説明

鉄筋切断搬送装置

【課題】従来は製造不可能だった短い鉄筋片を製造することができる鉄筋切断搬送装置を提供すること従来は製造不可能だった短い鉄筋片を製造することができる鉄筋切断搬送装置を提供すること。
【解決手段】鉄筋切断搬送装置1は、鉄筋が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋供給ライン3と、切断された鉄筋片が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋片排出ライン4と、装置の長手方向において、鉄筋供給ライン3と鉄筋片排出ライン4との間に設けられ、鉄筋を切断する切断刃を有する切断装置5と、鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン4側から切断装置5の内部に挿入され、鉄筋の先端が突当して鉄筋の位置決めを行うこともできる突き当て装置6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺棒状の鉄筋を連続的に搬送し、設定寸法に切断する鉄筋切断搬送装置に関し、特に設定寸法が短い場合にも対応できる突き当て装置を備える鉄筋切断搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋製品は、長尺棒状の鉄筋を切断して製造されている。このような長尺棒状の鉄筋を切断する装置として、長尺棒状の鉄筋を連続的に搬送し、設定寸法に切断する鉄筋切断搬送装置が知られている。
【0003】
鉄筋を設定寸法に切断する鉄筋切断搬送装置として、特許文献1に示すものがある。特許文献1の鉄筋切断搬送装置は、長尺棒状の鉄筋を装置の長手方向に搬送することができる鉄筋供給装置と、鉄筋を切断する切断刃を有する切断装置と、切断された鉄筋片を載置する鉄筋片載置装置とを備える。
【0004】
切断前の長尺棒状の鉄筋の先端は、鉄筋片載置装置に設けられた切断位置決め用ストッパーに突当することによって、長尺棒状の鉄筋の切断位置が決まるようになっている。切断位置決め用ストッパーを鉄筋搬送経路に複数設置しておくことによって、所望の長さの鉄筋片を製造できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特許第3509774号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の鉄筋切断搬送装置では、複数の切断位置決め用ストッパーは鉄筋片載置装置にかけて設けられている。したがって、最も切断手段に近い位置にある切断位置決め用ストッパーと切断装置の切断刃との距離が製造できる鉄筋片の最短の寸法となる。このような鉄筋切断搬送装置は、製造できる鉄筋片の最短寸法に限界があるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、従来は製造不可能だった短い鉄筋片を製造することができる鉄筋切断搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の鉄筋切断搬送装置は、鉄筋が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋供給ラインと、切断された鉄筋片が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋片排出ラインと、装置の長手方向において、鉄筋供給ラインと鉄筋片排出ラインとの間に設けられ、鉄筋を切断する切断刃を有する切断装置と、鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入され、鉄筋の先端に突当して鉄筋の位置決めを行うこともできる突き当て装置とを備える。
【0009】
請求項2の鉄筋切断搬送装置は、鉄筋片排出ラインには、鉄筋を所定の長さ以上の鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン上で鉄筋の先端に突当し、鉄筋の位置決めを行う位置決め装置が設けられている。
【0010】
請求項3の鉄筋切断搬送装置は、突き当て装置が鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入することもでき、切断刃の近傍で鉄筋の先端に突当する突当部と、突当部が装置の長手方向と平行移動可能に支持する本体と、本体を鉄筋片排出ラインの上面に対して垂直方向に上下移動可能に支持する支柱とを備える。
