説明

金属酸化物/水酸化物層およびアクリルコポリマーで塗布された真珠箔顔料

本発明は、小板形状の基材、1.8を上廻る屈折率を有する金属酸化物層を有する金属酸化物コーティングおよび保護層を有する真珠箔顔料、但し、この場合
この保護層は、金属酸化物/水酸化物層と該金属酸化物/水酸化物層に塗布された、アクリルコポリマーの有機アフターコートである場合による酸化ホウ素とを有するものとし、該顔料の製造法および該顔料の使用に関する。外層は、TiO2で塗布された小板形状の基材、例えばマイカの極めて良好な光安定性を、良好な耐水性および抗黄変性能と組み合わせて備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小板形状の基材、1.8を上廻る屈折率を有する金属酸化物層を有する金属酸化物コーティングおよび保護層を有する真珠箔顔料、但し、この場合この保護層は、金属酸化物/水酸化物層と該層に塗布された、アクリルコポリマーの有機アフターコートである場合による酸化ホウ素を有するものとし、前記顔料の製造法および前記顔料の使用に関する。
【0002】
米国特許第4814020号明細書は、小板形状の真珠光沢顔料が第3アミノ基を有するポリエステル/ポリウレタンブロックコポリマーならびに必要に応じて可塑剤、溶剤および界面活性剤を有するポリマー樹脂で塗布されている顔料調製物に関する。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許第4317019号明細書には、式−(CH2−CM12n−または−(−O−(CH2x−O−CO−NH−(CH2y−NH−CO−)−n〔式中、M1は、H、C1〜C10アルキル、−COOR、−NH2、−COOHまたは−CONH2であり;M2は、HまたはC1〜C10アルキルであり;Rは、C1〜C10アルキルであり;xおよびyは、1〜10であり;nは、1000を上廻る〕のポリマー化合物または場合によっては置換されたメラミン樹脂で塗布されている表面変性された真珠光沢顔料が開示されている。
【0004】
WO 0159014は、表面変性されたパール顔料に関し、この場合水和金属酸化物は、パール顔料の表面上を塗布し、相互に凝集することなく、水和金属酸化物で塗布された真珠箔顔料に化学的に結合された、微細なポリマー粒子は、水和金属酸化物で塗布された真珠箔顔料の最も外側の層の表面に付着される。水和金属酸化物は、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された金属を有する水和金属酸化物が好ましく、前記金属の量は、金属酸化物に関連して真珠箔顔料に対して0.1〜20%である。WO 0159014の実施例1〜3では、コロイド状アクリル樹脂(36質量%の固体含量および70nmの平均粒径を有する"AE120"、JSR)が使用されている。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許第10243438号明細書には、固定化されたLCSTポリマーおよび/またはUCSTポリマーの少なくとも1つの層で外装された小板形状の基材を基礎とする、表面変性された効果顔料が開示されている。効果顔料の製造法は、水および/または有機溶剤からの沈殿および不可逆的な固定化によってLCSTポリマーおよび/またはUCSTポリマーを顔料表面上に塗布することを含む。
【0006】
WO 2006136435は、塗布された真珠箔顔料に関し、この場合コーティングは、真珠箔顔料を塗布し、硬化されていないが、しかし、化学的に架橋可能で、および/またはオリゴマーおよび/またはポリマーの結合剤を有し、この結合剤は、熱、IR線、UV線および/または電子線によって架橋されてよい。
【0007】
WO 2005056696は、固定化されたLCSTポリマー(下方の臨界溶解温度を有するポリマーは、温度が上昇した際に媒体中で不溶性になる)および/またはUCSTポリマー(上方の臨界溶解温度を有するポリマーは、冷却時に媒体中で不溶性になる)の1つの層または幾つかの層に包囲されていることに特徴付けられる、染料によって変性された表面を有する基材に関する。LCSTポリマーは、有利にポリアルキレン酸化物誘導体、オレフィン変性されたPEO−PPOコポリマー、ポリメチルビニルエーテル、ポリ−N−ビニルカプロラクタム、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)およびポリシロキサン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。UCSTポリマーは、有利にポリスチレン、ポリスチレンコポリマーおよびポリエチレンオキシドコポリマー、またはこれらの混合物かたなる群から選択される。
【0008】
欧州特許出願公開第982376号明細書A2には、本質的に炭素60〜95質量%および窒素5〜25質量%を有する化合物から構成されている、コアおよび少なくとも1つのコーティング層("窒素でドープされた炭素コーティング")を有する小板状粒子が記載されており、100%への平衡は、水素、酸素および硫黄から構成されている群の元素から選択される。欧州特許出願公開第092376号明細書A2の図3には、典型的な顔料構造が図示されている。図3の顔料は、窒素でドープされた炭素コーティングとコア粒子との間にTiO2の付加的な層;およびコーティングTiO2上のSiO2の付加的な層を有するコア粒子を取り囲む窒素でドープされた炭素コーティングを有する小板状基材から構成されている。窒素でドープされた炭素コーティングは、アクリルコポリマーの有機アフターコートを意味する訳でなく、保護層を意味する訳でもない。
【0009】
WO 0042111A1は、1.35〜1.8の低い屈折率を有する材料から構成されている層状基材を基礎とする多層真珠光沢顔料に関し、この多層真珠光沢顔料は、少なくとも次のもの:(i)1.8を上廻る屈折率を有する材料から構成されている第1の層;(ii)場合によっては、1.35〜1.8の低い屈折率を有する材料から構成されている第2の層;(iii)基材、または層(i)または(ii);および(iv)に塗布される半透明の金属層を有し;この場合、基材は、層状の二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素またはフッ化マグネシウムである。1.35〜1.8の低い屈折率を有する材料は、ポリマー、例えばアクリレートであることができる。
【0010】
WO 2007017195A2は、コーティングおよび層状基材を有する金属効果顔料に関する。このコーティングには、1つまたは幾つかの無機酸化物成分と、1つまたは幾つかの網目形成成分を介して少なくとも部分的に無機網目に共有結合的に結合された無機オリゴマーおよび/またはポリマーを少なくとも部分的に表わす少なくとも1つの無機成分とを包囲する無機網目を少なくとも部分的に含有する、少なくとも1つの混合された無機/有機層が備えられている。無機網目形成成分は、例えば加水分解可能な金属塩であることができるか、さもなければ、完全に加水分解可能な有機金属化合物であることができる。有機網目形成成分は、有利に部分的にのみ加水分解可能であり、こうして無機網目を構成することができない有機金属化合物である。実施例1の製品は、次の層構造を有する:Al/Fe23/SiO2/Dynasylan MEMO(3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、Dynasylan OCTEO(オクチルトリエトキシシラン)およびDynasylan AMMO0.5g(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を重合させることによって得られた層。
【0011】
WO 2008/068152は、金属酸化物/水酸化物での処理、次に燐酸エステル、またはホスホネート、またはその塩での処理によって得られた保護層を有する(多重に)塗布された小板形状の基材を基礎とする顔料に関する。
【0012】
本発明の目的は、効果的な保護層を有する、金属酸化物で塗布されたフレーク状顔料を提供することである。殊に、保護層は、顔料の光学的性質に影響を及ぼすことなしに紫外線によって誘発された、顔料の光触媒活性に対して効果的な保護を提供するはずである。付加的に、前記顔料は、優れた耐候性および耐水性を有するはずであり、フェノール系酸化防止剤を含有する熱可塑性ポリオレフィンにおいて黄変を抑制するはずである。
【0013】
前記目的は、小板形状の基材と1.8を上廻る屈折率を有する金属酸化物層を有する金属酸化物コーティングと保護層と有する真珠箔顔料であって、但し、この場合この保護層は、金属酸化物/水酸化物層と該金属酸化物/水酸化物層に塗布された、アクリルコポリマーの有機アフターコートである、場合による酸化ホウ素を有するものとし、この保護層の金属酸化物/水酸化物は、珪素の酸化物/水酸化物(酸化珪素、酸化珪素水和物)や、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄(III)、イットリウム、セリウムまたは亜鉛の、酸化物/水酸化物、およびこれらの組合せから選択されている前記真珠箔顔料によって解決された。
【0014】
この保護層は、良好な耐水性と抗黄変性能とを組み合わせて有し、高度なプラスチック(抗黄変効果)ならびに高度なコーティング(自動車)に使用可能な製品を製造する、TiO2で塗布された小板形状の基材の極めて良好な光安定性を提供する。
【0015】
