説明

金属帯の制振装置および連続溶融めっき金属帯の製造方法

【課題】金属帯に連続的に溶融めっきを形成する際にめっき付着量の変動を抑制することができるとともに、縞模様状の外観欠陥が生じ難くすることができる金属帯の制振装置を提供する。
【解決手段】金属帯の製造ラインまたは処理ラインに設置された金属帯の制振装置は、振動を金属帯1の表裏両側に設けられ、その金属帯1の面外方向への運動が完全拘束されていない状態で金属帯1を挟み込む一対のロール21と、ロール21の一方または両方に設けられ、金属帯の面外方向の運動に減衰を付与するダンパ25とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属帯の振動を抑制する金属帯の制振装置、および、その制振装置を用いた連続溶融めっき金属帯の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、溶融めっき金属帯の製造ラインにおいては、前工程である冷間圧延プロセスにおいて圧延され、続く洗浄プロセスにおいて表面が洗浄された金属帯が運搬され、非酸化性または還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉において表面酸化物が除去され焼鈍処理された後、溶融金属の温度とほぼ同程度まで冷却されて溶融金属浴内に導かれる。溶融金属中を浸漬されながら通板され、表面に溶融金属が付着された金属帯は、溶融金属浴から引き出され、溶融金属浴後に設置されてあるガスワイピングノズルから噴出するガスにより、金属帯に付着した過剰の溶融金属が払拭されて金属付着量の調整が行われる。
【0003】
このとき、ガスワイピングノズルからはワイピングガスが金属帯の表裏に板幅方向に均一に圧力がかかるようにスリット状に噴出されている。したがって、金属帯が反っている場合や振動している場合、あるいはパスラインが表裏どちらかに偏っている場合には、ガスワイパと金属帯との距離が一定でないためワイピングガスの圧力が均一にならず、金属帯の表裏や板幅方向、あるいはライン方向に付着量のムラが発生することになる。
【0004】
このような問題点を解決する方法として、最も一般的に用いられているのは金属帯を表裏両面から挟み込んで振動を抑制する方法である。例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインにおいては、図6に示すように、ガスワイピングノズル102の後段で、合金化炉106の前段に、通常、制振装置として浴上サポートロールと呼ばれる一対のロール103が配置されている(例えば特許文献1、2参照)。浴上サポートロール103は、浴上サポートロールフレーム104を介して固定フレームである浴上機フレーム105に固定されており、浴上サポートロール103により鋼帯101を挟み込むことにより、振動を抑制する。
【0005】
浴上サポートロールが設置されていない場合、鋼帯は溶融亜鉛ポットから立ち上がった後、トップロールまで数十mの間、何にも接触せずフリーの状態なので、振動形態は非常にスパンの長い弦の振動と捉えることができ、鋼帯は低周波数の比較的大きな変位振幅で振動する。これに対して浴上サポートロールが配置されている場合には、浴上サポートロールが事実上固定端となり、スパンが格段に短くなるので、ガスワイピングノズル部における鋼帯の振動変位振幅は小さくなる。
【0006】
仮に、鋼帯のユニット張力を2.5kgf/mmとし、浴上サポートロールがない場合のスパン長を50mとすると、弦振動1次固有振動数は0.56Hzとなるのに対し、浴上サポートロールを設け、スパン長が1mになったと仮定すると、弦振動1次固有振動数は27.9Hzと浴上サポートロールがない場合の50倍になる。
【0007】
一般にめっき付着量はガスワイピングノズルと鋼帯との距離に反比例することが知られている。例えば、ガスワイピングノズルと鋼帯との距離が10mmで、めっき付着量が50g/mの条件で操業しているとき、鋼帯が±1mm振動すると、ガスワイピングノズルと鋼帯との距離は9〜11mmの間で変化し、45.5〜55.6g/mと10g/m程度の付着量ムラを生じることとなる。この付着量ムラは鋼帯振動の周波数には無関係で、ガスワイピングのずると鋼帯との距離のみによるので、ムラを少なくするには鋼帯振動の変位振幅を小さくするのが良い。それゆえ、浴上サポートロールで鋼帯を押さえ付け、変位振動を抑制することが付着量ムラ低減に有効なのである。
【0008】
しかしながら、合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造時の浴上サポートロールによるめっき付着量ムラ低減対策には以下のような問題がある。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合、付着量ムラはそのまま合金化ムラにつながる。めっき付着量の多い部分は合金化が進みにくく、逆に付着量の少ない部分は合金化が進みやすいからである。そして、この合金化ムラは鋼帯表面の濃淡差となって現れ、表面外観欠陥となり得るのである。鋼帯振動による濃淡差は鋼帯の進行方向(ライン方向)の縞模様となり、そのピッチは鋼帯振動の周波数が低いほど粗く、周波数が高いほど細かくなる。
【0009】
上述したように、濃淡差はそもそもめっき付着量ムラに起因するので、濃淡差自体を少なくするには鋼帯振動の変位振幅を小さくすればよく、したがってこの点のみを考慮すれば上述したような浴上サポートロールが有効なのであるが、その濃淡差を表面外観欠陥とみなすかどうかは、人間の見た目で縞模様が目立つかどうかによるので、単純に濃淡差だけでなく縞模様のピッチも関係してくる。
