金属イオンアフィニティークロマトグラフィーによるペプチドの精製
【課題】目的蛋白質を精製するための、オリゴペプチド(タグ)、及び金属イオンアフィニティークロマトグラフィー用ポリマー基材の提供。
【解決手段】少なくとも1つの金属イオンに配位する環状リガンド基を有する官能基により官能化されたポリマー基材であって、前記環状リガンド基がN、O、及びSからなる群から独立に選択される少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備える、ポリマー基材。特定のアミノ酸配列を備えたヒスチジン含有オリゴペプチド。該オリゴペプチドに目的のタンパク質分子のアミノ末端又はカルボキシ末端が融合したタンパク質を備えた融合タンパク質。
【解決手段】少なくとも1つの金属イオンに配位する環状リガンド基を有する官能基により官能化されたポリマー基材であって、前記環状リガンド基がN、O、及びSからなる群から独立に選択される少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備える、ポリマー基材。特定のアミノ酸配列を備えたヒスチジン含有オリゴペプチド。該オリゴペプチドに目的のタンパク質分子のアミノ末端又はカルボキシ末端が融合したタンパク質を備えた融合タンパク質。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの金属イオンに配位する環状リガンド基を有する官能基により官能化されたポリマー基材であって、前記環状リガンド基がN、O、及びSからなる群から独立に選択される少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備える、ポリマー基材。
【請求項2】
前記環状リガンド基中の少なくとも1つの金属イオン配位ドナー原子が環原子である、請求項1に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項3】
前記ポリマーが実質的に水に不溶性である、請求項1又は2に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項4】
前記ポリマーが、多糖及びその誘導体、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド、表面修飾されたシリカ、並びに表面修飾された金属酸化物からなる群から選択される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項5】
前記ポリマーが、アガロース及びその誘導体、デキストラン及びその誘導体、並びにセルロース及びその誘導体からなる群から選択される、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項6】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6つの環原子を有する環中に少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備えた複素環基である、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項7】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6個の環原子を有するトリアザシクロアルカン由来の基である、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項8】
先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材であって、
前記官能基が一般式(I)を有する、官能化ポリマー基材。
【化1】
ここで、
nは0又は1乃至3の整数であり、
各トリアザシクロアルカン環中の各a、b、cは、相互に独立し且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、1乃至3の整数であり、
各トリアザシクロアルカン環中の各−CH2−基の一方又は両方の水素原子は、相互に独立し且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意に且つ独立に置換基で置換することができ、
各トリアザシクロアルカン環中の各−NH−基の水素原子は、相互に独立して且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意に置換基で置換することができ、
nが0の場合には、RはH又は置換基であり、
nが1の場合には、Rは任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備えた二官能性基であり、
nが2又は3の場合には、Rは任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備えた(n+1)−官能基であり、
Xは、リンカー/スペーサー基である。
【請求項9】
環の−CH2基中の水素原子を任意に置換する前記置換基が、任意に置換された低級アルキル基および任意に置換されたアリール基からなる群から選択され、前記低級アルキル基又はアリール基上に任意に導入される前記置換基が任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備える、請求項8に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項10】
環の−NH基中の水素原子を任意に置換する前記置換基が、任意に置換された低級アルキル基および任意に置換されたアリール基からなる群から選択され、前記低級アルキル基又はアリール基上に任意に導入される前記置換基が任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備える、請求項8又は9に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材であって、
前記ポリマー基材がアガロースであり、
nが0、1、2又は3であり、
各トリアザシクロアルカン環中のa、b、及びcが2であり、
nが0の場合には、RがHであり、
nが1の場合には、Rは、
−〔CH2〕m(mは、2、3、又は4である)、
【化2】
並びにそれらの置換された誘導体からなる群から選択され、
nが2の場合には、Rは、
【化3】
及びそれらの置換された誘導体からなる群から選択され、
nが3の場合には、Rは、
【化4】
及びそれらの置換された誘導体からなる群から選択され、
Xは、アガロースとエピクロロヒドリンとの反応、及び該反応によって生じた生成物とXに結合した状態になるトリアザシクロアルカン環の環−NH−基との反応によって誘導可能な基である、
官能化ポリマー基材。
【請求項12】
前記官能基中の少なくとも1つの前記環状リガンド基に配位した金属イオンをさらに備えた、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項13】
