが困難な問題があった。
【0012】この問題を解決する1つの方法として、ルーリングエンジンを用いた超精密機械加工を適用する方法も考えられるが、射出成形等に使用する金属材料については実際上加工することが困難で、実用的ではない。
【0013】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、極めて精度の高い金型を短期間で作成することができる金型の微細加工方法を提案しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため本発明においては、非磁性材料でなる基材の表面に、電子ビーム露光法により所望のパターン形状を形成した後、この基材をエッチングすることにより、成形品の凹凸形状に対して逆転した凹凸形状を、基材に形成し、この基材により金型又は金型の一部を作成する。
【0015】またこの基材を、非磁性材料でなる母材と、この母材表面に形成された非磁性材料の被加工膜とにより構成する。
【0016】このとき母材が、残部が鉄で、炭素、シリコン、マンガン、リン、イオウ及びクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の添加元素を含有してなる合金でなるようにする。
【0017】さらにこのとき添加元素が、炭素が0.08〔%〕以下、シリコンが1.00〔%〕以下、マンガンが2.00〔%〕以下、リンが0.045〔%〕以下、イオウが0.030〔%〕以下、ニッケルが8.00〜11.0〔%〕、クロムが17.0〜20.00〔%〕の重量パーセントでなるようにする。
【0018】またこれらの場合に、被加工膜を、タンタルにより作成する。
【0019】非磁性材料でなる基材においては、帯磁を低減することができ、これにより電子ビーム露光法を適用して所望のパターン形状を高精度で形成することができる。従って露光後、被加工膜をエッチングして直接に、金型又は金型の一部を作成して、従来の電鋳処理工程等を省略して金型を作成することができる。これにより金型作成に要する期間を短縮し、また精度を向上することができる。
【0020】このときこの基材を、非磁性材料でなる母材と、この母材の表面に形成した非磁性材料の被加工膜とにより構成すれば、金型として基材に求められる要求と、電子ビーム露光法を適用したエッチング対象として基材に求められる要求とを、容易に満足することができる。
【0021】このとき母材が、残部が鉄で、炭素、シリコン、マンガン、リン、イオウ及びクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の添加元素を含有してなる合金でなるようにすれば、エッチング後において、容易に金型加工することができる。
【0022】特に、添加元素が、炭素が0.08〔%〕以下、シリコンが1.00〔%〕以下、マンガンが2.00〔%〕以下、リンが0.045〔%〕以下、イオウが0.030〔%〕以下、ニッケルが8.00〜11.0〔%〕、クロムが17.0〜20.00〔%〕の重量パーセントの合金においては、非磁性材料で、かつ容易に金型加工することができる。
【0023】これらの場合に、タンタルによる被加工膜は、非磁性材料でなり、耐久性、耐食性に優れ、さらには容易かつ精度良くエッチング加工することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0025】図1は、本発明の実施の形態に係る金型作成工程を示す工程図である。この工程では、始めに、金属母材でなる基板20の一面に被加工膜21を形成することにより、この基板20及び被加工膜21により構成される基材20Aを形成する(図1(A))。ここでこの実施の形態において、この金属母材は、JIS(Japanese Industrial Standards )に規定されたSUS304でなるステンレス材が適用されるようになされている。
【0026】ここでこのSUS304は、磁化率の小さな非磁性材料であり、また切削加工が容易で、射出成形の金型に適用して好適な金属材料である。具体的にSUS304は、炭素が0.08〔%〕以下、シリコンが1.00〔%〕以下、マンガンが2.00〔%〕以下、リンが0.045〔%〕以下、イオウが0.030〔%〕以下、ニッケルが8.00〜10.50〔%〕、クロムが18.0〜20.00〔%〕の重量パーセントで、残部が鉄の合金である。
【0027】これに対して被加工膜21は、同様に、磁化率の小さい非磁性材料であり、また切削加工、エッチング加工に好適で、耐久性、耐食性に優れ、SUS304に対してなじみの良いタンタル(Ta)膜により作成される。この工程において、タンタル膜は、イオンプレーティングの手法により基板20の表面に、約2〔μm〕の膜厚で作成される。なおこのタンタル膜は、スパッタリング法等の金属膜作成方法により作成することもできる。
【0028】続いてこの工程は、例えばスピンコート法により、この被加工膜21の表面に、電子ビーム露光法に適用されるレジスト膜22を形成した後(図1(B))、電子ビーム描画装置により電子ビームEBを照射し、レジスト膜22を回折格子1のパターン形状に露光する(図1(C))。このときこの工程では、従来のマスターを作成する場合とは逆に、露光されない部分が回折格子1の溝部分に対応するように電子ビームEBを照射する。かくするにつきこの工程では、基板20及び被加工膜21として非磁性材料でなるSUS304及びタンタル膜を選択したことにより、電子ビームEBを照射した際の、基板20及び被加工膜21の帯磁を実用上充分な範囲に低減でき、これにより電子ビームEBで精度の高い露光パターンを形成することができるようになされている。
