説明

金属製管継手の製造方法、金型装置及び金属製管継手

【課題】略蛇腹状の部分等を形成するのに、大きな内圧を掛けてもシール性を確保することができる金属製管継手の製造方法、金型装置及び金属製管継手を提供する。
【解決手段】金属製の管部材11gに内圧を掛けた状態で、外力を作用させて変形部である突条部11dを形成する金属製管継手(フレキシブルチューブ11)の製造方法において、管部材11gには、両端部に、両端部の間の中間部11aより径の大きな端部拡径部11bが形成され、この端部拡径部11bには、中間部11a側にシール用テーパ面11cが形成され、両端部拡径部11bのシール用テーパ面11cが、金型装置15のシール面部17aに圧接され、管部材11g内に、液体により圧力を作用させた状態で、管部材11gに外力を作用させることにより、突条部11dを形成するようにしたフレキシブルチューブ11の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長手方向の中間部に変形部が形成された金属製管継手の製造方法、この製造方法に使用される金型装置、及びその製造方法により成形された金属製管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものとしては、例えば図9に示すように、自動車のエアコンパイプ1に用いられたものがあり、このパイプ1中をフロンガス等を通過させるようにしたものがある。
【0003】
このようなエアコンパイプ1は、エンジンや車体の振動を吸収するため、金属製パイプ2の途中にゴム製の管継手3が設けられたものがある。
【0004】
ところが、かかるゴム製の管継手3は、ゴム材料を介してフロンガスが外部に多少漏れたり、接着剤を用いてゴム製の管継手3を金属製パイプ2に接続するようにしているため、接着剤が作業環境に悪影響を与えることとなる。
【0005】
そこで、ゴム製の管継手3を用いず、金属製のパイプを使用しつつ、途中に略蛇腹状の部分を形成し、振動を吸収したものとして、特許文献1,2に記載されたようなものがある。
【0006】
この特許文献1には、薄肉の金属管である素材チューブをプレスヘッド間に位置決めし、成型シリンダ及び固定シリンダの動作により、可動台と固定台とを接近させて、プレスヘッドの軸心部に突設された保持突起を素材チューブの両端に嵌合させる。
【0007】
この取付後、素材チューブは、固定側のプレスヘッドに形成された液圧導入口からその内側に液圧が導入されつつ成型シリンダの動作により軸長方向に圧縮させられることにより、変形され、金型の凸条間にて波形の軸断面を有する複数の環状突起が成型されたフレキシブルチューブが得られる旨、記載されている。
【0008】
なお、特許文献2にも、素材チューブに液圧を作用させると共に、素材チューブを軸方向に圧縮させることにより、フレキシブルチューブを形成する略同様の構造のものが開示されている。
【0009】
しかも、素材チューブ内に液圧を作用させるようにしているが、素材チューブが比較的薄肉(0.5mm程度)であり、それ程厚くないため、大きな液圧を作用させることなく変形することから、液が漏れないように、素材チューブの端面とプレスヘッドとの間にパッキンを介在させることにより、シール性を確保するようにしていた。
【特許文献1】特開平10−80729号公報。
【特許文献2】特開平9ー99315号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような従来のものにあっては、例えば、フロンガスから二酸化炭素ガスに冷媒を変えると、二酸化炭素ガスは高圧で使用されるため、高圧の二酸化炭素ガス等を流入させる場合には、素材チューブ(管部材)の肉厚を厚く高圧に耐えられるものとする必要があることから、かかる素材チューブに突条部を形成する場合には、より大きな液圧を作用させる必要が生じる。従って、素材チューブの端面とプレスヘッドとの間にパッキンを介在させるだけでは、二酸化炭素ガスが漏れる虞があるため、素材チューブとプレスヘッドとのシール性をより確実にする必要があった。
【0011】
そこで、この発明は、この金属製の管部材に略蛇腹形状等の変形部を形成するのに、大きな内圧を掛けてもシール性を確保することができる金属製管継手の製造方法、金型装置及び金属製管継手を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、請求項1に記載の発明は、金属製の管部材に内圧を掛けた状態で、外力を作用させて変形部を形成する金属製管継手の製造方法において、前記管部材には、両端部に、該両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、該端部拡径部には、前記中間部側にシール用テーパ面が形成され、前記両端部拡径部のシール用テーパ面が、金型装置のシール面部に圧接され、前記管部材内に、液体により圧力を作用させた状態で、前記管部材に外力を作用させることにより、前記変形部を形成するようにした