説明

釣り情報表示装置

【課題】釣り情報表示装置において、釣人が所望する画像を簡単かつ確実に表示できるようにする。
【解決手段】この釣り情報表示制御部60では、操作キー部62の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部51に釣人が所望する拡大率となるように拡大・縮小表示することにより、釣人が所望する拡大率となる表示を簡単に行える。さらに、ここでは、水中に関する釣り情報を画面上部の水面を基準として表示部51に拡大・縮小表示するようになっているので、底の水深が浅く画面の中程に水底が表示されているときには、画面上部の水面を基準として底の水深を表示部51に拡大表示させることによって、底の水深を画面の下部に配置せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り情報表示装置、特に、魚群探知機で生成された水中に関する釣り情報を表示可能な釣り情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、漁場の底の水深や魚の棚位置等の水中に関する釣り情報を超音波により送受信して表示可能な魚群探知機からの情報を表示可能な釣り情報表装置を有する釣り用リールが知られている(特許文献1参照)。このような釣り情報表示装置は、釣人が使用する釣り用リールに近接して配置されているので、魚群探知機から得られた漁場の底の水深や魚の棚位置等の水中に関する釣り情報を釣人が直接確認することができる。
【0003】
この種の釣り情報表示装置は、液晶ディスプレイからなる表示部を有する小型のモニタであって、この表示部に水中に関する釣り情報が表示される。このような表示部には、水中に関する釣り情報として、魚群探知機の反射波の反応の相違によって異なる色調や階調で表された水底や魚群の画像が表示されるようになっている。従来の表示部では、水面が画面の上部に配置され、水底が画面の下部に配置され、水面から水底まで全体が1つの画面に表示されるようになっている。しかし、特に、小型のモニタでは表示部の表示領域が狭いので、底の水深が深くなると、画面の中程の魚群の画像の表示が小さくなるといった問題があった。そこで、本出願人は、標準表示モードと拡大表示モードとを切り換えて表示する釣り情報表示装置を発明し出願した(特許文献2参照)。ここでは、拡大表示モードに切り換えることにより、画面の中程に表示された魚群の画像を拡大表示させることが可能である。
【特許文献1】特開2004−121007号公報
【特許文献2】特開2005−201799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の標準表示モードと拡大表示モードとを切り換えできる釣り情報表示装置は、拡大表示モードに切り換えることにより、画面の中程に表示された魚群の画像を拡大表示させることができる。しかし、底の水深が浅いときには、画面の中程に水底が表示されることになるため、拡大表示モードに切り換えると、画面の中程に表示された水底が拡大表示されることがある。このように水底が画面の中程に表示された状態で拡大表示されると、釣人が最も知りたい魚群の画像が画面上方の枠外に外れたり、拡大表示モードの拡大率や魚群の画像の大きさによっては、釣人が所望する表示が行えないおそれが生じる。
【0005】
本発明の課題は、釣り情報表示装置において、釣人が所望する画像を簡単かつ確実に表示できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る釣り情報表示装置は、魚群探知機で生成された水中に関する釣り情報を表示可能な釣り情報表示装置であって、魚群探知機で生成された水中に関する釣り情報を受信する釣り情報受信手段と、釣り情報受信手段によって受信した水中に関する釣り情報を表示する表示部と、表示部の表示を変更する表示変更操作部と、表示変更操作部の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部に拡大・縮小表示する表示変更手段とを備えている。
【0007】
この釣り情報表示装置では、表示変更操作部の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部に拡大・縮小表示する表示変更手段を有している。ここでは、釣人による表示変更操作部の所定の操作によって、表示部を所定の拡大率となるように拡大・縮小表示させることができるので、釣人が所望する拡大率となる表示を簡単に行える。さらに、ここでは、水中に関する釣り情報を画面上部の水面を基準として表示部に拡大・縮小表示するようになっているので、たとえば、底の水深が浅く画面の中程に水底が表示されているときには、画面上部の水面を基準として底の水深を表示部に拡大表示させることによって、底の水深を画面の下部に配置させることができ、このため、釣人が所望する魚群の画像を画面の中程に確実に表示させることができる。したがって、表示変更操作部の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部に拡大・縮小表示する表示変更手段によって、釣人が所望する画像を簡単かつ確実に表示できる。
【0008】
発明2に係る釣り情報表示装置は、発明1の釣り情報表示装置において、表示変更操作部は、水中に関する釣り情報を表示部に拡大表示する表示拡大操作部と、水中に関する釣り情報を表示部に縮小表示する表示縮小操作部とを有している。この場合、表示拡大操作部と表示縮小操作部とが別々に設けられているので、拡大表示と縮小表示との誤操作を防止できる。
【0009】
発明3に係る釣り情報表示装置は、発明2の釣り情報表示装置において、表示拡大操作部及び表示縮小操作部は、上下に並べて配置されている。この場合、上側に拡大表示用の表示拡大操作部を設け、下側に縮小表示用の表示縮小操作部を設けることによって、上側の表示拡大操作部を操作すると拡大表示されて最深の水深が浅くなり、逆に、下側の表示縮小操作部を操作すると縮小表示されて最深の水深が深くなるので、直感的な操作が可能になる。
【0010】
発明4に係る釣り情報表示装置は、発明1から3のいずれかの釣り情報表示装置において、表示変更手段は、表示変更操作部の所定の操作を行う回数に応じて、水中に関する釣り情報の拡大率・縮小率が増減するように、表示部に拡大・縮小表示する。この場合、たとえば表示変更操作部を押圧する回数が多くなると拡大率・縮小率が増減するようになっているので、釣人が所望する拡大率となるまで表示変更操作部を押圧操作を繰り返すだけでよくなる。
