説明

録音装置

【課題】録音装置で録音動作が行われて生成された音声ファイルを、録音装置と接続される外部処理装置に転送して保存することが、より確実に行われるようにする。
【解決手段】マイク202から出力される音声信号が処理されてデジタルの音声データが生成される。この音声データを格納した第1の音声ファイルがシステム制御部210で生成されて記録媒体208に記憶される。また、録音動作中に生成される音声データは、通信部218を介して録音装置200と通信可能に接続される外部処理装置に逐次送信される。外部処理装置において情報通信の失敗が検出されたときに外部処理装置から発せられる不完全通知を録音装置200が受信すると、情報通信の失敗によって送受信のうまく行われていない可能性のある情報を含む第1の音声ファイルが記録媒体208から読み出され、通信部218を介して外部処理装置に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録音装置、および録音装置で生成された音声データを収容する音声ファイルを保存する録音システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院における医師の診察等に際して録音し、生成される音声データを集約して蓄積するシステムがある。
【0003】
大病院において集約された音声データは、電子カルテの作成等に利用される。一人の患者の診療に対応して1セッションの録音が行われ、その1セッション分の音声データを収容する音声ファイルはサーバ等に転送されて記録される。記録された音声ファイルは文書化を担当するオペレータによって再生されて電子カルテ等が作成される。
【0004】
上述したシステムで音声データ、音声ファイルの転送に際して失敗を生じると、大事な記録を消失する可能性がある。また、医師の診療は、継続して行われる高度に専門的な行為で有り、診療に直接関係しない動作や操作は嫌われる。それ故、仮に音声データが医師の携帯するICレコーダ等の録音装置に残っていたとしても、転送を失敗した音声データや音声ファイルの再転送を、医師に求めることは、継続中の診療行為中断することになり、実際的ではない。したがって、音声データや音声ファイルの転送に失敗したときに、自動的にリカバーすることが可能なシステムの構築が望まれる。
【0005】
特許文献1には、バックアップ対象ファイルのファイル名に一意のシーケンス番号を付加してバックアップし、履歴管理を行い、バックアップと履歴管理に基づく復元処理が可能な技術が開示される。
【0006】
特許文献2には、ファイルバックアップの目的に応じてバックアップ対象のファイルを自動的に一括抽出してファイルのバックアップを行うことを可能とする技術が開示される。
【0007】
特許文献3には、クライアント装置とサーバ装置との間でデータを同期する際、途中で同期の失敗を生じたときに、不完全な同期セッションの部分で同期を再開可能とする技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−274581号公報
【特許文献2】特開2007−164265号公報
【特許文献3】特開2009−140515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
複数の医師のもとで生成された音声データ(音声データファイル)を集約して応答記録や電子カルテを作成する場合、集約された音声データファイルを扱う側においては、それらの音声データファイルが誰のもとで生成されたのかを明確に区別可能とする必要がある。つまり、後で音声ファイルを扱う側に適した命名規則に基づいてファイル名を付与することが作業ミスを未然に防止する上でも望まれる。例えば、診療科目や医師名、診療日時等を判別可能なファイル名を付与することが、効率的でミスの無い作業を行う上で重要となる。
【0010】
一方、医師が所持する録音装置の側では、そのような命名規則に基づくファイル名を音声データファイルに付与することができない場合がある。また、仮に任意のファイル名をオペレータや医師が所持する録音装置の側で付与することができたとしても、それらの処理を医師に任せることは嫌われる。
【0011】
この点、特許文献1に開示される技術では、システム全体でファイル名の命名規則を統一する必要があるので、必ずしも、音声データを処理する側の望むファイル名を付与することができない場合がある。
【0012】
特許文献2に開示される技術では、履歴を管理ためのファイルを別途生成し、管理する必要がある。
【0013】
特許文献3に開示される技術では、クライアント装置、サーバ装置の双方で更新識別子を保存し、相互に交換する必要がある。
【0014】
本発明は上記の課題に鑑み、なされたもので、録音装置と、録音装置で生成される音声ファイルを集約するサーバなどの情報処理装置との間で行われる音声データ、音声ファイルの転送時に通信障害が発生した場合でも、より確実に音声ファイルの修復を行うことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1) 本発明の代表的な一例を示せば以下のとおりである。すなわち、録音装置が、
音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
外部処理装置と通信可能な通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置において前記逐次送信された音性データの受信が不完全であることが検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記不完全受信の通知を受けた音性データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記通信部を介して前記外部処理装置に送信する音声ファイル送信処理部と
を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、録音装置で生成された音声データを収容した音声ファイルを外部処理装置で保管する際に、録音装置と外部処理装置との間で情報通信の失敗を生じた場合であっても音声データの消失を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】録音システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】録音装置の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】PCの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】サーバの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図5A】録音装置内で実行されるメインフローの処理手順を説明するフローチャートである。
【図5B】録音装置内で実行されるメインフローの処理手順を説明するフローチャートである。
【図5C】録音装置内で実行されるメインフローの処理手順を説明するフローチャートである。
【図6】音声ファイルのフォーマット例を説明する図である。
【図7A】録音システムを構成する録音装置、PC、サーバのそれぞれで実行される録音処理の手順を説明するフローチャートである。
【図7B】図7Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図7C】図7Bのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図7D】図7Cのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図7E】図7Aのフローチャート中に示される未送信データリカバリ処理の内容をより詳細に説明するフローチャートである。
【図7F】図7Eのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図7G】図7Bのフローチャート中で録音装置による処理として示される空きメモリ確認・確保処理の内容をより詳細に説明するフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに示される処理が録音装置、PC、サーバで実行され、三者間で情報、音声データ、音声ファイルが授受される様子を説明する図である。
【図9】録音装置がPCと通信可能な通信部とサーバと通信可能な通信部とを備える場合に録音装置、PC、サーバ間で情報、音声データ、音声ファイルが授受される様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、録音システム100の代表的な構成例を説明するブロック図である。録音システム100は、録音装置200と、パーソナルコンピュータ(PC)300と、サーバ400とを備えて構成される。図1において録音装置200とPC300とは有線の形態で相互に接続されている様子が示されているが、医療現場に於いては無線による接続がより適している。また、後で詳細に説明するが、録音装置200とサーバ400とが有線または無線の通信網を介して直接接続可能に構成されていてもよい。
【0019】
PC300とサーバ400とは、LAN、WAN等のネットワークNWを介して接続される。録音システム100が、例えば大病院内等で用いられるものである場合、各医師は録音装置200を携帯し、診療室や手術室にはPC300が設置され、それらがネットワークNWを介して一または複数のサーバ400と接続される。そして、診療行為中に録音が行われて音声ファイルが生成され、その音声ファイルはサーバ400に集約される。録音は、基本的に1回の診療行為に対応して1セッションの録音が行われ、それに対応して1つの音声ファイルを生成することが可能である。
【0020】
図2は、録音装置200の内部構成を概略的に説明するブロック図である。録音装置200は、マイク202と、アナログ・フロントエンド(AFE)204と、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)206と、記録媒体208と、システム制御部210と、操作部212と、表示処理部214と、表示部216と、通信部218とを備える。
【0021】
マイク202は、音声を電気信号(アナログ音声信号)に変換してアナログ・フロントエンド204に出力する。アナログ・フロントエンド204は、マイク202から入力されたアナログ音声信号に対して増幅、イコライジング、ノイズ低減等の処理を行い、デジタル音声信号に変換してデジタル・シグナル・プロセッサ206に出力する。デジタル・シグナル・プロセッサ206は、アナログ・フロントエンド204から入力されたデジタル音声データに対して量子化ノイズ除去の処理を行い、必要に応じてエンコードや圧縮等の処理を施してシステム制御部210に出力する。
【0022】
システム制御部210は、デジタル・シグナル・プロセッサ206から入力されたデジタル音声データを、通信部218を介してPC300に逐次送信する。システム制御部210はまた、1セッションの録音の完了に伴い、音声ファイルを生成して記録媒体208に記録する。このとき、記録媒体208に記録する音声ファイルは、後の説明でも明らかになるように、テンポラリファイルとして扱われるものである。無論、この音声ファイルは、必要に応じて記録媒体208中に長く記録しておくことも可能である。音声ファイルを記録媒体208中に記録する際には、録音装置200内において独自の命名規則でファイル名を付与することが可能である。
【0023】
記録媒体208はフラッシュメモリ等で構成され、内蔵式のものであってよいし、いわゆるメモリカードの形態で録音装置200に対して着脱可能に構成されていてもよい。
【0024】
操作部212は、録音ボタン、再生ボタン、停止ボタン、早送りボタン、早戻しボタン、音量調節ボタン、消去ボタン等を含み、ユーザによる操作を受け付ける。ユーザによる操作部212の操作をシステム制御部210が検出すると、検出した操作内容に関する情報、すなわち操作情報が通信部218を介してPC300に送信される。PC300から録音装置200には、後で詳細に説明するように、上記操作情報に対応したコマンドが送信される。システム制御部210は、通信部218を介してこのコマンドを受信し、受信したコマンドに対応した動作を開始させる。
【0025】
表示部216は、液晶表示装置、あるいは有機EL表示装置等で構成され、文字やグラフィック情報等を表示可能に構成される。表示処理部214は、システム制御部210から出力される制御信号に基づいて、動作状況、電池残量、メモリ残量、警告等の各種表示が行われるように表示部216を制御する。なお、文字やグラフ等の表示ディスプレイを持たずに、ランプの点滅で動作状況、電池残量、メモリ残量、警告等を通知するようにしてもよい。
【0026】
通信部218は、録音システム100の構成に応じて様々の構成を有するものとすることが可能である。例えば、有線、または無線の形態でPC300とUSB接続されるものであってもよい。あるいは、ブルートゥース(登録商標)や他の近距離無線通信技術を用いてPC300と接続されるものであってもよい。これらに加えて、あるいはこれらに代えて、有線や無線のLANを介してPC300、そしてサーバ400と直接接続可能に構成されていてもよい。あるいは、通信部218がPC300と接続可能に構成されるのに加えて、公衆無線回線や公衆無線電話回線等を介してサーバ400と直接接続可能に構成されていてもよい。
【0027】
図3は、PC300の構成を概略的に示すブロック図である。PC300は、通信部302と、補助記憶装置304と、CPU306と、RAM308と、ネットワーク・インターフェース(図3中でインターフェースは「I/F」と表記される)310と、表示処理部312と、表示部314と、操作入力部316とを備える。
【0028】
