鋼管足場、この鋼管足場を用いた建築物の施工方法、鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓
【課題】空気動工具のエアーホースの引き回し作業が容易で、空気動工具を用いた施工性を向上させることができる鋼管足場、この鋼管足場を用いた建築物の施工方法、この鋼管足場を容易に構築することができる鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓を提供することを目的としている。
【解決手段】鋼管が上下に連結されて形成される複数の柱部を備え、上下方向に複数の作業エリアを有する施工現場に設けられる鋼管足場において、
少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられていことを特徴としている。
【解決手段】鋼管が上下に連結されて形成される複数の柱部を備え、上下方向に複数の作業エリアを有する施工現場に設けられる鋼管足場において、
少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられていことを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気動工具を用いた建築物の施工を容易にする鋼管足場、この鋼管足場を用いた建築物の施工方法、この鋼管足場を容易に構築することができる鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物を組立施工したり、壁面の塗装工事等を行う場合、一般に組立施工された施工現場である建物の骨組み周囲や建物の周囲に、まず、単管足場あるいは枠組足場の2種類の鋼管足場(たとえば、非特許文献1参照)のうちのいずれかを足場として組み立てて、高所でも安全に作業を行うようにされている。
【0003】
ところで、手持ちの動力工具としては、電動工具、空気動工具があるが、日立工機株式会社の空気動インパクトドライバWH10AC, 電動インパクトドライバWH6DC(バッテリ7.2V),電動インパクトドライバWH12DK(バッテリ12V),電動インパクトドライバWH10VA2(単相100V)のそれぞれのカタログ記載の製品仕様を比較してあらわした表1、および、空気動のこぎりとしての株式会社空研製エアーソーKS−35、電動のこぎりとしてのマキタ株式会社製小型レシプロソーJR1000FT(単相100V)、日立工機株式会社製セイバーソーCR13VC(単相100V)、日立工機株式会社製セイバーソーCR17Y(単相100V)、日立工機株式会社製セイバーソーCR18DV(バッテリ18V)のそれぞれのカタログ記載の製品仕様を比較してあらわした表2に示すように、空気動工具は、電動工具に比べ、軽量で短時間で効率よく作業を行えるという利点がある。
【0004】
【表1】
【0005】
【表2】
【0006】
しかしながら、空気動工具は、上記表1および表2に示すように、電動工具に比べて軽量あるいは小型で能力的に優れているという利点はあるものの、実際の作業現場ではあまり用いられていない。
その原因は、空気動工具を用いた場合、たとえば、以下のような不具合があるためだと考えられる。
【0007】
すなわち、図20に示すように、空気動工具100は、地上に設置したエアーコンプレッサ200からエアーホース300を鋼管足場400の作業を行おうとする作業エリアまで引かなければならないため、作業エリアが上方の階になるほど地上からエアーホース300を長く伸ばさなければならない。したがって、上方の階になるほど、エアーホースの引き回しに時間がかかるとともに労力も必要になる。
階の異なる複数の作業エリアで同時に空気動工具を使用する場合、作業エリア毎に地上からエアーホース300を引かなければならず、作業現場が煩雑になる。
【0008】
【非特許文献1】日本規格協会発行:日本工業規格 JIS A 8951鋼管足場 (平成7年7月1日改正)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて、空気動工具のエアーホースの引き回し作業が容易で、空気動工具を用いた施工性を向上させることができる鋼管足場、この鋼管足場を用いた建築物の施工方法、この鋼管足場を容易に構築することができる鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる鋼管足場は、鋼管が上下に連結されて形成される複数の柱部を備え、上下方向に複数の作業エリアを有する施工現場に設けられる鋼管足場において、少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられていることを特徴としている。
【0011】
本発明の鋼管足場において、エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されていることが好ましい。
また、エアー通気口は、少なくとも作業エリア毎に設けられていることが好ましく、また、柱部を構成する建枠や建地に設けるのではなく、脚柱ジョイント、単管ジョイント等の鋼管足場用ジョイントや、ジャッキ型ベース金具、固定型ベース金具等の鋼管足場用ベース金具等に設けることが好ましい。
【0012】
本発明にかかる建築物の施工方法は、上記本発明の鋼管足場を組み立てて、柱部のいずれかのエアー通気口に圧縮空気供給手段からのエアーホースを接続し、柱部内に圧縮空気を供給するとともに、作業エリア近傍のエアー通気口と空気動工具とを接続して空気動工具を用いて施工することを特徴としている。
本発明において、空気動工具としては、特に限定されないが、たとえば、インパクトレンチ、インパクトドライバ、ドリル、釘打機、のこぎり、ラチェットレンチ、サンダ、グラインダ、タガネ等の圧縮空気で作動するものや、エアガン、ブロア、集塵機等の圧縮空気そのものを利用するものが挙げられる。
【0013】
本発明にかかる鋼管足場用ジョイントは、両端部に鋼管嵌合部を有し、一方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合され、他方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する他の鋼管の管端に嵌合されて鋼管と鋼管とを連結する鋼管足場用ジョイントにおいて、両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を有し、両鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシール(密封装置)を備えていることを特徴としている。
【0014】
本発明の鋼管足場用ジョイントは、筒状中空部に連通し、両鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口を備えていることが好ましい。
【0015】
本発明にかかる鋼管足場用ベース金具は、敷板と、この敷板に立設された鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部とを有する鋼管足場用ベース金具において、前記鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の鋼管足場用ベース金具は、鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えていることが好ましい。
【0017】
本発明にかかる鋼管足場用栓は、鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部を有し、この鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の鋼管足場用栓は、鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えていることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓において、 エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されていることが好ましい。そして、このように、エアー通気口の少なくとも先端部を形成するソケットとしては、たとえば、日東工器株式会社製ハイカプラ(ハイカプラは商標)TW型のソケットSM型(雌ねじ取付用)、パージハイカプラPVR型のソケットSM型(雌ねじ取付用)等の市販のものを用いることができる。
【0020】
本発明において、鋼管嵌合部に用いられるシールの材質としては、特に限定されないが、たとえば、ゴム状弾性体、布入りゴム、合成樹脂,フェルト,皮革等の軟質材等が挙げられる。
シールの形状としては、鋼管内外を気密に隔絶できれば特に限定されない。
【0021】
本発明において鋼管とは、特に限定されないが、一般に亜鉛めっき鋼管、ステンレス鋼管が用いられる。また、鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具、鋼管足場用栓においては、特に限定されないが、過重が大きくかかる部分を、亜鉛めっき鋼材、ステンレス鋼材で形成しておくことが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる鋼管足場は、以上のように、少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられているので、柱部に設けられたいずれかのエアー通気口にエアーコンプレッサからのエアーホースを接続し、エアーコンプレッサから圧縮空気を送り込めば、柱部内は圧縮空気で充填されたようになる。そして、空気動工具を、いずれかのエアー通気口に接続するようにすれば、空気動工具を作業エリアで使用できるようになる。すなわち、空気動工具のエアーホースの引き回し作業が容易で、空気動工具を用いた施工性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明の鋼管足場は、エアー通気口を、エアー通気口の少なくとも先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている構成とすれば、エアーホースの着脱によって鋼管内とエアーホースとを連通状態やエアー通気口の気密状態を保つことが簡単に行え、作業性が向上する。
さらに、本発明の鋼管足場は、エアー通気口が、少なくとも作業エリア毎に設けられている構成とすれば、空気動工具へ接続されるエアーホースの長さを短くすることができ、エアーホースの引き回し作業がより容易になる。
【0024】
本発明にかかる建築物の施工方法は、施工現場に請求項1または請求項2に記載の鋼管足場を組み立て、柱部のいずれかのエアー通気口に圧縮空気供給手段からのエアーホースを接続し、柱部内に圧縮空気を供給するとともに、作業エリア近傍のエアー通気口と空気動工具とを接続して空気動工具を用いて施工するようにしたので、エアーホースの引き回し作業が容易になり、空気動工具を使用しての作業が容易になる。
【0025】
本発明にかかる鋼管足場用ジョイントは、両端部に鋼管嵌合部を有し、一方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合され、他方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する他の鋼管の管端に嵌合されて鋼管と鋼管とを連結する鋼管足場用ジョイントにおいて、
両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を有し、両鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えているので、鋼管足場の柱部を形成する鋼管と鋼管とをこのジョイントを介して連結するだけで、柱部の鋼管と鋼管とが連通するとともに外部と気密状態に連結することができる。したがって、本発明の鋼管足場を容易に構築することができる。
