鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法
【課題】 本発明は、増加する引揚荷重を効率よく支持できる支持力を有する鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 鉄塔90の脚部91の下部を支持するコンクリート基礎2に設けられる鉄塔基礎用の構成部材3において、前記コンクリート基礎2は、前記脚部91の長手方向Aに所定の長さを有する柱体21と、該柱体21の下部に設けられる床板22と、を備え、前記柱体21と交差する方向に前記床板22より広い面積を有する鍔部4と、前記鉄塔90の脚部91に鍔部4を連結する連結部材5と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】 鉄塔90の脚部91の下部を支持するコンクリート基礎2に設けられる鉄塔基礎用の構成部材3において、前記コンクリート基礎2は、前記脚部91の長手方向Aに所定の長さを有する柱体21と、該柱体21の下部に設けられる床板22と、を備え、前記柱体21と交差する方向に前記床板22より広い面積を有する鍔部4と、前記鉄塔90の脚部91に鍔部4を連結する連結部材5と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電線を架設する鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、送電線を架設する鉄塔は、鉄塔の脚部を支持する柱体と、鉄塔の荷重を地盤に伝える床板と、を有する鉄塔基礎(コンクリート基礎)に設けられている(例えば、特許文献1参照)。この鉄塔基礎が支持する荷重は、主に、当該鉄塔自体にかかる荷重と、当該鉄塔が架設する送電線にかかる荷重と、から構成される。この鉄塔基礎は、これらの荷重を支持できる支持力を有するように構築されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−256573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、鉄塔基礎が構築された後に送電設備の送電容量を増加させなければならないとき、送電設備では、送電線を張り替える工事が施工される。この張り替え工事により、鉄塔基礎にかかる荷重は増加することがある。例えば、送電線やその送電線を支持する支持金物の交換により、鉄塔基礎に作用する荷重のうち送電線に作用する荷重が増加するとき、鉄塔基礎に作用する荷重は増加する。また、送電線に作用する荷重の増加に伴って鉄塔自体を改修することにより、鉄塔自体に作用する荷重が増加するときも、鉄塔基礎に作用する荷重は増加する。
【0005】
このため、送電設備は、この新たに増加した荷重に対応すべく、鉄塔基礎を再構築しなければならない。そこで、特許文献1に記載された鉄塔基礎は、鉄塔基礎の一部を撤去して残った既設基礎と、新たに構築される増設基礎と、によって、増加した荷重が支持できるように再構築するものである。
【0006】
また、鉄塔基礎は、鉄塔自体の重量、電線や支持金物の重量などによる影響よりも、台風や季節風などによる風荷重の影響を強く受ける。その結果、風下側の脚部には下方に圧縮荷重が作用する一方、風上側の脚部には上方に引揚荷重(引抜き力)が作用する。この圧縮荷重は、鉄塔の脚部が鉄塔基礎を圧縮する方向に加わる荷重である。圧縮荷重の方向は、鉄塔の長手方向を下方に向かう方向である。引揚荷重は、鉄塔の脚部が鉄塔基礎を引き抜く方向に加わる荷重である。引揚荷重の方向は、鉄塔の長手方向を上方に向かう方向である。鉄塔基礎は、引揚荷重に対する支持力の裕度が少ない場合が多い。
【0007】
従って、鉄塔基礎にかかる荷重は、圧縮荷重よりも引揚荷重の方が支配的になる。そのため、増加した圧縮荷重は、既設の鉄塔基礎の支持力で支持できるが、増加した引揚荷重は、既設の鉄塔基礎の支持力で支持することができない場合がある。すなわち、既設のコンクリート基礎では、引揚荷重を支持する支持力が不足するときがある。再構築される鉄塔基礎は、増加した引揚荷重を支持できる支持力を備える必要がある。
【0008】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、増加する引揚荷重を効率よく支持できる支持力を有する鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る鉄塔基礎用の構成部材は、鉄塔の脚部の下部を支持するコンクリート基礎に設けられる鉄塔基礎用の構成部材において、前記コンクリート基礎は、前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、を備え、前記柱体と交差する方向に前記床板より広い面積を有する鍔部と、前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0011】
また、本発明によれば、前記鍔部は、前記柱体の全周に沿って環状に形成されるとともに、当該柱体の周方向に分割可能な複数の分割体から構成されることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、鍔部が柱体を囲うように配置される場合であっても、構成部材は、柱体を施工し、鉄塔の脚部を当該柱体に支持した後から、鍔部を設置する工事を施工することができる。
【0013】
また、本発明によれば、前記連結部材は、前記鉄塔の脚部に連結する第1の連結部材と、該第1の連結部材を前記鍔部に連結する第2の連結部材と、を備えることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0015】
また、本発明によれば、前記第2の連結部材は、前記柱体を覆う筒部を備えることが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、筒部が柱体の周囲を囲うように設置されることにより、その柱体との間に隙間が形成される。その隙間にモルタルやコンクリートなどを充填することにより、筒部は柱体に接着される。すなわち、構成部材は、コンクリート基礎と一体に構成される。よって、鉄塔に転倒モーメントが加わった場合であっても、構成部材は、コンクリート基礎と一体に作用し、コンクリート基礎を振れ止めに利用することができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記筒部は、周方向に分割可能な複数の分割体から構成されることが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、構成部材は、柱体を施工し、鉄塔の脚部を当該柱体に支持した後からでも、柱体の周方向に囲うように設置する筒部を設置する工事を施工することができる。
【0019】
また、本発明に係る鉄塔用の鉄塔基礎は、前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、前記構成部材と、を備えることを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0021】
また、本発明に係る鉄塔用の鉄塔基礎の施工方法は、前記構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、前記連結部材で前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結工程と、を備えることを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0023】
また、本発明に係る鉄塔用の鉄塔基礎の施工方法は、前記鉄塔基礎用の構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、該鍔部設置工程の後に前記第2の連結部材を鍔部に連結する第1の連結工程と、該第1の連結工程の後に前記筒部と前記柱体との間の隙間を閉塞する閉塞工程と、該閉塞工程の後に前記鉄塔の脚部に第2の連結部材を連結する第2の連結工程と、を備えることを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0025】
更に、筒部が柱体の周囲を囲うように設置されることにより、その柱体との間に隙間が形成される。その隙間にモルタルやコンクリートなどを充填することにより、筒部は柱体に接着される。すなわち、構成部材は、コンクリート基礎と一体に構成される。よって、鉄塔に転倒モーメントが加わった場合であっても、構成部材は、コンクリート基礎と一体に作用し、コンクリート基礎を振れ止めに利用することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上の如く、本発明に係る鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法によれば、増加する引揚荷重を効率よく支持できる支持力を有するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鉄塔の全体図を示す。
【図2】鉄塔基礎の圧縮支持力及び引揚支持力を説明する説明図を示す。
【図3】同実施形態に係る鉄塔基礎の斜視図を示す。
【図4】同実施形態に係る鉄塔基礎の縦断面図を示す。
【図5】本発明の第2実施形態に係る鉄塔基礎の縦断面図である。
【図6】同実施形態に係る鉄塔基礎の図5の切断線A−Aで切断した横断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る鉄塔基礎の側面図である。
【図8】(a)は、同実施形態に係る鉄塔基礎の図7の切断線B−Bで切断した横断面図である。(b)及び(c)は、同実施形態に係る鉄塔基礎用の構成部材の支持部材の拡大側面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【図10】本発明の第5実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【図11】本発明の第6実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【図12】本発明の第7実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第1実施形態に係る鉄塔基礎について、図1〜図4を参酌しつつ説明する。同実施形態に係る鉄塔基礎1,…は、送電線の張り替え工事などで鉄塔90に係る荷重が増加して当該鉄塔基礎1を再構築するときに適用されることが好ましい。この鉄塔基礎1は、鉄塔90が転倒しないように当該鉄塔90を設置面に支持するための構造体である。鉄塔90には、その下部に脚部91を4つ有する。鉄塔基礎1は、この4つの脚部91,…ごとに設けられる。鉄塔90は、鉛直方向に立てられているが、その各脚部91は、鉛直方向から内側(他の脚部に接近する方向)に傾斜する長手方向Aに立てられている。
【0029】
ここで、各鉄塔基礎1,…の構造の説明の前に、鉄塔基礎の圧縮支持力及び引揚支持力の算出理論の例について図2を参酌しつつ説明する。なお、この算出理論は、「JEC−127 送電用支持物設計標準」の「基礎の設計計算式−I(JEC−I式)」によるものである。まず、圧縮支持力は、下記の理論式により算出される(図2(a)参照)。
【数1】
【0030】
また、床板の下面における圧縮荷重は、下記の理論式により算出される。
【数2】
【0031】
また、鉄塔基礎の引揚支持力は、下記の理論式により算出される(図2(b)参照)。
【数3】
【0032】
