説明

鋳造ニッケル−鉄基合金部品及び鋳造ニッケル−鉄基合金部品を形成する方法

【課題】ガスタービンの高温ガス流路構成部品であるステーター部品において、耐酸化性、熱機械疲労耐性及び高温クリープ強さを確保する。
【解決手段】重量で、約12.0%〜約16.5%のCr、約1.0%〜約2.0%のAl、約2.0%〜約3.0%のTi、約2.0%〜約3.0%のW、約3.0〜約5.0%のMo、約0.1%以下のNb、約0.2%以下のMn、約0.1%以下のSi、約0.05%〜約0.10%のC、約0.003〜約0.010%のB、約35%〜約37%のFeを有し、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる鋳造ニッケル−鉄基合金部品。このニッケル−鉄基合金部品は約25ksi〜約30ksi、約1400°Fで約1000時間超のクリープ破断寿命を有する。この鋳造ニッケル−鉄基合金部品を形成する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合金、合金を含む物品、及び合金を形成する方法に関する。より具体的には、本発明は、ニッケル−鉄基合金、及びニッケル−鉄基合金を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジン内の作動温度は熱的にも化学的にも過酷である。鉄基、ニッケル基及びコバルト基超合金の開発並びに超合金を酸化、熱間腐食等から保護することができる環境保護コーティングの使用によって高温性能の著しい進歩が達成されているが、これらの材料の性能を改良するためにコーティング系の開発が続けられている。
【0003】
ガスタービンエンジンの圧縮機部分で、大気中の空気は大気圧の10〜25倍に圧縮され、その過程で800°〜1250°F(427℃〜677℃)まで断熱加熱される。この加熱圧縮空気は燃焼機に導かれ、そこで燃料と混合される。この燃料が点火され、その燃焼プロセスでガスは3000°F(1650℃)を超える非常に高い温度に加熱される。これらの高温のガスは、タービン(ここでは、回転タービンディスクに固定された翼形部がエネルギーを抽出して、エンジンファン及び圧縮機を駆動する)及び排気系(ここでは、これらのガスが航空機を推進するのに充分な推力を提供する)を通り抜ける。エンジンの作動を改良するために、燃焼温度が上昇して来ている。もちろん、燃焼温度が上昇すると、これら高温の燃焼ガスの流路を形成するための材料の熱的な劣化を防止するための措置を講じなければならない。
【0004】
高まった性能に対する要求は増大し続けている。この高まった性能に対する要求では、より新しいエンジン及び確立された設計の改変が必要とされる。具体的には、性能要求の内には、より高い推力及びより良好な燃料経済がある。エンジンの性能を改良するために、燃焼温度が非常に高い温度にまで上昇して来ている。この結果、より高い推力及び/又はより良好な燃料経済が必要となり得る。
【0005】
ステーター部品(ノズル及びシュラウド)はガスタービンの高温ガス流路構成部品である。ステーター部品は耐酸化性、熱機械疲労耐性及び高温クリープ強さを有することが望ましい。伝統的に、ステーター部品は、Ni基又はCo基鋳造超合金から作成されている。これらの超合金にはコストが非常に高くなり得るという欠点があり得る。
【0006】
異なる材料を使用しようとする公知の試みはうまくいっていない。例えば、最新のステンレス鋼(例えば、Oak Ridge National Laboratoryにより開発されたAlumina−Forming Austenitic(AFA)合金)はナノ析出物及び酸化物形成性元素を含有しており、傑出した耐熱性を示すことが立証されている。しかしながら、これら最新のステンレス鋼はノズルとして望ましくないほどに低いクリープ強さを有する。特に、これら最新のステンレス鋼のクリープ強さはガスタービンノズルに必要な設計要件のおよそ半分に達するに過ぎない。
【0007】
別の一群の低価格の代替え材料であるA286、INCOLOY(登録商標)901、INCOLOY(登録商標)903及びINCONEL(登録商標)706を含むニッケル−鉄基超合金は幾つかの欠点を有すると考えられている。「INCOLOY」及び「INCONEL」は、Inco Alloys International,Inc.,Huntington,West Virginiaにより製造される合金の連邦政府によって登録された商標である。例えば、INCOLOY(登録商標)901は、γ′相を欠き(結果としてクリープ強さが低くなる)、大量のη、σ及びラーベス相を含有し(結果として延性が低くなり、及び/又は長期の機械的性質が悪くなる)、そして広い凝固範囲を有しかつ鋳造性が悪いと考えられている。