説明

録画再生装置

【課題】録画再生装置において、追いかけ再生を視聴しやすくすると共に、TV番組の見逃しを防止する。
【解決手段】録画再生装置は、TV番組が録画されるHDDと、装置各部を制御するための制御用マイコンと、再生速度等の再生速度情報とを記憶するメモリとを備える。制御用マイコンは、録画を継続しながら、録画中のTV番組を追いかけ再生することが可能である。ユーザは、操作部を操作することによりTV番組の再生速度を任意の速度に設定する。制御用マイコンは、メモリに記憶されている再生速度情報に基づいてTV番組の再生速度を設定した後(S6)、TV番組を再生する(S7、S8)。そして、録画再生装置は、追加録画があるか否かを判断し(S9)、追加録画がある場合(S10でYES)、設定した再生速度に基づいて、追加録画中のTV番組の追いかけ再生処理を自動的に行う(S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画再生装置に関し、特に追いかけ再生技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、録画中のテレビジョン番組(以下、TV番組)を、録画しながら再生することができる、所謂、追いかけ再生を行うことが可能な録画再生装置がある。この種の録画再生装置において、再生開始時刻と録画中の番組の録画終了時刻との時間差から、追いかけ再生時の再生速度を算出し、算出した再生速度で追いかけ再生を行うものがある(例えば、特許文献1乃至特許文献4参照)。
【0003】
しかし、これらの録画再生装置では、再生開始時刻から録画終了時刻までの時間が短い場合、算出された再生速度が早すぎて、ユーザが視聴しにくいという問題がある。
【0004】
一方、追いかけ再生速度を遅くした場合、録画中のTV番組の終了時刻までに、再生中のTV番組が終わらないことがあるため、追いかけ再生をしているTV番組の後に、ユーザにとって視聴したいTV番組があるとき、ユーザがTV番組を見逃してしまうという問題がある(例えば、特許文献5乃至特許文献7参照)。
【特許文献1】特表2003−3179845号公報
【特許文献2】特開2003−169274号公報
【特許文献3】特表2004−48525号公報
【特許文献4】特開2006−295753号公報
【特許文献5】特表2006−115188号公報
【特許文献6】特開2005−253017号公報
【特許文献7】特開2005−142821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、追いかけ再生を視聴しやすくすると共に、TV番組の見逃しを防止することができる録画再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、テレビジョン番組(以下、TV番組という)が録画される記録媒体と、TV番組を前記記録媒体に録画する録画手段と、前記記録媒体に録画されているTV番組を再生する再生手段と、前記録画手段によるTV番組の録画と前記再生手段によるTV番組の再生とを制御する録画再生制御手段とを備え、前記録画再生制御手段は、前記録画手段によって録画中のTV番組の録画を継続しながら、録画中のTV番組を再生すること(以下、追いかけ再生という)が可能な録画再生装置において、TV番組の再生速度を任意の速度に設定するための操作手段と、前記操作手段により設定されたTV番組の再生速度を記憶する速度記憶手段とをさらに備え、前記録画再生制御手段は、前記速度記憶手段に記憶された再生速度に基づいてTV番組を再生するものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の録画再生装置において、前記録画再生制御手段は、前記再生手段によるTV番組の再生が終了したときに、前記録画手段によってTV番組が録画されている場合、録画中のTV番組の追いかけ再生を自動的に開始するものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の録画再生装置において、前記録画再生制御手段は、前記再生手段によるTV番組の再生が終了したときに、前記録画手段によってTV番組が録画されている場合、録画中のTV番組の追いかけ再生を、前記速度記憶手段に記憶された再生速度に基づいて自動的に開始するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、速度記憶手段に記憶された再生速度に基づいてTV番組を再生するので、ユーザが視聴しやすい早さで追いかけ再生を行うことができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、TV番組の再生が終了したときに、TV番組が録画されている場合、録画中のTV番組の追いかけ再生を自動的に開始する。そのため、ユーザが手動で追いかけ再生の指示を行う必要がないので、ユーザによる操作の手間を軽減させることができる。その結果、ユーザが視聴したいTV番組を見逃すことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、テレビジョン番組(以下、TV番組という)を録画可能なハードディスクレコーダ(録画再生装置)1と、このハードディスクレコーダ1に接続されたテレビ2とを含むテレビジョンシステムを示す。図2は、ハードディスクレコーダ1の内部構成のブロック図である。
