鋼管の継手構造
【課題】 施工現場における鋼管の接続作業を効率よく迅速に実施することができ、しかも継手構造の小型化を図ることもできる鋼管の継手構造を提供する。
【解決手段】 継手鋼管1,2は、予め鋼管の端部に固定されており、施工現場において円弧状継手3とボルト4を用いて接合される。円弧状継手3は、鋼管を円弧状に複数に分割した形態であり、継手鋼管1,2のそれぞれの外周面に、それらの周方向に沿って並ぶように複数備えられる。継手鋼管1,2の突合せ面には、互いにはまり合う突部1aと溝部2aとを含む第1いんろう部5が形成されている。継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の内周面には、互いにはまり合う凸部1b、2bと凹部3a,3bが形成されている。
【解決手段】 継手鋼管1,2は、予め鋼管の端部に固定されており、施工現場において円弧状継手3とボルト4を用いて接合される。円弧状継手3は、鋼管を円弧状に複数に分割した形態であり、継手鋼管1,2のそれぞれの外周面に、それらの周方向に沿って並ぶように複数備えられる。継手鋼管1,2の突合せ面には、互いにはまり合う突部1aと溝部2aとを含む第1いんろう部5が形成されている。継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の内周面には、互いにはまり合う凸部1b、2bと凹部3a,3bが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭などに使用する鋼管の継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼管杭などの鋼管は、施工現場において溶接して軸方向に接続することが多い。しかし、施工現場における鋼管の溶接は天候や溶接工の技術力の影響等を受けやすく、また溶接作業や溶接部分の検査に多くの手間や時間が掛かるという問題があった。そこで、最近では、予め、工場において鋼管の端部に継手構造部材を溶接等によって固定しておき、施工現場においては溶接作業を行わずに、機械式継手を用いて鋼管同士を接続する方法が実施されるようになっている。
【0003】
鋼管杭の機械式継手を用いる接続方法の一形態としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この接続方法は、図9に示されるように、予め、下杭側の鋼管11と上杭側の鋼管12の端部のそれぞれに継手構造部材13と14を取り付けておいて、それらの継手構造部材13,14の外側に、円弧状に分割された円弧状継手15をはめ込む。円弧状継手15と継手構造部材13,14は、それぞれの凹凸部が合致するようにはめ合わされ、そしてボルト16によって結合される。これにより、鋼管11,12が接続される。
【0004】
また、他の接続方法としては、図10に示されるように、鋼管21,22の端部のそれぞれに取り付けた継手構造部材23,24の内側に、円弧状継手25をはめ合わせてボルト26によって結合する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、他の接続方法としては、図11に示されるように、鋼管31,32の端部のそれぞれに取り付けた継手構造部材33,34の外側に、円弧状継手35をはめ合わせてボルト36によって結合する場合に、互いに合致する継手構造部材33,34と円弧状継手35の凹凸部の中心を同軸上に揃えて、鋼管31,32に圧縮力や引張力が加えられたときに、それらに作用する付加モーメントの影響を小さく抑える方法もある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−81304号公報
【特許文献2】特開2003−301457号公報
【特許文献3】特開2003−261938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような機械式継手を用いる接続方法は、施工現場での溶接による接続方法に比して、施工が容易となるものの、円弧状縦手の取り付けとボルト留めは人手によって行われるため、鋼管の径が大きくなるほど作業性の悪化を招いてしまう。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、施工現場における鋼管の接続作業を効率よく迅速に実施することができ、しかも継手構造の小型化を図ることもできる鋼管の継手構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の鋼管の継手構造は、接続対象の2つの鋼管の端部のそれぞれに取り付けられる2つの継手鋼管と、前記2つの継手鋼管の外周部のそれぞれに共通にはめ合わされる円弧状継手と、前記継手鋼管と前記円弧状継手とを固定するボルトと、を備える鋼管の継手構造において、前記2つの継手鋼管の突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第1いんろう部を形成し、前記2つの継手鋼管の外周面と前記円弧状