【0026】
本発明にかかる鋼管足場用ベース金具は、敷板と、この敷板に立設された鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部とを有する鋼管足場用ベース金具において、前記鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えているので、鋼管足場の柱部の最下端となる鋼管に鋼管嵌合部を嵌合させて鋼管を支持するだけで容易に柱部の下端を封止状態にすることができる。したがって、本発明の鋼管足場を容易に構築することができる。
【0027】
本発明にかかる鋼管足場用栓は、鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部を有し、この鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えているので、鋼管足場の柱部の最上端となる鋼管に鋼管嵌合部を嵌合させるだけで、柱部の上端を封止状態にすることができる。したがって、本発明の鋼管足場を容易に構築することができる。
【0028】
また、本発明の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓は、鋼管足場用ジョイントが、両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓が、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部をそれぞれ有しているとともに、筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口を備えている構成とすれば、従来の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓に替えて用いるだけで、容易に本発明の鋼管足場を得ることができる。すなわち、鋼管足場の他の部材は、従来のものだけでよいため、安価に本発明の鋼管足場を得ることができる。
【0029】
さらに、本発明の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓は、エアー通気口を、エアー通気口の少なくとも先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている構成とすれば、エアーホースの着脱によって鋼管内とエアーホースとの連通状態やエアー通気口の気密状態を保つことが簡単に行え、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図7は、本発明にかかる鋼管足場の第1の実施の形態をあらわしている。
【0031】
図1に示すように、この鋼管足場Aは、枠組足場であって、建枠1a、布枠(又は床付き布枠)1b、交差筋交い1e等のパーツを組み立てることによって、施工現場である建築物の壁面Wに沿うように設けられるとともに、労働安全衛生規則 第二編「安全基準」第十章「通路、足場等」の第二節「足場」に定められた条項、及び日本工業規格JIS A 8951「鋼管足場」は勿論、平成15年4月1日に厚生労働省によって制定された基発第401012号「手すり先行工法に関するガイドライン」を損なうことがないようになっている。
そして、各柱部10a,10bは、建枠1aを構成する鋼管製の脚柱11を上下方向に連結することによって形成されている。
【0032】
また、これらの柱部10a,10bのうち、図1に示すア〜ウ部分の柱部10aは、上下の脚柱11同士が、図2および図3に示す本発明の鋼管足場用ジョイントとしての脚柱ジョイント2aを介して連結され、ア〜ウ部分の柱部10aを構成する最下端の脚柱11が図2および図5に示す本発明の鋼管足場用ベース金具としてのジャッキ型ベース金具2bによって支持され、ア〜ウ部分の柱部10aの最上端を構成する脚柱11の上端に図2、図6および図7に示す本発明の鋼管足場用栓2cが装着されている。そして、ア〜ウの部分以外の柱部10bは、図示していないが、脚柱11が従来の脚柱ジョイントを用いて連結されるとともに、従来のジャッキ型ベース金具を用いて支持されている。
【0033】
上記脚柱ジョイント2aは、図3に示すように、フランジ部21と、フランジ部21の両側に設けられた鋼管嵌合部22とを備えて、一方の鋼管嵌合部22から他方の鋼管嵌合部22まで貫通する筒状中空部23が内部に設けられている。
【0034】
両鋼管嵌合部22は、図4に示すように、本体部22aと、シールとしてのOリング22bと、このOリング22bの係止部とを備えている。本体部22aは、その外径が、脚柱11を構成する鋼管の内径とほぼ同じか少し小径に形成されている。
上記係止部は、本体部22aの脚柱11への挿入側の端部に連接されていて、図4に示すように、係合凹部22dと、係止鍔部22eとを備えている。
【0035】
係合凹部22dは、その外径が鋼管嵌合部22の脚柱11への挿入側の端部に向かって徐々に縮径するテーパ面になっている。
係止鍔部22eは、係合凹部22dの脚柱11への挿入側の端部に連接されていて、その最大外径が本体部22aと略同じか少し小径になっている。
【0036】
Oリング22bは、断面円形のリング状をしていて、係合凹部22dに外嵌されており、その内径が常に係合凹部22dのテーパ状をした外周面に密着するとともに、その外径が係合凹部22dに外嵌状態のときに、脚柱11を構成する鋼管の内径公差の最大径と略同じか少し大径になるように形成されている。すなわち、Oリング22bは、図4(b)に示すように、内径公差範囲内の内径を持つ脚柱11であれば、確実に脚柱11内面および係合凹部22dの外周面との間で圧縮状態となる。
【0037】
フランジ部21は、2つのねじ孔21aが筒状中空部23に連通するように穿設されていて、一端にねじ筒部51が設けられ、他端にソケット52が設けられたエアー通気口となる管継手5が、ねじ筒部51をこのねじ孔21aに螺合させることによって一体化されている。
【0038】
ソケット52は、後述するエアーホースH1(H2,H3)の先端に設けられたプラグ(図示せず)が着脱自在で、プラグ装着状態で筒状中空部23と、エアーホースH1(H2,H3)とが連通し、プラグ非装着状態で管継手5を気密状態に閉じる弁体(図示せず)を内部に備えている。
【0039】
この脚柱ジョイント2aは、以上のようになっており、両端部の鋼管嵌合部22をそれぞれ脚柱11の端面がフランジ部21に当接するまで上下の脚柱11に嵌合することによって、脚柱11と脚柱11とを連結することができる。そして、この連結状態では、Oリング22bが脚柱11の内面と、係合凹部22dの外周面との間で圧縮されて連結部から圧縮空気が漏れ出ないようにできる。さらに、この鋼管足場Aの場合、脚柱11と脚柱11との連結部において、上下の脚柱11に設けられた交差筋交い1eの係止ピン11a間に抜け止め金具11bが懸け渡され、脚柱11の脚柱ジョイント2aからの抜けが防止されるようになっている。
【0040】
ジャッキ型ベース金具2bは、図5に示すように、敷板(台板)24と、ねじ筒25と、調節ナット26と、連結金具27とを備えている。
敷板24は、矩形の板材から形成されている。
【0041】
ねじ筒25は、鋼管嵌合部25fと、ねじ筒本体部25bと、管継手接続部25dとを備え、鋼管嵌合部25fから管継手接続部25dまで貫通し、鋼管嵌合部25fの嵌合方向先端側が開放状態となった有底筒状をした筒状中空部25aを内部に有している。なお、筒状中空部25aは、ねじ筒25の下端が敷板24に溶接等により固定されることによって気密状態に封止されている。
また、ねじ筒本体部25bは、その外周面にねじが切られていて、後述する調節ナット26が螺合している。
鋼管嵌合部25fは、上記脚柱ジョイント2aの鋼管嵌合部22と同様の形状をしている。
【0042】
管継手接続部25dは、2つのねじ孔25e(図では1つしかあらわれていない)が筒状中空部25aに連通するように穿設されている。そして、このねじ孔25eに脚柱ジョイント2aと同様にして管継手5のねじ筒部51を螺合させることによってエアー通気口となる管継手5が管継手接続部25dに固定されている。
【0043】
調節ナット26は、ナット本体26aとハンドル26bとを備えている。
ナット本体26aは、ねじ筒本体部25bに螺合されていて、ハンドル26bを持って回転させることによって、脚柱11の下端を受けながら上下して脚柱11のレベルを調整できるようになっている。
【0044】
連結金具27は、ハンドルクランプ部27aと、脚柱クランプ部27bとを備え、ハンドルクランプ部27aによってハンドル26bをクランプし、脚柱クランプ部27bによって脚柱11の下端部をクランプすることによって圧縮空気の圧力による脚柱11の抜けを防止するようになっている。
【0045】
鋼管足場用栓2cは、図6および図7に示すように、栓本体28と連結金具29とを備えている。栓本体28は、鋼管嵌合部28aと頭部28bとを有するとともに、鋼管嵌合部28aの嵌合方向先端側で開放状態になり、頭部28bまで達する有底筒状をした筒状中空部28cを備えている。
【0046】
鋼管嵌合部28aは、上記脚柱ジョイント2aの鋼管嵌合部22と同様の構造になっている。なお、図7にいs雌28gはシールとしてのOリングである。
【0047】
頭部28bは、その壁面に筒状中空部28cに連通するねじ孔28dが穿設され、このねじ孔28dに脚柱ジョイント2aと同様にしてねじ筒部51を螺合させることによってエアー通気口としての管継手5が固定されている。
また、頭部28bの筒状中空部28cから外れた位置に後述する係止ピン7の挿通孔28fが穿設されている。
【0048】
連結金具29は、脚柱11を両側から挟むように配置される2つのアーム部29dと、両アーム部29dを対面させた状態で連結する連結部29aとを備えている。
アーム部29dは、その開放端側に後述する係止ピン7の係止孔29eが穿設されている。
【0049】
連結部29aは、脚柱11の略半周を囲繞するような形状に形成され、その中央部に脚柱11に設けられた交差筋交い1eの係止ピン11aが挿通される係止孔29bが穿設されている。
【0050】
そして、この鋼管足場用栓2cは、アーム部29dを上側に向けた連結部29aに設けられた係止孔29bに係止ピン11aを挿通し、連結金具29を脚柱11に支持させるとともに、頭部28bの挿通孔28fがアーム部29dの係止孔29eに一致するように栓本体28の鋼管嵌合部28aを最上段の脚柱11に嵌合させる。そして、一方のアーム部29dの係止孔29eから栓本体28の挿通孔28fを通って他方のアーム部29dの係止孔29eに向かって係止ピン7の挿入係止部71を挿通することによって、脚柱11からの抜けが防止された状態で装着されるようになっている。
すなわち、係止ピン7は、挿入係止部71と、係止レバー72とを備えている。
【0051】
挿入係止部71は、係止孔29eおよび挿通孔28fの内径と略同じか少し小径の円柱状をしていて、係止孔29eおよび挿通孔28fより大径の係止頭部71aが設けられ、他端にスリット71bが設けられている。
スリット71bは、係止頭部71a側の壁面がテーパ面71cになっている。
【0052】
係止レバー72は、その厚みがスリット71bの幅より少し薄い板状をしていて、係止レバー72の長手方向に長い長孔72aが穿設されているとともに、長手方向の一端のコーナー部が、スリット71bのテーパ面71cに沿う角度に切り欠かれている。
また、係止レバー72は、スリット71b内に設けられた軸支ピン71dが長孔72a内に挿通されることによって、軸支ピン71dを中心に回動自在になっているとともに、長孔72aの長軸方向にスライド自在となっている。
【0053】