【0012】
テレビ2は、TV番組を表示するためのディスプレイ21と、TV番組の音声等を出力するためのスピーカ22と、TV番組を受信するチューナ(図示せず)と、ユーザによって操作され、受信するTV番組の切替え等を指示するためのボタン23と、ケーブル3を接続して各種信号を入出力するための接続部(図示せず)とを備える。テレビ2とハードディスクレコーダ1とは、ケーブル3を介して接続されている。テレビ2は、ハードディスクレコーダ1から出力されたTV番組の再生信号に基づいてTV番組の映像をディスプレイ21に、TV番組の音声をスピーカ22に出力する。
【0013】
ハードディスクレコーダ1は、図2に示すように、TV番組を受信するためのチューナ12と、チューナ12によって受信したTV番組が録画されるハードディスク18(請求項における記録媒体;以下、HDDという)と、ユーザにより操作される操作部(操作手段)13と、ケーブル3が接続され、TV番組信号や各種信号を入出力するための入出力部15とを備える。
【0014】
また、ハードディスクレコーダ1は、HDD18にTV番組等のデータを書込むための書込み部17と、HDD18に録画されているTV番組のデータ等を読取るための読取り部16と、装置各部を制御するための制御用マイコン(再生手段、録画手段、録画再生制御手段)11と、制御用マイコン11の動作プログラム等のデータを格納するメモリ14(速度記憶手段)とを備える。
【0015】
操作部13は、ユーザによって操作され、TV番組の再生速度の設定や、録画するTV番組の設定等を行うためのボタン等を有する。ユーザは、操作部13を操作することによりTV番組の再生速度を任意の速度に設定する。
【0016】
メモリ14は、HDD18に録画されるTV番組の録画予定情報が記録された番組録画予定情報と、TV番組の再生速度等の再生速度情報とを記憶する。
【0017】
制御用マイコン11は、番組録画予定情報やTV番組の再生速度情報をメモリ14に記憶させる。また、制御用マイコン11は、書込み部17を用いたTV番組の録画や、読取り部16を用いたTV番組の再生を制御する。
【0018】
制御用マイコン11は、HDD18に録画されたTV番組を再生するとき、メモリ14に記憶されている再生速度情報に基づいてTV番組の再生を行う。また、制御用マイコン11は、録画中のTV番組の録画を継続しながら、録画中のTV番組を再生すること(以下、追いかけ再生という)が可能である。
【0019】
次に、ハードディスクレコーダ1のTV番組再生処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、TV番組を録画中に、ユーザによってTV番組の再生が指示されたものとする。
【0020】
まず、制御用マイコン11は、再生するTV番組(再生番組)と録画中のTV番組(録画番組)が同じか否かを判断し(S1)、同じTV番組の場合(S2でYES)、メモリ14に記憶されている再生速度情報に基づいてTV番組の再生速度を設定する(S6)。
【0021】
そして、制御用マイコン11は、設定した再生速度に基づいて、録画中のTV番組の追いかけ再生を開始し(S7)、TV番組追いかけ再生処理を行う(S8)。この処理の詳細については後述する。
【0022】
上記S8の処理が終了した後、制御用マイコン11は、メモリ14に記憶されている番組録画予定情報を参照して、追加録画があるか(追加録画中か)否かを判断し(S9)、追加録画がある場合(S10でYES)、上記S7以降の処理を行い、追加録画中のTV番組に対して、上記S6の処理で設定された再生速度に基づいて、追いかけ再生を自動的に開始する。追加録画がない場合(S10でNO)、本処理を終了する。
【0023】
上記S1の判断の結果、TV番組が同じではない場合(S2でNO)、制御用マイコン11は、ユーザによって再生指示されたTV番組を1倍速で再生開始し(S3)、このTV番組を再生する(S4)。そして、TV番組の再生が終了した場合(S5でYES)、本処理を終了する。一方、TV番組の再生が終了していない場合(S5でNO)、上記S4の処理を繰り返す。
【0024】
