説明

鉄道車両及び骨組み溶接方法

【課題】車体外観を損なうことなく外板に骨組みをレーザ溶接した鉄道車両を提供すること。
【解決手段】外板11に骨組み12,13…を接合して構成された側構体と、その側構体に屋根構体、妻構体及び台枠が接合されてなるものであって、側構体は、外板11の仕上げ面の裏面に縦横に骨部材12,13…が組まれた骨組みをレーザ溶接によって接合したものであり、所定の骨部材12,13,14には外板11との間にインナープレート32,33,34が挟み込まれ、そのインナープレート32,33,34は、仕上げ面側の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接が行われ、所定の骨部材12,13,14がそのインナープレート32,33,34に対してレーザ溶接された鉄道車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根構体や側構体などを接合して組み立てられる鉄道車両に関し、特に側構体などを構成する外板に骨組みをレーザ溶接する場合、表の仕上げ面に現れる溶接痕が目立たないようにした骨組み溶接方法とその方法によって構成した鉄道車両に関する。
【背景技術】
【0002】
新幹線車両などの高速鉄道車両ではアルミ製車両が採用され、車体全長に対応した20mもの押出型材を接合して鉄道車両が構成されている。一方、在来線を走行する鉄道車両は、メンテナンスの省力化を主目的に無塗装車両が多く使われており、アルミ製構体は傷や汚れの点で劣ることからステンレス製構体の車両が採用されている。その場合、ステンレス製構体は、押出型材ではなく側構体ブロックなどのパーツを接合して組み合わせる構造の車両構体が採用されている。
【0003】
近年、ステンレス製の外板に芯材を溶接して一体にした構体ブロックによって組み立てる鉄道車両が開発され、例えば特開2002−104180号公報に開示されている。ここで図6は、同公報に開示された鉄道車両の側構体を示した面図である。
鉄道車両は、この側構体と屋根構体、妻構体及び台枠を接合して構成される。そうした鉄道車両を構成する一方の面の側構体100は、2組の車端窓ブロック101と2組の中間窓ブロック102、そして各窓ブロック101,102の間に位置する3組の側入口ブロック103からなっている。
【0004】
車端窓ブロック101や各中間窓ブロック102は、幕板部分を含む外板110,120に骨組みを接合して構成されたものであり、それぞれの外板110,120は、上部外板と下部外板とに分けられ全体が車体内側に設けられた骨組みより大きく形成されている。また、側入口ブロック103は、幕板部分を含む入口枠板130が上部枠部材、下部枠部材及び側枠部材で構成された入口用開口部にドアが取り付けられている。そして、こうした2組の車端窓ブロック101と中間窓ブロック102、3組の側入口ブロック103が図6に示すように一体になって側構体100が構成される。
【0005】
そうした側構体100を構成するもののうち、例えば中間窓ブロック102は図7に示すように組まれた骨組み201が、外板120に対して接合しされている。骨組み201は、縦骨である4本の側柱211に、幕帯部材212、腰帯部材213及び長土台部材214の横骨を結合し、窓開口部の上下に腰骨215及び幕骨216の縦骨を結合して構成されている。そして、外板120は、上部外板121と下部外板122とで骨組み201よりも大きく構成され、上部外板121は、窓開口部が形成され、腰帯部材213から上部の幕板部分と吹き寄せ板部分に貼られ、下部外板122は腰板部分に貼られる。また、外板120の各骨部材間の内側及び幕帯部材212の上部には外板補強骨217が取り付けられている。
【特許文献1】特開2002−104180号公報(第2−3頁、図2、図4)
【特許文献2】特開2002−103074号公報(第3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、外板120に骨組み201を一体に接合する場合、従来はスポット溶接によって接合が行われていたが、最近では、上部外板121と下部外板122との外板同士の接合などの他、骨組み201の接合にもレーザ溶接が試みられている。