通信部302は、録音装置200およびサーバ400と接続可能に構成される。録音装置200の通信部218が、有線または無線のUSB、あるいはブルートゥース等の近距離無線通信技術を用いたものである場合、通信部302の側においても対応する技術を用いて通信部218と通信可能に構成される。通信部302はまた、ネットワーク・インターフェース310を介してネットワークNWと接続し、このネットワークNWを介してサーバ400と接続可能に構成される。また、録音装置200が有線や無線のLANを介してネットワークNWに接続される場合、通信部302はネットワークNWを介して録音装置200の通信部218と接続可能に構成される。
【0029】
ネットワーク・インターフェース310は、有線または無線の方式でネットワークNWと接続可能に構成される。
【0030】
補助記憶装置304は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等で構成され、比較的大容量の記憶領域を有する。補助記憶装置304には、PC300上で実行されるプログラムを記憶したり、録音装置200から逐次送信される音声データ、あるいはPC300で生成された音声ファイルを保存したりするために用いられる。
【0031】
CPU306は、補助記憶装置304から読み出されてRAM308にロードされたプログラムを解釈実行し、後述する処理を行う。RAM308は、DDR SD−RAM等、アクセス速度の比較的高速なメモリで構成される。
【0032】
表示部314は、CRTやフラットパネルディスプレイ等であり、文字やグラフィクスなどを表示可能に構成される。表示処理部312は、CPU306から出力される制御信号に基づき、録音装置200の動作状態や、補助記憶装置304に記録されている音声ファイルの一覧等を表示部314に表示する。
【0033】
操作入力部316は、キーボードやマウス等を備え、ユーザの操作を受け付け可能に構成される。
【0034】
図4は、サーバ400の構成を概略的に示すブロック図である。サーバ400は、サーバ本体402と、ネットワーク・インターフェース(図4中でインターフェースは「I/F」と表記される)420と、補助記憶装置430とを備える。サーバ本体402は、CPU404と、RAM406と、出力部408と、入力部410とを備える
ネットワーク・インターフェース420は、ネットワークNWと接続可能に構成される。録音装置200が上述したように公衆無線回線や公衆無線電話回線と接続可能に構成される場合、サーバ400もネットワークNWを介してこれら公衆無線回線や公衆無線電話回線の基地局と接続可能に構成される。
【0035】
補助記憶装置430は、ハードディスクドライブのアレイ等で構成され、比較的大容量の記憶領域を有する。補助記憶装置430には、サーバ400上で実行されるプログラムが記憶される。補助記憶装置430にはまた、サーバ400に接続される複数のPC300から送信される音声ファイルを集約して保存するための記憶領域が確保される。また、録音装置200とサーバ400とが直接接続可能に構成されるものでは、録音装置200からサーバ400に音声ファイルが直接送信される場合がある。その場合にも、音声ファイルは補助記憶装置430に保存される。
【0036】
補助記憶装置430に保存された音声ファイルは、ネットワークNWを介してサーバ400と接続される他のクライアントマシンからの要求に応じて、それらのクライアントマシンに向けて送信される。クライアントマシンは、一例として、音声ファイルを再生して聴きながら電子カルテや対応記録等を作成するオペレータが操作するコンピュータである。
【0037】
CPU404は、補助記憶装置430から読み出されてRAM406にロードされたプログラムを解釈・実行して後述する動作を行う。RAM406は、DDR SD−RAM等、アクセス速度の比較的高速なメモリで構成される。
【0038】
出力部408は、サーバ400の他の装置との接続状態や通信状況等を表示するためのものであり、フラットパネルディスプレイ等を備えて構成される。入力部410は、キーボードやマウス等を備え、サーバ管理者の操作を受け付け可能に構成される。
【0039】
図5は、録音装置200のシステム制御部210で実行されるメインフローの処理手順を概略的に説明するフローチャートである。図5に示される処理は、記録媒体208に記憶されたプログラムをシステム制御部210が読み出して解釈、実行することにより行われる。この処理は、録音装置200がPC300と接続され、録音装置200の電源が投入された時点で実行が開始される。このとき、PC300上では、録音装置200およびサーバ400の双方と通信を行い、情報を送受信するためのアプリケーションプログラムが実行されているものとする。あるいは、録音装置200をPC300に接続すると、上記アプリケーションプログラムがPC300内で自動的にロードされて実行開始されてもよい。
【0040】
なお、録音装置200のシステム制御部210で実行される処理と連動してPC300、サーバ400で実行される処理も図5に示される。図5中、録音装置200のシステム制御部210で実行される処理手順を説明するステップ符号には、その先頭部分に符号SRを付す。符号「SR」中の「R」は、録音装置、すなわちRecorderの頭文字である「R」に由来する。PC300で実行される処理手順を説明するステップ符号には、その先頭部分に符号SPを付す。符号「SP」中の「P」は、PCの「P」に由来する。そして、サーバ400で実行される処理手順を説明するステップ符号には、その先頭部分に符号SSを付す。符号「SS」中の二文字目の「S」は、サーバ、すなわちServerの頭文字である「S」に由来する。
【0041】
ここで図5に示される処理の概略について説明する。録音装置200は、PC300等、他の処理装置と接続されている状態で動作するモード(これを「オンライン動作モード」と称する)と、他の処理装置と接続されていない状態で動作するモード(これを「スタンドアロン動作モード」と称する)とを有するものとする。そして、図5に示される処理はオンライン動作モードで動作しているものとする。この場合、システム制御部210は、以下のような手順で録音装置200の動作を制御する。
【0042】
すなわち、ユーザが操作部212を操作すると、システム制御部210は、操作部212で受け付けたユーザ操作の内容を含む操作情報を、通信部218を介してPC300に送信する。この操作情報に対応して、PC300から録音装置200に動作コマンドが出力される。この動作コマンドを、システム制御部210は通信部218を介して受信する。そして、受信した動作コマンドに基づく動作を開始する。つまり、オンライン動作モードにおいて録音装置200は、外部処理装置としてのPC300と連携して、図5のフローチャートに示される動作を行う。
【0043】
録音装置200の電源が投入されると、SR500においてシステム制御部210は、初期設定を行う。初期設定に於いては、図5Cに示されるように、録音装置200の各部の初期化(SR580)、すなわち、RAMクリア、ポートの初期化等に加えて、通信部218の初期設定を行う。そして、SR582とSP580で、PC300との間でのハンドシェイキング処理等を行う。その後、SP582においてPC300からサーバ400に、録音装置200を特定する情報およびPC300を特定する情報を含むアクセス許可要求が送信される。サーバ装置400は、SS580でアクセス許可要求を受信し、アクセス許可要求に含まれた録音装置200を特定する情報およびPC300を特定する情報を基にPC300にアクセス許可を与えるか否かを判定する(SS582)。サーバ装置400において、アクセスを許可すると判定された場合には、アクセス許可の通知がサーバ400からPC300に送信される(SS584)。
SP484でアクセス許可の通知を受信したPC300は、SP585においてリカバリを指示するコマンドを録音装置200に送信する。
【0044】
SR583でPC300からリカバリ指示のコマンドを受信した録音装置200はSR584において、未送信データリカバリ処理を実行する。このとき、PC300はSP586において、サーバ400はSS586において、録音装置200の未送信データリカバリ処理に対応する処理を行う。この処理については後で図7Eおよび図7Fを参照して詳しく説明するが、過去に通信トラブル等により音声データの転送が失敗した場合に、転送を完了していない音声データを含む音声ファイルを録音装置200からPC300を経由してサーバ400に転送し、補助記憶装置430に保存する処理である。
【0045】
以上の処理で録音装置の初期化処理(SR500)が終了して、ユーザ操作が検出されるまで待機する。
【0046】
SR502において、録音装置200の操作部212の録音ボタン、再生ボタン、停止ボタン、早送りボタン、早戻しボタン等を操作されたことが検出されると、その操作の操作情報がSR504においてPC300に送信される。PC300は、この操作情報をSP500において受信する。PC300は、SP500で受信した操作情報をSP502において解析して、操作情報に対応する動作を録音装置200に命じる操作コマンドを生成して、SP504で録音装置200に送信する。
【0047】
SR506で受信した受信した操作コマンドは、SR508〜SR516で判定されて、操作コマンドに対応する処理が実行される。
【0048】
SR508においてシステム制御部210は、PC300から送信されたコマンドが録音コマンド否かを判定する。SR508での判定が肯定されると処理はSR550に進み、録音開始に係る一連の処理が行われた後、SR502に進む。また、SR508での判定が否定された場合にはSR510の処理に進む。
【0049】
SR510においてシステム制御部210は、PC300から送信されたコマンドが再生コマンドか否かを判定する。SR510での判定が肯定されると処理はSR552に進み、再生処理開始に係る一連の処理が行われた後、SR502に進む。また、SR510での判定が否定された場合にはSR512の処理に進む。
【0050】
SR512においてシステム制御部210は、PC300から送信されたコマンドが早送りコマンドか否かを判定する。SR512での判定が肯定されると処理はSR554に進み、早送りに係る一連の処理が行われた後、SR502に進む。また、SR512での判定が否定された場合にはSR514の処理に進む。
【0051】
SR514においてシステム制御部210は、PC300から送信されたコマンドが早戻しコマンドか否かを判定する。SR514での判定が肯定されると処理はSR556に進み、早戻しに係る一連の処理が行われた後、SR502に進む。また、SR514での判定が否定された場合にはSR516の処理に進む。
【0052】
SR516においてシステム制御部210は、PC300から送信されたコマンドが停止コマンドか否かを判定する。SR516での判定が肯定されるとSR518に進む。一方、SR516での判定が否定されると、SR502に戻る。
【0053】
SR518では、現時点で録音動作が行われているか否かの判定が行われる。SR518の判定が肯定されると、SR558の処理に進む。SR518の判定が否定されるとSR520の処理に進む。
【0054】
SR518での判定が肯定された場合の分岐先であるSR558では、録音停止の処理が行われる。つまり、録音停止に係る一連の動作が行われる。SR558の処理が完了するとSR502の処理に戻る。
【0055】
SR518での判定が否定された場合の分岐先であるSR520においてシステム制御部210は、現時点で再生動作が行われているか否かの判定を行う。SR520での判定が肯定されるとSR560に進む。一方、SR520での判定が否定されると、SR522の処理に進む。
【0056】
SR520での判定が肯定された場合の分岐先であるSR560では、再生停止の処理が行われる。つまり、
再生停止に係る一連の動作が行われる。SR560の処理が完了するとSR502の処理に戻る。
【0057】
SR520での判定が否定された場合の分岐先であるSR522においてシステム制御部210は、現時点で早送り動作が行われているか否かの判定を行う。SR522の判定が肯定されるとSR562に進む。一方、SR522での判定が否定されると、SR524の処理に進む。
【0058】
SR522での判定が肯定された場合の分岐先であるSR562では、早送り停止の処理が行われる。つまり、早送り停止に係る一連の動作が行われる。SR562の処理が完了するとSR502の処理に戻る。
【0059】
SR522での判定が否定された場合の分岐先であるSR524においてシステム制御部210は、現時点で早戻し動作が行われているか否かの判定を行う。SR524の判定が肯定されるとSR564に進む。一方、SR524での判定が否定されると、SR502の処理に進む。
【0060】
SR524での判定が肯定された場合の分岐先であるSR564では、早戻し停止の処理が行われる。つまり、早戻し停止に係る一連の動作が行われる。SR564の処理が完了するとSR502の処理に戻る。
【0061】
続いて、ユーザが録音開始の操作をした場合に録音装置200、PC300、サーバ400のそれぞれで行われる処理(録音処理)について説明する。最初に、その概略について説明する。録音処理の開始後、録音装置200は、録音動作中に生成される音声データを録音装置200の内部で記録するとともに、音声データをブロック単位でPC300に逐次出力する。PC300は、受信した音声データのブロックを逐次記録する。そしてユーザにより録音停止の操作が行われると、録音機200は音声データの記録を終了して音声ファイルを生成すると共に、音声データの送信を停止して、停止操作の情報をPC300に送信する。停止操作情報を受信したPC300では、音声データを含む音声ファイルが生成される。本明細書中では、録音装置200で生成される音声ファイルをテンポラリ音声ファイルと称し、PC300で生成される音声ファイルを記録用音声ファイルと称する。
【0062】
