説明

録画装置

【課題】受信した番組中のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンを含む部分のみを録画して、録画量の削減を図る。
【解決手段】録画装置1は、チューナ部2で受信した動画又は外部機器接続部3で取得した動画をDVDドライブ部7を用いてDVDに録画する。録画の際、ハイライト録画指示をユーザから受け付けると、録画対象の動画の音声レベルを基準音声レベルと比較し、基準音声レベル以上になるレベル超過場面と、レベル超過場面から連続して基準音声レベル以上になる範囲の終点場面とを検出すると共に、レベル超過場面から終点場面までの範囲、レベル超過場面の前方範囲、及び終点場面の後方範囲を録画対象部分として特定し、特定した録画対象部分のみをDVDへ録画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信したテレビジョン放送の番組などを記録媒体に録画する際に、番組中のハイライトシーンに応じた部分だけを録画して、録画に必要な記録量を削減できるようにした録画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの操作に基づくマニュアル操作又は録画予約により、テレビジョン放送の番組を受信して録画する録画装置が存在する。録画装置が録画に用いる記録媒体としては磁気テープ、光ディスク(DVD−R、DVD−RW、BD、HD DVD等)、半導体メモリ、及びハードディスク装置などがある。なお、録画の対象としてテレビジョン放送の番組以外にもデジタルビデオカメラ及び再生装置と云った外部機器が有する動画も含められるように、録画装置は外部機器を接続して動画を取得するための外部接続端子を設けている。
【0003】
一方、記録媒体に録画したテレビジョン放送の番組を再生する場合、録画番組のハイライト部分を効率的に視聴できるようにした記録再生装置が特許文献1で開示されている。この特許文献1の記録再生装置は、再生される番組の画像内容又は音声内容に基づいて番組内の盛り上がり部分(ハイライトシーン)の位置を検出し、その検出位置を中心に前後の区間を通常再生し、それ以外の区間を早送り再生するものである。
【特許文献1】特開平11−55613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の録画装置は一般的に、ユーザが指定する時間単位又は番組単位で録画を行うので、録画内容には番組中のハイライトシーン以外に、おもしろさに欠けるシーン及び盛り上がりに欠けるシーンなどの非ハイライトシーンも含まれる。この非ハイライトシーンは、おもしろさを求めるユーザには重要でないため、録画用の記録媒体の記録領域を非ハイライトシーンで無用に占有して、記録領域を浪費すると云う問題がある。特に、この問題は、ハードディスク装置に比べて記録可能な容量が小さい記録媒体(DVD−R、DVD−RW、及び半導体メモリなど)を用いるときに顕著となる。
【0005】
なお、録画装置の中には、ユーザのマニュアル操作により録画した内容を編集できる機能を有するものがあり、この編集機能を用いることで非ハイライトシーンを削除することも可能である。しかし、非ハイライトシーンを削除する編集を行うには、ユーザは録画したテレビジョン放送番組の内容を逐次確認して非ハイライトシーンの範囲を特定し、その特定した範囲を削除する作業が要求されるため、ハイライトシーンのみを記録媒体に残して記録領域の空きを確保するにはユーザに多大な編集負担がかかる。
【0006】
また、特許文献1に係る記録再生装置は、再生対象の番組を全て録画して、再生時にハイライトシーンを効率的に視聴できるように再生速度を制御することを目的にしており、ハイライトシーンのみを自動的に録画することまで行えないので、記録領域の浪費防止には利用できない。
【0007】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、外部から取得した録画対象に含まれるハイライトシーンに応じた部分だけを記録媒体に残して録画に要する記録量を削減し、記録媒体の記録領域を節約できるようにした録画装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、ハイライトシーンの前後も適宜録画対象に含ませることで、記録量を削減した場合でも、録画内容を再生したときにハイライトシーンへ至る過程及びハイライトシーンの経過後の余韻などもユーザが楽しめるようにした録画装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、ハイライトシーンの前後も録画対象に含ませた場合で、短い時間間隔で録画対象が続くときは、録画内容に重複箇所が生じないように無駄なく録画を行えるようにした録画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る録画装置は、外部から動画を取得する動画取得手段を備え、取得した動画を記録媒体に録画する録画装置において、取得した動画に含まれるハイライトに応じた部分を録画するハイライト録画指示を受け付ける手段と、ハイライト録画指示を受け付けた場合、取得した動画の内容を基準レベルに対して比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に基づいて基準レベルを超える動画中のレベル超過場面を検出する検出手段と、該検出手段が検出したレベル超過場面を含む範囲を録画対象部分に特定する特定手段と、前記録画対象部分を記録媒体に録画する録画手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、ユーザからハイライト録画指示を受け付けると、基準レベルを超える動画中のレベル超過場面を検出すると共に、検出したレベル超過場面を含む範囲を録画対象部分として録画するので、ユーザは編集作業を行わなくても、ハイライトに応じた部分を自動で録画でき、ハイライトシーンを集めた記録媒体を容易に作成できる。なお本発明の録画装置の録画対象にする動画は、テレビジョン放送の番組は勿論のこと、デジタルビデオカメラのような外部機器から取得した動画も含む。
