説明

録画装置、録画方法及びコンピュータプログラム

【課題】比較的変更頻度が少ない動画像データを効果的に圧縮することにより、通信負荷を軽減しつつ障害対策に有効なユーザの操作履歴情報を取得することができる録画装置、録画方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示した表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付け、停止指示を受け付けるまでの間の表示画面の遷移を、先頭画像データと、複数の差分画像データと、先頭画像データ及び/又は差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶する。先頭画像データを記憶し、表示画面の変更を検知し、先頭画像データ及び/又は差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶する。差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えている場合、経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、多様な機能を実現するプログラマブルコントローラで動作する制御プログラムの作成過程を録画する録画装置、録画方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入出力機器を拡張する入出力ユニット、通信機能を付加する通信ユニット、制御対象となる機器の位置決めを制御する位置決めユニット、温度を調整する温調ユニット等の拡張ユニットを連結して、それぞれの拡張ユニットの動作を制御プログラムにより制御するプログラマブルコントローラが広く使用されている。機能が多様化するのに伴い、各拡張ユニットの動作を制御する制御プログラムは年々大規模化、複雑化してきており、CPUユニット、拡張ユニット等に障害が発生した場合に早期に解決することが困難な状況になりつつある。
【0003】
そこで、障害が発生した場合、現地へ技術者を直接派遣することにより早期解決を図っているが、現地との位置関係、技術者の確保状況等から困難な場合も生じうる。また、電話、電子メール等の通信機器により対応することも多いが、障害の状況把握が困難である場合も生じうる。
【0004】
そこで、いわゆるリモートデスクトップ機能を用いて、遠隔地から障害発生の原因等を解析する方法がよく用いられている。例えば特許文献1には、制御センター内の制御コンピュータにより、工場内の被制御機器の動作を遠隔操作で制御する機器制御システムが開示されており、メンテナンス画面を介してアラームがどこで発生しているか等を遠隔地にて確認・検証することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−282387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遠隔地で障害対策を実行する場合、ユーザがどういう操作をしたのか履歴がわかれば比較的対処しやすい。そこで、ユーザの操作履歴を、画面遷移を示す動画像データとして取得し、電子メール等に添付して送付する方法もよく用いられている。
【0007】
しかし、上述した特許文献1のようなシステムでは、制御コンピュータと被制御機器の動作を制御するコンピュータとが一般回線で接続されている場合が多く、セキュリティの問題の他、通信容量、通信速度には一定の制約が存在する。したがって、大容量データである動画像データを送受信するには通信容量が不足し、またレスポンスの劣化等、他のデータ通信の妨げとなるおそれがあった。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、比較的変更頻度が少ない動画像データを効果的に圧縮することにより、通信負荷を軽減しつつ障害対策に有効なユーザの操作履歴情報を取得することができる録画装置、録画方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために第1発明に係る録画装置は、被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータの表示画面を録画する録画装置において、前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付ける開始・停止指示受付手段と、該開始・停止指示受付手段が前記録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶する動画像記憶手段とを備え、前記動画像記憶手段は、前記先頭画像データを記憶する先頭画像データ記憶手段と、表示画面の変更を検知する変更検知手段と、前記録画の開始指示を受け付けた後、該変更検知手段が、前記表示画面の変更を検知した場合、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶する差分画像データ記憶手段と、該差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、該所定時間を超えていると判断した場合、前記経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶するタイムスタンプ情報記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、第2発明に係る録画装置は、第1発明において、前記変更検知手段は、イベントが発生したか否かを検知するイベント検知手段と、該イベント検知手段が、イベントが発生したことを検知した場合、該イベントが表示画面を変更するか否かを判断するイベント判断手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、第3発明に係る録画装置は、第1発明において、前記変更検知手段は、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する変更判断手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第4発明に係る録画装置は、第1発明において、前記変更検知手段の選択を受け付ける検知方法選択受付手段を備え、該検知方法選択受付手段で選択を受け付けていない場合、前記変更検知手段は、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