金属製管継手の製造方法としたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記金型装置には、前記管部材の両端部の周囲に、前記シール面部を有するチャック部を設け、該チャック部を、前記管部材軸方向の外側に向けて力を作用させて、前記チャック部のシール面部を、前記管部材のシール用テーパ面に圧接した状態で、前記管部材内に、液体により圧力を作用させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記変形部は、前記管部材の外側に膨出するリング状の複数の突条部であり、前記管部材内に、液体により圧力を作用させた状態で、前記管部材の軸方向に前記外力である圧縮力を作用させることにより、前記金型装置に形成された前記突条部に対応した形状の膨出空間部に、前記管部材の一部を膨出させて、前記複数の突条部を形成した金属製管継手の製造方法としたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の金属製管継手の製造方法に用いる前記金型装置において、前記管部材の両端部の周囲に配設され、該管部材の両端部拡径部のシール用テーパ面に当接するシール面部を有するチャック部と、前記管部材内に、液体により圧力を作用させる液圧作用手段と、前記管部材に外力を付与する外力付与手段とを有する金型装置としたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の構成に加え、前記外力付与手段は、前記管部材に圧縮力を作用させる手段であり、前記管部材の前記突条部に対応した形状を呈して該突条部を形成する膨出空間部を有することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の金属製管継手の製造方法により成形され、両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、該端部拡径部には、前記中間部側にシール用テーパ面が形成されると共に、該中間部に前記変形部が形成された金属製管継手としたことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の金属製管継手の製造方法により成形され、両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、該端部拡径部には、前記中間部側にシール用テーパ面が形成されると共に、該中間部に外側に膨出した前記複数の前記変形部としての突条部が形成されたことを特徴とする。 請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の構成に加え、前記中間部の肉厚と、前記突条部の各位置における肉厚とが略等しいことを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8の何れか一つに記載の前記金属製管継手は、前記中間部の外径が8mm以上16mm以下で、肉厚が1mm以上2mm以下のアルミ合金製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、管部材には、両端部に、この両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、この端部拡径部には、中間部側にシール用テーパ面が形成され、両端部拡径部のシール用テーパ面が、金型装置のシール面部に圧接されるようにしたため、いわゆるくさび効果が得られると共に、広い面積が圧接されることによりシール性を向上させることができる。従って、管部材内に、液体により圧力を作用させた状態で、管部材に外力を作用させることにより、変形部を形成するようにしたため、略蛇腹形状等の変形部を形成するのに、大きな内圧を掛けても、そのシール用テーパ面とシール面部とのシール性を確保することができる金属製管継手の製造方法、金型装置及び金属製管継手を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0022】
図1乃至図5には、この発明の実施の形態1を示す。
【0023】
まず構成を説明すると、図1中符号10は、各種流体(例えば高圧の二酸化炭素ガス)の輸送用の配管系に用いられる所定長さの金属製配管(例えば自動車用のエアコンパイプ)で、この金属製配管10は、内部を流れる流体の影響による振動、外部からの加振に伴う振動等、各種の振動が発生することから、これらの振動に起因する配管及び支持部の損傷を未然に防止するための対策が必要であり、この種の対策の一つとして、この金属製配管10の途中には「金属製管継手」としてのフレキシブルチューブ11が設けられている。
【0024】
この金属製配管10は、図1に示すように、配管本体12と、そのフレキシブルチューブ11とを有しており、その配管本体12は、アルミニウム合金製で外径が8mm、肉厚が1mm程度に形成されている。
【0025】
