説明

鋲打機および鋲打機の操作方法

【課題】鋲または釘、を打ち込むために、急速に直進的に動かせる作動ピストンを有する鋲打機の動作中の、操作性および/またはエネルギー効率をさらに改善する
【解決手段】基材に留め具を打ち込む鋲打機1は、鋲または釘といった留め具を打ち込むために、直進的に急速に動ける作業ピストン34を有し、鋲打機1の操作中の操作性および/またはエネルギー効率をさらに改善するために、鋲打機1は、手動と自動の出力調整モードとの間を切替できる操作装置44を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基材へ留め具を打ち込むための鋲打機に関し、それらは、留め具、例えば鋲または釘、を打ち込むために、急速に直進的に動かせる作動ピストンを有する。本発明はこのような鋲打機を操作する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、膨張ガスを介して駆動され得る、打ち込みピストンが置換可能に取り付けられた、ピストンガイドを有する鋲打機は知られている。ピストン・リターン装置は、駆動電動機と打ち込みピストンに発生した動作力を伝達するための、少なくとも一つの伝達装置とを備える。特許文献2から、携帯型の、燃焼駆動の鋲打機が知られており、それは燃焼室を持ち、その大きさは燃焼室の前側壁の軸方向の変位によって変えられ得る。特許文献3からは、打ち込み深さ制御機構を備えた鋲打機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許第10325920号明細書
【特許文献2】独国特許第19962695号明細書
【特許文献3】欧州特許第1277548号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、鋲打機の動作中の、操作性および/またはエネルギー効率をさらに改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、基材に留め具を打ち込むための鋲打機であって、その鋲打機は、留め具、例えば鋲または釘を打ち込むために、直進的に急速に動かせる作動ピストンを持つものにおいて、その鋲打機に、手動と自動の出力調整モードとの間の切り替えを可能にする操作装置を備えることにより達成される。手動出力調整モードにおいては、打ち込みエネルギーは、使用者により操作装置によって調整されるのが好ましい。自動出力調整モードにおいては、打ち込みエネルギーが、制御により、特別な電子回路によって、前の打ち込み動作に関する情報を基礎として算出され、調整されるのが好ましい。
【0006】
本発明の鋲打機は、ガス駆動であるのが好ましい。ガスは、例えば、鋲打機内に配置されたガス・カートリッジから導入され得る。ガスは鋲打機の燃焼室内で空気と混ぜ合わせられる。空気およびガスは、作動ピストンを駆動する、急速に膨張する可燃性の混合気を形成する。各駆動動作毎に、それぞれ所望の量のガスが、計量バルブにより、容量または時間に基づいて、燃焼室に測り入れられるのが好ましい。特に好ましいのは、駆動エネルギーが、計測されたガスの量によって、および/または選択的に可変な燃焼室の容量により、調整されることである。
【0007】
これに代えて、動作ピストンは、例えば、ばねからなる中間蓄積装置を用いて、電気的に駆動されてもよい。本発明の本質的な態様によれば、使用者には、自動システムの最適化目標で使用者が制御する鋲打機が提供される。鋲打機の使用者または操作者は、別々の打ち込み動作の要求に対し簡単な方法で対応できる。特に、設定により、釘突出がないか、あるいは所望の釘突出部を有するように調整され得る。
【0008】
鋲打機の好ましい実施態様では、前記操作装置には、少なくとも一つの操作要素を有し、その操作要素の作動または調整によって、自動出力調整モードにある作動ピストンの動作は、留め具を打ち込む際に、指定された距離によって留め具が基材から突き出るかまたは基材の中に沈むように、変更され得ることを特徴とする。自動出力調節は、基材の硬度が異なるときでも、確実に均等な釘突出部が形成されることを保証する。自動システムは、鋲打機の望ましくない過負荷を防止する。
【0009】
鋲打機の別の好ましい実施態様では、留め具が基材から突き出る距離が、自動出力調整モードで連続的に調節可能であることを特徴とする。操作装置は、所望の釘突出部が設定できることを目的とするスケールを備えてもよい。
【0010】