【0011】
発明5に係る釣り情報表示装置は、発明1から4のいずれかの釣り情報表示装置において、表示変更操作部の所定の操作によって、表示部に拡大・縮小表示された水中に関する釣り情報を、表示部に通常表示させる表示リセット変更手段をさらに備えている。この場合、表示部に拡大・縮小表示された水中に関する釣り情報を、表示部に通常表示させる表示リセット変更手段によって、元の拡大・縮小表示されていない水中に関する釣り情報を表示させることができる。
【0012】
発明6に係る釣り情報表示装置は、発明5の釣り情報表示装置において、表示変更操作部は、水中に関する釣り情報を表示部に通常表示する表示リセット操作部を有している。この場合、たとえば、上下左右の4方向に操作可能な操作部において、表示縮小操作部を上方向、表示拡大操作部を下方向、表示リセット操作部を左右方向(横方向)に割り当てることによって、拡大表示操作または縮小表示操作を行っているときに表示リセット操作部を左右方向(横方向)に操作することで、簡単な操作で通常表示にすることができる。
【0013】
発明7に係る釣り情報表示装置は、発明1から6のいずれかの釣り情報表示装置において、釣り情報受信手段は、釣竿に装着可能な釣り用リールで生成されたリールに関する釣り情報をさらに受信する。表示部は、釣り情報受信手段によって受信したリールに関する釣り情報をさらに表示する。この場合、魚群探知機で生成された水中に関する釣り情報だけでなく、たとえば棚位置や現在の仕掛けの水深等のリールで生成されたリールに関する釣り情報も表示させることができるので、釣り情報表示装置側だけでリール側の表示部を見ることなく棚位置や現在の仕掛けの水深等を知ることができる。さらに、ここでは、棚位置や現在の仕掛けの水深等は、底の水深より上側に位置しているので、釣人が所望する棚位置や現在の仕掛けの水深等を画面の中程に確実に表示させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、釣り情報表示装置において、表示変更操作部の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部に拡大・縮小表示する表示変更手段を有しているので、釣人が所望する画像を簡単かつ確実に表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施形態が採用された釣り情報表示システムは、図1及び図2に示すように、電動リール100と、電動リール100と送受信可能に配置された釣り情報表示装置60と、魚群探知機120(図1参照)とを備えている。
【0016】
電動リール100は、図2に示すように、たとえば、竿受けRKにより釣り船の船縁FBに装着された釣竿Rに固定されている。電動リール100は、図2に示すように、外見上は、主としてハンドル1が装着されたリール本体2と、リール本体2に回転自在に装着されたスプール3と、スプール3内に装着されたモータ4とを備えている。
【0017】
リール本体2は、図2に示すように、フレーム13と、フレーム13の両側方を覆う側カバー14、15とを有している。フレーム13は、図2に示すように、アルミニウム合金ダイカストの一体成形された部材であり、左右1対の側板16、17と、側板16、17を複数箇所で連結する連結部材18とを有している。下部の連結部材18には、釣り竿を装着するための竿装着脚19が装着されている。
【0018】
側カバー14には、図2に示すように、外部に設けられた蓄電池等の電源と接続するための電源ケーブル用のコネクタ部14aが前部に斜めに突出して設けられている。このコネクタ部14aに接続される電源ケーブル20には、後述する無線通信用のアンテナが設けられている。なお、電動リール100は、直流12V(ボルト)、16.8V、24Vの3種類の電圧の電源に対応可能である。
【0019】
リール本体2のハンドル1側の前側側面には、図2に示すように、スプール3の巻き上げ速度を31段階に調節可能であるとともに、スプール3に巻き付けられた釣り糸の張力を31段階に調節可能な調整レバー26が揺動可能に設けられている。調整レバー26の揺動軸には調整レバー26の揺動角度を検出するためのポテンショメータ36(図1参照)が取り付けられている。また、リール本体20の後側部には、クラッチをオン、オフ操作するためのクラッチ操作レバー27がそれぞれ揺動自在に装着されている。リール本体2の上部には、水深表示等を行うためのカウンタ24が装着されている。
【0020】
カウンタ24は、図2に示すように、釣り糸の先端に装着された仕掛けの水深を表示するとともに、モータ4を制御するために設けられている。カウンタ24には、図2に示すように、仕掛けの水深データLXや棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示するための液晶ディスプレイからなる表示部23と、表示部23の手前側に配置された、たとえば3つのスイッチボタンからなる操作キー部35とが設けられている。
【0021】
表示部23は、バックライトを有するセグメント式の液晶ディスプレイを用いている。バックライトは、いずれも図示しないが、赤と緑の二色を発光可能な発光ダイオードと、発光ダイオードが一側に配置された導光板とを有している。このような導光板を設けることにより液晶ディスプレイ全面を光らせることができる。
【0022】