本発明による真珠箔顔料は、小板形状の基材を有する。小板形状の基材は、1.8より大きい屈折率を有する少なくとも1つの金属酸化物層で塗布されている。1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物層を有する金属酸化物コーティングは、小板形状の基材と保護層との間に位置している。即ち、本発明の真珠箔顔料は、金属酸化物層の上層部上に保護層を有する、金属酸化物で塗布された小板形状の基材である。保護層は、金属酸化物/水酸化物層(保護層の)と、場合によっては該金属酸化物/水酸化物層に塗布された、アクリルコポリマーの有機アフターコートである金属酸化物コーティングに隣接した酸化ホウ素とを有する。金属酸化物コーティングは、2つまたはそれ以上の異なる金属酸化物を有することができる1つの金属酸化物層から構成されていてよいか;または2つまたはそれ以上の層(いわゆる多重層構造)から構成されていてよい。多重層構造は、1.8より大きい屈折率を有する2つ以上の異なる金属酸化物を有することができるか、または1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物と1.8より小さい屈折率を有する金属酸化物の交互の層を有することができる。1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物、1.8より小さい屈折率を有する金属酸化物および1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物を有する多重層構造は、好ましい。このような多重層構造の例は、TiO2/SiO2/TiO2およびFe23/SiO2/TiO2である。
【0016】
好ましくは、金属酸化物コーティングの金属酸化物層上に保護層が塗布されている、金属酸化物コーティングの金属酸化物層は、1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物であるか、または1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物の混合物である。金属酸化物層の組成は、保護層の金属酸化物/水酸化物層の組成と異なる。
【0017】
好ましくは、アクリルコポリマーの有機アフターコートの網目は、金属原子、例えばSi、Zr、TiまたはAlを有しない。好ましくは、本発明によるアクリルコポリマーは、無機官能基、例えば燐酸エステルおよびホスホネート基を有しない。
【0018】
適した小板形状の基材は、透明、部分的に屈折性、または屈折性である。前記小板形状の基材の例は、天然マイカ状鉄酸化物(例えばWO99/48634号中の記載)、合成およびドープされたマイカ状鉄酸化物(例えば欧州特許出願公開第0068311号明細書の記載)、マイカ(黒雲母、バーミキュライト、絹雲母、白雲母、金雲母、蛍光金雲母、カオリナイト、または関連物、または任意の合成マイカ、例えば合成蛍光金雲母)、別の層状珪酸塩、塩基性炭酸鉛、フレーク状硫酸バリウム、MoS2、SiO2、Al23、TiO2、ガラス、パーライト、ZnO、ZrO2、SnO2、BiOCl、酸化クロム、BN、MgOフレーク、Si34、グラファイト、SiOz、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0およびSi/SiOzであり、但し、この場合0.70≦z≦2.0、殊に1.40≦z≦2.0である。
【0019】
特に好ましい基材は、天然マイカまたは合成マイカ、SiO2フレーク、Al23フレーク、TiO2フレーク、およびガラスフレークである。
【0020】
他の好ましい実施態様は、平坦な金属粒子のコアとしての使用である。適した金属粒子の例は、Ag、Al、Au、Cu、Cr、Fe、Ge、Mo、Ni、Si、Ti、またはそれらの合金、例えば真鍮またはスチールのフレーク、好ましくはAlフレークである。材料に依存して、天然の光学的に非干渉の酸化物層は、金属粒子の表面上に形成されてよい。部分的に屈折性のコアは、好ましくは、380〜800nmの範囲において、表面に垂直に当たる光の少なくとも35%の屈折率を有する。
【0021】
小板形状の基材のさらなる例は、小板状有機顔料、例えばキナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニン、フルオロルビン、赤ペリレンまたはジケトピロロピロールである。金属酸化物層で塗布された小板状粒子および効果顔料としての該粒子の使用は、一般に、ドイツ連邦共和国特許第1467468号明細書、欧州特許第0045851号明細書、ドイツ連邦共和国特許第3237264号明細書、ドイツ連邦共和国特許第3617430号明細書、欧州特許第0298604号明細書、欧州特許第0388932号明細書および欧州特許第0402943号明細書の記載から自体公知である。
【0022】
1.8より大きい屈折率を有する金属酸化物コーティングの例は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、炭素、酸化インジウム(In23)、酸化インジウム錫(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化クロム(Cr23)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II)/鉄(III)(Fe34)および酸化鉄(Fe23)、酸化マグネシウム(MgO)、三酸化アンチモン(Sb23)、一酸化珪素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化錫(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)またはこれらの組合せである。前記の金属酸化物は、吸収特性を有するかまたは有しない、単独の酸化物または酸化物の混合物であることが可能であり、例えば、TiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23またはZnOであり、TiO2は特に好ましい。
【0023】
1.8より小さい屈折率を有する金属酸化物コーティングの例は、Al23およびSiO2またはその混合物である。
【0024】
保護層は、金属酸化物で塗布された、殊に二酸化チタンで塗布された小板形状の基材の安定化に適している。この保護層の例は、真珠箔顔料(流動化床条件下で窒化物、オキシ窒化物に反応するかまたは還元によって亜酸化物等への還元によるものを含む)(例えば、欧州特許出願公開第9739066号明細書、欧州特許出願公開第0948571号明細書、WO 99/61529、欧州特許出願公開第1028146号明細書、欧州特許出願公開第0763573号明細書、米国特許第5858078号明細書、WO 98/53012、WO 97/43348、米国特許第6165260号明細書B、ドイツ連邦共和国特許出願公開第1519116号明細書、WO 97/46624、欧州特許出願公開第0509352号明細書);真珠箔多重層顔料(例えば、欧州特許出願公開第0948572号明細書、欧州特許出願公開第0882099号明細書、米国特許第5958125号明細書、米国特許第6139613号明細書)、殊にIriodin(登録商標)(E. Merck, Darmstadt)の名称で商業的に入手可能である金属酸化物で塗布されたマイカ小板、Phoenix(登録商標)(Eckart, Fuerth)、Mearlin(登録商標)(Mearl Corporation, New York/USA)およびInfinite Color(登録商標)(Shisheido, Japan)、および塗布された金属フレーク、例えば二酸化チタンで塗布された金属フレークである。コア粒子の寸法は、それ自体重要ではなく、特殊な用途に適合させることができる。一般に、前記粒子は、約1〜200μm、殊に約5〜100μmの長さおよび約0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmの厚さを有する。小板状の形状を有する粒子は、約2:1〜約1000:1の長さ対厚さのアスペクト比および3:1〜1:1の長さ対幅の比を有する2つの本質的に平坦で平行な表面を有するものである。
【0025】
低い屈折率を有する透明な基材、殊に天然マイカまたは合成マイカ、他の層状珪酸塩、ガラス、パーライト、Al23、SiOz、殊にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.70≦z≦2.0、殊に1.40≦z≦2.0)を基礎とする、基材の上層部上に酸化チタン層を有する小板状粒子は、好ましい。低い屈折率の金属酸化物、例えばSiO2、Al23、AlOOH、B23またはこれらの混合物、好ましくはSiO2をTiO2層の上層部上に塗布することによって、およびさらに後者のTiO2層の上層部上にさらにTiO2層を塗布することによって、色がよりいっそう濃く、およびよりいっそう透明である顔料を得ることが可能である(欧州特許出願公開第892832号明細書、欧州特許出願公開第753545号明細書、WO 93/08237、WO 98/53011、WO 9812266、WO 9838254、WO 99/20695、WO 00/42111および欧州特許出願公開第1213330号明細書)。最も外側の酸化チタン層は、本発明の保護層によって安定化されうる。
【0026】
以下の層構造を有する顔料は、特に好ましい:
【表1】