前記配位した金属イオンが2価又は3価の金属イオンである、請求項12に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項14】
前記金属イオンが、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Zn2+、Ni2+、Mn2+、Co2+、Fe3+、及びCr3+からなる群から選択される、請求項13に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項15】
第一の官能基と第二の官能基を有する二官能性試薬の前記第一の官能基と第一の反応を行うことができる反応性官能基を有するポリマー基材を選択する工程であって、
前記第一の反応によって前記ポリマー基材と前記二官能性試薬との間に共有結合が形成され、
前記共有結合された試薬の前記第二の官能基が、続いて、N、O、及びSからなる群から独立に選択される少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備えた金属イオンに配位する環状リガンド基を有する種の中に存在する反応性官能基と第二の反応を行うことができ、
前記第二の反応によって前記種と前記共有結合された試薬との間に共有結合が生じる、工程と
前記ポリマー基材を前記二官能性試薬と反応させる工程と、
生じた前記共有結合された試薬を前記種と反応させる工程と、
を備えた、請求項1に記載の官能化ポリマー基材を調製する方法。
【請求項16】
前記環状リガンド基中の少なくとも1つの金属イオン配位ドナー原子が環原子である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマーが実質的に水に不溶性である、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマーが、多糖及びその誘導体、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド、表面修飾されたシリカ、並びに表面修飾された金属酸化物からなる群から選択される、請求項15乃至17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマーが、アガロースとその誘導体、デキストランとその誘導体、及びセルロースとその誘導体からなる群から選択される、請求項15乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6つの環原子を有する環中に少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備えた複素環基である、請求項15乃至19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6つの環原子を有するトリアザシクロアルカン由来の基である、請求項15乃至20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基を含む前記種が、一般式(II)を有する種である、請求項15乃至21の何れか1項に記載の方法:
【化5】
ここで、
n、a、b、c、及びRは、請求項8に記載のとおりであり、
各トリアザシクロアルカン環中の各−CH2−基の一方又は両方の水素原子は、相互に独立して且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意にかつ独立に置換基で置換することができ、任意に導入される該置換基は任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備え、
各トリアザシクロアルカン環中の各−NH−基の水素原子は、H*を除き、相互に独立して且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意に置換基で置換することができ、任意に導入される該置換基は任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備える。
【請求項23】
環−CH2−基中の水素原子を置換する前記任意に導入される置換基が、任意に置換された低級アルキル基及び任意に置換されたアリール基からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
環−NH−基中の水素原子を置換する前記任意に導入される置換基が、任意に置換された低級アルキル基及び任意に置換されたアリール基からなる群から選択される、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリマー基材がアガロースであり、
n、a、b、c及びRが、請求項11に記載のとおりであり、
前記二官能性試薬がエピクロロヒドリンである、請求項22乃至24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリマー基材を前記二官能性試薬と反応させる際に、反応混合物に還元剤を加える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項15乃至27の何れか1項に記載の方法により取得可能な官能化ポリマー基材。
【請求項29】
請求項1乃至11の何れか1項又は請求項28に記載された官能化ポリマー基材に、前記環状基のうち少なくとも1つに配位された金属イオンをさらに備えた官能化ポリマー基材を調製する方法であって、請求項1乃至11の何れか1項又は請求項28に記載の官能化ポリマー基材を前記金属イオンの無機又は有機塩の水溶液に接触させることを備えた、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法によって取得可能な金属イオン含有官能化ポリマー基材。
【請求項31】
下記からなる群から選択されるアミノ酸配列を備えたヒスチジン含有オリゴペプチド:
HHHNSWDHDINR(配列番号1)
HTNIHQDQHNHFHR(配列番号2)
HAMLDRAHDHGTR(配列番号3)
SLHEHHSGDNLR(配列番号4)
THYNAVHSHNTLQ(配列番号5)
DIHHWTDHLQSSTH(配列番号6)
LYNHYSHTAHVNHL(配列番号7)。
【請求項32】
前記アミノ酸配列がアミノ酸配列Met−Xaaを含むN末端伸長部を有し、前記Xaaがプロリン残基以外のアミノ酸残基である、請求項31に記載のヒスチジン含有オリゴペプチド。
【請求項33】
前記アミノ酸配列が、多くとも10アミノ酸残基のアミノ酸配列を備えたN末端伸長部を有する、請求項31に記載のヒスチジン含有オリゴペプチド。
【請求項34】
請求項31乃至33の何れか1項に記載された少なくとも1つのオリゴペプチドに目的のタンパク質分子のアミノ末端又はカルボキシ末端が融合したタンパク質を備えた融合タンパク質であるポリペプチド。
【請求項35】
前記オリゴペプチドのアミノ酸配列の前記アミノ末端及びカルボキシ末端が、目的のタンパク分子にそれぞれ融合する、請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