PC300で生成された記録用音声ファイルはサーバ400に送信され、補助記憶装置430に保存される。テンポラリ音声ファイルと記録用音声ファイルとは、同じファイル名が付与されてもよいが、以下では異なるファイル名が付与されるものとする。記録用音声ファイルに付与されるファイル名は、録音処理の開始にあたってサーバ400から発行される。つまり、PC300で生成される記録用音声ファイルに付与されるファイル名を決定する権限はサーバ400が有する。
【0063】
図6は、録音装置200で保存されるテンポラリ音声ファイルおよびPC300で保存される記録用音声ファイルのファイル構造例を概念的に説明する図である。本実施の形態において、両音声ファイルはRIFF waveform Audio Format (RIFF Waveフォーマット)で記録されるものとして説明をする。
【0064】
図6に示されるように、音声ファイルは、RIFFヘッダチャンク、フォーマットチャンク、ファイル情報チャンク、データチャンクを備える。RIFFヘッダチャンクには、音声ファイルがRIFF形式のファイルであることを示す「RIFF」、フォーマットチャンク、ファイル情報チャンク及びデータチャンクのデータサイズを示す「サイズ」、音声データファイルがWAVEファイルであることを示す「WAVE」のデータが格納される。
【0065】
フォーマットチャンクには、格納している音声データのフォーマットを示すデータが格納され、当該チャンクがフォーマットチャンクであることを示すチャンクヘッダ「fmt 」、「fmt 」以降のチャンク内のデータサイズを示す「サイズ」、「フォーマットタイプ」、「チャンネル数」、「サンプリング周波数」、「バイトレート」、「サンプルサイズ」、「量子化ビット数」のデータが格納される。
【0066】
ファイル情報チャンクには、チャンクヘッダ「FINF」、チャンク内のデータサイズを示す「サイズ」、「ファイル情報」、「送信失敗情報」、「送信完了情報」のデータが格納される。図6中、ファイル情報には符号FI(File Information)、送信失敗情報には符号TF(Transfer Failure)、送信完了情報には符号TC(Transfer Complete)を付す。
【0067】
上述したように、録音装置200内に保存されるテンポラリ音声ファイルと、PC300内に保存される記録用音声ファイルとには、異なるファイル名が付与される。そして、PC300内に保存される記録用音声ファイルには、サーバ400から発行されたファイル名が付与される。ファイル情報FIには、サーバ400から発行されたファイル名を特定可能な情報が格納される。例えば、PC300内でサーバ400から発行されたファイル名が付与されて保存された記録用音声ファイルが何らかの原因で不完全なものであったり、失われてしまったりした場合、PC300は録音装置200に対して対応するテンポラリ音声ファイルの転送を要求することができる。このときPC300は、サーバ400から発行されて付与したファイル名に関する情報を録音装置200に送信する。
【0068】
録音装置200は、目的のファイル名と一致するファイル情報FIが格納されたテンポラリ音声ファイルを記録媒体208に保存されるファイル中からサーチして読み出し、PC300に転送する。したがって、録音装置200内で保存されるテンポラリ音声ファイルとPC300内で保存される記録用音声ファイルとは、同じファイル名が付与されていなくても対応をとることが可能となる。
【0069】
例えば、サーバ400の側では、複数のユーザから多数の記録用音声ファイルが送信されて来ることが想定されるので、それらの記録用音声ファイルを間違いなく分類して扱うためには比較的長く、複雑なファイル名の付与が必要な場合がある。一方、録音装置200の側では、装置の小型化に伴って表示部216のサイズが小さくなり、長いファイル名や複雑なファイル名が付与されると、ファイル名を表示できなかったりスクロール表示をする必要を生じたりする。この点、上述のようにしてファイル情報FI中に記録される情報によって録音装置200の側で保存される音声ファイルとPC300の側で保存される音声ファイルとを関連付けることが可能となり、それぞれの側で独自のファイル名を付与することが可能となる。
【0070】
録音装置200からPC300に音声データを逐次出力する際に、録音装置200とPC300がケーブルにより接続されている場合には、コネクタの接触不良やノイズ等が原因で音声データの伝送失敗が起こりうる。また、録音装置200とPC300がワイヤレス接続されている場合には、電磁波のマルチパスやノイズ、混信などにより、音声データの伝送失敗が発生しうる。この伝送失敗が検出されると、送信失敗情報TF中に伝送失敗を生じたデータ位置を特定可能な情報を記録する処理が録音装置200で行われる。例えば、音声データが所定のバイト数からなるデータブロック単位で音声データの転送が行われる場合、伝送失敗を生じたデータブロックを特定可能な情報を送信失敗情報TF中に記録することが可能である。あるいは、伝送失敗を生じた音声データが2チャンネルのステレオの音声データであるものとして、右チャンネルのものか、左チャンネルのものか、録音開始後何秒の時点か(あるいは何バイト目か)といったことを特定可能な情報を送信失敗情報TF中に記録することも可能である。
【0071】
PCで生成された記録用音声ファイルは、サーバ400に送信される。サーバ400は、受信した記録用音声ファイルを保存した後、音声ファイル保存完了を知らせる通知をPC300に送信する。PC300はこの通知を録音装置200に転送する。録音装置200では、該当するテンポラリ音声ファイルの送信完了情報TC中にファイル送信完了の情報を記録する処理が行われる。
【0072】
データチャンクには、当該チャンクがオーディオデータを格納したチャンクであることを示すチャンクヘッダ「data」、当該チャンクのデータサイズを示す「サイズ」、「音声データ」のデータが格納される。
【0073】
図7を参照し、ユーザが録音開始の操作をした場合に録音装置200、PC300、サーバ400のそれぞれで行われる処理(録音処理)の詳細について説明する。図7Aから図7Gは、図5BにおけるSR550の録音処理が行われる際の手順をより詳細に示すフローチャートである。本実施の形態においては、先に説明したように、録音装置200は外部処理装置としてのPC300と有線または無線の形態で接続され、PC300は第2の外部処理装置としてのサーバ400と有線または無線の形態で接続されるものとする。図7には、これら録音装置200、PC300、サーバ400のそれぞれで実行される処理手順が示されている。録音装置200で実行される処理手順を説明するステップ符号には、その先頭部分に符号SRを付す。符号「SR」中の「R」は、録音装置、すなわちRecorderの頭文字である「R」に由来する。PC300で実行される処理手順を説明するステップ符号には、その先頭部分に符号SPを付す。符号「SP」中の「P」は、PCの「P」に由来する。そして、サーバ400で実行される処理手順を説明するステップ符号には、その先頭部分に符号SSを付す。符号「SS」中の二文字目の「S」は、サーバ、すなわちServerの頭文字である「S」に由来する。
【0074】
図7に示される処理を実行する主体は以下のとおりである。すなわち、録音装置200においては、システム制御部210が記録媒体208に記録されるプログラムを読み出してSR700およびそれに続く処理を行う。PC300においては、CPU306が補助記憶装置304に記憶されるアプリケーションプログラムを読み出してSP700およびそれに続く処理を行う。サーバ400においては、CPU404が補助記憶装置430に記憶されるプログラムを読み出してSS700およびそれに続く処理を行う。ただし、以下では理解を容易にすることを目的として、各処理の主体が録音装置200、PC300、サーバ400であるものとして説明をする。
【0075】
図5BにおけるSR550の処理の実行が開始されるのに伴い、録音装置200とPC300では、録音処理を開始する。録音装置200はSR700で初期設定の処理を行う。一例として、録音をする際のフォーマット、モノーラル/ステレオの設定、音質、マイクロホン入力レベル等の設定を読み出したり、録音装置200内でファイルを生成する際のファイル名を生成したりする処理を行う。上記の設定は、録音装置200のユーザにより予め設定された内容に関する情報が記録媒体208等に保存されているものとする。ファイル名としては、所定の文字列と、ファイルが一つ生成されるたびに数値がインクリメントする、シーケンシャルな数字の組み合わせとすることが可能である。
【0076】
一方、PC300はSP700において、録音開始通知送信の処理を行い、録音開始通知をサーバ400に送信する。サーバ400はSS700において、この録音開始通知を受信する。サーバ400はSS702において、音声ファイル受信準備を行う。この音声フィル受信準備においては、記録用音声ファイルを補助記憶装置430内に保存する際の記憶領域の確保、ファイル名を決定する処理などが行われる。
【0077】
サーバ400はSS704において、ファイル名情報をPC300に送信する。PC300は、サーバから送信されたファイル名情報をSP702で受信する。続いてPC300はSP704において、録音開始コマンドをファイル名情報とともに録音装置200へ送信する。
【0078】
録音装置200は、PC300から送信された録音開始コマンドとファイル名情報とをSR701で受信する。録音装置200はSR702において、録音動作を開始する。このとき、録音完了時に生成される音声ファイル中のヘッダ情報、すなわち図6を参照して説明した付加情報中にファイル名情報を記録する。具体的には、ファイル情報チャンク内のファイル情報FIにファイル名情報を記録する。ところで、PC300はSP704において、録音開始コマンド、ファイル名情報とともに記録開始時刻等の情報も録音装置200に送信するようにしてもよい。その場合、録音装置200は、ファイル名情報に加えて記録開始時刻等の情報も付加情報中に記録する。SR702での処理開始後、録音装置200では、アナログ・フロントエンド204で生成され、出力されたデジタル音声信号がデジタル・シグナル・プロセッサ206で処理されて音声データが逐次生成される。
【0079】
録音装置200で生成される音声データは、記録媒体208中に一時的に保存される。このとき、記録媒体208の残り容量の確認(空きメモリ確認)と、空きメモリが不足する場合の記憶領域確保の処理がSR704で行われる。この、SR704での処理の詳細については後で説明し、ここでは十分な空きメモリがあるものとしてSR706以降の処理の説明をする。
【0080】
SR706において録音装置200は、音声データ記録の処理を行う。すなわち、デジタル・シグナル・プロセッサ206で逐次生成される音声データを記録媒体208中に保存する。続くSR708において録音装置200は、音声データをPC300に送信する。例えば、このときの送信される音声データは、所定のデータサイズにまとめられたブロック(パケット)として録音装置200からPC300へ逐次送信される。ここで、逐次送信とは、録音装置200が音声データを内部に記憶すると同時に、PC300へ送信することである。
【0081】
PC300は、SP706において録音装置200から音声データ(データブロック)を受信し、受信したデータブロックが完全か否かをチェックされる(SP708)。完全であれば、SP710で保存され、SP712で受信が完全であることを伝え通知が録音装置200に送信される。一方、SP708で受信したデータブロックが不完全であると判定された場合は、SP712で受信が不完全であることを伝える通知が録音装置200に送信される。録音装置200の側では、SR710において受信したPC300からの通知が、データブロックの受信が不完全との通知であった場合は、SR712で録音装置200からのデータブロックの送信に失敗と判定され、SR714に進む。なお、データブロックの受信の完全・不完全は、データブロックに付与された誤り検出コードを使用する公知の技術で検出できる。
【0082】
SR712で、データブロックの送信が失敗したと判定された場合の分岐先であるSR714において録音装置200は、送信失敗の記録を行う。すなわち、図6を参照して説明した付加情報中に送信失敗情報を記録してSR716に進む。具体的には、ファイル情報チャンク内の送信失敗情報TF中に、伝送失敗を生じたデータ位置を特定可能な情報を記録する。
【0083】
SR712で録音装置200からのデータブロックの送信が成功したと判定された場合にはSR716に進む。SR716において録音装置200は、外部入力の有無を判定する。外部入力としては大きく分けて二つの種類がある。第一の種類は、ユーザによる操作部212の操作である。第二の種類は、通信部218を介してのPC300からの信号の入力である。SR716での判定が否定される間、SR704からSR716までの処理が録音装置200内で繰り返し行われる。一方、SR716の判定が肯定された場合、SR718に進む。
【0084】
SR718において録音装置200は、外部入力がユーザ操作であるか、PC300からの信号の入力であるかを判定する。なお、図7に示される例においては、録音装置200が録音動作を行っている状況でPC300から出力されるのは録音終了コマンドであるものとする。
【0085】
SR718での判定が肯定された場合、つまり外部入力がユーザ操作であると判定された場合の分岐先であるSR720において録音装置200は、操作情報をPC300に送信する。操作情報は、操作部212で受け付けたユーザ操作の内容を含む情報である。一方、SR718での判定が否定された場合、つまり外部入力がPC300からの信号の入力であると判定された場合の分岐先であるSR722においては、録音終了の処理が行われる。録音終了の処理には、録音動作を停止する処理、最後の音声データ(データブロック)を、当該音声データが最後のデータであることを示す情報とともにPC300へ送信する処理などが含まれる。続くSR724において、テンポラリ音声ファイル生成・保存の処理が行われる。すなわち、記録媒体208に記録されている音声データをデータチャンクに納め、付加情報を付加してテンポラリ音声ファイルを生成し、記録媒体208に保存する処理がSR724で行われる。