操作キー部35は、図2に示すように、表示部23の下側に左右に並べて配置されたメニューボタンMBと、決定ボタンDBと、棚メモ用の棚メモボタンTBとを有している。メニューボタンMBは、表示部23内の表示項目を選択するために使用されるボタンである。たとえば、メニューボタンMB操作する毎に上からモード(仕掛けの水深を水面からの深さで表示するモード)と底からモード(仕掛けの水深を水底からの水深で表示するモード)とに切り換える。またメニューボタンMBを3秒以上長押しすると、長押しの都度、モータの制御モードを速度モードと張力モードとに切り換えできる。ここで、速度モードは、調整レバー26の揺動角度に応じてスプール3の回転速度の上限速度を31段階に多段速度制御可能なモードである。張力モードは、釣り糸に作用する張力の上限張力を31段階に多段張力制御可能なモードである。なお、両モードとも、最高段階の31段階は、100%デューティでモータ4を動作させる速巻速度であり、電流制限は行うが、速度制御は行わない。なお、これらの速度モードと張力モードとの切り換えは、後述する釣り情報表示装置60の操作キー部62の所定の操作により行うことができる。決定ボタンDBは、選択結果を確定して設定するボタンである。また、決定ボタンDBをたとえば3秒以上長押しすると、そのときの水深データLXが水深0の基準位置としてセットされる0セット処理を行える。棚メモボタンTBは、操作したときの仕掛けの水深を棚位置として設定するためのボタンである。以降はセットされた基準位置からの糸長で水深データLXが表示される。なお、釣人は通常、仕掛けが海面に着水したときに決定ボタンを長押しして0セットする。
【0023】
カウンタ24の内部には、図1に示すように、表示部23の水深表示制御や、モニタ4の駆動制御等を行うCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータや液晶駆動回路からなるリール制御部30が設けられている。リール制御部30には、操作キー部35の3つのボタン(メニューボタンMB、決定ボタンDB、棚メモボタンTB)、スプール3の回転位置及び方向を検出するための、たとえば回転方向に並べて配置された2つのホール素子で検出するスプールセンサ41、スプールセンサ41からの所定パルス毎に値が変化するスプールカウンタ42と、調整レバー26に連結されたポテンショメータ36が接続されている。また、リール制御部30には、各種の警報を出力するためのブザー43、各種の表示を行うための表示部23、各種のデータを記憶する記憶部45、モータ4をPWM駆動するFETを含むPWM駆動回路44、及び他の入出力部が接続されている。さらに、リール制御部30には、釣り情報表示装置60と情報をやり取りする無線通信部46が接続されている。無線通信部46は、リールの外部に設けられた釣り情報表示装置60と仕掛けの水深データ等を無線(たとえば、IEEE802.15.4(ZigBee(登録商標)等の規格)でやり取りするためのものであり、釣り情報表示装置60に設けられた無線通信部64に接続されている。無線通信部46は、たとえば通信用の配線がなされたリール用の電源ケーブルに、アンテナを含む無線モジュールとして別途取り付けられるものである。このような無線モジュールを用いることで、無線機能を有していない従来の電動リールに無線機能を簡単に付加することができる。
【0024】
リール制御部30は、スプールカウンタ42から計数値が出力されると、それをもとに記憶部45に格納された複数のマップデータのなかから選択された釣り糸のマップデータに基づいて表示用の仕掛けの水深データを算出し、算出された水深データを表示部23に表示させる。また、釣り情報表示装置60が接続されている場合には、仕掛けの水深データを含む各種の情報を無線通信部46を介して釣り情報表示装置60の無線通信部64に出力する。なお、電動リール100の無線通信部46や、釣り情報表示装置60の無線通信部64は、外部から図示しない他の無線端末と接続可能であって、この無線端末によって、電動リール100や釣り情報表示装置60内部のソフトウェアを書き換え可能である。
【0025】
釣り情報表示装置60は、図1及び図2に示すように、魚群探知機120(図1参照)から得られる漁場の底の水深や魚群の位置を示す棚位置をエコー表示可能であるとともに、電動リール100から得られる仕掛けの水深データをエコー表示された底の水深や棚位置とともに水深に応じた位置に図形により表示することができる。また、釣り情報表示装置60は、棚停止のオンオフや棚位置の設定や、さそいモードのオン、オフやさそい幅の設定や、オートさそいのオン、オフや、モータの糸繰り出し方向の回転により釣り糸を繰り出す糸送りのオン、オフや、アタリ検知のオン、オフ等の電動リール100に関する設定操作を行うことができる。なお、釣り情報表示装置60は、電動リール100と接続しないで単独使用することもできる。この場合は、魚群探知機120からの棚位置や底位置を表示する魚群探知機120の遠隔モニタとして機能する。また、釣り情報表示装置60は、16色のカラー表示が可能であり、このため、魚群探知機120には、カラー情報を送信するための図示しない無線通信部であるカラーアンテナが別途装着されている。また、魚群探知機120の無線通信部と、釣り情報表示装置60の無線通信部64とは、1対1で無線通信が確立されており、このため他の魚群探知機や釣り情報表示装置と混信することがなくなる。また、魚群探知機120の無線通信部も、外部から図示しない他の無線端末と接続可能であって、この無線端末によって、魚群探知機120内部のソフトウェアを書き換え可能である。
【0026】
釣り情報表示装置60は、図3に示すように、ケース50と、ケース50に装着され液晶ディスプレイ51a及びバックライト51bを含む表示部51と、ケース50から露出して表示部51の右側に上下に配置された5つのボタン52〜56を含む操作キー部62と、操作キー部62の上部に配置され周囲光の明るさを検出する光センサ65とを有している。
【0027】
ケース50は、図3に示すように、四辺が円形に丸められたボックス状のケースである。ケース50の両側面には、図示しないねじ孔を有する取付部が配置されており、この取付部に取付ブラケット110が図示しないねじ部材により装着され、取付ブラケット110に釣り情報表示装置60が装着される。ケース50の背面には、図3に示すように、6個の単3乾電池を上下に並べて取り付け可能な凹部からなる電池収納部66と、電池収納部66の背面から見て右側(図3では左側)に電動リール100に使用する蓄電池に連結されたコードのコネクタ部に接続可能なねじ込み式のコンセント部67とが配置されている。この釣り情報表示装置60では、内部電池である単3乾電池と外部電源である蓄電池との両電源が使用可能であって、電池収納部66とコンセント部67とは排他利用となっている。外部電源である蓄電池は、図示しないY型(2又)のコードによって、電動リール100のコネクタ部14aと、釣り情報表示装置60のコンセント部67と同時に接続可能である。
【0028】