しかし、低出力のレーザビームで行ったとしても、側柱211や外板補強骨217など縦骨を溶接した場合、車体表側の仕上げ面に現れるレーザ溶接の溶接痕が目立ってしまう。一般にステンレス鋼板である外板120の表面には車体長手方向、すなわち横方向にヘアライン仕上げが行われている。従って、そうした外板120に幕帯部材212などの横骨をレーザ溶接する場合、その溶接痕はヘアラインなどの仕上げ目の方向と一致するため目立たないが、側柱211などの縦骨をレーザ溶接してできる溶接痕は仕上げ目と交差する方向に現れるため微妙な膨らみであっても目立ってしまう。従って、外板に対して骨組みをレーザ溶接する場合、溶接痕が車体外観を悪くしてしまい、意匠の観点から好ましいものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、車体外観を損なうことなく外板に骨組みをレーザ溶接した鉄道車両及び、車体外観を損なうことなく外板に骨組みをレーザ溶接する骨組み溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の鉄道車両は、外板に骨組みを接合して構成された側構体と、その側構体に屋根構体、妻構体及び台枠が接合されてなるものであって、前記側構体は、前記外板の仕上げ面の裏面に縦横に骨部材が組まれた骨組みをレーザ溶接によって接合したものであり、所定の骨部材には外板との間にインナープレートが挟み込まれ、そのインナープレートは、前記仕上げ面側の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接が行われ、所定の骨部材がそのインナープレートに対してレーザ溶接されたものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の鉄道車両は、前記外板の仕上げ面には横向きに仕上げ目が入っており、前記外板の仕上げ面の裏面には縦骨に対応してインナープレートが設けられ、インナープレートは、横方向に送られたレーザビームによるレーザ溶接が縦方向に複数箇所行われ、そのインナープレートに重ね合わせた縦骨は、縦方向に送られたレーザビームによるレーザ溶接が行われたものであることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記インナープレートの肉厚が前記骨部材の肉厚以下であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の鉄道車両は、前記外板の仕上げ目と同方向にレーザ溶接が行われる骨部材が前記外板に対して直接重ね合わせてレーザ溶接が行われることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記インナープレートには、その長手方向と直交する骨部材の位置決めをするため、長辺側縁部に複数の突起が設けられたものであることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記インナープレート同士が連結プレートによって一体に連結されたものであることが好ましい。
【0011】
本発明の骨組み溶接方法は、鉄道車両用構体の外板に対し、縦横に複数の骨部材を配置した骨組みをレーザ溶接するためのものであって、所定の骨部材に対して前記外板との間にインナープレートを挟み込み、先ずそのインナープレートを前記外板の仕上げ面側の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接し、その後、前記外板に接合したインナープレートに対して所定の骨部材をレーザ溶接するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の骨組み溶接方法は、前記外板の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接する骨部材を前記外板に対して直接重ね合わせてレーザ溶接することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
よって、本発明によれば、インナープレートを外板に対して仕上げ面の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接するので、仕上げ面に現れる溶接痕が目立たなくなり、その上にレーザ溶接される骨部材の溶接方向が仕上げ目と異なる場合でも仕上げ面に溶接痕が現れないため、車体外観を損なうことなく外板に骨組みをレーザ溶接した鉄道車両を提供することが可能になる。また、インナープレートに突起を設け、そのインナープレートと直交する骨部材を簡単に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明にかかる鉄道車両及び骨組み溶接方法の一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の鉄道車両は、図6に示すような側構体に屋根構体や妻構体、そして台枠が接合されて構成されるものである。そして、その側構体は、同様に車端や中間の窓ブロックの間に側入口ブロックが配置され、それぞれが接合され一体になったものである。
【0014】