【0086】
録音装置200において以上に説明したSR716からSR720の処理と関連してPC300で行われる処理について説明する。SP716においてPC300は、最終データ、つまり最後の音声データを受信したか否かを判定する。この判定が肯定されるとSP724に進む一方、否定されるとSP718に進む。
【0087】
SP716での判定が否定された場合の処理について先に説明すると、SP718においてPC300は、操作情報を受信したか否かを判定する。SP718の判定が否定されるとSP706に戻り、録音装置200から送信される音声データを受信する処理を引き続き行う。SP718の判定が肯定された場合の分岐先であるSP720においてPC300は、録音装置200から受信した操作情報を解析する。なお、図7に示される例において、録音処理の動作をしている録音装置200から送信される操作情報は録音終了の操作情報であるものとする。つまり、SP720での処理により解析された結果、録音装置200から送信された操作情報は録音終了の操作に関連するものであると判定されたものとする。
【0088】
PC300は、SP722において録音終了コマンドを録音装置200に出力し、その後SP706に戻る。SP722で出力される録音終了コマンドが、録音装置200の側から見ると、通信部218を介してPC300から受け取った、第二の種類の外部入力に相当する。この入力に基づき、先に説明したように、録音装置200の側ではSR716の判定が肯定され、SR718の判定が否定され、SR722およびこれに続く処理が行われる。
【0089】
SP716での判定が肯定されると、処理はSP724に進み、音声ファイル生成の処理がPC300内で行われる。すなわち、補助記憶装置304に記録されている音声データをデータチャンクに納め、付加情報を付加して記録用音声ファイルを生成し、補助記憶装置304に保存する処理がSP724で行われる。付加情報は、PC300の内部で生成することも可能であるが、録音装置200からPC300に送信される最後の音声データに、録音装置200の側で生成された付加情報が付加されてもよい。
【0090】
ところで、SP724でPC300により生成される記録用音声ファイルは、必ずしも完全な音声ファイルであるとは限らない。理由は、録音装置200からPC300に音声データが逐次送信される際に、データ送信の失敗が存在しうるからである。このデータ送信の失敗に備え、録音装置200ではSR726の判定処理が行われ、必要に応じてSR734、SR736の処理が行われる。これらの処理に対応して、PC300ではSP726からSP732までの処理が行われる。これらの処理について以下に説明する。
【0091】
SR726において録音装置200は、ファイル情報チャンク中の送信失敗情報TFを参照し、送信失敗の記録の有無を判定する。SR726の判定が肯定されると処理はSR734に進む一方、否定されるとSR738に進む。
【0092】
SR726に判定が肯定された場合の分岐先であるSR734において録音装置200は、音声ファイル送信通知をPC300に送信する。そして、SR736において録音装置200は、記録媒体208に保管されているテンポラリ音声ファイルをPC300に送信する。
【0093】
録音装置200による上記SR734、SR736の処理に対応して、PC300ではSP726からSP732までの処理が行われる。SP726では、録音装置300から音声ファイル送信通知を受信したか否かの判定が行われる。SP726での判定が肯定されると処理はSP728に進む一方、否定されるとSP734に進む。SP726での判定が否定される、ということは、PC300に保存されている記録用音声ファイルは完全なものである、ということを意味する。理由は、録音装置200によるSR734、SR736の処理は、送信失敗が検出されたときにのみ行われるからである。
【0094】
SP726の判定が肯定された場合の分岐先であるSP728においてPC300は、録音装置200でSR736の処理が行われて送信されるテンポラリ音声ファイルを受信する。続くSP730においてPC300は、録音装置200から受信したテンポラリ音声ファイルを記録用音声ファイルに変換する処理を行う。この処理としては、ファイル名のリネームをする処理、付加情報を更新する処理などが含まれる。なお、本実施の形態においては、先にも説明したように、テンポラリ音声ファイルおよび記録用音声ファイルは共にRIFF Waveフォーマットで記録されるものとしている。しかし、テンポラリ音声ファイルおよび記録用音声ファイルが互いに異なる記録形式で記録されるものである場合、SP730においてフォーマットを変換する処理を行うようにすればよい。記録用音声ファイルに付与するファイル名については、現状でPC300が保持しているファイル名情報を参照して決定することが可能である。あるいは、テンポラリ音声ファイル中に含まれるファイル情報FIを参照して決定することも可能である。
【0095】
SP732においてPC300は、SP724で生成された記録用音声ファイルを消去して、SP730で生成された記録用音声ファイルを最新の記録用音声ファイルとする処理を行う。
【0096】
以上、録音装置200におけるSR726からSR736までの処理、そしてPC300におけるSP726からSP732までの処理によって、録音装置200からPC300への音声データ転送に失敗を生じたときに、録音装置200からPC300へテンポラリ音声ファイルを送信する例について説明した。これに関して、以下のようにすることも可能である。すなわち、送信失敗情報TFを参照することにより、音声ファイル中のどのデータが通信失敗によって破壊されているかを知ることができる。この送信失敗情報TFを参照して、必要なデータブロックのみを録音装置200からPC300に送信することが可能である。そしてPC300内において、録音装置200から受信したデータブロックを記録用音声ファイルの音声データ中に挿入して音声ファイルを修復することができる。
【0097】
ところで、録音装置200でSR736の音声ファイル送信処理が行われ、PC300で音声ファイル受信処理が行われているときに送受信失敗が発生することも想定しうる。その場合の処理については説明を省略するが、一般に用いられるファイル転送プロトコル中のエラーリカバリ処理の手順等を適用することが可能である。
【0098】
PC300によるSP724またはSP732の処理で生成された記録用音声ファイルは、サーバ400に送信される。以下、PC300とサーバ400との間で行われる、記録用音声ファイルの送受信処理について説明する。
【0099】
SP734においてPC300は、記録用音声ファイルをサーバ400に送信する処理を開始する。この処理を受け、サーバ400の側では、SS714において記録用音声ファイルの受信処理を開始する。
【0100】
PC300はSP736において、通信状況を監視する。続くSP738においてPC300は、サーバ400との間の通信に失敗したか否かを判定する。SP738の判定が肯定されると処理はSP740に進む一方、否定されるとSP746に進む。
【0101】
SP738での判定が肯定される、すなわちPC300とサーバ400との間の通信に失敗したと判定された場合の分岐先であるSP740においてPC300は、PC300の補助記憶装置304に保存されている記録用音声ファイルが不完全か否かの判定をする。SP740の判定処理は、何らかの障害が発生して補助記憶装置304に保存されている記録用音声ファイルが破壊されていたり、消えていたりした場合に備えての処理である。
【0102】
SP740での判定が否定された場合、補助記憶装置304に保存されている記録用音声ファイルは完全なものであるので、SP734に戻り、記録用音声ファイルの送信を最初からやりなおす。一方、SP740での判定が肯定された場合、補助記憶装置304に保存されている記録用音声ファイルは完全ではないので、SP742に進み、PC300は音声ファイル転送要求を録音装置200に送信する。
【0103】
録音装置200は、PC300からの音声ファイル転送要求を受信したか否かをSR738で判定し、この判定が肯定されるとSR740に進む。一方、SR738の判定が否定されると、処理はSR744に進む。
【0104】
SR738での判定が肯定された場合の分岐先であるSR740において録音装置200は、音声ファイル検索の処理を行う。すなわち、録音装置200は、補助記憶装置304中に保管される音声ファイルのうち、PC300から送信された音声ファイル要求中に含まれるファイル名情報がファイル情報FI中に含まれる音声ファイルを検索する。録音装置200は、SR740で検索された音声ファイルをSR742において読み出し、PC300に送信する。
【0105】
SP744においてPC300は、録音装置200から出力された音声ファイル(テンポラリ音声ファイル)を受信し、受信した音声ファイルに対し、SP730における処理と同様の変換処理を行う。そして、SP734に戻って音声ファイル送信の処理をやりなおす。
【0106】
SP738の判定が否定された場合、すなわちサーバ400との通信は失敗していないと判定された場合の分岐先であるSP746においてPC300は、記録用音声ファイルのサーバ400への送信が完了したか否かを判定する。SP746の判定が肯定されると処理はSP748に進む。一方、SP746の判定が否定されるとSP736に戻り、音声ファイル送信の処理を引き続き行う。
【0107】
PC300で上述したSP734からSP746までの処理が行われる間、サーバ400はSS716において音声ファイルの受信を完了したか否かの判定を繰り返し行う。そして、PC300から送信される記録用音声ファイルの受信を完了したとSS716で判定される(SS716:はい)と、処理はSS718に進む。
【0108】
SS718においてサーバ400は、PC300から受信した記録用音声ファイルを補助記憶装置430に保存する。SS718における記録用音声ファイルの保存処理を完了すると、サーバ400はSS720において音声ファイル保存完了通知をPC300に送信し、サーバ400における一連の録音処理が完了する。
【0109】
PC300は、上記の音声ファイル保存完了通知をSP748において受信し、この音声ファイル保存完了通知を録音装置200に転送する。録音装置200は、PC300から転送された音声ファイル保存完了通知をSR744において受信し、対応するテンポラリ音声ファイル中の送信完了情報TCを、音声ファイルのサーバ400への送信を完了したことを示す情報に書き換える。
【0110】
SP750においてPC300は、サーバ400への送信完了後も補助記憶装置304内に保存されている記録用音声ファイルを消去する処理をSP750で行う。なお、SP750での処理を行う前に、当該記録用音声ファイルを補助記憶装置304から消去するか否かについてユーザに確認し、消去する旨の操作をユーザがした場合にSP750の処理を行うようにしてもよい。
【0111】
SP752においてPC300は、録音装置200の記録媒体208に保管されているテンポラリ音声ファイルのうち、今回、録音装置200からPC300を経由してサーバ400に送信し、サーバ400で保存されたものに対応するものを消去するか否か、ユーザに確認する。SP752の判定が肯定される、すなわちユーザが当該のテンポラリ音声ファイルを消去する旨の操作をしたことが検出されると、処理はSP754に進む。SP754においてPC300は、テンポラリ音声ファイル消去コマンドを録音装置200に送信する。一方、SP752の判定が否定されると、SP754の処理はスキップされる。そしてPC300における一連の録音処理が完了する。
【0112】
録音装置200は、PC300からテンポラリ音声ファイル消去コマンドを受信したか否かの判定をSR746において行い、この判定が肯定されるとSR748に進む。SR748において録音装置200は、PC300からテンポラリ音声ファイル消去コマンドとともに送信されたファイル名情報がファイル情報FI中に含まれるテンポラリ音声ファイルを記録媒体208中で探索する。そして、見つけ出したテンポラリ音声ファイルを消去する。そして、録音装置200における一連の録音処理が完了する。
【0113】
図7E、図7Fに示されるフローチャートは、図5C中のSR584、SP586、SS586で実行される未送信データリカバリ処理の内容を説明するフローチャートである。
【0114】
録音装置200はSR770において、送信未完了の音声データの有無を判定する。すなわち、以前に行われた録音処理に際して、録音装置200とPC300、あるいはPC300とサーバ400との間で生じた通信の障害やシステムダウン等により、音声データ(音声ファイル)の転送や保存が完了していないものがないか、録音装置200は判定する。SR770の判定処理は、例えば記録媒体208中に保存されるテンポラリ音声ファイルの送信完了情報TCを読み出すことにより行われる。SR770の判定が肯定されると処理はSR772に進み、否定されると録音装置200は図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0115】
SR770の判定が肯定された場合の分岐先であるSR772において、録音装置200はPC300に対して送信未完了音声データありの通知を送信する。続くSR774において、送信未完了音声データが記録媒体208内にあることをユーザに通知する。この通知方法としては、音声やブザー等、あるいはLEDによる表示や、表示部216への文字等の表示が可能である。
【0116】
録音装置200は、SR776において音声ファイル送信通知をPC300に送信し、SR778においてテンポラリ音声ファイルをPC300に送信する。
【0117】