INCOLOY(登録商標)901の組成は周知であり、40.0〜45.0%のNi、0.35%以下のAl、2.35〜3.10%のTi、11.0〜14.0%のCr、5.0〜7.0%のMo、約1.0%以下のCo、1.0%以下のMn、0.03%以下のS、0.10%以下のC、0.60%以下のSi、0.03%以下のP、0.50%以下のCu、0.01〜0.02%のB、残部Feの組成を含む。INCONEL(登録商標)706の組成は周知であり、39.0〜44.0%のNi、14.5〜17.5%のCr、0.40%以下のAl、1.5〜2.0%のTi、2.5〜3.3%のNb+Ta、約1.0%以下のCo、0.35%以下のMn、0.015%以下のS、0.06%以下のC、0.35%以下のSi、0.020%以下のP、0.30%以下のCu、0.006%以下のB、残部Feの組成を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7730616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の欠点をもたない、ニッケル−鉄基合金部品及びニッケル−鉄基合金部品を形成する方法が当技術分野では望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の代表的な実施形態では、鋳造ニッケル−鉄基合金部品は、重量で、
約12.0%〜約16.5%のCr、
約1.0%〜約2.0%のAl、
約2.0%〜約3.0%のTi、
約2.0%〜約3.0%のW、
約3.0〜約5.0%のMo、
約0.1%以下のNb、
約0.2%以下のMn、
約0.1%以下のSi、
約0.05%〜約0.10%のC、
約0.003〜約0.010%のB、
約35%〜約37%のFeを有し、
残部は本質的にNi及び不可避不純物である。
【0011】
このニッケル−鉄基合金部品は、約25ksi〜約30ksi、約1400°Fで約1000時間超のクリープ破断寿命を有する。
【0012】
本開示の別の代表的な実施形態は、鋳造ニッケル−鉄基合金部品を形成する方法を含む。この方法は、重量で、
約12.0%〜約16.5%のCr、
約1.0%〜約2.0%のAl、
約2.0%〜約3.0%のTi、
約2.0%〜約3.0%のW、
約3.0〜約5.0%のMo、
約0.1%以下のNb、
約0.2%以下のMn、
約0.1%以下のSi、
約0.05%〜約0.10%のC、
約0.003〜約0.010%のB、
約35%〜約37%のFeを有し、
残部は本質的にNi及び不可避不純物である合金を鋳造することを含む。
【0013】
鋳造インゴットを約2000°F〜約2200°Fの温度で均質化して、均質化インゴットを形成する。この均質化インゴットを約1700°F〜約1850°Fの温度で加熱処理して、加熱処理インゴットを形成する。この加熱処理インゴットを次に約1200°F〜約1500°Fの第1の時効処理温度で時効処理した後、約1000°F〜約1200°Fの第2の時効処理温度で時効処理して、時効処理インゴットを形成する。この時効処理インゴットは約25ksi〜約30ksi、約1400°Fで約1000時間超のクリープ破断寿命を有する。
【0014】
本発明のその他の特徴及び利点は、本発明の原理を例として図解する添付の図面を参照した好ましい実施形態に関する以下のより詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本開示による合金の顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本開示による合金の顕微鏡写真である。
【図3】図3は、合金1〜6に対するクリープ破断時間データを示すグラフである。
【図4】図4は、合金1〜6に対する引張特性データを示すグラフである。
【図5】図5は、合金1〜6に対する低サイクル疲労(LCF)データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
複数の所定の性質を有する鋳造ニッケル−鉄基合金部品、及び複数の所定の性質を有するニッケル−鉄基合金部品を形成する方法が提供される。本開示の実施形態は、以前はエンジンタービンステーターのような高温ガス流路部品に適していないと考えられていた1種以上の低価格合金から形成されるニッケル−鉄基合金を含む。
【0017】
本開示の一実施形態は、本開示による鋳造及び加熱処理のために望ましいクリープ強さを有するタービンノズル又はシュラウドのような高温構成部品を含む。さらに、望ましい長期の機械的性質を有する本開示によるニッケル−鉄基合金部品は発電システムに使用するのに適している。
【0018】