【0010】
また、動画の内容を基準レベルに対して比較する処理の具体例としては、動画を構成する画像の変化(画像に含まれる物体の移動に係るベクトル量、背景の変化の具合)を予め規定した画像の基準変化レベルと比較すること、動画に含まれる音声に係るレベル(音声レベル、音声のピークスペクトル、音声の信号レベルなど)を基準音声レベルと比較することが挙げられる。特に、音声に係るレベルを基準音声レベルと比較する場合では、音声の変化とハイライトシーンが密接に関連する各種スポーツ番組、お笑い番組を録画対象にしたとき、動画の画像内容に左右されることなくハイライトシーンを的確に録画しやすくなる。
【0011】
本発明に係る録画装置は、記動画取得手段が取得した動画を仮記録する仮記録手段を備え、前記録画手段は、前記仮記録手段が仮記録した動画の中から前記特定手段が特定した前記録画対象部分を読み出して録画するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、動画取得手段が取得した動画を一旦バッファ的に仮記録するので、仮記録した動画に対して基準レベルとの比較、レベル超過場面の検出、及び録画対象部分の特定と云った各処理を行えるようになり、動画取得手段が動画を取得するスピードに合わせて各処理を行わずに済み、録画装置の処理負担を低減できる。また、取得した動画を仮記録することで、動画取得手段が実際に動画を取得した時刻に関係なく録画対象部分を特定できるようになり、例えば、動画を取得した時刻を遡る前方の範囲も、動画の取得後に録画対象部分に含めて録画することが可能になる。
【0013】
本発明に係る録画装置は、外部から動画を取得する動画取得手段を備え、取得した動画を記録媒体に録画する録画装置において、取得した動画に含まれるハイライトに応じた部分を録画するハイライト録画指示を受け付ける手段と、ハイライト録画指示を受け付けた場合、取得した動画を記録媒体に録画する手段と、取得した動画の内容を基準レベルに対して比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に基づいて基準レベルを超える動画中のレベル超過場面を検出する検出手段と、該検出手段が検出したレベル超過場面を含む範囲を録画対象部分に特定する特定手段と、録画された動画中の前記特定手段により特定された録画対象部分に該当しない部分を削除する手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、ユーザからハイライト録画指示を受け付けると、取得した動画を一旦録画する一方、基準レベルを超える動画中のレベル超過場面を検出して、その検出したレベル超過場面を含む範囲を録画対象部分として特定し、録画した動画の中から録画対象部分に該当しない部分を削除するので、結果として録画対象部分のみが記録媒体に残る。そのため、ユーザが手間のかかる編集作業を行わなくても、ハイライトに応じた部分を自動録画でき、記録媒体の記録領域を浪費することを防止できる。さらに、動画を一旦録画することで、動画取得手段が動画を取得するスピードに合わせて各処理を行わずに済み、録画装置の処理負担を低減できると共に、動画取得手段が実際に動画を取得した時刻に関係なく録画対象部分を特定できるようになる。
【0015】
本発明に係る録画装置は、前記特定手段は、前記レベル超過場面から時間的に前方の前方範囲及び/又は前記レベル超過場面から時間的に後方の後方範囲を録画対象部分に含めるようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、レベル超過場面の前方範囲と後方範囲とのいずれか一方又は両方を録画対象部分に含めるので、前方範囲を含める場合はレベル超過場面に至る過程も録画でき、後方範囲を含める場合はレベル超過場面に続く内容も録画でき、ハイライトシーンを含む適度の範囲を確実に録画できるようになる。
【0016】
本発明に係る録画装置は、前記検出手段は、前記レベル超過場面から連続して基準レベル以上になる範囲の終点場面を検出する手段を備え、前記特定手段は、前記レベル超過場面から終点場面までの範囲と、前記レベル超過場面から時間的に前方の前方範囲及び/又は前記終点場面から時間的に後方の後方範囲とを録画対象部分に含めるようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、レベル超過場面から終点場面までの範囲を録画対象部分に含めるので、一定時間連続するハイライトシーンを確実に録画できる上、レベル超過場面の前方範囲と終点場面の後方範囲とのいずれか一方又は両方を録画対象部分に含めるので、ハイライトシーンの周辺内容も録画できる。即ち、前方範囲を録画対象部分に含めた場合、録画内容を再生すると、ユーザはハイライトシーンへ至る過程を確認でき、ハイライトシーンの理解を深められる。また、後方範囲を録画対象部分に含めた場合、録画内容を再生すると、ユーザは終点範囲の経過後の内容も確認でき、ハイライトシーンの余韻を楽しむことができる。