一方、PC300においては、送信未完了データありの通知を録音装置200から受信したか否かの判定がSP770で行われ、この判定が肯定されると処理はSP772に進む。SP770の判定が否定されるとPC300は図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0118】
SP770の判定が肯定された場合の分岐先であるSP772において、PC300は送信未完了音声データありの通知をサーバ400に転送する。続くSP774においてPC300は、録音装置200から送信された音声ファイル送信通知を受信する。
【0119】
SP776においてPC300は、録音装置200から送信されたテンポラリ音声ファイルを受信する。SP778においてPC300は、録音装置200から送信されたテンポラリ音声ファイルを記録用音声ファイルに変換する処理を行う。このとき、テンポラリ音声ファイルと記録用音声ファイルとで記録フォーマットが異なっていれば記録フォーマットを変換する処理が行われる。しかし、本実施の形態では、先にも説明したようにテンポラリ音声ファイルおよび記録用音声ファイルは共にRIFF Waveフォーマットで記録されている。したがって、SP778においては、録音装置200から受信したテンポラリ音声ファイル内のファイル情報FI中に記録されるファイル名情報に基づいて、テンポラリ音声ファイルのファイル名をリネームする処理が行われる。
【0120】
PC300はSP780において、補助記憶装置304に記録用音声ファイルを保存する。このとき、補助記憶装置304内に同名の記録用音声ファイルが既に存在する場合には上書き保存する。
【0121】
SS770においてサーバ400は、PC300から送信未完了音声データありの通知を受信したか否かの判定を行う。この判定が肯定されると処理はSS772に進む。SS770の判定が否定されるとサーバ400は図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0122】
PC300はSP782において、音声ファイル送信通知をサーバ400に送信し、続くSP784において、SP778で変換処理をして生成した記録用音声ファイルをサーバ400に送信する。
【0123】
PC300によって上述したSP782、SP784の処理が行われるのに応じてサーバ400では以下に説明するSS772からSS778までの処理が行われる。
【0124】
SS772においてサーバ400は、PC300から送信された音声ファイル送信通知を受信する。続くSS774においてサーバ400は、PC300から送信された記録用音声ファイルを受信する。SS776においてサーバ400は、SS774においてPC300から受信した記録用音声ファイルを補助記憶装置430に保存する。サーバ400はSS778において、音声ファイル保存完了通知をPC300に送信し、図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0125】
PC300は、この音声ファイル保存完了通知をSP786で受信し、この通知を録音装置200に転送する。録音装置200はこの通知をSR780において受信し、SR778の処理でPC300に送信したテンポラリ音声ファイルの送信完了情報TCを書き換えて未送信記録をクリアする処理をS782で行う。
【0126】
SP788においてPC300は、SP784の処理でサーバ400に送信した記録用音声ファイルを補助記憶装置304内から消去する。なお、補助記憶装置304内の記録用音声ファイルについて、上記のように消去するのに代えて、記録用音声ファイルの保管/消去をユーザが選択可能に構成されていてもよい。
【0127】
PC300はSP790において、録音装置200内に保存されているテンポラリ音声ファイルを消去するか否かを判定する。ここで、消去する対象のテンポラリ音声ファイルは、SR778の処理で録音装置200からPC300に送信されたテンポラリ音声ファイルである。SP790での判定処理としては、例えば、サーバ400に記録用音声ファイルが転送されて保存された後、録音装置200内のテンポラリ音声ファイルを消去するか否かをユーザがオプション設定した結果を参照することが可能である。あるいは、表示部314上に「録音装置内の音声ファイルを消去しますか ? (Y/N)」といった表示をして、ユーザ操作を検出することも可能である。
【0128】
SP790で、ユーザがテンポラリ音声ファイルの消去を希望していると判定された場合、処理はSP792に進む一方、テンポラリ音声ファイルの消去を希望していないと判定された場合、PC300は図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0129】
PC300は、SP792においてテンポラリ音声ファイル消去コマンドを録音装置200に送信し、図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0130】
録音装置200は、PC300から送信されたテンポラリ音声ファイル消去コマンドをSR784で受信し、SR778でPC300に送信したテンポラリ音声ファイルを消去する処理をS786で行い、図7E、図7Fの処理を完了してリターンする。
【0131】
図7Gに示されるフローチャートは、図7A中のSR704で録音装置200により実行される空きメモリ確認・確保処理の内容を説明するフローチャートである。SR790において録音装置200は、記録媒体208の空き容量情報を取得し、空き容量が所定の量を上回っているか(十分な空き容量があるか)否かを判定する。SR790での判定が肯定されると録音装置200は図7Gに示される処理を完了してリターンする。
【0132】
SR790での判定が否定された場合の分岐先であるSR792において録音装置200は、記録媒体208中に保存されているテンポラリ音声ファイルの中から消去可能なものが無いか、チェックする。具体的には、記録媒体208中に保存されているテンポラリ音声ファイルの付加情報を録音装置200は読み出し、送信完了情報TC内に、音声ファイルのサーバ400への送信を完了したことを示す情報が書き込まれているテンポラリ音声ファイルを探索する。
【0133】
SR792における処理結果に基づき、録音装置200はSR794において、サーバへの保存処理を完了しているファイルが存在しているか否かを判定する。そして、SR794の判定が肯定されると処理はSR796に進む一方、否定されると処理はSR798に進む。
【0134】
SR794での判定が肯定された場合の分岐先であるSR796において録音装置200は、記録媒体208中に保存されているテンポラリ音声ファイル中で、サーバ400への転送・保存をする処理が完了しているファイルを削除する。このとき、削除可能なテンポラリ音声ファイルが複数存在する可能性がある。そのような場合には、タイムスタンプの最も古いテンポラリ音声ファイルを消去してもよいし、容量の最も大きいテンポラリ音声ファイルを消去してもよい。あるいは、容量の最も小さいテンポラリ音声ファイルを消去してもよい。消去するテンポラリ音声ファイルを、ユーザの選択に任せることも可能である。テンポラリ音声ファイルを消去する場合に、警告音等によってユーザに告知してもよい。また、記録媒体208中からテンポラリ音声ファイルを消去する際に、当該テンポラリ音声ファイルをPC300に送信して補助記憶装置304内に一時的に保存するようにしてもよい。
【0135】
SR794での判定が否定された場合の分岐先であるSR798において録音装置200は、ユーザに対してメモリ残容量不足の警告通知をする処理を行う。警告通知としては、音を発することが可能であるが、表示部216の表示全体を点滅表示させる等、表示による警告通知を行うことも可能である。そして、メモリ残容量が無くなる時点で録音装置200およびPC300での録音の処理を強制的に停止する処理が行われる。あるいは、SR798の処理に続いて、記録媒体208内に保存されているテンポラリ音声ファイルを一時的にPC300の補助記憶装置304に移し、記録媒体208の残り容量を確保する処理などが行われて録音の処理が継続して行われるようにしてもよい。
【0136】
以上に説明したSR796またはSR798の処理の後、録音装置200は図7Gの処理を完了してリターンする。
【0137】
以上、図7のフローチャートを参照して説明した、録音装置200、PC300、サーバ400で行われる録音処理の骨子について、図8を参照して説明する。図8は、録音装置200、PC300、サーバ400が互いに通信可能に接続される様子と、三者の間で授受される情報やデータ、ファイル等のうち、代表的なものを示している。
【0138】
録音装置200とPC300とは、通信部218、302を介して双方向の通信か可能に接続される。PC300は通信部302を介してネットワークNWと接続しており、サーバ400もまたネットワーク・インターフェース420を介してネットワークNWと接続している。その結果、PC300とサーバ400とは、ネットワークNWを介して双方向の通信が可能に接続される。
【0139】
録音装置200のユーザが録音開始の操作をすると操作情報が録音装置200からPC300に送信され、PC300は録音開始通知をサーバ400に送信する。すると、サーバ400はファイル名情報を発行し、そのファイル名情報をPC300に送信する。PC300は、ファイル名情報と録音開始コマンドとを録音装置200に送信する。
【0140】
録音装置200では録音動作が行われ、音声データが録音装置200内に蓄積されると同時にPC300に逐次転送される。このとき、録音装置200からPC300への音声データの送信が成功か失敗かを知らせる通知をPC300から録音装置200に送信し、音声データの送信が失敗の場合、録音装置200で送信失敗があった旨記録される。録音動作が終わり、最後の音声データが録音装置200からPC300に送信されると、PC300内では記録用音声ファイルが生成される。この記録用音声ファイルには、サーバ400から送信されたファイル名情報に基づくファイル名が付与される。
【0141】
一方、録音装置200の側でも、録音動作が終わったときにテンポラリ音声ファイルが生成される。このテンポラリ音声ファイル内の付加情報中のファイル情報FIにファイル名情報が記録される。録音装置200からPC300への音声データの逐次転送に際して失敗が検出された場合、録音装置200からPC300にテンポラリ音声ファイルが送信される。PC300は、録音装置200とPC300との間の音声データの授受に際して失敗が無かった場合には、PC300内で生成された記録用音声ファイルをサーバ400に送信する。一方、録音装置200とPC300との間の音声データの授受に際して失敗が検出された場合、PC300は、録音装置200から送信されたテンポラリ音声ファイルを記録用音声ファイルに変換してサーバ400に送信する。
【0142】
PC300からサーバ400への記録用音声ファイルの送信に際して失敗があった場合、PC300はそれを検出する。この場合、PC300内に保存されている記録用音声ファイルをサーバ400に再送信することになる。ここで、PC300に保存されている記録用音声ファイルが何らかの原因で不完全であることが検出されると、PC300は音声ファイル転送要求を録音装置200に送信する。
【0143】
録音装置200は、音声ファイル転送要求中に含まれるファイル名情報が付加情報内のファイル名情報FI中に記録されている音声ファイルを記録媒体208中から探索し、該当するテンポラリ音声ファイルをPC300に送信する。PC300は、このテンポラリ音声ファイルを記録用音声ファイルに変換し、サーバ400に送信する。
【0144】
以上では、録音装置200から操作情報を受信したPC300からサーバ400に録音開始通知が送信されると、サーバ400でファイル名情報が発行される例について説明した。このファイル名情報については、必ずしもサーバ400で保存される音声ファイルのファイル名と一致していなくてもよい。例えば、何らかの識別情報がサーバ400で発行されて、その識別情報が音声ファイルの付加情報中に記録されてもよい。この識別情報により、録音装置200、PC300、サーバ400は、ファイル名を参照せずに音声ファイルを識別することが可能となる。この場合、識別情報の発行元は、サーバ400に限られず、PC300、あるいは録音装置200とすることも可能である。要するに、録音装置200、PC300、サーバ400の間で共通して認識可能な識別情報をこれら録音装置200、PC300、サーバ400のうちのいずれかで決定し、その識別情報が音声ファイル内の付加情報中に記録されていればよい。但し、サーバ400は複数のPCと接続される可能性があるので識別情報の重複を避ける必要がある。そのためには、各録音装置200およびPC300の組み合わせに対応して使用可能な数字列や文字列を割り当てておき、その数字列や文字列に枝番や符号を適宜付加したものを識別情報とすることが可能である。
【0145】
図9は、本発明の実施の形態の変形例として、録音装置200Aが第1の通信部218A−1および第2の通信部218A−2を含む通信部218Aを備える例について説明する図である。
【0146】
録音装置200AとPC300とは、通信部218A−1、302を介して双方向の通信が可能に接続される。PC300は通信部302を介してネットワークNWと接続しており、サーバ400もまたネットワーク・インターフェース420を介してネットワークNWと接続している。その結果、PC300とサーバ400とは、ネットワークNWを介して双方向の通信が可能に接続される。以上に加えて、録音装置200Aは通信部218A−2を介してネットワークNWと接続可能に構成される。通信部218A−2としては、公衆無線網、あるいは公衆無線電話網等の、無線通信網に接続可能に構成されるものとすることが可能である。あるいは、無線LAN等を介してネットワークNWに接続可能に通信部218A−2が構成されていてもよい。以上に説明した構成を備えることにより、録音装置200AはPC300と接続されるのに加えて、必要に応じてサーバ400とも接続することが可能となる。
【0147】