【0029】続いてこの工程は、レジスト膜22を現像してレジスト膜22の露光部分を除去する(図1(D))。さらにこの工程は、被加工膜21上に残るレジスト膜22をマスクとして使用して、異方性エッチングにより被加工膜21を約0.3〔μm〕だけ深さ方向にエッチングし(図1(E))、これにより回折格子1の凹凸形状を逆転してなる溝形状を、被加工膜21に作成する。ここでこの異方性エッチングは、例えばプラズマエッチングの手法により、アンダーカットの発生を有効に回避して高い精度により実施される。かくするにつきこの工程では、被加工膜21としてタンタル膜を選択したことにより、アンダーカットの発生を有効に回避して、溝深さ、溝幅、溝形状について、高い精度により被加工膜21をエッチングすることができるようなされている。
【0030】続いてこの工程は、表面に残るレジスト膜22を除去した後(図1(F))、切削加工等によりこの基板20を金型の面駒に加工し、これによりエッチング加工した基板20より直接に、回折格子1の金型を作成する(図1(G))。
【0031】以上の構成によれば、被加工膜21を形成した金型材料でなる基板20を加工対象として、この加工対象に回折格子の凹凸形状の逆転でなる溝形状を作成して、直接、回折格子の面駒を作成することにより、電鋳処理工程を省略して金型を作成することができる。従ってその分従来に比して格段的に金型作成期間を短縮することができる。なお実際上、電鋳処理工程に約1〜1.5ケ月の期間を要することにより、この実施の形態では最低限でも1月、金型作成に要する期間を短縮することができる。
【0032】また電鋳加工処理によりマスターの溝形状を基板(スタンパー)に転写するという処理工程を省略して、直接、金型の溝形状を形成できることにより、その分金型の精度を向上でき、極めて精度の高い回折格子を作成することができる。また基板(スタンパー)よりマスターを剥離するという処理を省略できることにより、その分金型自体の歩留りについても向上させることができる。
【0033】さらに基板20に被加工膜21を形成し、金型に適用して好適な金属材料を基板20に割り当て、エッチング加工に適用して好適で、かつ基板20に対してなじみの良い加工材料を被加工膜21に割り当てたことにより、それぞれ金属材料、加工材料の特性を有効に利用して、高い精度によりエッチング加工した後、直接、面駒加工することができ、これによっても容易かつ極めて高い精度により金型を作成することができる。
【0034】具体的に、基板20及び被加工膜21として非磁性材料でなるSUS304及びタンタルを選択したことにより、電子ビーム露光法を適用して被加工対象の帯磁を有効に回避でき、これにより極めて精度の高い露光パターンを形成することができ、その分金型の精度を向上することができる。
【0035】また被加工膜21として耐食性、耐久性に優れ、SUS304となじみの良いタンタルを選択したことにより、金型として充分な耐久性を確保することができる。また異方性エッチングを適用して高精度に溝形状を作成でき、その分金型の精度を向上することができる。
【0036】また金型のメンテナンス作業を従来に比して格段的に低減することができる。すなわち従来の電鋳加工処理に適用されているニッケルにおいては、射出成形に使用している過程において空気酸化等により鏡面加工した面の特性が劣化し、これを放置すると成形品の歩留りが低下する欠点があった。このため従来の電鋳加工処理により作成した金型においては、定期的なメンテナンスが欠かせないという欠点があった。これに対してタンタル膜により面駒を作成すれば、この種の鏡面の劣化を有効に回避することができ、その分金型のメンテナンス作業を各段的に低減することができる。
【0037】これに対して基板20として切削加工が容易で金型に適用して好適なSUS304を選択したことにより、容易かつ精度良く面駒加工することができ、これによっても金型の精度を向上でき、また耐久性を向上することができる。
【0038】なお上述の実施の形態では、基板としてSUS304を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、AISI、DIN等に規定されたSUS304の相当品を適用しても良い。なおこの場合、炭素が0.08〔%〕以下、シリコンが1.00〔%〕以下、マンガンが2.00〔%〕以下、リンが0.045〔%〕以下、イオウが0.030〔%〕以下、ニッケルが8.00〜11.0〔%〕、クロムが17.0〜20.00〔%〕の重量パーセントでなる鉄合金が該当することになる。またこれに代えて、非磁鋼等の非磁性材料であって、炭素、シリコン、マンガン、リン、イオウ及びクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の添加元素を含有する合金、さらにはセラミックス材等を広く適用することができる。
【0039】また上述の実施の形態では、被加工膜にタンタルを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、チタン、クロム、モリブデン、タングステン等の非磁性材料でなる金属材料、さらには窒化タンタル等の金属材料の窒化物等を広く適用することができる。
【0040】さらに上述の実施の形態では、イオンプレーティング法により母材に被加工膜を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、スパッタリング法、蒸着法、気相成長法等、種々の膜形成手法を広く適用することができる。
【0041】また上述の実施の形態では、レジスト層の露光された部分を除去する、いわゆるポジ型のレジストを用いてエッチングする場合について述べたが、本発明はこれとは逆に、未露光部分を除去する、いわゆるネガ型のレジストを用いてエッチングする場合にも適用することができる。