そして、係止ピン7は、テーパ面71cを上側に向けるとともに、係止レバー72の切欠部分をテーパ面71cに受けさせて、係止レバー72の長手軸と挿入係止部71の軸とを略一致させた状態にして係止レバー72側を先頭にして、係止頭部71aが一方のアーム部29dの外壁面に当たるまで一方のアーム部29dの係止孔29eから栓本体28の挿通孔28fを通って他方のアーム部29dの係止孔29eに向かって挿入係止部71を挿通する。つぎに、他方のアーム部29dの係止孔29eから外部に出た係止レバー72を、その切欠部分がテーパ面71cから外れる位置まで長孔72aの軸方向に引っ張って係止レバー72を軸支ピン71dを中心に回動させることによって挿入係止部71が抜け止めされるとともに、挿入係止部71によって栓2cの抜けを防止するようになっている。
【0054】
この鋼管足場Aは、図1に示すア〜ウ部分の柱部10aが、上下の脚柱11同士を、脚柱ジョイント2aを介して連結し、最下端の脚柱11をジャッキ型ベース金具2bによって支持するとともに、最上端の脚柱11の上端に鋼管足場用栓2cを装着するようにしたので、たとえば、図1に示すように、アおよびイの柱部10aのジャッキ型ベース金具2bの一方の管継手5のソケット52に本発明の圧縮空気供給手段としてのエアーコンプレッサACからのエアーホースH1の先端に設けられたプラグを嵌合させるとともに、イの柱部10aのジャッキ型ベース金具2bの他方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の一端に設けられたプラグを嵌合させ、ウの柱部10aのジャッキ型ベース金具2bの一方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の他端に設けられたプラグを嵌合させた状態で、エアーコンプレッサACから圧縮空気を供給すると、ア〜ウの柱部10aの内部に圧縮空気が充填される。
【0055】
そして、図1に示すように、ア〜ウ部分の柱部10aの作業エリア近傍にあるいずれかの管継手5と、空気分配器54とをエアーホースH3によって連結し、空気動工具55を空気分配器54に接続することによって、作業エリアでの作業を容易に行うことができる。
また、つぎの作業エリアに移る場合、管継手5と空気分配器54との連結を解除し、空気分配器54と空気動工具55とをつぎの作業エリアまで運び、その作業エリア近傍の管継手5と空気分配器54とを再びエアーホースH3によって連結すればよい。
【0056】
さらに、複数の作業エリアで同時に作業を行う場合もそれぞれの作業エリア近傍の管継手5に空気分配器54を介して各空気動工具55を接続すればよい。
なお、空気動工具55は、空気分配器54を介さずエアーホースH3を介して直接管継手5と接続するようにしても構わない。また、最上端の脚柱11の上端部側面あるいは栓2cの上端に手摺り柱の下端が嵌合する嵌合凹部あるいは嵌合筒部を設け、手摺り柱および手摺りを最上部に設ける構造としても構わない。
【0057】
図8および図9は、上記鋼管足場Aに用いられる脚柱ジョイントの他の例をあらわしている。
図8に示す脚柱ジョイント3aは、鋼管嵌合部30が、円筒状の嵌合部本体30aと、嵌合部本体30aの挿入側端部に固定された円錐台状をしたシール30bとを備えている以外は、上記脚柱ジョイント2aと同様になっている。
【0058】
図9に示す脚柱ジョイント3bは、鋼管嵌合部31が、円筒状の嵌合部本体31aと、嵌合部本体31aの挿入側端部に固定された略釣鐘状をしたシール31bとを備えている以外は、上記脚柱ジョイント2aと同様になっている。
【0059】
図10〜図15は、本発明にかかる鋼管足場の第2の実施の形態をあらわしている。
図10に示すように、この鋼管足場Bは、単管足場であって、各柱部4a,4bのうち、カ〜ク部分の柱部4aは、図11に示すように、上下方向の鋼管製の建地41同士を、本発明の鋼管足場用ジョイントとしての単管ジョイント6aを介して連結され、最下端の建地41が、図14および図15に示すように、本発明の鋼管足場用ベース金具としての固定型ベース金具6cによって支持され、最上端を構成する建地41の上端に本発明の鋼管足場用栓6bが装着されている。また、カ〜ク部分以外の柱部4bは、図示していないが、上下方向の鋼管製の建地41同士が、従来の単管ジョイントを用いて連結されるとともに、最下端の建地41が従来の固定型ベース金具を用いて支持されている。
【0060】
単管ジョイント6aは、図12に示すように、鋼管嵌合部61が、建地41に嵌合した状態で、建地41に設けられた係止ピン挿通孔42に一致する位置に係止ピン挿通孔62をそれぞれ備え、係止ピン挿通孔62の内面にOリング62aが嵌め込まれている以外は、上記脚柱ジョイント2aと同様の構造をしている。
なお、図12中、61aは本体部、61bはシールとしてのOリング、61dは係合凹部、61eは係止鍔部、63はフランジ部、64は筒状中空部、5は管継手である。
【0061】
そして、この単管ジョイント6aは、従来の鋼管足場に用いられる以下のような係止ピン7を介して建地41との連結状態が保持されるようになっている。すなわち、係止ピン7は、挿入係止部71と、係止レバー72とを備えている。
挿入係止部71は、係止ピン挿通孔42および係止ピン挿通孔62の内径と略同じか少し小径でOリング62aの内径と略同じか少し大径の円柱状をしていて、係止ピン挿通孔42より大径の係止頭部71aが設けられ、他端にスリット71bが設けられている。
【0062】
スリット71bは、係止頭部71a側の壁面がテーパ面71cになっている。
係止レバー72は、その厚みがスリット71bの幅より少し薄い板状をしていて、係止レバー72の長手方向に長い長孔72aが穿設されているとともに、長手方向の一端のコーナー部が、スリット71bのテーパ面71cに沿う角度に切り欠かれている。
【0063】
そして、係止レバー72は、スリット71b内に設けられた軸支ピン71dが長孔72a内に挿通されることによって、軸支ピン71dを中心に回動自在になっているとともに、長孔72aの長軸方向にスライド自在となっている。
【0064】
すなわち、この単管ジョイント6aは、以下のようにして建地41と建地41とを連結できるようになっている。
まず、フランジ部63が建地41の端面に当接するとともに、係止ピン挿通孔62が建地41の係止ピン挿通孔42と一致するように、連結する上下の建地41の端部に両鋼管嵌合部61を嵌合させる。
【0065】
つぎに、係止ピン7を、テーパ面71cを上側に向けるとともに、係止レバー72の切欠部分をテーパ面71cに受けさせて、係止レバー72の長手軸と挿入係止部71の軸とを略一致させた状態にして係止レバー72側を先頭にして、係止頭部71aが建地41の外壁面に当たるまで建地41の一方の係止ピン挿通孔42側から係止ピン挿通孔62、62を介して他方の係止ピン挿通孔42に向かって挿通したのち、他方の係止ピン挿通孔42から外部に出た係止レバー72を、その切欠部分がテーパ面71cから外れる位置まで長孔72aの軸方向に引っ張って係止レバー72を軸支ピン71dを中心に回動させて、係止ピン7に抜け方向(係止頭部71a方向)の力が加わっても、係止レバー72が建地41の外壁面に係止されるようにする。すなわち、係止ピン7によって単管ジョイント6aの建地41からの抜けが防止されるようになっている。
【0066】
そして、単管ジョイント6aによって連結された上下の建地41は、単管ジョイント6aの筒状中空部64を介して連通状態となるとともに、Oリング62aおよびOリング61bによって建地41の内部と外部とが気密状態に隔絶されるようになっている。
【0067】
鋼管足場用栓6bは、図11および図13に示すように、頭部65に鋼管足場用栓2cの頭部28bのような挿通孔28fが穿設されておらず、上記単管ジョイント6aと同様の鋼管嵌合部61を備えている以外は、鋼管足場用栓2cと同様になっている。なお、図13中、5は管継手である。
すなわち、この鋼管足場用栓6bは、最上端の建地41の上端面に頭部65が当たるとともに、建地41の係止ピン挿通孔42と、鋼管嵌合部61の係止ピン挿通孔62とが一致するように鋼管嵌合部61を建地41に嵌合させたのち、上記単管ジョイント6aと同様の係止ピン7を用いて建地41からの抜けが防止されるようになっている。
【0068】
固定型ベース金具6cは、図14および図15に示すように、ベース金具本体66と、エアー通気口兼用の係止ピン7aとを備えている。
ベース金具本体66は、矩形をした敷板66aと、この敷板66aに垂設された鋼管嵌合部61'とを備えている。
【0069】
鋼管嵌合部61'は、係止鍔部61eの上方に係止鍔部61eの外径と同じ円筒部61fを備えている以外は、単管ジョイント6aの鋼管嵌合部61と同様の構造になっている。
係止ピン7aは、ピン本体73と、分岐継手74と、2つの管継手5とを備えている。
【0070】
すなわち、ピン本体73は、筒状中空部73aを備え、その壁面の鋼管嵌合部61'の筒状中空部64を臨む位置に筒状中空部64に連通する連通孔73bが穿設され、筒状中空部73aの開口端側の周面にねじ73cが設けられているとともに、分岐継手74側の端部がねじ73cに向かって徐々に拡径している以外は、上記係止ピン7の挿入係止部71と同様の構造をしている。
分岐継手74は、互いに連通する3つのねじ孔74a〜74cを備え、1つのねじ孔74aにピン本体73のねじ73cが螺合され、他のねじ孔74b、74cに管継手5のねじ筒部51が螺合されている。
【0071】
この固定型ベース金具6cは、まず、最下端の建地41の下端面が敷板66aの上面に当たるとともに、建地41の係止ピン挿通孔42と、鋼管嵌合部61'の係止ピン挿通孔62とが一致するように鋼管嵌合部61'を建地41に嵌合させたのち、ピン本体73を、ピン本体73の拡径した部分が建地41の外壁面に当たるまで上記係止ピン7と同様にして建地41の一方の係止ピン挿通孔42側から係止ピン挿通孔62、62を介して他方の係止ピン挿通孔42に向かって挿通したのち、他方の係止ピン挿通孔42から外部に出た係止レバー72を、その切欠部分がテーパ面71cから外れる位置まで長孔72aの軸方向に引っ張って係止レバー72を回動させて、係止レバー72が建地41の外壁面に係止されるようにする。
【0072】
そして、この鋼管足場Bは、図10に示すカ〜ク部分の柱部4aが、上下の建地41同士を、単管ジョイント6aを介して連結し、最下端の建地41を固定型ベース金具6cによって支持するとともに、最上端の建地41の上端に鋼管足場用栓6bを装着するようにしたので、たとえば、図10に示すように、カおよびキの柱部4aの固定型ベース金具6cの一方の管継手5のソケット52にエアーコンプレッサACからのエアーホースH1の先端に設けられたプラグを嵌合させるとともに、キの柱部4aの固定型ベース金具6cの他方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の一端に設けられたプラグを嵌合させ、クの柱部4aの固定型ベース金具6cの一方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の他端に設けられたプラグを嵌合させた状態で、エアーコンプレッサACから圧縮空気を供給すると、カ〜クの柱部4aの内部に圧縮空気が充填される。
【0073】
そして、図10に示すように、カ〜ク部分の柱部4aの作業エリア近傍にあるいずれかの管継手5と、空気分配器54とをエアーホースH3によって連結し、空気動工具55を空気分配器54に接続することによって、作業エリアでの作業を容易に行うことができる。
また、つぎの作業エリアに移る場合、管継手5と空気分配器54との連結を解除し、空気分配器54と空気動工具55とをつぎの作業エリアまで運び、その作業エリア近傍の管継手5と空気分配器54とを再びエアーホースH3によって連結すればよい。
【0074】
さらに、複数の作業エリアで同時に作業を行う場合もそれぞれの作業エリア近傍の管継手5に空気分配器54を介して各空気動工具55を接続すればよい。