上述した構成の録音システムにおいて、録音装置200Aの録音動作が始まり、そして完了し、PC300内で記録用音声ファイルが生成されるまでは図8を参照して説明したのと同様の処理が行われる。つまり、録音装置200Aのユーザが録音開始の操作をすると、操作情報が録音装置200AからPC300に送信され、PC300からサーバ400に録音開始通知が送信される。サーバ400はファイル名情報を発行し、そのファイル名情報をPC300に送信する。PC300は、ファイル名情報と録音開始コマンドとを録音装置200Aに送信する。
【0148】
録音開始コマンドをPC300から受信した録音装置200Aは録音動作を開始し、音声データを録音装置200A内に蓄積すると同時にPC300に逐次転送する。このとき、録音装置200AからPC300への音声データの送信が成功か失敗かを知らせる通知をPC300から録音装置200Aに送信し、音声データの送信が失敗の場合、録音装置200Aで送信失敗があった旨記録される。録音動作が終わり、最後の音声データが録音装置200AからPC300に送信されると、PC300内では記録用音声ファイルが生成される。この記録用音声ファイルには、サーバ400から送信されたファイル名情報に基づくファイル名が付与される。
【0149】
一方、録音装置200Aの側でも、録音動作が終わったときにテンポラリ音声ファイルが生成される。このテンポラリ音声ファイル内の付加情報中のファイル情報FIにファイル名情報が記録される。
【0150】
録音装置200AとPC300との間での通信の失敗が検出されなかった場合、PC300で生成された記録用音声ファイルがPC300からサーバ400に送信される。一方、録音装置200AからPC300への音声データの送信、あるいはPC300からサーバ400への記録用音声ファイルの送信に際して通信の失敗を生じたとき、以下に説明するように、録音装置200Aからサーバ400への音声データファイルの送信が行われる。この点が図7、図8を参照して説明したものと異なる。
【0151】
録音装置200AからPC300への音声データの転送に際して失敗が検出された場合、録音装置200Aは、録音完了時に生成されて記録媒体208に保存されている音声ファイルを、通信部218A−2を介してサーバ400に直接送信する。このとき送信される音声ファイルは、テンポラリ音声ファイルのままであってもよいし、録音装置200A内で変換処理をして生成された記録用音声ファイルであってもよい。録音装置200Aからサーバ400にテンポラリ音声ファイルが送信される場合、サーバ400内で記録用音声ファイルに変換する処理が行われる。また、録音装置200Aからサーバ400へ音声ファイルが送信され、サーバ400内での音声ファイルの保管が完了すると、録音装置200AからPC300にファイル消去コマンドが出力される。PC300は、このファイル消去コマンドを受信すると、補助記憶装置304内に保存されている記録用音声ファイルを消去する。消去された記録用音声ファイルは、録音装置200AとPC300との間で通信の失敗があったので、不完全な音声ファイルである。さらに、PC300上で実行されているアプリケーションプログラムにおいて、サーバ400内で音声ファイルの保存が完了した後に録音装置200A内のテンポラリ音声ファイルを消去する設定となっている場合には、録音装置200A内の対応するテンポラリ音声ファイルは消去される。
【0152】
PC300からサーバ400へ記録用音声ファイルを送信する際に失敗が検出された場合(図7CのSP738:「はい」の判定に相当)、かつ、PC300内に保存されている音声ファイルが不完全である場合(SP740:「はい」の判定に相当)、PC300は録音装置200Aに音声ファイル転送要求を出力する。録音装置200Aは、PC300から音声ファイル転送要求を受信し、該当する音声ファイルを記録媒体208中から探索して、通信部218A−2を介してサーバ400に送信する。このとき送信される音声ファイルは、テンポラリ音声ファイルのままであってもよいし、録音装置200A内で変換処理をして生成された記録用音声ファイルであってもよい。録音装置200Aからサーバ400にテンポラリ音声ファイルが送信される場合、サーバ400内で記録用音声ファイルに変換する処理が行われる。
【0153】
サーバ400は、記録用音声ファイルを補助記憶装置430に保存した後、音声ファイル保存完了通知をPC300に送信する。この音声ファイル保存完了通知は、PC300から録音装置200Aに転送される。あるいは、サーバ400からPC300および録音装置200Aの双方に音声ファイル保存完了通知が送信されてもよい。録音装置200Aは、テンポラリ音声ファイル内の付加情報中の送信完了情報TCを「未送信」から「送信済み」に書き換える(図7FのSR780の処理に相当)。一方、PC300内では、図7Fに示されるSP788からSP792までの処理が行われ、PC300内に保管されていた記録用音声ファイル(壊れている音声ファイルである)を消去する。そして、ユーザ設定に応じて(SP790:「はい」の判定に相当)テンポラリファイル消去コマンドを録音装置200Aに送信する。録音装置200Aは、テンポラリ音声ファイル消去コマンドで指定されたテンポラリ音声ファイルを消去する。
【0154】
また、以上の処理に加えて、録音装置200Aの電源を投入したときに、送信未完了音声データの存在が判定された場合(図7EのSR770:「はい」の判定に相当)にも、通信部218A−1を介して録音装置200Aからサーバ400に音声ファイルを送信することが可能である。
【0155】
図9を参照して説明した例では、録音装置200Aが通信部218A−1および通信部218A−2を備える。そして、録音装置200AからPC300への音声データの送信は、通信部218A−1を介して行う。一方、録音装置200AとPC300、あるいはPC300とサーバ400との間で送信エラーを生じた場合には、音声ファイルが通信部218A−2を介してサーバ400へとバイパス転送される。したがって、録音装置200AとPC300との間あるいはPC300とサーバ400との間で何らかの通信の障害を生じた場合であっても、音声ファイルをバイパスルートでサーバ400に送信することが可能となる。
【0156】
以上ではPC300を介在して録音装置200(200A)とサーバ400との間で情報の授受および音声ファイルの授受が行われる例について説明したが、録音装置200(200A)自体が、PC300に備えられる機能を含んだような構成を有するものとすることが可能である。
【0157】
例えば、録音装置がスマートフォンなどのような構成を備えていて、サーバと直接接続可能に構成されることにより、両者の間で以下のような録音処理をすることが可能となる。すなわち、ユーザが録音装置を操作してサーバに接続し、認証のための操作をしてサーバとの接続が確立されると録音装置の操作が可能となる。
【0158】
そして、録音装置を操作すると操作情報がサーバに出力され、サーバから録音装置に動作コマンドが出力される。ユーザが録音開始の操作をしたとき、録音装置からサーバに操作情報が出力される。サーバから録音装置に録音の動作コマンドとともにファイル名情報が出力される。このファイル名情報は、サーバ内で音声ファイルを保存する際に、当該音声ファイルに付与するものとして決定されたファイル名を特定可能な情報である。録音動作の進行に伴い、音声データが録音装置からサーバに逐次転送される。このとき、情報通信の失敗があると、録音装置またはサーバで当該情報通信の失敗が検出されて記録される。ユーザが録音動作を停止する操作をすると、その操作情報がサーバに出力され、サーバから録音装置に録音動作停止のコマンドが出力される。
【0159】
録音装置は、最後の音声データをサーバに出力するとともに、録音装置内でテンポラリ音声ファイルを生成する。このテンポラリ音声ファイル内の付加情報中にはファイル名情報が記録される。また、サーバの側においても、最後の音声データを録音装置から受信すると、音声ファイルを生成する。このとき生成される音声ファイルには、先に決定されたファイル名が付与される。
【0160】
上記情報通信の失敗が録音装置またはサーバで検出された場合、録音装置に保存されているテンポラリ音声ファイルがサーバに送信される。この際、録音装置の側でテンポラリ音声ファイルを記録用音声ファイルに変換し、ファイル名情報に基づくファイル名を付与してからサーバに送信してもよい。あるいは、録音装置からサーバにテンポラリ音声ファイルを送信し、サーバの側でテンポラリ音声ファイルを記録用音声ファイルに変換して先に決定されたファイル名を付与してもよい。
【0161】
以上に説明したように、録音装置200(200A)で録音されて生成された音声ファイルが外部処理装置としてのサーバ400に自動的に転送されて集約され、記録されるので、音声ファイルの管理が容易となる。このとき、通信の障害等が生じても、録音装置200(200A)の側で保存されるテンポラリ音声ファイルによってバックアップが可能となり、音声ファイルのより確実な転送を期することが可能となる。
【0162】
以上では、音声を記録する録音装置200(200A)で録音動作が行われ、生成される音声ファイルがサーバ400に集約される例について説明したが、録音装置200(200A)に代えてデータロガー、撮像装置等でデータ収集や撮像が行われ、生成されるデータファイルや画像ファイルをサーバ400に集約することも可能である。
【0163】
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
【0164】
[付記項]
1. 音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
外部処理装置と通信可能な通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置において前記逐次送信された音声データの受信が不完全あることが検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記不完全受信の通知を受けた音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記通信部を介して前記外部処理装置に送信する音声ファイル送信処理部と
を備えることを特徴とする録音装置。
【0165】
2. 前記録音動作の実行にあたり、前記外部処理装置から送信される識別情報を、前記通信部を介して受信する識別情報受信処理部をさらに備え、
前記音声記憶処理部は、第1の音声ファイルを生成する際に前記音声データに前記識別情報を付加して記録し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出すことを特徴とする付記項1に記載の録音装置。
【0166】
3. 前記識別情報は、前記外部処理装置で、当該音声データを格納する第2の音声ファイルに付与されたファイル名であって、
前記音声記憶処理部は、前記音声データを格納し前記ファイル名を有する前記第1の音声ファイルを記憶し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記不完全通知内に含まれる前記ファイル名を有する第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す
ことを特徴とする付記項2に記載の録音装置。
【0167】
4. 音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
外部処理装置および当該外部処理装置と異なる第2の外部処理装置と通信可能な通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置において前記逐次送信された音声データの受信が不完全であること検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記不完全受信の通知を受けた音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する音声ファイル送信処理部と
を備えることを特徴とする録音装置。
【0168】
付記項4に記載の録音装置によれば、外部処理装置において逐次送信された音声データの受信が不完全であることが検出された場合に、前記逐次送信された音声データを含む第1の音声ファイルが、録音装置から第2の外部処理装置に送信される。したがって、録音装置と外部処理装置、あるいは外部処理装置と第2の外部処理装置との間の通信に障害を生じている場合であっても、第2の外部処理装置は音声データを含む第1の音声ファイルを受信することが可能となる。
【0169】
5. 前記通信部は、前記外部処理装置と通信可能な第1の通信部と、前記第2の外部処理装置と通信可能な第2の通信部とを備え、
前記音声ファイル送信処理部は、前記第2の通信部を介して前記第2の外部処理装置に前記第1の音声ファイルを送信する
ことを特徴とする付記項4に記載の録音装置。
【0170】
付記項5に記載の録音装置によれば、録音装置と外部処理装置との間で通信の障害を生じている場合であっても、録音装置と第2の外部処理装置とは第2の通信部を介しての通信が可能となり、第2の外部処理装置は録音装置から完全な音声データを含む第1の音声ファイルを受信することが可能となる。
【0171】
6. 前記通信部は、無線の形態によって通信可能に構成されることを特徴とする付記項1から5のいずれか一つに記載の録音装置。
【0172】
付記項6に記載の録音装置によれば、録音装置を身に付けたユーザが外部処理装置から離れた位置に移動する際にコードが絡む等の不具合を生じることがない。
【0173】
7. 音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
外部処理装置と通信可能な通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置との間で前記音声データの逐次送信に失敗があったときに、当該情報通信の失敗を検出する通信失敗検出部と、
