説明

銅合金の鋳造方法

【課題】活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を、活性金属を実質的に含まない異なる組成の銅合金の鋳造の原料として使用することができる、銅合金の鋳造方法を提供する。
【解決手段】所定の活性金属としてマグネシウム、クロム、ジルコニウム、チタン、ケイ素などの1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギー(ΔG°)が−100kcal/molO以下の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料とし、必要に応じて、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金および銅の少なくとも一方を原料に添加して、大気中で溶解して、原料の溶湯中の所定の活性金属の含有量を減少させ、溶湯を鋳型に流し込んで、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金を鋳造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅合金の鋳造方法に関し、特に、活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材から銅合金を鋳造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、活性金属を含む合金からなるスクラップ材から銅合金を鋳造する方法として、活性元素を含む合金スクラップを還元性雰囲気または不活性雰囲気中において加熱、溶解し、合金溶体中の活性元素の量または比を測定し、この測定値に基づいて合金溶体中の活性元素の不足量を設定し、この合金溶体により生じたスラグを分離した合金溶体に活性元素を添加して不足量を補った後、合金溶体を連続鋳造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、活性金属のように酸化され易い合金元素を含む銅合金を連続的に鋳造する際に、カーボン粉末とフッ化物系フラックスの混合物で鋳型内の湯面を被覆する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−87774号公報(段落番号0007)
【特許文献2】特開昭60−227957号公報(第1頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2の方法のように、従来では、活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材は、活性金属を含む同一の組成の銅合金を鋳造するための原料として使用されており、活性金属を含まない異なる組成の銅合金を鋳造するための原料として転用することができないと考えられていた。そのため、従来では、活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材は、活性金属を含む同一の組成の銅合金を鋳造するための原料として再溶解する以外に用途がなく、原料の使い回しによるコストの削減や、入手可能な原料の範囲も限定されていた。
【0005】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を、活性金属を実質的に含まない異なる組成の銅合金の鋳造の原料として使用することができる、銅合金の鋳造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、所定の活性金属として1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料として大気中で溶解して、原料の溶湯中の所定の活性金属の含有量を減少させ、溶湯を鋳型に流し込んで銅合金を鋳造することにより、活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を、活性金属を実質的に含まない異なる組成の銅合金の鋳造の原料として使用することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明による銅合金の鋳造方法は、所定の活性金属として1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料として大気中で溶解して、原料の溶湯中の所定の活性金属の含有量を減少させ、溶湯を鋳型に流し込んで、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金を鋳造することを特徴とする。
【0008】
この銅合金の鋳造方法において、所定の活性金属が、マグネシウム、クロム、ジルコニウム、チタンおよびケイ素からなる群から選ばれる1種以上の金属であるのが好ましい。また、原料として、所定の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材に、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金および銅の少なくとも一方を添加してもよい。また、原料中の所定の活性金属の含有量が0.01〜0.3質量%であるのが好ましく、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金中の所定の活性金属の含有量が0.01質量%未満であるのが好ましい。
【0009】
上記の銅合金の鋳造方法において、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Fe−Mg−P系合金を使用して、Cu−Fe−P系合金を鋳造してもよい。また、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Mg−P系合金を使用して、Cu−Ni−Sn−P系合金を鋳造してもよいし、りん脱酸銅を鋳造してもよい。また、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Cr−Sn系合金を使用して、Cu−Sn系合金を鋳造してもよい。さらに、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Sn−Zn−Ni−Si系合金を使用して、Cu−Sn−Zn−Ni系合金を鋳造してもよい。また、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Zr系合金を使用し、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金としてCu−P系合金を使用して、Cu−P系合金を鋳造してもよい。
【0010】