【0018】
本発明に係る録画装置は、前記特定手段が前方範囲及び/又は後方範囲を録画対象部分に含める場合で複数の録画対象部分を特定するとき、時間的に前後する録画対象部分が重複するか否かを検出する重複検出手段を備え、該重複検出手段が重複することを検出した場合、前記特定手段は時間的に前側の録画対象部分の開始点から時間的に後側の録画対象部分の終了点までを一つの録画対象部分として再特定するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、時間的に前後する録画対象部分が重複する場合、前側の録画対象部分の開始点から後側の録画対象部分の終了点までを連続して録画するので、重複箇所が計2回録画されることを解消でき、記録媒体の記録領域を無駄にすることを防止できると共に、短い間隔で前後する録画対象部分を一つにまとめて録画処理の効率化も図れる。
【0020】
本発明に係る録画装置は、前記前方範囲及び/又は後方範囲の時間を受け付ける時間受付手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前方範囲と後方範囲とのいずれか一方又は両方の時間を受け付けるため、時間を受け付けた方の範囲の長さをユーザが自由に調整できるようになる。そのため、ユーザの嗜好に応じて前後の時間調整が可能になり、例えば録画量が過度にならないように調整すること、ハイライトシーンの前後の範囲を長目に調整することなど、ハイライトシーンを含む録画対象部分を様々に調整できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にあっては、ハイライト録画指示の受け付けに応じてレベル超過場面を含む録画対象部分を録画するので、特別な編集作業無しでハイライトに応じた部分を自動的に録画でき、記録媒体の記録領域を節約できると共に、ハイライトシーンを集めた記録媒体も容易に作成できる。
【0022】
本発明にあっては、取得した動画を仮記録するので、仮記録した動画に対して基準レベルとの比較、レベル超過場面の検出、及び録画対象部分の特定と云った各処理を行うことができ、録画装置の処理負担を低減できる上、動画取得手段が実際に動画を取得した時刻に束縛されることなく録画対象部分を自由に特定できる。
本発明にあっては、動画を一旦録画することで、動画取得手段が動画を取得するスピードに合わせて各処理を行わずに済み、録画装置の処理負担を低減できると共に、動画取得手段が実際に動画を取得した時刻に関係なく録画対象部分を特定できる。
【0023】
本発明にあっては、レベル超過場面の前方範囲と後方範囲とのいずれか一方又は両方を録画対象部分に含めるので、ハイライトシーンを含む範囲を確実に録画できる。
本発明にあっては、レベル超過場面から終点場面までの範囲を録画対象部分に含めるので、ハイライトシーンが一定時間連続する場合でも確実に録画でき、また、レベル超過場面の前方範囲と終点場面の後方範囲とのいずれか一方又は両方を録画対象部分に含めるので、ユーザはハイライトシーンへ至る過程又はハイライトシーンの経過後の状況の少なくとも一方を確認でき、再生時にハイライトシーンを一段と楽しむことができる。
【0024】
本発明にあっては、時間的に前後する録画対象部分が重複する場合、前側の録画対象部分の開始点から後側の録画対象部分の終了点までを連続して録画するので、重複箇所を一つにまとめて録画処理の効率化を図れる。
本発明にあっては、前方範囲と後方範囲とのいずれか一方又は両方の時間を受け付けるため、時間を受け付けた方の範囲の時間長さをユーザが自由に調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る録画装置1の主要な内部構成を示すブロック図である。録画装置1は、着脱可能な記録媒体であるDVD(Digital Versatile Disk)を受け入れてDVDへの録画及び再生などを行うDVDドライブ部7を内蔵しており、テレビジョン放送の番組(動画)及び外部機器が有する動画などを取得し、取得した内容のハイライトシーンに応じた部分をDVDへ録画する機能を有する。以下、録画装置1が内部に有する各部2〜11を詳説する。
【0026】
チューナ部2は、受信アンテナ2aが接続されており、放送されるテレビジョン信号を受信して、テレビジョン放送の各種番組のデータ(音声を含む動画)を取得し、取得した動画のデータをデータ処理部4へ送る処理を行う。外部機器接続部3は、デジタルビデオカメラ及び動画再生装置(例えば、DVDプレーヤ)のような外部機器を接続する接続インタフェースであり、外部機器が出力するデータ(音声を含む動画)を取得してデータ処理部4へ送る処理を行う。
【0027】
データ処理部4は、データの出力処理及び記録処理を主に行う。出力処理には、チューナ部2又は外部機器接続部3から送られるデータの表示出力と、DVDドライブ部7がDVDから読み出したデータの再生出力がある。前者の場合、データ処理部4はチューナ部2及び外部機器接続部3から送られてきたデータを動画の映像信号及び音声信号に随時変換し、変換した映像信号及び音声信号をモニタ接続部5へ出力する。また、後者の場合、データ処理部4はDVDから読み出されたデータを継続的にコントロール部6を介して受け取り、受け取ったデータの再生変換処理を行って生成した動画の映像信号及び音声信号をモニタ接続部5へ出力する。
【0028】
なお、記録処理を行う場合、データ処理部4はチューナ部2又は外部機器接続部3から送られてきたデータを処理して記録用のデータに変換し、変換した記録用のデータをコントロール部6へ出力する。また、データ処理部4は外部のテレビジョン装置に図3(a)(b)に示すようなメニュー30、31を適宜表示するため、CPU9の第1メモリ9aに記録されたメニュー画像21をモニタ接続部5へ送る処理なども行う。