【0027】
この場合、前記TRASUBは、低い屈折率を有する透明または半透明の基材であり、殊に天然または合成マイカ、他の層状珪酸塩、ガラス、パーライト、Al23、SiOz、殊にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)であり、および、前記STLは半透明層、例えばCu、Ag、CrまたはSnの半透明金属層、または半透明炭素層である。
【0028】
金属酸化物で塗布された小板形状の基材が本発明により保護層を備えている場合には、次の基材を使用することが好ましい:TiO2および/または酸化鉄で塗布された合成または天然マイカフレーク、TiO2および/または酸化鉄で塗布されたガラスフレーク、TiO2および/または酸化鉄で塗布されたアルミナフレーク、TiO2および/または酸化鉄で塗布されたSiO2フレーク、TiO2および/または酸化鉄で塗布されたパーライトフレーク、およびその混合物。
【0029】
前記保護層の金属酸化物/水酸化物は、有利に珪素の酸化物/水酸化物(酸化珪素、酸化珪素水和物)や、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄(III)、イットリウム、セリウムまたは亜鉛の、酸化物/水酸化物、およびこれらの組合せから選択されたものである。
【0030】
金属酸化物/水酸化物は、前記顔料の質量に対して0.1〜10質量%、有利に0.8〜4質量%の量で存在する。
【0031】
場合によっては、酸化ホウ素は、保護層の金属酸化物/水酸化物層中に顔料の質量に対して0.1〜14質量%、有利に0.2〜3.4質量%の量で存在することができる。
【0032】
本発明の好ましい実施態様において、金属酸化物/水酸化物は、アルミニウムの酸化物/水酸化物(酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物)、ジルコニウムの酸化物/水酸化物((水和)二酸化ジルコニウム)またはその混合物である。酸化アルミニウム/水酸化アルミニウムは、彩色および安定化に対して好ましく;酸化ジルコニウム/水酸化ジルコニウムは、安定化に対して好ましく、最善なのは、安定化および彩色に対して前記の組合せである。
【0033】
また、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛の三元混合物、または酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの三元混合物は、優れた結果を示す。
【0034】
本発明の別の好ましい実施態様において、保護層は、それぞれ顔料の質量に対して酸化アルミニウム3〜5質量%および酸化ホウ素0.5〜1.5質量%、およびアクリルコポリマー約5質量%を有する。
【0035】
組合せで使用される場合には、金属酸化物/水酸化物は、相応する(金属)酸化物/水酸化物の2つ以上の塩を同時にかまたは順次に添加することによって製造されうる。
【0036】
金属酸化物/水酸化物層の塗布後、顔料は、単離されることができ、250〜900℃、殊に600〜900℃の温度でか焼されることができ、次にアクリルコポリマーで塗布されることができる。他の選択可能な方法によれば、アクリルコポリマーは、金属酸化物/水酸化物層で塗布された顔料の単離なしに金属酸化物/水酸化物層上に直接に塗布される。酸化ホウ素が金属酸化物/水酸化物層中に存在する場合には、単離およびか焼(好ましくは、250〜350℃の温度で)は、好ましい。アクリルコポリマーで塗布された顔料は、単離され、通常、60〜150℃の温度で乾燥される。
【0037】
金属酸化物/水酸化物に加えて、保護層は、アクリルコポリマーを含有する。
【0038】
アクリルコポリマーは、有利に顔料に対して親和力を有する基を有する。
【0039】
顔料の親和性基の例は、−COOH、−COOR’、−CONHR’、−CONH2、−OH、−SH、−NH2、−NHR’、−NR’2、−SO3H、−SO3R’、−N(ナフタルイミド)、−NHCOOR’、−NHCONH2、−NHCONHR’、−CN、または1個以上の窒素原子を含有する(芳香族)ヘテロ環式基、例えばピリジニル;ピリミジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペリドニル、カルバゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ビニルピラゾリル、ピロリドニル、ピロリドニル、ピロリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、オキソラニル、フラニル、チオフェニル、チオラニル、トリアゾリル、および水素化ビニルチアゾリル、ビニルオキサゾリルおよび水素化ビニルオキサゾリルである。前記基の基R’は、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、アラルキル基またはアリール基であり、これらの基は、さらに例えばC1〜C40アルキル基またはC6〜C14アリール基によって置換されていてもよい。下記の基は、特に好ましい:C1〜C40アルキル、この場合、例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、およびn−エイコシル;C6〜C14アリール、この場合、例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラセニル、2−アントラセニル、および9−アントラセニル、C7〜C13アラルキル、好ましくは、C7〜C12フェニルアルキル、例えばベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ネオフィル(1−メチル−1−フェニルエチル)、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、および4−フェニルブチル。
【0040】
窒素原子を含有する顔料に対して親和力を有する基は、好ましい。よりいっそう好ましくは、前記顔料に対して親和力を有する基は、アミノ基(NH2、−NHR’、−NR’2)、または1個以上の窒素原子を含有する(芳香族)ヘテロ環式基、例えばピリジルまたはイミダゾリルである。このようなコポリマーは、例えば欧州特許第0311157号明細書中に記載されている。
【0041】
アクリルコポリマーは、有利にアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、例えばアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルまたはヒドロキシルアルキルエステル;および(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来する。
【0042】
本発明の1つの好ましい実施態様において、アクリルコポリマーは、WO 04/045755に記載のアクリルコポリマーである。
【0043】
WO 04/045755のコポリマーは、次のモノマー
(A)少なくとも1個のアミノ基を含有するエチレン系不飽和モノマー;
(B)アミノ基を含有しないエチレン系不飽和モノマー;
(C)場合によっては、式
CH2=CH(R1)−COO−Ct2t−OR2
で示されるヒドロキシ−またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
(D)式
CH2=CH(R1)−COO−(Cm2mO)n−OR2
〔式中、R1は、水素またはメチルであり、R2は、水素またはC1〜C6アルキルであり、tは、2、3、4、5または6の整数であり、mは、2または3の整数であり、およびnは、2〜20の整数である〕示される(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを共重合された単位として含有する。
【0044】
WO 04/045755の実施例1、2、4および5中に記載されたコポリマーは、有利に本発明により使用されることができる。このコポリマーは、モノ−C1〜C20−アルキルポリエーテルモノマレイン酸との混合物で使用されることができる。
【0045】
本発明の1つの特に好ましい実施態様において、アクリルコポリマーは、アクリルブロックコポリマーである。アクリルブロックコポリマーは、例えばWO 06/074969に記載されている。
【0046】
WO 06/074969に記載されたブロックコポリマーは、次の工程:〜方法によって得ることができる。
【0047】
a1)第1工程で1つ以上のエチレン系不飽和モノマーを、構造要素
【化1】