なお、本明細書中において、「所定の活性金属を実質的に含まない」とは、所定の活性金属の含有量が不可避不純物レベルであることをいい、0.01質量%未満のように非常に少ないことをいう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を、活性金属を実質的に含まない異なる組成の銅合金の鋳造の原料として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による銅合金の鋳造方法の実施の形態では、所定の活性金属として1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギー(ΔG°)が−100kcal/molO以下の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料とし、必要に応じて、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金および銅の少なくとも一方を原料に添加して、大気中で溶解して、原料の溶湯中の所定の活性金属の含有量を減少させ、溶湯を鋳型に流し込んで、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金を鋳造する。
【0013】
酸化物の標準生成自由エネルギー−温度図(例えば、改訂4版 金属データブック、日本金属学会編(丸善株式会社)、106頁)から、1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギー(ΔG°)は、Mgの酸化物の2MgOでは−205,287cal/molO、Crの酸化物の2/3Crでは−120,715cal/molO、Zrの酸化物のZrOでは−196,005cal/molO、Tiの酸化物のTiOでは−161,739cal/molO、2/3Tiでは−176,522cal/molO、TiOでは−181,739cal/molO、Siの酸化物の2SiOでは−101,429cal/molO、SiOでは−147,860cal/molOであるので、上記の所定の活性金属は、Mg、Cr、Zr、TiおよびSiからなる群から選ばれる1種以上の金属であるのが好ましい。なお、1200℃におけるPの酸化物の標準生成自由エネルギー(ΔG°)は−46,000cal/molO程度であり、Pを含む銅合金からなるスクラップ材を原料として大気中において1100〜1300℃程度の温度で鋳造しても、鋳造された銅合金中のPの含有量を不可避不純物レベルまで減少させることができないので、上記の所定の活性金属にはPを含まない。
【0014】
上記の銅合金の鋳造方法の実施の形態では、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Mg−P系合金を使用して、Cu−0.1Ni−0.5Sn−0.05P合金(1.0質量%のNiと0.5質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Ni−Sn−P系合金)や、Cu−1.0Ni−0.9Sn−0.05P合金(1.0質量%のNiと0.9質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Ni−Sn−P系合金)などのCu−Ni−Sn−P系合金を鋳造することができる。また、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金(0.22質量%のFeと0.13質量%のMgと0.10質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Fe−Mg−P系合金)などのCu−Fe−Mg−P系合金を使用して、Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06P(0.20質量%のFeと0.15質量%のNiと0.07質量%のSnと0.06質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Fe−P−Ni−Sn系合金)や、Cu−2.3Fe−0.03P−0.10Zn合金(2.30質量%のFeと0.03質量%のPと0.10質量%のZnを含み、残部がCuであるCu−Fe−P−Zn系合金)などのCu−Fe−P系合金を鋳造してもよい。さらに、所定の活性金属を含む銅合金としてCu−Mg−P系合金を使用して、りん脱酸銅(0.004〜0.040質量%のPを含み、残部がCuであるCu−P系合金)を鋳造してもよい。
【0015】
また、上記の銅合金の鋳造方法の実施の形態において、原料中の所定の活性金属の含有量が0.3質量%より多くなると、鋳造された銅合金中の所定の活性金属の含有量を不可避不純物レベルまで減少させることができない場合があるので、原料中の所定の活性金属の含有量は、0.01〜0.3質量%であるのが好ましく、0.01〜0.15質量%であるのがさらに好ましい。さらに、鋳造された銅合金中の所定の活性金属の含有量は、不可避不純物レベルであり、0.01質量%未満であるのが好ましく、0.005質量%以下であるのがさらに好ましく、0.002質量%以下であるのが最も好ましい。
【0016】
なお、ある温度における標準生成自由エネルギー(ΔG°)は、ある物質が、その温度、圧力(通常1気圧)で安定且つ単純な純分子から、反応によって他の複雑な化合物になるときの自由エネルギーの変化量を意味するので、その化合物の安定の度合いを示している。
【0017】
酸化物のエリンガム図(例えば、改訂4版 金属データブック、日本金属学会編(丸善株式会社)、106頁(酸化物の標準生成自由エネルギー−温度図)参照)において、金属が酸素と引き合う力は、図の下方に位置する(酸化物の標準生成自由エネルギーが小さい)程、強いことを示している。言い換えれば、酸化物のエリンガム図において、下方に位置する(酸化物の標準生成自由エネルギーが小さい)程、酸素をとって金属にするのが難しくなる。すなわち、エリンガム図において下方に位置する(酸化物の標準生成自由エネルギーが小さい)金属は、その温度において図の上に位置する(酸化物の標準生成自由エネルギーが大きい)金属の酸化物より酸素との親和力が大きいので、その酸化物から酸素を奪って酸化される(酸化物は還元される)。
【0018】
本発明による銅合金の鋳造方法の実施の形態では、通常、銅合金が約1100〜1300℃で鋳造されることを考慮して、所定の活性金属として1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギー(ΔG°)が−100kcal/molO以下の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料として使用している。銅合金中にこのような活性金属が含まれると、その活性金属は、主に大気中の酸素と結びついて酸化され、スラグとなって溶湯の表面に浮いてくるので、そのスラグを除去することによって、溶湯中の活性金属の量を不可避不純レベル(0.01質量%未満)まで減少させることができ、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金を作製することができる。
【0019】