また、第5発明に係る録画装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記表示画面の録画の一時停止指示を受け付ける一時停止指示受付手段を備え、録画の開始指示を受け付けた後、一時停止指示を受け付け、再び録画の開始指示を受け付けた後に停止指示を受け付けた場合、前記動画像記憶手段は、前記開始・停止指示受付手段が最初に録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの一連の表示画面を一の動画像データとして記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、第6発明に係る録画装置は、第5発明において、前記開始・停止指示受付手段は、開始ボタン及び停止ボタンで構成してあり、前記一時停止指示受付手段は、一時停止ボタンで構成してあり、前記一時停止ボタンは、前記開始ボタンと前記停止ボタンとの間に配置され、前記開始ボタン、前記一時停止ボタン、及び前記停止ボタンを一列に配列して表示するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
また、第7発明に係る録画装置は、第1乃至第6発明のいずれか1つにおいて、録画する対象となる前記表示画面の画像データの全部又は一部を録画領域として指定を受け付ける録画領域指定受付手段を備え、前記動画像記憶手段は、前記表示画面のうち前記録画領域内の画面の遷移を動画像データとして記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
また、第8発明に係る録画装置は、第7発明において、前記開始・停止指示受付手段を、前記録画領域外に配置するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
次に、上記目的を達成するために第9発明に係る録画方法は、被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータの表示画面を録画する録画方法において、 前記コンピュータは、前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付け、前記録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶するとともに、前記先頭画像データを記憶し、表示画面の変更を検知し、前記録画の開始指示を受け付けた後、前記表示画面の変更を検知した場合、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶し、該差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、該所定時間を超えていると判断した場合、前記経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶することを特徴とする。
【0018】
次に、上記目的を達成するために第10発明に係るコンピュータプログラムは、被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付ける開始・停止指示受付手段、及び該開始・停止指示受付手段が前記録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶する動画像記憶手段として機能させ、前記動画像記憶手段を、前記先頭画像データを記憶する先頭画像データ記憶手段、表示画面の変更を検知する変更検知手段、前記録画の開始指示を受け付けた後、該変更検知手段が、前記表示画面の変更を検知した場合、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶する差分画像データ記憶手段、及び該差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、該所定時間を超えていると判断した場合、前記経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶するタイムスタンプ情報記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
また、第11発明に係るコンピュータプログラムは、第10発明において、前記変更検知手段を、イベントが発生したか否かを検知するイベント検知手段、及び該イベント検知手段が、イベントが発生したことを検知した場合、該イベントが表示画面を変更するか否かを判断するイベント判断手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
また、第12発明に係るコンピュータプログラムは、第10発明において、前記変更検知手段を、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する変更判断手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
また、第13発明に係るコンピュータプログラムは、第10発明において、前記コンピュータを、前記変更検知手段の選択を受け付ける検知方法選択受付手段として機能させ、該検知方法選択受付手段で選択を受け付けていない場合、前記変更検知手段を、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
また、第14発明に係るコンピュータプログラムは、第10乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記コンピュータを、前記表示画面の録画の一時停止指示を受け付ける一時停止指示受付手段として機能させ、録画の開始指示を受け付けた後、一時停止指示を受け付け、再び録画の開始指示を受け付けた後に停止指示を受け付けた場合、前記動画像記憶手段を、前記開始・停止指示受付手段が最初に録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの一連の表示画面を一の動画像データとして記憶する手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
また、第15発明に係るコンピュータプログラムは、第10乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記コンピュータを、録画する対象となる前記表示画面の画像データの全部又は一部を録画領域として指定を受け付ける録画領域指定受付手段として機能させ、前記動画像記憶手段を、前記表示画面のうち前記録画領域内の画面の遷移を動画像データとして記憶する手段として機能させることを特徴とする。
【0024】
第1発明、第9発明及び第10発明では、被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータの表示画面を録画する。拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付け、録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、先頭画像データ及び/又は差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶する。先頭画像データを記憶しておき、録画の開始指示を受け付けた後で表示画面の変更を検知した場合、先頭画像データ及び/又は差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶する。差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、所定時間を超えていると判断した場合、経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶する。
