Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
鉄吸収増進のための方法および組成物
説明

鉄吸収増進のための方法および組成物

本発明は、一般に、患者における鉄吸収を増進するために有用な方法および組成物に関する。本発明の方法および組成物は、患者の鉄吸収を促進および/または維持するために単独で使用してよく、鉄欠乏が関与する1以上の疾病の治療に用いられる1以上の他の組成物と組み合わせて使用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2004年12月22日出願の米国特許出願第11/020801号の部分継続としての優先権を主張し、該出願の開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、一般に、患者における鉄吸収増進のための方法に関する。本発明はまた、一般に、それらの方法で使用される、患者における鉄吸収増進のための組成物に向けられる。本発明の組成物は、患者における鉄吸収を促進および/または維持するために単独で使用してよいし、鉄欠乏が関与する1以上の疾病の治療に用いられる1以上の他の組成物と組み合わせて使用してもよい。
【0003】
発明の背景
鉄は、ヒトおよび他の動物の双方において、組織成長に必須のミネラルである。通常、鉄は食餌から充分に得られるが、食物から充分な量の鉄が吸収されるとは限らない。腸管粘膜細胞中の2つのたんぱくが、体が食物から鉄を吸収するのを手伝う。粘膜フェリチンと呼ばれる1つのたんぱくは、腸管から鉄を受け取って、その鉄を粘膜細胞に貯蔵する。体が鉄を必要とするとき、粘膜フェリチンは、粘膜トランスフェリンと呼ばれるもう1つのたんぱくに、一部の鉄を解放する。粘膜トランスフェリンは、血液トランスフェリンと呼ばれる血中のキャリアに鉄を渡し、血液トランスフェリンは、体の他の部位に鉄を運搬する。
【0004】
低pHにおいて、鉄は可溶である。よって、pHの考慮に基づけば、腸の近位十二指腸領域の酸性環境において、最適な鉄吸収が起きるように見える。食餌中からまたは経口補給で摂取した鉄が胃に達すると、種々の細粒体に見られるフィチン酸塩などの食物中物質と結合し得る。そのような食物中物質と結合した鉄は、小腸における鉄吸収を阻害しまたは低下させる。小腸の粘膜内層は、「絨毛」と呼ばれる指状の突起を含んでいる。絨毛は、絨毛裂にて形成され絨毛頂に向かって移動する細胞によって裏打ちされている。絨毛頂に近い腸細胞は、鉄の活発な吸収場所である。鉄が食物中物質と結合すると、結合鉄は小腸の腸細胞による吸収に利用されないので、小腸における鉄吸収は阻害される。
【0005】
鉄が腸管腔から小腸腸細胞内に一旦運搬されると、鉄は不安定な鉄プールを形成し、次いで、鉄プールから側底膜を横切って血流中に運搬される。不安定な鉄プールの程度が、小腸腸細胞によって吸収される鉄の量を調節する。不安定な鉄プールが拡大するにつれて、小腸腸細胞によって腸管腔から吸収される鉄の量、および側底膜を横切って血液循環に運搬される鉄の量は、減少する。
【0006】
鉄過剰およびこれによる鉄毒性が防止される主たる機構は、小腸腸細胞が重要な役割を果たす非常に厳しく規制された吸収過程を介している。小腸腸細胞は鉄の運搬および貯蔵を調整する。小腸腸細胞の不安定な鉄プールにおける鉄が側底膜を横切って運搬されなければ、運搬されない鉄は、腸細胞が数日後に剥離するときに、失われる。これが、吸収されなかった鉄を体が排泄する主たる機構である。
【0007】
鉄欠乏、特に鉄欠乏性貧血の治療のために、19世紀後半から鉄含有製剤が利用されてきた。たとえば、経口硫酸第一鉄は、大多数の患者において、安全で安価で有効な、鉄貯蔵を補給する手段であると考えられているため、食餌による鉄補給の標準的な選択肢となっている。しかしながら、摂取された硫酸第一鉄の約5〜25%が吸収されるに過ぎない。従来の研究はしばしば、初期の鉄吸収データを長い期間に対して外挿していた。しかし、鉄吸収は長期間にわたって一定ではない。鉄吸収率は、使用される鉄化合物にかかわらず、促進剤を伴うときも伴わないときも、毎日の鉄補給の最初の20日後に、吸収の顕著な低下を示すように見える。従来から認められている15%という平均鉄吸収率は、鉄補給第1日〜第20日に対してのみ正確であるように見える。第21日〜第30日については、硫酸第一鉄補給剤の平均鉄吸収率は、公開されたデータにおいては、5.1%に低下している。Halberg L, Norrby A, Solvell L., "Oral Iron with Succinic Acid in the Treatment of Iron Deficiency Anemia," Scand. J. Haematol, 第8巻, 第104−11頁(1971年)を参照されたい。したがって、患者における鉄吸収率を効果的に増進および/または維持する組成物が必要とされている。
【0008】
発明の要約
本発明は、一般に、患者における鉄吸収を向上させる方法に向けられている。この方法は、患者における鉄吸収を促進および/または維持するために単独で使用してよいし、鉄欠乏が関与する1以上の疾病の治療に用いられる1以上の他の方法または組成物と組み合わせて使用してもよい。
【0009】
一実施形態において、本発明は患者における鉄吸収向上の方法に向けられる。この方法は、少なくとも2つの鉄吸収促進剤を、それを必要とする患者に投与することを含んでいる。具体的な実施形態では、鉄吸収促進剤の少なくとも1つは、患者の腸管腔内での鉄吸収を向上させるために選択され、鉄促進剤の少なくとも1つは、全身性鉄吸収を向上させるために選択される。他の具体的な実施形態では、第1の鉄吸収促進剤は、患者に経口投与されたときの即時放出のために調製され、第2の鉄吸収促進剤は、患者に経口投与されたときの持続放出のために調製される。
【0010】
他の実施形態において、本発明は患者における鉄吸収向上の方法に向けられる。この方法は、ビタミンC活性を有する化合物を含む第1の鉄促進剤を、それを必要とする患者に投与することと、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含む第2の鉄促進剤を、それを必要とする患者に投与することとを含む。この方法はさらに、患者への組成物の経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の鉄促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の鉄促進剤が溶解するような、持続放出のために第2の鉄促進剤が調製されることを特徴とする。
【0011】
本発明は、患者における鉄吸収を増進させるために有用な組成物にも、部分的に向けられる。一実施形態では、組成物は2つ以上の鉄吸収促進剤を含み、鉄吸収促進剤の少なくとも1つは、腸管腔内での鉄吸収を向上させるために選択され、鉄促進剤の少なくとも1つは、組成物が患者に経口投与されたときに、全身性鉄吸収を向上させるために選択される。
【0012】
他の実施形態においては、本発明は、患者における鉄吸収を増進するための組成物に向けられる。この組成物は、少なくとも2つの鉄吸収促進剤を含み、第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与時の即時放出のために調製され、第2の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与時の持続放出のために調製される。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、約5mg〜約500mgの第1の鉄吸収促進剤と約5mg〜約500mgの第2の鉄吸収促進剤とを含む組成物に向けられる。この組成物はさらに、患者への組成物の経口投与後約180分未満で、実質的に全ての第1の鉄吸収促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の鉄促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の鉄促進剤が溶解することを特徴とする。
【0014】