、但し、この場合Xは、少なくとも1個の炭素原子を有する基を表わし、Xに由来する遊離基

は、重合を開始させる能力を有するものとし、を有する少なくとも1つのニトロキシルエーテルの存在下で重合させるか、または
a2)第1工程で1つ以上のエチレン系不飽和モノマーを、少なくとも1つの安定した遊離ニトロキシル基
【化2】

およびフリーラジカル開始剤の存在下で重合させ、但し、この場合、工程a1)またはa2)で使用される少なくとも1つのモノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C6アルキルまたはヒドロキシC1〜C6アルキルエステルであるものとし;および第2工程で
b)前記a1)またはa2)で製造されたポリマーまたはコポリマーをエステル交換反応、アミド化、加水分解または無水物変性、またはこれらの組合せによって変性する方法によって得ることができる。
【0048】
WO 06/074969の実施例A3
【化3】

(Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH価=0.05meq/g)に記載のブロックコポリマー、
WO 06/074969の実施例A6、A11およびA15に記載のブロックコポリマーは、有利に本発明により使用されることができる。
【0049】
更に、本発明は、
(a)フレーク状顔料(パール顔料)を水中に懸濁させ、この懸濁液のpHを約3に調節し、次にホウ素、珪素、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、鉄(III)、イットリウムおよびセリウムから選択された1つ以上の(金属)塩の水溶液を、アルカリ金属水溶液で懸濁液のpHを一定に保持しながら、懸濁液に添加し、添加後、懸濁液のpHを約7〜8.5に調節し、および
(b)アクリルコポリマーの溶液を攪拌しながら、生じる懸濁液に添加し、添加後、この懸濁液を濾過し、水で洗浄し、および乾燥させることを特徴とする、本発明による顔料を製造する方法に関する。
【0050】
この(水和)金属酸化物は、相応する金属塩、例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物およびオキシハロゲン化物の水溶液を出発物質としてアルカリ加水分解に掛けることによって、フレーク状(パール)顔料を塗布することができる。
【0051】
本発明で使用される水和金属酸化物の単層をフレーク状顔料の表面上に形成させることができる限り、本発明で使用される水和金属酸化物を形成させる金属塩の量は、十分である。従って、フレーク状パール顔料の比表面積が大きい場合には、大量の金属塩が必要とされ、これに反して、小さな比表面積には、少量の金属塩で十分である。更に、大量の金属塩は、好ましくない。それというのも、この大量の金属塩は、フレーク状パール顔料の色調(色相、彩度、光沢)の変化をまねき、さらに、顔料粒子の凝集を簡単に引き起こすからである。通常、金属塩の量は、フレーク状パール顔料の比表面積に依存して変化することができ、この量は、フレーク状パール顔料に対して0.1〜10質量%の範囲内に定めることができる。
【0052】
完全な方法は、10〜90℃の温度、有利に60〜90℃の温度で行なわれる。
【0053】
アルミニウムは、彩色および安定化に対して好ましく;ジルコニウムは、安定化に対して好ましく、最善なのは、安定化および彩色に対して前記の組合せである。
【0054】
酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムの好ましい前駆体は、アルミニウムの塩化物、硝酸塩またはた硫酸塩である。酸化ジルコニウムまたは水酸化ジルコニウムの好ましい前駆体は、ジルコニウムのオキシ塩化物、硝酸塩またはた硫酸塩である。2つの塩は、組み合わせて同時に添加されてもよいし、順次に添加されてもよい。
【0055】
最適なpHは、pH3であり、これは、金属塩の添加後にpH7またはそれ以上に変化する。
【0056】
アクリルコポリマーは、pH7からpH8.5へのpHの変化後に添加される。
【0057】
更に、本発明による顔料の製造法は、よりいっそう詳細に記載される。
【0058】
第1に、フレーク状(パール)顔料の水性懸濁液が製造され、この懸濁液のpHは、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液を用いて約3の予め定められたpH値に調節される。この加水分解のためのpH値は、本発明で使用される(金属)塩のタイプに応じて変動される。この懸濁液には、撹拌下に別々に調製された、塩の溶液が添加され、その間、懸濁液中のpHは、一定に維持される。pHは、前記の添加後にpH3から中性に変化される。 アクリルコポリマーの溶液は、工程a)で得られた生成物に滴加される。この塗布処理中に、前記溶液は、それぞれの材料が処理されるのに適したpHおよび温度に調節され、それぞれ材料は、攪拌され、したがって、顔料は、それと共に均一に塗布される。塗布処理後、前記顔料は、濾過され、水で洗浄され、通常の方法で乾燥され、例えば炉中で100℃〜150℃の温度で乾燥され、望ましい顔料を生じる。
【0059】
本発明による(効果)顔料を、全ての通例の目的、例えば塊状物中のポリマーを着色し、被覆物(効果仕上げを含む、自動車分野のためのものを含む)、および印刷インク(オフセット印刷、凹版印刷、ブロンズ印刷およびフレキソ印刷を含む)のために、および同様に、例えば化粧品における、インクジェット印刷における用途のために、テキスタイルを染色するために、セラミックスおよびガラス用の上薬、ならびに紙およびプラスチックのレーザーマーキングに使用できる。かかる用途は、参考文献、例えば"Industrielle Organische Pigmente" (W. HerbstおよびK. Hunger, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim/New York, 第二版, 完全改訂版, 1995)から公知である。
【0060】
本発明による顔料が干渉顔料(効果顔料)である場合、該顔料は、ゴニオクロマチック(goniochromatic)であり、および光り輝く高度に飽和した(光沢のある)色をもたらす。従って、本発明による顔料は、通常の透明顔料、例えば有機顔料、例えばジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、イソインドリノン等との組み合わせに極めて殊に適しており、透明顔料が効果顔料と同様の色を有することが可能である。しかしながら、特に興味深い組み合わせの効果は、例えば欧州特許出願公開第388932号明細書または欧州特許出願公開第402943号明細書と類似して、透明顔料の色および効果顔料の色が相補的である場合に得られる。本発明による顔料は、高分子量有機材料の顔料着色について優れた結果をもって使用されうる。
【0061】
本発明による顔料または顔料組成物が使用されうる顔料着色のための高分子量有機材料は、天然または合成由来であってよい。高分子量有機材料は、通常、約103〜108g/molまたはそれより高い分子量を有する。前記の高分子量有機材料は、例えば、天然樹脂、乾性油、ゴムまたはカゼイン、または前記の高分子量有機材料に由来する天然物質、例えば塩化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルまたはエステル、例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセトブチレートまたはニトロセルロース、しかし特に完全に合成された有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチック)、重合、重縮合または重付加によって得られるものであってよい。重合樹脂の種類から、殊にポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイソブチレン、ならびに置換されたポリオレフィン、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはブタジエンの重合生成物、および同様に前記のモノマー、例えば特にABSまたはEVAの共重合生成物が挙げられる。
【0062】