以下、本発明の1以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、現実の実施に際してのあらゆる特徴について本明細書に記載しないこともある。実施化に向けての開発に際して、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合と同様に、実施毎に異なる開発者の特定の目標(システム及び業務に関連した制約に従うことなど)を達成すべく、実施に特有の多くの決定を行う必要があることは明らかであろう。さらに、かかる開発努力は複雑で時間を要することもあるが、本明細書の開示内容に接した当業者にとっては日常的な設計、組立及び製造にすぎないことも明らかである。本明細書中に開示する具体的な構造上及び機能上の詳細は限定的と解釈されるべきではなく、単に、当業者に本発明の様々な利用法を教示するための典型的な根拠としての特許請求の範囲の基礎と解釈されるべきである。記載される系及び方法におけるあらゆる修正又は変形、並びに本出願で例示される本発明の原理の当業者が通常想到し得るようなさらなる応用は本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0019】
本発明の様々な実施形態の構成要素について紹介する際、単数形で記載したものは、その構成要素が1以上存在することを意味する。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は内包的なものであり、記載した構成要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。
【0020】
発電システムは、限定されることはないが、ガスタービン、蒸気タービン、及びその他のタービンアセンブリを含む。幾つかの応用において、その中にターボ機械(例えば、タービン、圧縮機、及びポンプ)及びその他の機械装置を含む発電システムは、極端な環境及び激しい磨耗条件に曝露される構成部品を含み得る。例えば、ブレード、ケーシング、羽根車、シャフト、ノズル、などのようなある種の発電システム構成部品は、高熱及び高速回転環境で作動し得る。極端な環境作動条件の結果、亀裂、溝、空洞、又は隙間が構成部品の表面上に発生し得る。
【0021】
本開示の実施形態は次の広い範囲の組成、好ましい範囲の組成及び公称組成を有するニッケル−鉄基合金を含む。
【0022】
【表1】

【0023】
一実施形態では、ニッケル−鉄基合金は、約1400°F、約25ksi〜約30ksiの負荷において、約1000時間超、又は約1400時間超、又は約1800時間超のクリープ破断寿命を有する。一実施形態では、ニッケル−鉄基合金は48000時間以上の間酸化に対して耐性である。一実施形態では、1400°Fにおけるニッケル−鉄基合金の保持時間低サイクル疲労は、ガスタービンノズル鋳造用の、それぞれFSX414合金又はGTD−222合金のような典型的なコバルト基又はニッケル基合金と実質的に同じか又はそれを超える。例えば、ニッケル−鉄基合金の1400°F、5%全歪みにおける保持時間(2分)低サイクル疲労寿命は2000サイクル以上に達し得る。
【0024】
一実施形態では、本開示による構成部品は、限定されることはないが、インベストメント鋳造のような鋳造法を用いて形成することができる。インベストメント鋳造又はロストワックス鋳造は、複雑な形状を有する物品又は構成部品を、外形的特徴の精度を維持しながら製造することができる。一般に、インベストメント鋳造は、鋳造しようとする部分のワックス型を形成し、このワックス型の回りにシェルを建造し、ワックスを除いてシェルを残し、そのシェルに溶融金属を充填し、鋳造部品の回りのシェルを除去するという工程を含む。鋳造合金の1つの重要な特性は凝固範囲である。これは液相線と固相線との間の温度範囲であり、合金の鋳造(可能)性を評価するために使用されることが多い。凝固範囲が大きくなるほど、ひけ(収縮)が発生し易くなる。一実施形態では、本ニッケル−鉄基合金は凝固範囲が約110°F未満である。この凝固範囲は合金の良好な鋳造性を提供する。その他の工程及び加工処理プロセスも、鋳造インゴット又は構成部品を提供するために利用し得る。加えて、その後の機械加工又はその他の加工処理プロセスを利用して、そのインゴット又は構成部品をその最終形態にすることができる。
【0025】
インゴット又は構成部品が鋳造されたら、そのインゴット又は構成部品を加熱処理にかける。この加熱処理は、その合金がINCOLOY(登録商標)903及びINCONEL(登録商標)706のような公知のニッケル−鉄基合金より大きい強度及びクリープ破断耐性を有することを可能にする微細な析出物を提供する温度及び条件における均質化、加熱処理及び時効処理を含む。一実施形態では、均質化は、鋳造インゴットを、約2000°F〜約2200°F又は2050°F〜約2150°F又は約2100°Fの温度で均質化して、均質化インゴットを形成することを含み、この均質化インゴットでは析出物が溶体化され、本質的にMC析出物のみが残留する。