【0010】
濃淡差は等しいがピッチが異なる2つのパターンを図7に示す。図7の(a)は(b)に比べてピッチが7倍細かくなっている。この図からピッチが細かい(a)のほうが明らかに目立つことが分かる。これは、ピッチが細かいと濃淡の変化率が大きくなるためと考えられる。このように、濃淡差が等しい場合、ピッチが細かい方が人間の目には縞模様が明瞭に映るのである。換言すると、鋼帯振動の変位振幅が同じ場合、その周波数が高い方が縞模様が目立ちやすく、表面外観欠陥とみなされる可能性が高まることとなる。
【0011】
実際、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造時に、浴上サポートロールを使用すると、その効果で低周波数の大きな振動変位を抑制することはできるが、高周波数振動起因の縞模様状表面外観欠陥が問題となることがある。具体的には、ライン速度が150mpmとすると、浴上サポートロール使用時の弦振動1次固有振動数に相当する27.9Hzの鋼帯振動にともなう縞模様のピッチは、150/60×1000/27.9=約90mmであり、かなり目立ちやすい状況となる。
【0012】
仮に、浴上サポートロール不使用とすると、弦振動1次固有振動数は0.56Hzであり、これにともなう縞模様ピッチは、150/60×1000/0.56=約4.5mとかなり広くなるので、目立ちにくくはなる。しかしながら低周波数のため、変位振幅自体は大きいので、目立ちにくくても付着量ムラは大きくなってしまい、製品のめっき付着量を所定範囲内に調整することが困難になるため、浴上サポートロールを不使用にすればよいというものではない。
【0013】
このような問題は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインに限らず、他の金属帯の製造ラインについても同様に生じるものである。
【特許文献1】特開昭56−153136号公報
【特許文献2】特開平2−62355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、金属帯に連続的に溶融めっきを形成する際にめっき付着量の変動を抑制することができるとともに、縞模様状の外観欠陥が生じ難くすることができる金属帯の制振装置およびそれを用いた連続溶融めっき金属帯の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、低周波数振動の変位振幅を抑制しつつ、鋼帯弦振動の1次固有振動数を浴上サポートロール不使用時のように低くして広ピッチ化することで縞模様を目立ちにくくすることができれば、めっき付着量の変動の抑制と縞模様状表面外観欠陥発生の抑制とを両立可能なことに想到し、そのためには、浴上サポートロールの運動を鋼帯面外方向に拘束しないことで弦振動1次固有振動数を低周波数に保ちつつ、鋼帯の面外方向運動に減衰を与えるダンパを搭載することで低周波数振動の変位振幅を抑制する構成が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明の金属帯の制振装置は、金属帯の製造ラインまたは処理ラインに設置された金属帯の制振装置であって、金属帯の表裏両側に設けられ、その金属帯の面外方向への運動が完全拘束されていない状態で金属帯を挟み込む一対のロールと、前記ロールの一方または両方に設けられ、金属帯の面外方向の運動に減衰を付与するダンパとを有することを特徴とする。
【0017】
上記構成において、金属帯の表裏両側に設けられた前記一対のロールの両方または片方に金属帯の面外方向の運動に復元力を付与するばね要素をさらに有することが好ましい。減衰を付与するダンパだけでは、振動抑制には効果的であってもパスラインを保持する復元力は有していないので、ダンパとは別にばね要素を設けることによりパスラインを保持する復元力を付与することが好ましいのである。
【0018】
上記構成において、金属帯の表裏両側に設けられた前記一対のロールの相対位置関係を保持するように表裏両ロールを結合することが好ましい。通常、浴上サポートロールは表裏から少し押し込まれ、金属帯がロールに対して多少巻き付く形で固定されるが、浴上サポートロールが鋼帯面外方向に拘束されていない場合、たとえダンパやばね要素が設けられていても、金属帯とロールとの接触が維持される保証はなく、両者の接触が維持されなければ、当然制振効果も発現しないので、表裏ロールが押し込まれた形で、その相対位置関係を保持するように両ロールを結合することが好ましいのである。
【0019】
本発明に係る連続溶融めっき金属帯の製造方法は、金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、前記金属帯に溶融金属を付着させ、前記金属帯を溶融金属浴外に引き上げる付着工程と、前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するガスワイピングノズルによって溶融金属の付着量を調整する調整工程とを有する溶融めっき金属帯の製造方法において、前記ガスワイピングノズルの後段に請求項1から請求項3のいずれかに記載の制振装置を配置して金属帯振動の変位振幅を抑制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、金属帯の面外方向への運動が完全拘束されていない状態で金属帯を挟み込む一対のロールを設けたので、弦振動1次固有振動数を低周波数に保つことができ、めっき付着量ムラによる縞模様を目立たなくすることができ、また、前記ロールの一方または両方に金属帯の面外方向の運動に減衰を付与するダンパを設けたので、低周波数振動の変位振幅を抑制することができ、めっき付着量の変動を抑制して付着量を所定の範囲内とすることができる。