説明

【課題】 理美容業界における新しいカット技法などにおいて、鋏を持つ手を大きく振ると同時に、鋏を持つ手の親指で切断抵抗に負けない力を動刃側の鋏体の足に加える必要をなくし、また、触点部が偏摩耗することをなくして、スムーズな切れ味が持続するようにする。
【解決手段】 鋏体2、3の中間部を貫通した鋏身ボルト4に一端部10が支持された安定具9の他端部12を常に物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力で鋏体3の触点部7に押しつけておくことにより、一対の鋏体2、3の触点部18、7同士は接触していなくても、物を切る際の切断抵抗に負けて、鋏体2の静刃2aの裏側と鋏体3の動刃3aの裏側が離れたままにならないようにし、鋏を持つ手の親指などを使わなくても物を切ることができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さまざまな使い方をされても対応可能な鋏、特に理美容業界における新しいカット技法にも十分対応できるだけでなく、スムーズな切れ味を長期間に亘って保つことができるようにした鋏に関する。詳しくは、従来の鋏のように、開閉動作する際に、一対の鋏体の触点部同士が接触(圧接)した状態で摺動することをなくし、その代わりの部材を別個取り付けることによって、理美容業界における新しいカット技法などにも十分対応できるようにすると共に、鋏のスムーズな切れ味を長期間に亘って保つことができるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鋏は、開閉作動する一対の鋏体の支点軸となる鋏身ボルトが貫通された孔の周辺の円弧状をした部分が触点部になっている。そして、物を切るときは、切断抵抗によって一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が互いに離れようとするが、同時に、触点部にも一対の鋏体の開閉動作の円滑さを阻害する程の大きな切断抵抗がかかっている。そこで、鋏を持つ手の親指でこの切断抵抗に負けない力を動刃を有する鋏体の足(柄)に加えることで、かつ、この加えた力により触点部同士が圧接された状態で摺動することで、一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が互いに離れることなく、すなわち、静刃と動刃の裏側同士が圧接された状態で開閉動作され、その結果、物が切れるようになっている。
【0003】
すなわち、鋏を持つ手の親指によって、切断抵抗、つまり、一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が互いに離れようとする力に負けない力を動刃側の鋏体の足に加えるようにしている。そうすることで、一対の鋏体の触点部同士を圧接された状態にし、かつ、かかる状態で一対の鋏体の触点部同士を摺動させることで、一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が互いに離れることなく、すなわち、動刃と静刃の裏側同士が圧接された状態で開閉動作することによって物が切れるようになっている。
【0004】
しかし、鋏の持ち方によっては、鋏を持つ手の親指で、物を切るときの切断抵抗、すなわち、一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が互いに離れようとする力に負けない力を動刃側の鋏体の足に加えることが難しい。そのため、この場合は、一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が離れたままになり、静刃と動刃の裏側同士を圧接させた状態で開閉動作することができないので、思うように物を切ることができない。
【0005】
例えば、理美容業界においては、近年のヘアースタイルの多様化に伴い、これまでにはなかった新しいカット技法が次々と発表されている。その中でも、例えば、スライドカットとかストロークカットと呼ばれる毛髪を細く削る技法は、鋏を持つ手を大きく振りながら切っていく方法である。
【0006】
しかし、この方法だと、髪を切る際に、動刃側の鋏体の足に切断抵抗に負けない力を加えることが難しい。なぜなら、右手で鋏を持つときは、右手の親指で一方の鋏体を下から上に向けて押すことによって、静刃と動刃の裏側同士を圧接された状態にしなければならないが、鋏を持つ手を大きく振りながら、同時にその親指で鋏体を下から上に一定の力で押し続けることはきわめて難しいからである。