【0025】
これにより、拡張ユニットの動作状況を監視しているコンピュータの表示画面の遷移を示す動画像データを常時取得する必要がなく、表示画面の変更を検知した時点で差分画像データ及びタイムスタンプ情報を随時記憶することで、動画像データの記憶容量を大きく圧縮することが可能となる。例えば、変更を検知するまでの経過時間が1ms以下である場合には定期的なタイムスタンプ情報を1ms間隔で記憶し、変更を検知しない時間が10ms以上となっている場合にはタイムスタンプ情報を10ms、100ms、1s等の単位でまとめた値として記憶することにより、全体として動画像データの記憶容量を大幅に削減することができる。したがって、少ない記憶容量でコンピュータの表示画面の遷移を示す動画像データを記憶しておくことができ、障害の発生時等に発生原因を容易に特定することも可能となる。なお、経過時間の計時を開始する「画像データを取得した時点」とは、録画の開始指示を示す信号の取得時点、先頭画像データを記憶する処理の所定のタイミング等を含む。また、「経過時間」は、先頭画像データを取得した時点からの経過時間を直接的又は間接的に示しているが、「タイムスタンプ情報」は先頭画像データを取得した時点からの経過時間だけではなく、前回の差分画像データ取得時からの経過時間であっても良い。
【0026】
第2発明及び第11発明では、イベントが発生したか否かを検知し、イベントが発生したことを検知した場合、該イベントが表示画面を変更するか否かを判断する。これにより、イベントの発生状況を常時監視しておくことで、表示画面の変更を検知することができ、差分画像データを取得することが可能となる。
【0027】
第3発明及び第12発明では、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断することにより、直接的に差分画像データを取得することが可能となる。
【0028】
第4発明及び第13発明では、表示画面の変更を検知する方法の選択を受け付けることが可能としてあり、選択を受け付けていない場合には、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する方法を採用する。これにより、アプリケーションに応じて適切な表示画面の変更を検知する方法を選択することができるとともに、通常は前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断することにより、直接的に差分画像データを取得することが可能となる。
【0029】
第5発明及び第14発明では、表示画面の録画の一時停止指示を受け付けることが可能としてあり、録画の開始指示を受け付けた後、一時停止指示を受け付け、再び録画の開始指示を受け付けた後に停止指示を受け付けた場合、最初に録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの一連の表示画面を一の動画像データとして記憶する。これにより、録画の一時停止指示を受け付けた場合であっても、記憶される動画像データが細分化されることがなく、停止しじを受け付けるまでの一連の表示画面を一の動画像データとして、不要な部分を削除した動画像データを記憶することが可能となる。
【0030】
第6発明では、一時停止ボタンを、開始ボタンと停止ボタンとの間に配置しておき、開始ボタン、一時停止ボタン、及び停止ボタンを一列に配列して表示することにより、右利きのユーザにとってマウス操作に使い勝手の良いユーザインタフェースを提供することができるとともに、視覚的に誤った操作を回避することもできる。
【0031】
第7発明及び第15発明では、録画する対象となる表示画面の画像データの全部又は一部を録画領域として指定を受け付け、表示画面のうち録画領域内の画面の遷移を動画像データとして記憶することにより、表示画面全体ではなく必要な領域のみの動画像データを記憶することができ、動画像データの記憶容量をより削減することが可能となる。
【0032】
第8発明では、録画領域外にて録画の開始指示及び停止指示を受け付けるようにすることで、マウス操作によるカーソルの映り込みを意識して回避することができ、不要な差分画像データを記憶することなく、動画像データの記憶容量をより削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
上記構成によれば、拡張ユニットの動作を監視しているコンピュータの表示画面の遷移を示す動画像データを常時取得する必要がなく、表示画面の変更を検知した時点で差分画像データ及びタイムスタンプ情報を随時記憶することで、動画像データの記憶容量を大きく圧縮することが可能となる。例えば、変更を検知するまでの経過時間が1ms以下である場合には定期的なタイムスタンプ情報を1ms間隔で記憶し、変更を検知しない時間が10ms以上となっている場合にはタイムスタンプ情報を10ms、100ms、1s等の単位でまとめた値として記憶することにより、全体として動画像データの記憶容量を大幅に削減することができる。したがって、少ない記憶容量でコンピュータの表示画面を監視する動画像データを記憶しておくことができ、障害の発生時等に発生原因を容易に特定することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係る録画装置により監視対象となるプログラマブルコントローラの構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る録画装置を、CPU等の制御部を用いて構成した場合の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る録画装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る録画装置の変更検知処理及び差分画像データ取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る録画装置で記憶される差分画像データの内容を示すイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る録画装置の、タイムスタンプ情報を含む画像履歴情報記憶部に記憶するデータ構造の例示図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る録画装置の録画処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】表示画面の一部を録画領域として指定する場合の画面の例示図である。
【図9】事前に作成された設定ファイルの例示図である。
【図10】マウス等の操作によりフリーハンドで文字等を記載した場合の表示画面の例示図である。
【図11】キーボードでキーインする場合の表示画面の例示図である。