酵素及び化学的切断部位からなる群から選択される切断部位に前記オリゴペプチドのアミノ酸配列が隣接して存在する、請求項35に記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記2つの対象タンパク質分子が同一タンパク質の分子である、請求項35又は36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
前記2つの対象タンパク質分子が異なる分子である、請求項35又は36に記載のポリペプチド。
【請求項39】
前記ポリペプチドを発現させる条件下で、適切な増殖培地中において、請求項34乃至38の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物を備える宿主細胞を培養すること、及び前記培地から当該ポリペプチドを回収することにより取得可能なポリペプチド。
【請求項40】
前記宿主細胞がEsherichia coliの菌株である、請求項39に記載のポリペプチド。
【請求項41】
請求項34乃至38の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物。
【請求項42】
ベクターである、請求項41に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項43】
請求項41又は42に記載のポリヌクレオチド構築物を含む宿主細胞。
【請求項44】
Esherichia coliの菌株である、請求項43に記載の宿主細胞。
【請求項45】
請求項34乃至40の何れか1項に記載のポリペプチドを生産する方法であって、前記ポリペプチドを発現させる条件下で、適切な増殖培地中において、請求項43又は44に記載されている宿主細胞を培養することと、前記培地から前記ポリペプチドを回収することを備えた方法。
【請求項46】
目的のタンパク質を精製する方法であって、
請求項34乃至40の何れか1項に記載のポリペプチドを含有し、他のタンパク質とともに前記目的のタンパク質を有するタンパク質試料を、前記ポリペプチドが前記金属イオン含有官能化ポリマー基材を結合して該基材と複合体を形成する条件下で、請求項12乃至14の何れか1項又は請求項30に記載の金属イオン含有官能化ポリマー基材と接触させる工程と、
前記複合体を緩衝溶液で洗浄して、前記他のタンパク質を除去する工程と、
前記結合したポリペプチドを前記洗浄された複合体から溶出する工程と、
を備えた方法。
【請求項47】
前記ポリペプチドから前記オリゴペプチドが切断される工程をさらに備えた、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
酵素的手段により前記ポリペプチドから前記オリゴペプチドが切断される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ポリペプチドから前記オリゴペプチドを切断するために、ジペプチジルアミノペプチダーゼ等のアミノペプチダーゼを使用する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項47乃至49の何れか1項に記載の方法により取得可能な精製タンパク質。
【請求項1】
少なくとも1つの金属イオンに配位する環状リガンド基を有する官能基により官能化されたポリマー基材であって、前記環状リガンド基がN、O、及びSからなる群から独立に選択される少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備える、ポリマー基材。
【請求項2】
前記環状リガンド基中の少なくとも1つの金属イオン配位ドナー原子が環原子である、請求項1に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項3】
前記ポリマーが実質的に水に不溶性である、請求項1又は2に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項4】
前記ポリマーが、多糖及びその誘導体、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド、表面修飾されたシリカ、並びに表面修飾された金属酸化物からなる群から選択される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項5】
前記ポリマーが、アガロース及びその誘導体、デキストラン及びその誘導体、並びにセルロース及びその誘導体からなる群から選択される、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項6】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6つの環原子を有する環中に少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備えた複素環基である、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項7】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6個の環原子を有するトリアザシクロアルカン由来の基である、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項8】
先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材であって、
前記官能基が一般式(I)を有する、官能化ポリマー基材。
【化1】
ここで、
nは0又は1乃至3の整数であり、
各トリアザシクロアルカン環中の各a、b、cは、相互に独立し且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、1乃至3の整数であり、
各トリアザシクロアルカン環中の各−CH2−基の一方又は両方の水素原子は、相互に独立し且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意に且つ独立に置換基で置換することができ、
各トリアザシクロアルカン環中の各−NH−基の水素原子は、相互に独立して且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意に置換基で置換することができ、
nが0の場合には、RはH又は置換基であり、
nが1の場合には、Rは任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備えた二官能性基であり、
nが2又は3の場合には、Rは任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備えた(n+1)−官能基であり、
Xは、リンカー/スペーサー基である。
【請求項9】
環の−CH2基中の水素原子を任意に置換する前記置換基が、任意に置換された低級アルキル基および任意に置換されたアリール基からなる群から選択され、前記低級アルキル基又はアリール基上に任意に導入される前記置換基が任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備える、請求項8に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項10】
