説明

鉄鋼細粒叉は、鉄切断時排出される切断滓を混入固化させた、イオン放出人工礁。

【課題】磯焼け防止、磯焼けの再生に効果を発揮し長期間鉄イオンの溶出が持続する人工礁を提供する。
【解決手段】鉄鋼工業より排出される廃棄物の微細鉄粉を活用し、砂セメントを用いて固化させた人工礁を、自然環境が破壊され劣化した魚場の海底に沈設し鉄イオンを長期にわたり溶出させ、藻の着床繁茂を計りその結果ウニ、蟹、魚類の生息出来る自然環境の回復が達成できる。

【発明の詳細な説明】
【課題】
日本の国土は全面海に囲まれその為入り江が多く、砂浜、磯、淺海と、海草の繁茂により、貝、魚類に恵まれ、古代より、豊富な森林と畑により、農耕民族、海浜にあっては魚業民族とが、互いに天然の恵みを供受出来る、相互関係を築いて来た。
しかしながら、人口の増加と科学の発達によりそのバランスが崩れ、海浜を守る為には森林を再生させようとの機運が高まっているが、一度破壊された自然の回復は至難である。本発明者は、この磯焼けによる漁場の砂漠を防止再生すべく、科学工業より排出される鉄細粉を最高度活用し『産業廃棄物の処理に貢献)磯、及び海浜魚場の再生に寄余すべく本製品を発明した。
その為に種々の手段が施工され、溶鉱炉のスラグの投入、ブロツク表面に有機物等の皮膜を付着させる等の試験、実証が行われているが、一時的な改善結果にとどまり、完全長期に渡りその効果が持続出来る方法が見いだせない現状である。
【解決手段】
この現状を打破し、半恒久的に効果が持続し藻の着床とその生育に必要な栄養素を溶出する鉄鋼細粉を混入させたコンクリ−ト固形体、及び礫状小塊を、改良しようとする海底に投入、磯(淺海)に散布して藻場や漁場として再生させる。
本発明者は、この磯焼けによる漁場の砂漠化を防止して再生すべく、鉄工業より排出される鉄細粉を最高度活用し、産業廃棄物の処理に貢献し、磯、及び海浜漁場の再生に寄与すべく本製品を発明した。
【発明の簡単な説明】