【0007】
そして、髪がうまく切れなかった場合は、鋏で髪を引っ張ることになったり、はなはだしい場合は髪を引っ張った上に抜いてしまうこともたびたびであった。そこで、これを防ぐため、親指で無理に鋏体を下から上に向けて一定の力で押し続けようとすると、こんどは理容師や美容師の親指の付け根などに痛みが生じたり、腱鞘炎、肩凝りなども発生し易くなる。
【0008】
そして、これらのことは、理美容業界で働く理容師や美容師にとって、きわめて深刻な問題になっている。
【0009】
そのため、理美容業界における、近年のヘアースタイルの多様化に伴う新しいカット技法にも対応可能な鋏、すなわち、鋏を持つ手を大きく振りながら切る新しいカット技法などにおいても使いやすい鋏が必要とされている。
【0010】
そこで、先ず考え出された鋏が、開閉動作する一対の鋏体の支点軸から一方の鋏体の柄の側に補強バネを架け渡し、この補強バネにより一対の鋏体の触点部同士を圧接された状態にして、静刃と動刃の裏側同士が常に圧接された状態になるようにした鋏である(特許文献1参照)。
【0011】
図3及び図4は、特許文献1に記載された鋏aを示したものである。この鋏aにあっては、一対の鋏体b、cの支点軸dから一方の鋏体cの柄の側に補強バネeを架け渡すことによって、一対の鋏体b、cの触点部f、g同士が常に圧接状態を保つようにしている。そのため、物を切る時の切断抵抗があっても、静刃と動刃の裏側同士は圧接された状態になる。したがって、かかる鋏aを用いれば、物を切る際に、鋏を持つ手の親指で鋏体cを下から上に向けて一定の力で押し続ける必要がなくなる。
【0012】
そのため、どのような使い方をしても、例えば、近年のヘアースタイルの多様化に伴なって生まれた鋏を持つ手を大きく振りながら切る新しいカット技法などにおいても、鋏aの一対の鋏体b、cの触点部f、g同士は常に圧接状態になっていて、物を切る時の切断抵抗があっても、静刃と動刃の裏側同士は圧接された状態になるので、鋏を持つ手を大きく振ると同時に、親指で鋏体を下から上に向けて一定の力で押し続けることは必要でなくなる。したがって、その限りでは、理美容業界における新しいカット技法などにおいても使いやすい鋏であるということができる。
【0013】
【特許文献1】特開平11−244550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献1に記載された、一対の鋏体b、cの支点軸dから一方の鋏体cの柄の側に補強バネeを架け渡している鋏aも、一対の鋏体b、cの触点部f、g同士が接触(圧接)しているタイプものであるから、物を切る際には、圧接状態にある触点部f、g同士が摺動するものである。そして、このような圧接された状態で摺動する触点部f、gがある限り、鋏aを使っているうちに、その触点部f、gがだんだんと偏摩耗することは避けられない。
【0015】
そのため、上記特許文献1に記載された鋏aは、理美容業界における新しいカット技法などにおいて使いやすいということで、はじめのうちは便利かもしれない。しかし、使っているうちに、触点部f、gが偏摩耗することにより、触点部f、gで物を切る際の切断抵抗を受け止めることが次第に難しくなって、一対の鋏体b、cの開閉動作のなめらかさが失われ、開閉作動が重くなったり、途中でひっかかったりするようになる。そして、いつまでもスムーズに切ることができるようにするためには、触点部の研磨、調整を定期的に行う必要があるが、それができる技術者はきわめて少ないのが現状である。
【0016】
それでは、これまでの鋏の常識になっている、一対の鋏体の触点部同士の接触と摺動をなくせば、上記の問題を解決することができるかであるが、鋏の触点部同士が接触しないようにすると、こんどは物を切る際の切断抵抗を受け止めるものがなくなるため、切断不能になってしまう。すなわち、一対の鋏体の触点部同士が接触していないと、物を切る際の切断抵抗に負けて一対の鋏体の静刃の裏側と動刃の裏側が離れたままになるので、全く物を切ることができない。
【0017】