環の−NH基中の水素原子を任意に置換する前記置換基が、任意に置換された低級アルキル基および任意に置換されたアリール基からなる群から選択され、前記低級アルキル基又はアリール基上に任意に導入される前記置換基が任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備える、請求項8又は9に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材であって、
前記ポリマー基材がアガロースであり、
nが0、1、2又は3であり、
各トリアザシクロアルカン環中のa、b、及びcが2であり、
nが0の場合には、RがHであり、
nが1の場合には、Rは、
−〔CH2〕m(mは、2、3、又は4である)、
【化2】
並びにそれらの置換された誘導体からなる群から選択され、
nが2の場合には、Rは、
【化3】
及びそれらの置換された誘導体からなる群から選択され、
nが3の場合には、Rは、
【化4】
及びそれらの置換された誘導体からなる群から選択され、
Xは、アガロースとエピクロロヒドリンとの反応、及び該反応によって生じた生成物とXに結合した状態になるトリアザシクロアルカン環の環−NH−基との反応によって誘導可能な基である、
官能化ポリマー基材。
【請求項12】
前記官能基中の少なくとも1つの前記環状リガンド基に配位した金属イオンをさらに備えた、先行する請求項の何れか1項に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項13】
前記配位した金属イオンが2価又は3価の金属イオンである、請求項12に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項14】
前記金属イオンが、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Zn2+、Ni2+、Mn2+、Co2+、Fe3+、及びCr3+からなる群から選択される、請求項13に記載の官能化ポリマー基材。
【請求項15】
第一の官能基と第二の官能基を有する二官能性試薬の前記第一の官能基と第一の反応を行うことができる反応性官能基を有するポリマー基材を選択する工程であって、
前記第一の反応によって前記ポリマー基材と前記二官能性試薬との間に共有結合が形成され、
前記共有結合された試薬の前記第二の官能基が、続いて、N、O、及びSからなる群から独立に選択される少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備えた金属イオンに配位する環状リガンド基を有する種の中に存在する反応性官能基と第二の反応を行うことができ、
前記第二の反応によって前記種と前記共有結合された試薬との間に共有結合が生じる、工程と
前記ポリマー基材を前記二官能性試薬と反応させる工程と、
生じた前記共有結合された試薬を前記種と反応させる工程と、
を備えた、請求項1に記載の官能化ポリマー基材を調製する方法。
【請求項16】
前記環状リガンド基中の少なくとも1つの金属イオン配位ドナー原子が環原子である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマーが実質的に水に不溶性である、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマーが、多糖及びその誘導体、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド、表面修飾されたシリカ、並びに表面修飾された金属酸化物からなる群から選択される、請求項15乃至17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマーが、アガロースとその誘導体、デキストランとその誘導体、及びセルロースとその誘導体からなる群から選択される、請求項15乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6つの環原子を有する環中に少なくとも3つの金属イオン配位ドナー原子を備えた複素環基である、請求項15乃至19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基が、少なくとも6つの環原子を有するトリアザシクロアルカン由来の基である、請求項15乃至20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記金属イオンに配位する環状リガンド基を含む前記種が、一般式(II)を有する種である、請求項15乃至21の何れか1項に記載の方法:
【化5】
ここで、
n、a、b、c、及びRは、請求項8に記載のとおりであり、
各トリアザシクロアルカン環中の各−CH2−基の一方又は両方の水素原子は、相互に独立して且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意にかつ独立に置換基で置換することができ、任意に導入される該置換基は任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備え、
各トリアザシクロアルカン環中の各−NH−基の水素原子は、H*を除き、相互に独立して且つ他の何れのトリアザシクロアルカン環とも独立して、任意に置換基で置換することができ、任意に導入される該置換基は任意に1以上の金属イオン配位ドナー原子を備える。
【請求項23】
環−CH2−基中の水素原子を置換する前記任意に導入される置換基が、任意に置換された低級アルキル基及び任意に置換されたアリール基からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
環−NH−基中の水素原子を置換する前記任意に導入される置換基が、任意に置換された低級アルキル基及び任意に置換されたアリール基からなる群から選択される、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリマー基材がアガロースであり、
n、a、b、c及びRが、請求項11に記載のとおりであり、
前記二官能性試薬がエピクロロヒドリンである、請求項22乃至24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリマー基材を前記二官能性試薬と反応させる際に、反応混合物に還元剤を加える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項15乃至27の何れか1項に記載の方法により取得可能な官能化ポリマー基材。
【請求項29】
請求項1乃至11の何れか1項又は請求項28に記載された官能化ポリマー基材に、前記環状基のうち少なくとも1つに配位された金属イオンをさらに備えた官能化ポリマー基材を調製する方法であって、請求項1乃至11の何れか1項又は請求項28に記載の官能化ポリマー基材を前記金属イオンの無機又は有機塩の水溶液に接触させることを備えた、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法によって取得可能な金属イオン含有官能化ポリマー基材。