継手の内周面に、互いに合致する凹凸部を形成することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の鋼管の継手構造は、請求項1に記載の発明において、前記2つの継手鋼管のそれぞれと前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の鋼管の継手構造は、請求項1に記載の発明において、前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手とを前記第2いんろう部によって固定し、前記2つの継手鋼管の他方と前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の鋼管の継手構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、前記2つの継手鋼管に作用する捻り力を伝達する形態であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の鋼管の継手構造は、請求項4に記載の発明において、前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、周方向に沿って点在する前記溝部と前記突部とを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の鋼管の継手構造は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明において、前記2つの継手鋼管の外周面のそれぞれに、互いに隣接する凸部を形成し、前記円弧状継手の内周面に、前記互いに隣接する凸部に対して共通にはまり合う凹部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の鋼管の継手構造によれば、2つの継手鋼管の突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含むいんろう部を形成するこにより、それらの継手鋼管の軸心を容易に合わせることができると共に、それらに作用する曲げ力に対する抵抗力を高めることができる。この結果、施工現場における鋼管の接合作業を効率よく迅速に実施することができ、しかも継手構造の小型化を図ることもできる。
また、2つの継手鋼管の一方と円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含むいんろう部を形成することにより、その一方の継手鋼管と円弧状継手とを固定するためのボルト等を不要として、継手構造のより一層の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための要部の断面図である。
1は、不図示の上杭側の鋼管の端部に溶接等によって固定される継手鋼管、2は、不図示の下杭側の鋼管の端部に溶接等によって固定される継手鋼管である。図1中の右側は、鋼管の中心が位置する内側であり、図1中の左側は鋼管の外側である。継手鋼管1,2は、予め鋼管の端部に固定されており、施工現場において円弧状継手3とボルト4を用いて接合される。円弧状継手3は、鋼管を円弧状に複数に分割した形態であり、継手鋼管1,2のそれぞれの外周面に、それらの周方向に沿って並ぶように複数備えられる。
【0017】
継手鋼管1,2における突合せ面には、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第1いんろう部5が形成されている。本例の場合、継手鋼管1側の突合せ面に周方向に沿って延在する突部1aが形成され、継手鋼管2側の突合せ面に、周方向に沿って延在する溝部2aが形成されている。また、継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の内周面には、互いに合致する凹凸部が形成されている。本例の場合は、継手鋼管1,2側に形成されて周方向に延在する凸部1b,2bと、円弧状継手3側に形成されて周方向に延在する凹部3a,3bとがはまり合う構成となっている。また本例においては、円弧状継手3を継手鋼管1,2の外側に突出させないように、継手鋼管1,2の端部が縮径されている。
【0018】
継手鋼管1,2には、ボルト4がねじ合うねじ孔1c、2cが形成され、また円弧状継手3には、ボルト4が通るボルト挿通孔3c,3dが形成されている。ボルト挿通孔3c,3dは、ボルト4とねじ合うねじ孔であってもよい。
【0019】
継手鋼管1,2の結合に際しては、施工現場において、それらの突合せ面の第1いんろう部5をはめ合わせてから、継手鋼管1,2の外周面に円弧状継手3の内周面をはめ合わせる。そして、ねじ孔1c、2cとボルト挿通孔3c,3dとを合わせて、ボルト4をねじ付ける。
【0020】
第1いんろう部5は、継手鋼管1,2の軸心を合わせやすくする機能と、それらを半固定する機能とを兼有する。