このように、床板22の面積が水平方向に拡大すれば、床板22の底面積A及び引揚力に有効な土壌体積VEが増加するため、鉄塔基礎1の圧縮支持力及び引揚支持力はともに増加する。しかし、鉄塔基礎1の引揚支持力は、床板22直上の土壌体積VSに比例して増加する圧縮支持力と異なり、床板22の底面上の倒立さい頭錐体中の土の体積に比例して増加するため、床板22の面積を拡大する効果が圧縮支持力より高いといえる。
【0033】
ここから、鉄塔基礎1,…の構造について、図3及び図4を参酌しつつ説明する。各鉄塔基礎1,…は、鉄塔90を支持するコンクリート基礎2と、当該コンクリート基礎2が構築された後に新たに鉄塔90にかかる荷重を支持するために鉄塔90に設けられる鉄塔基礎1,…用の構成部材3と、を備える。鉄塔基礎1は、このコンクリート基礎2を利用した構成部材3により構成される。
【0034】
コンクリート基礎2は、地盤を比較的浅く、そして広く掘削して、基礎スラブを構築する直接基礎である。そして、このコンクリート基礎2は、縦断面の形状が逆T字型をしているため、一般的に逆T字型コンクリート基礎(又はフーチング基礎)と呼ばれる基礎形式であることが好ましい。この逆T字型コンクリート基礎(以下、単に「コンクリート基礎」と略す)2は、鉄塔90の脚部91の長手方向Aに所定の長さを有する柱体21と、該柱体21の下部に設けられる床板22と、を備える。一般的に、コンクリート基礎には、単一の柱体からの荷重を単一の床板が支持する独立フーチング基礎や、2本又はそれ以上の柱体からの荷重を単一の床板が支持する複合フーチング基礎や、壁又は複数の柱体からの荷重を帯状の床板が支持する連続フーチング基礎(又は布基礎)などが含まれる。本実施形態に係るコンクリート基礎2は、独立フーチング基礎である例を説明する。
【0035】
柱体21は、脚部91の(上端部を除いた)上部から下部までにコンクリートを被覆して、外形の形状を略角柱形状(さい頭四角錐体形状)に形成されている。柱体21は、その上部を残して地中に埋設される。
【0036】
床板22は、柱体21に対して所定角度で交差するように設けられている。具体的には、床板22は、地盤面に水平となるように構築された所定高さを有する平面形状の基礎である。床板22は、柱体21から水平方向に所定の面積を有する。床板22の外形は、天面及び底面が正方形状に形成されている。
【0037】
なお、この柱体21及び床板22の形状は、本発明にかかるコンクリート基礎2の一例であり、他の形状(柱体21であれば、円錐台など。床板22であれば、長方形状又は円形状など)であっても適用することができる。
【0038】
構成部材3は、柱体21の長手方向Aに対して直交する方向に所定の面積を有する鍔部4と、鉄塔90の脚部91に鍔部4を連結する連結部材5と、を備える。構成部材3は、鋼材で製造されており、鉄塔基礎1に係る荷重によって容易に変形しない強度を有する。
【0039】
鍔部4は、柱体21の(軸心方向に交差する断面の)全周に沿って環状に形成される。鍔部4は、床面22よりも外側に至る大きさを有する環状の鍔部本体41と、該鍔部本体41を連結部材5に連結する連結部42と、を備える。
【0040】
鍔部本体41は、柱体21の周方向に分割された複数の分割体43,…と、当該分割体43,…同士を結合する結合部44,…と、を備える。本実施形態では、鍔部本体41は、周方向Tに均等に2分割されて形成される。なお、鍔部本体41は、施工時に分割可能であればよく、施工後は、分割可能である必要はない。すなわち、鍔部本体41は、製造時から分割されており、施工時に溶接等で分割不能に結合し、施工後は、分割不能であってもよい。
【0041】
鍔部本体41は、柱体21と交差する方向に床板22より広い面積を有するように形成される外側の第1の縁部43aと、柱体21を囲うことができる大きさに形成される内側の第2の縁部43bと、分割体43,…同士を結合させるときに他の分割体43,…と対向する第3の縁部43cと、を備える。
【0042】
第1の縁部43aは、床板22の天面(又は底面)よりも外側に張り出すように形成されている。本実施形態では、第1の縁部43aは、床板22の対角線の長さよりも長い半径を有する円形状に形成されている。第2の縁部43bは、柱体21の水平方向の断面形状に形成されており、本実施形態では、正方形状に形成されている。第2の縁部43bは、分割体43,…を結合した状態の鍔部本体41に柱体21を囲うことができる開口を形成する。第2の縁部43bは、その開口の中心が柱体21の中心と一致するように形成されている。第3の縁部43cは、鍔部本体41の周方向を均等に分割すべく、当該鍔部本体41の中心を通る直線に沿って分割されることにより形状される。
【0043】
結合部44は、分割された一方の分割体43の第3の縁部43cと、他方の分割体43の第3の縁部43cと、を結合すべく、第3の縁部43cに沿って固定される山形鋼(アングル)と、該山形鋼同士を結合するボルト及びナット(図示せず)と、を備える。
【0044】
連結部42は、第2の縁部43bより外側近辺に環状に設けられる第1のボルト孔45,…と、該第1のボルト孔45から径方向に設けられる直線状のフランジ46,…と、床板22に鍔部本体41を取り付けるために空けられる第2のボルト孔47,…と、を備える。第1のボルト孔45は、連結手段5との間に隙間なく連結するために設けられる。フランジ46,…は、連結手段5に連結することにより、鍔部本体41を補強するために設けられるフランジである。第2のボルト孔47,…は、アンカーボルトを打ち込むために設けられる。
【0045】
連結部材5は、鉄塔90の脚部91に連結する第1の連結部材6と、該第1の連結部材6を鍔部4に連結する第2の連結部材7と、を備える。
【0046】
第1の連結部材6は、鉄塔90の脚部91の上端部の、柱体21より上方に連結される。すなわち、第1の連結部材6は、柱体21から荷重が伝わるように連結されておらず、また、柱体21に荷重が加わるようにも連結されていない。
【0047】
第1の連結部材6は、脚部91の周方向に複数に分割可能に構成されている。つまり、第1の連結部材6は、脚部91に対して脚部91の径方向からそれぞれの分割部分を包囲させるようにして当該分割部分同士を結合することができるように分割されている。本実施形態では、第1の連結部材6は、脚部91の周方向に均等に2分割されて構成された第1の分割体61及び第2の分割体62と、該第1の分割体61及び第2の分割体62同士を結合する結合部63と、を備える。
【0048】
第1の分割体61は、鉄塔90の脚部91の上端部に連結される第1の連結部61Aと、鉄塔90にかかる荷重を第1の連結部61Aから第2の連結部材7に伝達する荷重伝達部61Bと、第2の連結部材7に連結する第2の連結部61Cと、を備える。
【0049】
第1の連結部61Aは、脚部91にかかる荷重で脱落しないよう脚部91にボルト・ナット等で強固に固定される。第1の連結部61Aは、断面形状L型に形成されており、山形鋼で組み立てられている脚部91の外側に対向させて連結される。
【0050】
荷重伝達部61Bは、第2の分割体62の荷重伝達部と組み合わせることにより、さい頭四角錐形状に形成されている。荷重伝達部61Bは、このさい頭四角錐形状のうち隣り合う2面から構成される。荷重伝達部61Bは、当該四角錐体状の天面側に第1の連結部61Aを設け、底面側に第2の連結部61Cを設ける。よって、荷重伝達部61Bは、第1の連結部61Aから均等に第2の連結部7に荷重を分散させることができる。また、荷重伝達部61Bは、当該四角錐体状の高さ方向にかかる荷重によって座屈しない傾斜角度に形成されている。
【0051】
第2の連結部61Cは、第2の分割体62の第2の連結部と組み合わせることにより、第2の連結部7と連結可能な面積を有する円形状に形成されている。第2の連結部61Cは、この円形状の半分、つまり半円形状に形成されている。
【0052】
第2の連結部62は、第1の連結部62Aが脚部91の内側(谷側)に対向させて連結される以外は、第1の連結部61と同様の、第1の連結部62A、荷重伝達部62B及び第2の連結部62Cを備える。
【0053】
結合部63は、荷重伝達部61B,62Bの錐面(傾斜した斜めの斜面)の両側の斜辺(上辺及び底辺以外の辺)に沿って設けられるとともに、第2の連結部61C,61Cを分割する辺に沿って設けられるフランジと、第1の分割体61の荷重伝達部61Bから第2の連結部61Cに渡って形成されるフランジ及び第2の分割体62の荷重伝達部62Bから第2の連結部62Cに渡って形成されるフランジ同士を結合するボルト・ナットとを備える。
【0054】
第2の連結部材7は、鉄塔90の脚部91から柱体21の長手方向Aに沿って形成されている。第2の連結部材7は、少なくとも第1の連結部材6の第1の連結部61A,62Aが鉄塔90の脚部91に連結された位置から鉄塔90を設置する設置面(すなわち、地表面)より下方に至るように形成されている。すなわち、第2の連結部材7は、鍔部4を設置面より下方に位置させることにより、鍔部4を埋設するために設けられる。
【0055】
第2の連結部材7は、第1の連結部材6を介して鉄塔90の脚部91にかかった荷重を鍔部4に伝達する。第2の連結部材7は、柱体21を覆う筒部71と、該筒部71と鍔部4との連結を補強する連結補強部材72と、備える。
【0056】
筒部71は、内側が中空の円筒形状に形成されており、その内側に柱体21が収まる内径を有する。具体的には、筒部71は、筒芯が柱体21の傾斜角度で傾斜する中空のさい頭錐体形状に形成されている。筒部71は、柱体21をその内側に覆うことができる空間を有する。
【0057】
筒部71は、第1の連結部材6の第2の連結部61C,62Cと連結する上部筒部73と、該上部筒部73に連結されて鍔部4を所定の埋設深さで支持する筒部本体74と、鍔部4の第1のボルト孔45,…と連結する下部筒部75と、を備える。更に、上部筒部73と筒部本体74と下部筒部75とは、周方向Tに分割可能な複数の分割体から構成される。上部筒部73と筒部本体74と下部筒部75とは、本実施形態では、2分割可能に構成されている。そして、その分割された面には、フランジが形成されており、それぞれの分割体を結合可能に構成される。また、上部筒部73と筒部本体74と下部筒部75とは、上端及び下端にもフランジが形成されており、それぞれを連結可能に構成されている。
【0058】
上部筒部73は、筒体本体74の上面の傾斜を調整して、筒部71の上面が水平となるように形成されている。筒部本体74は、長手方向の長さに応じて長手方向にも複数に分割可能に構成されている。本実施形態にかかる筒部本体74は、長手方向に3段に分割されている。下部筒部75は、筒部本体74と鍔部4との傾斜を調整して、下面が水平となるように形成されている。
【0059】
連結補強部材72は、筒部71の下部側(本実施形態では、筒部本体74の下部側の分割体と下部筒部75)の側面に形成されたリブに結合する第1板材76,…と、該第1板材76,…及び鍔部4のフランジ46とを結合する第2板材77,…と、第1板材76と第2板材77とを結合するボルト・ナット(図示せず)と、を備える。
【0060】
次に、同実施形態に係る鉄塔基礎1の施工方法について、図3及び図4を参酌しつつ説明する。なお、鉄塔90にかかる荷重が増加して既設の鉄塔基礎(コンクリート基礎2)1を再構築する場合を例に説明する。すなわち、鉄塔基礎1は、鉄塔90及びコンクリート基礎2が既に構築されているものとする。
【0061】