図1及び図2は、そうした側構体を構成する中間窓ブロックと側入口ブロックとが分離した状態を示した斜視図であって、特に図1には車体外側から見た図を示し、図2には車体内側から見た図を示している。なお、側入口ブロック20は全体が示されているが、中間窓ブロック10はその半分が示されている。中間窓ブロック10及び側入口ブロック20、或いは図示しない車端窓ブロックは、いずれも面外変形を防止するため外板に対して車体内側に骨組みが接合されている。
【0015】
本実施形態の鉄道車両は、側構体などを構成する中間窓ブロック10などが、外板に対して骨組みをレーザ溶接によって接合して構成されたものである。そこで、外板に対する骨組みの接合について中間窓ブロック10を例に挙げて説明する。図3は、本実施形態の中間窓ブロックを骨組み接合側から示した図である。
【0016】
中間窓ブロック10の骨組みは、断面がハット形状の複数の骨部材が、外板11の車体内側に縦横に組まれて接合されている。外板11に形成された窓開口部19の左右縦2辺に沿って2本の側柱12が設けられ、更に外板11の左右両端部に位置した各2本ずつの側柱13が設けられている。一方、窓開口部19の上下横2辺に沿って幕帯部材15と腰帯部材16が設けられ、その窓開口部19の中間位置の上下に幕骨14が縦方向に設けられている。縦方向に設けられた側柱12,13及び幕骨14の間には、横向きに配置された複数の補強骨17が設けられている。なお、図3には示されていないが、外板11の下端部分には底辺に沿って太い長土台部材18が設けられている。
【0017】
中間窓ブロック10の外板11は、図1に示すように上下に分割され、上部外板11Aと下部外板11Bとが窓開口部19の高さで接合されたものである。そうした外板11の車体内側には、前述した側柱12や補強骨17などからなる骨組みがレーザ溶接によって一体に接合されている。その際、本実施形態では、骨組みを外板11に対して直接レーザ溶接することはせず、骨組みと外板11との間にインナープレートを介在させるようにしている。図4は、そうしたインナープレートを接合した外板11の車体内面側を示した図である。従って、図面に現れない反対側が仕上げ面になっている。そして、外板11の仕上げ面にはヘアラインによる仕上げ目が横向きにはいっている。
【0018】
上部外板11Aと下部外板11Bとが接合された外板11には、図示するように複数のインナープレートが縦方向に取り付けられる。具体的には、窓開口部19の左右縦2辺に沿って位置する2本の側柱12に対応したインナープレート32と、外板11の左右両端部に位置する各2本の側柱13に対応した幅広のインナープレート33が設けられている。そして、左右それぞれのインナープレート32,33は連結プレート31によって一体に形成されている。更に、窓開口部19の中間位置の上下には、幕骨14に対応して短尺なインナープレート34が設けられている。
【0019】
ここで、図5は、図3のA−A断面を示した図である。すなわち、中間窓ブロック10の側柱12の接合状態を示した断面図である。側柱12は、断面がハット形をした骨部材であり、それが図示するようにインナープレート32に重ねられ、外板11に対して接合されている。なお、図示しないが、側柱13及び幕骨14は断面がハット形をした骨部材であって、同じようにインナープレート33又は34に重ねられて外板11へ接合されている。また、骨組みを構成する縦骨以外の幕帯部材15や腰帯部材16、更に補強骨17も図5に示す側柱12と同様にハット形状をした骨部材である。
【0020】
本実施形態の鉄道車両は、外板11の厚さが約2mmであり、そこに接合される側柱12などの骨部材は約1.5mmの厚さである。そして、その間に介在するインナープレート32は、骨部材である側柱12などの厚さよりも薄く形成され、本実施形態では1mmである。
外板11に対する骨組みの接合に際しては、先ずインナープレート32,33,34がレーザ溶接によって図4に示すように外板11に接合される。インナープレート32,33,34は、ベットに置かれた外板11上の所定位置に図示するように重ねて配置され、その上方からレーザ照射が行われる。
【0021】
照射されるレーザビームは、インナープレート32,33,34に対して外板11の横方向に送られ、そのためインナープレート32,33,34には、図4に示すように横向きの溶接ビード50が複数形成される。横方向にレーザビームを送って溶接するのは、反対側の仕上げ面には、横向きにヘアラインなどの仕上げ目が入れられているからである。インナープレート32,33,34の長手方向には図示するような溶接ビード50が複数形成されているが、これは十分な接合強度を得るためである。従って、きめ細かく入れられた溶接ビード50の間隔は接合強度を考慮して決定される。
【0022】