他の実施形態において、本発明は患者における鉄吸収を向上させるための組成物に向けられる。この組成物は、ビタミンC活性を有する化合物を含む第1の鉄促進剤と、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含む第2の鉄促進剤とを含む。この組成物はさらに、患者への組成物の経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の鉄促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の鉄促進剤が溶解するような、持続放出のために第2の鉄促進剤が調製されることを特徴とする。
【0015】
他の実施形態において、本発明は、本明細書に記載する組成物の有効量を、それを必要とするヒトに経口投与することによって、ヒトにおける鉄欠乏関連疾病または障害を治療する方法に向けられる。
【0016】
さらにまた、本発明は薬剤キットに向けられる。このキットは、ヒトへの投与によって腸管腔での鉄吸収を向上させるように選択された第1の鉄吸収促進剤の原料と、ヒトへの投与によって全身性鉄吸収を向上させるように選択された第2の鉄吸収促進剤の原料とを含み、これらの鉄吸収促進剤の原料は治療上の有効量でキット中に存在する。
【0017】
本発明のさらなる応用範囲は、本明細書を読むことによって当業者に明らかになるであろう。詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態を示すものであるが、例示のみを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないと理解すべきである。
【0018】
発明の詳細な説明
この詳細な説明は、当業者に本出願人の発明、その原理、および実用的応用を知ってもらうことのみを意図したものであり、よって、当業者は、特定の使用における必要性に最も適するであろう様々な形態で本発明を適用および応用してかまわない。この記載およびこの記載における具体的な実施例は、例示目的のみを意図したものである。したがって、本発明は、本出願に記載された実施形態には限定されず、種々変更し得る。
【0019】
本発明に従って、出願人は、2以上の鉄吸収促進剤の投与によって、患者による鉄吸収の量が向上または増進し得ることを発見した。たとえば、特定の理論にとらわれることなく、相互に補完し、加算的または非競合的な少なくとも2つの作用様式を有する異なる2つの促進剤を投与することで、患者によって吸収される鉄の量における相乗効果が達成され得ることが判った。具体的には、出願人は、少なくとも1つの鉄吸収促進剤を、それを必要とする患者に投与して、腸の近位十二指腸領域における鉄吸収を増進し、少なくとも1つの別の鉄吸収促進剤を投与して全身性鉄吸収を増進することで、患者によって吸収される鉄の量を向上させ得ることを実証した。
【0020】
前述のように、pH指示薬は、腸の近位十二指腸領域における酸性環境で最適な鉄吸収が生じることを示している。食餌中からまたは経口補給で摂取した鉄が胃に達すると、鉄は種々の細粒体に見られるフィチン酸塩などの食物中物質と結合し得る。そのような食物中物質と結合した鉄は、結合鉄は小腸腸細胞による吸収には利用されないので、小腸における鉄吸収を阻害しまたは低下させる。しかしながら、鉄吸収促進剤が存在するときは、鉄吸収促進剤が競合的に鉄に結合して、フィチン酸塩と結合することから鉄を保護する。また、酸性の鉄吸収促進剤(つまり還元剤として作用するもの)の使用は、最適な鉄吸収にとって有利な、腸の近位十二指腸領域におけるpH条件を維持するために有益である。
【0021】
鉄が腸管腔から小腸腸細胞内に一旦運搬されると、鉄は不安定な鉄プールを形成し、次いで、鉄プールから側底膜を横切って血流中に運搬される。不安定な鉄プールの程度が、小腸腸細胞によって吸収される鉄の量を調節する。不安定な鉄プールが拡大するにつれて、小腸腸細胞によって吸収される鉄の量、および側底膜を横切って血液循環に運搬される鉄の量は、減少する。よって、第2の全身性鉄吸収促進剤は、小腸腸細胞によって既に吸収された鉄の、腸管粘膜細胞の側底細胞膜への運搬を向上させることによって、鉄吸収をさらに向上させるかもしれない。
【0022】
このように、腸管腔での鉄吸収を向上させる(すなわち、小腸腸細胞に追加の鉄を効果的に「押し込む」)とともに、全身性鉄吸収を向上させる(すなわち、側底細胞膜を横切って追加の鉄を効果的に「引っ張る」)鉄吸収促進剤の組合せを投与することで、患者における鉄吸収全体が向上し得ることが判った。したがって、一実施形態において、本発明の方法は、少なくとも2つの鉄吸収促進剤を、それを必要とする患者に投与することを含み、鉄吸収促進剤の少なくとも1つは、患者の腸管腔内での鉄吸収を向上させるために選択され、鉄吸収促進剤の少なくとも1つは、全身性鉄吸収を向上させるために選択される。
【0023】
他の実施形態において、本発明の方法は、少なくとも2つの鉄吸収促進剤を、それを必要とする患者に投与することを含み、第1の促進剤は、患者への投与時の即時放出のために調製され、第2の促進剤は、患者への投与時の持続放出のために調製される。本明細書で使用されるとき、「即時放出」のための鉄吸収促進剤とは、実質的に全ての促進剤が、ヒトへの経口投与後約20分未満で溶解するように調製される鉄吸収促進剤を指す。具体的な実施形態では、実質的に全ての「即時放出」の促進剤は、ヒトへの経口投与後約15分未満で、約10分未満で、または1分未満で溶解する。
【0024】
同様に、「持続放出」のために調製される鉄吸収促進剤とは、本明細書では、実質的に全てには達しない持続放出の促進剤が、患者への投与後約20分以内に溶解し、実質的に全ての持続放出の促進剤が、患者への組成物の投与後約48時間未満で溶解するように調製される鉄吸収促進剤を指す。具体的な実施形態では、実質的に全てには達しない「持続放出」の促進剤は、患者への組成物の投与後約45分以内に、約90分以内に、または、約180分以内に溶解する。他の実施形態では、持続放出の鉄吸収促進剤は、実質的に全てには達しない持続放出の促進剤が、患者への組成物の投与後約8時間以内に溶解し、実質的に全ての持続放出の促進剤が、患者への組成物の投与後約24時間未満で溶解するように調製される。
【0025】
本発明で使用される好適な鉄吸収促進剤の例には、これらに限定されるわけではないが、アスコルビン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、アスコルビン酸誘導体、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、ビタミンC活性を有する化合物、マンニトール、ソルビトール、キシロース、イノシトール、果糖、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、カルシウム、銅、モリブデン酸ナトリウム、アミノ酸、および、これらの組合せが含まれる。
【0026】
一実施形態において、即時放出のために調製される管腔すなわち第1の鉄吸収促進剤は、アスコルビン酸または他のビタミンC活性を有する化合物を含む。本明細書で使用されるとき、「ビタミンC活性を有する化合物」には、ビタミンC(すなわち、L-アスコルビン酸)、および、標準ヨウ素滴定試験によって決定されるアスコルビン酸活性を示すアスコルビン酸のあらゆる誘導体または代謝体が含まれる。アスコルビン酸の好適な誘導体には、たとえば、デヒドロアスコルビン酸などの酸化生成物、および、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛などのアスコルビン酸の食用塩が含まれる。アスコルビン酸の好適な代謝体には、たとえば、アルド-ラクトン、ならびに、L−トレオン酸、L-キシロン酸およびL-リキソン酸を含むアルドン酸の食用塩が含まれる。
【0027】
本発明での使用のためのアスコルビン酸の好適な形態は、アスコルビン酸カルシウムなどの緩衝ビタミンC製剤である。アスコルビン酸カルシウムの特定の形態は、米国特許第4822816号および第5070085号に開示されているEster C(登録商標、アリゾナ州プレスコットのZila Nutraceuticals社から市販されている)であり、上記特許の内容全体はいずれも参照によって本明細書に組み込まれる。
【0028】
他の実施形態において、持続放出のために調製される全身性すなわち第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含む。
【0029】