まず、コンクリート基礎2の床面22の天面まで掘削する(掘削工程S1)。掘削工程S1では、柱体21と床板22の天面とが露出した状態で、鍔部4を柱体21の長手方向Aに交差するように設置する(鍔部設置工程S2)。鍔部設置工程S2では、鍔部4は、分割体43,…を柱体21を囲うように床板22の天面に載置し、結合部44で分割体43,43とを結合する。このとき、鍔部4は、床板22の天面(又は底面)よりも外側に張り出すように載置される。よって、この鍔部4が設置されることにより、すべり面(図2参照)は、床板22によって形成されるすべり面よりも、外側にずれることになり、引揚力に有効な土壌重量を増加させることができる。また、鍔部本体41の第2のボルト孔47,…にアンカーボルトを挿通して、床板22にアンカーボルトを打ち込む。このようにして、鍔部4は、床板22に取り付けられる。
【0062】
鍔部設置工程S2の後に、連結部材5で鉄塔90の脚部91に鍔部4を連結する(連結工程S3)。連結工程S3は、鍔部設置工程S2の後に第2の連結部材7を鍔部4に連結する第1の連結工程S3−1と、該第1の連結工程S3−1の後に筒部71と柱体21との間の隙間を閉塞する閉塞工程S3−2と、該閉塞工程S3−2の後に鉄塔90の脚部91に第2の連結部材7を連結する第2の連結工程S3−3と、を備える。
【0063】
第1の連結工程S3−1は、下部筒部75の分割体を柱体21を囲うように鍔部4の第1のボルト孔45に載置してボルトにて連結する(仮組み)。次に、筒部本体74の分割体を柱体21を囲うように下部筒部75の上部に載置してボルトにて連結する(仮組み)。そして、すべての筒部本体74の分割体が連結された後、その筒部本体74に上部筒部73の分割体を柱体21を囲うように筒部本体74の上部に載置してボルトにて連結する(仮組み)。そして、筒部本体74(本実施形態では、最も下側の段の筒部本体)に設けられる第1板材76,…及び下部筒部75に設けられる第1板材76,…と、鍔部4のフランジ46,…とを第2板材77,…で結合する。第2の連結部材7が仮組みされると、すべてのボルトを本締めする。よって、連結補強部材72は、筒部71にかかる引揚荷重を、鍔部4の鍔部本体41の第1の縁部43a(外側)側から第3の縁部43c(内側)側まで均一に分担させることができる。また、適宜、第1の連結部材7に支保材をあてがって支保する。
【0064】
閉塞工程S3−2は、筒部71の内周面と柱体21との間に形成された隙間に、モルタル又は土壌を充填することにより、その隙間を閉塞させる。なお、この隙間にモルタル又は土壌を充填することによって、鉄塔90の脚部91にかかる荷重をコンクリート基礎2と筒部71とで一体に支持可能に結合するものではない。
【0065】
第2の連結工程S3−3は、第1の連結部材6の第1の分割体61及び第2の分割体62とを脚部91を囲うように第2の連結部材7の筒部71に載置してボルトにて連結する。そして、第1の分割体61と第2の分割体62とを結合部63で結合し、第1の分割体61及び第2の分割体62の第1の連結部61A,62Aを脚部61に連結する。
【0066】
最後に、掘削した穴を埋め戻す(埋戻工程S4)ことにより、鉄塔基礎1の施工は完了する。
【0067】
このように、鉄塔90の脚部91からコンクリート基礎2に作用する鉄塔90の荷重は、当該鉄塔90の脚部91に連結されている連結部材3を介して、鍔部4にも作用する。鉄塔90から鉄塔基礎1に作用する引揚荷重は、構成部材3の鍔部4に加わる土圧と、構成部材3そのものの自重及びコンクリート基礎2の自重と、による鉄塔基礎1の支持力により支持される。つまり、鍔部4がコンクリート基礎2の床板22より広い面積を有することにより、構成部材3の鍔部4に加わる土圧が、鉄塔基礎1に新たに加わる荷重に対応して、増加されるためである。よって、構成部材3は、コンクリート基礎2を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎1を構築することができる。
【0068】
また、鍔部4が柱体21を囲うように配置されるが、構成部材3は、柱体21を施工し、鉄塔90の脚部91を当該柱体21に支持した後から、鍔部4を設置する工事を施工することができる。
【0069】
また、筒部71が柱体21の周囲を囲うように設置されることにより、その柱体21との間に隙間が形成される。その隙間にモルタルやコンクリートなどを充填することにより、筒部71は柱体21に接着される。すなわち、構成部材3は、コンクリート基礎2と一体に構成される。よって、鉄塔90に転倒モーメントが加わった場合であっても、構成部材3は、コンクリート基礎2と一体に作用し、コンクリート基礎2を振れ止めに利用することができる。
【0070】
また、筒部71が周方向に分割できるため、構成部材3は、柱体21を施工し、鉄塔90の脚部91を当該柱体21に支持した後からでも、筒部71を設置する工事を施工することができる。
【0071】
次に、本発明の第2実施形態に係る鉄塔基礎について、図5及び図6を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎100は、第1実施形態に係る第2の連結部材7の下部筒部75の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎100は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0072】
同実施形態に係る第2の連結部材107の下部筒部175は、筒部本体74の下端に連結される内側筒部175Aと、該内側筒部175Aより外側に設けられ、鍔部本体41のフランジ46に連結される外側筒部175Bと、内側筒部175A及び外側筒部175Bを連結する連結部175Cと、を備える。
【0073】
内側筒部175Aは、筒部本体74と同形状に形成され、すなわち、上下方向の高さが一定に形成されている。また、内側筒部175Aは、上下方向に沿ってフランジを備える。よって、内側筒部175Aは、当該フランジを利用して連結部175Cを介して外側筒部175Bに連結される。内側筒部175Aは、柱体21の傾斜角度で傾斜した状態で保持される。すなわち、内側筒部175Aは、鍔部本体41との間に隙間を有し、よって、鍔部本体41に連結されていない。
【0074】
外側筒部175Bは、内側筒部175Aを内側に包囲可能な直径を有する。外側筒部175Bは、鍔部4の第1のボルト孔45に結合するために、その下端にフランジを備える。
【0075】
連結部175Cは、内側筒部175Aを柱体21の傾斜角度で傾斜された状態で外側筒部175Bに連結するために、内側筒部175Aと外側筒部175Bとの間に渡される。連結部175Cは、内側筒部175Aと外側筒部175Bとの間を複数個所で連結する。連結部175Cは、板状の部材であり、一端が外側筒部175Bの内周面に固定され、対向する他端が内側筒部175Aの外周面のフランジに連結可能なフランジが形成されている。この連結部175Cの他端は、内側筒部175Aの傾斜角度と同一角度で傾斜している。連結部175Cは、他端が内側筒部175Aのフランジに接続される高さに合わせて、外側筒部175Bの内側に固定されている。連結部175Cの他端に設けられるフランジには、長孔形状のボルト孔が設けられる。
【0076】
同実施形態に係る鉄塔基礎100は、連結工程S3において、まず、外側筒部175Bを鍔部4に連結し、外側鍔部175Bの内周面に固定された連結部175Cに内側筒部175Aを連結する。よって、下部筒部175は、柱体21の傾斜角度で鍔部4に連結することができる。
【0077】
このようにすることにより、連結部175Cの形状及び内側筒部175Aに固定する高さを、鉄塔90の脚部91ごとに異なる柱体21の傾斜角度に合わせて形成することにより、他の部材をどのような傾斜角度の脚部91に対しても共通して利用することができる。
【0078】
また、下部筒部175が鍔部4に連結された後、外側筒部175Bの内側にモルタルを充填することにより、コンクリート基礎2に接着させることができ、振れ止めに利用することができる。
【0079】
次に、本発明の第3実施形態に係る鉄塔基礎について、図7及び図8を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎200は、第1実施形態に係る第2の連結部材7の下部筒部75の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎200は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0080】
同実施形態に係る第2の連結部材207の下部筒部275は、筒部本体74と同形状に形成され、すなわち、上下方向の高さが一定に形成されている下部筒部本体275Aと、該下部筒部本体275Aを柱体21の傾斜角度で傾斜させて支持する支持部材275Bと、連結補強部材72の第2板材77と鍔部4のフランジ46との間の隙間に合わせて第2板材77とフランジ46とを連結する連結部175Cと、を備える。
【0081】
下部筒部本体275Aは、柱体21の傾斜角度で傾斜した状態で保持される。下部筒部本体275Aの下端には、フランジが形成され、支持部材275Aがボルトで任意の箇所に連結できるように構成されている。すなわち、下部筒部本体275Aは、鍔部本体41との間に隙間を有している。
【0082】
支持部材275Bは、図8(b)及び(c)に示すように、下部筒部本体275Aの下端を載置させて支持する載置部275Dと、載置部275Dを支持する支持部275Eと、鍔部4に固定される底部275Fと、を備える。載置部275Dは、下部筒部本体275Aの傾斜角度に合わせて傾斜している。載置部275Dは、下部筒部本体275Aに連結可能なボルト孔を備え、下部筒部本体275Aにボルト・ナットで連結される。支持部275Eは、載置部275Dの高さが下部筒部本体275Aと鍔部4との間の隙間となるように載置部275Dを支持する。底部275Fは、鍔部4に連結可能なボルト孔を備え、鍔部4にボルト・ナットで連結される。
【0083】
連結部275Cは、連結補強部材72の第2板材77と鍔部4のフランジ46と連結するための板状の部材である。連結部275Cは、一端にフランジ46を連結可能なボルト孔(図示せず)を有し、他端部に第2板材77に形成されたボルト孔の位置に合わせて設けられた連結孔275Gを有する。
【0084】
同実施形態に係る鉄塔基礎200は、連結工程S3において、まず、下部筒部本体275Aを設置し、下部筒部本体275Aの下端と鍔部4との隙間に支持部材275Bを設置し、下部筒部本体275Aの下端と鍔部4とに連結する。更に、下部筒部本体275Aの上下方向に固定されているリブに第2板材77を連結するとともに、連結部275Cで第2板材77と鍔部4とを連結する。よって、下部筒部275は、柱体21の傾斜角度で鍔部4に連結することができる。
【0085】
このようにすることにより、支持部材275Bの載置部275Dの高さ及び傾斜角度、及び連結部275Cの連結孔275Gの位置を、鉄塔90の脚部91ごとに異なる柱体21の傾斜角度に合わせて形成することにより、他の部材をどのような傾斜角度の脚部91に対しても共通して利用することができる。
【0086】
次に、本発明の第4実施形態に係る鉄塔基礎について、図9を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎300は、第1実施形態に係る第2の連結部材7の下部筒部75の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎300は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0087】
同実施形態に係る第2の連結部材307の下部筒部375は、筒部本体74(の一番下の分割体)と一体に形成されている。このようにすることにより、部品点数を減らすことができ、現場での作業工数を減らすことができる。
【0088】