【図12】マウスの操作画面を加えた表示画面の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態に係る録画装置について、図面に基づいて具体的に説明する。本発明の実施の形態に係る録画装置は、プログラマブルコントローラを監視する監視装置に組み込まれている。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る録画装置により監視対象となるプログラマブルコントローラの構成を示す模式図である。図1に示すように、プログラマブルコントローラ1は、CPUユニット2と、機能ごとに独立した複数の拡張ユニット3、3、・・・とで構成されている。拡張ユニット3a、3b、・・・には、機能ごとに動作を制御する対象となる被制御機器5、5、・・・が接続してあり、CPUユニット2からの指令に従って各被制御機器5の動作を制御する。
【0037】
CPUユニット2は、内蔵するメモリに記憶してある制御プログラムにしたがって、接続してある拡張ユニット3a、3b、・・・に対して指令を送出するCPUを備えている。また、拡張ユニット3a、3b、・・・は、CPUユニット2からの指令に従って、接続してある被制御機器5、5、・・・の動作を制御する。なお、被制御機器5、5、・・・の動作を制御するためのパラメータ情報等は、拡張ユニット3a、3b、・・・に内蔵するメモリに記憶してある。
【0038】
録画装置4は、CPUユニット2とデータ通信することが可能に接続してあり、CPUユニット2及び接続してある拡張ユニット3、3、・・・の動作状況を示す監視画面を表示する監視装置として機能している。表示される監視画面を録画することにより、プログラマブルコントローラ1に障害等が発生した場合に、原因の特定が容易となる。図2は、本発明の実施の形態に係る録画装置4を、CPU等の制御部を用いて構成した場合の構成を示すブロック図である。
【0039】
図2に示すように本実施の形態に係る録画装置4は、少なくとも制御部(CPU)41、メモリ42、ハードディスク等の記憶装置43、I/Oインタフェース44、ビデオインタフェース45、通信インタフェース46、可搬型ディスクドライブ47及び上述したハードウェアを接続する内部バス48で構成されている。
【0040】
制御部41は、内部バス48を介して録画装置4の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置43に記憶しているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ42は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0041】
記憶装置43は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置43に記憶しているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ47によりダウンロードされ、実行時には記憶装置43からメモリ42へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース46を介してネットワークに接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0042】
また記憶装置43は、画像履歴情報記憶部431を備えている。画像履歴情報記憶部431は、被制御機器5、5、・・・が接続してある拡張ユニット3a、3b、・・・の動作状況をCPUユニット2が把握し、監視装置として機能する録画装置4に表示される、ラダープログラムの実行状況を示す表示画面の遷移を、画像の履歴情報として記憶する。
【0043】
I/Oインタフェース44は、キーボード441、マウス442等の入力装置と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース45は、CRTモニタ、LCD等の表示装置451と接続され、所定の画像を表示する。
【0044】
通信インタフェース46は内部バス48に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信することが可能となっている。また、通信線を介してCPUユニット2へデータ送受信することが可能となっている。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態に係る録画装置4の機能を示す機能ブロック図である。図3において、開始・停止指示受付部301は、プログラマブルコントローラ1の動作状況を監視する表示画面の録画を開始する開始指示、又は録画を停止する停止指示を受け付ける。開始指示又は停止指示を受け付ける方法は特に限定されるものではなく、例えば画面上に表示されている開始ボタン又は停止ボタンが、マウス442でクリック操作されたことを検知した場合に、開始指示又は停止指示を受け付ける。
【0046】
動画像記憶部302は、表示装置451に表示される動画像データをそのまま記憶するのではなく、記憶容量を削減する新たなデータ構造により画像履歴情報記憶部431に記憶する。すなわち、先頭画像データ記憶部311は、開始指示を受け付けた時点で表示装置451に表示されている画面を先頭画像データとして画像履歴情報記憶部431に記憶する。
【0047】
次に、変更検知部312は、表示装置451に表示されている画面が先頭画像データから変更されたこと、又は直前に記憶された画像データと異なる画像データに変更されたことを検知する。変更を検知する方法は特に限定されるものではないが、例えばラダープログラムに情報が付加された場合に、情報が付加された画面上の位置情報と、該位置情報に対応する画像情報とを直接検知する方法が好ましい(以下、信号フック法という)。すなわち、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断することにより、変更信号として変更された画像の位置情報及び画像情報を取得することができ、先頭画像データからの差分画像データ、又は直前に記憶された画像データからの差分画像データを直接的に取得することが可能となる。
【0048】
一方、マイクロソフト社製のオペレーションシステムであるウインドウズ(登録商標)では、表示画面が変更された場合には何らかのイベントの発生を検知することができる(以下、画面フック法という)。したがって、イベントが発生したことを検知した場合、該イベントが表示画面を変更するか否かを判断することにより、表示画面の変更を検知することができる。この場合、発生したイベントにより変更された表示画面の位置情報のみを取得することができるので、取得した位置情報に基づいて、先頭画像データからの差分画像データ、又は直前に記憶された画像データからの差分画像データを取得する必要が生じる。
【0049】