さらに他の実施形態において、管腔すなわち第1の鉄吸収促進剤はアスコルビン酸を含み、全身性すなわち第2の鉄吸収促進剤はコハク酸を含む。アスコルビン酸は、経口投与によってのみ、胃腸系での鉄吸収を増進することが判明している点に、留意することが重要である。胃腸系での鉄吸収は、アスコルビン酸の静脈内投与では向上しない。しかしながら、コハク酸は、経口および非経口の投与の双方において、胃腸系での鉄吸収を増進することが判明した。したがって、一実施形態において、本発明の方法は、即時放出のための管腔すなわち第1の鉄吸収促進剤を経口で患者に投与し、全身性すなわち第2の鉄吸収促進剤を経口外で患者に投与することを含む。
【0030】
本発明の組成物の鉄吸収促進剤は、1回当たり約5mg〜約500mg、より好ましくは約100mg〜約500mg、最も好ましくは約150mg〜約500mgの有効量で独立に提供されて、以下でより詳細に説明するように、鉄吸収を促進する。小児用に開発される製品の場合、鉄吸収促進剤の有効量は、幼児および子供にとって安全と考えられるレベルに引き下げられるであろう。小児への適用のための有機酸またはその組合せの1以上の形態の有効量は、体重1キログラム、1回当たり約0.50mgの鉄吸収促進剤にまで低くなるかもしれない。
【0031】
管腔および全身性鉄吸収促進剤は、単一の組成物としてまたは薬剤キットとして提供され、全身性促進剤に対する管腔促進剤のモル比は通常1〜1.5である。よって、本発明の組成物の具体的な実施例は、1回当たり約25mg〜約500mgの管腔促進剤としてのアスコルビン酸の1以上の形態と、約25mg〜約500mgの全身性促進剤としてのコハク酸の1以上の形態とを含む。
【0032】
本発明の方法は、さらに、1以上の鉄の原料を患者に投与することを含んでもよい。同様に、本発明の組成物は、さらに、少なくとも1つの鉄の原料を含んでもよい。鉄の好適な原料には、薬学的に容認されるあらゆる鉄化合物が含まれ、たとえば、鉄(II)塩もしくは鉄(III)塩、または金属形態の鉄(たとえば、カルボニル鉄)が含まれる。好適な鉄化合物の例には、これらに限定されるわけではないが、フマル酸第一鉄、硫酸第一鉄、葉酸第一鉄、鉄デキストラン、オキシ水酸化第二鉄デキストラン、鉄のキトサン誘導体、鉄のオリゴ糖誘導体、アセチルサリチル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、二リン酸第一鉄、カルボニル鉄、正リン酸第二鉄、硫酸第一鉄グリシン、塩化第一鉄、クエン酸第一鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄アンモニウム、酒石酸第二鉄アンモニウム、リン酸第二鉄、酒石酸第二鉄カリウム、アルブミン酸第二鉄、カコジル酸第二鉄、水酸化第二鉄、ピロリン酸第二鉄、クエン酸第二鉄キニーネ、吉草酸第二鉄、糖酸化酸化鉄、酸化鉄、塩化第二鉄、ヨウ化第一鉄、硝酸第一鉄、グリセロリン酸第一鉄、ギ酸第一鉄、アミノ酸鉄塩、たんぱく加水分解物鉄塩、乳酸第一鉄、酒石酸第一鉄、コハク酸第一鉄、グルタミン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、ピロリン酸第一鉄、コリンイソクエン酸第一鉄、炭酸第一鉄、鉄-糖-カルボキシレート錯体、ショ糖酸-リンゴ酸第一鉄、ショ糖酸クエン酸第一鉄、果糖酸-クエン酸第一鉄、ショ糖酸-アスコルビン酸第一鉄、および果糖酸-アスコルビン酸第一鉄が含まれる。
【0033】
本発明の目的のために好適な鉄の他の形態には、これらに限定されるわけではないが、たとえば、可溶性鉄塩、微溶性鉄塩、不溶性鉄塩、キレート鉄、鉄錯体、カルボニル鉄および還元鉄などの非反応性鉄、ならびにこれらの組合せが含まれる。
【0034】
好ましいキレート鉄錯体は、米国特許第4599152号および第4830716号に開示されており、これらの特許の開示内容はいずれも参照によって本明細書に組み込まれる。
【0035】
好適な可溶性鉄塩の例には、これらに限定されるわけではないが、次亜リン酸第二鉄、アルブミン酸第二鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、糖酸酸化第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、塩化第一鉄、グルコン酸第一鉄、ヨウ化第一鉄、硫酸第一鉄、乳酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ヘム、トリスグリシン第二鉄、ビスグリシン第一鉄、硝酸第二鉄、糖酸水酸化第一鉄、硫酸第二鉄、グルコン酸第二鉄、アスパラギン酸第二鉄、硫酸第一鉄7水和物、リン酸第一鉄、アスコルビン酸第二鉄、ギ酸第一鉄、酢酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、グルタミン酸第一鉄、コリンイソクエン酸第一鉄、硫酸フェログリシン、酸化第二鉄水和物、可溶ピロリン酸第二鉄、糖酸水酸化第二鉄、糖酸第二鉄マンガン、亜硫酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、セスキ塩化第二鉄、クエン酸第二鉄コリン、クエン酸第二鉄マンガン、クエン酸第二鉄キニーネ、クエン酸第二鉄ナトリウム、エデト酸第二鉄ナトリウム、ギ酸第二鉄、シュウ酸第二鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄カリウム、シュウ酸第二鉄ナトリウム、ペプトン酸第二鉄、ペプトン酸第二鉄マンガン、薬学的に容認される他の鉄塩、およびこれらの組合せが含まれる。
【0036】
好適な微溶性鉄塩の例には、これらに限定されるわけではないが、酢酸第二鉄、フッ化第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、糖酸化炭酸第一鉄、炭酸第一鉄塊、コハク酸第一鉄、クエン酸第一鉄、酒石酸第一鉄、フマル酸第二鉄、コハク酸第二鉄、水酸化第一鉄、硝酸第一鉄、炭酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、酒石酸第二鉄、酒石酸第二鉄カリウム、次炭酸第二鉄、グリセロリン酸第二鉄、糖酸第二鉄、糖酸水酸化第二鉄、糖酸第二鉄マンガン、硫酸第一鉄アンモニウム、薬学的に容認される他の鉄塩、およびこれらの組合せが含まれる。
【0037】
好適な難溶性鉄塩の例には、これらに限定されるわけではないが、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、炭酸第一鉄、水酸化第二鉄、酸化第一鉄、オキシ水酸化第二鉄、シュウ酸第一鉄、薬学的に容認される他の鉄塩、およびこれらの組合せが含まれる。
【0038】
好適な鉄錯体の例には、これらに限定されるわけではないが、ポリサッカライド-鉄錯体、メチリジン-鉄錯体、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)-鉄錯体、フェナンスロレン鉄錯体、p-トルイジン鉄錯体、糖酸第一鉄錯体、フェルレシット(ferrlecit)、グルコン酸第一鉄錯体、フェルム ヴァイチス(ferrum vitis)、糖酸水酸化第一鉄錯体、鉄-アレーンサンドイッチ錯体、アセチルアセトン鉄錯体塩、鉄-デキストラン錯体、鉄-デキストリン錯体、鉄-ソルビトール-クエン酸錯体、糖酸化酸化鉄、フマル酸第一鉄錯体、鉄ポルフィリン錯体、鉄フタロシアニン錯体、鉄サイクラム錯体、ジチオカルボキシ-鉄錯体、デスフェリオキサミン-鉄錯体、ブレオマイシン-鉄錯体、フェロジン-鉄錯体、鉄ペルハロポルフィリン錯体、アルケンジアミン-N,N-二コハク酸鉄(III)錯体、ヒドロキシピリドン-鉄(III)錯体、アミノグリコシド-鉄錯体、トランスフェリン-鉄錯体、鉄チオシアネート錯体、鉄錯体シアン化物、ポルフィリナト鉄(III)錯体、ポリアミノポリカーボネート鉄錯体、ジチオカルバメート鉄錯体、アドリアマイシン鉄錯体、アントラサイクリン-鉄錯体、N-メチル-D-グルカミンジチオカルバメート(MGD)-鉄錯体、フェリオキサミン B、クエン酸第一鉄錯体、硫酸第一鉄錯体、グルコン酸第二鉄錯体、コハク酸第一鉄錯体、ポリグルコピラノシル鉄錯体、ポリアミノ二コハク酸鉄錯体、ビリベルジン-鉄錯体、デフェリプロン鉄錯体、オキシ水酸化第二鉄-デキストラン錯体、ジニトロシルジチオラト鉄錯体、鉄ラクトフェリン錯体、1,3-エチレンジアミン四酢酸(EDTA)第二鉄錯体塩、ジエチレントリアミン五酢酸鉄錯体塩、シクロへキサンジアミン四酢酸鉄錯体塩、メチルイミノ二酢酸鉄錯体塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸鉄錯体塩、第二鉄ヒドロキシピロン錯体、コハク酸第二鉄錯体、塩化第二鉄錯体、硫酸第二鉄グリシン錯体、アスパラギン酸第二鉄錯体、グルコン酸ナトリウム第一鉄錯体、水酸化第一鉄ポリマルトース錯体、グリシン-アスパラギン酸錯体、薬学的に容認される他の鉄錯体、およびこれらの組合せが含まれる。