そこで、本発明は、上記した課題をすべて解決するために為されたものであり、その目的とするところは、これまでの鋏の常識であった、一対の鋏体の触点部同士の接触と摺動がなくても、物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力が常に鋏の触点部に加わっている鋏を作り出すことにある。具体的には、「鋏の触点部同士の接触と摺動」に代わる部材(安定具)を取り付けることによって、物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力を常に鋏の触点部に加えて一対の鋏体の静刃と動刃の裏側同士が常に圧接された状態になるようにし、理美容業界における新しいカット技法などにおいて使いやすくすることはもちろん、触点部が偏摩耗することをなくして、いつまでもスムーズに切れる鋏を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明鋏は、上記した課題を解決するために、静刃を有する鋏体及び動刃を有する鋏体と、一対の鋏体の中間部を互いに回動自在に連結した鋏身ボルトと、鋏身ボルトを支点軸とする一対の鋏体の開閉動作を安定させる安定具とを備えた鋏であって、一対の鋏体は、鋏身ボルト周辺の円弧状をした触点部同士が非接触状態に保持され、安定具は、板状部材を長手方向の途中で略L字型に折り曲げて形成され、一端部を上記鋏身ボルトが貫通すると共に、他端部が動刃を有する鋏体の触点部に圧接され、鋏身ボルトの一対の鋏体の中間部と安定具の一端部を貫通した部分にナットが螺合され、ナットを締めて安定具の他端部を動刃を有する鋏体の触点部に圧接させることによって、鋏身ボルトを支点軸とする一対の鋏体の開閉動作を安定させるようにしたものである。
【0019】
したがって、本発明鋏にあっては、鋏の触点部同士が接触していなくても、安定具を取り付けることにより、物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力が常に鋏の触点部に加わっている。
【発明の効果】
【0020】
本発明鋏は、静刃を有する鋏体及び動刃を有する鋏体と、一対の鋏体の中間部を互いに回動自在に連結した鋏身ボルトと、鋏身ボルトを支点軸とする一対の鋏体の開閉動作を安定させる安定具とを備えた鋏であって、一対の鋏体は、鋏身ボルト周辺の円弧状をした触点部同士が非接触状態に保持され、安定具は、板状部材を長手方向の途中で略L字型に折り曲げて形成され、一端部を上記鋏身ボルトが貫通すると共に、他端部が動刃を有する鋏体の触点部に圧接され、鋏身ボルトの一対の鋏体の中間部と安定具の一端部を貫通した部分にナットが螺合され、ナットを締めて安定具の他端部を動刃を有する鋏体の触点部に圧接させることによって、鋏身ボルトを支点軸とする一対の鋏体の開閉動作を安定させるようにしたこと特徴とする。
【0021】
したがって、本発明鋏にあっては、鋏の触点部同士が接触していなくても、安定具を取り付けることによって、物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力を常に鋏の触点部に加えて、物を切る際でも一対の鋏体の静刃と動刃の裏側同士が圧接された状態になるようにしている。そのため、鋏を持つ手を大きく振りながら切る理美容業界における新しいカット技法などにおいても、鋏を持つ手を大きく振ると同時に、鋏を持つ手の親指で切断抵抗に負けない力を動刃側の鋏体の足に加えることは必要でなくなる。また、触点部が偏摩耗することがないので、スムーズな切れ味を持続させることができる。
【0022】
請求項2に記載した発明にあっては、鋏身ボルトの周囲に配設されたボールベアリングを一対の鋏体の間に介在させることによって、一対の鋏体の触点部同士が非接触状態に保持されるようにしたので、物を切る際の一対の鋏体の開閉動作がきわめてスムーズになる。
【0023】
請求項3に記載した発明にあっては、鋏身ボルトの周囲に配設されたボールベアリングを静刃を有する鋏体と安定具との間に介在させることによって、静刃を有する鋏体と安定具とが非接触状態に保持されるようにしたので、物を切る際の一対の鋏体の開閉動作がきわめてスムーズになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明鋏を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1及び図2に鋏の一例を示す。
【0026】