【0029】
モニタ接続部5は、動画を表示するモニタ画面及び音声を出力するスピーカを備える外部のテレビジョン装置の接続インタフェースであり、データ処理部4から出力されてきた映像信号及び音声信号などを、接続されたテレビジョン装置へ所定のタイミングで送り、テレビジョン装置で動画の映像表示及び音声出力を行えるようにする。
【0030】
コントロール部6は、所定量の動画のデータを一時的に記録できるバッファメモリ6aを内蔵しており、データ処理部4の処理内容に連動してデータの再生出力用の処理と、データの記録用の処理とを行う。データの再生出力用の処理を行う場合、コントロール部6は、DVDドライブ部7がDVDから読み出した動画のデータを順次、データ処理部4へ送る。また、記録用の処理を行う場合、コントロール部6はデータ処理部4から出力される記録用のデータをDVDドライブ部7へ送る。なお、コントロール部6のバッファメモリ6aは、ハイライトシーンに応じた部分およびその前後の部分を一時的に記録できる記録容量を確保している。
【0031】
DVDドライブ部7は、DVDを受け入れてデータの読み出し、書き込み(記録)、書き込まれたデータの削除などを行うものであり、受け入れたDVDを配置するトレイ、データの読み書きを行うピックアップ、ピックアップの駆動部、DVDの回転駆動部等を有する。なお、本実施形態のDVDドライブ部7は、データの書き込み可能なディスクとしてDVD−RW及びDVD−Rに対応し、録画用のデータ書き込み時のフォーマットとしてDVD−RWにはVRフォーマットを適用し、DVD−Rにビデオフォーマットを適用している。
【0032】
また、ハイライト検出部8は、ハイライトシーンに応じた録画を行う場合に作動するものであり、チューナ部2又は外部機器接続部3からデータ処理部4へ送られてきた動画のデータに含まれるハイライトに応じた場面を検出する処理を行う。本実施形態のハイライト検出部8は、動画に含まれる音声に基づきハイライトの位置を検出している。
【0033】
図2は、チューナ部2又は外部機器接続部3で取得した動画の音声レベルの変化を取得した時間に対応させて表したグラフであり、設定されている基準音声レベルを水平線の破線で示している。ハイライト検出部8は、取得された動画の音声レベルを基準音声レベルに対して随時比較すると共に、比較の結果に基づいて基準音声レベル未満の状態から基準音声レベル以上になる時刻(図2中の時刻t1、t3、t5)をレベル超過場面として検出し、さらに、レベル超過場面から連続して基準レベル以上になる範囲の終点場面に対応する時刻(図2中の時刻t2、t4、t6)を検出し、検出した結果をCPU9へ通知する。
【0034】
また、図1に示す操作部10は録画装置1の本体に設けられており、録画キー、停止キー、一時停止キー、上下左右キー及び決定キーなどの複数のキーを具備し、各キーがユーザに操作されることで、操作指示を受け付けてCPU9へ伝える。CPU9に繋がったリモコン受光部11は、装置本体とは別体のリモコン装置15からの遠隔操作用の信号光を受光し、受光した内容をCPU9へ伝えるものである。なお、リモコン装置15も操作部10と同様に複数のキーを具備し、ユーザからの操作指示を受け付け可能にしている。
【0035】
CPU9は、操作部10又はリモコン装置15で受け付けたユーザの操作指示に基づいて各部2〜8の作動状況を制御しており、第1メモリ9a及び第2メモリ9bを内蔵している。第1メモリ9aにはCPU9aの制御処理内容を規定したプログラム20及び図3(a)(b)に示す各種メニューに応じたOSD(On Screen Display)用のメニュー画像21を予め記録すると共に、設定される基準音声レベルの値なども記録する。また、第2メモリ9bには処理に伴うデータ及びファイル等を一時的に記録する。
【0036】
第1メモリ9aに記録されるプログラム20は、CPU9aが行う多数の処理の中で録画時の処理も勿論規定しており、ハイライトシーンの録画においてCPU9が行う処理内容を以下に説明する。
【0037】
操作部10又はリモコン装置15でユーザから録画キーの操作を受け付けると、録画装置1は、CPU9は、録画対象の動画の選択(テレビジョン放送又は外部機器の選択、テレビジョン放送が選択されたときは放送チャンネルの選択)、録画モードの選択などを行うための録画メニューをテレビジョン装置に表示して、ユーザからの選択を受け付けることになる。上述した録画メニューで所定の選択を受け付けると、CPU10は図3(a)に示す録画メニュー30をテレビジョン装置に表示する制御処理を行う。
【0038】
録画メニュー30は、通常録画ボタン30a及びハイライト録画ボタン30bを有しており、通常録画ボタン30aがユーザの操作により選択された場合、録画装置1は一般的な録画処理を行い、取得した動画を随時DVDに録画する。一方、録画メニュー30において、ハイライト録画ボタン30bが選択された場合、CPU9はハイライト録画指示を受け付けたことになり、図3(b)に示すハイライト録画設定メニュー31をテレビジョン装置に表示する処理を行う。
【0039】