次に、本発明の第5実施形態に係る鉄塔基礎について、図10を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎400は、第1実施形態に係る鍔部4の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎400は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0089】
同実施形態に係る鍔部404の鍔部本体441(の分割体443,…)は、第1の縁部443aが外側に向かって上方に傾斜して形成されている。よって、鍔部本体441は、上面の土壌を確実に捕らえることができ、引揚力に有効な土壌の重量をより確実に確保することができる。
【0090】
また、鍔部本体441は、第2の縁部443bが第2の連結部材7の下部筒部75の周面に沿って筒形状に形成されている。よって、鍔部本体441は、その埋設深さを下部筒部75の周面に連結する位置によって調整することができる。
【0091】
次に、本発明の第6実施形態に係る鉄塔基礎について、図11を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎500は、第1実施形態に係る鍔部4の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎500は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0092】
同実施形態に係る鍔部504は、鍔部本体41の下面に、更に、土壌やコンクリートなどを充填可能な格納部543を備える。該格納部543は、土壌やコンクリートなどをその内部に充填することにより、鉄塔基礎500の重量を増加させることができ、引揚力に有効な土壌の重量を増加させることができる。
【0093】
次に、本発明の第7実施形態に係る鉄塔基礎について、図12を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎600は、第1実施形態に係る鍔部4の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎600は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0094】
同実施形態に係る鍔部604は、下部筒部75から床板22より外側に放射状に形成されている。鍔部604は、下部筒部75の長手方向の中途部に2層構造で取り付けられる第1鍔部641及び第2鍔部642と、該第1鍔部641及び第2鍔部642の外側の縁部同士を上下方向に支持する支持部643と、を備える。
【0095】
第1鍔部641及び第2鍔部642は、下部筒部75に一端を連結する複数の棒状部材641A,642A,…と、該棒状部材641A,642A,…の他端を支持する支持リング641B,642Bと、を備える。このように構成することによっても、鍔部604は、その上面で土壌を捕らえることができ、よって、鍔部604自体の重量を下げつつ、引揚支持力を高めることができる。
【0096】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0097】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎用の補強部材及び基礎構造、並びに補強方法は、既設の鉄塔基礎を補強する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明に係る鉄塔基礎用の補強部材は、鉄塔を新設するときから設けられるものであってもよい。
【0098】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎用の補強部材及び基礎構造、並びに補強方法は、鉄塔90が送電線を架設する送電用鉄塔である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明が適用可能な鉄塔は、風力発電設備の風車本体(タワー)や携帯電話等の基地局(を設置する鉄塔)、テレビ又はラジオなどの電波送信塔などを含む。これらの鉄塔においても、設備能力の増強などにより基礎にかかる荷重が増加することがある。本発明に係る鉄塔基礎用の補強部材及び基礎構造、並びに補強方法は、このような事情があるときにも適用することができる。
【0099】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎は、第2の連結部材7,107,207,307が円筒形状の筒部である例を説明したが、これに限定されるものではない。つまり、第2の連結部材は、柱体の周方向Tを全周に亘って覆うことができれば、どのような形状であってもよい。例えば、第2の連結部材は、柱体を収納可能な開口を有する、中空の(楕)円筒や中空のさい頭錐体、角筒であってもよい。よって、第2の連結部材は、この開口に納められた柱体との間の隙間にモルタルなどを充填することができ、柱体に接着することができる。すなわち、第2の連結部材は、コンクリート基礎を振れ止めに利用することができる。
【0100】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎は、第2の連結部材7,107,207,307が柱体21の全周を覆う筒部71,175,275,375である例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、第2の連結部材は、第1の連結部材を介して鉄塔90の脚部91に鍔部を連結することができて、脚部91に係る荷重を鍔部に伝達することができればどのような形状であってもよい。すなわち、第2の連結部材は、柱体21に沿って第1の連結部材と鍔部とを連結する複数の棒状部材であってもよい。
【0101】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎は、鍔部4,404,504,604が筒部71,175,275,375の下端から床板22よりも外側まで延設される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、鍔部は、柱体21と交差する方向に床板22より広い面積を有しておれば、どのような形状であってもよい。具体的には、鍔部は、その一部が床板よりも外側まで延設されていてもよい。鍔部は、筒部に対して長手方向のどの位置に設けられていてもよい。鍔部は、床板により形成されるすべり面(図2参照)よりも外側に延設されることが好ましく、更には、床板による引揚力に有効な土壌の重量よりも増加する埋設深さ及び柱体と交差する方向に広い面積を有していることが好ましい。なお、すべり面の位置は、本実施形態では、JEC−127 送電用支持物設計標準」の「基礎の設計計算式−I(JEC−I式)」による値としたが、これに限定されるものではない。例えば、鍔部は、他の算出理論に基づいて算出されたすべり面よりも外側に延設されてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…鉄塔基礎、2…コンクリート基礎、21…柱体、22…床板、3…構成部材、4… 鍔部、41…鍔部本体、42…連結部、43…分割体、43a…第1の縁部、43b…第2の縁部、44c…第3の縁部、44…結合部、45…第1のボルト孔、46…フランジ、47…第2のボルト孔、5…連結部材、6…第1の連結部材、61…第1の分割体、61A…第1の連結部、61B…荷重伝達部、61C…第2の連結部、62…第2の分割体、62A…第1の連結部、62B…荷重伝達部、62C…第2の連結部、63…結合部、7…第2の連結部材、71…筒部、72…連結補強部材、73…上部筒部、74…筒部本体、75…下部筒部、76…第1板材、77…第2板材、90…鉄塔、91…脚部、100…鉄塔基礎、107…第2の連結部材、175…下部筒部、175A…内側筒部、175B…外側筒部、175C…連結部、200…鉄塔基礎、207…第2の連結部材、275…下部筒部、275A…下部筒部本体、275B…支持部材、275C…連結部、275D…載置部、275E…支持部、275F…底部、275G…連結孔、300…鉄塔基礎、307…第2の連結部材、375…下部筒部、400…鉄塔基礎、404…鍔部、500…鉄塔基礎、504…鍔部、543…格納部、600…鉄塔基礎、604…鍔部、641…第1鍔部、641A…棒状部材、641B…支持リング、642…第2鍔部、642A…棒状部材、642B…支持リング、643…支持部、A…長手方向、S1…掘削工程、S2…鍔部設置工程、S3…連結工程、S3−1…第1の連結工程、S3−2…閉塞工程、S3−3…第2の連結工程、S4…埋戻工程
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電線を架設する鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、送電線を架設する鉄塔は、鉄塔の脚部を支持する柱体と、鉄塔の荷重を地盤に伝える床板と、を有する鉄塔基礎(コンクリート基礎)に設けられている(例えば、特許文献1参照)。この鉄塔基礎が支持する荷重は、主に、当該鉄塔自体にかかる荷重と、当該鉄塔が架設する送電線にかかる荷重と、から構成される。この鉄塔基礎は、これらの荷重を支持できる支持力を有するように構築されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−256573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、鉄塔基礎が構築された後に送電設備の送電容量を増加させなければならないとき、送電設備では、送電線を張り替える工事が施工される。この張り替え工事により、鉄塔基礎にかかる荷重は増加することがある。例えば、送電線やその送電線を支持する支持金物の交換により、鉄塔基礎に作用する荷重のうち送電線に作用する荷重が増加するとき、鉄塔基礎に作用する荷重は増加する。また、送電線に作用する荷重の増加に伴って鉄塔自体を改修することにより、鉄塔自体に作用する荷重が増加するときも、鉄塔基礎に作用する荷重は増加する。
【0005】
このため、送電設備は、この新たに増加した荷重に対応すべく、鉄塔基礎を再構築しなければならない。そこで、特許文献1に記載された鉄塔基礎は、鉄塔基礎の一部を撤去して残った既設基礎と、新たに構築される増設基礎と、によって、増加した荷重が支持できるように再構築するものである。
【0006】
また、鉄塔基礎は、鉄塔自体の重量、電線や支持金物の重量などによる影響よりも、台風や季節風などによる風荷重の影響を強く受ける。その結果、風下側の脚部には下方に圧縮荷重が作用する一方、風上側の脚部には上方に引揚荷重(引抜き力)が作用する。この圧縮荷重は、鉄塔の脚部が鉄塔基礎を圧縮する方向に加わる荷重である。圧縮荷重の方向は、鉄塔の長手方向を下方に向かう方向である。引揚荷重は、鉄塔の脚部が鉄塔基礎を引き抜く方向に加わる荷重である。引揚荷重の方向は、鉄塔の長手方向を上方に向かう方向である。鉄塔基礎は、引揚荷重に対する支持力の裕度が少ない場合が多い。
【0007】
従って、鉄塔基礎にかかる荷重は、圧縮荷重よりも引揚荷重の方が支配的になる。そのため、増加した圧縮荷重は、既設の鉄塔基礎の支持力で支持できるが、増加した引揚荷重は、既設の鉄塔基礎の支持力で支持することができない場合がある。すなわち、既設のコンクリート基礎では、引揚荷重を支持する支持力が不足するときがある。再構築される鉄塔基礎は、増加した引揚荷重を支持できる支持力を備える必要がある。