ここでまず「いんろう部」とは、図12のように、鋼管P1,P2を突き合わせたときに、それらの突合せ面における溝部P1a,P2aと凸部P1b,P2bとが互いにはまり合って、それら部分が径方向において重なる継手形態であり、鋼管P1,P2の間の曲げを抑制することができる。また、このような「いんろう部」は、鋼管P1,P2の間の曲げ力、せん断力、および圧縮力には抵抗するものの、引張力および捻り力に対しては抵抗しない。このような意味合いから、「いんろう部」による固定を「半固定」という。ただし、このような「いんろう部」は、鋼管P1,P2の間の引張力または圧縮力に伴って生じる曲げ力に対しては、抵抗することになる。
【0021】
また、このような「いんろう部」が曲げに対して抵抗する「半固定」の効果を確認するために、図14(a)のように、「いんろう部」が形成された鋼管P1,P2を円弧状継手JとボルトBを用いて接続した継手構造(いんろう部有)と、「いんろう部」が形成されていない鋼管P1,P2を円弧状継手JとボルトBを用いて接続した継手構造(いんろう部無)と、の耐力の程度を調べた。それらの継手構造に対して引張力を与えた場合、それらの部分には引張力によって発生する偏心曲げ力が作用する。そのときの耐力の測定結果は図13のようになった。図13において、横軸は継手部分全体の変形量であり、縦軸は図14(a),(b)の継手構造に作用させた引張荷重である。図14(a)の「いんろう部有」の場合は、図14(b)の「いんろう部無」の場合の1.5倍程度の耐力があった。また、「いんろう部」によって、鋼管P1,P2の端部が拡径する開きを抑えることもできる。鋼管P1,P2と円弧状継手Jの径方向の開きは、ボルトBと「いんろう部」によって抑制される。
【0022】
本例においては、このような「いんろう部」を第1いんろう部5として備えることにより、継手鋼管1,2の軸心が合わせやすくなる。さらに、本例においては、第1いんろう部5の部分を含めて、継手鋼管1,2のはめあい部分の角1d、2dを斜めに切り落とすことによって、継手鋼管1,2の軸心をより合わせやすくなっている。また、第1いんろう部5は、「いんろう部」としての半固定の機能により、継手鋼管1,2の接続強度を高める。
【0023】
(第2の実施形態)
図2および図3は、本発明の第2の実施形態を説明するための要部の断面図である。
継手鋼管2と円弧状継手3との軸線方向における突合せ面には、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部6が形成されている。本例の場合は、継手鋼管2側に周方向に沿って延在する溝部2eが形成され、円弧状継手3側に、周方向に沿って延在する突部3eが形成されている。
【0024】
継手鋼管1,2の結合に際しては、施工現場において、それらの突合せ面の第1いんろう部5を図3のようにはめ合わせてから、継手鋼管2と円弧状継手3の第2いんろう部6をはめ合わせるようにして、継手鋼管1,2の外周面に円弧状継手3の内周面をはめ合わせる。それから、図2のようにボルト4(図3には不図示)を継手鋼管1にねじ付ける。第2いんろう部6における溝部2eと突部3eとの間の隙間は、それらのはめ合いが可能であって、かつ「いんろう部」としての機能を損なわない範囲において、余裕をもって設定する。
【0025】
本例の場合、ボルト4は継手鋼管1に対してねじ付けるだけでよいため、ボルト4を継手鋼管1,2のそれぞれにねじ付ける場合に比して、使用するボルト4の数をほぼ半分に削減することができ、その分、継手鋼管1,2を作業効率よく結合することができる。さらに、継手鋼管2に対して円弧状継手3を周方向に位置調整することができるため、継手鋼管1,2をより効率よく結合することができる。
【0026】
(第3の実施形態)
継手鋼管1,2の間において捻り力を伝達させたい場合には、前述した第2の実施形態に対して、図4,図5,または図6のようなはめあい構造を組み合わせることができる。
図4の場合には、継手鋼管2側の凸部2bと円弧状継手3側の凹部3bが周方向に沿って離散的に点在するように形成され、また図5の場合は、それらの凸部2bと凹部3bが周方向に相対回転できない形状とされている。これらの場合には、凸部2bと凹部3bとがはまり合うことによって、継手鋼管1,2の間における捻り力が円弧状継手3を介して伝達されることになる。
【0027】
図6の場合には、第2いんろう部6を構成する継手鋼管2側の溝部2eと円弧状継手3側の突部3eが周方向に沿って離散的に点在するように形成されている。この場合には、それらの溝部2eと凸部3eとがはまり合うことによって、継手鋼管1,2の間における捻り力が円弧状継手3を介して伝達されることになる。
【0028】
(第4の実施形態)
前述した実施形態のそれぞれにおいて、継手鋼管1,2の間に引張力や圧縮力が作用したときには、力の伝達経路として、継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の内周面とのはめ合い部分を通る経路が形成される。つまり引張力や圧縮力は、継手鋼管1,2の一方から、円弧状継手3を通して継手鋼管1,2の他方に伝達されることになる。
【0029】