また、前述したようにインナープレート32,33,34は、側柱12などの骨部材よりも薄肉である。従って、インナープレート32,33,34を外板11にレーザ溶接する場合、側柱12などの骨部材を直接外板11へレーザ溶接する場合に比べてレーザビームの出力を小さくして溶接することができる。そして、その際、レーザ照射エネルギーを調整することで、溶接部分の溶け込み深さを外板11の厚み方向の途中までの領域が加熱溶融して溶接が行われるような制御が行われる。そして、外板11に溶接されたインナープレート32,33,34上には、次に側柱12など縦骨が重ねて溶接される。
【0023】
側柱12,13及び幕骨14は、図5に示すようにインナープレート32,33,34上にそれぞれ重ねられてレーザ溶接が行われる。その際、レーザビームは、側柱12,13及び幕骨14の左右両端に沿って長手方向、すなわち外板11の縦方向に送られる。そのため、側柱12,13及び幕骨14には、図3に示すように、それぞれ左右両端に沿った溶接ビード60が形成される。そして、この場合もレーザ照射エネルギーを調整することで、溶接部分の溶け込み深さを外板11の仕上げ面に溶接痕が現れない程度に、外板11の厚み方向の途中までの領域が加熱溶融して溶接が行われるような制御が行われる。
【0024】
こうして外板11に溶接されたインナープレート32,33,34上には、側柱12などの縦骨が重ね合わされて溶接される。従って、インナープレート32,33,34は、側柱12,13及び幕骨14といった縦骨の接合位置を決定するための位置決め部材となるため正確な位置に接合する必要がある。そして、本実施形態のインナープレート32,33,34は、更に縦骨間に配置される横骨、すなわち幕帯部材15、腰帯部材16及び複数の補強骨17の位置決めを行うことができるように形成されている。
【0025】
ところで、従来のスポット溶接で骨組みを外板に接合する場合には、側柱12や補強骨17などからなる骨組みが外板11への接合前に予めスポット溶接によって接合され、先組みした骨組みが一体となって外板11に一体的に接合されていた。しかし、レーザ溶接の場合に先組みを行うと、外板へ骨組みを接合する場合、レーザビームの走行上にハット形の立体部分が重なってしまい、その箇所の溶接ができなくなる。そのため、レーザ溶接によって骨組みを接合する場合には、腰帯部材16及び複数の補強骨17といった横骨を接合するに際し、現場で位置出しして接合する必要が生じる。
【0026】
そのため本実施形態では、補強骨17などの横骨を容易に位置決めして接合できるように、インナープレート32,33,34の長辺側縁部に複数の突起38が所定間隔で形成されている。突起38は、隣り合うものとの間に幕帯部材15、腰帯部材16及び複数の補強骨17といった横骨の長手方向両端部が入り込むように形成されたものであり、補強骨17などの横骨が正確に位置決めできるように形成されている。従って、外板11に接合されたインナープレート32,33,34には、例えば図4に示すようにインナープレート32,34の間に補強骨17が配置され、その両端が上下に並んだ突起38の間にそれぞれ嵌め合わされる。
【0027】
こうした補強骨17などの横骨は、外板11に対して直接重ね合わされてレーザ溶接が行われる。その際、レーザビームは、幕帯部材15、腰帯部材16及び補強骨17の長手方向、すなわち外板11の横方向に送られる。そのため、側柱12,13及び幕骨14には、図3に示すように、それぞれ上下両端に沿った溶接ビード70が形成される。そして、この場合もレーザ照射エネルギーを調整することで、溶接部分の溶け込み深さを外板11の厚み方向の途中までの領域が加熱溶融して溶接が行われるような制御が行われる。
【0028】
本実施形態の鉄道車両は、以上に説明した側構体の中間窓ブロック10の他、側入口ブロック20或いは図示しない車端窓ブロックが同様に、縦骨に対してインナープレートが外板との間に設けられるよう構成される。そのため、インナープレート32などを外板11に対して仕上げ面の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接するので、仕上げ面に現れる溶接痕が目立たなくなり、インナープレート32などの上に接合される側柱12などのレーザ溶接は、ヘアラインなどの仕上げ目とは直交する方向であるが仕上げ面に溶接痕が現れない。従って、外板の仕上げ面に現れる溶接痕の問題を解決してレーザ溶接による効果を得ることが可能になった。
また、外板に対する骨組みのレーザ溶接に当たって、先組みができないことの問題が生じるが、インナープレート32などに突起38を設けて幕帯部材15、腰帯部材16及び複数の補強骨17の横骨を簡単に位置決めすることができる。そのため、現場において補強骨17など、横骨のための位置出しを行う必要が無く、作業効率を良くすることができる。