【0039】
本発明の目的に適する鉄の形態には、「遅溶解性」または「遅効性」に指定される鉄化合物、および、「速溶解性」または「速効性」に指定される鉄化合物も含まれる。本発明の組成物は、随意的に、少なくとも2つの鉄化合物、たとえば、遅効性に指定された少なくとも1つの鉄化合物と、速効性に指定された少なくとも1つの鉄化合物とを含んでもよい。このような異なる2つの鉄化合物を処方に使用することは、米国特許第6521247号に開示されており、この特許は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。本発明の組成物は、持続放出の鉄化合物および/または制御放出の鉄化合物を含んでもよい。
【0040】
一実施形態において、本発明の組成物は、鉄のビス-グリシンキレート、たとえば、Ferrochel(商標、ユタ州クリアフィールドAlbion International社から市販されている)を含む。鉄のビス-グリシンキレートが好ましいものの、好適なキレートをいくつ用いてもよい。たとえば、アミノ酸キレートが、ヒト、動物および植物の生体組織中の金属含有量を増加させる手段として、広く認められつつある。アミノ酸キレートは、ポリペプチド、ジペプチドまたは天然産アルファアミノ酸と、2価以上の原子価を有する金属イオンとの反応から生じる生成物である。アルファアミノ酸と金属イオンとは、金属イオンの正電荷がアルファアミノ酸のカルボキシレート基または自由アミノ基の電子によって中和された環構造を形成する。ここで用いるアミノ酸という用語は、たんぱく加水分解を通じて得られる生成物のみを指すが、合成によって生成されるアミノ酸も、たんぱく加水分解を通じて得られるものと同じである限り、除外されない。したがって、ポリペプチド、ジペプチドおよび天然産アルファアミノ酸などのたんぱく加水分解物を、集合的にアミノ酸という。さらなる好適なアミノ酸キレートには、これらに限定されるわけではないが、たとえば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、モノヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、モノヒドロキシエチルジグリシン、およびジヒドロキシエチルグリシンが含まれる。
【0041】
本発明の組成物は、鉄の1以上の形態を、1回当たり約5mg〜約500mg、より好ましくは約50mg〜約500mg、最も好ましくは約150mg〜約500mgの有効量で含有する。小児用に開発される製品の場合、鉄の有効量は、幼児および子供にとって安全と考えられるレベルに大幅に引き下げられるであろう。小児への適用のための鉄の1以上の形態の有効量は、体重1キログラム、1回当たり約0.5mgの鉄にまで下がるかもしれない。
【0042】
さらに、本発明の組成物は、ビタミンB群、および/または下剤、および/または制吐剤、および/または妊娠調節剤、および/または鉄欠乏が関与する1以上の疾病の治療に用いられる1以上の他の組成物と併用してもよい。
【0043】
随意的に、本発明の組成物の鉄吸収促進剤または他のあらゆる個々の成分は、吸収を最適にする制御放出のために、コートしまたは処理して調製してもよい。成分のコートまたは処理においては、個々の成分に、同一のコートまたは処理を施してよく、異なるコートまたは処理を施してもよい。同様に、1以上の成分をコートまたは処理して、非コートまたは非処理の1以上の成分と組み合わせてもよい。このようにコートまたは処理を施す変形は、各成分の放出の操作および制御して吸収を最適にするために有用である。
【0044】
本発明の1以上の組成物の1回量は、これらに限定されるわけではないが、タブレット、カプレット、カプセル、ゲルカプセル、チュータブレット、ドロップおよびトローチ、栄養バーつまり食品、ソフトチュー、再構成可能な粉末またはシェイク(shake)、粒状物、半固体状サシェィ(sachet)などの1以上の剤形で製造することができる。あらゆるタブレット剤形は、チュアブルであっても圧縮されていてもよい。本発明の目的に好ましい固体剤形は、カプセルまたはタブレットである。ただし、本発明の組成物は、液体と混合する食料品または粉末に組み入れることも、同様に可能である。本発明の組成物を投与するためには、好適な剤形をいくつ用いてもかまわないが、好ましい剤形には、単一のカプセル、2つのカプセル、または1つのカプセルと1つのカプレットもしくはタブレットが含まれる。
【0045】
本発明の組成物は、種々の剤形で提供することができるだけでなく、以下により詳細に説明するように、種々の投与計画に従って投与することができる。たとえば、本発明の1以上の組成物の1回量は、1以上の投与単位として、および1以上の剤形で、投与することができる。さらに、それらの剤形は、腸内および/または非経口投与のための剤形でよく、たとえば、これらに限定されるわけではないが、経口、腹腔内、静脈内、皮下、経皮または筋肉内の経路での投与のための剤形でよい。
【0046】
たとえば、一実施形態において、本発明は、ヒトに投与されて腸管腔での鉄吸収を向上させるために選択される第1の鉄吸収促進剤の原料と、ヒトに投与されて全身性鉄吸収を向上させるために選択される第2の鉄吸収促進剤の原料とを含み、これらの鉄吸収促進剤の原料が治療上の有効量で薬剤キットに存在する薬剤キットに向けられる。
【0047】
具体的な実施形態では、薬剤キットは、第1の鉄吸収促進剤としてのビタミンC活性を有する化合物の原料と、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される、第2の鉄吸収促進剤としての有機酸の原料とを含む。具体的な実施形態において、そのキットは、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛、L-トレオン酸、L-キシロン酸およびL-リキソン酸から構成される群から選択されるビタミンC活性を有する化合物の原料と、第2の鉄吸収促進剤としてのコハク酸の原料とを含む。
【0048】
さらなる実施形態において、本発明の薬剤キットはさらに、上述した1以上の鉄の元素原料の治療上の有効量を含む。このような実施形態においては、キットは、第1の鉄吸収促進剤の原料を含む単位剤と、第2の鉄吸収促進剤の原料を含む単位剤と、鉄の原料を含む単位剤とを含む少なくとも3つの別個の単位剤を含む。
【0049】
さらなる実施形態において、本開示の教示は、患者における鉄吸収の促進および/または維持のために本明細書に記載した組成物およびキットを使用する治療計画を提供する。たとえば、そのような治療計画は、鉄の原料および第1の鉄吸収促進剤を第1日に投与し、その後、鉄の原料および第2の鉄吸収促進剤を第2日に投与する、1〜30日にわたる交互投与を含む。他の1〜30日の交互の治療計画は、鉄の原料および第1の鉄吸収促進剤を第1日に投与し、第2の鉄吸収促進剤を第2日に投与することを含む。さらに他の典型的な交互の治療計画は、第1の鉄吸収促進剤を第1日に投与し、鉄の原料を第2日に投与し、第2の鉄吸収促進剤を第3日に投与することを含む。
【0050】
本発明の組成物およびキットは、鉄吸収を促進および/または維持するために独立に使用してよく、鉄欠乏が関与する1以上の疾病の治療に用いられる1以上の他の組成物と組み合わせて使用してもよい。鉄欠乏に関連するそれら疾病または状態には、たとえば、これらに限られるわけではないが、以下のものが含まれる。たとえば、これらに限定されるわけではないが、鉤虫などの感染性寄生虫、非ステロイド消炎剤、ステロイドおよび/またはアスピリンの常用、消化性潰瘍、胃炎、結腸癌、ポリープ、ならびに炎症性大腸炎などの失血を引き起こす胃腸疾病または状態。たとえば、これらに限定されるわけではないが、熱帯性スプルー、セリアック病、自己免疫疾患、胃切除、胃バイパス、迷走神経切断、ならびにプロトンポンプ阻害剤およびH2拮抗薬による治療を必要とする疾病などの鉄吸収の低下を引き起こす胃腸疾病または状態。たとえば、これらに限定されるわけではないが、脚不穏症、慢性疲労、認知障害、および神経発育不全などの神経系疾病または状態。たとえば、これらに限定されるわけではないが、スポーツ、月経、授乳、妊娠、および手術などの生理学的状態、たとえば、これらに限定されるわけではないが、ヒト免疫不全ウイルス/エイズ、およびマラリアなどの伝染性疾病。たとえば、これらに限定されるわけではないが、癌、関節リウマチおよび慢性腎不全などの慢性疾病。たとえば、これらに限定されるわけではないが、鉛、水銀、カドミウムおよびヒ素などの重金属中毒。