加熱処理は、均質化インゴットを、約1700°F〜約1850°Fの温度で2時間又は1750°F〜約1800°Fで2時間又は約1775°Fで2時間加熱処理して、粒界に沿って微細な離散した炭化物及びη相ミクロ組織を形成することを含む(例えば、図1参照)。加熱処理の後、時効処理プロセスを実施する。1つの代表的な時効処理プロセスにおいては多工程の時効処理を利用する。例えば、加熱処理するインゴットを、約1200°F〜約1500°Fの第1の時効処理温度で8時間又は約1300°F〜約1400°Fで8時間又は約1350°Fで8時間、次いで約1000°F〜約1200°Fの第2の時効処理温度で8時間又は1050°F〜約1150°Fで8時間又は約1100°Fで8時間時効処理して、合金のマトリックス中に微細な析出物を有する時効処理インゴットを形成する(例えば、図2参照)。用途及び所望の機械的性質に応じて、第三の時効処理工程を適用してもよい。
【0026】
一実施形態では、構成部品は発電システムの構成部品である。例えば、構成部品は、限定されることはないが、ノズル、シュラウド、その他の適切な部分、又はそれらの組合せを始めとするタービンステーター部品であってもよい。
【実施例1】
【0027】
【表2】

【0028】
表2に示す合金1〜3は本開示に従う合金である。 比較の合金4はINCONEL(登録商標)706合金であり、比較の合金6はINCOLOY(登録商標)901合金である。表2に示す合金は全て、表示した組成に従ってインベストメント鋳造した合金である。さらに、表2中の合金は均質化、加熱処理及び二重の時効処理によって加熱処理した。
【0029】
図3は、合金1〜6のクリープ破断時間を示す。図4は、合金1〜6の%伸び、引張強さ及び0.2%降伏強さを含めた引張特性を示す。図5は、合金1〜6の1400°Fにおいて0.5%歪みで2minの保持のときの低サイクル疲労(LCF)値を示す。本開示に従う合金1〜3は1400°Fクリープにおいて合金6のINCOLOY(登録商標)901合金及び合金4のINCONEL(登録商標)706合金ベースラインに対して約5〜10倍の改良を示す。所与の条件(1400°F、0.5%全歪み、2分保持時間)でLCF能は2000サイクルに達した。これは、ニッケル基合金GTD−222と実質的に同じである。本開示に従う合金1〜3は優れた鋳造性、及び加熱処理可能性を示したが、これはミクロ組織及び機械的性質によって立証される。
【0030】
本発明を好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、その要素を様々に変化させることができ、均等物で置換することができることは当業者には明らかであろう。さらに、特定の状況又は材料に適応させるために、その本質的範囲から逸脱することなく、本発明の教示に多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するための最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は特許請求の範囲に属するあらゆる実施形態を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量で、
約12.0%〜約16.5%のCr、
約1.0%〜約2.0%のAl、
約2.0%〜約3.0%のTi、
約2.0%〜約3.0%のW、
約3.0〜約5.0%のMo、
約0.1%以下のNb、
約0.2%以下のMn、
約0.1%以下のSi、
約0.05%〜約0.10%のC、
約0.003〜約0.010%のB、
約35%〜約37%のFe
を含み、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる、鋳造ニッケル−鉄基合金部品であって、約25ksi〜約30ksi、約1400°Fにおいて約1000時間超のクリープ破断寿命を有する、前記部品。
【請求項2】
約12.0%〜約14%のCr、約1.35%〜約1.65%のAl、約2.25%〜約2.75%のTi、約2.0%〜約2.7%のW、約3.2〜約4.0%のMo、約0.1%以下のNb、約0.2%以下のMn、約0.1%以下のSi、約0.07%〜約0.09%のC、約0.005〜約0.008%のB、約35%〜約37%のFeを含み、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項3】
約12.5%のCr、約1.5%のAl、約2.5%のTi、約2.5%のW、約3.5%のMo、約0.1%以下のNb、約0.2%以下のMn、約0.1%以下のSi、約0.08%のC、約0.006%のB、約36%のFeを含み、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項4】
組成がCoを欠く、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項5】