鋲打機の別の好ましい実施態様では、前記操作装置は、少なくとも一つの操作要素を有し、その作動または調整により、留め具を打ち込むときに作動ピストンに供給されるエネルギー、および/または作動ピストンのピストン前進行程が、手動出力調整モードで連続的に調整され得ることを特徴とする。ピストン前進行程は、例えば、留め具ガイドから出てブレーキおよび/または緩衝材に衝突するまでの間に、作動ピストンが進行した距離を意味するものと理解される。ピストン前進行程は、実質的に、留め具、特に釘、が基材にどれだけ深く打ち込まれるかを決定する。ピストン前進行程が短いと、作動ピストンは早く遅くなり、そして留め具すなわち釘は基材により深くは打ち込まれない。
【0011】
鋲打機の別の好ましい実施態様では、鋲打機は、手動または自動出力調整モードの出力情報を示す表示装置を備えることを特徴とする。表示装置を用いて、鋲打機の使用者または操作者は、例えば、工具が制御され、最適操作状態にあるかどうか、または特に鋲打機が現在自動出力調整モードにあるとき、鋲打機が過剰パワーまたは過小パワーに対して現在対応しているかどうか、を知らされる。
【0012】
上述した鋲打機を操作する方法では、前述の問題は、代替的にまたは追加的に、鋲打機が手動出力調整モードまたは自動出力調整モードに切り替えられることで、解決される。これにより、鋲打機の使用者または操作者が簡単に、様々なきわめて異なる打ち込みに対応することが可能となる。所望の打ち込み作業中の鋲打機の過負荷は、この仕組みにより自動的に防止される。
【0013】
この方法の好ましい実施態様では、自動出力調整モードの操作装置の操作または調整により、留め具を打ち込むとき、留め具が指定された距離で基材から突き出るかまたは基材の中に沈むように、作動ピストンの動きを変更することを特徴とする。留め具が基材から突き出る距離は、自動出力調整モードにおいて連続的に調節可能であるのが好ましい。
【0014】
この方法の他の好ましい実施態様では、留め具を打ち込むときに作動ピストンに供給されるピストン・エネルギー、および/または作動ピストンのピストン前進行程は、手動出力調整モードの操作装置の操作または調整によって、連続的に調整されることを特徴とする。ピストン前進行程は、例えば、留め具ガイドから出てブレーキおよび/または緩衝材に衝突するまでの間に、作動ピストンが進行した距離を意味するものと理解される。
【0015】
この方法の別の好ましい実施態様では、手動または自動出力調整モードで、出力情報が鋲打機に表示されることを特徴とする。これにより、工具の負荷があまりに大きいか、打ち込みエネルギーがあまりに小さいとき、使用者または操作者に警告を発することが可能になる。自動出力調整モードでは、自動システムの制御状態に関する情報が使用者または操作者に示される。
【0016】
この方法の別の好ましい実施態様では、操作装置の作動または調整、および/または前の打ち込み動作の評価、および/または工具パラメータ、および/または周囲環境パラメータに基づき、留め具を打ち込むための近似の目標エネルギーを決定することを特徴とする。目標エネルギーを算出するときには、前の打ち込み動作中、留め具および/または釘が、大きすぎるか小さすぎるエネルギー(過剰または過小エネルギー)によって、打ち込まれたかどうかが、考慮される。過剰エネルギーまたは過小エネルギーは、前端のピストン・リターン地点を、測定により、または緩衝装置に設けられた負荷センサによって、決定され得る。
【0017】
負荷履歴は、最高6つの打ち込み動作まで記憶されるのが好ましい。直近の打ち込み動作の負荷は、最も高い重みづけを持つ。より以前に生じた負荷は、目標エネルギーを決定する際のその負荷としての重みづけが、より低い。
【0018】
本発明の更なる利点、特徴および詳細は、以下の記載から明らかになる。記載された各種の実施態様は、図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】操作装置が備えられた、本発明の鋲打機の簡略化された断面図を示す。
【図2】図1の鋲打機の操作装置の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において、ハウジング2を有する本発明の鋲打機1は、長手方向の断面で大幅に簡略化されて描かれている。ハウジング2には、ハンドル4が備えられ、これにより留め具を打ち込むために鋲打機1を把持することができ、留め具は鋲打機1のノズル端部5から出て基材に打ち込まれ得る。
【0021】
基材に留め具を打ち込むために必要とするエネルギーは、例えば、鋲打機1の内部にあるガス・カートリッジ8に蓄えられている。ガス・カートリッジ8は、調節可能、または制御可能なスロットルバルブ10によって、燃焼室12に接続され得る。燃焼室12内で、ガス・カートリッジ8からのガスは、可燃混合気を形成するために、空気と混ぜ合わせられ、基材に留め具、例えば鋲または釘、を打ち込むために着火される。