しかし、図7または図8のように構成することにより、圧縮力に関しては、円弧状継手3を通さずに、継手鋼管1,2の一方から他方に直接伝達させることもできる。図7の場合は、前述した第1の実施形態において、継手鋼管1,2の凸部1b、2bが互いに隣接されるように形成され、円弧状継手3の内周面に、それらの凸部1b、2bと共通にはまり合う凹部3fが形成されている。その凹部3fは、凸部1b、2bを1つの凸部として、それにはまり合うことになる。同様に、図8の場合は、前述した第2の実施形態において、継手鋼管1,2の凸部1b、2bが互いに隣接されるように形成され、円弧状継手3の内周面に、それらの凸部1b、2bと共通にはまり合う凹部3fが形成されている。
【0030】
このような図7および図8の構成においては、継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の外周面の凹凸が少なくなり、このことは、継手全体の小型化を図る上において有利となる。また、図8のように第2いんろう部6を備える構成は、円弧状継手3ひいては継手全体の小型化を図る上においてより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態における継手構造の要部の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における継手構造の要部の断面図である。
【図3】図2の継手構造の結合作業時における要部の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における継手構造の一例を説明するための半断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における継手構造の他の例を説明するための半断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における継手構造のさらに他の例を説明するための半断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態における継手構造の一例を説明するための要部の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態における継手構造の他の例を説明するための要部の断面図である。
【図9】従来の継手構造の一例を説明するための断面図である。
【図10】従来の継手構造の他の例を説明するための要部の断面図である。
【図11】従来の継手構造のさらに他の例を説明するための要部の断面図である。
【図12】本発明におけるいんろう部の説明図である。
【図13】いんろう部の有無に応じた耐久試験結果の説明図である。
【図14】(a),(b)は、図13の耐久試験に用いた継手構造の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 継手鋼管
1a 突部
1b 凸部
2 継手鋼管
2a 溝部
2b 凸部
2e 溝部
3 円弧状継手
3a,3b 凹部
3e 突部
4 ボルト
5 第1いんろう部
6 第2いんろう部
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭などに使用する鋼管の継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼管杭などの鋼管は、施工現場において溶接して軸方向に接続することが多い。しかし、施工現場における鋼管の溶接は天候や溶接工の技術力の影響等を受けやすく、また溶接作業や溶接部分の検査に多くの手間や時間が掛かるという問題があった。そこで、最近では、予め、工場において鋼管の端部に継手構造部材を溶接等によって固定しておき、施工現場においては溶接作業を行わずに、機械式継手を用いて鋼管同士を接続する方法が実施されるようになっている。
【0003】
鋼管杭の機械式継手を用いる接続方法の一形態としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この接続方法は、図9に示されるように、予め、下杭側の鋼管11と上杭側の鋼管12の端部のそれぞれに継手構造部材13と14を取り付けておいて、それらの継手構造部材13,14の外側に、円弧状に分割された円弧状継手15をはめ込む。円弧状継手15と継手構造部材13,14は、それぞれの凹凸部が合致するようにはめ合わされ、そしてボルト16によって結合される。これにより、鋼管11,12が接続される。
【0004】
また、他の接続方法としては、図10に示されるように、鋼管21,22の端部のそれぞれに取り付けた継手構造部材23,24の内側に、円弧状継手25をはめ合わせてボルト26によって結合する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、他の接続方法としては、図11に示されるように、鋼管31,32の端部のそれぞれに取り付けた継手構造部材33,34の外側に、円弧状継手35をはめ合わせてボルト36によって結合する場合に、互いに合致する継手構造部材33,34と円弧状継手35の凹凸部の中心を同軸上に揃えて、鋼管31,32に圧縮力や引張力が加えられたときに、それらに作用する付加モーメントの影響を小さく抑える方法もある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−81304号公報