鋏1は、静刃2aを有する鋏体2及び動刃3aを有する鋏体3と、この一対の鋏体2、3のそれぞれの中間部を貫通した鋏身ボルト4を備えている。
【0027】
鋏体2の長手方向における中間部には鋏身ボルト4を貫通させるための貫通孔5が、鋏体3の長手方向における中間部にも鋏身ボルト4を貫通させるための貫通孔6がそれぞれ形成されている。
【0028】
そして、鋏体3の貫通孔6周辺の円弧状をした触点部7には、係合凹部8が形成されている。
【0029】
鋏1で物を切る際は、一対の鋏体2、3を開閉動作させることになるが、鋏体2、3の貫通孔5、6を貫通した鋏身ボルト4がその際の支点軸となる。
【0030】
安定具9は、略長方形をした板金部材を、その長手方向の途中で断面が略L字型になるように折り曲げて形成されている。
【0031】
上記安定具9は、その一端部10に形成された貫通孔11に鋏身ボルト4が貫通され、その他端部12が鋏体3の触点部7に形成された係合凹部8内に係合されることによって、鋏体2、3に取り付けられる。
【0032】
鋏体2の貫通孔5周囲の鋏体3と対向した面には凹部13が、鋏体3の貫通孔6周囲の鋏体2と対向した面には凹部14が形成されている。そして、互いに向かい合った凹部13と凹部14とで形成される空間に鋏身ボルト4に外嵌された状態でボールベアリング15が配設されている。
【0033】
ボールベアリング15は、ボール保持板16に複数のボール17が回転自在に保持されたものである。
【0034】
上記ボールベアリング15が鋏体2と鋏体3との間に介在することによって、鋏体2の触点部18と鋏体3の触点部7とを非接触状態に保持することが可能になる。そして、一対の鋏体2、3の開閉動作がスムーズになる。
【0035】
このようにして、上記鋏1では、鋏体2の触点部18と鋏体3の触点部7とが非接触状態に保持されているので、鋏1で物を切る際においても、一対の鋏体2、3の触点部18、7同士が圧接された状態で摺動することはない。
【0036】
そのため、鋏体2、3の触点部18、7が偏摩耗することがなくなるので、スムーズな切れ味を持続させることができる。
【0037】
しかし、上記の鋏1で物を切る際においても、一対の鋏体2、3の触点部18、7同士が圧接された状態で摺動することがないと、物を切るときの切断抵抗に負けて、静刃2aと動刃3aの裏側同士を圧接された状態にすることができなくなる。その結果、このような鋏では物を切ることができない。
【0038】
そこで、上記安定具9は、これまでの鋏の常識であった、一対の鋏体2、3の触点部同士の接触と摺動がなくても、物を切る際の切断抵抗に負けて鋏体2の静刃2aの裏側と鋏体3の動刃3aの裏側が離れたままになるのを防ぐものである。すなわち、物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力が常に鋏体3の触点部7に加わっているようにするためのものである。
【0039】
上記鋏身ボルト4は、頭部19が略半球体をし、軸部20の先端部分だけに螺溝21が形成されている。軸部20は鋏体2、3の貫通孔5、6と、さらに安定具9の貫通孔11をも貫通し、先端部分の螺溝21が形成された部分のほとんどが安定具9の貫通孔11から突出した状態とされる。そして、この螺溝21にナット22が螺着される。
【0040】
上記ナット22を鋏身ボルト4に対して締めていくことによって、鋏体3の触点部7に形成した係合凹部8内に係合されている安定具9の他端部12を係合凹部8内に押しつけることができる。このようにして、物を切る際の切断抵抗に負けない一定の力を常に鋏体3の触点部7に加えておくことができるようになる。こうして、一対の鋏体2、3の触点部18、7同士は接触していなくても、物を切る際の切断抵抗に負けて、鋏体2の静刃2aの裏側と鋏体3の動刃3aの裏側とが互いに離れたままになることがなくなる。
【0041】
ところで、鋏1で厚い物や硬い物を切るときは切断抵抗がさらに大きくなるが、この場合は、ナット22をさらにきつく締めておくことによって、安定具9の他端部12が鋏体3の触点部7に加える力もより大きくなるので、切断抵抗が大きくなってもこれに負けることなく物を切ることができる。
【0042】