なお、本発明による銅合金の鋳造方法の実施の形態では、上記の所定の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料として、大気中で溶解、すなわち、原料の溶湯の表面を被覆しないで大気中に開放した状態で溶解しているが、所定の活性金属の酸化を促進するために、溶湯中に酸素ガスを吹き込みながら溶解してもよい。
【実施例】
【0020】
以下、本発明による銅合金の鋳造方法の実施例について詳細に説明する。
【0021】
[実施例1]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金(0.2質量%のFeと0.13質量%のMgと0.10質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Fe−Mg−P系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材32質量%と、Cuからなるスクラップ材68質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.042質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0015質量%、Fe含有量は0.06質量%、P含有量は0.03質量%であった。
【0022】
[実施例2]
Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材42質量%と、Cuからなるスクラップ材58質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.055質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0015質量%、Fe含有量は0.08質量%、P含有量は0.04質量%であった。
【0023】
[実施例3]
Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材53質量%と、Cuからなるスクラップ材47質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.069質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0質量%、Fe含有量は0.11質量%、P含有量は0.05質量%であった。
【0024】
[実施例4]
Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材53質量%と、Cuからなるスクラップ材47質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.069質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.003質量%、Fe含有量は0.11質量%、P含有量は0.05質量%であった。
【0025】
[実施例5]
Cuからなるスクラップ材を使用しないで、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材100質量%を原料(原料中のMg換算量は0.13質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.004質量%、Fe含有量は0.18質量%、P含有量は0.06質量%であった。
【0026】
[比較例1]
原料の溶融の際に湯面の全面を木炭で被覆した以外は、実施例5と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.08質量%、Fe含有量は0.20質量%、P含有量は0.08質量%であった。
【0027】
これらの実施例1〜5および比較例1の原料および鋳造製品の組成分析の結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
表1に示すように、実施例1〜5では、原料を大気中で溶解させることによって、1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属であるMgを大気中で消耗させ、鋳造製品中のMg含有量を不可避不純物レベルまで低下させて、Mgを実質的に含まないCu−Fe−P系合金の鋳造製品を作製することができることがわかった。特に、実施例3〜5のように原料中のMgの換算量が0.069〜0.130質量%と多くても、鋳造製品中のMg含有量を不可避不純物レベルまで低下させて、Cu−Fe−P系合金の鋳造製品を作製することができることがわかった。また、比較例1では、鋳造製品中のMg含有量を不可避不純物レベルまで低下させることができなかった。
【0030】
[実施例6]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を実質的に含まない銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06P(0.20質量%のFeと0.15質量%のNiと0.07質量%のSnと0.06質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Fe−Ni−Sn−P系合金)からなるスクラップ材を用意するとともに、所定の活性金属を含む銅合金からなる銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材を用意し、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金からなるスクラップ材89.4質量%と、所定の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材10.6質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.014質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1250℃で溶融し、目的とする合金組成の銅合金を鋳造するために必要なFe、Ni、Sn、Pなどの合金元素を添加して成分調整をした後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0016質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.13質量%、Sn含有量は0.06質量%、P含有量は0.06質量%であった。
【0031】
[実施例7]
Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06Pからなるスクラップ材88.9質量%と、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材11.1質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.014質量%)とした以外は、実施例6と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0015質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.13質量%、Sn含有量は0.06質量%、P含有量は0.06質量%であった。