このため、高品質なめっき金属帯を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の実施形態では、本発明を合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインに適用した例について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る制振装置が適用された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインの構成の一例を示す概略断面図、図2は本発明の一実施形態に係る制振装置を鋼帯のエッジ方向から見た側面図である。図1に示すように、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインは、焼鈍炉(図示せず)で焼鈍された鋼帯1に溶融めっきを付着させるための、溶融亜鉛を貯留した溶融亜鉛ポット2と、溶融亜鉛ポット2から出てくる鋼帯1の表裏両面に対向するように配置された一対のガスワイピングノズル3と、ガスワイピングノズル3の上方に設けられた制振装置4と、制振装置4の上方に設けられた合金化炉5とを有している。
【0022】
溶融亜鉛ポット2内には溶融亜鉛Lが貯留されて溶融亜鉛浴を形成しており、溶融亜鉛浴に浸漬されるように、鋼帯1の方向を上方に転換するためのシンクロール10と、シンクロール10を通過することによる鋼帯1の変形を矯正する一対の浴中サポートロール11が設けられている。なお、符号12はシンクロールフレームであり、符号13は浴中サポートロールフレームである。
【0023】
制振装置4は、図2に示すように、一対の浴上サポートロール21と、各ロールを支持する浴上サポートロールフレーム23とを有しており、ガスワイピングノズル3を経た鋼帯1は、浴上サポートロールフレーム23を介して浴上サポートロール21により表裏両側から押圧され、浴上サポートロール21により挟み込まれている。浴上サポートロールフレーム23の上方には、固定フレームとして浴上機フレーム24が設けられており、浴上サポートロールフレーム23は、この浴上機フレーム24に対して、鋼帯1の面外方向に拘束されない状態で取り付けられている。
【0024】
一方、浴上サポートロールフレーム23と浴上機フレーム24との間には、減衰付与ダンパ25が設けられている。これにより、浴上サポートロール21と鋼帯1が接触している限り、鋼帯1には減衰付与ダンパ25による減衰力が作用することとなる。
【0025】
このように構成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインにおいては、焼鈍炉(図示せず)で焼鈍された鋼帯1を溶融亜鉛ポット2の溶融亜鉛浴に引き込んで鋼帯1に溶融亜鉛を付着させ、シンクロール10により方向転換した後、上方に引き上げる。そして鋼帯1に付着した過剰な溶融亜鉛をガスパイピングノズル3によって払拭して溶融亜鉛の付着量を調整する。この際に、鋼帯1が制振装置4の一対の浴上サポートロール21に挟み込まれることによって、鋼帯1の振動の変位振幅を抑制する。
【0026】
このとき、浴上サポートロールフレーム23は、浴上機フレーム24に対して、鋼帯1の面外方向に拘束されない状態で取り付けられているので、浴上サポートロール21と鋼帯1との接触点は固定端とはならない。そのため、弦振動1次固有振動数は、浴上サポートロールを使用しない場合と同等の低い状態を維持することができる。また、浴上サポートロールフレーム23と浴上機フレーム24の減衰付与ダンパ25は、浴上サポートロール21と鋼帯1が接触している限り、鋼帯1に減衰力を作用させる。このため、鋼帯1の弦振動固有振動数を低く維持したまま、その低周波振動変位自体を抑制することができ、めっき付着量の変動を抑制しつつ、めっき付着量ムラによる縞模様を目立たなくすることができる。
【0027】
図3は、本発明の作用を弦振動1次共振ピークの動きで説明するイメージ図である。この図に示すように、浴上サポートロールを使用することにより、応答変位を小さくすることはできるが、固有振動数は上昇する。これに対し、本発明の構成を採用することにより、固有振動を上昇させることなく、減衰付与により共振ピークをつぶすことで応答変位を抑制する。
【0028】
次に、制振装置の他の実施形態について説明する。
図4は、他の実施形態に係る制振装置を示す側面図である。この図に示すように、本実施形態では、浴上サポートロール21を支持する浴上サポートロールフレーム23と浴上機フレーム24との間に、減衰付与ダンパ25に加え、ばね要素26が設けられている。
【0029】
浴上サポートロール21は、鋼帯1の振動を抑制するだけでなく、静的にパスラインを保持する役割も担っている。減衰を付与するダンパ25だけでは、振動抑制には効果的であってもパスラインを保持する復元力は有していない。
【0030】