その結果、上記鋏1にあっては、物を切る際に、一対の鋏体2、3の触点部18、7同士が圧接された状態で摺動することがなくても、静刃2aと動刃3aの裏側同士は常に圧接された状態になっている。そのため、鋏を持つ手の親指によって切断抵抗に負けない力を鋏体3の足3bに加える必要がなくなる。したがって、鋏を持つ手を大きく振りながら切る理美容業界における新しいカット技法などにおいても、親指などに無理をさせることなく、楽に切ることができるようになる。
【0043】
上記凹部13内には1枚又は数枚のスペーサー23が配置されている。そして、上記凹部14内にも1枚又は数枚のスペーサー23′が配置されている。このスペーサー23、23′の枚数を増減させることによって、鋏体2と鋏体3との間隔を最適なものにすることができる。
【0044】
鋏体2の貫通孔5周囲の安定具9と対向した面には凹部24が形成されている。そして、凹部24内に鋏身ボルト4に外嵌された状態でボールベアリング25が配設されている。
【0045】
ボールベアリング25は、ボール保持板26に複数のボール27が回転自在に保持されたものである。
【0046】
上記ボールベアリング25が安定具9と鋏体2との間に介在することによって、安定具9の他端部12が係合している鋏体3と鋏体2の開閉動作がスムーズになる。
【0047】
なお、上記実施の形態において示した各部の具体的な形状や構造は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
鋏の触点部同士の接触と摺動に代わる安定具を取り付けることによって、鋏を使いやすくすると共に鋏の切れ味が持続するようにすることは、各種の鋏に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図2と共に本発明鋏の実施の形態を示すものであり、本図は鋏の全体斜視図である。
【図2】要部を拡大して示す概略断面図である。
【図3】図4と共に従来の鋏について説明するための図であり、本図は要部を拡大して示す概略断面図である。
【図4】鋏の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1…鋏、2…鋏体、2a…静刃、3…鋏体、3a…動刃、4…鋏身ボルト、5…貫通孔、6…貫通孔、7…触点部、9…安定具、10…一端部、12…他端部、15…ボールベアリング、18…触点部、22…ナット、25…ボールベアリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静刃を有する鋏体及び動刃を有する鋏体と、上記一対の鋏体の中間部を互いに回動自在に連結した鋏身ボルトと、上記鋏身ボルトを支点軸とする上記一対の鋏体の開閉動作を安定させる安定具とを備えた鋏であって、
上記一対の鋏体は、鋏身ボルト周辺の円弧状をした触点部同士が非接触状態に保持され、
上記安定具は、板状部材を長手方向の途中で略L字型に折り曲げて形成され、一端部を上記鋏身ボルトが貫通すると共に、他端部が上記動刃を有する鋏体の触点部に圧接され、
上記鋏身ボルトの上記一対の鋏体の中間部と上記安定具の一端部を貫通した部分にナットが螺合され、
上記ナットを締めて上記安定具の他端部を上記動刃を有する鋏体の触点部に圧接させることによって、上記鋏身ボルトを支点軸とする上記一対の鋏体の開閉動作を安定させるようにした
ことを特徴とする鋏。
【請求項2】
鋏身ボルトの周囲に配設されたボールベアリングを一対の鋏体の間に介在させることによって、一対の鋏体の開閉動作がスムーズに為されるようにすると共に、一対の鋏体の触点部同士が非接触状態に保持されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の鋏。
【請求項3】
鋏身ボルトの周囲に配設されたボールベアリングを静刃を有する鋏体と安定具との間に介在させることによって、一対の鋏体の開閉動作がスムーズに為されるようにした
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋏。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−14810(P2006−14810A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193711(P2004−193711)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(598037787)
【Fターム(参考)】