変更を検知する方法として信号フック法、画面フック法等の複数の方法を実行することが可能としておき、検知方法の選択を受け付けても良い。これにより、適切な検知方法により画面の変更を検知することができる。この場合、検知方法の選択を受け付けないときには、信号フック法を選択することが好ましい。特に選択を受け付けない場合には信号フック法を採用するようにしておくことで、直接的に差分画像データを取得することが可能となる。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態に係る録画装置4の変更検知処理及び差分画像データ取得処理の手順を示すフローチャートである。図4に示すように、録画装置4の制御部41は、検知方法の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS401)。検知方法の選択は、例えば設定画面等におけるパラメータ設定を受け付けても良いし、特に限定されるものではない。
【0051】
制御部41が、検知方法の選択を受け付けたと判断した場合(ステップS401:YES)、制御部41は、選択を受け付けた検知方法が信号フック法であるか否かを判断する(ステップS402)。制御部41が、選択を受け付けた検知方法が信号フック法であると判断した場合(ステップS402:YES)、又は検知方法の選択を受け付けていないと判断した場合(ステップS401:NO)、制御部41は、表示画面が変更されたか否かを判断する(ステップS403)。
【0052】
制御部41が、表示画面が変更されていないと判断した場合(ステップS403:NO)、制御部41は、表示画面の監視状態となる。制御部41が、表示画面が変更されたと判断した場合(ステップS403:YES)、制御部41は、変更される前の表示画面との差分画像データを取得する(ステップS404)。
【0053】
制御部41が、選択を受け付けた検知方法が信号フック法ではないと判断した場合(ステップS402:NO)、制御部41は、指定を受け付けた検知方法が画面フック法であると判断し、何らかのイベントが発生したか否かを検知する(ステップS405)。制御部41が、何らかのイベントが発生したことを検知した場合(ステップS405:YES)、制御部41は、画面が変更されたか否かを判断する(ステップS406)。
【0054】
制御部41が、画面が変更されていないと判断した場合(ステップS406:NO)、又は何らイベントが発生したことを検知しない場合(ステップS405:NO)、制御部41は、新たなイベントの発生待ち状態となる。制御部41が、画面が変更されたと判断した場合(ステップS406:YES)、制御部41は、画面が変更された部分の位置情報を取得し(ステップS407)、取得した位置情報に基づいて、先頭画像データ及び/又は差分画像データと比較して変更された差分に相当する差分画像データを取得する(ステップS408)。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態に係る録画装置4で記憶される差分画像データの内容を示すイメージ図である。図5の例では、プログラマブルコントローラ1の動作状況を示すラダー図の表示画面及び取得する画像データの一例を示している。図5(a)〜(c)は、ラダー図の表示画面の一例を、図5(d)〜(f)は、表示画面に対応した画像データの一例を、それぞれ示す。
【0056】
図5(a)のラダー図は、開始指示を受け付けた時点の表示画面である。図5(a)には2つのコマンドが記載してあり、図5(a)の表示画面自体を図5(d)に示す先頭画像データとして取得し、画像履歴情報記憶部431に記憶する。なお、先頭画像データとして、開始指示を受け付けた時点の表示画面そのものを取得することに限定されるものではなく、ブランク画像との間の差分画像データとして取得しても良い。この場合、画像履歴情報記憶部431に記憶されている差分画像データを、ブランク画像に順次重ね合わせることで、任意の時点における表示画面を復元することができる。
【0057】
図5(b)では、最初のコマンドが実行済みであることを示すように、黒く塗りつぶした方形51が記載されている。この場合、方形51が記載された図5(b)に対応する画像データを記憶するのではなく、図5(e)に示すように、更新された方形52のみを記載してある差分画像データを取得し、画像履歴情報記憶部431に記憶する。
【0058】
同様に、図5(c)では、2番目のコマンドも実行済みであることを示すように、黒く塗りつぶした円形53が記載されている。この場合も、円形53が記載された図5(c)に対応する画像データを記憶するのではなく、図5(f)に示すように、更新された円形54のみを記載してある差分画像データを取得し、画像履歴情報記憶部431に記憶する。
【0059】
図3に示すように、差分画像データ記憶部313は、上述したような処理により取得した差分画像データを画像履歴情報記憶部431に記憶する。タイムスタンプ情報記憶部314は、先頭画像データを記憶した時点からの経過時間をタイムスタンプ情報として記憶する。具体的には、先頭画像データを取得してから次の差分画像データを取得するまでの経過時間、差分画像データを取得してから次の差分画像データを取得するまでの経過時間が、所定時間よりも短い場合には、所定時間間隔でタイムスタンプ情報を記憶する。また、所定時間よりも長い場合については、次の差分画像データを取得するまでの経過時間を、取得した差分画像データに対応付けて記憶する。タイムスタンプ情報は、基準となる時刻、例えば先頭画像データを取得した時点からの経過時間に基づいて時間間隔を算出しても良いし、差分画像データを取得した時点からの経過時間を直接計時しても良い。
【0060】
なお、画像データを取得した時点とは、画像データを記憶装置43へ記憶する処理の開始時、記憶する処理の開始時から終了時までの所定の時刻、画像データを記憶装置43へ記憶する処理の終了時等を含む広い概念である。また、タイムスタンプ情報は独立して記憶されるものではなく、差分画像データに対応付けて記憶される。
【0061】
図6は、本発明の実施の形態に係る録画装置4の、タイムスタンプ情報を含む画像履歴情報記憶部431に記憶するデータ構造の例示図である。図6の例では、タイムスタンプ情報を、先頭画像データを記憶した時点から1msごとに記憶する。1ms以内の間隔で差分画像データを記憶した場合には、タイムスタンプ情報とタイムスタンプ情報との間に一又は複数の差分画像データを記憶する。
【0062】
一方、1msを超えても差分画像データを記憶しない場合には、1msごとのタイムスタンプ情報を記憶することなく計時を継続し、差分画像データを記憶した時点で、その時刻を差分画像データに対応付けてタイムスタンプ情報として記憶する。図6の例では、100msというタイムスタンプ情報を、差分画像データに対応付けて記憶する。なお、図6に示す「マウス位置データ」は、画面上におけるマウス操作で変動するカーソルの位置情報である。
【0063】