【0011】
請求項4の鉄筋切断搬送装置は、切断装置が切断刃と鉄筋片排出ラインとの間に設けられており鉄筋を切断する際に鉄筋を固定する鉄筋片排出ライン側クランプを備え、鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際には、突当部が鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入され、切断刃の近傍で鉄筋の先端に突当し鉄筋の位置決めをし、突当部が切断装置の内部から突当部が引き抜かれた後に鉄筋片排出ライン側クランプで鉄筋を固定するようになっている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の鉄筋切断搬送装置によれば、鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際に、突き当て装置が鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入され、鉄筋の先端に突当して鉄筋の位置決めを行うことができる。したがって、従来の装置では製造不可能だった短い鉄筋片を製造することができる。
【0013】
請求項2の鉄筋切断搬送装置によれば、請求項2の鉄筋切断搬送装置は、従来製造することができた長さの鉄筋片に加えて従来の装置では不可能だった短い鉄筋片を一本の鉄筋から製造することができる。したがって、従来のように、所定の長さ未満の鉄筋片に切断する装置での切断作業を改めて行う必要ないので、作業効率が向上する。
【0014】
請求項3の鉄筋切断搬送装置によれば、鉄筋を所定の長さ以上の鉄筋片を製造する際及び鉄筋片を排出する際には、突き当て装置の本体が鉄筋片排出ラインの上方に位置し、位置決め装置による鉄筋片排出ライン上での鉄筋の位置決め及び鉄筋片の搬送を妨げないようになっている。また、鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際には、突き当て装置の本体が鉄筋片排出ラインに向って降下し、突当部が切断刃に向って鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入されるようになっている。
【0015】
請求項4の鉄筋切断搬送装置によれば、請求項4に記載の手順で鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際の鉄筋の位置決めを行うことによって、突き当て装置の突当部と鉄筋片排出ライン側クランプとが接触干渉することなく、鉄筋片排出ライン側でも鉄筋を固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第一実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の鉄筋切断搬送装置を示す上面概略図である。図2は、図1の切断装置付近の拡大図である。図3は、図1の突き当て装置6の背面図である。図4は、突き当て装置6の上面図である。図5は突き当て装置6の側面図である。図6〜図8は、突き当て装置6付近の各装置の内部の様子が見える部分透視図である。
【0017】
説明の都合上、各図面に座標軸を記載した。装置の長手方向をX軸、装置の上面に対して垂直な方向をZ軸、X軸及びZ軸に垂直な方向をY軸とする。なお、以下の説明では、切断寸法が100mm〜900mmの鉄筋片を短尺鉄筋片、901mm以上の鉄筋片を長尺鉄筋片とする。
【0018】
本実施形態の鉄筋切断搬送装置1は、図1に示すように装置の長手方向に沿って移動する鉄筋供給ライン3と、切断された鉄筋片が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋片排出ライン4と、装置の長手方向において、鉄筋供給ライン3と鉄筋片排出ライン4との間に設けられ、鉄筋2を切断する切断刃である固定刃51及び可動刃52(図6〜図8参照)を有する切断装置5と、鉄筋2を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン4側から切断装置5の内部に挿入され、鉄筋2の先端に突当して鉄筋2の位置決めを行うこともできる突き当て装置6とを備える。