なお、空気動工具55は、空気分配器54を介さずエアーホースH3を介して直接管継手5と接続するようにしても構わない。
【0075】
図16〜図18は、本発明にかかる鋼管足場の第3の実施の形態をあらわしている。
図16〜図18に示すように、この鋼管足場Cは、複数の柱部のうち、一部の柱部8aが、以下に詳述する建地81,82および連結エアーホースH4、固定型ベース金具83および従来の単管ジョイント87で形成されている。
【0076】
すなわち、建地81は、柱部8aの最下端に配置されるようになっていて、上端側で気密隔壁81aによって内部が仕切られている。
そして、気密隔壁81aより少し下側に2つのエルボ型管継手装着ノズル81bが建地81の周方向に角度が90°ずれて接続されている。
【0077】
また、建地81の下端部には、2つの短管型管継手装着ノズル81cが建地81の周方向に角度が180°ずれて溶接によって接続されている。
エルボ型管継手装着ノズル81bおよび短管型管継手装着ノズル81cには、それぞれその先端に上記と同様の管継手5が接続されている。
【0078】
一方、建地82は、上端部および下端部でそれぞれ気密隔壁82aによって内部が仕切られていて、下側の気密隔壁82aより少し上側および上側の気密隔壁82aより少し下側にそれぞれ2つのエルボ型管継手装着ノズル82bが建地82の周方向に角度が90°ずれて溶接によって接続されている。
また、これらのエルボ型管継手装着ノズル82bにもそれぞれその先端に上記と同様の管継手5が接続されている。
【0079】
本発明の鋼管足場用ベース金具としての固定型ベース金具83は、図18に示すように、鋼管嵌合部84と敷板85とを備え、鋼管嵌合部84に設けられた筒状中空部84gは、固定型ベース金具83の軽量化を図るための「肉盗み」用として設けられ、圧縮空気の通路とはなっていないとともに、鋼管嵌合部84に設けられた係止ピン挿通孔84aの内面にOリングが設けられていない以外は、上記ベース金具本体66と同様の構造を備えている。なお、図18中、84bは本体部、84cはシールとしてのOリング、84dは係合凹部、84eは係止鍔部、84fは円筒部である。
連結エアーホースH4は、その両端に管継手5のソケット52に嵌合するプラグPを備えている。
【0080】
そして、柱部8aは、建地81(82)と建地82とを従来の単管ジョイント87を用いて上下方向に連結するとともに、最下端の建地81に固定型ベース金具83の鋼管嵌合部84を嵌合させることによって形成される。また、建地81は、鋼管嵌合部84のOリング84cと、気密隔壁81aによって内部が気密状態に保持され、建地82は、上下の気密隔壁82aによって気密隔壁82a間が気密状態に保持されているので、下側の建地81(82)の管継手5と上側の建地82の管継手5とをエアーホースH4を介して連結することによって、建地81(82)と、建地82とが連通状態になるとともに、気密状態が保たれるようになっている。
なお、図示していないが、建地81の短管型管継手装着ノズル81cに接続された管継手5にエアーコンプレッサACからのエアーホースのプラグPを接続するようにすれば、柱部8a内に圧縮空気を充填できる。
【0081】
図19は、本発明にかかる鋼管足場の第4の実施の形態をあらわしている。
図19に示すように、この鋼管足場Dは、建枠9を構成する鋼管で形成された両側の脚柱91(図では片側しかあらわれていない)が、両脚柱91を連結する横架材92と、補剛材93とを介して連通状態になっていて、上下の建枠9の両側の上下の脚柱91が、図12に示す上記単管ジョイント6aと同形状の鋼管足場用ジョイントとしての脚柱ジョイント94および係止ピン7で連結され、最上端の脚柱91の上端に図13に示す鋼管足場用栓6bと同様の鋼管足場用栓95が装着されている。また、最下端の脚柱91は、その下端が鋼管足場用ベース金具としてのジャッキ型ベース金具96で受けられている。
すなわち、ジャッキ型ベース金具96は、鋼管嵌合部97が、図18に示す固定型ベース金具の鋼管嵌合部84と同じ形状になっているとともに、管継手5が装着されておらず、鋼管嵌合部97がベース板98に中実のネジ棒99を介して固定されている以外は、ジャッキ型ベース金具2bと同様になっている。
【0082】
この鋼管足場Dによれば、両側の脚柱91が、横架材92と、補剛材93とを介して連通状態になっているので、上下の建枠9で形成される一方の柱部9aのいずれかの管継手5にエアーコンプレッサからのエアーホース(図示せず)を接続すれば、圧縮空気が矢印で示すように、横架材92および補剛材93を介して他方の柱部(図示せず)に供給できる。
【0083】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の鋼管足場では、ア〜ウ、あるいはカ〜クの柱部のみに圧縮空気を供給するようにしていたが、すべての柱部に圧縮空気を供給する構造としても構わない。また、手摺り柱を脚柱ジョイントや単管ジョイントを介して脚柱あるいは建地と連結し、手摺り柱にも圧縮空気を供給するようにしても構わない。
【0084】
また、上記の実施の形態では、ソケットがプラグ装着状態で開放され、プラグ非装着状態にすると閉じる弁体を備えているが、プラグの装着・非装着に関係なく手動で操作できる弁体を設けるようにしても構わないし、エアー通気口の先端に着脱自在で、エアー通気口を気密に閉じることができるキャップを設け、エアーホース装着時にこのキャップを外すような構造としても構わない。
さらに、上記の実施の形態では、エアーホース側にプラグ、柱部側にソケットが設けられていたが、逆でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明にかかる鋼管足場の第1の実施の形態をあらわし、同図(a)は鋼管足場の正面図、同図(b)は同図(a)のX−X線断面図である。
【図2】図1の鋼管足場の柱部の一部切欠断面図である。
【図3】図1の鋼管足場に用いた本発明の鋼管足場用ジョイントである脚柱ジョイントの連結状態の断面図である。
【図4】図2の脚柱への鋼管嵌合部の嵌合方法を説明する断面図であって、同図(a)は嵌合前、同図(b)は嵌合後の状態をあらわしている。
【図5】図1の鋼管足場に用いた本発明の鋼管足場用ベース金具であるジャッキ型ベース金具の脚柱支持状態の断面図である。
【図6】図1の鋼管足場に用いた本発明の鋼管足場用栓の装着部の正面図である。
【図7】図6のV―V線断面図である。
【図8】図1の鋼管足場に用いる脚柱ジョイントの他例の連結状態の断面図である。
【図9】図1の鋼管足場に用いる脚柱ジョイントの他例の連結状態の断面図である。
【図10】本発明にかかる鋼管足場の第2の実施の形態をあらわし、同図(a)は鋼管足場の正面図、同図(b)は同図(a)のY−Y線断面図である。
【図11】図10の鋼管足場の柱部の一部切欠断面図である。
【図12】図11の柱部の単管ジョイントによる連結部の拡大断面図である。
【図13】図11の柱部の鋼管足場用栓の装着部の拡大断面図である。
【図14】図11の柱部の固定型ベース金具による支持部の断面図である。
【図15】図14のS−S線断面図である。
【図16】本発明にかかる鋼管足場の第3の実施の形態をあらわし、その柱部の要部断面図である。
【図17】図16の柱部の建地と建地の連結部の拡大断面図である。
【図18】図16の柱部の固定型ベース金具による支持部の拡大断面図である。
【図19】本発明にかかる鋼管足場の第4の実施の形態をあらわし、その柱部の要部断面図である。
【図20】従来の鋼管足場の1例をあらわし、同図(a)は鋼管足場の正面図、同図(b)は同図(a)のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
【0086】
A,B,C,D 鋼管足場
H1,H2,H3,H4 エアーホース
P プラグ
AC エアーコンプレッサ(圧縮空気供給手段)
2a,3a,3b,94 脚柱ジョイント(鋼管足場用ジョイント)
2b,96 ジャッキ型ベース金具(鋼管足場用ベース金具)
2c,6b,95 鋼管足場用栓
4a,4b,9a,10a,10b 柱部
5 管継手(エアー通気口)
6a,87 単管ジョイント
7a 係止ピン(エアー通気口)
11 脚柱(鋼管)
22,30,31,61,61',84 鋼管嵌合部
22b,61b,62a,84c Oリング(シール)
23,25a,28c,64,73a 筒状中空部
30b,31b シール
41,81,82 建地(鋼管)
52 ソケット
55 空気動工具
83 固定型ベース金具(鋼管足場用ベース金具)
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気動工具を用いた建築物の施工を容易にする鋼管足場、この鋼管足場を用いた建築物の施工方法、この鋼管足場を容易に構築することができる鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物を組立施工したり、壁面の塗装工事等を行う場合、一般に組立施工された施工現場である建物の骨組み周囲や建物の周囲に、まず、単管足場あるいは枠組足場の2種類の鋼管足場(たとえば、非特許文献1参照)のうちのいずれかを足場として組み立てて、高所でも安全に作業を行うようにされている。
【0003】
ところで、手持ちの動力工具としては、電動工具、空気動工具があるが、日立工機株式会社の空気動インパクトドライバWH10AC, 電動インパクトドライバWH6DC(バッテリ7.2V),電動インパクトドライバWH12DK(バッテリ12V),電動インパクトドライバWH10VA2(単相100V)のそれぞれのカタログ記載の製品仕様を比較してあらわした表1、および、空気動のこぎりとしての株式会社空研製エアーソーKS−35、電動のこぎりとしてのマキタ株式会社製小型レシプロソーJR1000FT(単相100V)、日立工機株式会社製セイバーソーCR13VC(単相100V)、日立工機株式会社製セイバーソーCR17Y(単相100V)、日立工機株式会社製セイバーソーCR18DV(バッテリ18V)のそれぞれのカタログ記載の製品仕様を比較してあらわした表2に示すように、空気動工具は、電動工具に比べ、軽量で短時間で効率よく作業を行えるという利点がある。
【0004】
【表1】
【0005】
【表2】
【0006】
しかしながら、空気動工具は、上記表1および表2に示すように、電動工具に比べて軽量あるいは小型で能力的に優れているという利点はあるものの、実際の作業現場ではあまり用いられていない。
その原因は、空気動工具を用いた場合、たとえば、以下のような不具合があるためだと考えられる。
【0007】
すなわち、図20に示すように、空気動工具100は、地上に設置したエアーコンプレッサ200からエアーホース300を鋼管足場400の作業を行おうとする作業エリアまで引かなければならないため、作業エリアが上方の階になるほど地上からエアーホース300を長く伸ばさなければならない。したがって、上方の階になるほど、エアーホースの引き回しに時間がかかるとともに労力も必要になる。
階の異なる複数の作業エリアで同時に空気動工具を使用する場合、作業エリア毎に地上からエアーホース300を引かなければならず、作業現場が煩雑になる。
【0008】
【非特許文献1】日本規格協会発行:日本工業規格 JIS A 8951鋼管足場 (平成7年7月1日改正)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて、空気動工具のエアーホースの引き回し作業が容易で、空気動工具を用いた施工性を向上させることができる鋼管足場、この鋼管足場を用いた建築物の施工方法、この鋼管足場を容易に構築することができる鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる鋼管足場は、鋼管が上下に連結されて形成される複数の柱部を備え、上下方向に複数の作業エリアを有する施工現場に設けられる鋼管足場において、少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられていることを特徴としている。