【0051】
本発明の他の実施形態において、鉄吸収促進剤は、血中鉄濃度維持の目的の栄養鉄補給剤と共に提供される。このような血中鉄濃度維持用の例示的な組成物は、1回当たり約10mg〜約70mgの鉄、約5mg〜約150mgのコハク酸、および約5mg〜約200mgのアスコルビン酸を含む。血中鉄濃度維持用の組成物は、僅かに鉄欠乏のもしくは鉄治療後のヒトおよび他の動物にとって、または、たとえば、これらに限定されるわけではないが、定期的献血者などの「潜在的に危険状態にある」人々の一部にとって有用である。
【0052】
鉄吸収促進剤は、治療目的の栄養または食事鉄補給組成物と共に提供されてもよい。一実施形態では、鉄吸収促進剤は、治療計画における食事鉄補給組成物と共に提供される。3週間治療計画の具体例では、ビタミンCなどの管腔鉄吸収促進剤を鉄と共に第1週に投与する。第2週の計画では、管腔鉄吸収促進剤をコハク酸などの全身性鉄吸収促進剤と共に、および随意的に鉄と共に投与する。第3週では、管腔鉄吸収促進剤および全身性鉄吸収促進剤を投与する。
【0053】
治療計画の一部として提供される鉄吸収促進剤の量は、大きく変動し得る。たとえば、治療する個々の患者および/または鉄欠乏状態に応じて、管腔鉄吸収を向上させる第1の促進剤の様々な量を、全身性鉄吸収を向上させる第2の促進剤の様々な量と共に、使用することができる。たとえば、一実施形態において、鉄吸収を向上させる計画には、第1の鉄吸収促進剤としてのアスコルビン酸と第2の鉄吸収促進剤としてのコハク酸との投与を含む1ヵ月間の治療計画が含まれる。投与する各促進剤の典型的な例は、以下のとおりである。
【0054】
【表1】

【0055】
他の実施形態においては、鉄吸収促進剤は、治療目的の栄養または食事鉄補給組成物の一部として提供される。治療用鉄補給の例示的な組成物は、1回当たり70mgの鉄、150mgのコハク酸、および200mgのアスコルビン酸を含む。この治療用の栄養または食事補給組成物は、鉄欠乏のヒトまたは他の動物に有用である。このような治療用組成物は、毎月の鉄補給治療のための、毎日1回の21日カレンダーパックにおいて、提供するのが好ましい。その場合、吸収された鉄は、ヘモグロビン再生の1ヵ月当たり約1gに充分な鉄と、鉄貯蔵の充満のための鉄とを供給する。鉄補給は、21日パックの投与後少なくとも1週間中止して、吸収率が投与週の間高く保たれて、吸収率が最適になるようにすることが好ましい。しかし、出産可能な年齢の女性には、本発明の組成物は、月経中7日間投与して失われた鉄を補給し、続いて21日間鉄補給を中止することができる。
【0056】
さらに他の実施形態において、鉄吸収促進剤は、治療目的の栄養または食事鉄補給組成物の一部として提供される。治療用鉄補給の例示的な組成物は、1回当たり150mgのビス-グリシン鉄キレート、150mgのコハク酸、および200mgのアスコルビン酸を含む。この治療用の栄養または食事補給組成物は、鉄欠乏のヒトまたは他の動物に有用である。このような治療用組成物は、毎月の鉄補給治療のための、毎日3回の21日カレンダーパックにおいて、提供するのが好ましい。この場合、吸収された鉄は、ヘモグロビン再生と鉄貯蔵の充満とのために、1ヵ月当たり約3gの鉄を供給し得るであろう。本発明の全ての栄養または食事補給組成物については、鉄補給は、21日パックの投与後少なくとも1週間中止して、鉄吸収率が投与週の間ピークに保たれるようにすることが好ましい。
【0057】
本発明の上記の説明は本来単なる例示であり、本発明の主旨を逸脱しない変更は本発明の範囲内にある。そのような変更を本発明の精神および範囲からの逸脱と考えるべきではない。
【0058】
実施例
実施例1
即時放出剤形の、鉄のビス-グリシンキレート(70mg、FERROCHEL)、フマル酸第一鉄(81mg)およびアスコルビン酸(200mg)、ならびに持続放出剤形のコハク酸(150mg)を含む組成物。
【0059】
実施例2
元素鉄(151mg)、コハク酸(150mg)、アスコルビン酸(60mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物。
【0060】
実施例3
元素鉄(151mg)、コハク酸(150mg)、アスコルビン酸(200mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物。
【0061】
実施例4
元素鉄(175mg)、コハク酸(150mg)、アスコルビン酸(200mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物。
【0062】
実施例5
元素鉄(225mg)、コハク酸(150mg)、アスコルビン酸(200mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物。
【0063】
実施例6
元素鉄(250mg)、コハク酸(150mg)、アスコルビン酸(200mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物。
【0064】
実施例7
元素鉄(200mg)、アスコルビン酸(200mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物または薬剤キットを、これ必要とする患者に第1日〜第10日に投与し、元素鉄(200mg)、アスコルビン酸(150mg)、コハク酸(150mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物または薬剤キットを第11日〜第20日に投与し、コハク酸(300mg)のみを第21日〜第28日に投与することを含む患者の鉄吸収を向上させる方法。
【0065】
実施例8
元素鉄(200mg)、アスコルビン酸(250mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物または薬剤キットを、これ必要とする患者に第1日に投与し、元素鉄(200mg)、アスコルビン酸(100mg)、コハク酸(150mg)、葉酸(1mg)、およびビタミンB12(10μg)を含む組成物または薬剤キットを第2日に投与し、第1日および第2日の組成物または薬剤キットを交互に、患者における鉄吸収を向上させるために有効な時に投与することを含む患者の鉄吸収を向上させる方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における鉄吸収を向上させる方法であって、
少なくとも2つの鉄吸収促進剤を、それを必要とする患者に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
鉄吸収促進剤の少なくとも1つは、患者の腸管腔内での鉄吸収を向上させるために選択され、鉄吸収促進剤の少なくとも1つは、全身性鉄吸収を向上させるために選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
鉄吸収促進剤は患者に経口投与されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
全身性鉄吸収を向上させるための少なくとも1つの促進剤は、患者に非経口投与されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
管腔鉄吸収促進剤は、ビタミンC活性を有する化合物を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項6】
ビタミンC活性を有する化合物は、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛、L-トレオン酸、L-キシロン酸およびL-キシロン酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
管腔鉄吸収促進剤は、アスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項8】
全身性鉄吸収促進剤は、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項9】
全身性鉄吸収促進剤は、コハク酸を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項10】