【特許文献2】特開2003−301457号公報
【特許文献3】特開2003−261938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような機械式継手を用いる接続方法は、施工現場での溶接による接続方法に比して、施工が容易となるものの、円弧状縦手の取り付けとボルト留めは人手によって行われるため、鋼管の径が大きくなるほど作業性の悪化を招いてしまう。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、施工現場における鋼管の接続作業を効率よく迅速に実施することができ、しかも継手構造の小型化を図ることもできる鋼管の継手構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の鋼管の継手構造は、接続対象の2つの鋼管の端部のそれぞれに取り付けられる2つの継手鋼管と、前記2つの継手鋼管の外周部のそれぞれに共通にはめ合わされる円弧状継手と、前記継手鋼管と前記円弧状継手とを固定するボルトと、を備える鋼管の継手構造において、前記2つの継手鋼管の突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第1いんろう部を形成し、前記2つの継手鋼管の外周面と前記円弧状継手の内周面に、互いに合致する凹凸部を形成することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の鋼管の継手構造は、請求項1に記載の発明において、前記2つの継手鋼管のそれぞれと前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の鋼管の継手構造は、請求項1に記載の発明において、前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手とを前記第2いんろう部によって固定し、前記2つの継手鋼管の他方と前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の鋼管の継手構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、前記2つの継手鋼管に作用する捻り力を伝達する形態であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の鋼管の継手構造は、請求項4に記載の発明において、前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、周方向に沿って点在する前記溝部と前記突部とを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の鋼管の継手構造は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明において、前記2つの継手鋼管の外周面のそれぞれに、互いに隣接する凸部を形成し、前記円弧状継手の内周面に、前記互いに隣接する凸部に対して共通にはまり合う凹部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の鋼管の継手構造によれば、2つの継手鋼管の突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含むいんろう部を形成するこにより、それらの継手鋼管の軸心を容易に合わせることができると共に、それらに作用する曲げ力に対する抵抗力を高めることができる。この結果、施工現場における鋼管の接合作業を効率よく迅速に実施することができ、しかも継手構造の小型化を図ることもできる。
また、2つの継手鋼管の一方と円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含むいんろう部を形成することにより、その一方の継手鋼管と円弧状継手とを固定するためのボルト等を不要として、継手構造のより一層の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための要部の断面図である。
1は、不図示の上杭側の鋼管の端部に溶接等によって固定される継手鋼管、2は、不図示の下杭側の鋼管の端部に溶接等によって固定される継手鋼管である。図1中の右側は、鋼管の中心が位置する内側であり、図1中の左側は鋼管の外側である。継手鋼管1,2は、予め鋼管の端部に固定されており、施工現場において円弧状継手3とボルト4を用いて接合される。円弧状継手3は、鋼管を円弧状に複数に分割した形態であり、継手鋼管1,2のそれぞれの外周面に、それらの周方向に沿って並ぶように複数備えられる。
【0017】