図7は、本発明の実施の形態に係る録画装置4の録画処理の手順を示すフローチャートである。録画装置4の制御部41は、録画の開始指示を受け付け(ステップS701)、開始指示を受け付けた時点で表示装置451に表示されている画面を先頭画像データとして画像履歴情報記憶部431に記憶する(ステップS702)。また、制御部41は、開始指示を受け付けた時点で、内蔵するタイマを用いて計時を開始する(ステップS703)。なお、計時の開始は、開始指示の受け付け時点に限定されるものではなく、先頭画像データを取得した時点、すなわち先頭画像データを画像履歴情報記憶部431へ記憶する処理の開始時、記憶する処理の開始時から終了時までの所定の時刻、先頭画像データを画像履歴情報記憶部431へ記憶する処理の終了時等のいずれであっても良い。
【0064】
制御部41は、表示画面の変更を検知したか否かを判断し(ステップS704)、制御部41が、表示画面の変更を検知したと判断した場合(ステップS704:YES)、制御部41は、差分画像データを画像履歴情報記憶部431に記憶し(ステップS705)、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS706)。制御部41が、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS706:NO)、制御部41は、表示画面の変更を検知したか否かを判断する(ステップS707)。
【0065】
制御部41が、表示画面の変更を検知したと判断した場合(ステップS707:YES)、制御部41は、処理をステップS705へ戻して上述した処理を繰り返す。制御部41が、表示画面の変更を検知していないと判断した場合(ステップS707:NO)、制御部41は、処理をステップS706へ戻して上述した処理を繰り返す。
【0066】
制御部41が、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS706:YES)、制御部41は、所定時間ごとのタイムスタンプ情報を画像履歴情報記憶部431に記憶し(ステップS708)、計時をゼロにリセットする(ステップS709)。制御部41は、録画の終了指示を受け付けたか否かを判断し(ステップS710)、制御部41が、録画の終了指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS710:NO)、制御部41は、処理をステップS704へ戻して上述した処理を繰り返す。制御部41が、録画の終了指示を受け付けたと判断した場合(ステップS710:YES)、制御部41は、処理を終了する。
【0067】
制御部41が、表示画面の変更を検知していないと判断した場合(ステップS704:NO)、制御部41は、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS711)。制御部41が、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS711:NO)、制御部41は、処理をステップS704へ戻して上述した処理を繰り返す。
【0068】
制御部41が、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS711:YES)、制御部41は、表示画面の変更を検知したか否かを判断する(ステップS712)。制御部41が、表示画面の変更を検知していないと判断した場合(ステップS712:NO)、制御部41は、検知待ち状態となる。
【0069】
制御部41が、表示画面の変更を検知したと判断した場合(ステップS712:YES)、制御部41は、差分画像データを画像履歴情報記憶部431に記憶し(ステップS713)、変更を検知するまでの経過時間をタイムスタンプ情報として画像履歴情報記憶部431に記憶する(ステップS714)。制御部41は、処理をステップS709へ進めて、上述した処理を続行する。このようにすることで、図6に示すようなデータ構造にて画像履歴情報記憶部431に表示画面の遷移が記憶される。
【0070】
このように、先頭画像データ、差分画像データ及びタイムスタンプ情報を画像履歴情報記憶部431に記憶することにより、再生時には、先頭画像データから再生を開始し、タイムスタンプ情報に従って差分画像データを順次重ね合わせることにより、動画像データとして再生することが可能となる。
【0071】
なお、録画する対象は、表示画面全体であっても良いし、表示画面のうち必要となる部分だけであっても良い。すなわち、図3に示す録画領域指定受付部304を設けておき、録画する対象となる表示画面の画像データの全部又は一部を録画領域として指定を受け付けても良い。
【0072】
図8は、表示画面の一部を録画領域として指定する場合の画面の例示図である。図8に示すように、表示画面81全体を録画する対象とするのではなく、例えばマウス442のドラッグ操作等を実行するボタン類を配置してある領域を回避して、録画領域82として指定を受け付ける。これにより、録画領域82に相当する画像データのみが記憶され、差分画像データも録画領域82内での画面の遷移に対応して記憶される。
【0073】
また、録画の開始指示の受付、停止指示の受付等は、録画領域82の外部に配置してあるボタン等を用いて受け付けることが好ましい。録画領域82内にマウス442の操作によるカーソルの映り込みが生じるため、不要な差分画像データが大量に記憶されるおそれがあるからである。
【0074】
図8の例では、録画ボタン(開始ボタン)831、録画を一時停止する一時停止ボタン832、停止ボタン833、録画条件を設定する設定ボタン834等を集約した操作領域83が録画する対象に含まれないように録画領域82を指定することにより、マウス442の操作によるカーソルの映り込みを画面の変更として検知することなく、録画領域82内の差分画像データを記憶することができる。
【0075】
なお、一時停止ボタン832は、表示画面の録画の一時停止指示を受け付ける、図3に示す一時停止指示受付部303として機能する。すなわち、録画ボタン831により録画の開始指示を受け付けた後、一時停止ボタン832により一時停止指示を受け付けた場合、差分画像データの記憶及び経過時間の計時を一時停止する。そして、再び録画ボタン831により録画の開始指示を受け付けた場合、差分画像データの記憶及び経過時間の計時を再開する。停止ボタン833により停止指示を受け付けた場合、最初に録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでを一の動画像データとして、画像履歴情報記憶部431に記憶する。
【0076】
また、一時停止ボタン832は、録画ボタン831と停止ボタン833との間に配置されており、録画ボタン831、一時停止ボタン832、及び停止ボタン833を一列に配列して表示してある。これにより、右利きのユーザにとってマウス操作に使い勝手の良いユーザインタフェースを提供することができるとともに、視覚的に誤った操作を回避することもできる。
【0077】
さらに、設定ボタン834で設定することが可能な録画条件は、例えば表示画面の変更を検知する方法として、信号フック法を採用するのか画面フック法を採用するのかの選択、差分画像データの取得間隔の選択、画質の選択、最大録画時間の選択等、差分画像データを取得するために必要な条件であれば、特に限定されるものではない。
【0078】