【0011】
本発明の鋼管足場において、エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されていることが好ましい。
また、エアー通気口は、少なくとも作業エリア毎に設けられていることが好ましく、また、柱部を構成する建枠や建地に設けるのではなく、脚柱ジョイント、単管ジョイント等の鋼管足場用ジョイントや、ジャッキ型ベース金具、固定型ベース金具等の鋼管足場用ベース金具等に設けることが好ましい。
【0012】
本発明にかかる建築物の施工方法は、上記本発明の鋼管足場を組み立てて、柱部のいずれかのエアー通気口に圧縮空気供給手段からのエアーホースを接続し、柱部内に圧縮空気を供給するとともに、作業エリア近傍のエアー通気口と空気動工具とを接続して空気動工具を用いて施工することを特徴としている。
本発明において、空気動工具としては、特に限定されないが、たとえば、インパクトレンチ、インパクトドライバ、ドリル、釘打機、のこぎり、ラチェットレンチ、サンダ、グラインダ、タガネ等の圧縮空気で作動するものや、エアガン、ブロア、集塵機等の圧縮空気そのものを利用するものが挙げられる。
【0013】
本発明にかかる鋼管足場用ジョイントは、両端部に鋼管嵌合部を有し、一方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合され、他方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する他の鋼管の管端に嵌合されて鋼管と鋼管とを連結する鋼管足場用ジョイントにおいて、両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を有し、両鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシール(密封装置)を備えていることを特徴としている。
【0014】
本発明の鋼管足場用ジョイントは、筒状中空部に連通し、両鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口を備えていることが好ましい。
【0015】
本発明にかかる鋼管足場用ベース金具は、敷板と、この敷板に立設された鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部とを有する鋼管足場用ベース金具において、前記鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の鋼管足場用ベース金具は、鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えていることが好ましい。
【0017】
本発明にかかる鋼管足場用栓は、鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部を有し、この鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の鋼管足場用栓は、鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えていることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓において、 エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されていることが好ましい。そして、このように、エアー通気口の少なくとも先端部を形成するソケットとしては、たとえば、日東工器株式会社製ハイカプラ(ハイカプラは商標)TW型のソケットSM型(雌ねじ取付用)、パージハイカプラPVR型のソケットSM型(雌ねじ取付用)等の市販のものを用いることができる。
【0020】
本発明において、鋼管嵌合部に用いられるシールの材質としては、特に限定されないが、たとえば、ゴム状弾性体、布入りゴム、合成樹脂,フェルト,皮革等の軟質材等が挙げられる。
シールの形状としては、鋼管内外を気密に隔絶できれば特に限定されない。
【0021】
本発明において鋼管とは、特に限定されないが、一般に亜鉛めっき鋼管、ステンレス鋼管が用いられる。また、鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具、鋼管足場用栓においては、特に限定されないが、過重が大きくかかる部分を、亜鉛めっき鋼材、ステンレス鋼材で形成しておくことが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる鋼管足場は、以上のように、少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられているので、柱部に設けられたいずれかのエアー通気口にエアーコンプレッサからのエアーホースを接続し、エアーコンプレッサから圧縮空気を送り込めば、柱部内は圧縮空気で充填されたようになる。そして、空気動工具を、いずれかのエアー通気口に接続するようにすれば、空気動工具を作業エリアで使用できるようになる。すなわち、空気動工具のエアーホースの引き回し作業が容易で、空気動工具を用いた施工性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明の鋼管足場は、エアー通気口を、エアー通気口の少なくとも先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている構成とすれば、エアーホースの着脱によって鋼管内とエアーホースとを連通状態やエアー通気口の気密状態を保つことが簡単に行え、作業性が向上する。
さらに、本発明の鋼管足場は、エアー通気口が、少なくとも作業エリア毎に設けられている構成とすれば、空気動工具へ接続されるエアーホースの長さを短くすることができ、エアーホースの引き回し作業がより容易になる。
【0024】
本発明にかかる建築物の施工方法は、施工現場に請求項1または請求項2に記載の鋼管足場を組み立て、柱部のいずれかのエアー通気口に圧縮空気供給手段からのエアーホースを接続し、柱部内に圧縮空気を供給するとともに、作業エリア近傍のエアー通気口と空気動工具とを接続して空気動工具を用いて施工するようにしたので、エアーホースの引き回し作業が容易になり、空気動工具を使用しての作業が容易になる。
【0025】
本発明にかかる鋼管足場用ジョイントは、両端部に鋼管嵌合部を有し、一方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合され、他方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する他の鋼管の管端に嵌合されて鋼管と鋼管とを連結する鋼管足場用ジョイントにおいて、
両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を有し、両鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えているので、鋼管足場の柱部を形成する鋼管と鋼管とをこのジョイントを介して連結するだけで、柱部の鋼管と鋼管とが連通するとともに外部と気密状態に連結することができる。したがって、本発明の鋼管足場を容易に構築することができる。
【0026】
本発明にかかる鋼管足場用ベース金具は、敷板と、この敷板に立設された鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部とを有する鋼管足場用ベース金具において、前記鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えているので、鋼管足場の柱部の最下端となる鋼管に鋼管嵌合部を嵌合させて鋼管を支持するだけで容易に柱部の下端を封止状態にすることができる。したがって、本発明の鋼管足場を容易に構築することができる。
【0027】
本発明にかかる鋼管足場用栓は、鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部を有し、この鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えているので、鋼管足場の柱部の最上端となる鋼管に鋼管嵌合部を嵌合させるだけで、柱部の上端を封止状態にすることができる。したがって、本発明の鋼管足場を容易に構築することができる。
【0028】
また、本発明の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓は、鋼管足場用ジョイントが、両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓が、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部をそれぞれ有しているとともに、筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口を備えている構成とすれば、従来の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓に替えて用いるだけで、容易に本発明の鋼管足場を得ることができる。すなわち、鋼管足場の他の部材は、従来のものだけでよいため、安価に本発明の鋼管足場を得ることができる。
【0029】
さらに、本発明の鋼管足場用ジョイント、鋼管足場用ベース金具および鋼管足場用栓は、エアー通気口を、エアー通気口の少なくとも先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている構成とすれば、エアーホースの着脱によって鋼管内とエアーホースとの連通状態やエアー通気口の気密状態を保つことが簡単に行え、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図7は、本発明にかかる鋼管足場の第1の実施の形態をあらわしている。
【0031】
図1に示すように、この鋼管足場Aは、枠組足場であって、建枠1a、布枠(又は床付き布枠)1b、交差筋交い1e等のパーツを組み立てることによって、施工現場である建築物の壁面Wに沿うように設けられるとともに、労働安全衛生規則 第二編「安全基準」第十章「通路、足場等」の第二節「足場」に定められた条項、及び日本工業規格JIS A 8951「鋼管足場」は勿論、平成15年4月1日に厚生労働省によって制定された基発第401012号「手すり先行工法に関するガイドライン」を損なうことがないようになっている。
そして、各柱部10a,10bは、建枠1aを構成する鋼管製の脚柱11を上下方向に連結することによって形成されている。
【0032】
また、これらの柱部10a,10bのうち、図1に示すア〜ウ部分の柱部10aは、上下の脚柱11同士が、図2および図3に示す本発明の鋼管足場用ジョイントとしての脚柱ジョイント2aを介して連結され、ア〜ウ部分の柱部10aを構成する最下端の脚柱11が図2および図5に示す本発明の鋼管足場用ベース金具としてのジャッキ型ベース金具2bによって支持され、ア〜ウ部分の柱部10aの最上端を構成する脚柱11の上端に図2、図6および図7に示す本発明の鋼管足場用栓2cが装着されている。そして、ア〜ウの部分以外の柱部10bは、図示していないが、脚柱11が従来の脚柱ジョイントを用いて連結されるとともに、従来のジャッキ型ベース金具を用いて支持されている。
【0033】
上記脚柱ジョイント2aは、図3に示すように、フランジ部21と、フランジ部21の両側に設けられた鋼管嵌合部22とを備えて、一方の鋼管嵌合部22から他方の鋼管嵌合部22まで貫通する筒状中空部23が内部に設けられている。
【0034】