前記通信失敗検出部が前記逐次送信の失敗を検出した場合に、前記逐次送信に失敗した音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記通信部を介して前記外部処理装置に送信する音声ファイル送信処理部と
を備えることを特徴とする録音装置。
【0174】
付記項7に記載の録音装置によれば、音声データの逐次送信に失敗を、録音装置で検出し、送信に失敗した音声データを含む第1の音声ファイルが音声ファイル読み出し処理部によって読み出され、通信部を介して外部処理装置に送信される。したがって、録音装置と外部処理装置との間で音声データの逐次送信に失敗を生じた場合であっても音声データの消失を防ぐことが可能となる。
【0175】
8. 前記録音動作の実行にあたり、前記外部処理装置から送信される識別情報を、前記通信部を介して受信する識別情報受信処理部をさらに備え、
前記音声記憶処理部は、前記第1の音声ファイルを生成する際に前記音声データに前記識別情報を付加し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出すことを特徴とする付記項7に記載の録音装置。
【0176】
付記項8に記載の録音装置によれば、外部処理装置から送信される識別情報が録音装置内で生成される第1の音声ファイルに付加される。そのため、識別情報によって音声ファイルを同定することが可能となり、誤ったファイルが送信されるのを抑制することが可能となる。
【0177】
9. 前記識別情報は、前記音声データを受信した前記外部処理装置で、当該音声データを格納する第2の音声ファイルに付与されるファイル名であって、
前記音声記憶処理部は、前記音声データを格納し前記ファイル名を有した前記第1の音声ファイルを記憶し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記ファイル名を有する第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す
ことを特徴とする付記項8に記載の録音装置。
【0178】
付記項9に記載の録音装置によれば、外部処理装置で第2の音声ファイルとして保存される際に付与されるファイル名が付加されるので、外部処理装置側で保存される音声ファイルと録音装置側で保存される音声ファイルとの対応付けが容易となる。
10. 前記通信部は、ワイヤレスにより通信可能に構成されていること特徴とする付記7から9のいずれか一つに記載の録音装置。
【0179】
付記項追加10に記載の録音装置によれば、録音装置を身に付けたユーザが外部処理装置から離れた位置に移動する際にコードが絡む等の不具合を生じることがない。
【0180】
11. 音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
外部処理装置および当該外部処理装置と異なる第2の外部処理装置と通信可能な通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置との間で前期音声データの逐次送信に失敗があったときに、当該情報通信の失敗を検出する通信失敗検出部と、
前記通信失敗検出部が前記逐次送信の失敗を検出した場合に、前記逐次送信に失敗した音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する音声ファイル送信処理部と
を備えることを特徴とする録音装置。
【0181】
付記項11に記載の録音装置によれば、音声データの逐次送信に失敗したときに、録音装置の側で検出し、送信に失敗した音声データを含む第1の音声ファイルが音声ファイル読み出し処理部によって読み出され、通信部を介して外部処理装置に送信される。したがって、録音装置と外部処理装置との間で音声データの逐次送信に失敗を生じた場合であっても音声データの消失を防ぐことが可能となる。
【0182】
12. 前記通信部は、前記外部処理装置と通信可能な第1の通信部と、前記第2の外部処理装置と通信可能な第2の通信部とを備え、
前記音声ファイル送信処理部は、前記第2の通信部を介して前記第2の外部処理装置に前記第1の音声ファイルを送信する
ことを特徴とする付記項11に記載の録音装置。
【0183】
付記項12に記載の録音装置によれば、録音装置と外部処理装置との間で通信の障害を生じている場合であっても、録音装置と第2の外部処理装置とは第2の通信部を介しての通信が可能となり、第2の外部処理装置は録音装置から音声データを含む第1の音声ファイルを受信することが可能となる。
【0184】
13. 前記通信部は、無線の形態によって通信可能に構成されることを特徴とする付記項11または12に記載の録音装置。
【0185】
付記項13に記載の録音装置によれば、録音装置を身に付けたユーザが外部処理装置から離れた位置に移動する際に線が絡む等の不具合を生じることがない。
【0186】
14. 録音装置と、前記録音装置と通信が可能な外部処理装置とを備えて構成される録音システムであって、
前記録音装置は、
音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
前記外部処理装置と通信可能な第1の通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記第1の通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置において前記逐次送信された音声データの受信が不完全あることが検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を、前記第1の通信部を介して受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記不完全受信の通知を受けた音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記第1の通信部を介して前記外部処理装置に送信する第1の音声ファイル送信処理部と
を備え、
前記外部処理装置は、
前記録音装置と通信可能な第2の通信部と、
前記外部処理装置とは異なる第2の外部処理装置と通信可能な第3の通信部と、
前記録音装置から逐次送信される前記音声データを、前記第2の通信部を介して受信する音声データ受信処理部と、
前記音声データ受信処理部で受信した音声データを格納した音声ファイルである第2の音声ファイルを生成する音声ファイル生成処理部と、
前記第2の音声ファイルを、前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する第2の音声ファイル送信処理部と、
前記外部処理装置から前記第2の外部処理装置への前記第2の音声ファイルの送信に際して失敗が検出され、更に前記第2の音声ファイルが不完全であると判定されたときに、前記不完全通知を前記第2の通信部を介して前記録音装置に発する不完全通知出力部と、
前記不完全通知を受信した前記録音装置から送信される前記第1の音声ファイルを、前記第2の通信部を介して受信する音声ファイル受信処理部と
を備え、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記情報通信の失敗が検出されたときに、前記音声ファイル受信処理部で受信した前記第1の音声ファイルを、前記第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信することを特徴とする録音システム。
【0187】
付記項14に記載の録音システムによれば、情報通信の失敗が外部処理装置で検出されたときに、情報通信の失敗によって送受信のうまく行われていない可能性のある情報を含む第1の音声ファイルが録音装置の音声ファイル読み出し処理部によって読み出され、第1の通信部を介して外部処理装置に送信される。この第1の音声ファイルは、外部処理装置から第2の外部処理装置に第2の音声ファイルとして送信される。したがって、外部処理装置で第2の音声ファイルの送信に失敗した場合や、外部処理装置内で生成された第2の音声ファイルに不具合がある場合であっても不具合の無い音声ファイルを第2の外部処理装置に送信しなおすことが可能となり、音声データの消失を防ぐことが可能となる。
【0188】
15. 前記外部処理装置はさらに、
前記第2の外部処理装置から送信される識別情報を、前記第3の通信部を介して受信する、第1の識別情報受信処理部と、
前記識別情報を、前記第2の通信部を介して前記録音装置に送信する識別情報送信処理部と
をさらに備え、
前記録音装置はさらに、
前記外部処理装置から送信される前記識別情報を、前記第1の通信部を介して受信する第2の識別情報受信処理部
をさらに備え、
前記録音装置において、
前記音声記憶処理部は、前記第1の音声ファイルを生成する際、前記音声データに前記識別情報を付加し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出し、
前記外部処理装置において、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記音声ファイル受信処理部で受信した、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを、前記第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する
ことを特徴とする付記項14に記載の録音システム。
【0189】
付記項15に記載の録音システムによれば、第2の外部処理装置から外部処理装置を経て録音装置に送信される識別情報が、録音装置内で生成される第1の音声ファイルに付加される。そのため、識別情報によって、録音装置内に保管される第1の音声ファイルと、第2の外部処理装置の側で必要とする音声ファイルとの対応付けが確実となり、誤ったファイルが送信されるのを抑制することが可能となる。
【0190】
16. 前記識別情報には、前記第2の外部処理装置から割り当てられたファイル名を特定可能な情報であるファイル名情報が含まれ、
前記録音装置において、
前記音声記憶処理部は、前記ファイル名情報を付加された前記第1の音声ファイルを記憶し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記ファイル名情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出し、
前記外部処理装置において、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記音声ファイル受信処理部で受信した、前記ファイル名情報が付加された第1の音声ファイルに、前記第2の外部処理装置から割り当てられたファイル名を付与し、前記第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する
ことを特徴とする付記項15に記載の録音システム。
【0191】
付記項16に記載の録音システムによれば、録音装置において、第2の外部処理装置が割り当てたファイル名を特定可能な情報であるファイル名情報が付加されて音声データが第1の音声ファイルとして記録されるので、録音装置の側で保存される第1の音声ファイルと、第2の外部処理装置側で必要とする第2の音声ファイルとの対応付けが容易となる。
【0192】
17. 録音装置と、前記録音装置と通信が可能な外部処理装置とを備えて構成される録音システムであって、
前記録音装置は、
音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
前記外部処理装置と通信可能な第1の通信部と、
前記外部処理装置と異なる第2の外部処理装置と通信可能な第2の通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記第1の通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置逐次送信された音声データを含む第2の音声ファイルの前記外部処理装置から前記第2の外部処理装置への送信の失敗が検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を、前記第1の通信部を介して受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記送信失敗の通知を受けた音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記第2の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する第2の音声ファイル送信処理部と
を備え、
前記外部処理装置は、
前記録音装置と通信可能な第3の通信部と、
前記第2の外部処理装置と通信可能な第4の通信部と、
前記録音装置から逐次送信される前記音声データを、前記第3の通信部を介して受信する音声データ受信処理部と、
前記音声データ受信処理部で受信した音声データを格納した前記第2の音声ファイルを生成する音声ファイル生成処理部と、
前記第2の音声ファイルを、前記第4の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する第3の音声ファイル送信処理部と、
前記外部処理装置から前記第2の外部処理装置への前記第2の音声ファイルの送信の失敗が検出されたときに、前記不完全通知を前記第3の通信部を介して前記録音装置に発する不完全通知出力部と
を備えることを特徴とする録音システム。
【0193】
付記項17に記載の録音システムによれば、第1の通信部を介して外部装置に逐次送信された音声データを含む第2の音声ファイルを、その外部装置から第2の外部装置へ送信することに失敗したことが検出されたときに、その失敗によって正しく送信されなかった音声データを含む第1の音声ファイルが録音装置の音声ファイル読み出し処理部によって読み出され、第2の通信部を介して第2の外部処理装置に直接送信される。したがって、録音装置と外部処理装置、あるいは外部処理装置と第2の外部処理装置との間の通信に障害を生じている場合であっても、第2の外部処理装置は第1の音声ファイルを受信することが可能となる。