【請求項31】
下記からなる群から選択されるアミノ酸配列を備えたヒスチジン含有オリゴペプチド:
HHHNSWDHDINR(配列番号1)
HTNIHQDQHNHFHR(配列番号2)
HAMLDRAHDHGTR(配列番号3)
SLHEHHSGDNLR(配列番号4)
THYNAVHSHNTLQ(配列番号5)
DIHHWTDHLQSSTH(配列番号6)
LYNHYSHTAHVNHL(配列番号7)。
【請求項32】
前記アミノ酸配列がアミノ酸配列Met−Xaaを含むN末端伸長部を有し、前記Xaaがプロリン残基以外のアミノ酸残基である、請求項31に記載のヒスチジン含有オリゴペプチド。
【請求項33】
前記アミノ酸配列が、多くとも10アミノ酸残基のアミノ酸配列を備えたN末端伸長部を有する、請求項31に記載のヒスチジン含有オリゴペプチド。
【請求項34】
請求項31乃至33の何れか1項に記載された少なくとも1つのオリゴペプチドに目的のタンパク質分子のアミノ末端又はカルボキシ末端が融合したタンパク質を備えた融合タンパク質であるポリペプチド。
【請求項35】
前記オリゴペプチドのアミノ酸配列の前記アミノ末端及びカルボキシ末端が、目的のタンパク分子にそれぞれ融合する、請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
酵素及び化学的切断部位からなる群から選択される切断部位に前記オリゴペプチドのアミノ酸配列が隣接して存在する、請求項35に記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記2つの対象タンパク質分子が同一タンパク質の分子である、請求項35又は36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
前記2つの対象タンパク質分子が異なる分子である、請求項35又は36に記載のポリペプチド。
【請求項39】
前記ポリペプチドを発現させる条件下で、適切な増殖培地中において、請求項34乃至38の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物を備える宿主細胞を培養すること、及び前記培地から当該ポリペプチドを回収することにより取得可能なポリペプチド。
【請求項40】
前記宿主細胞がEsherichia coliの菌株である、請求項39に記載のポリペプチド。
【請求項41】
請求項34乃至38の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物。
【請求項42】
ベクターである、請求項41に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項43】
請求項41又は42に記載のポリヌクレオチド構築物を含む宿主細胞。
【請求項44】
Esherichia coliの菌株である、請求項43に記載の宿主細胞。
【請求項45】
請求項34乃至40の何れか1項に記載のポリペプチドを生産する方法であって、前記ポリペプチドを発現させる条件下で、適切な増殖培地中において、請求項43又は44に記載されている宿主細胞を培養することと、前記培地から前記ポリペプチドを回収することを備えた方法。
【請求項46】
目的のタンパク質を精製する方法であって、
請求項34乃至40の何れか1項に記載のポリペプチドを含有し、他のタンパク質とともに前記目的のタンパク質を有するタンパク質試料を、前記ポリペプチドが前記金属イオン含有官能化ポリマー基材を結合して該基材と複合体を形成する条件下で、請求項12乃至14の何れか1項又は請求項30に記載の金属イオン含有官能化ポリマー基材と接触させる工程と、
前記複合体を緩衝溶液で洗浄して、前記他のタンパク質を除去する工程と、
前記結合したポリペプチドを前記洗浄された複合体から溶出する工程と、
を備えた方法。
【請求項47】
前記ポリペプチドから前記オリゴペプチドが切断される工程をさらに備えた、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
酵素的手段により前記ポリペプチドから前記オリゴペプチドが切断される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ポリペプチドから前記オリゴペプチドを切断するために、ジペプチジルアミノペプチダーゼ等のアミノペプチダーゼを使用する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項47乃至49の何れか1項に記載の方法により取得可能な精製タンパク質。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
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【図22】
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【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
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【図48】
【図49】
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【図51】
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【図56】
【図57】
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【図57】
【公開番号】特開2009−142279(P2009−142279A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−321467(P2008−321467)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【分割の表示】特願2003−544084(P2003−544084)の分割
【原出願日】平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【出願人】(594202523)モナシュ ユニバーシティ (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321467(P2008−321467)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【分割の表示】特願2003−544084(P2003−544084)の分割
【原出願日】平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【出願人】(594202523)モナシュ ユニバーシティ (10)
【Fターム(参考)】
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