重付加樹脂および重縮合樹脂の系から、例えばホルムアルデヒドとフェノールとの縮合生成物、いわゆるフェノプラスト、およびホルムアルデヒドとウレア、チオウレアまたはメラミンとの縮合生成物、いわゆるアミノプラスト、および表面被覆樹脂として使用されるポリエステル(前記は飽和したもの、例えばアルキド樹脂、あるいは不飽和のもの、例えばマレイン酸樹脂のいずれか)、同様に、直鎖ポリエステルおよびポリアミド、ポリウレタンまたはシリコーンが挙げられる。前記の高分子量化合物は、単独または混合物で、プラスチックの塊または溶融物の形態で存在してよい。前記の高分子量化合物は、該高分子量化合物のモノマーの形、または重合された状態で、溶解された形で、被覆物または印刷インク用の膜形成剤または結合剤として存在してもよく、例えば煮あまに油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、およびウレアホルムアルデヒド樹脂、またはアクリル樹脂である。意図した目的に依存して、本発明による効果顔料または効果顔料組成物をトナーとして、または調製物の形態で使用することが有利であることが証明されている。高分子量有機材料、特にポリエチレンの着色のための効果顔料の使用に悪影響を及ぼさなければ、調整方法または意図されている用途に依存して、調整工程の前または後に、一定量の質感改善剤を効果顔料に添加することが有利である。適当な薬剤は、特に、少なくとも18個の炭素原子を含有する脂肪酸、例えばステアリン酸またはベヘン酸、またはそれらのアミドまたは金属塩、特にマグネシウム塩、ならびに可塑剤、ワックス、樹脂酸、例えばアビエチン酸、ロジン石鹸、アルキルフェノールまたは脂肪族アルコール、例えばステアリルアルコール、または8〜22個の炭素原子を含有する脂肪族の1,2−ジヒドロキシ化合物、例えば1,2−ドデカンジオール、および同様に変性コロホニウムマレイン酸樹脂またはフマル酸コロホニウム樹脂である。質感改善剤を、最終生成物に対して好ましくは0.1〜30質量%、特に2〜15質量%の量で添加する。本発明による(効果)顔料を、任意の着色に効果的な量で、顔料着色される高分子量有機材料に添加できる。高分子量有機材料と、該高分子量有機材料に対して0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜30質量%の本発明による顔料とを含む、顔料着色物質組成物が有利である。実際には、1〜20質量%、特に約10質量%の濃度がしばしば使用される。
【0063】
高い濃度、例えば30質量%よりも高い濃度は通常、比較的低い顔料含有率を有する顔料着色材料を製造するための着色剤として使用できる濃縮物("マスターバッチ")の形であり、本発明による顔料は通例の配合物中で極端に低い粘度を有しているので、本発明による顔料は、依然として十分に加工可能である。
【0064】
有機材料の顔料着色の目的のために、本発明による効果顔料は、単独で使用されてよい。しかしながら、種々の色相または色の効果を達成するために、本発明による効果顔料に加えて、任意の所望の量の他の色付与成分、例えば白、着色、黒または効果顔料を高分子量有機物質に添加することもまた可能である。着色顔料が本発明による効果顔料との混合物で使用される場合、その全体量は高分子量有機材料に対して好ましくは0.1〜10質量%である。特に、本発明による効果顔料と他の色、特に補色の着色顔料との好ましい組み合わせによって、高いゴニオクロマチック性が提供され、効果顔料を使用して形成された呈色および着色顔料を使用して形成された呈色は、測定角度10゜で、20〜340、特に150〜210の色相(ΔH*)の差を有する。
【0065】
好ましくは、本発明による効果顔料を透明な着色顔料と組み合わせ、透明な着色顔料が本発明による効果顔料と同一の媒体中に存在すること、あるいは隣接した媒体中に存在することも可能である。効果顔料と着色顔料とが有利に隣接した媒体中に存在する配置の例は、多層効果コーティングである。本発明による顔料を用いた高分子量有機物質の顔料着色は、例えばかかる顔料を、適宜マスターバッチの形で、ロールミルまたは混合または粉砕装置を使用して、基材と混合することによって実施される。顔料着色された材料は、その後、自体公知の方法、例えばカレンダー加工、圧縮成形、押出、塗布、流し込みまたは射出成形を使用して所望の最終的形にもたらされる。プラスチック産業において通例の任意の添加剤、例えば可塑剤、充填剤または安定剤は、通例の量で、顔料の取り込みの前または後に、ポリマーに添加されうる。特に、非硬質の成形品を製造するために、またはそれらの脆弱性を低減するために、可塑剤、例えばリン酸、フタル酸、またはセバシン酸のエステルは、造形に先だって高分子量化合物に添加することが望ましい。塗膜または印刷インクを顔料着色するために、高分子量有機材料および本発明による効果顔料は、適宜、通例の添加剤、例えば充填剤、他の顔料、乾燥剤または可塑剤などと共に、同一の有機溶剤または溶剤混合物中で微細に分散させるか、あるいは溶解させる。個々の成分は、別々に溶解または分散させることができるか、あるいは多数の成分は、一緒に溶解または分散させることができ、その後にのみ、全ての成分が一緒にされる。
【0066】
本発明による効果顔料を、顔料着色される高分子量有機材料中で分散させること、および本発明による顔料組成物を加工することは、効果顔料はより小さい部分へと崩壊しないように、好ましくは比較的弱い剪断力のみが生じる下の条件に掛けて実施される。プラスチックは、本発明の顔料を0.1〜50質量%、特に0.7〜7質量%の量で含有する。塗膜の分野においては、本発明の顔料は、0.1〜10質量%の量で使用される。結合剤系の顔料着色において、例えば凹版印刷、オフセット印刷またはスクリーン印刷のための塗料および印刷インクのためには、該顔料が印刷インク中に0.1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、および特に8〜15質量%の量で取り込まれる。
【0067】
例えばプラスチック、塗膜または印刷インク中で、特に塗膜または印刷インク中で、さらに特に塗膜中で得られる呈色は、優れた特性によって、特に極めて高い飽和、抜群の固着特性、高い色純度および高いゴニオクロマチック性によって識別できる。
【0068】
顔料着色される高分子量材料が塗膜である場合、この塗膜は、特に特殊な塗膜、殊に自動車の仕上げ塗膜である。
【0069】
本発明による効果顔料は、唇または肌のメイクアップ用に、および髪または爪のカラーリングのためにも適している。
【0070】
従って本発明は、化粧品調製物または配合物の全質量に対して0.0001〜90質量%の本発明による顔料、特に効果顔料と、10〜99.999質量%の化粧品に適した担体材料とを含む、化粧品調製物または配合物にも関する。かかる化粧品調製物または配合物は、例えば、リップスティック、ほお紅、ファンデーション、マニキュアおよび髪用シャンプーである。
【0071】
該顔料は、単独または混合物の形態で使用されてよい。さらに、本発明による顔料は、他の顔料および/または着色剤、例えば上記されたような組合せ、または公知の化粧品調製物と共に使用することが可能である。
【0072】
本発明による化粧品調製物および配合物は、好ましくは本発明による顔料を、この調製物の全質量に対して0.005〜50質量%の量で含有する。
【0073】
本発明による化粧品調製物および配合物に適した担体材料は、かかる組成物中で使用される通例の材料を含む。
【0074】
本発明による化粧品調製物および配合物は、通常、例えば成分を共に混合または攪拌し、混合物が溶融するように随意に加熱しながら製造される。
【0075】
本発明の種々の特徴および視点は、以下の実施例においてさらに説明される。これらの実施例は、当業者にとって本発明の範囲内で如何に操作されるのかを示すために記載されるが、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとして提供されるのではなく、かかる範囲は請求項中でのみ定義される。以下の実施例および明細書中の他の所および請求項においていずれにせよ示されない限り、全ての部およびパーセントは質量に対するものであり、温度は摂氏度であり、および圧力は大気圧またはその近傍である。
【実施例】
【0076】
実施例1
TiO2で塗布されたマイカCIBA XYMARA TM Silver Pearl S19 (ex CIBA SC) 20gを水200ml中に分散させる。この懸濁液を75℃に加熱する。水200ml中に溶解させたAlCl31;05gの溶液を計量供給ポンプを用いて4ml/分で添加する。pHをNaOHの溶液(1%で)で補正することによって、懸濁液をpH3に維持する。この懸濁液をpH3で30分間維持する。次に、懸濁液のpHを1%NaOH溶液でpH7に近づける。水50ml中に溶解された、WO 06/074969の実施例3A中で得られたコポリマー1g((Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH価=0.05meq/g;50%活性))
【化4】