両鋼管嵌合部22は、図4に示すように、本体部22aと、シールとしてのOリング22bと、このOリング22bの係止部とを備えている。本体部22aは、その外径が、脚柱11を構成する鋼管の内径とほぼ同じか少し小径に形成されている。
上記係止部は、本体部22aの脚柱11への挿入側の端部に連接されていて、図4に示すように、係合凹部22dと、係止鍔部22eとを備えている。
【0035】
係合凹部22dは、その外径が鋼管嵌合部22の脚柱11への挿入側の端部に向かって徐々に縮径するテーパ面になっている。
係止鍔部22eは、係合凹部22dの脚柱11への挿入側の端部に連接されていて、その最大外径が本体部22aと略同じか少し小径になっている。
【0036】
Oリング22bは、断面円形のリング状をしていて、係合凹部22dに外嵌されており、その内径が常に係合凹部22dのテーパ状をした外周面に密着するとともに、その外径が係合凹部22dに外嵌状態のときに、脚柱11を構成する鋼管の内径公差の最大径と略同じか少し大径になるように形成されている。すなわち、Oリング22bは、図4(b)に示すように、内径公差範囲内の内径を持つ脚柱11であれば、確実に脚柱11内面および係合凹部22dの外周面との間で圧縮状態となる。
【0037】
フランジ部21は、2つのねじ孔21aが筒状中空部23に連通するように穿設されていて、一端にねじ筒部51が設けられ、他端にソケット52が設けられたエアー通気口となる管継手5が、ねじ筒部51をこのねじ孔21aに螺合させることによって一体化されている。
【0038】
ソケット52は、後述するエアーホースH1(H2,H3)の先端に設けられたプラグ(図示せず)が着脱自在で、プラグ装着状態で筒状中空部23と、エアーホースH1(H2,H3)とが連通し、プラグ非装着状態で管継手5を気密状態に閉じる弁体(図示せず)を内部に備えている。
【0039】
この脚柱ジョイント2aは、以上のようになっており、両端部の鋼管嵌合部22をそれぞれ脚柱11の端面がフランジ部21に当接するまで上下の脚柱11に嵌合することによって、脚柱11と脚柱11とを連結することができる。そして、この連結状態では、Oリング22bが脚柱11の内面と、係合凹部22dの外周面との間で圧縮されて連結部から圧縮空気が漏れ出ないようにできる。さらに、この鋼管足場Aの場合、脚柱11と脚柱11との連結部において、上下の脚柱11に設けられた交差筋交い1eの係止ピン11a間に抜け止め金具11bが懸け渡され、脚柱11の脚柱ジョイント2aからの抜けが防止されるようになっている。
【0040】
ジャッキ型ベース金具2bは、図5に示すように、敷板(台板)24と、ねじ筒25と、調節ナット26と、連結金具27とを備えている。
敷板24は、矩形の板材から形成されている。
【0041】
ねじ筒25は、鋼管嵌合部25fと、ねじ筒本体部25bと、管継手接続部25dとを備え、鋼管嵌合部25fから管継手接続部25dまで貫通し、鋼管嵌合部25fの嵌合方向先端側が開放状態となった有底筒状をした筒状中空部25aを内部に有している。なお、筒状中空部25aは、ねじ筒25の下端が敷板24に溶接等により固定されることによって気密状態に封止されている。
また、ねじ筒本体部25bは、その外周面にねじが切られていて、後述する調節ナット26が螺合している。
鋼管嵌合部25fは、上記脚柱ジョイント2aの鋼管嵌合部22と同様の形状をしている。
【0042】
管継手接続部25dは、2つのねじ孔25e(図では1つしかあらわれていない)が筒状中空部25aに連通するように穿設されている。そして、このねじ孔25eに脚柱ジョイント2aと同様にして管継手5のねじ筒部51を螺合させることによってエアー通気口となる管継手5が管継手接続部25dに固定されている。
【0043】
調節ナット26は、ナット本体26aとハンドル26bとを備えている。
ナット本体26aは、ねじ筒本体部25bに螺合されていて、ハンドル26bを持って回転させることによって、脚柱11の下端を受けながら上下して脚柱11のレベルを調整できるようになっている。
【0044】
連結金具27は、ハンドルクランプ部27aと、脚柱クランプ部27bとを備え、ハンドルクランプ部27aによってハンドル26bをクランプし、脚柱クランプ部27bによって脚柱11の下端部をクランプすることによって圧縮空気の圧力による脚柱11の抜けを防止するようになっている。
【0045】
鋼管足場用栓2cは、図6および図7に示すように、栓本体28と連結金具29とを備えている。栓本体28は、鋼管嵌合部28aと頭部28bとを有するとともに、鋼管嵌合部28aの嵌合方向先端側で開放状態になり、頭部28bまで達する有底筒状をした筒状中空部28cを備えている。
【0046】
鋼管嵌合部28aは、上記脚柱ジョイント2aの鋼管嵌合部22と同様の構造になっている。なお、図7にいs雌28gはシールとしてのOリングである。
【0047】
頭部28bは、その壁面に筒状中空部28cに連通するねじ孔28dが穿設され、このねじ孔28dに脚柱ジョイント2aと同様にしてねじ筒部51を螺合させることによってエアー通気口としての管継手5が固定されている。
また、頭部28bの筒状中空部28cから外れた位置に後述する係止ピン7の挿通孔28fが穿設されている。
【0048】
連結金具29は、脚柱11を両側から挟むように配置される2つのアーム部29dと、両アーム部29dを対面させた状態で連結する連結部29aとを備えている。
アーム部29dは、その開放端側に後述する係止ピン7の係止孔29eが穿設されている。
【0049】
連結部29aは、脚柱11の略半周を囲繞するような形状に形成され、その中央部に脚柱11に設けられた交差筋交い1eの係止ピン11aが挿通される係止孔29bが穿設されている。
【0050】
そして、この鋼管足場用栓2cは、アーム部29dを上側に向けた連結部29aに設けられた係止孔29bに係止ピン11aを挿通し、連結金具29を脚柱11に支持させるとともに、頭部28bの挿通孔28fがアーム部29dの係止孔29eに一致するように栓本体28の鋼管嵌合部28aを最上段の脚柱11に嵌合させる。そして、一方のアーム部29dの係止孔29eから栓本体28の挿通孔28fを通って他方のアーム部29dの係止孔29eに向かって係止ピン7の挿入係止部71を挿通することによって、脚柱11からの抜けが防止された状態で装着されるようになっている。
すなわち、係止ピン7は、挿入係止部71と、係止レバー72とを備えている。
【0051】
挿入係止部71は、係止孔29eおよび挿通孔28fの内径と略同じか少し小径の円柱状をしていて、係止孔29eおよび挿通孔28fより大径の係止頭部71aが設けられ、他端にスリット71bが設けられている。
スリット71bは、係止頭部71a側の壁面がテーパ面71cになっている。
【0052】
係止レバー72は、その厚みがスリット71bの幅より少し薄い板状をしていて、係止レバー72の長手方向に長い長孔72aが穿設されているとともに、長手方向の一端のコーナー部が、スリット71bのテーパ面71cに沿う角度に切り欠かれている。
また、係止レバー72は、スリット71b内に設けられた軸支ピン71dが長孔72a内に挿通されることによって、軸支ピン71dを中心に回動自在になっているとともに、長孔72aの長軸方向にスライド自在となっている。
【0053】
そして、係止ピン7は、テーパ面71cを上側に向けるとともに、係止レバー72の切欠部分をテーパ面71cに受けさせて、係止レバー72の長手軸と挿入係止部71の軸とを略一致させた状態にして係止レバー72側を先頭にして、係止頭部71aが一方のアーム部29dの外壁面に当たるまで一方のアーム部29dの係止孔29eから栓本体28の挿通孔28fを通って他方のアーム部29dの係止孔29eに向かって挿入係止部71を挿通する。つぎに、他方のアーム部29dの係止孔29eから外部に出た係止レバー72を、その切欠部分がテーパ面71cから外れる位置まで長孔72aの軸方向に引っ張って係止レバー72を軸支ピン71dを中心に回動させることによって挿入係止部71が抜け止めされるとともに、挿入係止部71によって栓2cの抜けを防止するようになっている。
【0054】
この鋼管足場Aは、図1に示すア〜ウ部分の柱部10aが、上下の脚柱11同士を、脚柱ジョイント2aを介して連結し、最下端の脚柱11をジャッキ型ベース金具2bによって支持するとともに、最上端の脚柱11の上端に鋼管足場用栓2cを装着するようにしたので、たとえば、図1に示すように、アおよびイの柱部10aのジャッキ型ベース金具2bの一方の管継手5のソケット52に本発明の圧縮空気供給手段としてのエアーコンプレッサACからのエアーホースH1の先端に設けられたプラグを嵌合させるとともに、イの柱部10aのジャッキ型ベース金具2bの他方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の一端に設けられたプラグを嵌合させ、ウの柱部10aのジャッキ型ベース金具2bの一方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の他端に設けられたプラグを嵌合させた状態で、エアーコンプレッサACから圧縮空気を供給すると、ア〜ウの柱部10aの内部に圧縮空気が充填される。
【0055】
そして、図1に示すように、ア〜ウ部分の柱部10aの作業エリア近傍にあるいずれかの管継手5と、空気分配器54とをエアーホースH3によって連結し、空気動工具55を空気分配器54に接続することによって、作業エリアでの作業を容易に行うことができる。
また、つぎの作業エリアに移る場合、管継手5と空気分配器54との連結を解除し、空気分配器54と空気動工具55とをつぎの作業エリアまで運び、その作業エリア近傍の管継手5と空気分配器54とを再びエアーホースH3によって連結すればよい。
【0056】
さらに、複数の作業エリアで同時に作業を行う場合もそれぞれの作業エリア近傍の管継手5に空気分配器54を介して各空気動工具55を接続すればよい。
なお、空気動工具55は、空気分配器54を介さずエアーホースH3を介して直接管継手5と接続するようにしても構わない。また、最上端の脚柱11の上端部側面あるいは栓2cの上端に手摺り柱の下端が嵌合する嵌合凹部あるいは嵌合筒部を設け、手摺り柱および手摺りを最上部に設ける構造としても構わない。
【0057】
図8および図9は、上記鋼管足場Aに用いられる脚柱ジョイントの他の例をあらわしている。
図8に示す脚柱ジョイント3aは、鋼管嵌合部30が、円筒状の嵌合部本体30aと、嵌合部本体30aの挿入側端部に固定された円錐台状をしたシール30bとを備えている以外は、上記脚柱ジョイント2aと同様になっている。
【0058】
図9に示す脚柱ジョイント3bは、鋼管嵌合部31が、円筒状の嵌合部本体31aと、嵌合部本体31aの挿入側端部に固定された略釣鐘状をしたシール31bとを備えている以外は、上記脚柱ジョイント2aと同様になっている。
【0059】
図10〜図15は、本発明にかかる鋼管足場の第2の実施の形態をあらわしている。
図10に示すように、この鋼管足場Bは、単管足場であって、各柱部4a,4bのうち、カ〜ク部分の柱部4aは、図11に示すように、上下方向の鋼管製の建地41同士を、本発明の鋼管足場用ジョイントとしての単管ジョイント6aを介して連結され、最下端の建地41が、図14および図15に示すように、本発明の鋼管足場用ベース金具としての固定型ベース金具6cによって支持され、最上端を構成する建地41の上端に本発明の鋼管足場用栓6bが装着されている。また、カ〜ク部分以外の柱部4bは、図示していないが、上下方向の鋼管製の建地41同士が、従来の単管ジョイントを用いて連結されるとともに、最下端の建地41が従来の固定型ベース金具を用いて支持されている。
【0060】
単管ジョイント6aは、図12に示すように、鋼管嵌合部61が、建地41に嵌合した状態で、建地41に設けられた係止ピン挿通孔42に一致する位置に係止ピン挿通孔62をそれぞれ備え、係止ピン挿通孔62の内面にOリング62aが嵌め込まれている以外は、上記脚柱ジョイント2aと同様の構造をしている。