表示部51は、図3に示すように、たとえば、縦320ドット、横240ドットのカラー16色のドットマトリックス方式の液晶ディスプレイ51aを使用している。液晶ディスプレイ51aの背面には、導光板方式のバックライト51bが配置されており、光センサ65によって検出された周囲光の明るさに応じて輝度が変更されるようになっている。具体的には、光センサ65によって検出された周囲光の明るさに対応する輝度の設定テーブルを読み出すことにより、最適な輝度となるように、バックライト51bの照射量を変更するようになっている。たとえば、光センサ65によって検出された周囲光の明るさが明るいほど、バックライト51bの照射量が多くする輝度変更制御を行う。ここでは、周囲光の明るさが明るいときバックライト51bの照射量を多くし、周囲光の明るさが暗いときバックライト51bの照射量を少なくすることによって、液晶ディスプレイ51aの視認性を向上できる。なお、釣り情報表示装置60が内部電池によって駆動されているときのバックライト51bの照射量は、釣り情報表示装置60が外部電源によって駆動されているときのバックライト51bの照射量の70%になっており、内部電池である乾電池駆動の場合の消費が電力が抑えられている。
【0029】
ケース50の内部には、図1に示すように、表示制御やさそい制御を行うCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータや液晶駆動回路やバックライト制御回路からなる情報表示制御部61が設けられている。情報表示制御部61には、魚群探知機120及び電動リール100と情報をやり取りするための無線通信部64、操作キー部62の5つのボタン52〜56、各種の表示を行うための表示部51、各種のデータを記憶する記憶部63、光センサ65、他の入出力部が接続されている。
【0030】
情報表示制御部61は、電動リール100から仕掛けの水深データが得られると、それを図形で表示部51に表示するとともに、魚群探知機120から漁場の底位置のエコーデータ、底位置の数値データ及び棚位置のエコーデータを取得すると、それを表示部51に仕掛けの水深データとともに表示する。
【0031】
操作キー部62は、図3に示すように、画面切換ボタン52と、カーソルボタン53と、決定ボタン54と、さそいオンオフボタン55と、オンオフボタン56とを有しており、表示部51の右側に上下に並べて配置されている。画面切換ボタン52は、表示部51の表示をメニュー表示と魚探表示とに切り換えるボタンである。カーソルボタン53は、釣り情報表示装置60や電動リール100の各種の設定を行うメニュー処理において上下左右にカーソルを移動させるためのボタンであって、上下左右方向にそれぞれ、上ボタン53a、下ボタン53b、左ボタン53c、右ボタン53dが割り当てられている。決定ボタン54は、各種の設定の際に設定された項目を決定するためのボタンである。さそいオンオフボタン55は、さそい動作を開始する際に使用されるボタンである。オンオフボタン56は、表示をオン、オフするためのボタンである。
【0032】
光センサ65は、図3に示すように、操作キー部62の上部に配置された矩形の窓部から外部を臨むように取り付けられたセンサであって、情報表示制御部61が光電効果によって発生した電流を光量に換算する演算を行うことにより周囲光の明るさを検出するようになっている。ここでは、情報表示制御部61は、光センサ65によって検出された周囲光の明るさに対応する輝度の設定テーブルを記憶部63から読み出すことにより、バックライト51bの輝度を自動的に変更するようになっている。
【0033】
次に、情報表示制御部61の具体的な制御内容について、図12〜図17、図19に示す制御フローチャート及び図4以降に示す表示画面に基づいて説明する。なお、以降の説明では釣り情報表示装置60に電動リール100が接続されている場合を説明する。
【0034】
釣り情報表示装置60に乾電池または蓄電池が接続されオンオフボタン56が押されると、図12のステップS1で初期設定がなされる。この初期設定処理では、図19に示すように、まず、S101において、無線接続する魚群探知機120を選択設定する。ここでは、図8に示すように、魚群探知機120の無線通信部から送信された魚群探知機120が搭載された船名を、釣り情報表示装置60の無線通信部64が自動受信するようになっており、複数の魚群探知機がある場合には、複数の船名が表示されるようになっている。具体的には、図8に示すように、表示部51には、画面左上に配置された船名・リール設定項目74(「船名」が選択状態)と、船名・リール設定項目74の右側に配置された船名に対応する番号表示75(番号「1」が選択状態)と、船名設定項目74及び船名に対応する番号表示75の下側に配置された具体的に接続(選択)可能な船名の名称表示76(「OOOO丸」)とが表示されている。複数の魚群探知機がある場合には、船名に対応する番号表示75の番号が「2」、「3」のように出現し、船名の名称表示76(「XXXX丸」、「OOXX丸」)が表示されるので、操作キー部62の操作によって無線接続したい魚群探知機120を選択設定する。なお、ここで選択設定された魚群探知機120の船名の名称表示76(「OOOO丸」)等の情報は、釣り情報表示装置60の記憶部63に自動的に記憶され、次回の魚探設定のときには前回接続した魚群探知機120の船名の名称表示76(「OOOO丸」)が優先的(番号「1」)に表示されるようになっている。S101で魚群探知機120が設定されると、S102に移行し、電動リール100が釣り情報表示装置60に有線接続されているか、無線接続されているか否かを判断する。S102で、電動リール100が釣り情報表示装置60に有線接続されていると判断された場合には、S103に移行し、その他の設定処理が行われる。S102で、電動リール100が釣り情報表示装置60に有線接続されていない、すなわち、電動リール100が釣り情報表示装置60に無線接続されていると判断された場合には、S104に移行し、リール設定処理が行われる。S104では、複数存在する電動リールの中から無線接続する電動リール100を選択設定する。ここでは、図7に示すように、電動リール100の無線通信部46から送信された電動リール100の固有のIDである機種名を、釣り情報表示装置60の無線通信部64が自動受信するようになっており、複数の電動リールがある場合には、複数の電動リールの機種名(ID)が表示されるようになっている。