以上のように本実施の形態によれば、拡張ユニット3の動作状況を監視しているコンピュータの表示画面の遷移を示す動画像データを常時取得する必要がなく、表示画面の変更を検知した時点で差分画像データ及びタイムスタンプ情報を随時記憶することで、動画像データの記憶容量を大きく圧縮することが可能となる。例えば、変更を検知するまでの経過時間が1ms以下である場合には定期的にタイムスタンプ情報を記憶し、変更を検知しない時間が10ms以上となっている場合にはタイムスタンプ情報を10ms、100ms、1s等の単位でまとめた値として記憶することにより、全体として動画像データの記憶容量を大幅に削減することができる。したがって、少ない記憶容量でコンピュータの表示画面を監視する動画像データを記憶しておくことができ、障害の発生時等に発生原因を容易に特定することも可能となる。
【0079】
また、表示画面にて拡張ユニット3の動作状況をモニタ値として取得することもできる。例えば、監視対象となる拡張ユニット3の選択を受け付けることにより、拡張ユニット3ごとにモニタ値を取得することができる。
【0080】
具体的には、拡張ユニット3、3、・・・として複数のデバイスを事前に記憶装置43に記憶しておき、どのデバイスを監視対象とするか、例えばプルダウンメニューからの選択を受け付ける。選択を受け付けたデバイスのモニタ値を、表示画面の遷移を示す動画像データと同期させて常時表示することで、デバイスの動作状況を表示画面で把握することが可能となる。
【0081】
さらに、障害発生時に現地の技術者の作業を円滑に進めるために、障害発生機器に詳しい技術者が、障害情報を収集するプログラムを作成しておき、該プログラムの実行時の動画像データを取得するようにしても良い。この場合、障害情報を収集するプログラムごとの設定ファイルを事前に作成しておき、現地の技術者へ送信する。図9は、事前に作成された設定ファイルの例示図である。
【0082】
図9の例では、モジュール名は、障害情報の収集のために実行されるラダー形式のプログラム名を示す。行番号及び列番号は、該プログラムの録画対象部分を示し、録画時間は動画像データとして録画される時間を示している。現地の技術者は、モジュール名を選択することで、障害情報を収集するプログラムの動作状況を録画することができ、録画した動画像データを障害発生機器に詳しい技術者へ送信することにより、障害発生原因等の究明を早期にしかも確実に行うことが可能となる。
【0083】
また、録画領域82内にてマウス442等の操作によりフリーハンドで文字等を記載した場合のマウス位置データを記憶することもできる。図10は、マウス442等の操作によりフリーハンドで文字等を記載した場合の表示画面の例示図である。図10の例では、録画領域82内にてマウス442等の操作によりフリーハンドで記載した文字等を、マウス位置データとして画像履歴情報記憶部431に記憶している。これにより、画像履歴情報記憶部431に記憶してある先頭画像データ、差分画像データ、タイムスタンプ情報に加えて、マウス位置データを用いることにより、フリーハンドでの文字等の記載も含めて再生することが可能となる。
【0084】
さらに、所定の時点を確実に再生することができるように、再生時点のタイムスタンプ情報に対応付けたテキストデータを記憶することもできる。図11は、キーボード441でキーインする場合の表示画面の例示図である。図11に示すように、図11(a)の画面を再生することが出来るように、表示画面が図11(a)となった時点でキーボード441からテキストデータをキーインし、タイムスタンプ情報と対応付けて記憶する。そして、図11(b)に示すようなテキストデータの一覧表示画面から、キーインされたテキストデータの選択を受け付けることにより、選択を受け付けたテキストデータが記憶された時点の表示画面を再生することが可能となる。
【0085】
また、操作したマウス等のイメージ図を、表示画面に重ね合わせて記憶しても良い。図12は、マウスの操作画面を加えた表示画面の例示図である。図12に示すように、マウス442のイメージ図を表示画面に重ね合わせて表示し、クリック操作されたのが、左クリックであるのか、右クリックであるのかを示す記号を記載する。図12の例では、左クリック操作されたことを示す記号が追記されていることから、左クリック操作であることを目視確認することができる。
【0086】
その他、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0087】
1 プログラマブルコントローラ
2 CPUユニット
3、3a、3b 拡張ユニット
4 録画装置
5 被制御機器
41 制御部
42 メモリ
43 記憶装置
44 I/Oインタフェース
45 ビデオインタフェース
46 通信インタフェース
47 可搬型ディスクドライブ
431 画像履歴情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータの表示画面を録画する録画装置において、
前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付ける開始・停止指示受付手段と、
該開始・停止指示受付手段が前記録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶する動画像記憶手段と
を備え、
前記動画像記憶手段は、
前記先頭画像データを記憶する先頭画像データ記憶手段と、
表示画面の変更を検知する変更検知手段と、
前記録画の開始指示を受け付けた後、該変更検知手段が、前記表示画面の変更を検知した場合、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶する差分画像データ記憶手段と、
該差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、該所定時間を超えていると判断した場合、前記経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶するタイムスタンプ情報記憶手段と
を備えることを特徴とする録画装置。
【請求項2】
前記変更検知手段は、
イベントが発生したか否かを検知するイベント検知手段と、
該イベント検知手段が、イベントが発生したことを検知した場合、該イベントが表示画面を変更するか否かを判断するイベント判断手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項3】
前記変更検知手段は、
前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する変更判断手段を備えることを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項4】
前記変更検知手段の選択を受け付ける検知方法選択受付手段を備え、
該検知方法選択受付手段で選択を受け付けていない場合、前記変更検知手段は、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項5】
前記表示画面の録画の一時停止指示を受け付ける一時停止指示受付手段を備え、