継手鋼管1,2における突合せ面には、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第1いんろう部5が形成されている。本例の場合、継手鋼管1側の突合せ面に周方向に沿って延在する突部1aが形成され、継手鋼管2側の突合せ面に、周方向に沿って延在する溝部2aが形成されている。また、継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の内周面には、互いに合致する凹凸部が形成されている。本例の場合は、継手鋼管1,2側に形成されて周方向に延在する凸部1b,2bと、円弧状継手3側に形成されて周方向に延在する凹部3a,3bとがはまり合う構成となっている。また本例においては、円弧状継手3を継手鋼管1,2の外側に突出させないように、継手鋼管1,2の端部が縮径されている。
【0018】
継手鋼管1,2には、ボルト4がねじ合うねじ孔1c、2cが形成され、また円弧状継手3には、ボルト4が通るボルト挿通孔3c,3dが形成されている。ボルト挿通孔3c,3dは、ボルト4とねじ合うねじ孔であってもよい。
【0019】
継手鋼管1,2の結合に際しては、施工現場において、それらの突合せ面の第1いんろう部5をはめ合わせてから、継手鋼管1,2の外周面に円弧状継手3の内周面をはめ合わせる。そして、ねじ孔1c、2cとボルト挿通孔3c,3dとを合わせて、ボルト4をねじ付ける。
【0020】
第1いんろう部5は、継手鋼管1,2の軸心を合わせやすくする機能と、それらを半固定する機能とを兼有する。
ここでまず「いんろう部」とは、図12のように、鋼管P1,P2を突き合わせたときに、それらの突合せ面における溝部P1a,P2aと凸部P1b,P2bとが互いにはまり合って、それら部分が径方向において重なる継手形態であり、鋼管P1,P2の間の曲げを抑制することができる。また、このような「いんろう部」は、鋼管P1,P2の間の曲げ力、せん断力、および圧縮力には抵抗するものの、引張力および捻り力に対しては抵抗しない。このような意味合いから、「いんろう部」による固定を「半固定」という。ただし、このような「いんろう部」は、鋼管P1,P2の間の引張力または圧縮力に伴って生じる曲げ力に対しては、抵抗することになる。
【0021】
また、このような「いんろう部」が曲げに対して抵抗する「半固定」の効果を確認するために、図14(a)のように、「いんろう部」が形成された鋼管P1,P2を円弧状継手JとボルトBを用いて接続した継手構造(いんろう部有)と、「いんろう部」が形成されていない鋼管P1,P2を円弧状継手JとボルトBを用いて接続した継手構造(いんろう部無)と、の耐力の程度を調べた。それらの継手構造に対して引張力を与えた場合、それらの部分には引張力によって発生する偏心曲げ力が作用する。そのときの耐力の測定結果は図13のようになった。図13において、横軸は継手部分全体の変形量であり、縦軸は図14(a),(b)の継手構造に作用させた引張荷重である。図14(a)の「いんろう部有」の場合は、図14(b)の「いんろう部無」の場合の1.5倍程度の耐力があった。また、「いんろう部」によって、鋼管P1,P2の端部が拡径する開きを抑えることもできる。鋼管P1,P2と円弧状継手Jの径方向の開きは、ボルトBと「いんろう部」によって抑制される。
【0022】
本例においては、このような「いんろう部」を第1いんろう部5として備えることにより、継手鋼管1,2の軸心が合わせやすくなる。さらに、本例においては、第1いんろう部5の部分を含めて、継手鋼管1,2のはめあい部分の角1d、2dを斜めに切り落とすことによって、継手鋼管1,2の軸心をより合わせやすくなっている。また、第1いんろう部5は、「いんろう部」としての半固定の機能により、継手鋼管1,2の接続強度を高める。
【0023】
(第2の実施形態)
図2および図3は、本発明の第2の実施形態を説明するための要部の断面図である。
継手鋼管2と円弧状継手3との軸線方向における突合せ面には、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部6が形成されている。本例の場合は、継手鋼管2側に周方向に沿って延在する溝部2eが形成され、円弧状継手3側に、周方向に沿って延在する突部3eが形成されている。
【0024】
継手鋼管1,2の結合に際しては、施工現場において、それらの突合せ面の第1いんろう部5を図3のようにはめ合わせてから、継手鋼管2と円弧状継手3の第2いんろう部6をはめ合わせるようにして、継手鋼管1,2の外周面に円弧状継手3の内周面をはめ合わせる。それから、図2のようにボルト4(図3には不図示)を継手鋼管1にねじ付ける。第2いんろう部6における溝部2eと突部3eとの間の隙間は、それらのはめ合いが可能であって、かつ「いんろう部」としての機能を損なわない範囲において、余裕をもって設定する。
【0025】