具体的には、図7に示すように、表示部51には、画面左上に配置された船名・リール設定項目74(「リール」が選択状態)と、船名・リール設定項目74の右側に配置されたリールに対応する番号表示75(番号「1」が選択状態)と、船名・リール設定項目74及びリールに対応する番号表示75の下側に配置された具体的に接続(選択)可能なリールの名称(ID)表示76(「FE10000」)とが表示されている。複数の電動リールがある場合には、リールに対応する番号表示75の番号が「2」、「3」のように出現し、リールの名称(ID)表示76(「FE10001」、「FE10002」)が表示されるので、操作キー部62の操作によって無線接続したい電動リール100を選択設定する。なお、ここで選択設定された電動リール100の機種名(ID)の名称表示76(「FE10000」)等の情報は、釣り情報表示装置60の記憶部63に自動的に記憶され、次回のリール設定のときには前回接続した電動リール100の機種名(ID)の名称表示76(「FE10000」)が優先的(番号「1」)に表示されるようになっている。ここでは、S104で電動リール100が設定されると、S103に移行し、その他の設定処理が行われる。S103のその他の設定処理では、続く表示処理(図12参照)で表示モードがオープニング画面を表示するように設定される。また、仕掛けの水深データD1の補正計数Kが1にセットされる。
【0035】
ステップS2では、魚群探知機120からの魚探データ(具体的には、釣り場の海底の水深及び棚位置のエコーデータD2、D3)が受信しているか否かを判断する。魚探データを受信できない場合は受信できるまで待機する。魚探データを受信している場合は、ステップS3に移行して、受信した魚探データD1〜D3を取り込み、記憶部61に格納する。ステップS4では、電動リール100が接続されているか否かを判断する。電動リール100が接続されていない場合は、ステップS5に移行し、電動リール100が接続されていないことを示すフラグNCをオンする。電動リール100が接続されている場合は、ステップS4からステップS6に移行してフラグNCをオフする。ステップS7では、電動リール100から送信される仕掛けの水深データD1を取り込む。
【0036】
ステップS8では、表示処理を行う。この表示処理では、オープニング画面に加えて電動リール100から得られた水深データや魚群探知機120からの魚探データを表示する魚探画面と、各種の設定を行うメニュー画面とに切り換わる。ステップS9では、操作キー部62が操作されたか否かを判断する。ステップS10では、電動リール100に送信する送信要求があったか否かを判断する。ステップS10ステップS4では、たとえば、隠しコマンドによるメンテナンス処理などのその他の処理が選択されたか否かを判断し、その判断が「No」の場合、ステップS2に戻る。操作キー部62が操作された場合は、ステップS9からステップS12に移行し、後述するキー入力処理を行う。送信要求があった場合は、ステップS10からステップS13に移行し、後述するメニュー処理で設定された設定データを無線通信部64を介して電動リール100に送信する。他の処理が選択されるとステップS11からステップS14に移行し、指定された他の処理を実行し、ステップS2に戻る。
【0037】
ステップS8の表示処理では、図13のステップS21において、まず、バックライト表示処理を行う。バックライト表示処理では、図15のステップS71において、蓄電池等の外部電源が接続されているか、乾電池等の内部電源のいずれが接続されているか判断する。S71で蓄電池等の外部電源が接続されていると判断されると、S76に移行し、光センサ65により検出された光量が15ルクス以上であるか否かが判断される。S76で光センサ65により検出された光量が15ルクス以上であると判断されると、S78に移行し、バックライト51bの輝度が最大輝度である100%になるように設定される。S76で光センサ65により検出された光量が15ルクス未満であると判断されると、S77に移行し、バックライト51bの輝度が最大輝度の70%になるように設定される。S77、S78の輝度設定が行われると、S74に移行し、S77、S78で設定された輝度になるようにバックライト51bが表示され、図13に示す表示処理のサブルーチンに戻る。
【0038】
図15のステップS71において、乾電池等の内部電源が接続されていると判断されると、S72に移行し、光センサ65により検出された光量が15ルクス以上であるか否かが判断される。S72で光センサ65により検出された光量が15ルクス以上であると判断されると、S75に移行し、バックライト51bの輝度が最大輝度の70%になるように設定される。S72で光センサ65により検出された光量が15ルクス未満であると判断されると、S73に移行し、バックライト51bの輝度が最大輝度の50%になるように設定される。S73、S75の輝度設定が行われると、S74に移行し、S73、S75で設定された輝度になるようにバックライト51bが表示され、図13に示す表示処理のサブルーチンに戻る。
【0039】
図13のステップS21のバックライト表示処理が行われると、オープニング画面か設定されたか否かを図13のステップS22で判断する。次に、オープニング画面か設定されたか否かを図13のステップS22で判断する。このオープニング画面は電源コード13が接続されて電源が投入されると一度だけ表示される。ステップS23では、画面切換ボタン52によりメニュー画面が設定されたか否かを判断する。ステップS24では、画面切換ボタン52により魚探画面が選択されたか否かを判断し、魚探画面が設定されていない場合は、図12に示すメインルーチンに戻る。
【0040】