また、フレキシブルチューブ11は、同様にアルミニウム合金製の管部材11gを有し、両端部に、この両端部の間の中間部11aより径の大きな端部拡径部11bが形成され、この端部拡径部11bには、中間部11a側にシール用テーパ面11cが形成されている。
【0026】
さらに、その中間部11aには、複数(ここでは3つ)の略リング状の突条部11dが互いに隣接して形成されている。
【0027】
さらにまた、その端部拡径部11bの内径は、前記金属製配管10の外径寸法と同じ寸法、すなわち、8mmに形成されている。そして、このフレキシブルチューブ11の端部拡径部11b内に、配管本体12の端部12aが挿入嵌合されて溶接等により接続されている。
【0028】
次に、かかるフレキシブルチューブ11の製造方法について説明する。
【0029】
まず、円筒形状(直管形状)のアルミ合金製のフレキシブルチューブ11を成形により形成し、その後、このフレキシブルチューブ11の両端部をパンチで拡径して、端部拡径部11bを形成する。この端部拡径部11bには、中間部11a側にテーパ形状に形成されたシール用テーパ面11cが形成されている。
【0030】
その後、図4に示すように、金型装置15を用いて、フレキシブルチューブ11に複数の突条部11dを形成する。
【0031】
具体的には、金型本体16にチャック部20をネジ21止めして、フレキシブルチューブ11の図中左側端部の端部拡径部11bを支持すると共に、押圧部19にチャック部17をネジ18止めして、フレキシブルチューブ11の図中右側端部の端部拡径部11bを支持する。
【0032】
この状態で、フレキシブルチューブ11の端部拡径部11bのシール用テーパ面11cに、各チャック部17,20に形成されたシール面部17a,20aが圧接(圧接)されることにより、従来より、いわゆるくさび効果により強い圧接力で圧接されると共に、広い面積が圧接されることによりシール性を向上させることができる。
【0033】
これと共に、金型本体16と、フレキシブルチューブ11の図中左側端部の端部拡径部11bの端縁との間に、パッキン24が圧縮された状態で介在されてシールされると共に、押圧部19と、フレキシブルチューブ11の図中右側端部の端部拡径部11bの端縁との間に、パッキン23が圧縮された状態で介在されてシールされる。
【0034】
その押圧部19は、図示省略の軸押し装置にて押圧されて、図4中左側に向けて押圧されてスライドされるようになっている。
【0035】
また、この一対のチャック部17,20の間に、複数の成形駒22がスライド自在に設けられると共に、これら成形駒22には、当接片部22aが形成され、これら当接片部22aの先端が、フレキシブルチューブ11の中間部11aの周面部に摺接するようになっている。
【0036】
これにより、各チャック部17,20と各当接片部22aとの間で、後述するように複数の突条部11dが形成されるようになっている。
【0037】
そして、図示省略の「液圧作用手段」により、フレキシブルチューブ11内に、液体を注入して所定の圧力(例えば25Mpa程度)を作用させると共に、「圧縮力作用手段」としての押圧部19により、フレキシブルチューブ11を軸方向(図中左方向)に所定の圧縮力(例えば0.5kN)を作用させる。
【0038】
すると、フレキシブルチューブ11の中間部11aの、各チャック部17,20と各当接片部22aとの間が、徐々に外側(膨出空間部26側)に向けて膨らんで行くと同時に、各チャック部17,20と各当接片部22aとの間隔が徐々に狭まって行く。
【0039】
図4の下側半分に示すように、各チャック部17,20の突部17b,20bと各当接片部22aの厚肉部22bとが当接した状態で、押圧部19による押圧が終了し、各膨出空間部26の形状に略対応した形状の突条部11dが形成されることとなる。
【0040】
このようにフレキシブルチューブ11に大きな内圧を掛けた状態で、圧縮力を作用させることにより、山部11eと谷部11fとの外径が、図5(a)に示すような値となり、山部11eと谷部11f等との肉厚が、図5(b)に示すように、1mm前後に形成することができる。従って、中間部11aの肉厚と、突条部11dの各位置における肉厚とを略等しくできるため、内圧に対する強度をどの位置においても殆ど変わらない値に設定できる。
【0041】
かかる金属製配管10には、フレキシブルチューブ11の中間部11aに、複数の略リング状の突条部11dが互いに隣接して形成されて略蛇腹状を呈しているため、内部を流れる流体の影響による振動、外部からの加振に伴う振動等、各種の振動が発生するが、これらの振動に起因する金属製配管10や支持部の損傷を未然に防止することができる。
【0042】
また、そのフレキシブルチューブ11は、金属製であるため、ゴムホースと比較すると、耐振耐久性を向上させることができると共に、透過ガスの発生を防止できる。
【0043】