の溶液を添加する。
【0077】
次に、この懸濁液をpH7で30分間維持する。この懸濁液を濾過し、顔料を回収し、水で洗浄し、および一晩中90℃で炉中で乾燥させる。
【0078】
比較例1
実施例1を繰り返すが、Al23は、析出しない。
【0079】
比較例2
実施例1を繰り返すが、コポリマーは、析出しない。
【0080】
実施例2
TiO2で塗布されたマイカCIBA XYMARA TM Silver Pearl S19 (ex CIBA SC) 20gを水200ml中に分散させる。この懸濁液を75℃に加熱する。水200ml中に溶解させたAlCl31.05gの溶液を計量供給ポンプを用いて4ml/分で添加する。pHをNaOHの溶液(1%で)で補正することによって、懸濁液をpH3に維持する。この懸濁液をpH3で30分間維持する。次に、懸濁液のpHを1%NaOH溶液でpH7に近づける。この懸濁液をpH7で30分間維持する。水50ml中に溶解したCIBA EFKA 45901.25gの溶液(40%活性)を添加する。次に、この懸濁液をpH7で30分間維持する。この懸濁液を濾過し、顔料を回収し、水で洗浄し、および一晩中90℃で炉中で乾燥させる。
【0081】
実施例3
TiO2で塗布されたマイカCIBA XYMARA TM Silver Pearl S03 (ex CIBA SC) 50gを水500ml中に分散させる。この懸濁液を75℃に加熱する。水290ml中に溶解させたZrOCl2−8H2O5.76gの溶液を計量供給ポンプを用いて4ml/分で添加する。pHをNaOHの溶液(1%で)で補正することによって、懸濁液をpH3に維持する。この懸濁液をpH3で30分間維持する。次に、懸濁液のpHを1%NaOH溶液でpH7に近づける。この懸濁液をpH7で30分間維持する。水100ml中に溶解された、WO 06/074969の実施例3A中で得られたコポリマー5g((Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH価=0.05meq/g;50%活性))
【化5】