オープニング画面が設定されている場合には、ステップS22からステップS25に移行してオープニング画面を表示する。メニュー画面が設定されている場合は、ステップS23からステップS26に移行する。ステップS26では、図9、図10に示すメニュー画面を表示部51に表示する。このメニュー画面では、画面の左上に魚群探知機120から出力される電波の受信状態71を表示する。なお、この電波の受信状態71は、アンテナマークと3本線とで表示され、この表示は全ての表示モードで表示される。その右側には現在時刻を表す時計表示72をデジタル数字で表示する。さらに画面の右上には、乾電池等の内部電源の残量表示73を電池を模した図形で表示する。残量表示73は、乾電池等の内部電源の残量が最大であるときには3個の矩形部が塗りつぶされて表示され、残量が減少するにつれて2個の矩形部、1個の矩形部、0個の矩形部のように塗りつぶされている部分が減少するようになっている。受信状態71、時計表示72の下には、釣り情報表示装置60の各種のモードの設定項目77(具体的には、図9及び図10に示すように、さそい、さそい幅、底拡大、位置補正、ボトムライン、背景色及びシカケ軌跡)及びその設定内容78(OFF、ON)が階層的にメニュー表示され、さらに、電動リール100の各種のモードの設定項目77(具体的には、図18に示すように、棚停止、オートさそい、糸送り、上底切替、仕掛回収、巻上回数、巻上時間、時計、デモ画面)及びその設定内容78(OFF、ON)が階層的にメニュー表示されている。電動リール100の設定内容は、電動リール100で設定された場合には、そのデータを受信してその内容がメニュー画面の設定内容に反映されるようになっている。これらの設定項目及び設定内容は、カーソルボタン53により選択され、決定ボタン54により設定内容が確定する。ここで、図18に示す仕掛回収とは、仕掛けを回収する、すなわち船縁停止までどれくらいの時間がかかるか秒単位で表示する機能である。巻上回数とは、本日の巻き上げ回数、すなわち船縁停止まで巻き上げた回数を表示する機能である。巻上時間とは、モータ4が駆動している時間の合計時間を表示する機能である。時計とは、前述した現在時刻を表す時計表示72に表示する時間を設定する機能である。ここで、図9及び図10に示す位置補正は、電動リールから得られた仕掛けの水深データを補正したいときに設定される。また、シカケ軌跡は、仕掛けの水深データの時系列的な変化の軌跡を表示したいときに設定される。
【0041】
魚探画面が設定されている場合には、ステップS24からステップS27に移行する。ステップS27では、フラグNCにより電動リール100が接続されているか否かを判断する。電動リール100が接続されている場合には、ステップS27からステップS28に移行する。電動リール100が接続されていない場合には、ステップS27からステップS36に移行し、S37において、メニュー画面と同様に魚群探知機120からの電波の受信状態71をアンテナマークと3本線とで画面の左上部に表示する。
【0042】
図13のステップS28では、図11示すような魚探画面を表示する。ステップS28では、画面の右端に水深のスケールSCを表示するとともに、スケールSCの右横に、電動リール100から得られた仕掛けの水深データD1に補正係数Kを乗算した値(K×D1)を、たとえば、仕掛けをシンボル化した針の図形で水深に応じた位置に表示する。なお、この実施形態では、補正前は補正係数が1にセットされているので補正前の水深データを表示していることになるが、補正を行う前は仕掛けの水深データDをそのまま表示し、補正を行った後は補正された水深データK×D1を表示するようにしてもよい。
【0043】
また、魚群探知機120から受信した海底の水深データD2及び棚位置の水深データD3をエコーデータの画像でスケールSCの左側の水深に応じた位置に時系列的に表示する。さらに、海底の水深データD2の数値D2nを画面左下に表示するとともに、画面の左上に水深データD1の数値D1nも表示する。さらに、棚タイマー(棚位置を自動設定するために設定される仕掛けの静止時間)の値も数値D1nの下に表示される。ステップS29では、メニュー画面と同様に魚群探知機120からの電波の受信状態71をアンテナマークと3本線とで画面の左上部に表示する。ステップS30では、仕掛けの軌跡の表示設定がオンになっているか否かを判断する。この設定は、シカケ軌跡がオンになっているか否かにより判断する。シカケ軌跡表示がオンになっている場合にはステップS31に移行する。ステップS31では、図12に示すように仕掛けの水深データD1の時系列的な変化である仕掛けの軌跡をドット表示する。ステップS32では、さそいモードのさそい幅をスケールSCの右側にハッチングで示すように表示する。この表示はさそいモードがオフの場合は表示されない。ステップS33では、図16に示すボトムライン表示処理を行う。ステップS34では、図17に示す拡大縮小表示処理を行う。ステップS35では、その他の表示を行う。
【0044】
図16のボトムライン表示処理は、図4に示す底画像80の境界となるボトムライン81を表示する処理である。ボトムライン81は、魚群探知機120の反射波の反応が最も強い底部分を示す水底情報であって、反射波の反応が弱い藻等(たとえば赤色や黄色で表されている)の情報を除いた真の底部分を強調表示するものである。ボトムライン81は、底位置を示す数値情報をグラフ化したラインであって、たとえば太線表示(幅広表示)にしたり、水底情報をグラフ化したラインの色を他の画像(赤色や黄色)や背景色(黒色や青色)と異なる色、たとえば白色にしたりすることで強調表示している。ここでは、まず、図16のS81において、ボトムライン81を表示するモードになっているか否かが判断される。具体的には、図9に示すモード設定画面において、釣り情報表示装置60のボトムラインの設定項目77の設定内容78が「ON」になっているときには、S81でボトムライン81を表示するモードになっていると判断される。S81において、ボトムライン81を表示するモードになっていると判断されると、S82に移行し水底情報、すなわちラインを描画する位置を読み込む。S83では、ラインは幅をたとえば太線表示に設定し、S84では、ラインの色をたとえば背景色が黒色や青色である場合には白色に設定する。なお、S84では、背景色が白色である場合には、ラインの色を黒色に設定する。そして、S85において、S83で読み込まれた位置に幅広の白色ラインがボトムライン81として表示される(図4参照)。一方、図10に示すモード設定画面において、釣り情報表示装置60のボトムラインの設定項目77の設定内容78が「OFF」になっているときには、S81でボトムライン81を表示するモードになっていないと判断され、図11に示す底画像80のみが表示される。
【0045】