【0042】さらに上述の実施の形態では、約2〔μm〕の膜厚でなる被加工膜に対して、深さ約0.3〔μm〕だけエッチングして溝形状を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、射出成形に使用する樹脂材料、成形条件、母材に対する被加工膜の密着強度、母材及び被加工膜のエッチング精度等に応じて、例えば図2に示すように、被加工膜21と基板20との境界面までの深さにより溝形状を作成する場合、さらには図3に示すように、被加工膜21と基板20との境界面より深く溝加工する場合にも広く適用することができる。
【0043】また上述の実施の形態では、金属材料からなる母材上に被加工膜を形成した基材を加工して金型の面駒を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図4に示すように基材として非磁性材料からなるプレート30(例えばタンタルのバルク)を用いて、このプレート30の表面に直接溝形状の加工を施すことにより、被加工膜の形成工程を省略して金型を作成してもよい。このようにすれば、金型製造工程をさらに一段と簡素化することができる。なお基材として、単一の材料を選択するか、母材上に被加工膜を形成した基材を選択するかについては、金型に要求される精度、材料コスト、製造コスト等の諸条件により、必要に応じて適宜、適切な基材を選択すればよい。
【0044】さらに上述の実施の形態では、プラズマエッチングにより被加工膜を異方性エッチングする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、イオンビームエッチング法、ECRエッチング法、反応性イオンビームエッチング法等、種々の異方性エッチング手法を広く適用することができる。
【0045】また上述の実施の形態においては、格子の断面形状が矩形形状である回折格子を作成する場合の金型を例に説明したが、本発明はこれに限らず、格子の断面形状が鋸歯状である、いわゆるブレーズ型の回折格子の金型についても適用することができる。ちなみにブレーズ型の回折格子においては、例えばイオンエッチングによるエッチング工程において、基材の表面に対して斜め方向よりイオンビームを照射してエッチング処理し、これにより基材の表面に鋸歯状の凹凸形状を形成すればよい。また格子の断面形状が三角形状のもの等についても、同様に、本発明を適用することができる。
【0046】さらに上述の実施の形態では、エッチングした母材、被加工膜より面駒を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、金型の一部を構成する種々の駒を作成する場合、さらには金型本体を作成する場合に広く適用することができる。
【0047】また上述の実施の形態では、回折格子の金型作成に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の光学素子の金型作成に広く適用することができ、さらには種々の射出成形用金型、圧縮成形用金型の微細加工に広く適用することができる。
【0048】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、非磁性材料でなる基材表面に、電子ビーム露光法により露光後、エッチングして直接金型を作成することにより、極めて精度の高い金型を短期間で作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る金型作成工程を示す工程図である。
【図2】他の実施の形態による金型を示す断面図である。
【図3】図2の他の実施の形態に係る金型を示す断面図である。
【図4】図3の他の実施の形態に係る金型を示す断面図である。
【図5】回折格子を示す斜視図である。
【図6】従来の金型作成工程を示す工程図である。
【図7】従来の他の金型作成工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1 回折格子
3 回折格子本体
20 基板
20A 基材
21 被加工膜
22 レジスト膜
EB 電子ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 成形品の射出成形又は圧縮成形に使用される金型の微細加工方法において、非磁性材料でなる基材の表面に、電子ビーム露光法により所望のパターン形状を形成した後、前記基材をエッチングすることにより、前記成形品の凹凸形状に対して逆転した凹凸形状を、前記基材に形成し、前記基材により前記金型又は前記金型の一部を作成することを特徴とする金型の微細加工方法。
【請求項2】 前記基材は、非磁性材料でなる母材と、前記母材表面に形成された非磁性材料の被加工膜とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の金型の微細加工方法。
【請求項3】 前記母材は、残部が鉄で、炭素、シリコン、マンガン、リン、イオウ及びクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の添加元素を含有する合金でなることを特徴とする請求項2に記載の金型の微細加工方法。
【請求項4】 前記添加元素は、炭素が0.08〔%〕以下、シリコンが1.00〔%〕以下、マンガンが2.00〔%〕以下、リンが0.045〔%〕以下、イオウが0.030〔%〕以下、ニッケルが8.00〜11.0〔%〕、クロムが17.0〜20.00〔%〕の重量パーセントでなることを特徴とする請求項3に記載の金型の微細加工方法。
【請求項5】 前記被加工膜は、タンタル膜でなることを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4に記載の金型の微細加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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