さらに、フレキシブルチューブ11の端部拡径部11bの内径と、配管本体12の端部12aの外径とが等しく形成されているため、フレキシブルチューブ11と配管本体12とを容易に嵌合させて溶接等により接続できると共に、接着剤を用いる必要がないため、作業環境の悪化等を防止できる。
【0044】
このような金属製のフレキシブルチューブ11は、高圧の二酸化炭素ガスを流入させる場合に、肉厚を厚く(1mm程度)形成する必要があるため、複数の略リング状の突条部11dの成形時に、従来よりも内部に高い液圧を掛ける必要がある。そこで、端部拡径部11bにシール用テーパ面11cを形成し、このシール用テーパ面11cに、金型装置15のシール面部17aを圧接させることにより、くさび効果が得られると共に、広い面積を圧接状態とすることにより、シール性を向上させることができる。従って、フレキシブルチューブ11内に高い圧力を作用させても、液体が漏れることなく、突条部11dを良好に成形できる。
【0045】
ちなみに、シール用テーパ面を有する端部拡径部が設けられておらず、直管の端面をパッキンでシールするようなものでは、25MPaの内圧を作用させると、液漏れが生じてしまうため、それ程、大きな内圧を掛けることができない。従って、この実施の形態のように、特に、延び難い金属(アルミ合金)で、外径が8mm程度と細い割には、肉厚が1mm程度と厚いものに対して、突条部11dを成形しようとすると、圧力を25MPa程度作用させる必要があるため、液漏れが生じてしまい、従来の方法では成形が困難となってしまう。
[発明の実施の形態2]
【0046】
図6乃至図8には、この発明の実施の形態2を示す。
【0047】
この実施の形態2は、突条部11dを9山有するフレキシブルチューブ11の成形方法等を示す。
【0048】
この実施の形態2の金型装置15は、液圧シリンダ30内に油圧が作用することにより、液圧ピストン31が図8中右方向にスライド(図8中下半分参照)させられ、高圧水がフレキシブルチューブ11内に作用した状態で、軸押しシリンダ32内に油圧が作用することにより、押し軸33が図8中左方向にスライド(図8中下半分参照)させられ、フレキシブルチューブ11の軸方向に圧縮力が作用するようになっている。その液圧シリンダ30及び液圧ピストン31等により「液圧作用手段」が構成され、又、軸押しシリンダ32及び押し軸33等により「外力付与手段」が構成されている。
【0049】
また、成形駒34は、左右に対向した状態で、複数設けられ、突条部11dの成形前の状態では、図8中上半分に示すように、位置決めピン35により、当接片部34aが互いに等間隔になるように形成されている。そして、これら各当接片部34aの間には、それぞれスプリング36が配設され、成形時には、位置決めピン35が外され、スプリング36の付勢力により、各当接片部34aの間隔がそれぞれ同じ幅で徐々に狭まって行くように構成されている。なお、図8中下側半分は、各当接片部34aの間隔が最大限に狭まった突条部11dの成形完了状態を示す。
【0050】
さらに、このチャック37,38がネジ41により、それぞれ液圧軸29及び押し軸33に取り付けられることにより、シール面部37a,38aが、フレキシブルチューブ11のシール用テーパ面11cに圧接されるようになっている。
【0051】
このように突条部11dの数を多くすることにより、より振動の吸収性を向上させることができる。
【0052】
なお、この発明の突条部の数は、上記各実施の形態のものに限らず、振動を吸収できる構成であれば、問わないものである。また、この実施の形態では、フレキシブルチューブ(金属製管継手)11の端部拡径部11bのシール用テーパ面11cを、金型装置15のシール面部17a,20aに、ネジ18,21により締め付けて圧接させるようにしているが、これに限らず、他の機構を用いて圧接させるようにすることも勿論できる。さらに、この金属製管継手は、高圧力が作用する燃料電池の燃料配管等にも使用することができる。さらにまた、この発明の管継手は、金属製のものであれば、上記実施の形態のアルミ合金に限定されるものでなく、ステンレス、鉄等、他の金属でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1に係る金属製配管を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態1に係るフレキシブルチューブを示す正面図である。
【図3】同実施の形態1に係るフレキシブルチューブを示す断面図である。
【図4】同実施の形態1に係るフレキシブルチューブ突条部成形時を示す金型装置等の断面図で、上側半分は、突条部の成形前の状態、下側半分は、突条部の成形後の状態を示す断面図である。
【図5】同実施の形態1に係るフレキシブルチューブ突条部を示す拡大断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るフレキシブルチューブを示す正面図である。
【図7】同実施の形態2に係るフレキシブルチューブを示す断面図である。
