説明

金属表面の化学的保護

電気化学セルは、酸素含有層を有する金属材料を有する陽極を含む。この電気化学セルはまた、陰極と電解質も含む。この陽極は、DまたはPブロック前駆体を該酸素含有層と反応させることにより形成される化学的に結合された保護層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年7月14日出願の米国特許出願番号第11/457,525号の優先権を主張するものであり、この米国特許出願の内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、金属表面の化学的保護に関する。
【背景技術】
【0003】
金属陽極、陰極および固体または溶媒含有電解質を含む電気化学セルは、当技術分野で公知である。かかるバッテリーは充放電サイクルの繰り返しに対して限界があり、サイクルの繰り返しとともに初期充放電能力と比べて充放電能力が低下し得る。加えて、固体バッテリーの初期能力は、多くの場合、決して望ましいとはいえない。そのため、当技術分野では、高い初期能力を有し、充放電サイクルの繰り返しに対してかかる能力を維持する改善されたバッテリーが必要である。
【0004】
電気化学セルに関連する別の問題は、充放電サイクルの繰り返しとともに樹枝状結晶が生成することである。樹枝状結晶は、電気化学セルを充電する際に陽極で生成され得る。樹枝状結晶はサイクルの繰り返しとともに成長し得、その結果としてバッテリーの性能低下またはショートにつながり、バッテリーの充放電を不可能にする。そのため、当技術分野では、改善されたサイクル寿命を有し、樹枝状結晶の生成を制限するバッテリーおよび電極が必要である。
【0005】
発明の概要
電気化学セルは、酸素含有層を有する金属材料を有する陽極を含む。この電気化学セルはまた、陰極と電解質も含む。この陽極は、DまたはPブロック前駆体を該酸素含有層と反応させることにより形成される化学的に結合された保護層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】波長と前記保護層の適用前後のリチウム金属の強度の関係を示す赤外分光プロットである。
【図2】前記保護層を有するリチウム金属についての示差走査熱量測定プロットである。
【図3】インピーダンス試験の実験装置の図である。
【図4】保護層を形成するクロロトリメチルシラン前駆体および参照材料についてのインピーダンスのプロットである。
【図5】保護層を形成するクロロジイソプロピルホスフィン前駆体および参照材料についてのインピーダンスのプロットである。
【図6】保護層を形成するクロロジエチルホスフィン前駆体および参照材料についてのインピーダンスのプロットである。
【図7】保護層を形成するドロモジメチルボラン前駆体(dromodimethylborane precursor)および参照材料についてのインピーダンスのプロットである。
【図8】保護層を形成するクロロトリメチルシラン、クロロジイソプロピルホスフィン、クロロジエチルホスフィン、ドロモジメチルボラン前駆体(dromodimethylborane precursor)および参照材料についての抵抗のプロットである。
【0007】
好ましい実施形態の詳細な説明
本明細書における用語電気化学セルとは、陽極と、陰極と、それらの2つの間に介在するイオン伝導性電解質とを備えた装置を指す。電気化学セルは、バッテリー、コンデンサーまたは他のかかる装置であってよい。前記バッテリーは一次または二次化学系であってよい。前記バッテリーは固体電解質または液体電解質を使用してよい。本明細書における用語陽極とは、放電サイクル中に酸化する電極を指す。
【0008】
酸素含有層を有する金属材料を含む陽極を備えた電気化学セルが開示されている。前記陽極金属材料は、周期表に示されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属であってよい。金属材料の限定されない例としては、リチウム、アルミニウム、ナトリウム、およびマグネシウム:が挙げられる。本発明の好ましい態様では、前記金属材料はリチウムである。
【0009】
前記酸素含有層は、前記金属材料を大気に曝すことにより形成してよく、または別の方法で前記金属材料上に形成する場合もある。前記電気化学セルはまた、陰極も含み、この陰極は任意の好適な材料から形成され得る。電解質は陽極と陰極との間に介在し、この電解質は固体電解質、液体電解質ならびに溶媒および塩で膨潤させたポリマーマトリックスであるゲルポリマー電解質を含む任意の好適な形態のものであってよい。固体電解質はポリマー型、無機層またはこれら2つの混合物であり得る。ポリマー電解質の例としては、PEO系ポリマーおよびPEG系ポリマーが挙げられる。無機電解質は、硫化物ガラス、リン化物ガラス、酸化物ガラスおよびその混合物からなり得る。液体電解質の例としては、溶解金属イオン塩を含むカーボネート溶媒、例えばエチレン炭素/ジエチルカーボネート(ethylene carbon/diethyl carbonate)(EC/DEC)中1M LiPF6が挙げられる。
【0010】
前記電気化学セルの陽極は、DまたはPブロック前駆体を前記酸素含有層と反応させることにより該陽極上に形成された化学的に結合された保護層を含む。用語DまたはPブロック前駆体には、周期表のDまたはPブロックの元素を有する化合物が含まれる。DまたはPブロック元素の例としては、数例を挙げると、リン、ホウ素、ケイ素、チタン、モリブデン、タンタル、バナジウムが挙げられる。前記DまたはPブロック前駆体は有機金属化合物であってよい。有機金属化合物の例としては、金属間化合物、合金および結合された有機置換基を有する金属:が挙げられる。本発明の好ましい態様では、DまたはPブロック前駆体には、ケイ素、ホウ素またはリン(phosphorous)が含まれ得る。前記DまたはPブロック前駆体は前記金属材料の酸素含有層と反応して、前記保護層を形成する。
【0011】
一実施形態では、前記DまたはPブロック前駆体は、式:AR12X(式中、Aはリン(phosphorous)またはホウ素から選択され、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R2は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される)の化学化合物であってよい。
【0012】
前記ハロゲンは塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素であってよい。前記アルキル基、アルコキシ基、および芳香族基は、フッ素化されていてよく、または部分的にフッ素化されていてよい。
【0013】
前記アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、iso−オクチル、tert−オクチル、2−エチヘキシル(2-ethyhexyl)、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、およびl−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルであってよいが、記載していない他のアルキル基を本発明に使用してよい。前記アルキル基は官能化されていてもよい。好適な官能基としては、数例を挙げると、エーテル、スルフィド、スルホキシド:が挙げられる。
【0014】