【0032】
[実施例8]
Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06Pからなるスクラップ材81.4質量%と、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材18.6質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.024質量%)とした以外は、実施例6と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0016質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.12質量%、Sn含有量は0.06質量%、P含有量は0.06質量%であった。
【0033】
[実施例9]
Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06Pからなるスクラップ材72.3質量%と、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材27.7質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.036質量%)とした以外は、実施例6と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0014質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.11質量%、Sn含有量は0.05質量%、P含有量は0.07質量%であった。
【0034】
[実施例10]
Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06Pからなるスクラップ材72.2質量%と、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材27.8質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.036質量%)とした以外は、実施例6と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0015質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.11質量%、Sn含有量は0.05質量%、P含有量は0.07質量%であった。
【0035】
[実施例11]
Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06Pからなるスクラップ材69.6質量%と、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材30.4質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.040質量%)とした以外は、実施例6と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0016質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.10質量%、Sn含有量は0.05質量%、P含有量は0.07質量%であった。
【0036】
[実施例12]
Cu−0.20Fe−0.15Ni−0.07Sn−0.06Pからなるスクラップ材67.6質量%と、Cu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材32.4質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.042質量%)とした以外は、実施例6と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0014質量%、Fe含有量は0.20質量%、Ni含有量は0.10質量%、Sn含有量は0.05質量%、P含有量は0.07質量%であった。
【0037】
これらの実施例6〜12の原料および鋳造製品の組成分析の結果を表2に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
表2に示すように、実施例6〜12では、原料を大気中で溶解させることによって、1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属であるMgを大気中で消耗させ、鋳造製品中のMg含有量を不可避不純物レベルまで低下させて、Mgを実質的に含まないCu−Fe−Ni−Sn−P系合金の鋳造製品を作製することができることがわかった。特に、Mgを含むCu−0.22Fe−0.13Mg−0.10P合金からなるスクラップ材10.6〜32.4質量%を原料として添加しても、鋳造製品中のMg含有量を不可避不純物レベルまで低下させて、Cu−Fe−Ni−Sn−P系合金の鋳造製品を作製することができることがわかった。
【0040】
[実施例13]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.20Fe−0.13Mg−0.09P−0.03Sn−0.03Zn合金(0.20質量%のFeと0.13質量%のMgと0.09質量%のPと0.03質量%のSnと0.03質量%のZnを含み、残部がCuであるCu−Fe−Mg−P−Sn−Zn系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材40質量%と、Cuからなるスクラップ材59.95質量%と、Cu−50Fe合金(50質量%のFeを含み、残部がCuであるCu−Fe系合金)からなるスクラップ材0.05質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.052質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において空気を吹き込みながら1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0質量%、Fe含有量は0.10質量%、P含有量は0.03質量%、Sn含有量は0.01質量%、Zn含有量は0.01質量%であった。
【0041】
[実施例14]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.11Fe−0.20Mg−0.04P−0.18Sn−0.35Zn合金(0.11質量%のFeと0.20質量%のMgと0.04質量%のPと0.18質量%のSnと0.35質量%のZnを含み、残部がCuであるCu−Fe−Mg−P−Sn−Zn系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材20質量%と、Cuからなるスクラップ材75.44質量%と、Cu−50Fe合金(50質量%のFeを含み、残部がCuであるCu−Fe系合金)からなるスクラップ材4.4質量%と、Cu−15P合金(15質量%のPを含み、残部がCuであるCu−P系合金)からなるスクラップ材0.16質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.04質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.005質量%、Fe含有量は2.30質量%、P含有量は0.03質量%、Sn含有量は0.03質量%、Zn含有量は0.07質量%であった。