【0022】
燃焼室12は、ハウジング2の内側でシリンダ14によって囲まれている。シリンダ14の後側で、燃焼室12は調節可能な燃焼室壁15によって閉め切られている。燃焼室壁15は、作動歯車機構17を用い電動モータ16により、二重矢印18により示されるように調整され得る。二重矢印18の方向に燃焼室壁15を調整することにより、簡単な方法で燃焼室の大きさを変化させ得る。
【0023】
燃焼室12の状態パラメータ、および/または調節可能な燃焼室壁15の位置は、センサ・デバイス20を用いて測定され得る。センサ・デバイス20は、センサ回線21によって電子制御部25と接続されている。電子制御部25は、制御回線26により電動モータ16に、制御関係にある状態で接続している。電子制御部25は、蓄電池28、例えばバッテリから電力を供給される。電子制御部25は、更なる制御回線29によりスロットルバルブ10に、制御関係にある状態で接続している。
【0024】
燃焼室12は、作動ピストン34のピストン底部32によって、調節可能な燃焼室壁15の反対側で閉め切られている。作動ピストン34は、ピストン底部32の反対側の端部で案内ブッシュ36内に案内されている。作動ピストン34は、緩衝材38を通って延びている。留め具を打ち込むときの作動ピストン34の動きは、緩衝材38によって遅くなる。緩衝材38は、さらにそれに付随するセンサ・デバイス40を有し、それはセンサ回線41によって、電子制御部25と接続されている。
【0025】
留め具の打ち込みは、トリガー42によって始動するが、トリガー42は、ハンドル4により、例えば人さし指で起動させられ得る。トリガー42に加えて、本発明の鋲打機1は、操作要素45を有する操作装置44を備える。操作装置44は、それに付随するセンサ・デバイス50を有する。センサ・デバイス50は、さらに案内ブッシュ36に付随する。操作装置44は、センサ・デバイス50に制御回線52によって、制御関係にある状態で接続している。
【0026】
トリガー42および操作装置44に加えて、本発明の鋲打機1は、鋲打機1の操作中に出力情報を示すための表示装置55を備える。表示装置55は、電子制御部25に接続しており、例えば、情報が英数字で示され得る表示器を備える。それに代わり、または追加的に、表示装置55はカラー表示器を備えてもよい。
【0027】
図2において、破断面59で示されるように、留め具は、留め具の頭部が固定される部材の中に完全に沈むように、基材に打ち込まれる。更に、破断面58には、頭部が依然として固定される部材から突き出ているような留め具が示されている。頭部が基材から突き出す距離は、突出ともスタンドオフ(stand-off)とも呼ばれている。
【0028】
この分野においては、異なる基材および異なる留め具は、異なる打ち込みエネルギーを必要とする。基材の強度がより大きいほど、必要な打ち込みエネルギーは更に増える。さらに、打ち込みの用途によっては、釘の突出またはスタンドオフについて様々な要求がある。鋼鉄製のレールをコンクリートに固定するときには、例えば、釘はレールに対して突き出る。他方、木材を固定するときには、釘の頭部が木材の中に沈むことが求められるかもしれない。
【0029】
操作装置44において、各種の設定選択肢は、破線の細長い囲み61〜65の形で図2に描かれている。細長い囲み61は、自動出力調整モードに対応する。細長い囲み64および65は、手動出力調整モードに対応する。細長い囲み62および63は、使用者が手動と自動の出力調整モードとの間で切り替えできることを示す。
【0030】
図2において、操作要素45は留め具が基材の中に沈むモードにある。破線の円68は、自動出力調整モードにあるときの操作要素の第2の位置を示す。操作要素45が第2の切替位置68に配置されるときには、58で描かれるように、留め具は沈まず、ある程度の突出を以て基材から突き出る。
【0031】
自動出力調整モードにおいて、操作要素45は、モード59(沈む)とモード58(突き出る)との間で連続的に調整され得る。連続可変的な調整の代わりに、操作装置44には、モード58および59の、2つの固定された設定が自動出力調整モードにあってよい。
【0032】
手動出力調整モード64、65では、マイナスおよびプラス符号は、鋲打機1の使用者または操作者がピストンのエネルギーおよびピストンの前進行程を、別々に、直接に、そして連続可変的に調整できることを示す。手動出力調整モードにおいて、破線の円71〜74は、別々の切替位置を示す。
【0033】