【0019】
本実施形態の鉄筋切断搬送装置1によれば、鉄筋2を所定の長さ未満の短尺鉄筋片に切断する際に、突き当て装置6が鉄筋片排出ライン4側から切断装置の内部に挿入され、鉄筋2の先端に突当して鉄筋2の位置決めを行うことができる。したがって、従来の装置では製造不可能だった短尺鉄筋片を製造することができる。
【0020】
鉄筋供給ライン3は、図6(A)に示すように、鉄筋供給ライン3の上面のX軸方向に並設され回転軸32aがY軸方向と平行になっている複数のローラ32を有する。各ローラ32には、Y軸方向に複数本の鉄筋2を並べて載置できるようになっている。したがって、鉄筋供給ライン3は一度に複数本の鉄筋2を切断装置5に供給できるようになっている。
【0021】
鉄筋供給ライン3は、鉄筋2を切断する際の鉄筋2の跳ね上がりを抑えるため、後述する切断装置5の切断刃である可動刃52の動作と連動して、鉄筋供給ライン3の切断装置5側の端部がZ軸方向に下降するようになっている。
【0022】
本実施形態では、図1に示すように鉄筋供給ライン3に沿って、鉄筋供給ライン3に鉄筋を自動的に載置するための鉄筋整列・移動供給装置31が設けられている。鉄筋整列・移動供給装置31は、鉄筋供給ライン3から遠い順に素材格納装置31aと、自動送り込み装置31bと、自動整列装置31cと、移動供給装置31dとを備える。複数の鉄筋2は、素材格納装置31a、自動送り込み装置31b、自動整列装置31c、移動供給装置31dを経て整列した状態で鉄筋供給ライン3に自動的に載置されるようになっている。
【0023】
鉄筋片排出ライン4は、図6(A)に示すように、鉄筋片排出ライン4の上面のX軸方向に並設され回転軸41aがY軸方向と平行になっている複数のローラ41を有する。各ローラ32にはY軸方向に複数本の切断された鉄筋片を並べて載置できるようになっている。
【0024】
鉄筋片排出ライン4には、図8(B)に示すように鉄筋2を所定の長さ以上の長尺鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン4上で鉄筋2の先端に突当し、鉄筋2の位置決めを行う複数の位置決め装置42が設けられている。
【0025】
位置決め装置42は、複数のローラ41の間にそれぞれ設けられている。製造する鉄筋片の寸法に対応する位置決め装置42から鉄筋片排出ライン4上に突当板42aが突出し、その突出したと突当板42aが鉄筋2の先端に突当することによって、鉄筋2の位置決めを行うことができる(図8参照)。
【0026】
製造する鉄筋片の寸法に対応していない位置決め装置42からは、鉄筋片排出ライン4上に突当板42aが突出しないように制御されているので、鉄筋片排出ライン4上での鉄筋2及び鉄筋片の搬送を妨げないようになっている。
【0027】
本実施形態の鉄筋切断搬送装置1によれば、従来製造することができた長さの鉄筋片に加えて従来の装置では不可能だった短い鉄筋片を一本の鉄筋2から製造することができる。したがって、従来のように、所定の長さ未満の鉄筋片に切断する装置での切断作業を改めて行う必要ないので、作業効率が向上する。
【0028】
なお、鉄筋片排出ライン4は、切断装置5の切断位置に対してX軸方向に移動可能となっている。鉄筋片排出ライン4がX軸方向に移動することによって、鉄筋2の先端が突当板42aに突当する位置もX軸方向に移動するようになっている。つまり、固定刃51及び可動刃52から突当板42aまでの距離を任意に変えることができるので(図8参照)、図6〜8に示す突当板42aの位置に限定されることなく、任意の寸法の鉄筋片を製造できるようになっている。
【0029】
図1に示すように、鉄筋片排出ライン4のY軸方向両側には、長尺鉄筋片格納装置43、43が設けられている。長尺鉄筋片は鉄筋片排出ライン4上を搬送され、長尺鉄筋片格納装置43、43で、寸法ごとに分けて格納することができるようになっている。
【0030】
図6〜図8に示すように、切断装置5は、鉄筋2を切断する切断刃として、鉄筋2の下側に位置する固定刃51と鉄筋2の上側に位置しZ軸方向に移動可能な可動刃52と、X軸方向において可動刃52の鉄筋供給ライン3側に設けられている回転クランプ53と補助クランプ54と、X軸方向において可動刃52の鉄筋片排出ライン4側に設けられている鉄筋片排出ライン側クランプ55とを有する。