【0042】
[実施例15]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.72Mg−0.005P合金(0.72質量%のMgと0.005質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Mg−P系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材5質量%と、Cu−1.0Ni−0.9Sn−0.05P合金(1.0質量%のNiと0.9質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Ni−Sn−P系合金)からなるスクラップ材95質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.036質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.0017質量%、Ni含有量は0.95質量%、Sn含有量は0.85質量%、P含有量は0.05質量%であった。
【0043】
[実施例16]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.72Mg−0.005P合金(0.72質量%のMgと0.005質量%のPを含み、残部がCuであるCu−Mg−P系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材15質量%と、Cu−0.025P合金(0.025質量%のPを含み、残部がCuであるCu−P系合金)からなるスクラップ材85質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.108質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.007質量%、P含有量は0.02質量%であった。
【0044】
[比較例2]
Cu−0.72Mg−0.005P合金からなるスクラップ材50質量%と、Cu−0.025P合金からなるスクラップ材50質量%とを原料(原料中のMg換算量は0.36質量%)とした以外は、実施例16と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のMg含有量は0.15質量%、P含有量は0.01質量%であった。
【0045】
[実施例17]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.15Cr−0.09Sn合金(0.15質量%のCrと0.09質量%のSnを含み、残部がCuであるCu−Cr−Sn系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材23質量%と、Cuからなるスクラップ材76.9質量%と、Snからなるスクラップ材0.1質量%とを原料(原料中のCr換算量は0.035質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のCr含有量は0.0008質量%、Sn含有量は0.11質量%であった。
【0046】
[実施例18]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.31Cr−0.25Sn−0.20Zn合金(0.31質量%のCrと0.25質量%のSnと0.20質量%のZnを含み、残部がCuであるCu−Cr−Sn系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材15質量%と、Cuからなるスクラップ材85質量%とを原料(原料中のCr換算量は0.047質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のCr含有量は0.002質量%、Sn含有量は0.04質量%、Zn含有量は0.03質量%であった。
【0047】
[実施例19]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.4Si−0.5Sn−0.4Zn−1.6Ni合金(0.4質量%のSiと0.5質量%のSnと0.4質量%のZnと1.6質量%のNiを含み、残部がCuであるCu−Si−Sn−Zn−Ni系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材10質量%と、Cuからなるスクラップ材90質量%とを原料(原料中のSi換算量は0.04質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のSi含有量は0.0005質量%、Sn含有量は0.05質量%、Zn含有量は0.04質量%、Ni含有量は0.16質量%であった。
【0048】
[実施例20]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.55Si−0.10Mg−0.14Sn−0.40Zn−2.50Ni合金(0.55質量%のSiと0.10質量%のMgと0.14質量%のSnと0.40質量%のZnと2.50質量%のNiを含み、残部がCuであるCu−Si−Mg−Sn−Zn−Ni系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材10質量%と、Cuからなるスクラップ材90質量%とを原料(原料中のSi換算量は0.055質量%、Mg換算量は0.01質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のSi含有量は0.001質量%、Mg含有量は0質量%、Sn含有量は0.01質量%、Zn含有量は0.03質量%、Ni含有量は0.25質量%であった。
【0049】
[実施例21]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材として、Cu−0.1Zr合金(0.1質量%のZrを含み、残部がCuであるCu−Zr系合金)からなるスクラップ材を用意し、このスクラップ材50質量%と、Cuからなるスクラップ材49.8質量%と、Cu−15P(15質量%のPを含み、残部がCuであるCu−P系合金)からなるスクラップ材0.2質量%とを原料(原料中のZr換算量は0.05質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のZr含有量は0質量%、P含有量は0.025質量%であった。