【0008】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、増加する引揚荷重を効率よく支持できる支持力を有する鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る鉄塔基礎用の構成部材は、鉄塔の脚部の下部を支持するコンクリート基礎に設けられる鉄塔基礎用の構成部材において、前記コンクリート基礎は、前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、を備え、前記柱体と交差する方向に前記床板より広い面積を有する鍔部と、前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0011】
また、本発明によれば、前記鍔部は、前記柱体の全周に沿って環状に形成されるとともに、当該柱体の周方向に分割可能な複数の分割体から構成されることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、鍔部が柱体を囲うように配置される場合であっても、構成部材は、柱体を施工し、鉄塔の脚部を当該柱体に支持した後から、鍔部を設置する工事を施工することができる。
【0013】
また、本発明によれば、前記連結部材は、前記鉄塔の脚部に連結する第1の連結部材と、該第1の連結部材を前記鍔部に連結する第2の連結部材と、を備えることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0015】
また、本発明によれば、前記第2の連結部材は、前記柱体を覆う筒部を備えることが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、筒部が柱体の周囲を囲うように設置されることにより、その柱体との間に隙間が形成される。その隙間にモルタルやコンクリートなどを充填することにより、筒部は柱体に接着される。すなわち、構成部材は、コンクリート基礎と一体に構成される。よって、鉄塔に転倒モーメントが加わった場合であっても、構成部材は、コンクリート基礎と一体に作用し、コンクリート基礎を振れ止めに利用することができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記筒部は、周方向に分割可能な複数の分割体から構成されることが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、構成部材は、柱体を施工し、鉄塔の脚部を当該柱体に支持した後からでも、柱体の周方向に囲うように設置する筒部を設置する工事を施工することができる。
【0019】
また、本発明に係る鉄塔用の鉄塔基礎は、前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、前記構成部材と、を備えることを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0021】
また、本発明に係る鉄塔用の鉄塔基礎の施工方法は、前記構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、前記連結部材で前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結工程と、を備えることを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0023】
また、本発明に係る鉄塔用の鉄塔基礎の施工方法は、前記鉄塔基礎用の構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、該鍔部設置工程の後に前記第2の連結部材を鍔部に連結する第1の連結工程と、該第1の連結工程の後に前記筒部と前記柱体との間の隙間を閉塞する閉塞工程と、該閉塞工程の後に前記鉄塔の脚部に第2の連結部材を連結する第2の連結工程と、を備えることを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、鉄塔の脚部からコンクリート基礎に作用する鉄塔の荷重は、当該鉄塔の脚部に連結されている連結部材を介して、鍔部にも作用する。鉄塔から鉄塔基礎に伝達される引揚荷重は、構成部材の鍔部に加わる土圧と、構成部材そのものの自重及びコンクリート基礎の自重と、による鉄塔基礎の支持力により支持される。つまり、鍔部がコンクリート基礎の床板より広い面積を有することにより、構成部材の鍔部に加わる土圧が、鉄塔基礎に新たに加わる荷重に対応して増加されるためである。よって、構成部材は、コンクリート基礎を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎を構築することができる。
【0025】
更に、筒部が柱体の周囲を囲うように設置されることにより、その柱体との間に隙間が形成される。その隙間にモルタルやコンクリートなどを充填することにより、筒部は柱体に接着される。すなわち、構成部材は、コンクリート基礎と一体に構成される。よって、鉄塔に転倒モーメントが加わった場合であっても、構成部材は、コンクリート基礎と一体に作用し、コンクリート基礎を振れ止めに利用することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上の如く、本発明に係る鉄塔基礎用の構成部材及び鉄塔基礎、並びに鉄塔基礎の施工方法によれば、増加する引揚荷重を効率よく支持できる支持力を有するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鉄塔の全体図を示す。
【図2】鉄塔基礎の圧縮支持力及び引揚支持力を説明する説明図を示す。
【図3】同実施形態に係る鉄塔基礎の斜視図を示す。
【図4】同実施形態に係る鉄塔基礎の縦断面図を示す。
【図5】本発明の第2実施形態に係る鉄塔基礎の縦断面図である。
【図6】同実施形態に係る鉄塔基礎の図5の切断線A−Aで切断した横断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る鉄塔基礎の側面図である。
【図8】(a)は、同実施形態に係る鉄塔基礎の図7の切断線B−Bで切断した横断面図である。(b)及び(c)は、同実施形態に係る鉄塔基礎用の構成部材の支持部材の拡大側面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【図10】本発明の第5実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【図11】本発明の第6実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【図12】本発明の第7実施形態に係る鉄塔基礎の全体斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第1実施形態に係る鉄塔基礎について、図1〜図4を参酌しつつ説明する。同実施形態に係る鉄塔基礎1,…は、送電線の張り替え工事などで鉄塔90に係る荷重が増加して当該鉄塔基礎1を再構築するときに適用されることが好ましい。この鉄塔基礎1は、鉄塔90が転倒しないように当該鉄塔90を設置面に支持するための構造体である。鉄塔90には、その下部に脚部91を4つ有する。鉄塔基礎1は、この4つの脚部91,…ごとに設けられる。鉄塔90は、鉛直方向に立てられているが、その各脚部91は、鉛直方向から内側(他の脚部に接近する方向)に傾斜する長手方向Aに立てられている。
【0029】
ここで、各鉄塔基礎1,…の構造の説明の前に、鉄塔基礎の圧縮支持力及び引揚支持力の算出理論の例について図2を参酌しつつ説明する。なお、この算出理論は、「JEC−127 送電用支持物設計標準」の「基礎の設計計算式−I(JEC−I式)」によるものである。まず、圧縮支持力は、下記の理論式により算出される(図2(a)参照)。
【数1】
【0030】
また、床板の下面における圧縮荷重は、下記の理論式により算出される。
【数2】
【0031】
また、鉄塔基礎の引揚支持力は、下記の理論式により算出される(図2(b)参照)。
【数3】
【0032】
このように、床板22の面積が水平方向に拡大すれば、床板22の底面積A及び引揚力に有効な土壌体積VEが増加するため、鉄塔基礎1の圧縮支持力及び引揚支持力はともに増加する。しかし、鉄塔基礎1の引揚支持力は、床板22直上の土壌体積VSに比例して増加する圧縮支持力と異なり、床板22の底面上の倒立さい頭錐体中の土の体積に比例して増加するため、床板22の面積を拡大する効果が圧縮支持力より高いといえる。
【0033】
ここから、鉄塔基礎1,…の構造について、図3及び図4を参酌しつつ説明する。各鉄塔基礎1,…は、鉄塔90を支持するコンクリート基礎2と、当該コンクリート基礎2が構築された後に新たに鉄塔90にかかる荷重を支持するために鉄塔90に設けられる鉄塔基礎1,…用の構成部材3と、を備える。鉄塔基礎1は、このコンクリート基礎2を利用した構成部材3により構成される。
【0034】
コンクリート基礎2は、地盤を比較的浅く、そして広く掘削して、基礎スラブを構築する直接基礎である。そして、このコンクリート基礎2は、縦断面の形状が逆T字型をしているため、一般的に逆T字型コンクリート基礎(又はフーチング基礎)と呼ばれる基礎形式であることが好ましい。この逆T字型コンクリート基礎(以下、単に「コンクリート基礎」と略す)2は、鉄塔90の脚部91の長手方向Aに所定の長さを有する柱体21と、該柱体21の下部に設けられる床板22と、を備える。一般的に、コンクリート基礎には、単一の柱体からの荷重を単一の床板が支持する独立フーチング基礎や、2本又はそれ以上の柱体からの荷重を単一の床板が支持する複合フーチング基礎や、壁又は複数の柱体からの荷重を帯状の床板が支持する連続フーチング基礎(又は布基礎)などが含まれる。本実施形態に係るコンクリート基礎2は、独立フーチング基礎である例を説明する。
【0035】
柱体21は、脚部91の(上端部を除いた)上部から下部までにコンクリートを被覆して、外形の形状を略角柱形状(さい頭四角錐体形状)に形成されている。柱体21は、その上部を残して地中に埋設される。
【0036】
床板22は、柱体21に対して所定角度で交差するように設けられている。具体的には、床板22は、地盤面に水平となるように構築された所定高さを有する平面形状の基礎である。床板22は、柱体21から水平方向に所定の面積を有する。床板22の外形は、天面及び底面が正方形状に形成されている。
【0037】
なお、この柱体21及び床板22の形状は、本発明にかかるコンクリート基礎2の一例であり、他の形状(柱体21であれば、円錐台など。床板22であれば、長方形状又は円形状など)であっても適用することができる。
【0038】
構成部材3は、柱体21の長手方向Aに対して直交する方向に所定の面積を有する鍔部4と、鉄塔90の脚部91に鍔部4を連結する連結部材5と、を備える。構成部材3は、鋼材で製造されており、鉄塔基礎1に係る荷重によって容易に変形しない強度を有する。
【0039】
鍔部4は、柱体21の(軸心方向に交差する断面の)全周に沿って環状に形成される。鍔部4は、床面22よりも外側に至る大きさを有する環状の鍔部本体41と、該鍔部本体41を連結部材5に連結する連結部42と、を備える。
【0040】
鍔部本体41は、柱体21の周方向に分割された複数の分割体43,…と、当該分割体43,…同士を結合する結合部44,…と、を備える。本実施形態では、鍔部本体41は、周方向Tに均等に2分割されて形成される。なお、鍔部本体41は、施工時に分割可能であればよく、施工後は、分割可能である必要はない。すなわち、鍔部本体41は、製造時から分割されており、施工時に溶接等で分割不能に結合し、施工後は、分割不能であってもよい。
【0041】
鍔部本体41は、柱体21と交差する方向に床板22より広い面積を有するように形成される外側の第1の縁部43aと、柱体21を囲うことができる大きさに形成される内側の第2の縁部43bと、分割体43,…同士を結合させるときに他の分割体43,…と対向する第3の縁部43cと、を備える。