【0031】
回転クランプ53は鉄筋供給ライン3から供給される鉄筋2を、鉄筋供給ライン3のローラ32とともに挟みこんで移動させるようになっている。補助クランプ54は、位置決めされた鉄筋2をX軸方向において可動刃52の鉄筋供給ライン3側で固定するようになっている。鉄筋片排出ライン側クランプ55は、位置決めされた鉄筋2をX軸方向において可動刃52の鉄筋片排出ライン4側で固定するようになっている。
【0032】
固定刃51及び可動刃52はY軸方向に幅を有する切断刃であり、回転クランプ53、補助クランプ54及び鉄筋片排出ライン側クランプ55もY軸方向の幅を有する。したがって、切断装置5は、Y軸方向に複数本の鉄筋2を並べられた鉄筋2を回転クランプ53で移動させ、補助クランプ54及び鉄筋片排出ライン側クランプ55で固定し、固定刃51及び可動刃52によって一度の切断作業で複数本の切断片を製造できるようになっている。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の鉄筋切断搬送装置1は、画面付操作盤11を有する。画面付操作盤11では、鉄筋供給ライン3、鉄筋片排出ライン4、切断装置5、突き当て装置6及び鉄筋整列・移動供給装置31等の運転状態を確認すること、並びに鉄筋2の寸法や本数、製造する鉄筋片の寸法や本数等を設定することができるようになっている。設定された情報は制御装置(図示せず)で処理され、鉄筋切断搬送装置1の各装置を自動で稼働させることができるようになっている。
【0034】
突き当て装置6は、図3〜図5に示すように、鉄筋片排出ライン4側から切断装置5の内部に挿入することもでき、切断刃である固定刃51及び可動刃52の近傍で鉄筋2の先端に突当する突当部61と、突当部61が装置の長手方向(X軸方向)と平行移動可能に支持する本体62と、本体62を鉄筋片排出ライン4の上面に対してZ軸方向に上下移動可能に支持する支柱63、63とを備える。
【0035】
本実施形態の鉄筋切断搬送装置1によれば、鉄筋2を所定の長さ以上の長尺鉄筋片を製造する際及び鉄筋片を排出する際には、突き当て装置6の本体62が鉄筋片排出ライン4の上方に位置し(図5及び図8参照)、位置決め装置42による鉄筋片排出ライン4上での鉄筋の位置決め及び鉄筋片の搬送を妨げないようになっている。また、鉄筋2を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際には、突き当て装置6の本体62が鉄筋片排出ライン4に向って降下し、突当部61が切断刃である固定刃51及び可動刃52に向って鉄筋片排出ライン4側から切断装置5の内部に挿入されるようになっている。
【0036】
突当部61は、平面視略T字形状となっている。Tの足にあたる部分が本体62にX軸方向に挿入され、装置の長手方向(X軸方向)と平行移動可能に支持されている。
【0037】
図4に示すように、本体62は上面にシリンダ64を有する。シリンダ64は、筒体64aと筒体64aに対して可動する可動シャフト64bとを備える。筒体64aは本体62に固定されており、可動シャフト64bが突当部61に固定されている。シリンダ64が伸びると、可動シャフト64bが可動し突当部61が切断装置5の内部に挿入されるようになっている。
【0038】
図3及び図4に示すように、各支柱63の先端に平板65が固定されている。平板65には、平板65から本体62に向って橋架されている橋架板66、66が固定されている。支柱63は、図3及び図5に示すように、それぞれ支柱支持体67、67にZ軸方向に可動状態で支持されている。図5に示すように支柱支持体67、67は、鉄筋片排出ライン4に対して部材を介して固定された状態となっている。
【0039】
図3に示すように、支柱63と支柱63との間には、シリンダ68が設けられている。シリンダ68は筒体68aと筒体68aに対して可動する可動シャフト68bとを備える。筒体68aは鉄筋片排出ライン4に対して部材を介して固定された状態となっており、可動シャフト68bが平板65に固定されている。シリンダ68が伸びると、可動シャフト68bがZ軸正方向に移動し、平板65、橋架板66、本体62が一体となって、Z軸正方向に動くようになっている。逆に、シリンダ68が縮むと、可動シャフト68bがZ軸負方向に移動し、平板65、橋架板66、本体62が一体となって、Z軸負方向に動くようになっている。
【0040】