【0029】
以上、本発明に係る鉄道車両及び骨組み溶接方法の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】側構体を構成する中間窓ブロックと側入口ブロックとが分離した状態を車体外側から示した図である。
【図2】側構体を構成する中間窓ブロックと側入口ブロックとが分離した状態を車体内側から示した図である。
【図3】中間窓ブロックを骨組み接合側から示した図である。
【図4】インナープレートを接合した外板の車体内面側を示した図である。
【図5】図3のA−A断面を示した図である。
【図6】鉄道車両の側構体を示した図である。
【図7】中間窓ブロックの骨組み構造を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
10 中間窓ブロック
20 側入口ブロック
11 外板
12 側柱
13 側柱
14 幕骨
15 幕帯部材
16 腰帯部材
17 補強骨
18 長土台部材
19 窓開口部
32,33,34 インナープレート
38 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外板に骨組みを接合して構成された側構体と、その側構体に屋根構体、妻構体及び台枠が接合されてなる鉄道車両において、
前記側構体は、前記外板の仕上げ面の裏面に縦横に骨部材が組まれた骨組みをレーザ溶接によって接合したものであり、
所定の骨部材には外板との間にインナープレートが挟み込まれ、そのインナープレートは、前記仕上げ面側の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接が行われ、所定の骨部材がそのインナープレートに対してレーザ溶接されたものであることを特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
請求項1に記載する鉄道車両において、
前記外板の仕上げ面には横向きに仕上げ目が入っており、前記外板の仕上げ面の裏面には縦骨に対応してインナープレートが設けられ、インナープレートは、横方向に送られたレーザビームによるレーザ溶接が縦方向に複数箇所行われ、そのインナープレートに重ね合わせた縦骨は、縦方向に送られたレーザビームによるレーザ溶接が行われたものであることを特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する鉄道車両において、
前記インナープレートは、その肉厚が前記骨部材の肉厚以下であることを特徴とする鉄道車両。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する鉄道車両において、
前記外板の仕上げ目と同方向にレーザ溶接が行われる骨部材は、前記外板に対して直接重ね合わせてレーザ溶接が行われることを特徴とする鉄道車両。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載する鉄道車両において、
前記インナープレートには、その長手方向と直交する骨部材の位置決めをするため、長辺側縁部に複数の突起が設けられたものであることを特徴とする鉄道車両。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載する鉄道車両において、
前記インナープレート同士が連結プレートによって一体に連結されたものであることを特徴とする鉄道車両。
【請求項7】
鉄道車両用構体の外板に対し、縦横に複数の骨部材を配置した骨組みをレーザ溶接するための骨組み溶接方法において、
所定の骨部材に対して前記外板との間にインナープレートを挟み込み、先ずそのインナープレートを前記外板の仕上げ面側の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接し、その後、前記外板に接合したインナープレートに対して所定の骨部材をレーザ溶接するようにしたことを特徴とする骨組み溶接方法。
【請求項8】
請求項7に記載する骨組み溶接方法において、
前記外板の仕上げ目と同方向にレーザビームを送って溶接する骨部材を、前記外板に対して直接重ね合わせてレーザ溶接することを特徴とする骨組み溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−137263(P2007−137263A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333858(P2005−333858)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】