ハイライト録画設定メニュー31は、基準音声レベル調整欄31a、前方範囲調整欄31b、後方範囲調整欄31c、OKボタン31d及びキャンセルボタン31eを有する。前方範囲調整欄31bの調整対象である前方範囲とは、図2に示すグラフにおいて、レベル超過場面に相当する時刻t1、t3、t5より時間の進行方向で前方の時間X1に応じた範囲を意味し、前方範囲調整欄31bでユーザの希望する時間X1の値を受け付け可能にしている。また、後方範囲調整欄31cの調整対象である後方範囲は、図2のグラフで終点場面に相当する時刻t2、t4、t6より時間の進行方向で後方の時間X2に応じた範囲を意味し、後方範囲調整欄31cでユーザの希望する時間X2の値を受け付ける。
【0040】
前方範囲調整欄31b及び後方範囲調整欄31cで受け付けた値は、それぞれ時間X1、時間X2の値として設定される。なお、時間X1及び時間X2は、それぞれデフォルトで30秒に設定されているが、0秒に設定することも可能であり、0秒に設定されたときは、前方範囲又は後方範囲自体が存在しなくなる。また、基準音声レベル調整欄31aは図2のグラフにおいて波線で示された基準音声レベルの値を設定するものであり、デフォルトの状態で標準に設定されている基準音声レベルをユーザの操作により単位レベルごとに増減可能になっている。
【0041】
各調整欄31a〜31cの設定後、OKボタン31dがユーザに選択されると、設定された内容がCPU9の第1メモリ9aに書き込まれてハイライトシーンの録画処理を開始する。一方、キャンセルボタン31eがユーザに選択されると、各調整欄31a〜31cで設定された内容は第1メモリ9aに書き込まれることなく図3(a)の録画メニュー30に戻る。
【0042】
図3(b)のハイライト録画設定メニュー31で、OKボタン31dが選択されて、ハイライトシーンの録画処理を開始すると、CPU9はチューナ部2又は外部機器接続部3で取得したデータをデータ処理部4で処理する際に、ハイライト検出部8を作動させて比較検出を行わせると共に、データ処理部4で処理された記録用のデータをコントロール部6のバッファメモリ6aへ順次、一時的に記録(仮記録)させる。さらにCPU9は、ハイライト検出部8の検出結果に基づいて録画対象部分(レベル超過場面を含むハイライトシーンに応じた部分)を特定し、その特定した録画対象部分をDVDドライブ部7を用いてDVDに録画する制御を行う。
【0043】
具体的な録画対象部分の特定に係る処理は、上述したハイライト検出部8による比較検出結果及びハイライト録画設定メニュー31で設定された内容に基づいてCPU9が行っている。例えば、図2に示す場合では、取得された動画の音声レベルに対してハイライト検出部8は検出したレベル超過場面の時刻t1、終点場面の時刻t2をCPU9へ通知し、CPU9は時刻t1から前方へ時間X1だけ戻った時刻T10(録画対象部分の開始点)と時刻t2から後方へ時間X2だけ進んだ時刻T11(録画対象部分の終了点)とで挟まれた範囲をバッファメモリ6aに記録されたデータの中から録画対象部分に特定し、特定した録画対象部分をバッファメモリ6aから読み出してDVDへ録画する制御を行う。以降、CPU9は上述した録画対象部分の特定及び録画に係る制御を、操作部10又はリモコン装置15でユーザにより停止キーが操作されて、録画停止の指示を受け付けるまで継続する。
【0044】
また、CPU9は、また、複数の録画対象部分を特定した場合、時間的に前後する録画対象部分が重複するか否かを検出し、重複することを検出したときは、前後の録画対象部分を一つの録画対象部分に再特定する処理を行う。詳しくは、前側の録画対象部分の終点場面の時刻から後側の録画対象部分のレベル超過場面の時刻までの間隔が時間X1及び時間X2の合計時間以下であるか否かをCPU9が判断し、合計時間以下である場合は前後の録画対象部分は重複すると判断してひとつにまとめる処理を行う。
【0045】
例えば、図2において、時刻T12〜T13の録画対象部分を特定した後に、時刻T14〜T15の録画対象部分を特定した場合、CPU9は前後の録画対象部分が重複するか否かを検出する。この場合、前側の録画対象部分における終点場面の時刻t4と、後側の録画対象部分におけるレベル超過場面の時刻t5との時間間隔(t5−t4)と、時間X2及び時間X1の合計時間(X2+X1)とをCPU9は比較する。
【0046】
図2の場合、CPU9は、時間間隔(t5−t4)が合計時間(X2+X1)以下であると判断し、それにともない、時刻T12〜T13の録画対象部分および時刻T14〜T15の録画対象部分を、時刻T12(前の録画対象部分の開始点)からT15(後の録画対象部分の終了点)まで連続した一つの録画対象部分として再特定する。このように前後の検出場面の間隔が短いときは、一つの録画対象部分にまとめることで、録画装置1は、重複した範囲(例えばT14〜T13)を2回録画することを防止すると共に、近接する録画対象部分が細切れになることも防止して、録画対象部分の数を減少し録画処理の効率化を図っている。なお、コントロール部6のバッファメモリ6aは、CPU9が上述したような録画対象部分の特定処理を行う上で必要な記録容量を確保しており、CPU9の処理が済んだ範囲のデータと、チューナ部2又は外部機器接続部3で取得された未処理のデータとを先入れ先出しで対処してデータの払い出し及び仮記録を順次行う。
【0047】
図4に示す第1フローチャートは、上述したCPU9の制御に基づく録画装置1の録画処理手順を整理したものである。以下、第1フローチャートに従って録画処理の流れを説明する。なお、以下の説明は、チューナ部2で取得(受信)したテレビジョン放送の番組をDVDに録画する場合に対応したものである。
【0048】