【0050】
[実施例22]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材としてのCu−0.11Zr−0.24Cr−0.02Si合金(0.11質量%のZrと0.24質量%のCrと0.02質量%のSiを含み、残部がCuであるCu−Zr−Cr−Si系合金)からなるスクラップ材30質量%と、所定の活性金属を実質的に含まない銅合金からなるスクラップ材としてのCu−15P合金(15質量%のPを含み、残部がCuであるCu−P系合金)からなるスクラップ材0.2質量%と、Cuからなるスクラップ材69.8質量%とを原料(原料中のZr換算量は0.033質量%、Cr換算量は0.072質量%、Si換算量は0.006質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1200℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のZr含有量は0質量%、Cr含有量は0.0015質量%、Si含有量は0質量%、P含有量は0.03質量%であった。
【0051】
[実施例23]
所定の活性金属(1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属)を含む銅合金からなるスクラップ材としてのCu−3.2Ti合金(3.2質量%のTiを含み、残部がCuであるCu−Ti系合金)からなるスクラップ材6.5質量%と、所定の活性金属を実質的に銅合金からなるスクラップ材としてのCu−15P(15質量%のPを含み、残部がCuであるCu−P系合金)からなるスクラップ材0.2質量%と、Cuからなるスクラップ材93.3質量%とを原料(原料中のTi換算量は0.21質量%)として溶融炉内に投入し、大気中において1300℃で溶融した後、溶湯を鋳型に流し込み、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のTi含有量は0.008質量%、P含有量は0.03質量%であった。
【0052】
[比較例3]
Cu−3.2Ti合金からなるスクラップ材10質量%と、Cu−15Pからなるスクラップ材0.2質量%と、Cuからなるスクラップ材89.8質量%とを原料(原料中のTi換算量は0.32質量%)とした以外は、実施例23と同様の方法により、鋳塊(鋳造製品)を得た。この鋳造製品の組成分析を行ったところ、鋳造製品中のTi含有量は0.10質量%、P含有量は0.03質量%であった。
【0053】
これらの実施例12〜23および比較例2〜3の原料および鋳造製品の組成分析の結果を表3〜13に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】
【表8】

【0060】
【表9】

【0061】
【表10】

【0062】
【表11】

【0063】
【表12】

【0064】
【表13】

【0065】
表3〜13に示すように、実施例12〜23では、原料を大気中で溶解させることによって、それぞれ1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属であるMg、Cr、Zr、Ti、Siを大気中で消耗させ、鋳造製品中のMg、Cr、Zr、Ti、Si含有量を不可避不純物レベルまで低下させて、Mg、Cr、Zr、Ti、Siを実質的に含まないCu−Sn系合金、Cu−P系合金、Cu−Sn−Zn−Ni系合金の鋳造製品を作製することができることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の活性金属として1200℃における酸化物の標準生成自由エネルギーが−100kcal/molO以下の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材を原料として大気中で溶解して、前記原料の溶湯中の前記所定の活性金属の含有量を減少させ、前記溶湯を鋳型に流し込んで、前記所定の活性金属を実質的に含まない銅合金を鋳造することを特徴とする、銅合金の鋳造方法。
【請求項2】
前記所定の活性金属が、マグネシウム、クロム、ジルコニウム、チタンおよびケイ素からなる群から選ばれる1種以上の金属であることを特徴とする、請求項1に記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項3】
前記原料として、前記所定の活性金属を含む銅合金からなるスクラップ材に、前記所定の活性金属を実質的に含まない銅合金および銅の少なくとも一方を添加することを特徴とする、請求項1または2に記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項4】
前記原料中の前記所定の活性金属の含有量が0.01〜0.3質量%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項5】
前記所定の活性金属を実質的に含まない銅合金中の前記所定の活性金属の含有量が0.01質量%未満であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項6】
前記所定の活性金属を含む銅合金がCu−Fe−Mg−P系合金であり、Cu−Fe−P系合金を鋳造することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項7】
前記所定の活性金属を含む銅合金がCu−Mg−P系合金であり、Cu−Ni−Sn−P系合金を鋳造することを特徴とする、請求項3乃至5のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項8】
前記所定の活性金属を含む銅合金がCu−Mg−P系合金であり、りん脱酸銅を鋳造することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項9】
前記所定の活性金属を含む銅合金がCu−Cr−Sn系合金であり、Cu−Sn系合金を鋳造することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項10】
前記所定の活性金属を含む銅合金がCu−Sn−Zn−Ni−Si系合金であり、Cu−Sn−Zn−Ni系合金を鋳造することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。
【請求項11】
前記所定の活性金属を含む銅合金がCu−Zr系合金であり、前記所定の活性金属を実質的に含まない銅合金がCu−P系合金であることを特徴とする、請求項3乃至5のいずれかに記載の銅合金の鋳造方法。

【公開番号】特開2010−179356(P2010−179356A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27514(P2009−27514)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(506365131)DOWAメタルテック株式会社 (109)
【Fターム(参考)】