図17の拡大縮小表示処理は、図4から図6に示すように、操作キー部62のカーソルボタン53の上ボタン53aまたは下ボタン53b(図3参照)を押圧操作する回数に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部51に拡大・縮小表示する処理である。ここでは、まず、図17のS91において、上ボタン53aが1回押圧操作されたか否かを判断する。上ボタン53aが1回押圧操作されると、S94に移行し1段階拡大する設定にする。ここで、1段階の拡大とは、水深のスケールSCが通常画面(図4参照)が0mから100mの範囲であるとすると、たとえば水深のスケールSCが0mから90mの範囲となるように水深方向に拡大することである。たとえば、上ボタン53aが3回押圧操作されると(3段階の拡大)、水深のスケールSCが0mから70mの範囲に拡大され(図5参照)、上ボタン53aが5回押圧操作されると(5段階の拡大)、水深のスケールSCが0mから50mの範囲に拡大される(図6参照)。ここでは、たとえば10段階の拡大縮小が可能である。S91において、上ボタン53aが1回押圧操作されていないと判断されると、S92に移行し下ボタン53bが1回押圧操作されたか否かを判断する。下ボタン53bが1回押圧操作されると、S95に移行し1段階縮小する設定にする。S92において、下ボタン53bが1回押圧操作されていないと判断されると、S93に移行し左ボタン53cまたは右ボタン53dが1回押圧操作されたか否かを判断する。左ボタン53cまたは右ボタン53dが1回押圧操作されると、S96に移行し今までに拡大または縮小した設定をリセットし図4に示す通常画面を表示する。なお、この釣り情報表示装置60では、従来と同様の拡大表示と前述の拡大縮小表示とを切り換えて表示させることが可能である。
【0046】
図12のステップS9において、操作キー部62のいずれかのボタンが操作されるとステップS9からステップS12に移行して図14に示すキー入力処理を実行する。キー入力処理では、図14のステップS41で画面切換ボタン52が操作されたか否かを判断する。ステップS42では、カーソルボタン53が操作されたか否かを判断する。ステップS53では決定ボタン54が操作されたか否かを判断する。ステップS4では、さそいオンオフボタン55が操作されたか否かを判断する。ステップS45ではオンオフボタン56が操作されたか否かを判断する。
【0047】
画面切換ボタン52が操作されると、ステップS41からステップS50に移行する。なお、ステップS50には記載していないが、電動リール100のモータ22が回転している場合は、この画面切換ボタン52のキー入力は無効になる。これは巻き上げ中は、画面を切り換えできないようにするためである。ステップS50では、オープニング画面が設定されているか否かを判断する。オープニング画面が設定されている場合はステップS51に移行して表示モードをメニュー画面に設定する。これによりステップS8の表示処理でメニュー画面が表示される。オープニング画面が設定されていない場合には、ステップS52に移行してメニュー画面が設定されているか否かを判断する。メニュー画面が設定されている場合にはステップS53に移行して表示モードを魚探画面に設定する。これによりステップS8の表示処理で魚探画面が表示される。メニュー画面が設定されていない場合には、表示モードをメニュー画面に設定する。これらの処理が終わるとステップS42に移行する。
【0048】
カーソルボタン53が操作されるとステップS42からステップS55に移行する。ステップS55では、操作されたカーソルの方向に応じてメニュー画面において設定項目や設定内容でカーソルをひとつずつ移動させる。
【0049】
決定ボタン54が操作されるとステップS43からステップS56に移行する。ステップS56では、魚探画面か否かが判断される。魚探画面であると判断するとステップS57に移行する。ステップS57では、位置補正が設定されている(オンされている)か否かを判断する。位置補正が設定されている場合には、ステップS58に移行して位置補正を行う。ここでは、魚探画面のときに決定ボタン54を操作すると補正開始信号が出力されて補正処理が行われる。
【0050】
通常、この操作は、釣人が仕掛けを底まで下ろす底取りをしたときに、図14に示すように、仕掛けの水深データD1が実際の海底データD2と大きく変化して表示に矛盾が生じた場合に行われる。図14に示す例では実際の海底の水深は73メートルであるのに対して、海流などの影響により仕掛けが回転に到達したときに釣り糸は85m繰り出されたことを示している。このような状況で釣人が決定ボタン54を操作すると、ステップS56を経由してステップS57に移行し、このタイミングで受信した実際の海底の水深データD2を仕掛けの水深データD1で除算して補正係数Kを算出する。この補正係数Kが表示処理で水深データD1に乗算される。たとえば、図14に示す例では、補正係数が73/85になり、仕掛けの水深データD1は、その後は次の補正処理が行われるまでこの補正係数Kを乗算して表示される。この結果、図形表示された水深データD1や数値表示のデータD1nが補正されて補正水深データになる。なお、電源コード13が抜かれて電源が遮断されると補正係数は初期設定で1にセットされる。また、電動リール100側ではこのような補正処理は行われない。これは、電動リール100でこのような補正を行うと、釣り糸を巻き取る際に船縁停止位置などが補正分だけずれるからである。したがって、この補正はあくまでも釣り情報表示装置60だけで行われる。
【0051】
ステップS56で位置補正がオフしていると判断すると、ステップS44に移行する。魚探画面ではないと判断すると、ステップS56からステップS59に移行する。ステップS59ではカーソルで選択された設定項目の内容を決定して記憶部45にセットする。ステップS60では設定項目が電動リール100に関するものか否か、つまり電動リール100に送信する必要があるか否かを判断する。送信する必要がある場合は、決定された設定を送信するような送信要求を出力する。これにより、ステップS13で電動リール100に設定データが送信される。
【0052】
さそいオンオフボタン55が操作されるとステップS4からステップS62に移行する。ステップS62では、モータ22を設定されたさそい幅でオンオフするような送信要求を出力する。
【0053】
オンオフボタン56が操作されるとステップS45からステップS63に移行する。ステップS63では、表示部51がオンしているか否かを判断する。表示部51がまだオンしていない場合には、ステップS64に移行して表示部51をオンする。表示部51がすでにオンしている場合にはステップS65に移行して表示部51をオフする。