前記芳香族基は、フェニル基、パラ位、メタ位またはオルト位にアルキル置換基を有するフェニル基、および多環芳香族化合物であってよい。好適な多環芳香族化合物の例としては、ナフタレン誘導体が挙げられる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、前記DまたはPブロック前駆体は、式:AR1234X(式中、Aはリン(phosphorous)であり、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R2は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R3は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R4は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される)の化学化合物であってよい。
【0016】
前記化合物が二重結合酸素または他の二重結合置換基を含む場合では、R基の数は合計4個より少ない。
【0017】
上記の実施形態と同様に、前記ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基および芳香族基の説明は同じであり、繰り返さない。
【0018】
本発明の別の実施形態では、前記DまたはPブロック前駆体は、式:SiR123X(式中、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R2は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R3は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される)の化学化合物であってよい。
【0019】
上記の実施形態と同様に、前記ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基および芳香族基の説明は同じであり、繰り返さない。
【実施例】
【0020】
実施例節において詳述する試験では、リチウム金属ストリップを様々な前駆体化合物に曝した。リチウムストリップを、前駆体化合物を含有する不活性雰囲気中室温で密封フラスコに入れた。それらのストリップを前駆体に、その前駆体がリチウム上の金属酸素含有層と反応して、保護層を形成するのに好適な期間曝した。様々なサンプルにおいてインピーダンス試験、赤外分光試験、および示差走査熱量測定試験:を含む様々な分析手続きを実施した。
【0021】
実施例1
リチウム金属の未処理サンプルおよび上記手順に従ってクロロトリメチルシランで240秒間処理したサンプルを、図1で示されるように、赤外分光法を用いて分析した。未処理サンプルでは3600cm−1領域においてリチウム水酸化物結合に対応するピークが示される。処理サンプルにはこのピークはなく、l100cm−1領域においてケイ素酸素結合に対応するピークを含む。この関係から、前駆体化合物がケイ素酸素結合を形成するために含有する金属酸素と反応したことが示される。
【0022】
実施例2
リチウム金属の未処理サンプルおよび上記手順に従ってクロロトリメチルシランで処理したサンプルを、図2で示されるように、示差走査熱量測定法を用いて分析した。サンプルをアルミニウム製の鍋に入れ、サンプル周囲に窒素ガスを流した。サンプルを繰り返し融点より高い温度に加熱し、融点より低い温度に冷却して、リチウムが環境から保護されたかどうかを判定した。未処理リチウムサンプルはアルミニウム製の鍋と反応したが、純リチウム金属に典型的な溶解および凝固を示さなかった。処理サンプルは、図2で示されるように、リチウムの融点でまたは融点に極めて近い温度でリチウムの非常にはっきりとした溶解および凝固を示す(融点におけるわずかな過熱または過冷は加熱速度依存的である)。ピークの狭さから、リチウム金属が保護され、非保護されていないサンプルとは対照的にその環境と反応しなかったことが示される。
【0023】
実施例3
リチウムの様々な処理サンプルおよび参照としての未処理リチウムにおいてインピーダンス試験を実施した。使用した実験装置を図3に示す。上記手順を用いて様々なサンプルを作製した。リチウムサンプルを正電極位置に配置した実験装置においてそれらのサンプルを試験した。様々なサンプルについてのインピーダンスプロットを図4〜7に示す。図4は、保護層を形成するクロロトリメチルシラン前駆体で処理したサンプルについてのインピーダンスプロットを示している。図5は、保護層を形成するクロロジイソプロピルホスフィン前駆体についてのインピーダンスのプロットである。図6は、保護層を形成するクロロジエチルホスフィン前駆体についてのインピーダンスのプロットである。図7は、保護層を形成するジブロモジメチルボラン前駆体についてのインピーダンスのプロットである。図から分かるように、処理サンプルは全て、傾きが参照サンプルよりも小さいインピーダンス曲線を示す。この挙動から、未処理サンプルと比べて改善された性能が示される。これらのインピーダンス値を用いて、様々なサンプルの抵抗を計算し、図8に様々なサンプルについての抵抗を示している。図から分かるように、処理サンプル全てについての抵抗は未処理参照より低い。前駆体材料の様々な元素およびR基はサンプルの抵抗に影響を与える。クロロジイソプロピルホスフィンサンプルは処理サンプルで最も低い抵抗を示す。電気化学セルにおける陽極としての使用にはより低い抵抗の金属材料が望ましい。
【0024】
本発明を例示的に記載してきた。用いた用語は、限定よりもむしろ説明の言葉の性質を有していることが意図されることは理解すべきである。上記教示に照らして、本発明の多くの修飾および変形が可能である。よって、添付の特許請求の範囲内であれば、具体的に記載した以外にも本発明を実践してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素含有層を有する金属材料と、
DまたはPブロック前駆体を該酸素含有層と反応させることにより形成される化学的に結合された保護層と、
を含むことを特徴とする電気化学セル用陽極。
【請求項2】
前記DまたはPブロック前駆体が有機金属化合物であることを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項3】
前記金属材料がアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選択されることを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項4】
前記金属材料がリチウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項5】
前記DまたはPブロック前駆体が、式:AR12X(式中、Aはリン(phosphorous)またはホウ素から選択され、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R2は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される)の化学化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項6】
前記ハロゲンが塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素であることを特徴とする請求項5に記載の陽極。