図1及び図2に示すように、本実施形態の鉄筋切断搬送装置1は、鉄筋片払い出し装置7が設けられている。図2に示すように、鉄筋片払い出し装置7には払い出し板71が設けられている。払い出し板71の一部は鉄筋片排出ライン4側から切断装置5に挿入されている。鉄筋片払い出し装置7は、払い出し板71がY軸方向に可動するようになっている。
【0041】
切断後の短尺鉄筋片は、切断装置5内部にあり、鉄筋片排出ライン4によって排出することができない。しかしながら、鉄筋片払い出し装置7の払い出し板71がY軸方向に動くことによって、切断装置5内部にある切断後の短尺鉄筋片が、後述する短尺鉄筋片収容装置8に向って払い出されるようになっている。
【0042】
図1及び図2に示すように、切断装置5及び鉄筋片払い出し装置7のY軸負方向には、短尺鉄筋片収容装置8が設けられている。短尺鉄筋片収容装置8は、スロープ81と、格納部82とを備える。格納部82には、X軸方向両側に鉄筋片の寸法に合わせて鉄筋片の端面を揃える壁部82a、82aが設けられている。壁部82a、82aは少なくとも一方がX軸方向に可動するようになっている。画面付操作盤11で製造する短尺鉄筋片の寸法を設定することによって、自動的に製造される鉄筋片の寸法に合わせて壁部82aが移動するようになっている。
【0043】
以下、図6及び図7を参照して、突き当て装置6を利用した短尺鉄筋片製造用の位置決め手順について説明する。
【0044】
図6(A)は、鉄筋2を切断装置に供給する前の状態を示す。図6(B)に示すように、突き当て装置6が鉄筋片排出ライン4に向って降下し(Z軸負方向に移動し)、切断装置5の内部に突当部61が鉄筋片排出ライン4側から挿入される。図6においては突当部61がX軸負方向に移動する。
【0045】
次いで、図6(C)に示すように、鉄筋供給ライン3のローラ32及び鉄筋切断装置5の回転クランプ53に挟持された鉄筋2がX軸正方向に移動し、鉄筋2の先端が突き当て装置6の突当部61に突き当たる。
【0046】
次いで、図7(A)に示すように、補助クランプ54が鉄筋2を保持する。次いで、図7(B)に示すように、突当部61が切断装置5の内部から引き抜かれる。次いで、図7(C)に示すように、鉄筋片排出ライン側クランプ55が鉄筋2を保持し、短尺鉄筋片製造用の位置決めが完了する。
【0047】
上記のような手順で行うことによって、突き当て装置6の突当部61と鉄筋片排出ライン側クランプ55とが接触干渉することなく、鉄筋片排出ライン側クランプ55でも鉄筋2を固定することができる。
【0048】
長尺鉄筋片両方を製造する場合には、図8に示すように、鉄筋供給ライン3の上方に突き当て装置6の突当部61及び本体62が位置することによって、鉄筋供給ライン3上での鉄筋2の位置決め及び長尺鉄筋片の搬送を妨げないようになっている。
【0049】
上記手順では、突き当て装置6が、鉄筋片排出ライン4の上方にある状態(図6(A))から説明したが、短尺鉄筋片のみを製造する場合は、突き当て装置6は鉄筋片排出ライン4に向って降下した状態(図6(B))のまま、突当部61の挿入、突当部61への鉄筋2の先端の突当、突当部61の引抜を繰り返して短尺鉄筋片を製造するようになっていてもよい。
【0050】
長尺鉄筋片製造用の位置決めを行う際には、図8に示すように、製造する鉄筋片の寸法に対応する位置決め装置42から鉄筋片排出ライン4上に突当板42aが突出する。ローラ32及び鉄筋切断装置5の回転クランプ53に挟持された鉄筋2がX軸正方向に移動し、その突出したと突当板42aに鉄筋2の先端が突当する。次いで鉄筋2を補助クランプ54及び鉄筋片排出ライン側クランプ55で保持することによって、長尺鉄筋製造用位置決めが完了する。
【0051】
本実施形態では、突き当て装置6がZ軸方向に移動できる場合について説明したが、これに限定されることなく、例えば、突き当て装置が鉄筋片排出ライン4上でX軸方向に移動できるとともに、所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際には突き当て装置の突当部が鉄筋片排出ライン4側から切断装置5の内部に挿入され鉄筋2の先端に突当して鉄筋2の位置決めを行い、所定の長さ以上の鉄筋片を切断する際には、突き当て装置X軸方向に移動し、鉄筋片排出ライン4上で突き当て装置の突当部が鉄筋2の先端に突当して鉄筋2の位置決めを行うようになっていてもよい。