先ず、録画装置1は、録画キーの操作に伴って図3(a)に示す録画メニュー30を表示し、ハイライト録画ボタン30bが選択されてユーザからハイライト録画指示を受け付けたか否かを判断する(S1)。ハイライト録画指示を受け付けていない場合(S1:NO)、録画装置1は通常録画の指示を受け付けたか否かを判断し(S2)、通常録画の指示を受け付けた場合(S2:YES)、通常の録画処理を行う(S3)。それから録画停止の指示を受け付けたか否かを判断し(S4)、録画停止の指示を受け付けていない場合(S4:NO)、通常の録画処理の段階(S3)へ戻り、録画停止の指示を受け付けた場合(S4:YES)、録画装置1は録画処理を終了する。
【0049】
一方、最初の段階(S1)でハイライト録画指示を受け付けた場合(S1:YES)、図3(b)のハイライト録画設定メニュー31を表示して各種設定を受け付けてOKボタン31dが選択されたかを判断する(S5)。OKボタン31dが選択されていない場合(S5:NO)、選択待ちとなり、OKボタン31dが選択された場合(S5:YES)、録画装置1はハイライトシーンの録画処理を開始する。即ち、録画装置1はチューナ部2で受信した動画のデータをバッファメモリ6aに仮記録し(S6)、録画対象部分の特定処理を行い(S7)、特定した録画対象部分をバッファメモリ6aから読み出してDVDに録画するハイライト録画処理(S8)を行う。それから録画装置1は、録画停止の指示を受け付けたか否かを判断し(S9)、録画停止の指示を受け付けていない場合(S9:NO)、仮記録の段階(S6)へ戻ってハイライト録画処理を続行し、録画停止の指示を受け付けた場合(S9:YES)、ハイライト録画処理を終了する。
【0050】
図5に示す第2フローチャートは、図4の第1フローチャートにおける録画対象部分の特定(S7)の詳細な処理の流れを示している。詳しくは、録画装置1は録画対象部分の特定処理をスタートすると、チューナ部2で受信した動画場面の音声レベルが基準音声レベル以上であるか否かを比較判断する(S10)。受信した動画場面が基準音声レベル以上でないと判断した場合(S10:NO)、録画装置1は、音声レベルが基準音声レベル以上になるのを待つ状態になる。また、受信した動画場面が基準音声レベル以上であると判断した場合(S10:YES)、録画装置1は基準音声レベル以上になった場面をレベル超過画面として検出すると共に、そのレベル超過場面から時間X1の前方範囲が始まる時刻(例えば、図2の時刻T14)を録画対象部分の開始点として特定する(S11)。
【0051】
それから録画装置1は、チューナ部2で受信する動画場面の音声レベルが連続して基準音声レベル以上になっている状態から基準音声レベル未満になったか否かを判断する(S12)。受信する動画場面が基準音声レベル未満でないと判断した場合(S12:NO)、録画装置1は、音声レベルが基準音声レベル未満になるのを待つ状態になる。また、受信した動画場面が基準音声レベル未満であると判断した場合(S12:YES)、録画装置1は基準音声レベル未満になった場面を終点場面として検出すると共に、その終点場面から時間X2の後方範囲が終わる時刻(例えば、図2の時刻T15)を録画対象部分の終了点として特定する(S13)。
【0052】
さらに録画装置1は、特定した開始点及び終了点で規定される範囲の録画対象部分が録画を開始してから2番目以降の録画対象部分になるか否かを判断する(S14)。2番目以降でないと判断した場合(S14:NO)、即ち、録画対象部分が1番目であるときは、前後する録画対象部分が存在しないので、前後の録画対象部分の重複判断を行うことなく処理を終了する。また、開始点及び終了点を特定した録画対象部分が2番目以降である場合(S14:YES)、今回特定した録画対象部分と前回特定した録画対象部分とが重複するか否かを判断する(S15)。
【0053】
今回特定した録画対象部分における前方範囲の時間X1と、前回特定した録画対象部分における後方範囲の時間X2との合計時間が、前回特定した録画対象部分の終点場面(例えば、図2の時刻t4)から今回特定した録画対象部分のレベル超過場面(例えば、図2の時刻t5)までの時間間隔以上であるときは、前後の録画対象部分が重複すると判断される(S15:YES)。この場合、録画装置1は、前回特定した録画対象部分の開始点(例えば、図2の時刻T12)から今回特定した録画対象部分の終了点(例えば、図2の時刻T15)までを一つの録画対象部分として再特定する(S16)。また、前後の録画対象部分が重複しないと判断した場合(S15:NO)、録画装置1は録画対象部分の特定処理を終了する。なお、録画対象部分の特定処理で録画対象部分の再特定を行った場合のサイクルにおける図4の第1フローチャートでのハイライト録画処理(S7)では、再特定された録画対象部分の中の未録画部分(例えば、図2ではT13〜T15の範囲)をDVDへ録画することになる。
【0054】
録画装置1は、上述したような録画対象部分の特定処理を行うことで、図6に示すように、元の受信データ(0〜Ta)のハイライトシーンを含む録画対象部分のみを、ユーザが特別な編集作業を行うことなくDVDに録画するので、DVDに記録されるデータ量は、元の動画のデータ量に比べて格段に小さくなりDVDでの記録量を削減できる。また、このようなハイライト録画処理を行うことで、ハイライトシーンを含む場面を集めたDVDが自然と作成できるようになる。しかも、作成されたDVDにはハイライトシーンに連なる前後の範囲も含まれているので、このDVDを再生した場合、ハイライトシーンに至る経緯に加えてハイライトシーン後の余韻も確認でき、ハイライトシーンのみを集めた場合に比べて、ユーザが一段とハイライトシーンを楽しめる内容になっている。
【0055】