第1の鉄吸収促進剤は患者に経口投与されたときの即時放出のために調製され、第2の鉄吸収促進剤は患者に経口投与されたときの持続放出のために調製されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
第1および第2の鉄吸収促進剤は患者に同時に投与されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約180分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項13】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約20分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項14】
第2の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の促進剤が溶解し、患者への経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の促進剤が溶解するように調製されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項15】
第2の鉄吸収促進剤は、患者への組成物の経口投与後約8時間以内に、実質的に全てには達しない第2の促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約24時間未満で、実質的に全ての第2の促進剤が溶解するように調製されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項16】
第1の鉄吸収促進剤は、ビタミンC活性を有する化合物を含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項17】
ビタミンC活性を有する化合物は、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛、L-トレオン酸、L-キシロン酸およびL-リキソン酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
第1の鉄吸収促進剤は、アスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項19】
第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項20】
第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸を含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項21】
患者における鉄吸収を向上させる方法であって、
(a)ビタミンC活性を有する化合物を含む第1の鉄促進剤を、それを必要とする患者に投与することと、
(b)コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含む第2の鉄促進剤を、それを必要とする患者に投与することとを含み、
第2の鉄促進剤は、患者への組成物の経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の鉄促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の鉄促進剤が溶解するような、持続放出のために調製されることを特徴とする方法。
【請求項22】
第1の鉄吸収促進剤は、アスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸を含むことを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項24】
さらに、少なくとも1つの元素鉄の原料を患者に投与することを含むことを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
元素鉄の原料は、カルボニル鉄、キレート鉄、可溶性鉄塩、微溶性鉄塩、不溶性鉄塩、キレート鉄錯体、および鉄錯体から構成される群から選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
元素鉄の原料は、鉄のビス-グリシンキレートから構成される群から選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項27】
元素鉄の原料は、鉄のアミノ酸キレートから構成される群から選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項28】
元素鉄の原料は、次亜リン酸第二鉄、アルブミン酸第二鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、糖酸酸化第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、塩化第一鉄、グルコン酸第一鉄、ヨウ化第一鉄、硫酸第一鉄、乳酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ヘム、トリスグリシン第二鉄、ビスグリシン第一鉄、硝酸第二鉄、糖酸水酸化第一鉄、硫酸第二鉄、グルコン酸第二鉄、アスパラギン酸第二鉄、硫酸第一鉄7水和物、リン酸第一鉄、アスコルビン酸第二鉄、ギ酸第一鉄、酢酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、グルタミン酸第一鉄、コリンイソクエン酸第一鉄、硫酸フェログリシン、酸化第二鉄水和物、可溶ピロリン酸第二鉄、糖酸水酸化第二鉄、糖酸第二鉄マンガン、亜硫酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、セスキ塩化第二鉄、クエン酸第二鉄コリン、クエン酸第二鉄マンガン、クエン酸第二鉄キニーネ、クエン酸第二鉄ナトリウム、エデト酸第二鉄ナトリウム、ギ酸第二鉄、シュウ酸第二鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄カリウム、シュウ酸第二鉄ナトリウム、ペプトン酸第二鉄、ペプトン酸第二鉄マンガン、酢酸第二鉄、フッ化第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、糖酸化炭酸第一鉄、炭酸第一鉄塊、コハク酸第一鉄、クエン酸第一鉄、酒石酸第一鉄、フマル酸第二鉄、コハク酸第二鉄、水酸化第一鉄、硝酸第一鉄、炭酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、酒石酸第二鉄、酒石酸第二鉄カリウム、次炭酸第二鉄、グリセロリン酸第二鉄、糖酸第二鉄、糖酸水酸化第二鉄、糖酸第二鉄マンガン、硫酸第一鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、炭酸第一鉄、水酸化第二鉄、酸化第一鉄、オキシ水酸化第二鉄、シュウ酸第一鉄、ポリサッカライド-鉄錯体、メチリジン-鉄錯体、エチレンジアミン四酢酸-鉄錯体、フェナンスロレン鉄錯体、p-トルイジン鉄錯体、糖酸第一鉄錯体、フェルレシット(ferrlecit)、グルコン酸第一鉄錯体、フェルム ヴァイチス(ferrum vitis)、糖酸水酸化第一鉄錯体、鉄-アレーンサンドイッチ錯体、アセチルアセトン鉄錯体塩、鉄-デキストラン錯体、鉄-デキストリン錯体、鉄-ソルビトール-クエン酸錯体、糖酸化酸化鉄、フマル酸第一鉄錯体、鉄ポルフィリン錯体、鉄フタロシアニン錯体、鉄サイクラム錯体、ジチオカルボキシ-鉄錯体、デスフェリオキサミン-鉄錯体、ブレオマイシン-鉄錯体、フェロジン-鉄錯体、鉄ペルハロポルフィリン錯体、アルケンジアミン-N,N-二コハク酸鉄(III)錯体、ヒドロキシピリドン-鉄(III)錯体、アミノグリコシド-鉄錯体、トランスフェリン-鉄錯体、鉄チオシアネート錯体、鉄錯体シアン化物、ポルフィリナト鉄(III)錯体、ポリアミノポリカーボネート鉄錯体、ジチオカルバメート鉄錯体、アドリアマイシン鉄錯体、アントラサイクリン-鉄錯体、N-メチル-D-グルカミンジチオカルバメート-鉄錯体、フェリオキサミン B、クエン酸第一鉄錯体、硫酸第一鉄錯体、グルコン酸第二鉄錯体、コハク酸第一鉄錯体、ポリグルコピラノシル鉄錯体、ポリアミノ二コハク酸鉄錯体、ビリベルジン-鉄錯体、デフェリプロン鉄錯体、オキシ水酸化第二鉄-デキストラン錯体、ジニトロシルジチオラト鉄錯体、鉄ラクトフェリン錯体、1,3-エチレンジアミン四酢酸第二鉄錯体塩、ジエチレントリアミン五酢酸鉄錯体塩、シクロへキサンジアミン四酢酸鉄錯体塩、メチルイミノ二酢酸鉄錯体塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸鉄錯体塩、第二鉄ヒドロキシピロン錯体、コハク酸第二鉄錯体、塩化第二鉄錯体、硫酸第二鉄グリシン錯体、アスパラギン酸第二鉄錯体、グルコン酸ナトリウム第一鉄錯体、水酸化第一鉄ポリマルトース錯体、グリシン-アスパラギン酸錯体、およびこれらの組合せから構成される群から選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項29】