の溶液を添加する。
【0082】
次に、この懸濁液をpH7で30分間維持する。この懸濁液を濾過し、顔料を回収し、水で洗浄し、および一晩中90℃で炉中で乾燥させる。
【0083】
実施例4
TiO2で塗布されたマイカXYMARA TM Silver Pearl S23 (ex CIBA SC) 50gを水500ml中に分散させる。この懸濁液を75℃に加熱する。水200ml中に溶解させたAlCl30.98gの溶液を計量供給ポンプを用いて4ml/分で添加する。pHをNaOHの溶液(1%で)で補正することによって、懸濁液をpH3に維持する。この懸濁液をpH3で30分間維持する。水300ml中に溶解されたZrOCl2−8H2O2.88gの溶液を計量供給ポンプで4ml/分で添加する(1.2時間で、この場合懸濁液のpHは、NaOH(1%で)の溶液で補正することによって3に維持される)。この懸濁液をpH3で30分間再び維持する。次に、懸濁液のpHを1%NaOH溶液でpH7に近づける。この懸濁液をpH7で30分間維持する。水100ml中に溶解された、WO 06/074969の実施例3A中で得られたコポリマー5g((Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH価=0.05meq/g;50%活性))
【化6】

の懸濁液を添加する。
【0084】
次に、この懸濁液をpH7で30分間維持する。この懸濁液を濾過し、顔料を回収し、水で洗浄し、および一晩中90℃で炉中で乾燥させる。
【0085】
実施例5
TiO2で塗布されたマイカCIBA XYMARA TM Silver Pearl S19 (ex CIBA SC) 20gを水200ml中に分散させる。この懸濁液を75℃に加熱する。この懸濁液のpHをHCl(3.5%)の溶液で3の値に減少させる。水200ml中に溶解させたAlCl31.05gの溶液を計量供給ポンプを用いて4ml/分で添加する。pHをNaOHの溶液(1%で)で補正することによって、懸濁液をpH3に維持する。この懸濁液をpH3で30分間維持する。次に、懸濁液のpHを1%NaOH溶液でpH7に近づける。この懸濁液をpH7で10分間維持する。水5ml(80℃で)中のNa2470.3gの溶液を添加する。10分後、75℃およびpH7で懸濁液を冷却する。この懸濁液を濾過し、顔料を回収し、300℃で炉中で乾燥させる。粉末(21g)を強力に攪拌しながら水200ml中に分散させる。水50ml中に溶解された、WO 06/074969の実施例3A中で得られたコポリマー1.1g((Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH価=0.05meq/g;50%活性))
【化7】

の溶液を添加する。
【0086】
次に、この懸濁液をpH7で30分間維持する。この懸濁液を濾過し、顔料を回収し、水で洗浄し、一晩中90℃で炉中で乾燥させる。
【0087】
WO 06/074969の実施例3Aで得られたコポリマーの代わりに、WO 06/074969の実施例A6、A11およびA15で得られたコポリマーを使用した場合には、同様に生成物が得られる。
【0088】
実施例A6:ブロックコポリマーポリ(n−BA−MPEGA−b−4−VP)の合成;Mn=8829,PDI=1.36;重合度は、次の通りである:P[(nBA−MPEGA)−b−4VP]=(23−12)−b−14。
【0089】
実施例A11:非極性ブロックコポリマーポリ[(n−BA−iC12−15A)−b−4VP]の合成;Mn=12216,PDI=1.27;重合度は、次の通りである:P[(nBA−iC12−15A)−b−4VP]=(16−60)−b−14。
【0090】
実施例A15:非極性ブロックコポリマーポリ[(n−BA−BhA)−b−DMAPMA;Mn=10652,PDI=1.60;重合度は、次の通りである:P[(nBA−BhA)−b−S]=(20−55)−b−23。
【0091】
メチレンブルー試験
試料の光活性触媒をメチレンブルーの光分解によって評価する:水5g中の効果顔料50mgをメチレンブルー溶液の1滴の存在下で電磁攪拌機によって攪拌し、光に晒す。比較試料を調製し、同時に光の遮断下に攪拌する。比較試料に対する試料の色の変化を、半時間毎に評価する(4×)。
【0092】
抗黄変試験
黄色度指数は、二酸化チタンで塗布されたマイカを高濃度のポリエチレン(HDPE)ステップチップス中で酸化防止剤ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と一緒に配合し、前記ステップチップスをQUV計器中でUV光に晒すことによって測定される。発生した黄変は、Hunter LabScan計器上で測定されたように黄色度指数を求めることによって監視された。
【0093】
【表2】

【0094】
ミルベース(Millbase)とレットダウン(LetDOWN)とを、30:70の比で十分に混合する。二酸化チタンで塗布されたマイカ0.2gおよび前記配合物9.8gを連続的に電磁攪拌機で攪拌する。樹脂/顔料分散液を、Leneta Company社のLeneta black and white chartレネタ ブラックおよびホワイトチャート(パネル)上に未乾燥塗膜アプリケーターを用いて滴下する。この塗膜にフラッシュキャビネット中で30分間閃光を放ち、次にこの塗膜を炉中で130℃で30分間"焼き付ける。"
【0095】
水が浸透する前に、色、光沢、曇り度およびDOIの全ての初期値を測定する。
【0096】
このパネルを横長に置かれた形式で使用する。このパネルの裏面には、パネルの底面から5cmの所で1本の線が引かれており、この面は、水面下に置かれる。
【0097】
この試験を2つの異なる条件で実施する:
1.60℃で16時間
2.80℃で8時間。
【0098】
このパネルをアルミニウムポット中のパネルホルダー内に置く。次に、このポットを、線がパネル上に引かれるまで(5cmの深さ)脱塩水で充填し;新しい水を全ての試験に使用する。このポットを閉じ、サーモスタットを蓋の穴を通して水中に置き、60℃または80℃に設定する。温度が達成されたら直ちに、時間を測定する。試験サイクルの完結後、装置のスイッチをオフにし、パネルを水浴から取り出す。水滴をパネルから拭き取り、パネルを室温で2時間維持し、その後に浸漬された側の色、光沢、曇り度およびDOIを測定する。
【0099】
選択された製品についての試験結果は、下記の表中に示されている:
【表3】