本例の場合、ボルト4は継手鋼管1に対してねじ付けるだけでよいため、ボルト4を継手鋼管1,2のそれぞれにねじ付ける場合に比して、使用するボルト4の数をほぼ半分に削減することができ、その分、継手鋼管1,2を作業効率よく結合することができる。さらに、継手鋼管2に対して円弧状継手3を周方向に位置調整することができるため、継手鋼管1,2をより効率よく結合することができる。
【0026】
(第3の実施形態)
継手鋼管1,2の間において捻り力を伝達させたい場合には、前述した第2の実施形態に対して、図4,図5,または図6のようなはめあい構造を組み合わせることができる。
図4の場合には、継手鋼管2側の凸部2bと円弧状継手3側の凹部3bが周方向に沿って離散的に点在するように形成され、また図5の場合は、それらの凸部2bと凹部3bが周方向に相対回転できない形状とされている。これらの場合には、凸部2bと凹部3bとがはまり合うことによって、継手鋼管1,2の間における捻り力が円弧状継手3を介して伝達されることになる。
【0027】
図6の場合には、第2いんろう部6を構成する継手鋼管2側の溝部2eと円弧状継手3側の突部3eが周方向に沿って離散的に点在するように形成されている。この場合には、それらの溝部2eと凸部3eとがはまり合うことによって、継手鋼管1,2の間における捻り力が円弧状継手3を介して伝達されることになる。
【0028】
(第4の実施形態)
前述した実施形態のそれぞれにおいて、継手鋼管1,2の間に引張力や圧縮力が作用したときには、力の伝達経路として、継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の内周面とのはめ合い部分を通る経路が形成される。つまり引張力や圧縮力は、継手鋼管1,2の一方から、円弧状継手3を通して継手鋼管1,2の他方に伝達されることになる。
【0029】
しかし、図7または図8のように構成することにより、圧縮力に関しては、円弧状継手3を通さずに、継手鋼管1,2の一方から他方に直接伝達させることもできる。図7の場合は、前述した第1の実施形態において、継手鋼管1,2の凸部1b、2bが互いに隣接されるように形成され、円弧状継手3の内周面に、それらの凸部1b、2bと共通にはまり合う凹部3fが形成されている。その凹部3fは、凸部1b、2bを1つの凸部として、それにはまり合うことになる。同様に、図8の場合は、前述した第2の実施形態において、継手鋼管1,2の凸部1b、2bが互いに隣接されるように形成され、円弧状継手3の内周面に、それらの凸部1b、2bと共通にはまり合う凹部3fが形成されている。
【0030】
このような図7および図8の構成においては、継手鋼管1,2の外周面と円弧状継手3の外周面の凹凸が少なくなり、このことは、継手全体の小型化を図る上において有利となる。また、図8のように第2いんろう部6を備える構成は、円弧状継手3ひいては継手全体の小型化を図る上においてより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態における継手構造の要部の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における継手構造の要部の断面図である。
【図3】図2の継手構造の結合作業時における要部の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における継手構造の一例を説明するための半断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における継手構造の他の例を説明するための半断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における継手構造のさらに他の例を説明するための半断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態における継手構造の一例を説明するための要部の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態における継手構造の他の例を説明するための要部の断面図である。
【図9】従来の継手構造の一例を説明するための断面図である。
【図10】従来の継手構造の他の例を説明するための要部の断面図である。
【図11】従来の継手構造のさらに他の例を説明するための要部の断面図である。
【図12】本発明におけるいんろう部の説明図である。
【図13】いんろう部の有無に応じた耐久試験結果の説明図である。
【図14】(a),(b)は、図13の耐久試験に用いた継手構造の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 継手鋼管
1a 突部
1b 凸部
2 継手鋼管
2a 溝部
2b 凸部
2e 溝部
3 円弧状継手
3a,3b 凹部
3e 突部
4 ボルト
5 第1いんろう部
6 第2いんろう部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象の2つの鋼管の端部のそれぞれに取り付けられる2つの継手鋼管と、前記2つの継手鋼管の外周部のそれぞれに共通にはめ合わされる円弧状継手と、前記継手鋼管と前記円弧状継手とを固定するボルトと、を備える鋼管の継手構造において、