【0054】
この釣り情報表示制御部60では、操作キー部62の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部51に釣人が所望する拡大率となるように拡大・縮小表示することにより、釣人が所望する拡大率となる表示を簡単に行える。さらに、ここでは、水中に関する釣り情報を画面上部の水面を基準として表示部51に拡大・縮小表示するようになっているので、底の水深が浅く画面の中程に水底が表示されているときには(図4参照)、画面上部の水面を基準として底の水深を表示部51に拡大表示させることによって、底の水深を画面の下部に配置させることができる(図5、図6参照)。このため、釣人が所望する魚群の画像(D3)を画面の中程に確実に表示させることができる(図5、図6参照)。したがって、操作キー部62の所定の操作に応じて水中に関する釣り情報を水面を基準として表示部51に拡大・縮小表示することによって、釣人が所望する画像を簡単かつ確実に表示できる。
【0055】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、釣り情報表示制御部60に魚群探知機120と電動リール100との両方の情報を表示させていたが、魚群探知機120からの情報のみを表示させてもよい。また、釣り情報表示制御部60、電動リール100、魚群探知機120との接続はそれぞれ無線通信を行うことで接続していたが、いずれかの接続を有線接続にしてもよい。
【0056】
(b) 前記実施形態では、下ボタン53bまたは上ボタン53aの押圧回数に応じて拡大縮小表示を行っていたが、下ボタン53bまたは上ボタン53aを押圧時間に応じて滑らかに拡大縮小表示するようにしてもよい。
【0057】
(c) 前記実施形態では、水深のスケールSCが0mから100mの範囲を最小として10段階の拡大縮小が可能であったが、拡大縮小の範囲や段階はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣り情報表示システムのブロック図。
【図2】電動リールと釣り情報表示装置との接続例を示す斜視図。
【図3】前記釣り情報表示装置の正面図。
【図4】ボトムラインを表示させたときの表示画面を示す図。
【図5】3段階拡大表示させたときの図4に相当する図。
【図6】5段階拡大表示させたときの図4に相当する図。
【図7】リール名設定画面を表示させたときの表示画面を示す図。
【図8】船名設定画面を表示させたときの表示画面を示す図。
【図9】ボトムライン設定画面(ON設定)を表示させたときの表示画面を示す図。
【図10】前記ボトムライン設定画面(OFF設定)を表示させたときの表示画面を示す図。
【図11】前記ボトムラインを表示させていないときの図4に相当する図。
【図12】情報表示制御部のメインルーチンの制御内容を示すフローチャート。
【図13】表示処理サブルーチンの制御フローチャート。
【図14】キー入力サブルーチンの制御フローチャート。
【図15】バックライト表示サブルーチンの制御フローチャート。
【図16】ボトムライン表示サブルーチンの制御フローチャート。
【図17】拡大縮小表示サブルーチンの制御フローチャート。
【図18】仕掛回収時間表示設定画面(OFF設定)を表示させたときの表示画面を示す図。
【図19】初期設定サブルーチンの制御フローチャート。
【符号の説明】
【0059】
51 表示部
51a 液晶ディスプレイ
51b バックライト
52〜56 ボタン
60 釣り情報表示装置
61 情報表示制御部
62 操作キー部
100 電動リール
120 魚群探知機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚群探知機で生成された水中に関する釣り情報を表示可能な釣り情報表示装置であって、
前記魚群探知機で生成された水中に関する釣り情報を受信する釣り情報受信手段と、
前記釣り情報受信手段によって受信した前記水中に関する釣り情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示を変更する表示変更操作部と、
前記表示変更操作部の所定の操作に応じて、前記水中に関する釣り情報を水面を基準として前記表示部に拡大・縮小表示する表示変更手段と、
を備えた釣り情報表示装置。
【請求項2】
前記表示変更操作部は、前記水中に関する釣り情報を前記表示部に拡大表示する表示拡大操作部と、前記水中に関する釣り情報を前記表示部に縮小表示する表示縮小操作部とを有している、請求項1に記載の釣り情報表示装置。
【請求項3】
前記表示拡大操作部及び前記表示縮小操作部は、上下に並べて配置されている、請求項2に記載の釣り情報表示装置。
【請求項4】
前記表示変更手段は、前記表示変更操作部の所定の操作を行う回数に応じて、前記水中に関する釣り情報の拡大率・縮小率が増減するように、前記表示部に拡大・縮小表示する、請求項1から3のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置。
【請求項5】
前記表示変更操作部の所定の操作によって、前記表示部に拡大・縮小表示された前記水中に関する釣り情報を、前記表示部に通常表示させる表示リセット変更手段をさらに備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置。
【請求項6】
前記表示変更操作部は、前記水中に関する釣り情報を前記表示部に通常表示する表示リセット操作部を有している、請求項5に記載の釣り情報表示装置。
【請求項7】
前記釣り情報受信手段は、釣竿に装着可能な釣り用リールで生成されたリールに関する釣り情報をさらに受信し、
前記表示部は、前記釣り情報受信手段によって受信した前記リールに関する釣り情報をさらに表示する、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−178121(P2009−178121A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21633(P2008−21633)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】