【0042】
第1の縁部43aは、床板22の天面(又は底面)よりも外側に張り出すように形成されている。本実施形態では、第1の縁部43aは、床板22の対角線の長さよりも長い半径を有する円形状に形成されている。第2の縁部43bは、柱体21の水平方向の断面形状に形成されており、本実施形態では、正方形状に形成されている。第2の縁部43bは、分割体43,…を結合した状態の鍔部本体41に柱体21を囲うことができる開口を形成する。第2の縁部43bは、その開口の中心が柱体21の中心と一致するように形成されている。第3の縁部43cは、鍔部本体41の周方向を均等に分割すべく、当該鍔部本体41の中心を通る直線に沿って分割されることにより形状される。
【0043】
結合部44は、分割された一方の分割体43の第3の縁部43cと、他方の分割体43の第3の縁部43cと、を結合すべく、第3の縁部43cに沿って固定される山形鋼(アングル)と、該山形鋼同士を結合するボルト及びナット(図示せず)と、を備える。
【0044】
連結部42は、第2の縁部43bより外側近辺に環状に設けられる第1のボルト孔45,…と、該第1のボルト孔45から径方向に設けられる直線状のフランジ46,…と、床板22に鍔部本体41を取り付けるために空けられる第2のボルト孔47,…と、を備える。第1のボルト孔45は、連結手段5との間に隙間なく連結するために設けられる。フランジ46,…は、連結手段5に連結することにより、鍔部本体41を補強するために設けられるフランジである。第2のボルト孔47,…は、アンカーボルトを打ち込むために設けられる。
【0045】
連結部材5は、鉄塔90の脚部91に連結する第1の連結部材6と、該第1の連結部材6を鍔部4に連結する第2の連結部材7と、を備える。
【0046】
第1の連結部材6は、鉄塔90の脚部91の上端部の、柱体21より上方に連結される。すなわち、第1の連結部材6は、柱体21から荷重が伝わるように連結されておらず、また、柱体21に荷重が加わるようにも連結されていない。
【0047】
第1の連結部材6は、脚部91の周方向に複数に分割可能に構成されている。つまり、第1の連結部材6は、脚部91に対して脚部91の径方向からそれぞれの分割部分を包囲させるようにして当該分割部分同士を結合することができるように分割されている。本実施形態では、第1の連結部材6は、脚部91の周方向に均等に2分割されて構成された第1の分割体61及び第2の分割体62と、該第1の分割体61及び第2の分割体62同士を結合する結合部63と、を備える。
【0048】
第1の分割体61は、鉄塔90の脚部91の上端部に連結される第1の連結部61Aと、鉄塔90にかかる荷重を第1の連結部61Aから第2の連結部材7に伝達する荷重伝達部61Bと、第2の連結部材7に連結する第2の連結部61Cと、を備える。
【0049】
第1の連結部61Aは、脚部91にかかる荷重で脱落しないよう脚部91にボルト・ナット等で強固に固定される。第1の連結部61Aは、断面形状L型に形成されており、山形鋼で組み立てられている脚部91の外側に対向させて連結される。
【0050】
荷重伝達部61Bは、第2の分割体62の荷重伝達部と組み合わせることにより、さい頭四角錐形状に形成されている。荷重伝達部61Bは、このさい頭四角錐形状のうち隣り合う2面から構成される。荷重伝達部61Bは、当該四角錐体状の天面側に第1の連結部61Aを設け、底面側に第2の連結部61Cを設ける。よって、荷重伝達部61Bは、第1の連結部61Aから均等に第2の連結部7に荷重を分散させることができる。また、荷重伝達部61Bは、当該四角錐体状の高さ方向にかかる荷重によって座屈しない傾斜角度に形成されている。
【0051】
第2の連結部61Cは、第2の分割体62の第2の連結部と組み合わせることにより、第2の連結部7と連結可能な面積を有する円形状に形成されている。第2の連結部61Cは、この円形状の半分、つまり半円形状に形成されている。
【0052】
第2の連結部62は、第1の連結部62Aが脚部91の内側(谷側)に対向させて連結される以外は、第1の連結部61と同様の、第1の連結部62A、荷重伝達部62B及び第2の連結部62Cを備える。
【0053】
結合部63は、荷重伝達部61B,62Bの錐面(傾斜した斜めの斜面)の両側の斜辺(上辺及び底辺以外の辺)に沿って設けられるとともに、第2の連結部61C,61Cを分割する辺に沿って設けられるフランジと、第1の分割体61の荷重伝達部61Bから第2の連結部61Cに渡って形成されるフランジ及び第2の分割体62の荷重伝達部62Bから第2の連結部62Cに渡って形成されるフランジ同士を結合するボルト・ナットとを備える。
【0054】
第2の連結部材7は、鉄塔90の脚部91から柱体21の長手方向Aに沿って形成されている。第2の連結部材7は、少なくとも第1の連結部材6の第1の連結部61A,62Aが鉄塔90の脚部91に連結された位置から鉄塔90を設置する設置面(すなわち、地表面)より下方に至るように形成されている。すなわち、第2の連結部材7は、鍔部4を設置面より下方に位置させることにより、鍔部4を埋設するために設けられる。
【0055】
第2の連結部材7は、第1の連結部材6を介して鉄塔90の脚部91にかかった荷重を鍔部4に伝達する。第2の連結部材7は、柱体21を覆う筒部71と、該筒部71と鍔部4との連結を補強する連結補強部材72と、備える。
【0056】
筒部71は、内側が中空の円筒形状に形成されており、その内側に柱体21が収まる内径を有する。具体的には、筒部71は、筒芯が柱体21の傾斜角度で傾斜する中空のさい頭錐体形状に形成されている。筒部71は、柱体21をその内側に覆うことができる空間を有する。
【0057】
筒部71は、第1の連結部材6の第2の連結部61C,62Cと連結する上部筒部73と、該上部筒部73に連結されて鍔部4を所定の埋設深さで支持する筒部本体74と、鍔部4の第1のボルト孔45,…と連結する下部筒部75と、を備える。更に、上部筒部73と筒部本体74と下部筒部75とは、周方向Tに分割可能な複数の分割体から構成される。上部筒部73と筒部本体74と下部筒部75とは、本実施形態では、2分割可能に構成されている。そして、その分割された面には、フランジが形成されており、それぞれの分割体を結合可能に構成される。また、上部筒部73と筒部本体74と下部筒部75とは、上端及び下端にもフランジが形成されており、それぞれを連結可能に構成されている。
【0058】
上部筒部73は、筒体本体74の上面の傾斜を調整して、筒部71の上面が水平となるように形成されている。筒部本体74は、長手方向の長さに応じて長手方向にも複数に分割可能に構成されている。本実施形態にかかる筒部本体74は、長手方向に3段に分割されている。下部筒部75は、筒部本体74と鍔部4との傾斜を調整して、下面が水平となるように形成されている。
【0059】
連結補強部材72は、筒部71の下部側(本実施形態では、筒部本体74の下部側の分割体と下部筒部75)の側面に形成されたリブに結合する第1板材76,…と、該第1板材76,…及び鍔部4のフランジ46とを結合する第2板材77,…と、第1板材76と第2板材77とを結合するボルト・ナット(図示せず)と、を備える。
【0060】
次に、同実施形態に係る鉄塔基礎1の施工方法について、図3及び図4を参酌しつつ説明する。なお、鉄塔90にかかる荷重が増加して既設の鉄塔基礎(コンクリート基礎2)1を再構築する場合を例に説明する。すなわち、鉄塔基礎1は、鉄塔90及びコンクリート基礎2が既に構築されているものとする。
【0061】
まず、コンクリート基礎2の床面22の天面まで掘削する(掘削工程S1)。掘削工程S1では、柱体21と床板22の天面とが露出した状態で、鍔部4を柱体21の長手方向Aに交差するように設置する(鍔部設置工程S2)。鍔部設置工程S2では、鍔部4は、分割体43,…を柱体21を囲うように床板22の天面に載置し、結合部44で分割体43,43とを結合する。このとき、鍔部4は、床板22の天面(又は底面)よりも外側に張り出すように載置される。よって、この鍔部4が設置されることにより、すべり面(図2参照)は、床板22によって形成されるすべり面よりも、外側にずれることになり、引揚力に有効な土壌重量を増加させることができる。また、鍔部本体41の第2のボルト孔47,…にアンカーボルトを挿通して、床板22にアンカーボルトを打ち込む。このようにして、鍔部4は、床板22に取り付けられる。
【0062】
鍔部設置工程S2の後に、連結部材5で鉄塔90の脚部91に鍔部4を連結する(連結工程S3)。連結工程S3は、鍔部設置工程S2の後に第2の連結部材7を鍔部4に連結する第1の連結工程S3−1と、該第1の連結工程S3−1の後に筒部71と柱体21との間の隙間を閉塞する閉塞工程S3−2と、該閉塞工程S3−2の後に鉄塔90の脚部91に第2の連結部材7を連結する第2の連結工程S3−3と、を備える。
【0063】
第1の連結工程S3−1は、下部筒部75の分割体を柱体21を囲うように鍔部4の第1のボルト孔45に載置してボルトにて連結する(仮組み)。次に、筒部本体74の分割体を柱体21を囲うように下部筒部75の上部に載置してボルトにて連結する(仮組み)。そして、すべての筒部本体74の分割体が連結された後、その筒部本体74に上部筒部73の分割体を柱体21を囲うように筒部本体74の上部に載置してボルトにて連結する(仮組み)。そして、筒部本体74(本実施形態では、最も下側の段の筒部本体)に設けられる第1板材76,…及び下部筒部75に設けられる第1板材76,…と、鍔部4のフランジ46,…とを第2板材77,…で結合する。第2の連結部材7が仮組みされると、すべてのボルトを本締めする。よって、連結補強部材72は、筒部71にかかる引揚荷重を、鍔部4の鍔部本体41の第1の縁部43a(外側)側から第3の縁部43c(内側)側まで均一に分担させることができる。また、適宜、第1の連結部材7に支保材をあてがって支保する。
【0064】
閉塞工程S3−2は、筒部71の内周面と柱体21との間に形成された隙間に、モルタル又は土壌を充填することにより、その隙間を閉塞させる。なお、この隙間にモルタル又は土壌を充填することによって、鉄塔90の脚部91にかかる荷重をコンクリート基礎2と筒部71とで一体に支持可能に結合するものではない。
【0065】
第2の連結工程S3−3は、第1の連結部材6の第1の分割体61及び第2の分割体62とを脚部91を囲うように第2の連結部材7の筒部71に載置してボルトにて連結する。そして、第1の分割体61と第2の分割体62とを結合部63で結合し、第1の分割体61及び第2の分割体62の第1の連結部61A,62Aを脚部61に連結する。
【0066】
最後に、掘削した穴を埋め戻す(埋戻工程S4)ことにより、鉄塔基礎1の施工は完了する。
【0067】
このように、鉄塔90の脚部91からコンクリート基礎2に作用する鉄塔90の荷重は、当該鉄塔90の脚部91に連結されている連結部材3を介して、鍔部4にも作用する。鉄塔90から鉄塔基礎1に作用する引揚荷重は、構成部材3の鍔部4に加わる土圧と、構成部材3そのものの自重及びコンクリート基礎2の自重と、による鉄塔基礎1の支持力により支持される。つまり、鍔部4がコンクリート基礎2の床板22より広い面積を有することにより、構成部材3の鍔部4に加わる土圧が、鉄塔基礎1に新たに加わる荷重に対応して、増加されるためである。よって、構成部材3は、コンクリート基礎2を利用して、増加する引揚荷重を効率よく支持する支持力を備える鉄塔基礎1を構築することができる。
【0068】
また、鍔部4が柱体21を囲うように配置されるが、構成部材3は、柱体21を施工し、鉄塔90の脚部91を当該柱体21に支持した後から、鍔部4を設置する工事を施工することができる。