三角形75および76のそれぞれは、操作要素すなわち操作要素45は、切替位置71および72、または73および74の間で、それぞれ連続的に調節可能であることを示す。この配置において、切替位置71および73は、マイナスにより示されるように、比較的低い燃焼エネルギーまたは打ち込み力に対応し、そして切替位置72および74は、プラスにより示されるように、比較的大きな燃焼エネルギーまたは打ち込み力に対応する。
【0034】
鋲打機1の、特に自動出力調整モードでの動作中、必要とされる目標エネルギーの近似値の判定または算出は、操作装置44の設定と、前の打ち込み動作の評価、および追加の工具に関するパラメータ、および周囲環境に関するパラメータを基礎として、電子制御部25を用いて行われる。目標エネルギーを算出する際、前の打ち込み動作中、留め具が、大きすぎるか小さすぎるエネルギー(過剰エネルギーまたは過小エネルギー)によって打ち込まれたかどうか、が特に考慮される。
【0035】
過剰エネルギーまたは過小エネルギーは、前端でのピストン・リターン地点を計測するか、または緩衝材38に設けられたセンサ・デバイス40により決定され得る。最多で6回の打ち込み動作の負荷の履歴が、電子制御部25に記憶されるのが好ましい。緩衝材38への直近の負荷は、最も高い重みづけを持つ。より以前に生じた緩衝材38への負荷は、目標エネルギーを算出する際、より低い重みづけとなる。
【0036】
鋲打機の過剰エネルギーが動作中に指定された閾値より大きい場合、目標エネルギーは減少する。緩衝装置38において、過剰エネルギーの減少がない場合、目標エネルギーは量Δによって増やされる。緩衝装置38が所望の動作点において軽く接触するように、目標エネルギーが選択されるのが好ましい。
【0037】
作動ピストン34のピストン・エネルギーは、算出された目標エネルギーを基礎に調整される。ガス工具においては、必要とされる燃焼室の容量および必要とされる計量されたガス量が決定される。燃焼室の容量は、調節可能な燃焼室壁15により調整される。必要とされる計量されたガス量は、スロットルバルブ10により調整される。
【0038】
計量されたガス量は、周囲の条件、例えば室温および選択された燃焼室容積の周辺空気圧、そして更に、工具パラメータ、例えば工具温度、ガス・カートリッジ圧、ガス・カートリッジの型式およびガス・カートリッジ充填レベル、といった要素により決定される。計算されたガス量の噴射のために、電子制御部25は、通常は閉じているスロットルバルブ10を、所定の時間開く。その過程で、計算量のガスが、ガス・カートリッジ8から燃焼室12に流れる。
【0039】
図1に略図で描かれた表示装置55によって、鋲打機1の使用者または操作者は、動作中、鋲打機1が制御状態にあり、最適操作状態にあるかどうか、または鋲打機1が過剰出力または過小出力に対して現在再調整しているのかどうか、について知らされる。
【0040】
手動出力調整モードにおいては、使用者または操作者は、別々にピストン前進行程およびピストン・エネルギーを調整できる。表示装置55は、過剰エネルギーまたは過小エネルギーが生じたとき使用者に警告する。これらの警告状況は、比較的多数の打ち込み動作、ほぼ50〜100の打ち込み動作に亘り、電子制御部25において記憶される。例えば、30パーセント以上の過剰エネルギーの大きい工具負荷が生じた場合、電子制御部25は安全モードへ切り替わり、そうなると過剰エネルギーはほぼ25パーセントに減少する。
【0041】
使用者または操作者は、木材をコンクリートに固定するときに望まれるような、沈み込む留め具、例えば釘、を基材に打ち込む場合や、鋼鉄のレールをコンクリートに固定するときのように、留め具、例えば釘、を突出させる場合、の両方に、本発明の鋲打機を使用できる。いずれの場合においても、工具の負荷は自動的に減少させられ得る。
【0042】
さらにまた、鋲打機1は、基材の密度が一定限度内で異なる場合であっても、釘の突出部を確実に均等にすることができる。このために、鋲打機は、基材硬度の変化の範囲をカバーするある程度の過剰エネルギー状態で作動される。鋲打機は、その安定性および頑丈さに関して、このわずかな過剰エネルギーを考慮して設計される。正しくない設定が選択されても、本発明の鋲打機1が永久に損傷するということはない。
【0043】
自動出力調整モードは、類似した基材上への打ち込み動作が長時間行われるときに、特に利点がある。さらに、自動出力調整モードでは、ガス・カートリッジ8が非常に効率的に利用されることが保証される。従って、ガス・カートリッジ8一個当たり、より多数の打ち込み動作が可能である。
【0044】
自動エネルギー・システムが自動出力調整モードでうまくいかないとき、例えば、非常に変化のある基材の場合、自動出力調整モードにより、使用者が工具挙動を、工具エネルギーおよびピストン前進行程によって調整する選択肢を提供する。