【0194】
18. 前記第2の通信部は、前記第1の通信部と同一である
ことを特徴とする付記項17に記載の録音システム。
【0195】
付記項18に記載の録音システムによれば、外部処理装置と第2の外部処理装置との間で通信の障害を生じている場合であっても、録音装置と第2の外部処理装置とは通信が可能となり、第2の外部処理装置は録音装置から第1の音声ファイルを受信することが可能となる。
【0196】
19. 前記第1および第2の通信部は、無線の形態によって通信可能に構成されることを特徴とする付記項14から18のいずれか一つに記載の録音システム。
【0197】
付記項18に記載の録音システムによれば、録音装置を身に付けたユーザが外部処理装置から離れた位置に移動する際に線が絡む等の不具合を生じることがない。
【0198】
20. 録音装置と、前記録音装置と通信が可能な外部処理装置とを備えて構成される録音システムであって、
前記録音装置は、
音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
前記外部処理装置と通信可能な第1の通信部と、
前記録音装置の動作を指定するためのユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記操作部において受け付けたユーザ操作の内容を含む操作情報を前記第1の通信部を介して前記外部処理装置に送信する操作情報送信処理部と、
受信した前記操作情報に対応して前記外部処理装置から送信される動作コマンドを、前記第1の通信部を介して受信する動作コマンド受信処理部と、
前記第1の通信部を介して受信した動作コマンドに対応する動作を行うように前記録音装置を制御する動作コマンド実行部と
を備え、
前記外部処理装置は、
前記録音装置と通信可能な第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して受信した前記操作情報に対応する動作コマンドを、前記第2の通信部を介して前記録音装置に出力する動作コマンド送信処理部と
を備えることを特徴とする録音システム。
【0199】
付記項20に記載の録音システムによれば、
録音装置から外部処理装置に送信された操作情報に基づいて外部処理装置から録音装置に送信された動作コマンドに基づき、録音装置が動作するので、録音装置と外部処理装置との連係動作をより確実に行うことが可能となる。
【0200】
21. 前記録音装置はさらに、
前記動作コマンドに基づく録音動作と同時に、前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを前記第1の通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置において前記逐次送信された音声データの受信が不完全であることが検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記不完全受信の通知を受けた音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記第1の通信部を介して前記外部処理装置に送信する第1の音声ファイル送信処理部と
を備え、
前記外部処理装置はさらに、
前記外部処理装置とは異なる第2の外部処理装置と通信可能な第3の通信部と、
前記録音装置から逐次送信される前記音声データを、前記第2の通信部を介して受信する音声データ受信処理部と、
前記音声データ受信処理部で受信した音声データを格納した音声ファイルである第2の音声ファイルを生成する音声ファイル生成処理部と、
前記第2の音声ファイルを、前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する第2の音声ファイル送信処理部と、
前記外部処理装置から前記第2の外部処理装置への前記第2の音声ファイルの送信に際して失敗が検出されたときに、前記不完全通知を前記第2の通信部を介して前記録音装置に発する不完全通知出力部と、
前記不完全通知を受信した前記録音装置から送信される前記第1の音声ファイルを、前記第2の通信部を介して受信する音声ファイル受信処理部と
を備え、
前記外部処理装置において、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記情報通信の失敗が検出されたときに、前記音声ファイル受信処理部で受信した前記第1の音声ファイルを、前記第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する
ことを特徴とする付記項20に記載の録音システム。
【0201】
付記項21に記載の録音システムによれば、情報通信の失敗が外部処理装置で検出されたときに、情報通信の失敗によって送受信のうまく行われていない可能性のある情報を含む第1の音声ファイルが録音装置の音声ファイル読み出し処理部によって読み出され、第1の通信部を介して外部処理装置に送信される。この第1の音声ファイルは、外部処理装置から第2の外部処理装置に第2の音声ファイルとして送信される。したがって、外部処理装置で第2の音声ファイルの送信に失敗した場合や、外部処理装置内で生成された第2の音声ファイルに不具合がある場合であっても不具合の無い音声ファイルを第2の外部処理装置に送信しなおすことが可能となり、音声データの消失を防ぐことが可能となる。
【0202】
22. 前記外部処理装置はさらに、
前記第2の外部処理装置から送信される識別情報を前記第3の通信部を介して受信する、第1の識別情報受信処理部と、
前記識別情報を、前記第2の通信部を介して前記録音装置に送信する識別情報送信処理部と
をさらに備え、
前記録音装置はさらに、
前記外部処理装置から送信された前記識別情報を、前記第1の通信部を介して受信する第2の識別情報受信処理部
をさらに備え、
前記録音装置において、
前記音声記憶処理部は、前記第1の音声ファイルを生成する際、前記音声データに前記識別情報を付加し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出し、
前記外部処理装置において、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記音声ファイル受信処理部で受信した、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを、前記第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する
ことを特徴とする付記項21に記載の録音システム。
【0203】
付記項21に記載の録音システムによれば、第2の外部処理装置から外部処理装置を経て録音装置に送信される識別情報が、録音装置内で生成される第1の音声ファイルに付加される。そのため、付加された識別情報によって、録音装置内に保管される第1の音声ファイルと、第2の外部処理装置の側で必要とする音声ファイルとの対応付けが確実となり、誤ったファイルが送信されるのを抑制することが可能となる。
【0204】
23. 前記識別情報には、前記第2の外部処理装置から割り当てられたファイル名を特定可能な情報であるファイル名情報が含まれ、
前記録音装置において、
前記音声記憶処理部は、前記ファイル名情報を付加された前記第1の音声ファイルを記憶し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記ファイル名情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出し、
前記外部処理装置において、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記音声ファイル受信処理部で受信した前記ファイル名情報が付加された第1の音声ファイルに、前記第2の外部処理装置から割り当てられたファイル名を付与し、第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する
ことを特徴とする付記項22に記載の録音システム。
【0205】
付記項23に記載の録音システムによれば、録音装置において、第2の外部処理装置が割り当てたファイル名を特定可能な情報であるファイル名情報が付加されて音声データが第1の音声ファイルとして記録されるので、録音装置の側で保存される第1の音声ファイルと、第2の外部処理装置側で必要とする第2の音声ファイルとの対応付けが容易となる。
【0206】
24. 前記外部処理装置は、
前記録音装置で録音を指示する操作が行われたのに応じて識別情報を発行する識別情報発行処理部と、
前記識別情報を、前記第2の通信部を介して前記録音装置に、前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に、それぞれ送信する、識別情報送信処理部と
をさらに備え、
前記録音装置は、
前記情報装置から送信された識別情報を、前記第1の通信部を介して受信する識別情報受信処理部
をさらに備え、
前記録音装置において、
前記音声記憶処理部は、前記第1の音声ファイルを生成する際、前記音声データに前記識別情報を付加し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出し、
前記外部処理装置において、
前記第2の音声ファイル送信処理部は、前記音声ファイル受信処理部で受信した、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを、前記第2の音声ファイルとして前記第3の通信部を介して前記第2の外部処理装置に送信する
ことを特徴とする付記項21に記載の録音システム。
【0207】
付記項24に記載の録音システムによれば、外部処理装置で発行された識別情報が録音装置および第2の外部処理装置に送信される。この識別情報は、録音装置内で生成される第1の音声ファイルに付加される。そのため、付加された識別情報によって、録音装置内に保管される第1の音声ファイルと、第2の外部処理装置の側で必要とする音声ファイルとの対応付けが確実となり、誤ったファイルが第2の外部処理装置に送信されるのを抑制することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本発明は、電子式のスチルカメラ、ムービーカメラ、撮影機能付きの携帯電話、録音装置等、音声を収録可能な機器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0209】
100 … 録音システム
200 … 録音装置
202 … マイクロホン
204 … アナログ・フロントエンド
206 … デジタル・シグナル・プロセッサ
208 … 記録媒体
210 … システム制御部
212 … 操作部
216 … 表示部
218 … 通信部
300 … PC
302 … 通信部
304 … 補助記憶装置
306 … CPU
310 … ネットワーク・インターフェース
314 … 表示部
316 … 操作入力部
400 … サーバ
402 … 本体部
404 … CPU
408 … 出力部
410 … 入力部
420 … ネットワーク・インターフェース
430 … 補助記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を入力するマイクと、
前記マイクから出力される音声信号を処理してデジタルの音声データを生成し、当該の音声データを格納した第1の音声ファイルを生成して記録媒体に記憶する音声記憶処理部と、
外部処理装置と通信可能な通信部と、
録音動作と同時に前記音声記憶処理部で生成される前記音声データを、前記通信部を介して前記外部処理装置に逐次送信する音声データ送信処理部と、
前記外部処理装置において前記逐次送信された音声データの受信が不完全あることが検出されたときに、前記外部処理装置から発せられる不完全通知を受信する不完全通知受信処理部と、
前記不完全通知を受信した場合に、前記不完全受信の通知を受けた音声データを含む第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す音声ファイル読み出し処理部と、
前記音声ファイル読み出し処理部によって読み出された第1の音声ファイルを、前記通信部を介して前記外部処理装置に送信する音声ファイル送信処理部と
を備えることを特徴とする録音装置。
【請求項2】
前記録音動作の実行にあたり、前記外部処理装置から送信される識別情報を、前記通信部を介して受信する識別情報受信処理部をさらに備え、
前記音声記憶処理部は、第1の音声ファイルを生成する際に前記音声データに前記識別情報を付加して記録し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記識別情報が付加された第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出すことを特徴とする請求項1に記載の録音装置。
【請求項3】
前記識別情報は、前記外部処理装置で、当該音声データを格納する第2の音声ファイルに付与されたファイル名であって、
前記音声記憶処理部は、前記音声データを格納し前記ファイル名を有する前記第1の音声ファイルを記憶し、
前記音声ファイル読み出し処理部は、前記不完全通知内に含まれる前記ファイル名を有する第1の音声ファイルを前記記録媒体から読み出す
ことを特徴とする請求項2に記載の録音装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−203659(P2012−203659A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67777(P2011−67777)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】