【請求項7】
前記アルキル基、アルコキシ基、および芳香族基が、フッ素化されていてよく、または部分的にフッ素化されていてよいことを特徴とする請求項5に記載の陽極。
【請求項8】
前記アルキル基が官能化されていることを特徴とする請求項5に記載の陽極。
【請求項9】
前記アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、iso−オクチル、tert−オクチル、2−エチヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、およびl−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルから選択されることを特徴とする請求項5に記載の陽極。
【請求項10】
前記芳香族基が、フェニル基、パラ位、メタ位またはオルト位にアルキル置換基を有するフェニル基、および多環芳香族化合物から選択されることを特徴とする請求項5に記載の陽極。
【請求項11】
前記DまたはPブロック前駆体が、式:AR1234X(式中、Aはリンであり、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R2は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R3は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R4は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される)の化学化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項12】
前記ハロゲンが塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素であることを特徴とする請求項11に記載の陽極。
【請求項13】
前記アルキル基、アルコキシ基、および芳香族基が、フッ素化されていてよく、または部分的にフッ素化されていてよいことを特徴とする請求項11に記載の陽極。
【請求項14】
前記アルキル基が官能化されていることを特徴とする請求項11に記載の陽極。
【請求項15】
前記アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、iso−オクチル、tert−オクチル、2−エチヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、およびl−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルから選択されることを特徴とする請求項11に記載の陽極。
【請求項16】
前記DまたはPブロック前駆体が、式:SiR123X(式中、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R2は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R3は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される)の化学化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項17】
前記ハロゲンが塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素であることを特徴とする請求項16に記載の陽極。
【請求項18】
前記アルキル基、アルコキシ基、および芳香族基が、フッ素化されていてよく、または部分的にフッ素化されていてよいことを特徴とする請求項16に記載の陽極。
【請求項19】
前記アルキル基が官能化されていることを特徴とする請求項16に記載の陽極。
【請求項20】
前記アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、iso−オクチル、tert−オクチル、2−エチヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、およびl−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルから選択されることを特徴とする請求項16に記載の陽極。
【請求項21】
酸素含有層を有する金属材料を含む陽極と、
陰極と、
電解質と、
を含み、
該陽極がDまたはPブロック前駆体を該酸素含有層と反応させることにより形成される化学的に結合された保護層を含んでいることを特徴とする電気化学セル。
【請求項22】
前記DまたはPブロック前駆体が、式:AR12X(式中、Aはリンまたはホウ素から選択され、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R2は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される)の化学化合物を含むことを特徴とする請求項21に記載の電気化学セル。
【請求項23】
前記DまたはPブロック前駆体が、式:AR1234X(式中、Aはリンであり、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R2は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R3は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、R4は、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される)の化学化合物を含むことを特徴とする請求項21に記載の電気化学セル。
【請求項24】
前記DまたはPブロック前駆体が、式:SiR123X(式中、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、R1は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R2は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、R3は、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される)の化学化合物を含むことを特徴とする請求項21に記載の電気化学セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−544115(P2009−544115A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519433(P2009−519433)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/012613
【国際公開番号】WO2008/008130
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(507342261)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド (135)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】