ニッケル−鉄基合金部品が約25ksi〜約30ksi、約1400°Fにおいて約1400時間超のクリープ破断寿命を有する、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項6】
ニッケル−鉄基合金部品が約25ksi〜約30ksi、約1400°Fにおいて約1800時間超のクリープ破断寿命を有する、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項7】
ニッケル−鉄基合金部品が約48000時間を超えて酸化に対する耐性を有する、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項8】
ニッケル−鉄基合金部品がノズルである、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項9】
ニッケル−鉄基合金部品がシュラウドである、請求項1記載の鋳造ニッケル−鉄基合金部品。
【請求項10】
鋳造ニッケル−鉄基合金部品を形成するための方法であって、
重量で、
約12.0%〜約16.5%のCr、
約1.0%〜約2.0%のAl、
約2.0%〜約3.0%のTi、
約2.0%〜約3.0%のW、
約3.0〜約5.0%のMo、
約0.1%以下のNb、
約0.2%以下のMn、
約0.1%以下のSi、
約0.05%〜約0.10%のC、
約0.003〜約0.010%のB、
約35%〜約37%のFe
を含み、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる合金を鋳造して、鋳造インゴットを形成し、
この鋳造インゴットを約2000°F〜約2200°Fの温度で均質化して、均質化インゴットを形成し、
この均質化インゴットを約1700°F〜約1850°Fの温度で加熱処理して、加熱処理インゴットを形成し、
この加熱処理インゴットを約1200°F〜約1500°Fの第1の時効処理温度で、次いで約1000°F〜約1200°Fの第2の時効処理温度で時効処理して、時効処理インゴットを形成する
ことを含んでなり、前記時効処理インゴットが約25ksi〜約30ksi、約1400°Fにおいて約1000時間超のクリープ破断寿命を有する、前記方法。
【請求項11】
合金が約12.0%〜約14%のCr、約1.35%〜約1.65%のAl、約2.25%〜約2.75%のTi、約2.0%〜約2.7%のW、約3.2〜約4.0%のMo、約0.1%以下のNb、約0.2%以下のMn、約0.1%以下のSi、約0.07%〜約0.09%のC、約0.005〜約0.008%のB、約35%〜約37%のFeを含み、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
合金が約12.5%のCr、約1.5%のAl、約2.5%のTi、約2.5%のW、約3.5%のMo、約0.1%以下のNb、約0.2%以下のMn、約0.1%以下のSi、約0.08%のC、約0.006%のB、約36%のFeを含み、残部が本質的にNi及び不可避不純物からなる、請求項10記載の方法。
【請求項13】
合金がCoを欠く、請求項10記載の方法。
【請求項14】
均質化が、鋳造インゴットを約2050°F〜約2150°Fの温度に加熱することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項15】
加熱処理が、均質化インゴットを約1750°F〜約1800°Fの温度に加熱することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項16】
時効処理が、加熱処理インゴットを約1300°F〜約1400°Fの第1の温度で、かつ約1050°F〜約1150°Fの第2の温度で加熱することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項17】
時効処理インゴットが、約25ksi〜約30ksi、約1400°Fにおいて約1400時間超のクリープ破断寿命を有する、請求項10記載の方法。
【請求項18】
時効処理インゴットが約25ksi〜約30ksi、約1400°Fにおいて約1800時間超のクリープ破断寿命を有する、請求項10記載の方法。
【請求項19】
ニッケル−鉄基合金部品がノズルである、請求項10記載の方法。
【請求項20】
ニッケル−鉄基合金部品がシュラウドである、請求項10記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−108176(P2013−108176A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−251728(P2012−251728)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】