【0069】
また、筒部71が柱体21の周囲を囲うように設置されることにより、その柱体21との間に隙間が形成される。その隙間にモルタルやコンクリートなどを充填することにより、筒部71は柱体21に接着される。すなわち、構成部材3は、コンクリート基礎2と一体に構成される。よって、鉄塔90に転倒モーメントが加わった場合であっても、構成部材3は、コンクリート基礎2と一体に作用し、コンクリート基礎2を振れ止めに利用することができる。
【0070】
また、筒部71が周方向に分割できるため、構成部材3は、柱体21を施工し、鉄塔90の脚部91を当該柱体21に支持した後からでも、筒部71を設置する工事を施工することができる。
【0071】
次に、本発明の第2実施形態に係る鉄塔基礎について、図5及び図6を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎100は、第1実施形態に係る第2の連結部材7の下部筒部75の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎100は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0072】
同実施形態に係る第2の連結部材107の下部筒部175は、筒部本体74の下端に連結される内側筒部175Aと、該内側筒部175Aより外側に設けられ、鍔部本体41のフランジ46に連結される外側筒部175Bと、内側筒部175A及び外側筒部175Bを連結する連結部175Cと、を備える。
【0073】
内側筒部175Aは、筒部本体74と同形状に形成され、すなわち、上下方向の高さが一定に形成されている。また、内側筒部175Aは、上下方向に沿ってフランジを備える。よって、内側筒部175Aは、当該フランジを利用して連結部175Cを介して外側筒部175Bに連結される。内側筒部175Aは、柱体21の傾斜角度で傾斜した状態で保持される。すなわち、内側筒部175Aは、鍔部本体41との間に隙間を有し、よって、鍔部本体41に連結されていない。
【0074】
外側筒部175Bは、内側筒部175Aを内側に包囲可能な直径を有する。外側筒部175Bは、鍔部4の第1のボルト孔45に結合するために、その下端にフランジを備える。
【0075】
連結部175Cは、内側筒部175Aを柱体21の傾斜角度で傾斜された状態で外側筒部175Bに連結するために、内側筒部175Aと外側筒部175Bとの間に渡される。連結部175Cは、内側筒部175Aと外側筒部175Bとの間を複数個所で連結する。連結部175Cは、板状の部材であり、一端が外側筒部175Bの内周面に固定され、対向する他端が内側筒部175Aの外周面のフランジに連結可能なフランジが形成されている。この連結部175Cの他端は、内側筒部175Aの傾斜角度と同一角度で傾斜している。連結部175Cは、他端が内側筒部175Aのフランジに接続される高さに合わせて、外側筒部175Bの内側に固定されている。連結部175Cの他端に設けられるフランジには、長孔形状のボルト孔が設けられる。
【0076】
同実施形態に係る鉄塔基礎100は、連結工程S3において、まず、外側筒部175Bを鍔部4に連結し、外側鍔部175Bの内周面に固定された連結部175Cに内側筒部175Aを連結する。よって、下部筒部175は、柱体21の傾斜角度で鍔部4に連結することができる。
【0077】
このようにすることにより、連結部175Cの形状及び内側筒部175Aに固定する高さを、鉄塔90の脚部91ごとに異なる柱体21の傾斜角度に合わせて形成することにより、他の部材をどのような傾斜角度の脚部91に対しても共通して利用することができる。
【0078】
また、下部筒部175が鍔部4に連結された後、外側筒部175Bの内側にモルタルを充填することにより、コンクリート基礎2に接着させることができ、振れ止めに利用することができる。
【0079】
次に、本発明の第3実施形態に係る鉄塔基礎について、図7及び図8を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎200は、第1実施形態に係る第2の連結部材7の下部筒部75の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎200は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0080】
同実施形態に係る第2の連結部材207の下部筒部275は、筒部本体74と同形状に形成され、すなわち、上下方向の高さが一定に形成されている下部筒部本体275Aと、該下部筒部本体275Aを柱体21の傾斜角度で傾斜させて支持する支持部材275Bと、連結補強部材72の第2板材77と鍔部4のフランジ46との間の隙間に合わせて第2板材77とフランジ46とを連結する連結部175Cと、を備える。
【0081】
下部筒部本体275Aは、柱体21の傾斜角度で傾斜した状態で保持される。下部筒部本体275Aの下端には、フランジが形成され、支持部材275Aがボルトで任意の箇所に連結できるように構成されている。すなわち、下部筒部本体275Aは、鍔部本体41との間に隙間を有している。
【0082】
支持部材275Bは、図8(b)及び(c)に示すように、下部筒部本体275Aの下端を載置させて支持する載置部275Dと、載置部275Dを支持する支持部275Eと、鍔部4に固定される底部275Fと、を備える。載置部275Dは、下部筒部本体275Aの傾斜角度に合わせて傾斜している。載置部275Dは、下部筒部本体275Aに連結可能なボルト孔を備え、下部筒部本体275Aにボルト・ナットで連結される。支持部275Eは、載置部275Dの高さが下部筒部本体275Aと鍔部4との間の隙間となるように載置部275Dを支持する。底部275Fは、鍔部4に連結可能なボルト孔を備え、鍔部4にボルト・ナットで連結される。
【0083】
連結部275Cは、連結補強部材72の第2板材77と鍔部4のフランジ46と連結するための板状の部材である。連結部275Cは、一端にフランジ46を連結可能なボルト孔(図示せず)を有し、他端部に第2板材77に形成されたボルト孔の位置に合わせて設けられた連結孔275Gを有する。
【0084】
同実施形態に係る鉄塔基礎200は、連結工程S3において、まず、下部筒部本体275Aを設置し、下部筒部本体275Aの下端と鍔部4との隙間に支持部材275Bを設置し、下部筒部本体275Aの下端と鍔部4とに連結する。更に、下部筒部本体275Aの上下方向に固定されているリブに第2板材77を連結するとともに、連結部275Cで第2板材77と鍔部4とを連結する。よって、下部筒部275は、柱体21の傾斜角度で鍔部4に連結することができる。
【0085】
このようにすることにより、支持部材275Bの載置部275Dの高さ及び傾斜角度、及び連結部275Cの連結孔275Gの位置を、鉄塔90の脚部91ごとに異なる柱体21の傾斜角度に合わせて形成することにより、他の部材をどのような傾斜角度の脚部91に対しても共通して利用することができる。
【0086】
次に、本発明の第4実施形態に係る鉄塔基礎について、図9を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎300は、第1実施形態に係る第2の連結部材7の下部筒部75の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎300は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0087】
同実施形態に係る第2の連結部材307の下部筒部375は、筒部本体74(の一番下の分割体)と一体に形成されている。このようにすることにより、部品点数を減らすことができ、現場での作業工数を減らすことができる。
【0088】
次に、本発明の第5実施形態に係る鉄塔基礎について、図10を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎400は、第1実施形態に係る鍔部4の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎400は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0089】
同実施形態に係る鍔部404の鍔部本体441(の分割体443,…)は、第1の縁部443aが外側に向かって上方に傾斜して形成されている。よって、鍔部本体441は、上面の土壌を確実に捕らえることができ、引揚力に有効な土壌の重量をより確実に確保することができる。
【0090】
また、鍔部本体441は、第2の縁部443bが第2の連結部材7の下部筒部75の周面に沿って筒形状に形成されている。よって、鍔部本体441は、その埋設深さを下部筒部75の周面に連結する位置によって調整することができる。
【0091】
次に、本発明の第6実施形態に係る鉄塔基礎について、図11を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎500は、第1実施形態に係る鍔部4の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎500は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0092】
同実施形態に係る鍔部504は、鍔部本体41の下面に、更に、土壌やコンクリートなどを充填可能な格納部543を備える。該格納部543は、土壌やコンクリートなどをその内部に充填することにより、鉄塔基礎500の重量を増加させることができ、引揚力に有効な土壌の重量を増加させることができる。
【0093】
次に、本発明の第7実施形態に係る鉄塔基礎について、図12を参酌しつつ説明する。なお、同実施形態に係る鉄塔基礎600は、第1実施形態に係る鍔部4の変形例である。よって、同実施形態に係る鉄塔基礎600は、第1実施形態に係る鉄塔基礎100と同一の構成については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
【0094】
同実施形態に係る鍔部604は、下部筒部75から床板22より外側に放射状に形成されている。鍔部604は、下部筒部75の長手方向の中途部に2層構造で取り付けられる第1鍔部641及び第2鍔部642と、該第1鍔部641及び第2鍔部642の外側の縁部同士を上下方向に支持する支持部643と、を備える。
【0095】
第1鍔部641及び第2鍔部642は、下部筒部75に一端を連結する複数の棒状部材641A,642A,…と、該棒状部材641A,642A,…の他端を支持する支持リング641B,642Bと、を備える。このように構成することによっても、鍔部604は、その上面で土壌を捕らえることができ、よって、鍔部604自体の重量を下げつつ、引揚支持力を高めることができる。
【0096】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0097】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎用の補強部材及び基礎構造、並びに補強方法は、既設の鉄塔基礎を補強する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明に係る鉄塔基礎用の補強部材は、鉄塔を新設するときから設けられるものであってもよい。