次に、上記S8の処理の詳細について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。制御用マイコン11は、上記S6の処理で設定された再生速度に基づいて、TV番組の追いかけ再生を開始し(S21)、TV番組を再生する(S22)。そして、制御用マイコン11は、TV番組の再生が終了した場合(S23でYES)、本処理を終了する。
【0025】
一方、TV番組の再生が終了していない場合(S23でNO)、TV番組の再生時点と録画時点とが同じ時点になったとき、すなわち、追いかけ再生の再生時点が録画中のTV番組の録画時点に追いついたとき(S24でYES)、制御用マイコン11は、追いかけ再生速度を1倍速に設定して再生を開始する(S25)。TV番組の再生時点と録画時点とが同じ時点でない場合(S24でNO)、制御用マイコン11は、上記S22以降の処理を繰り返す。
【0026】
そして、制御用マイコン11は、上記S25の処理後、1倍速でTV番組を再生し(S26)、再生が終了した場合(S27でYES)、本処理を終了する。一方、再生が終了していない場合(S27でNO)、上記S26の処理を繰り返す。
【0027】
上記のように、本実施形態に係るハードディスクレコーダ1によれば、ユーザによって設定された再生速度に基づいてTV番組を再生するので、ユーザが視聴しやすい早さで追いかけ再生を行うことができる。また、TV番組の再生が終了したときに、TV番組が追加録画中の場合(上記S10でYESに相当)、追加録画中のTV番組の追いかけ再生を自動的に開始する。そのため、ユーザが手動で追いかけ再生の指示操作を行う必要がないので、ユーザによる操作の手間を軽減させることができる。その結果、TV番組の追いかけ再生終了後に、ユーザが視聴したいTV番組を見逃すことを防止することができる。
【0028】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、請求項における録画再生装置の例として、ハードディスクレコーダ1を示したが、これに限られず、DVDレコーダ等のTV番組が記録された記録媒体を読み込み可能な機器や、ネットワークに接続可能なNAS(Network Attached Storage)等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るテレビとハードディスクレコーダを含むテレビジョンシステムの概略図。
【図2】上記ハードディスクレコーダの内部構成を示すブロック図。
【図3】上記ハードディスクレコーダのTV番組再生処理を示すフローチャート。
【図4】上記TV番組再生処理におけるTV番組追いかけ再生処理の詳細を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0030】
1 ハードディスクレコーダ(録画再生装置)
11 制御用マイコン(再生手段、録画手段、録画再生制御手段、)
13 操作部(操作手段)
14 メモリ(速度記憶手段)
18 HDD(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン番組(以下、TV番組という)が録画される記録媒体と、
TV番組を前記記録媒体に録画する録画手段と、
前記記録媒体に録画されているTV番組を再生する再生手段と、
前記録画手段によるTV番組の録画と前記再生手段によるTV番組の再生とを制御する録画再生制御手段とを備え、
前記録画再生制御手段は、前記録画手段によって録画中のTV番組の録画を継続しながら、録画中のTV番組を再生すること(以下、追いかけ再生という)が可能な録画再生装置において、
TV番組の再生速度を任意の速度に設定するための操作手段と、
前記操作手段により設定されたTV番組の再生速度を記憶する速度記憶手段とをさらに備え、
前記録画再生制御手段は、前記速度記憶手段に記憶された再生速度に基づいてTV番組を再生することを特徴とする録画再生装置。
【請求項2】
前記録画再生制御手段は、前記再生手段によるTV番組の再生が終了したときに、前記録画手段によってTV番組が録画されている場合、録画中のTV番組の追いかけ再生を自動的に開始することを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記録画再生制御手段は、前記再生手段によるTV番組の再生が終了したときに、前記録画手段によってTV番組が録画されている場合、録画中のTV番組の追いかけ再生を、前記速度記憶手段に記憶された再生速度に基づいて自動的に開始することを特徴とする請求項2に記載の録画再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−288951(P2008−288951A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132754(P2007−132754)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】