また、ハイライトシーンの前後の範囲は、図3(b)のハイライト録画設定メニュー31で時間の長短などを調整できるため、ユーザの好みに応じた設定を行うことで、ユーザの嗜好に応じた内容のDVDを手軽に作成できる。なお、上述した処理は、操作部10又はリモコン装置15での録画キーの操作によるマニュアル録画の場合で説明したが、録画予約の場合でも同様に、図3(a)に示す録画メニュー30を表示して通常録画とハイライト録画のいずれかを選択でき、ハイライト録画が選択された場合は、上記と同様にハイライトシーンを含む部分のみが記録媒体(DVD)に録画されることになる。
【0056】
また、本発明に係る録画装置1は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、録画用の記録媒体としては、DVD以外に、BD、HD DVDのような光ディスク、又は半導体メモリを適用でき、この場合は、各記録媒体に応じたドライブ部(リード・ライト部)を録画装置1に設けることになる。さらに、上記以外の記録媒体として内蔵式又は着脱式のハードディスク装置を用いることも勿論可能であり、ハードディスク装置を用いた場合は、ハードディスク装置の未記録領域をバッファメモリ6aの替わりに用いてもよい。このようにハードディスク装置の未記録領域をデータの仮記録用にする場合は、録画対象部分を特定する処理の際、より多くのデータを一時的に仮記録しやすくなるため、一つの録画対象部分が長時間になるとき、複数の録画対象部分を処理する必要があるときでも確実に仮記録を行える。
【0057】
また、ハードディスク装置のようなランダムアクセスが可能であると共に、一旦記録したデータを容易に削除可能な記録媒体を録画用に記録媒体にする場合は、上述した録画処理と異なる手法でハイライトシーンに応じた部分を記録媒体に残すようにすることも可能となる。この変形例の場合、録画装置1のハード的な構成は、図1に示す内容とほぼ同等であるが、録画用の記録媒体としてDVDドライブ7をハードディスク装置に置き換える構成になる。また、ハイライト録画時の処理は、チューナ部2又は外部機器接続部3で取得する録画対象のデータ(動画)を順次、ハードディスク装置に一旦録画してから、録画対象部分に該当しない部分を削除して、録画対象部分のみをハードディスク装置に残す内容になる。
【0058】
図7の第3フローチャートは、上述した変形例の処理手順を示している。この第3フローチャートにおいてS21〜S25及びS29の処理は、図4の第1フローチャートにおけるS1〜S5及びS9と同じなので説明を省略する。また、S25の処理で、図3(b)に示すOKボタン31dが選択された場合(S25:YES)、変形例の録画装置は受信した動画のデータをハードディスク装置へ順次記録する一方(S26)、録画対象部分の特定処理を行う(S27)。この録画対象部分の特定処理は、基本的には図5に示す第2フローチャートに示す手順と同様であるが、録画対象部分の開始点及び終了点の特定は、図8に示すようにハードディスク装置に記録したデータに対応付けて行い、特定した開始点(図8中の時刻T20、T22、T24、T26・・・)及び終了点(図8中の時刻T21、T23、T25、T27・・・)をハードディスク装置に記録する。
【0059】
最後に、変形例の録画装置は、記録した開始点及び終了点に基づき識別できる録画対象部分に該当しない部分(図8中の時刻0〜T20の部分、時刻T21〜T22の部分、時刻T23〜T24の部分、時刻T25〜T26の部分、T27〜T28の部分、T29〜T30の部分、T31〜T32の部分)をハードディスク装置から削除する(S28)。このような処理を行うことで、変形例の録画装置のハードディスク装置には、録画対象部分のみが残り、録画に要する記録量を削減できる。なお、ハードディスク装置に残った録画対象部分は、デフラグ処理を行って連続した記録箇所に収まるようにしてもよい。また、この変形例では、録画対象部分を特定するごとに、録画対象部分に該当しない部分を削除してもよく、さらに別の処理手順として取得した動画の最後まで先に録画対象部分を特定し、それから録画対象部分に該当しない部分をまとめて削除してもよい。
【0060】
また、録画対象部分の特定処理の変形例としては、特定処理の簡易化を図るため、終点場面(図2のグラフで時刻t2、t4、t6に応じた場面)の検出処理を省略することも可能である。この場合は、録画装置1は図9のグラフに示すように、レベル超過場面(図中の時刻t40、t41、t42、t43に応じた場面)を検出すると、その検出したレベル超過場面が予め設定された時間A(例えば10秒)以上、継続するか否かをCPU9が具備するタイマー機能で検出する。レベル超過場面が時間A以上であれば、レベル超過場面の開始時刻(t40、t41、t42、t43)から時間的に前側の前方範囲(時間X10の範囲)、及び時間的に後側の後方範囲(時間X20の範囲)を含む部分を録画対象部分として特定する。
【0061】
上述したように録画対象部分を特定する場合でも、時間的に前後する録画対象部分が重複するときは、前後する録画対象部分を連続した一つの録画対象部分にまとめる処理を行う。例えば、図9のグラフにおいて、時刻T54〜時刻T55の録画対象部分と、時刻T56〜時刻T57の録画対象部分が重複する場合(時刻t42から時刻t43までの時間間隔が、時間X20と時間X10の合計時間以下になる場合)、時刻T54〜時刻T57までを一つの録画対象部分として録画処理する。このように図9のグラフに示すパターンでハイライト録画処理を行うときは、受信した動画がハイライトシーンを細切れ的に含む場合などに効率良く録画を行える。なお、図9に示す録画対象部分の特定処理は、図7、8に示す変形例の処理(録画対象部分に該当しない部分を削除するパターン)にも適用可能である(以下の変形例も同様)。