患者における鉄吸収を増進するための組成物であって、
2つ以上の鉄吸収促進剤を含み、吸収促進剤の少なくとも1つが腸管腔内での鉄の吸収を向上させるために選択され、吸収促進剤の少なくとも1つが、患者に組成物が経口投与されたときに、全身性鉄吸収を向上させるために選択されることを特徴とする組成物。
【請求項30】
管腔鉄吸収促進剤は、ビタミンC活性を有する化合物を含むことを特徴とする請求項29記載の組成物。
【請求項31】
ビタミンC活性を有する化合物は、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛、L-トレオン酸、L-キシロン酸およびL-リキソン酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項30記載の組成物。
【請求項32】
管腔鉄吸収促進剤は、アスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項29記載の組成物。
【請求項33】
全身性鉄吸収促進剤は、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含むことを特徴とする請求項29記載の組成物。
【請求項34】
全身性鉄吸収促進剤は、コハク酸を含むことを特徴とする請求項29記載の組成物。
【請求項35】
患者における鉄吸収を増進するための組成物であって、
少なくとも2つの鉄吸収促進剤を含み、鉄吸収促進剤の第1が、患者に経口投与されたときの即時放出のために調製され、鉄吸収促進剤の第2が、患者に経口投与されたときの持続放出のために調製されることを特徴とする組成物。
【請求項36】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約180分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項35記載の組成物。
【請求項37】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約20分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項35記載の組成物。
【請求項38】
第2の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の促進剤が溶解し、患者への経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の促進剤が溶解するように調製されることを特徴とする請求項35記載の組成物。
【請求項39】
第2の鉄吸収促進剤は、患者への組成物の経口投与後約8時間以内に、実質的に全てには達しない第2の促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約24時間未満で、実質的に全ての第2の促進剤が溶解するように調製されることを特徴とする請求項35記載の組成物。
【請求項40】
約5mg〜約500mgの第1の鉄吸収促進剤と、約5mg〜約500mgの第2の鉄吸収促進剤とを含む組成物であって、
実質的に全ての第1の鉄吸収促進剤が、患者への組成物の経口投与後約180分未満で溶解し、実質的に全てには達しない第2の鉄促進剤が、患者への組成物の経口投与後約180分以内に溶解し、実質的に全ての第2の鉄促進剤が、患者への組成物の経口投与後約48時間未満で溶解することを特徴とする組成物。
【請求項41】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約20分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項40記載の組成物。
【請求項42】
第2の鉄吸収促進剤は、患者への組成物の経口投与後約8時間以内に、実質的に全てには達しない第2の促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約24時間未満で、実質的に全ての第2の促進剤が溶解するように調製されることを特徴とする請求項40記載の組成物。
【請求項43】
患者における鉄吸収を向上させるための組成物であって、
(a)ビタミンC活性を有する化合物を含む第1の鉄促進剤と、
(b)コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含む第2の鉄促進剤とを含み、
第2の鉄促進剤は、患者への組成物の経口投与後約180分以内に、実質的に全てには達しない第2の鉄促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約48時間未満で、実質的に全ての第2の鉄促進剤が溶解するような、持続放出のために調製されることを特徴とする組成物。
【請求項44】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約180分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項43記載の組成物。
【請求項45】
第1の鉄吸収促進剤は、患者への経口投与後約20分未満で溶解するように調製されることを特徴とする請求項43記載の組成物。
【請求項46】
第2の鉄吸収促進剤は、患者への組成物の経口投与後約8時間以内に、実質的に全てには達しない第2の促進剤が溶解し、患者への組成物の経口投与後約24時間未満で、実質的に全ての第2の促進剤が溶解するように調製されることを特徴とする請求項43記載の組成物。
【請求項47】
第2の鉄吸収促進剤に対する第1の鉄吸収促進剤のモル比は、約1〜約1.5であることを特徴とする請求項35〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
タブレット、カプセル、チュアブルタブレット、ドロップおよびトローチから構成される群から選択される固体剤形であることを特徴とする請求項35〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
第1の鉄吸収促進剤は、ビタミンC活性を有する化合物を含むことを特徴とする請求項35〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
ビタミンC活性を有する化合物は、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛、L-トレオン酸、L-キシロン酸およびL-リキソン酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項49記載の組成物。
【請求項51】
第1の鉄吸収促進剤は、アスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項35〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項52】
第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含むことを特徴とする請求項35〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸を含むことを特徴とする請求項35〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
さらに、1以上の形態の鉄を含むことを特徴とする請求項29〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項55】
1以上の形態の鉄は、カルボニル鉄、キレート鉄、可溶性鉄塩、微溶性鉄塩、不溶性鉄塩、キレート鉄錯体、および鉄錯体から構成される群から独立に選択されることを特徴とする請求項54記載の組成物。