【図8】同実施の形態2に係るフレキシブルチューブ突条部成形時を示す金型装置等の断面図で、上側半分は、突条部の成形前の状態、下側半分は、突条部の成形後の状態を示す断面図である。
【図9】従来例を示すエアコンパイプの斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
10 金属製配管
11 フレキシブルチューブ(金属製管継手)
11a 中間部
11b 端部拡径部
11c シール用テーパ面
11d 突条部
12 配管本体
12a 端部
15 金型装置
16 金型本体
17,20 チャック部
17a,20a シール面部
18,21 ネジ
19 押圧部
22 成形駒
22a 当接片部
26 膨出空間部
30 液圧シリンダ(液圧作用手段)
31 液圧ピストン(液圧作用手段)
32 軸押しシリンダ(外力付与手段)
33 押し軸(外力付与手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の管部材に内圧を掛けた状態で、外力を作用させて変形部を形成する金属製管継手の製造方法において、
前記管部材には、両端部に、該両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、該端部拡径部には、前記中間部側にシール用テーパ面が形成され、
前記両端部拡径部のシール用テーパ面が、金型装置のシール面部に圧接され、前記管部材内に、液体により圧力を作用させた状態で、前記管部材に外力を作用させることにより、前記変形部を形成するようにしたことを特徴とする金属製管継手の製造方法。
【請求項2】
前記金型装置には、前記管部材の両端部の周囲に、前記シール面部を有するチャック部を設け、該チャック部を、前記管部材軸方向の外側に向けて力を作用させて、前記チャック部のシール面部を、前記管部材のシール用テーパ面に圧接した状態で、前記管部材内に、液体により圧力を作用させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の金属製管継手の製造方法。
【請求項3】
前記変形部は、前記管部材の外側に膨出するリング状の複数の突条部であり、
前記管部材内に、液体により圧力を作用させた状態で、前記管部材の軸方向に前記外力である圧縮力を作用させることにより、前記金型装置に形成された前記突条部に対応した形状の膨出空間部に、前記管部材の一部を膨出させて、前記複数の突条部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製管継手の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の金属製管継手の製造方法に用いる前記金型装置において、前記管部材の両端部の周囲に配設され、該管部材の両端部拡径部のシール用テーパ面に当接するシール面部を有するチャック部と、前記管部材内に、液体により圧力を作用させる液圧作用手段と、前記管部材に外力を付与する外力付与手段とを有することを特徴とする金型装置。
【請求項5】
前記外力付与手段は、前記管部材に圧縮力を作用させる手段であり、前記管部材の前記突条部に対応した形状を呈して該突条部を形成する膨出空間部を有することを特徴とする請求項4に記載の金型装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の金属製管継手の製造方法により成形され、両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、該端部拡径部には、前記中間部側にシール用テーパ面が形成されると共に、該中間部に前記変形部が形成されたことを特徴とする金属製管継手。
【請求項7】
請求項3に記載の金属製管継手の製造方法により成形され、両端部の間の中間部より径の大きな端部拡径部が形成され、該端部拡径部には、前記中間部側にシール用テーパ面が形成されると共に、該中間部に外側に膨出した前記複数の前記変形部としての突条部が形成されたことを特徴とする金属製管継手。
【請求項8】
前記中間部の肉厚と、前記突条部の各位置における肉厚とが略等しいことを特徴とする請求項7に記載の金属製管継手。
【請求項9】
前記金属製管継手は、前記中間部の外径が8mm以上16mm以下で、肉厚が1mm以上2mm以下のアルミ合金製であることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一つに記載の金属製管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−6354(P2009−6354A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169780(P2007−169780)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(592154488)やまと興業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】