そこで、本実施形態では減衰付与ダンパ25とは別にばね要素26を設ける。これにより振動抑制の効果に加え、パスラインを保持する復元力を付与する効果を得ることができる。ただし、ばね要素26の復元力が強すぎると、すなわち、ばね定数が大きすぎると、鋼帯1の弦振動1次固有振動数の上昇を招き、縞模様を目立たなくする作用を阻害する可能性がある。したがって、ばね要素26としては、鋼帯1の弦振動1次固有振動数が大きく上昇することのない程度の適切なものを用いる必要がある。
【0031】
これにより、浴上サポートロール21と鋼帯1とが接触している限り、鋼帯1には減衰付与ダンパ25による減衰力に加え、ばね要素26による復元力が作用するため、パスラインを保持しやすくなる。
【0032】
次に、制振装置のさらに他の実施形態について説明する。
図4は、さらに他の実施形態に係る制振装置を示す側面図である。この図に示すように、本実施形態では、浴上サポートロール21を支持する浴上サポートロールフレーム23と浴上機フレーム24との間に、減衰付与ダンパ25およびばね要素26を設けることに加え、表裏一対の浴上サポートロール21の各ロールを結合するロール結合部材27を設けている。
【0033】
通常、浴上サポートロール21は表裏から少し押し込まれ、鋼帯1がロールに対して多少巻き付く形で固定されるが、浴上サポートロール21が鋼帯面外方向に拘束されていない場合、たとえダンパやばね要素が設けられていても、鋼帯1と浴上サポートロール21との接触が維持される保証はなく、両者の接触が維持されなければ、当然制振効果も発現しない。
【0034】
そこで、本実施形態では、浴上サポートロール21の各ロールが押し込まれた形で、その相対位置関係を保持するように両ロールを結合部材27により結合する。これにより、浴上サポートロール21と鋼帯1との接触が保たれ、鋼帯1には減衰力が確実に作用するため、一層良好な制振効果を得ることができる。
【0035】
なお、この結合部材27は、浴上サポートロール21の両端に設置され、かつ着脱容易であることが望ましい。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上記実施形態では本発明を合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインに適用した例について示したが、これに限らず、他の溶融めっきラインにも適用可能であるし、溶融めっきラインに限らず、他の金属帯の製造ラインにも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る制振装置が適用された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインの構成の一例を示す概略断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る制振装置を示す側面図。
【図3】本発明の作用を説明するための振動周波数と応答変位との関係を示す図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る制振装置を示す側面図。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る制振装置を示す側面図。
【図6】従来の浴上サポートロール設置形態を示す側面図。
【図7】濃淡ピッチの違いによる縞模様の目立ち方の違いを示す図。
【符号の説明】
【0038】
1;鋼帯
2;溶融亜鉛ポット
3;ガスワイピングノズル
4;制振装置
5;合金化炉
10;シンクロール
11;浴中サポートロール
21;浴上サポートロール
23;浴上サポートロールフレーム
24;浴上機フレーム
25;減衰付与ダンパ
26;ばね要素
27;結合部材
L;溶融亜鉛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属帯の製造ラインまたは処理ラインに設置された金属帯の制振装置であって、金属帯の表裏両側に設けられ、その金属帯の面外方向への運動が完全拘束されていない状態で金属帯を挟み込む一対のロールと、前記ロールの一方または両方に設けられ、金属帯の面外方向の運動に減衰を付与するダンパとを有することを特徴とする金属帯の制振装置。
【請求項2】
金属帯の表裏両側に設けられた前記一対のロールの両方または片方に金属帯の面外方向の運動に復元力を付与するばね要素をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の金属帯の制振装置。
【請求項3】
金属帯の表裏両側に設けられた前記一対のロールの相対位置関係を保持するように表裏両ロールを結合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属帯の制振装置。
【請求項4】
金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、前記金属帯に溶融金属を付着させ、前記金属帯を溶融金属浴外に引き上げる付着工程と、前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するガスワイピングノズルによって溶融金属の付着量を調整する調整工程とを有する溶融めっき金属帯の製造方法において、前記ガスワイピングノズルの後段に請求項1から請求項3のいずれかに記載の制振装置を配置して金属帯振動の変位振幅を抑制することを特徴とする連続溶融めっき金属帯の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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