前記2つの継手鋼管の突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第1いんろう部を形成し、
前記2つの継手鋼管の外周面と前記円弧状継手の内周面に、互いに合致する凹凸部を形成する
ことを特徴とする鋼管の継手構造。
【請求項2】
前記2つの継手鋼管のそれぞれと前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定することを特徴とする請求項1に記載の鋼管の継手構造。
【請求項3】
前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、
前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手とを前記第2いんろう部によって固定し、
前記2つの継手鋼管の他方と前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定する
ことを特徴とする請求項1に記載の鋼管の継手構造。
【請求項4】
前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、
前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、前記2つの継手鋼管に作用する捻り力を伝達する形態である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の鋼管の継手構造。
【請求項5】
前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、周方向に沿って点在する前記溝部と前記突部とを含むことを特徴とする請求項4に記載の鋼管の継手構造。
【請求項6】
前記2つの継手鋼管の外周面のそれぞれに、互いに隣接する凸部を形成し、
前記円弧状継手の内周面に、前記互いに隣接する凸部に対して共通にはまり合う凹部を形成する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の鋼管の継手構造。
【請求項1】
接続対象の2つの鋼管の端部のそれぞれに取り付けられる2つの継手鋼管と、前記2つの継手鋼管の外周部のそれぞれに共通にはめ合わされる円弧状継手と、前記継手鋼管と前記円弧状継手とを固定するボルトと、を備える鋼管の継手構造において、
前記2つの継手鋼管の突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第1いんろう部を形成し、
前記2つの継手鋼管の外周面と前記円弧状継手の内周面に、互いに合致する凹凸部を形成する
ことを特徴とする鋼管の継手構造。
【請求項2】
前記2つの継手鋼管のそれぞれと前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定することを特徴とする請求項1に記載の鋼管の継手構造。
【請求項3】
前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、
前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手とを前記第2いんろう部によって固定し、
前記2つの継手鋼管の他方と前記円弧状継手とを前記ボルトによって固定する
ことを特徴とする請求項1に記載の鋼管の継手構造。
【請求項4】
前記2つの継手鋼管の一方と前記円弧状継手との軸線方向における突合せ面に、互いにはまり合う溝部と突部とを含む第2いんろう部を形成し、
前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、前記2つの継手鋼管に作用する捻り力を伝達する形態である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の鋼管の継手構造。
【請求項5】
前記第1いんろう部と前記第2いんろう部の少なくとも一方は、周方向に沿って点在する前記溝部と前記突部とを含むことを特徴とする請求項4に記載の鋼管の継手構造。
【請求項6】
前記2つの継手鋼管の外周面のそれぞれに、互いに隣接する凸部を形成し、
前記円弧状継手の内周面に、前記互いに隣接する凸部に対して共通にはまり合う凹部を形成する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の鋼管の継手構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−291543(P2006−291543A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112680(P2005−112680)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】
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