なお、図12中、61aは本体部、61bはシールとしてのOリング、61dは係合凹部、61eは係止鍔部、63はフランジ部、64は筒状中空部、5は管継手である。
【0061】
そして、この単管ジョイント6aは、従来の鋼管足場に用いられる以下のような係止ピン7を介して建地41との連結状態が保持されるようになっている。すなわち、係止ピン7は、挿入係止部71と、係止レバー72とを備えている。
挿入係止部71は、係止ピン挿通孔42および係止ピン挿通孔62の内径と略同じか少し小径でOリング62aの内径と略同じか少し大径の円柱状をしていて、係止ピン挿通孔42より大径の係止頭部71aが設けられ、他端にスリット71bが設けられている。
【0062】
スリット71bは、係止頭部71a側の壁面がテーパ面71cになっている。
係止レバー72は、その厚みがスリット71bの幅より少し薄い板状をしていて、係止レバー72の長手方向に長い長孔72aが穿設されているとともに、長手方向の一端のコーナー部が、スリット71bのテーパ面71cに沿う角度に切り欠かれている。
【0063】
そして、係止レバー72は、スリット71b内に設けられた軸支ピン71dが長孔72a内に挿通されることによって、軸支ピン71dを中心に回動自在になっているとともに、長孔72aの長軸方向にスライド自在となっている。
【0064】
すなわち、この単管ジョイント6aは、以下のようにして建地41と建地41とを連結できるようになっている。
まず、フランジ部63が建地41の端面に当接するとともに、係止ピン挿通孔62が建地41の係止ピン挿通孔42と一致するように、連結する上下の建地41の端部に両鋼管嵌合部61を嵌合させる。
【0065】
つぎに、係止ピン7を、テーパ面71cを上側に向けるとともに、係止レバー72の切欠部分をテーパ面71cに受けさせて、係止レバー72の長手軸と挿入係止部71の軸とを略一致させた状態にして係止レバー72側を先頭にして、係止頭部71aが建地41の外壁面に当たるまで建地41の一方の係止ピン挿通孔42側から係止ピン挿通孔62、62を介して他方の係止ピン挿通孔42に向かって挿通したのち、他方の係止ピン挿通孔42から外部に出た係止レバー72を、その切欠部分がテーパ面71cから外れる位置まで長孔72aの軸方向に引っ張って係止レバー72を軸支ピン71dを中心に回動させて、係止ピン7に抜け方向(係止頭部71a方向)の力が加わっても、係止レバー72が建地41の外壁面に係止されるようにする。すなわち、係止ピン7によって単管ジョイント6aの建地41からの抜けが防止されるようになっている。
【0066】
そして、単管ジョイント6aによって連結された上下の建地41は、単管ジョイント6aの筒状中空部64を介して連通状態となるとともに、Oリング62aおよびOリング61bによって建地41の内部と外部とが気密状態に隔絶されるようになっている。
【0067】
鋼管足場用栓6bは、図11および図13に示すように、頭部65に鋼管足場用栓2cの頭部28bのような挿通孔28fが穿設されておらず、上記単管ジョイント6aと同様の鋼管嵌合部61を備えている以外は、鋼管足場用栓2cと同様になっている。なお、図13中、5は管継手である。
すなわち、この鋼管足場用栓6bは、最上端の建地41の上端面に頭部65が当たるとともに、建地41の係止ピン挿通孔42と、鋼管嵌合部61の係止ピン挿通孔62とが一致するように鋼管嵌合部61を建地41に嵌合させたのち、上記単管ジョイント6aと同様の係止ピン7を用いて建地41からの抜けが防止されるようになっている。
【0068】
固定型ベース金具6cは、図14および図15に示すように、ベース金具本体66と、エアー通気口兼用の係止ピン7aとを備えている。
ベース金具本体66は、矩形をした敷板66aと、この敷板66aに垂設された鋼管嵌合部61'とを備えている。
【0069】
鋼管嵌合部61'は、係止鍔部61eの上方に係止鍔部61eの外径と同じ円筒部61fを備えている以外は、単管ジョイント6aの鋼管嵌合部61と同様の構造になっている。
係止ピン7aは、ピン本体73と、分岐継手74と、2つの管継手5とを備えている。
【0070】
すなわち、ピン本体73は、筒状中空部73aを備え、その壁面の鋼管嵌合部61'の筒状中空部64を臨む位置に筒状中空部64に連通する連通孔73bが穿設され、筒状中空部73aの開口端側の周面にねじ73cが設けられているとともに、分岐継手74側の端部がねじ73cに向かって徐々に拡径している以外は、上記係止ピン7の挿入係止部71と同様の構造をしている。
分岐継手74は、互いに連通する3つのねじ孔74a〜74cを備え、1つのねじ孔74aにピン本体73のねじ73cが螺合され、他のねじ孔74b、74cに管継手5のねじ筒部51が螺合されている。
【0071】
この固定型ベース金具6cは、まず、最下端の建地41の下端面が敷板66aの上面に当たるとともに、建地41の係止ピン挿通孔42と、鋼管嵌合部61'の係止ピン挿通孔62とが一致するように鋼管嵌合部61'を建地41に嵌合させたのち、ピン本体73を、ピン本体73の拡径した部分が建地41の外壁面に当たるまで上記係止ピン7と同様にして建地41の一方の係止ピン挿通孔42側から係止ピン挿通孔62、62を介して他方の係止ピン挿通孔42に向かって挿通したのち、他方の係止ピン挿通孔42から外部に出た係止レバー72を、その切欠部分がテーパ面71cから外れる位置まで長孔72aの軸方向に引っ張って係止レバー72を回動させて、係止レバー72が建地41の外壁面に係止されるようにする。
【0072】
そして、この鋼管足場Bは、図10に示すカ〜ク部分の柱部4aが、上下の建地41同士を、単管ジョイント6aを介して連結し、最下端の建地41を固定型ベース金具6cによって支持するとともに、最上端の建地41の上端に鋼管足場用栓6bを装着するようにしたので、たとえば、図10に示すように、カおよびキの柱部4aの固定型ベース金具6cの一方の管継手5のソケット52にエアーコンプレッサACからのエアーホースH1の先端に設けられたプラグを嵌合させるとともに、キの柱部4aの固定型ベース金具6cの他方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の一端に設けられたプラグを嵌合させ、クの柱部4aの固定型ベース金具6cの一方の管継手5のソケット52に連結用エアーホースH2の他端に設けられたプラグを嵌合させた状態で、エアーコンプレッサACから圧縮空気を供給すると、カ〜クの柱部4aの内部に圧縮空気が充填される。
【0073】
そして、図10に示すように、カ〜ク部分の柱部4aの作業エリア近傍にあるいずれかの管継手5と、空気分配器54とをエアーホースH3によって連結し、空気動工具55を空気分配器54に接続することによって、作業エリアでの作業を容易に行うことができる。
また、つぎの作業エリアに移る場合、管継手5と空気分配器54との連結を解除し、空気分配器54と空気動工具55とをつぎの作業エリアまで運び、その作業エリア近傍の管継手5と空気分配器54とを再びエアーホースH3によって連結すればよい。
【0074】
さらに、複数の作業エリアで同時に作業を行う場合もそれぞれの作業エリア近傍の管継手5に空気分配器54を介して各空気動工具55を接続すればよい。
なお、空気動工具55は、空気分配器54を介さずエアーホースH3を介して直接管継手5と接続するようにしても構わない。
【0075】
図16〜図18は、本発明にかかる鋼管足場の第3の実施の形態をあらわしている。
図16〜図18に示すように、この鋼管足場Cは、複数の柱部のうち、一部の柱部8aが、以下に詳述する建地81,82および連結エアーホースH4、固定型ベース金具83および従来の単管ジョイント87で形成されている。
【0076】
すなわち、建地81は、柱部8aの最下端に配置されるようになっていて、上端側で気密隔壁81aによって内部が仕切られている。
そして、気密隔壁81aより少し下側に2つのエルボ型管継手装着ノズル81bが建地81の周方向に角度が90°ずれて接続されている。
【0077】
また、建地81の下端部には、2つの短管型管継手装着ノズル81cが建地81の周方向に角度が180°ずれて溶接によって接続されている。
エルボ型管継手装着ノズル81bおよび短管型管継手装着ノズル81cには、それぞれその先端に上記と同様の管継手5が接続されている。
【0078】
一方、建地82は、上端部および下端部でそれぞれ気密隔壁82aによって内部が仕切られていて、下側の気密隔壁82aより少し上側および上側の気密隔壁82aより少し下側にそれぞれ2つのエルボ型管継手装着ノズル82bが建地82の周方向に角度が90°ずれて溶接によって接続されている。
また、これらのエルボ型管継手装着ノズル82bにもそれぞれその先端に上記と同様の管継手5が接続されている。
【0079】
本発明の鋼管足場用ベース金具としての固定型ベース金具83は、図18に示すように、鋼管嵌合部84と敷板85とを備え、鋼管嵌合部84に設けられた筒状中空部84gは、固定型ベース金具83の軽量化を図るための「肉盗み」用として設けられ、圧縮空気の通路とはなっていないとともに、鋼管嵌合部84に設けられた係止ピン挿通孔84aの内面にOリングが設けられていない以外は、上記ベース金具本体66と同様の構造を備えている。なお、図18中、84bは本体部、84cはシールとしてのOリング、84dは係合凹部、84eは係止鍔部、84fは円筒部である。
連結エアーホースH4は、その両端に管継手5のソケット52に嵌合するプラグPを備えている。
【0080】
そして、柱部8aは、建地81(82)と建地82とを従来の単管ジョイント87を用いて上下方向に連結するとともに、最下端の建地81に固定型ベース金具83の鋼管嵌合部84を嵌合させることによって形成される。また、建地81は、鋼管嵌合部84のOリング84cと、気密隔壁81aによって内部が気密状態に保持され、建地82は、上下の気密隔壁82aによって気密隔壁82a間が気密状態に保持されているので、下側の建地81(82)の管継手5と上側の建地82の管継手5とをエアーホースH4を介して連結することによって、建地81(82)と、建地82とが連通状態になるとともに、気密状態が保たれるようになっている。
なお、図示していないが、建地81の短管型管継手装着ノズル81cに接続された管継手5にエアーコンプレッサACからのエアーホースのプラグPを接続するようにすれば、柱部8a内に圧縮空気を充填できる。
【0081】
図19は、本発明にかかる鋼管足場の第4の実施の形態をあらわしている。
図19に示すように、この鋼管足場Dは、建枠9を構成する鋼管で形成された両側の脚柱91(図では片側しかあらわれていない)が、両脚柱91を連結する横架材92と、補剛材93とを介して連通状態になっていて、上下の建枠9の両側の上下の脚柱91が、図12に示す上記単管ジョイント6aと同形状の鋼管足場用ジョイントとしての脚柱ジョイント94および係止ピン7で連結され、最上端の脚柱91の上端に図13に示す鋼管足場用栓6bと同様の鋼管足場用栓95が装着されている。また、最下端の脚柱91は、その下端が鋼管足場用ベース金具としてのジャッキ型ベース金具96で受けられている。
すなわち、ジャッキ型ベース金具96は、鋼管嵌合部97が、図18に示す固定型ベース金具の鋼管嵌合部84と同じ形状になっているとともに、管継手5が装着されておらず、鋼管嵌合部97がベース板98に中実のネジ棒99を介して固定されている以外は、ジャッキ型ベース金具2bと同様になっている。
【0082】
この鋼管足場Dによれば、両側の脚柱91が、横架材92と、補剛材93とを介して連通状態になっているので、上下の建枠9で形成される一方の柱部9aのいずれかの管継手5にエアーコンプレッサからのエアーホース(図示せず)を接続すれば、圧縮空気が矢印で示すように、横架材92および補剛材93を介して他方の柱部(図示せず)に供給できる。