【0098】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎用の補強部材及び基礎構造、並びに補強方法は、鉄塔90が送電線を架設する送電用鉄塔である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明が適用可能な鉄塔は、風力発電設備の風車本体(タワー)や携帯電話等の基地局(を設置する鉄塔)、テレビ又はラジオなどの電波送信塔などを含む。これらの鉄塔においても、設備能力の増強などにより基礎にかかる荷重が増加することがある。本発明に係る鉄塔基礎用の補強部材及び基礎構造、並びに補強方法は、このような事情があるときにも適用することができる。
【0099】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎は、第2の連結部材7,107,207,307が円筒形状の筒部である例を説明したが、これに限定されるものではない。つまり、第2の連結部材は、柱体の周方向Tを全周に亘って覆うことができれば、どのような形状であってもよい。例えば、第2の連結部材は、柱体を収納可能な開口を有する、中空の(楕)円筒や中空のさい頭錐体、角筒であってもよい。よって、第2の連結部材は、この開口に納められた柱体との間の隙間にモルタルなどを充填することができ、柱体に接着することができる。すなわち、第2の連結部材は、コンクリート基礎を振れ止めに利用することができる。
【0100】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎は、第2の連結部材7,107,207,307が柱体21の全周を覆う筒部71,175,275,375である例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、第2の連結部材は、第1の連結部材を介して鉄塔90の脚部91に鍔部を連結することができて、脚部91に係る荷重を鍔部に伝達することができればどのような形状であってもよい。すなわち、第2の連結部材は、柱体21に沿って第1の連結部材と鍔部とを連結する複数の棒状部材であってもよい。
【0101】
本発明の第1〜第7実施形態に係る鉄塔基礎は、鍔部4,404,504,604が筒部71,175,275,375の下端から床板22よりも外側まで延設される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、鍔部は、柱体21と交差する方向に床板22より広い面積を有しておれば、どのような形状であってもよい。具体的には、鍔部は、その一部が床板よりも外側まで延設されていてもよい。鍔部は、筒部に対して長手方向のどの位置に設けられていてもよい。鍔部は、床板により形成されるすべり面(図2参照)よりも外側に延設されることが好ましく、更には、床板による引揚力に有効な土壌の重量よりも増加する埋設深さ及び柱体と交差する方向に広い面積を有していることが好ましい。なお、すべり面の位置は、本実施形態では、JEC−127 送電用支持物設計標準」の「基礎の設計計算式−I(JEC−I式)」による値としたが、これに限定されるものではない。例えば、鍔部は、他の算出理論に基づいて算出されたすべり面よりも外側に延設されてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…鉄塔基礎、2…コンクリート基礎、21…柱体、22…床板、3…構成部材、4… 鍔部、41…鍔部本体、42…連結部、43…分割体、43a…第1の縁部、43b…第2の縁部、44c…第3の縁部、44…結合部、45…第1のボルト孔、46…フランジ、47…第2のボルト孔、5…連結部材、6…第1の連結部材、61…第1の分割体、61A…第1の連結部、61B…荷重伝達部、61C…第2の連結部、62…第2の分割体、62A…第1の連結部、62B…荷重伝達部、62C…第2の連結部、63…結合部、7…第2の連結部材、71…筒部、72…連結補強部材、73…上部筒部、74…筒部本体、75…下部筒部、76…第1板材、77…第2板材、90…鉄塔、91…脚部、100…鉄塔基礎、107…第2の連結部材、175…下部筒部、175A…内側筒部、175B…外側筒部、175C…連結部、200…鉄塔基礎、207…第2の連結部材、275…下部筒部、275A…下部筒部本体、275B…支持部材、275C…連結部、275D…載置部、275E…支持部、275F…底部、275G…連結孔、300…鉄塔基礎、307…第2の連結部材、375…下部筒部、400…鉄塔基礎、404…鍔部、500…鉄塔基礎、504…鍔部、543…格納部、600…鉄塔基礎、604…鍔部、641…第1鍔部、641A…棒状部材、641B…支持リング、642…第2鍔部、642A…棒状部材、642B…支持リング、643…支持部、A…長手方向、S1…掘削工程、S2…鍔部設置工程、S3…連結工程、S3−1…第1の連結工程、S3−2…閉塞工程、S3−3…第2の連結工程、S4…埋戻工程
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔の脚部の下部を支持するコンクリート基礎に設けられる鉄塔基礎用の構成部材において、
前記コンクリート基礎は、前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、を備え、
前記柱体と交差する方向に前記床板より広い面積を有する鍔部と、前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結部材と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項2】
前記鍔部は、前記柱体の全周に沿って環状に形成されるとともに、当該柱体の周方向に分割可能な複数の分割体から構成される請求項1に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項3】
前記連結部材は、前記鉄塔の脚部に連結する第1の連結部材と、該第1の連結部材を前記鍔部に連結する第2の連結部材と、を備える請求項1又は2に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項4】
前記第2の連結部材は、前記柱体を覆う筒部を備える請求項3に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項5】
前記筒部は、周方向に分割可能な複数の分割体から構成される請求項4に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項6】
前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の構成部材と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎。
【請求項7】
前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉄塔基礎用の構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、
前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、前記連結部材で前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結工程と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎の施工方法。
【請求項8】
前記請求項4又は5に記載の鉄塔基礎用の構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、
前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、該鍔部設置工程の後に前記第2の連結部材を鍔部に連結する第1の連結工程と、該第1の連結工程の後に前記筒部と前記柱体との間の隙間を閉塞する閉塞工程と、該閉塞工程の後に前記鉄塔の脚部に第2の連結部材を連結する第2の連結工程と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎の施工方法。
【請求項1】
鉄塔の脚部の下部を支持するコンクリート基礎に設けられる鉄塔基礎用の構成部材において、
前記コンクリート基礎は、前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、を備え、
前記柱体と交差する方向に前記床板より広い面積を有する鍔部と、前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結部材と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項2】
前記鍔部は、前記柱体の全周に沿って環状に形成されるとともに、当該柱体の周方向に分割可能な複数の分割体から構成される請求項1に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項3】
前記連結部材は、前記鉄塔の脚部に連結する第1の連結部材と、該第1の連結部材を前記鍔部に連結する第2の連結部材と、を備える請求項1又は2に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項4】
前記第2の連結部材は、前記柱体を覆う筒部を備える請求項3に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項5】
前記筒部は、周方向に分割可能な複数の分割体から構成される請求項4に記載の鉄塔基礎用の構成部材。
【請求項6】
前記脚部の長手方向に所定の長さを有する柱体と、該柱体の下部に設けられる床板と、前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の構成部材と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎。
【請求項7】
前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉄塔基礎用の構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、
前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、前記連結部材で前記鉄塔の脚部に鍔部を連結する連結工程と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎の施工方法。
【請求項8】
前記請求項4又は5に記載の鉄塔基礎用の構成部材を用いる鉄塔基礎の施工方法であって、
前記鍔部を前記柱体の長手方向に交差するように設置する鍔部設置工程と、該鍔部設置工程の後に前記第2の連結部材を鍔部に連結する第1の連結工程と、該第1の連結工程の後に前記筒部と前記柱体との間の隙間を閉塞する閉塞工程と、該閉塞工程の後に前記鉄塔の脚部に第2の連結部材を連結する第2の連結工程と、を備えることを特徴とする鉄塔基礎の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−87481(P2013−87481A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228221(P2011−228221)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591260672)中電技術コンサルタント株式会社 (58)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591260672)中電技術コンサルタント株式会社 (58)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]