録画の開始指示を受け付けた後、一時停止指示を受け付け、再び録画の開始指示を受け付けた後に停止指示を受け付けた場合、前記動画像記憶手段は、前記開始・停止指示受付手段が最初に録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの一連の表示画面を一の動画像データとして記憶するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の録画装置。
【請求項6】
前記開始・停止指示受付手段は、開始ボタン及び停止ボタンで構成してあり、
前記一時停止指示受付手段は、一時停止ボタンで構成してあり、
前記一時停止ボタンは、前記開始ボタンと前記停止ボタンとの間に配置され、前記開始ボタン、前記一時停止ボタン、及び前記停止ボタンを一列に配列して表示するようにしてあることを特徴とする請求項5記載の録画装置。
【請求項7】
録画する対象となる前記表示画面の画像データの全部又は一部を録画領域として指定を受け付ける録画領域指定受付手段を備え、
前記動画像記憶手段は、前記表示画面のうち前記録画領域内の画面の遷移を動画像データとして記憶するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の録画装置。
【請求項8】
前記開始・停止指示受付手段を、前記録画領域外に配置するようにしてあることを特徴とする請求項7記載の録画装置。
【請求項9】
被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータの表示画面を録画する録画方法において、
前記コンピュータは、
前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付け、
前記録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶するとともに、
前記先頭画像データを記憶し、
表示画面の変更を検知し、
前記録画の開始指示を受け付けた後、前記表示画面の変更を検知した場合、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶し、
該差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、該所定時間を超えていると判断した場合、前記経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶することを特徴とする録画方法。
【請求項10】
被制御機器に接続してある複数の拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、拡張ユニットの動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラとデータ送受信することが可能に接続してあり、該プログラマブルコントローラとデータ送受信することにより前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記拡張ユニットの動作状況をラダー形式で表示したラダー図を含む表示画面の、録画の開始指示及び停止指示を受け付ける開始・停止指示受付手段、及び
該開始・停止指示受付手段が前記録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの表示画面の遷移を、開始指示を受け付けた時点での表示画面の画像データである先頭画像データと、該先頭画像データに続く複数の差分画像データと、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データを取得した時点からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを含む一の動画像データとして記憶する動画像記憶手段
として機能させ、
前記動画像記憶手段を、
前記先頭画像データを記憶する先頭画像データ記憶手段、
表示画面の変更を検知する変更検知手段、
前記録画の開始指示を受け付けた後、該変更検知手段が、前記表示画面の変更を検知した場合、前記先頭画像データ及び/又は前記差分画像データから変更された差分に相当する差分画像データを記憶する差分画像データ記憶手段、及び
該差分画像データを取得した時点での経過時間が所定時間を超えているか否かを判断し、該所定時間を超えていると判断した場合、前記経過時間に対応するタイムスタンプ情報を記憶するタイムスタンプ情報記憶手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記変更検知手段を、
イベントが発生したか否かを検知するイベント検知手段、及び
該イベント検知手段が、イベントが発生したことを検知した場合、該イベントが表示画面を変更するか否かを判断するイベント判断手段
として機能させることを特徴とする請求項10記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記変更検知手段を、
前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する変更判断手段として機能させることを特徴とする請求項10記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータを、
前記変更検知手段の選択を受け付ける検知方法選択受付手段として機能させ、
該検知方法選択受付手段で選択を受け付けていない場合、前記変更検知手段を、前回変更が検知された時点の表示画面から変更されているか否かを判断する手段として機能させることを特徴とする請求項10記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、
前記表示画面の録画の一時停止指示を受け付ける一時停止指示受付手段として機能させ、
録画の開始指示を受け付けた後、一時停止指示を受け付け、再び録画の開始指示を受け付けた後に停止指示を受け付けた場合、前記動画像記憶手段を、前記開始・停止指示受付手段が最初に録画の開始指示を受け付けてから停止指示を受け付けるまでの一連の表示画面を一の動画像データとして記憶する手段として機能させることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを、
録画する対象となる前記表示画面の画像データの全部又は一部を録画領域として指定を受け付ける録画領域指定受付手段として機能させ、
前記動画像記憶手段を、前記表示画面のうち前記録画領域内の画面の遷移を動画像データとして記憶する手段として機能させることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−28563(P2011−28563A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174468(P2009−174468)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】