【0083】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の鋼管足場では、ア〜ウ、あるいはカ〜クの柱部のみに圧縮空気を供給するようにしていたが、すべての柱部に圧縮空気を供給する構造としても構わない。また、手摺り柱を脚柱ジョイントや単管ジョイントを介して脚柱あるいは建地と連結し、手摺り柱にも圧縮空気を供給するようにしても構わない。
【0084】
また、上記の実施の形態では、ソケットがプラグ装着状態で開放され、プラグ非装着状態にすると閉じる弁体を備えているが、プラグの装着・非装着に関係なく手動で操作できる弁体を設けるようにしても構わないし、エアー通気口の先端に着脱自在で、エアー通気口を気密に閉じることができるキャップを設け、エアーホース装着時にこのキャップを外すような構造としても構わない。
さらに、上記の実施の形態では、エアーホース側にプラグ、柱部側にソケットが設けられていたが、逆でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明にかかる鋼管足場の第1の実施の形態をあらわし、同図(a)は鋼管足場の正面図、同図(b)は同図(a)のX−X線断面図である。
【図2】図1の鋼管足場の柱部の一部切欠断面図である。
【図3】図1の鋼管足場に用いた本発明の鋼管足場用ジョイントである脚柱ジョイントの連結状態の断面図である。
【図4】図2の脚柱への鋼管嵌合部の嵌合方法を説明する断面図であって、同図(a)は嵌合前、同図(b)は嵌合後の状態をあらわしている。
【図5】図1の鋼管足場に用いた本発明の鋼管足場用ベース金具であるジャッキ型ベース金具の脚柱支持状態の断面図である。
【図6】図1の鋼管足場に用いた本発明の鋼管足場用栓の装着部の正面図である。
【図7】図6のV―V線断面図である。
【図8】図1の鋼管足場に用いる脚柱ジョイントの他例の連結状態の断面図である。
【図9】図1の鋼管足場に用いる脚柱ジョイントの他例の連結状態の断面図である。
【図10】本発明にかかる鋼管足場の第2の実施の形態をあらわし、同図(a)は鋼管足場の正面図、同図(b)は同図(a)のY−Y線断面図である。
【図11】図10の鋼管足場の柱部の一部切欠断面図である。
【図12】図11の柱部の単管ジョイントによる連結部の拡大断面図である。
【図13】図11の柱部の鋼管足場用栓の装着部の拡大断面図である。
【図14】図11の柱部の固定型ベース金具による支持部の断面図である。
【図15】図14のS−S線断面図である。
【図16】本発明にかかる鋼管足場の第3の実施の形態をあらわし、その柱部の要部断面図である。
【図17】図16の柱部の建地と建地の連結部の拡大断面図である。
【図18】図16の柱部の固定型ベース金具による支持部の拡大断面図である。
【図19】本発明にかかる鋼管足場の第4の実施の形態をあらわし、その柱部の要部断面図である。
【図20】従来の鋼管足場の1例をあらわし、同図(a)は鋼管足場の正面図、同図(b)は同図(a)のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
【0086】
A,B,C,D 鋼管足場
H1,H2,H3,H4 エアーホース
P プラグ
AC エアーコンプレッサ(圧縮空気供給手段)
2a,3a,3b,94 脚柱ジョイント(鋼管足場用ジョイント)
2b,96 ジャッキ型ベース金具(鋼管足場用ベース金具)
2c,6b,95 鋼管足場用栓
4a,4b,9a,10a,10b 柱部
5 管継手(エアー通気口)
6a,87 単管ジョイント
7a 係止ピン(エアー通気口)
11 脚柱(鋼管)
22,30,31,61,61',84 鋼管嵌合部
22b,61b,62a,84c Oリング(シール)
23,25a,28c,64,73a 筒状中空部
30b,31b シール
41,81,82 建地(鋼管)
52 ソケット
55 空気動工具
83 固定型ベース金具(鋼管足場用ベース金具)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管が上下に連結されて形成される複数の柱部を備え、上下方向に複数の作業エリアを有する施工現場に設けられる鋼管足場において、
少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられていることを特徴とする鋼管足場。
【請求項2】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項1に記載の鋼管足場。
【請求項3】
エアー通気口が、少なくとも作業エリア毎に設けられている請求項1または請求項2に記載の鋼管足場。
【請求項4】
施工現場に請求項1または請求項2に記載の鋼管足場を組み立て、柱部のいずれかのエアー通気口に圧縮空気供給手段からのエアーホースを接続し、柱部内に圧縮空気を供給するとともに、作業エリア近傍のエアー通気口と空気動工具とを接続して空気動工具を用いて施工することを特徴とする建築物の施工方法。
【請求項5】
両端部に鋼管嵌合部を有し、一方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合され、他方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する他の鋼管の管端に嵌合されて鋼管と鋼管とを連結する鋼管足場用ジョイントにおいて、
両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を有し、両鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴とする鋼管足場用ジョイント。
【請求項6】
筒状中空部に連通し、両鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口を備えている請求項5に記載の鋼管足場用ジョイント。
【請求項7】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項6に記載の鋼管足場用ジョイント。
【請求項8】
敷板と、この敷板に立設された鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部とを有する鋼管足場用ベース金具において、
前記鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴とする鋼管足場用ベース金具。
【請求項9】
鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えている請求項8に記載の鋼管足場用ベース金具。
【請求項10】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項9に記載の鋼管足場用ベース金具。
【請求項11】
鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部を有し、この鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴とする鋼管足場用栓。
【請求項12】
鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えている請求項11に記載の鋼管足場用栓。
【請求項13】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項12に記載の鋼管足場用栓。
【請求項1】
鋼管が上下に連結されて形成される複数の柱部を備え、上下方向に複数の作業エリアを有する施工現場に設けられる鋼管足場において、
少なくとも1つの柱部が、上下に連結された鋼管のうちの少なくともいくつかの鋼管を互いに連通状態にするとともに、連通した鋼管の管内部を気密状態に保持されるように形成されていて、前記気密状態にされた鋼管に連通するとともに、開閉自在なエアー通気口が、柱部の上下方向の複数箇所に設けられていることを特徴とする鋼管足場。
【請求項2】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項1に記載の鋼管足場。
【請求項3】
エアー通気口が、少なくとも作業エリア毎に設けられている請求項1または請求項2に記載の鋼管足場。
【請求項4】
施工現場に請求項1または請求項2に記載の鋼管足場を組み立て、柱部のいずれかのエアー通気口に圧縮空気供給手段からのエアーホースを接続し、柱部内に圧縮空気を供給するとともに、作業エリア近傍のエアー通気口と空気動工具とを接続して空気動工具を用いて施工することを特徴とする建築物の施工方法。
【請求項5】
両端部に鋼管嵌合部を有し、一方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合され、他方の鋼管嵌合部が鋼管足場を構成する他の鋼管の管端に嵌合されて鋼管と鋼管とを連結する鋼管足場用ジョイントにおいて、
両鋼管嵌合部間を貫通する両端開口の筒状中空部を有し、両鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴とする鋼管足場用ジョイント。
【請求項6】
筒状中空部に連通し、両鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口を備えている請求項5に記載の鋼管足場用ジョイント。
【請求項7】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項6に記載の鋼管足場用ジョイント。
【請求項8】
敷板と、この敷板に立設された鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部とを有する鋼管足場用ベース金具において、
前記鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴とする鋼管足場用ベース金具。
【請求項9】
鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えている請求項8に記載の鋼管足場用ベース金具。
【請求項10】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項9に記載の鋼管足場用ベース金具。
【請求項11】
鋼管足場を構成する鋼管の管端に嵌合される鋼管嵌合部を有し、この鋼管嵌合部は、鋼管への嵌合状態で鋼管内面に圧接され、鋼管内外を気密に隔絶するシールを備えていることを特徴とする鋼管足場用栓。
【請求項12】
鋼管嵌合部内を貫通し、鋼管嵌合部の先端側で開放状態になった有底筒状をした筒状中空部と、この筒状中空部に連通し、鋼管嵌合部が鋼管と嵌合した状態で、外部から連結可能なエアー通気口とを備えている請求項11に記載の鋼管足場用栓。
【請求項13】
エアー通気口は、少なくともその先端部が、エアーホースの先端に設けられたプラグまたはソケットが着脱自在で、プラグまたはソケットの装着状態で開放されて鋼管内とエアーホースとを連通状態にし、プラグまたはソケットの非装着状態でエアー通気口を気密状態に閉じる弁体を備えたソケットまたはプラグによって形成されている請求項12に記載の鋼管足場用栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−132251(P2006−132251A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324799(P2004−324799)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000142517)株式会社空研 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000142517)株式会社空研 (9)
【Fターム(参考)】
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