【産業上の利用分野】
磯焼け防止と、磯焼けを再生させ、加えて有用な藻類を着床繁茂させる為。微細鉄、鋼切断滓を混入固化させた、ブロック叉は、砂利状の人口礫を海底に投入して、鉄イオンを溶出させ、その効果により、海藻の着床、ウニ、蟹、魚類等の繁茂成長に寄与するブロックの製作に関する。
【背景技術】
コンブ、ワカメ、その他、海中に繁茂する藻類はそこに生息する種々の海洋生物、魚類、特にこれらを捕食する事で栄養のバランスを維持している人類にとっては、不可欠な資源である。この大切な資源が近年環境の変化と有害物質の発生等により、叉二化鉄、鉄イオン等の不足により海底岩礁の表面に不必要な雑藻が繁殖し、上記有用藻類の胞子の着床が阻害され、俗に言われる「磯焼け」部分が増大している、これを解決すべく大型漁礁の敷設、岩礁表面の清掃、砂利の投入、叉有機性素材を表面に塗布したブロックの施設等種多大の費用を掛け施工されているが、未だ良好な結果を得るに至ってはいない。
特に溶鉱炉より排出されたスラグ等が大量に投入されているが、このスラグには鉄分は存在せず、したがって鉄イオン溶出は無い。
【発明が解決しようとする課題】
本発明によれば従来工法とは根本的に進歩した条件を採用する。
それは、この人工礁の製作費用の低減、製作の簡易性、海底への敷設の簡素化を第一条件とし、第二に製作に使用する鉄イオン発生資材は、鉄鋼業より産業廃棄物としてその処理に多大の費用が必要なものを最大限活用した点にある。
尚、この鉄イオン発生人工礁は、特殊な加工工場等の必要無く施設しようとする最も近い場所で生産出来る(海岸、近隣の空き地)、等、海への投入も一番必要箇所を熟知している漁業者によって小型漁船でも施設出来る構造とする。
【実施例1】
この発明の人工礁の製造は、鉄イオンの、海洋への長期的放出を目的とし、それを達成する最良の方策を考案した。
先ず鉄イオンの発生元となる鉄の選定、この原料は費用の必要な鉄鋼材、この為に加工された部品等は一切除外した。
その材料として、鋼材を鋸盤にて切断する時に排出される微細鉄屑大きさ0.2mmから0.5mm程度、もう一つは旋盤フライス等切削機械より排出される、微細鉄屑(俗名ダライコ)を砂、セメント、と混合固化させ人工礁とする。
この鉄屑は、一般鉄と一緒に回収はされるが、溶鉱炉に投入されても微細粒の為に気化してしまい溶鉄とはならない。回収の時点では除外されるべき物だが、鉄屑回収、又は運送する場合に電磁石を使用する為に混同してしまう。実際には産業廃棄物である微細鉄屑を(3)セメント(1)砂(4)の割合で混合して簡単な型枠にて固化させる。
また型枠を用いず、砂利、砂等の上に拳状に丸めて固化させて小礫を作る。
この人口礁は実際に幅35cm、長さ34cm、高さ15cmの角形平面体のブロックを作成し実証試験中である。
実際に実用化する場合においては、形状は施設場所に適合する形を選定、海流の状況に合わせて、3000kgから数10kgとし、拳大の小礫は浅海に適宜散設すべきと考察する。
【発明の効果】
本発明の鉄分混入人工礁の魚場への施設により、この人工礁より自然に溶出する鉄イオンの効果により有用海藻の胞子の着床を確実にし、磯焼けの防止と再生に最大の効果を発揮することは確実である。
またこの人工礁は、海流や波浪による施設場所で移動礁同士の衝突、小型礫を浅海に散設した場合のころがり衝突等を生ずるが、この事で悪影響が生じない。
なぜならば、この人工礁は、ブロック表面のみでなく礁全体にイオン発生原となる鉄分が含まれており、礫の表面が削られることで内部の鉄が露出イオンの放出が活発となる、尚、人工によって作られたブロック礫体であるため、表面からの浸食割れ瓦解等が生じる事が予想されるが、それによっても効果は失われず、永久的にイオンの放出が持続する。
この事は従来試工されている工法では効果がいずれも3年以下しか効果が持続しないことと対象しても、最大の進歩と思考する。
【図面の簡単な説明】
(1)
本発明の人工礁は、施設場所条件に合致させ大小は問わない。
下図は1例として示す。
図1角型礁100cm×100cm×30cmとし、適宜な場所に貫通穴を2個もうける。この穴を利用して漁場敷設事の吊りフックとする。
もう一つは、人工礁同士を連続平面敷設する場合に、この穴を利用しロープにて緊結して、波浪等による散越を防止する。この連結ロープは漁網で使用済みとなったロープを使用すれば充分である。
(2)
図2 この角形礁製作時の簡単な型枠を示す木板、ベニヤ、等適当な材料を使用。角形2つ割とし上下は不要でこれに材料を詰め込み、穴については丸くした木材を差し込み、少し固化した時点で取り外せば完成する。
(3)
小型人工礁、これは大きさ10cm程度の丸型で、少々固めに混合したモルタルを手で丸めて地面上で固化させれば完成する。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄微細鉄を混入固化させたコンクリ−ト固形体及び、礫状小塊を海中に投入鉄イオンを放出させる人工礁。
【請求項2】
鉄鋼切断事に(ガス、プラズマ、その他)排出される切断滓をコンクリ−トに混入固化させた、固形体、及び礫状小塊を、海底に投入し放出される鉄イオンにより、磯焼けの再生と藻の着床に寄与する人工礁。