【0045】
前述の開示は、単に本発明を例示するためにのみ記載されたものであって本発明を限定することを目的としていない。当業者にとっては、本発明の趣旨および内容を含む、開示された実施態様の変形が考えられ得るので、添付の請求の範囲およびその均等の範囲内にあるすべての物が本発明には含まれると、解されなければならない。
【符号の説明】
【0046】
1 鋲打機
2 ハウジング
4 ハンドル
8 ガス・カートリッジ
10 スロットルバルブ
12 燃焼室
14 シリンダ
15 燃焼室壁
16 電動モータ
17 作動歯車機構
20 センサ・デバイス
25 電子制御部
28 蓄電池
34 作動ピストン
38 緩衝材
42 トリガー
44 操作装置
45 操作要素
50 センサ・デバイス
55 表示装置
58 モード(突き出る)
59 モード(沈む)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
留め具を打ち込むために直進的に急速に移動できる作動ピストン(34)を有する、基材に留め具を打ち込むための鋲打機であって、
当該鋲打機(1)は、
手動と自動の出力調整モードを切り替えることができる操作装置(44)を有する、
ことを特徴とする鋲打機。
【請求項2】
前記操作装置(44)は、少なくとも1つの操作要素(45)を有し、当該操作要素(45)の作動または調整によって、前記自動出力調整モードにある前記作業ピストン(34)の動きは、前記留め具を打ち込む際に前記留め具が指定された距離で前記基材から突き出るかまたは前記基材の中に沈むようになるよう変更される、ことを特徴とする請求項1に記載の鋲打機。
【請求項3】
前記留め具が前記基材から突き出る距離は、前記自動出力調整モードで連続的に調節可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の鋲打機。
【請求項4】
前記操作装置(44)は、少なくとも1つの前記操作要素(45)を有し、その作動または調整によって、前記留め具を打ち込むときに前記作動ピストン(34)に供給されるエネルギー、および/または前記作動ピストン(34)のピストン前進行程は、前記手動出力調整モードで連続的に調整され得る、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の鋲打機。
【請求項5】
前記鋲打機(1)には、前記手動または前記自動出力調整モードの出力情報を示す表示装置(55)を備える、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の鋲打機。
【請求項6】
鋲打機(1)を操作装置を介して手動出力調整モードまたは自動出力調整モードに切り替えるステップ、
からなる鋲打機の操作方法。
【請求項7】
前記自動出力調整モードでは、作動ピストンの動きは、作動ピストン(34)によって打ち込まれる留め具が、指定の距離によって基材から突き出るかまたは基材の中に沈むように、変更できる、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記手動出力調整モードでは、前記作動ピストン(34)に供給されるピストン・エネルギーまたは前記作動ピストン(34)のピストン前進行程は、連続的に調節可能である、ことを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記手動または前記自動出力調整モードでは、出力情報が前記鋲打機(1)に表示される、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
操作装置(44)の作動または調整、または前の打ち込み動作の評価、または工具パラメータ、または周囲環境パラメータ、に基づき、前記留め具を打ち込むための近似の目標エネルギーを決定するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−125919(P2012−125919A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−272251(P2011−272251)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【出願人】(591010170)ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト (339)
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
【Fターム(参考)】