【0062】
さらにまた、録画対象部分の設定に係る処理を簡略化する場合は、図3(b)のハイライト録画設定メニュー31において、前方範囲調整欄31bと後方範囲調整欄31cのいずれか一方を省略して、前方範囲又は後方範囲の一方だけを録画対象部分に含める仕様にしてもよい。また、ハイライトシーンに応じた部分(場面)の検出は、動画の音声レベルと基準音声レベルとの比較で行う以外に、動画の映像内容(例えば、映像中の物体の動きベクトル量、背景の動きベクトル量など)と基準映像レベル(例えば、基準動きベクトル量)との比較結果に基づいて行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る録画装置の主要な内部構成を示すブロック図である。
【図2】音声レベルと基準音声レベルとの比較で検出されるハイライトシーンを含む録画対象部分を示すグラフである。
【図3】(a)は録画メニューを示す概略図、(b)はハイライト録画設定メニューを示す概略図である。
【図4】録画処理の基本的な流れを示す第1フローチャートである。
【図5】録画対象部分の特定処理の流れを示す第2フローチャートである。
【図6】元の動画データと記録されたデータとを比較したグラフである。
【図7】変形例の録画処理の基本的な流れを示す第3フローチャートである。
【図8】録画した状態と、録画対象部分に該当しない部分を削除した状態とを比較したグラフである。
【図9】変形例に係る録画対象部分を示すグラフである。
【符号の説明】
【0064】
1 録画装置
4 データ処理部
6 コントロール部
7 DVDドライブ部
8 ハイライト検出部
9 CPU
15 リモコン装置
20 プログラム
30 録画メニュー
31 ハイライト録画設定メニュー
X1、X10 前方範囲の時間
X2、X20 後方範囲の時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から動画を取得する動画取得手段を備え、取得した動画を記録媒体に録画する録画装置において、
取得した動画に含まれるハイライトに応じた部分を録画するハイライト録画指示を受け付ける手段と、
ハイライト録画指示を受け付けた場合、取得した動画の内容を基準レベルに対して比較する比較手段と、
該比較手段の比較結果に基づいて基準レベルを超える動画中のレベル超過場面を検出する検出手段と、
該検出手段が検出したレベル超過場面を含む範囲を録画対象部分に特定する特定手段と、
前記録画対象部分を記録媒体に録画する録画手段と
を備えることを特徴とする録画装置。
【請求項2】
前記動画取得手段が取得した動画を仮記録する仮記録手段を備え、
前記録画手段は、前記仮記録手段が仮記録した動画の中から前記特定手段が特定した前記録画対象部分を読み出して録画するようにしてある請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
外部から動画を取得する動画取得手段を備え、取得した動画を記録媒体に録画する録画装置において、
取得した動画に含まれるハイライトに応じた部分を録画するハイライト録画指示を受け付ける手段と、
ハイライト録画指示を受け付けた場合、取得した動画を記録媒体に録画する手段と、
取得した動画の内容を基準レベルに対して比較する比較手段と、
該比較手段の比較結果に基づいて基準レベルを超える動画中のレベル超過場面を検出する検出手段と、
該検出手段が検出したレベル超過場面を含む範囲を録画対象部分に特定する特定手段と、
録画された動画中の前記特定手段により特定された録画対象部分に該当しない部分を削除する手段と
を備えることを特徴とする録画装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記レベル超過場面から時間的に前方の前方範囲及び/又は前記レベル超過場面から時間的に後方の後方範囲を録画対象部分に含めるようにしてある請求項2又は請求項3に記載の録画装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記レベル超過場面から連続して基準レベル以上になる範囲の終点場面を検出する手段を備え、
前記特定手段は、前記レベル超過場面から終点場面までの範囲と、前記レベル超過場面から時間的に前方の前方範囲及び/又は前記終点場面から時間的に後方の後方範囲とを録画対象部分に含めるようにしてある請求項2又は請求項3に記載の録画装置。
【請求項6】
前記特定手段が前方範囲及び/又は後方範囲を録画対象部分に含める場合で複数の録画対象部分を特定するとき、時間的に前後する録画対象部分が重複するか否かを検出する重複検出手段を備え、
該重複検出手段が重複することを検出した場合、前記特定手段は時間的に前側の録画対象部分の開始点から時間的に後側の録画対象部分の終了点までを一つの録画対象部分として再特定するようにしてある請求項4又は請求項5に記載の録画装置。
【請求項7】
前記前方範囲及び/又は後方範囲の時間を受け付ける時間受付手段を備える請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載の録画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−184668(P2007−184668A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380654(P2005−380654)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】