【0100】
前記表から明らかなように、実施例1の製品は、比較例1および2の製品と比較して優れた性能を示し、この場合これらの比較例では、それぞれメチレンブルー試験ならびに水浸漬試験において金属酸化物コーティングおよびアクリルコポリマーコーティングを含まない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小板形状の基材、1.8を上廻る屈折率を有する金属酸化物層を有する金属酸化物層および保護層を有する真珠箔顔料において、この保護層が、金属酸化物/水酸化物層と場合により酸化ホウ素とを有し、この酸化ホウ素は、前記金属酸化物/水酸化物層に塗布された、アクリルコポリマーの有機アフターコートであり、この保護層の金属酸化物/水酸化物が、珪素の酸化物/水酸化物(酸化珪素、酸化珪素水和物)や、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄(III)、イットリウム、セリウムまたは亜鉛の、酸化物/水酸化物、およびこれらの組合せから選択されていることを特徴とする、前記真珠箔顔料。
【請求項2】
前記顔料の金属酸化物/水酸化物含量(保護層)が前記顔料の全質量に対して0.1〜10質量%の範囲内にある、請求項1記載の真珠箔顔料。
【請求項3】
前記顔料のアクリルコポリマー含量が前記顔料の全質量に対して0.1〜10質量%の範囲内にある、請求項1または2記載の真珠箔顔料。
【請求項4】
小板形状の基材が天然マイカ状鉄酸化物、合成マイカ状鉄酸化物およびドープされたマイカ状鉄酸化物、天然マイカおよび合成マイカ、別の層状珪酸塩、塩基性炭酸鉛、フレーク状硫酸バリウム、MoS2、SiO2、Al23、TiO2、ガラス、パーライト、ZnO、ZrO2、SnO2、BiOCl、酸化クロム、BN、MgOフレーク、Si34、グラファイト、SiOz、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0およびSi/SiOzであり、但し、この場合0.70≦z≦2.0、殊に1.40≦z≦2.0であるものとし;或いは小板形状の基材がAg、Al、Au、Cu、Cr、Fe、Ge、Mo、Ni、Si、Ti、またはそれらの合金から選択されたものである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項5】
小板形状の基材および金属酸化物コーティングを有する真珠箔顔料が次の層構造:
【表1】

を有し、この場合、前記TRASUBは、低い屈折率を有する透明または半透明の基材であり、殊に天然または合成マイカ、他の層状珪酸塩、ガラス、パーライト、Al23、SiOz、殊にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOzであり、但し、この場合0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0であるものとし、および、前記STLは半透明層、例えばCu、Ag、CrまたはSnの半透明金属層、または半透明炭素層である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項6】
金属酸化物/水酸化物が、アルミニウムの酸化物/水酸化物(酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物)、ジルコニウムの酸化物/水酸化物((水和)二酸化ジルコニウム)またはその混合物であるか;或いは酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛の三元混合物、または酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの三元混合物である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項7】
保護層が、それぞれ顔料の質量に対して酸化アルミニウム3〜5質量%および酸化ホウ素0.5〜1.5質量%、およびアクリルコポリマー約5質量%を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項8】
保護層が酸化アルミニウムおよび場合によっては酸化ホウ素を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項9】
アクリルコポリマーが次の工程:
a1)第1工程で1つ以上のエチレン系不飽和モノマーを、構造要素
【化1】

、但し、この場合Xは、少なくとも1個の炭素原子を有する基を表わし、Xに由来する遊離基

は、重合を開始させる能力を有するものとし、を有する少なくとも1つのニトロキシルエーテルの存在下で重合させるか、または
a2)第1工程で1つ以上のエチレン系不飽和モノマーを、少なくとも1つの安定した遊離ニトロキシル基
【化2】

およびフリーラジカル開始剤の存在下で重合させ、但し、この場合、工程a1)またはa2)で使用される少なくとも1つのモノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C6アルキルまたはヒドロキシC1〜C6アルキルエステルであるものとし;および第2工程で
b)前記a1)またはa2)で製造されたポリマーまたはコポリマーをエステル交換反応、アミド化、加水分解または無水物変性、またはこれらの組合せによって変性する方法によって得られたコポリマーである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項10】
アクリルコポリマーがWO 06/074969の実施例A3、A6、A11およびA15により得られたコポリマーである、請求項9記載の真珠箔顔料。
【請求項11】
アクリルコポリマーが次のモノマー
(A)少なくとも1個のアミノ基を含有するエチレン系不飽和モノマー;
(B)アミノ基を含有しないエチレン系不飽和モノマー;
(C)場合によっては、式
CH2=CH(R1)−COO−Ct2t−OR2
で示されるヒドロキシ−またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
(D)式
CH2=CH(R1)−COO−(Cm2mO)n−OR2
〔式中、R1は、水素またはメチルであり、R2は、水素またはC1〜C6アルキルであり、tは、2、3、4、5または6の整数であり、mは、2または3の整数であり、およびnは、2〜20の整数である〕示される(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを共重合させた単位として有するコポリマーである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の真珠箔顔料。
【請求項12】
請求項1記載の顔料を製造する方法において、
(a)フレーク状顔料(パール顔料)を水中に懸濁させ、この懸濁液のpHを約3に調節し、次にホウ素、珪素、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、鉄(III)、イットリウムおよびセリウムから選択された1つ以上の(金属)塩の水溶液を、アルカリ金属水溶液で懸濁液のpHを一定に保持しながら、懸濁液に添加し、添加後、懸濁液のpHを約7〜8.5に調節し、および
(b)アクリルコポリマーの溶液を攪拌しながら、生じる懸濁液に添加し、添加後、この懸濁液を濾過し、水で洗浄し、および乾燥させることを特徴とする、請求項1記載の顔料を製造する方法。
【請求項13】
ペイント、ラッカー、印刷用インキ、粉末コーティング、紙用塗料、プラスチック、化粧品、インキ、セラミックおよびガラスのための釉薬、食品および薬品のための装飾的用途、ならびに機密保護増強機構への請求項1から10までのいずれか1項に記載の顔料の使用。
【請求項14】
ペイント、ラッカー、印刷用インキ、粉末コーティング、紙用塗料、プラスチック、化粧品、インキ、およびセラミックおよびガラスのための釉薬において、請求項1から10までのいずれか1項に記載の顔料を有することを特徴とする、ペイント、ラッカー、印刷用インキ、粉末コーティング、紙用塗料、プラスチック、化粧品、インキ、およびセラミックおよびガラスのための釉薬。

【公表番号】特表2011−520000(P2011−520000A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507871(P2011−507871)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055126
【国際公開番号】WO2009/135784
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】