【0052】
本実施形態では、切断寸法が100mm〜900mmの鉄筋片を短尺鉄筋片、901mm以上の鉄筋片を長尺鉄筋片とし、所定の長さを901mmとしたが、これに限定されることなく、短尺鉄筋片の寸法、長尺鉄筋片の寸法、所定の長さを自由に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態の鉄筋切断搬送装置1を示す上面概略図である。
【図2】図1の切断装置5付近の拡大図である。
【図3】突き当て装置6の背面図である。
【図4】突き当て装置6の上面図である。
【図5】突き当て装置6の側面図である。
【図6】突き当て装置6付近の各装置の内部の様子が見える部分透視図である。
【図7】突き当て装置6付近の各装置の内部の様子が見える部分透視図である。
【図8】突き当て装置6付近の各装置の内部の様子が見える部分透視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 鉄筋切断搬送装置
2 鉄筋
3 鉄筋供給ライン
4 鉄筋片排出ライン
5 切断装置
6 突き当て装置
7 鉄筋片払い出し装置
8 短尺鉄筋片収容装置
11 画面付操作盤
31 鉄筋整列・移動供給装置
31a 素材格納装置
31b 自動送り込み装置
31c 自動整列装置
31d 移動供給装置
32、41 ローラ
32a、41a 回転軸
42 位置決め装置
42a 突当板
43 長尺鉄筋片格納装置
51 固定刃
52 可動刃
53 回転クランプ
54 補助クランプ
55 鉄筋片排出ライン側クランプ
61 突当部
62 本体
63 支柱
64、68 シリンダ
64a、68a 筒体
64b、68b 可動シャフト
65 平板
66 橋架板
67 支柱支持体
71 払い出し板
81 スロープ
82 格納部
82a 壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋供給ラインと、
切断された鉄筋片が装置の長手方向に沿って移動する鉄筋片排出ラインと、
装置の長手方向において、鉄筋供給ラインと鉄筋片排出ラインとの間に設けられ、鉄筋を切断する切断刃を有する切断装置と、
鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入され、鉄筋の先端に突当して鉄筋の位置決めを行うこともできる突き当て装置とを備えることを特徴とする鉄筋切断搬送装置。
【請求項2】
鉄筋片排出ラインには、鉄筋を所定の長さ以上の鉄筋片に切断する際に、鉄筋片排出ライン上で鉄筋の先端に突当し、鉄筋の位置決めを行う位置決め装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋切断搬送装置。
【請求項3】
突き当て装置は、鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入することもでき、切断刃の近傍で鉄筋の先端に突当する突当部と、突当部が装置の長手方向と平行移動可能に支持する本体と、本体を鉄筋片排出ラインの上面に対して垂直方向に上下移動可能に支持する支柱とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋切断搬送装置。
【請求項4】
切断装置は、切断刃と鉄筋片排出ラインとの間に設けられており鉄筋を切断する際に鉄筋を固定する鉄筋片排出ライン側クランプを備え、
鉄筋を所定の長さ未満の鉄筋片に切断する際には、突当部が鉄筋片排出ライン側から切断装置の内部に挿入され、切断刃の近傍で鉄筋の先端に突当し鉄筋の位置決めをし、突当部が切断装置の内部から突当部が引き抜かれた後に鉄筋片排出ライン側クランプで鉄筋を固定するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の鉄筋切断搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−104992(P2010−104992A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276229(P2008−276229)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(591258532)株式会社サンヨー機械 (1)
【Fターム(参考)】