【請求項56】
1以上の形態の鉄は、鉄のビス-グリシンキレートから構成される群から選択されることを特徴とする請求項54記載の組成物。
【請求項57】
1以上の形態の鉄は、鉄のアミノ酸キレートから構成される群から選択されることを特徴とする請求項54記載の組成物。
【請求項58】
1以上の形態の鉄は、次亜リン酸第二鉄、アルブミン酸第二鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、糖酸酸化第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、塩化第一鉄、グルコン酸第一鉄、ヨウ化第一鉄、硫酸第一鉄、乳酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ヘム、トリスグリシン第二鉄、ビスグリシン第一鉄、硝酸第二鉄、糖酸水酸化第一鉄、硫酸第二鉄、グルコン酸第二鉄、アスパラギン酸第二鉄、硫酸第一鉄7水和物、リン酸第一鉄、アスコルビン酸第二鉄、ギ酸第一鉄、酢酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、グルタミン酸第一鉄、コリンイソクエン酸第一鉄、硫酸フェログリシン、酸化第二鉄水和物、可溶ピロリン酸第二鉄、糖酸水酸化第二鉄、糖酸第二鉄マンガン、亜硫酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、セスキ塩化第二鉄、クエン酸第二鉄コリン、クエン酸第二鉄マンガン、クエン酸第二鉄キニーネ、クエン酸第二鉄ナトリウム、エデト酸第二鉄ナトリウム、ギ酸第二鉄、シュウ酸第二鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄カリウム、シュウ酸第二鉄ナトリウム、ペプトン酸第二鉄、ペプトン酸第二鉄マンガン、酢酸第二鉄、フッ化第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、糖酸化炭酸第一鉄、炭酸第一鉄塊、コハク酸第一鉄、クエン酸第一鉄、酒石酸第一鉄、フマル酸第二鉄、コハク酸第二鉄、水酸化第一鉄、硝酸第一鉄、炭酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、酒石酸第二鉄、酒石酸第二鉄カリウム、次炭酸第二鉄、グリセロリン酸第二鉄、糖酸第二鉄、糖酸水酸化第二鉄、糖酸第二鉄マンガン、硫酸第一鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄ナトリウム、炭酸第一鉄、水酸化第二鉄、酸化第一鉄、オキシ水酸化第二鉄、シュウ酸第一鉄、ポリサッカライド-鉄錯体、メチリジン-鉄錯体、エチレンジアミン四酢酸-鉄錯体、フェナンスロレン鉄錯体、p-トルイジン鉄錯体、糖酸第一鉄錯体、フェルレシット(ferrlecit)、グルコン酸第一鉄錯体、フェルム ヴァイチス(ferrum vitis)、糖酸水酸化第一鉄錯体、鉄-アレーンサンドイッチ錯体、アセチルアセトン鉄錯体塩、鉄-デキストラン錯体、鉄-デキストリン錯体、鉄-ソルビトール-クエン酸錯体、糖酸化酸化鉄、フマル酸第一鉄錯体、鉄ポルフィリン錯体、鉄フタロシアニン錯体、鉄サイクラム錯体、ジチオカルボキシ-鉄錯体、デスフェリオキサミン-鉄錯体、ブレオマイシン-鉄錯体、フェロジン-鉄錯体、鉄ペルハロポルフィリン錯体、アルケンジアミン-N,N-二コハク酸鉄(III)錯体、ヒドロキシピリドン-鉄(III)錯体、アミノグリコシド-鉄錯体、トランスフェリン-鉄錯体、鉄チオシアネート錯体、鉄錯体シアン化物、ポルフィリナト鉄(III)錯体、ポリアミノポリカーボネート鉄錯体、ジチオカルバメート鉄錯体、アドリアマイシン鉄錯体、アントラサイクリン-鉄錯体、N-メチル-D-グルカミンジチオカルバメート-鉄錯体、フェリオキサミン B、クエン酸第一鉄錯体、硫酸第一鉄錯体、グルコン酸第二鉄錯体、コハク酸第一鉄錯体、ポリグルコピラノシル鉄錯体、ポリアミノ二コハク酸鉄錯体、ビリベルジン-鉄錯体、デフェリプロン鉄錯体、オキシ水酸化第二鉄-デキストラン錯体、ジニトロシルジチオラト鉄錯体、鉄ラクトフェリン錯体、1,3-エチレンジアミン四酢酸第二鉄錯体塩、ジエチレントリアミン五酢酸鉄錯体塩、シクロへキサンジアミン四酢酸鉄錯体塩、メチルイミノ二酢酸鉄錯体塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸鉄錯体塩、第二鉄ヒドロキシピロン錯体、コハク酸第二鉄錯体、塩化第二鉄錯体、硫酸第二鉄グリシン錯体、アスパラギン酸第二鉄錯体、グルコン酸ナトリウム第一鉄錯体、水酸化第一鉄ポリマルトース錯体、グリシン-アスパラギン酸錯体、およびこれらの組合せから構成される群から選択されることを特徴とする請求項54記載の組成物。
【請求項59】
ヒトに投与されて腸管腔での鉄吸収を向上させるために選択される第1の鉄吸収促進剤と、ヒトに投与されて全身性鉄吸収を向上させるために選択される第2の鉄吸収促進剤とを含む薬剤キットであって、
鉄吸収促進剤は治療上の有効量で薬剤キット中に存在することを特徴とするキット。
【請求項60】
第1の鉄吸収促進剤は、ビタミンC活性を有する化合物を含むことを特徴とする請求項59記載のキット。
【請求項61】
ビタミンC活性を有する化合物は、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸亜鉛、L-トレオン酸、L-キシロン酸およびL-リキソン酸から構成される群から選択されることを特徴とする請求項60記載のキット。
【請求項62】
第1の鉄吸収促進剤化合物は、アスコルビン酸を含むことを特徴とする請求項59記載のキット。
【請求項63】
第2の鉄吸収促進剤は、コハク酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、コハク酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸誘導体、酢酸誘導体、クエン酸誘導体、乳酸誘導体、リンゴ酸誘導体、グルタミン酸誘導体、およびこれらの組合せから構成される群から選択される有機酸を含むことを特徴とする請求項59記載のキット。
【請求項64】
全身性鉄吸収促進剤は、コハク酸を含むことを特徴とする請求項59記載のキット。
【請求項65】
さらに、治療上の有効量の1以上の鉄の元素原料を含むことを特徴とする請求項59記載のキット。
【請求項66】
少なくとも3つの別個の単位剤を含み、これらの単位剤は、第1の鉄吸収促進剤の原料を含む単位剤と、第2の鉄吸収促進剤の原料を含む単位剤と、鉄の原料を含む単位剤であることを特徴とする請求項65記載のキット。
【請求項67】
ヒトにおける鉄欠乏関連疾病または障害を治療する方法であって、
請求項29〜46のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、それを必要とするヒトに経口投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項68】
疾病または障害は、貧血であることを特徴とする請求項67記載の方法。
【請求項69】
ヒトにおける鉄欠乏関連疾病または障害を治療する方法であって、
請求項47記載の組成物の有効量を、それを必要とするヒトに経口投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
疾病または障害は、貧血であることを特徴とする請求項69記載の方法。

【公表番号】特表2008−525445(P2008−525445A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548226(P2007−548226)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/041139
【国際公開番号】WO2006/068729
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507208325)ドラッグテック コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】DRUGTECH CORPORATION
【住所又は居所原語表記】103 Foulk Road,Suite 200,Wilmington,Delaware,The United States of America
【Fターム(参考)】